当中間会計期間において、新たに発生した「事業等のリスク」はありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当中間会計期間における我が国経済は、個人消費において物価高の影響から一部に弱い動きがみられるものの、6月から実施された所得税・住民税減税による可処分所得の増加が民間消費を押し上げ、企業の設備投資も、高水準の企業収益を背景に底堅く推移しております。ソフトウエア投資については、人手不足感がさらに強まる状況でDXの推進や生成AIへの投資が活発化しており、システムインテグレーションを含む受注ソフトウエアの売上高は前年比を上回る状況が続いております。一方で、当社が属するソフトウエアプロダクツの売上高は、当上半期において前年比90%前後の推移となっておりますが(経済産業省 特定サービス産業動態統計確報(8月分))、これまで厳格な管理が行われていた業界・業種においても人為的な情報漏洩が発生しており、情報セキュリティへの対策が益々求められる環境となっております。
このような状況のもと、当社は、2030年に向けた長期ビジョン「VISION2030」を設定し、直近の3ヶ年にあたる第1次中期経営計画(投資フェーズ:2025年3月期から2027年3月期)およびゴールとなる2030年に繋がる第2次中期経営計画(成長フェーズ:2028年3月期から2030年3月期)について中長期経営計画を立案いたしました。第1次中期経営計画の初年度である2025年3月期は、「フロー売上拡大」「ストック売上強化」「役割による組織化ならびにタレントスキル向上による生産性向上」を重点施策に定めて、新たな活動に取り組んでおります。
営業面においては、6月に「Interop Tokyo 2024」(主催:Interop Tokyo 実行委員会)や「カードセキュリティフォーラム 2024」(主催:日本カード情報セキュリティ協議会)などのイベントやWebセミナーなどマーケティング活動に注力しており、新規営業リード獲得や認知度向上に努めております。なお、当社の主力製品である証跡管理ツール「ESS REC」は、株式会社富士キメラ総研が証跡管理ツール市場を2024年に初調査した結果において、2023年証跡管理ツール市場での占有率が63.8%となり、シェア1位を獲得いたしました。
製品開発面では、システム証跡監査ソフトウエア「ESS REC 6」および次世代型特権ID管理ソフトウエア「ESS
AdminONE」の機能強化・拡張や新クラウドサービスリリースに注力しております。なお、「ESS AdminONE」は、発売から3年半となる2024年9月末の時点において、累計で200件のプロジェクトに採用いただきました。同製品は業種を問わず、金融、情報通信、公共、製造、サービス、建設、医療など、幅広い業種のお客様に採用いただいており、システム運用の安全性向上・業務効率化に貢献しています。
当社の当中間会計期間における経営成績は次のとおりであります。
当中間会計期間におけるライセンス売上は、予定していた主要商談が第3四半期以降へ遅延したこと等による影響により8.1%の減少となったものの、主力製品の「ESS REC」は前年同期比で11.9%の増加となりました。ライセンス売上に派生するコンサルティングサービス売上については、前年同期比で9.4%の減少となりました。
一方、ストックビジネスである保守サポートサービス売上は、10%値上げの影響等により前年同期比で6.4%の増加となりました。また、クラウドサービスについても、エンタープライズユーザー向けサブスクリプション契約が予定どおり6月より開始されたことにより、前年同期比57.4%増と大きく伸長しております。
これにより、売上高は1,222,957千円(前年同期比3.3%増)となりました。
一方、「ESS AdminONE」「ESS REC 6」の新製品バージョンのリリースに伴い、減価償却負担(ソフトウエア償却費からソフトウエアに計上される機能拡張費用を控除)が、前年同期比84百万円増加、給与手当を年率約6%の昇給をしたこと等により、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額は1,120,897千円(前年同期比6.2%増)となりました。
この結果、営業利益は102,059千円(前年同期比20.5%減)、経常利益は103,956千円(同19.7%減)、中間純利益は69,588千円(同21.7%減)となりました。
なお、当中間会計期間における製品・サービス区分別販売実績は以下のとおりであります。
当中間会計期間における製品・サービス区分別販売実績
(単位:千円)
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製品・サービスの名称 |
パッケージソフトウエア事業※1 |
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前中間会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) |
当中間会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) |
増減率(%) |
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うちESS REC |
153,619 |
171,940 |
11.9 |
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うちESS AdminONE |
113,502 |
112,501 |
△0.9 |
|
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うちその他ライセンス
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66,409 |
22,228 |
△66.5 |
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ライセンス |
333,531 |
306,670 |
△8.1 |
|
|
保守サポートサービス |
662,025 |
704,325 |
6.4 |
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クラウドサービス |
48,104 |
75,708 |
57.4 |
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コンサルティングサービス |
129,314 |
117,177 |
△9.4 |
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SIO常駐サービス |
11,071 |
8,845 |
△20.1 |
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その他※2 |
78 |
10,230 |
- |
|
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合計 |
1,184,124 |
1,222,957 |
3.3 |
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※1 当社はパッケージソフトウエア事業の単一セグメントであります。
※2 その他の主なものはレンタル売上、販売奨励金等であります。
(2)財政状態に関する説明
①資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当中間会計期間末の資産合計は、前事業年度末に比べ291,730千円減少し、4,590,725千円(前事業年度末比6.0%減)となりました。主な要因は、売掛金及び契約資産の減少140,873千円、減価償却費計上による無形固定資産に含まれるソフトウエアの減少58,721千円、税金納付等による現金及び預金の減少55,387千円、投資その他資産に含まれる繰延税金資産の減少32,143千円によるものであります。
(負債)
当中間会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ222,679千円減少し、1,233,962千円(前事業年度末比15.3%減)となりました。主な要因は、前事業年度の確定申告納付による未払法人税等の減少214,361千円、賞与支給による賞与引当金及び役員賞与引当金の減少114,975千円、その他に含まれる未払消費税等の減少39,602千円、未払金の減少16,573千円、保守サポートサービス売上における契約負債の増加185,749千円、によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末の純資産合計は、前事業年度末に比べ69,051千円減少し、3,356,762千円(前事業年度末比 2.0%減)となりました。主な要因は、剰余金の配当による減少134,295千円、中間純利益69,588千円の計上によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,501,550千円(前事業年度末比55,387千円減)となりました。当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において営業活動の結果得られた資金は、178,054千円(前中間会計期間は584,115千円の資金増)となりました。主な支出要因は、法人税等の支払額207,391千円、賞与引当金の減少額95,845千円、主な収入要因は、保守サポートサービス売上における契約負債の増加185,749千円、減価償却費の計上142,001千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において投資活動の結果支出した資金は、99,145千円(前中間会計期間は152,023千円の資金減)となりました。主な支出要因は、製品の拡張・改良に伴う市場販売目的ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出73,983千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間において財務活動の結果支出した資金は、配当金の支払134,295千円(前中間会計期間は134,295千円の資金減)によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社は、システム運用を安全かつ安定的に稼動させるために、システムリスクとヒューマンリスクの両面からの
アプローチによって、最適なソリューションをパッケージソフトウエアで提供しております。研究開発活動におい
ては、パッケージソフトウエア事業において、主力製品である「ESS REC」の大幅な機能強化(次世代型システム
証跡管理製品)とAIを搭載した本人確認によるなりすまし防止製品の2つの新製品開発プロジェクトを主とした
研究開発を行なってきました。
当中間会計期間においては、「ESS AdminONE」「ESS REC6」の機能拡張を継続的に進め、最新バージョンを
2024年5月にリリースしました。同製品の機能拡張フェーズへの移行に伴い、中間会計期間の研究開発費は、前中間
会計期間に比し4,235千円減少し、24,237千円となりました。
今後は、第1次中期経営計画の3年間の投資フェーズの中で、既存製品のさらなる機能拡張に加え、新製品のリリ
ース、既存主要製品を統合した新たな運用統制ソリューション製品の提供、新製品・統合製品のクラウド化(Saas)
に向けて、研究開発活動を継続的に進めてまいります。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。