第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)当中間期の経営成績の概況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用や個人所得の面で改善の兆しが見られており、景気回復に向けて、緩やかな回復基調を見せております。一方で、円安などに起因する物価上昇、特にエネルギー価格と食品価格の上昇が全体のインフレ率を押し上げており、本格的な景気回復にまでは至っておりません。このようなことから、企業を取り巻く環境には、引き続き厳しいものがあり、先行きは楽観視できない状況となっております。

 

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が属する情報サービス業界においては、企業の働き方改革や非接触対応等を目的とした業務効率化システムへの引き合いが活発化しております。加えて、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」をテーマとした、クラウドコンピューティングの普及拡大、ビッグデータやAI(人工知能)の活用拡大、IoTの推進などの取り組みも継続していることから、引き続き、システム関連への投資は拡大傾向にあります。

 

 このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(2022年4月-2025年3月)における最終年度を迎えております。当期の計数目標である「売上高40,000百万円、営業利益3,200百万円、営業利益率8.0%、ROE10%以上」を達成すべく、グループ一丸となり、業容拡大に努めております。

 

 当中間連結会計期間の業績は、売上高は18,875百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益1,025百万円(同34.9%減)、経常利益1,020百万円(同36.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,005百万円(同3.5%減)となりました。

 

 売上高は、第2四半期単体で大きく伸ばすことが出来ましたが、第1四半期の落ち込みをカバーするに至りませんでした。データセンター・クラウドサービス、及びサービスステーション(「SS」、「ガソリンスタンド」)向け受託計算サービスの売上高は堅調に推移しており、メーリングサービスの売上高についても前年同期比でプラスとなりました。システム開発サービスは、一部案件において開発が遅れたことなどにより、全体的に売上が伸び悩み、前年同期比で減収となりました。

 営業利益、親会社株主に帰属する中間純利益はいずれも前年同期比で減益となりました。当中間期は、前四半期に引き続き、原価高となっており、全般的に利益が伸び悩んでおります。親会社株主に帰属する中間純利益は、保有する投資有価証券の売却益を計上したため、前年同期比で若干減にとどまりました。減益の主たる要因となっている原価高については、採算に見合った適正価格での販売や新規獲得に伴う増収効果により、解消に向けて動いており、既に結果が出始めております。

 

 当中間連結会計期間におけるサービス別売上高、売上総利益の状況は以下のとおりです。

 

[情報処理サービス]

 売上高は7,525百万円(前年同期比1.3%増)、売上総利益は1,354百万円(同12.4%減)となりました。

 顧客のデータセンター利用に対するニーズは依然旺盛であり、データセンター・クラウド事業の売上は順調に推移しております。また、当社の基幹事業であるエネルギー産業向け受託計算サービスの売上も引き続き堅調であります。特に、プロパンガス販売会社向けスマートメーター・サービスであるプロパネットは好調に推移しました。メーリングサービスは第1四半期に大型案件の失注があり、同四半期に売上が一時的に落ち込みましたが、当中間連結会計期間では前年同期比でプラスとなりました。一方で、クラウドの仮想化環境用に広く使われております製品(「仮想化基盤製品」)の事実上の値上がりや、当社がSS向けに提供している自社基幹システムの機能向上開発による償却費の負担増などにより、原価高となる一方、販売価格の改定は、顧客の理解を得ながら進めている関係上、時間を要しております。その結果、売上総利益は前年同期比で減少しました。

 

 

[システム開発サービス]

 売上高は10,486百万円(前年同期比2.2%減)、売上総利益は2,242百万円(同9.7%減)となりました。

 システム開発を手掛けるグループ会社2社の業績が好調に推移する一方で、当社単独の売上が伸び悩み、開発原価も嵩んだことから、連結ベースでの収益が伸びませんでした。特に主要顧客であるエネルギー産業向けのソフトウエア開発の進捗が振るわず、流通業向けの受託開発売上も想定を下回りました。一方で、人工衛星などの開発を手掛ける宇宙衛星事業は好調に推移し、同サービスの業績の落ち込みを、ある程度下支えする形となりました。

 

[システム機器販売]

 売上高は863百万円(前年同期比4.8%増)、売上総利益は219百万円(同9.7%増)となりました。主に、情報処理サービスの顧客向けの機器販売が順調に推移し、増収増益を確保しました。

 

サービス別売上高、売上総利益

 

2024年3月期

中間会計期間

2025年3月期

中間会計期間

前年同期比

増減額

増減率

 

情報処理サービス

 

売上高

百万円

7,430

百万円

7,525

百万円

94

1.3

売上総利益

1,545

1,354

△191

△12.4

システム開発サービス

売上高

10,725

10,486

△238

△2.2

売上総利益

2,484

2,242

△241

△9.7

システム機器販売

売上高

823

863

39

4.8

売上総利益

200

219

19

9.7

合計

売上高

18,979

18,875

△103

△0.5

売上総利益

4,230

3,816

△413

△9.8

 

営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益

 

2024年3月期

中間会計期間

2025年3月期

中間会計期間

前年同期比

金額

利益率

金額

利益率

増減額

増減率

 

営業利益

百万円

1,575

8.3

百万円

1,025

5.4

百万円

△549

△34.9

経常利益

1,601

8.4

1,020

5.4

△581

△36.3

親会社株主に帰属する中間純利益

1,041

5.5

1,005

5.3

△36

△3.5

 

(2)財政状態の状況

 当中間連結会計期間末における総資産は36,436百万円となり、前連結会計年度末比1,170百万円の減少となりました。その主な要因は「受取手形、売掛金及び契約資産」の増加等があったものの、「投資有価証券」の減少等によるものであります。

 当中間連結会計期間末における負債は17,887百万円となり、前連結会計年度末比377百万円の増加となりました。その主な要因は流動負債の「その他」に含まれる「未払金」の減少等があったものの、有利子負債が増加したこと等によるものであります。

 なお、純資産は自己株式の取得等があって18,549百万円となり、自己資本比率は50.9%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における連結キャッシュ・フローの状況等については、次のとおりであります。

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前中間連結会計期間末と比較して1,021百万円増加し、当中間連結会計期間末には4,759百万円となりました。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、473百万円となりました(前中間連結会計期間は3,717百万円の獲得)。

 これは主に、法人税等の支払額728百万円(前年同中間連結会計期間比500百万円増)、契約負債の減少303百万円(同490百万円減)及び売上債権の増加239百万円(同15百万円増)等により資金が減少したものの、税金等調整前中間純利益の計上1,588百万円(同16百万円減)等により資金が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、1,129百万円となりました(前中間連結会計期間は1,207百万円の使用)。

 これは主に、投資有価証券の売却による収入994百万円(前年同中間連結会計期間比977百万円増)により資金が増加したものの、固定資産の取得による支出2,209百万円(同1,012百万円増)により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は、136百万円となりました(前中間連結会計期間は1,082百万円の使用)。

 これは主に、自己株式の取得による支出1,559百万円(前年同中間連結会計期間比1,559百万円増)及び配当金の支払いによる支出430百万円(同47百万円増)があったものの、有利子負債の純増2,186百万円(同2,844百万円増)等により資金が増加したことによるものであります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の金額は販売費及び一般管理費に30,942千円計上しております。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。