当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等の
リスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、円安の進行や物価上昇の影響による景気の下振れ懸念があったものの、雇用や所得環境の改善が進んだことなどから、緩やかに回復し、社会経済活動の動きが活発になった一方で、国際情勢不安、供給面での制約及び金融資本市場の変動等、依然として不確実性が高く、景気の先行きは予断を許さない状況にあります。
当社グループの主たる事業である医薬品卸売業界におきましては、2024年4月の薬価改定による医療費削減効果はおよそ1,200億円規模となり、今後も社会保障制度や薬価制度など人々の生命、健康にかかわる政策・制度の抜本改革へ向けた議論が活発化し薬剤費の抑制政策は継続されることが予想されます。
このような中、第5次中期経営計画最終年度である当期におきましては、各種実践課題の総仕上げと、利益計画の達成を目指すとともに、「長期ビジョン2035:垣根を越えて 薬の先へ “つなぐ” ことで医療の未来を革新する」の実現に向けてグループ一丸となって取り組んでまいります。
ここで、当中間連結会計期間内の主なトピックスを3点ご紹介します。
まず1点目は、地域に深く根付いた当社グループならではの営業戦略の成果についてです。主要事業子会社の一つ、㈱バイタルネット(本社:仙台市)では、主力エリア内の岩手県盛岡市、山形県山形市などと「健康増進に関する連携協定」を締結し、当該自治体や医師会等と共催で市民向け公開講座を開催し、子宮頸がんワクチン受診の重要性を訴える活動を展開し、売上拡大に大きく寄与しました。
また、もう一つの主要事業子会社の㈱ケーエスケー(本社:大阪市)では、女性の社会進出に伴い表面化してきた、女性特有の疾患や健康問題に対応するため、女性を中心とした営業組織「ウィメンズヘルスケアソリューション部(WHS部)」を新設し、2024年7月より活動を開始いたしました。担当する産科・婦人科に対し、専門性を活かした営業活動を展開することで、専門組織ゆえのタッチポイントの強さを実感するだけでなく、子宮頸がんワクチンをはじめ、売上拡大に寄与するなど、早々にその効果が発現し始めております。
次に2点目は、2024年8月、神奈川県の伊勢原市にある伊勢原物流センター(仮称)が、当社グループの新規注力事業である製薬メーカー向け3PL事業の5番目の拠点として当局の許認可が下り、2026年度稼働を目指して建設ステージに入りました。
最後の3点目は、同じく8月に、動物用医薬品卸売事業の連結子会社の㈱アグロジャパンが神奈川県横浜市に本社がある同業のアローメディカル㈱の株式を90%取得して連結子会社化しました。これで、アローメディカル㈱が持つ首都圏エリア内の約600に及ぶ動物病院の顧客を㈱アグロジャパンが一気に獲得したことになります。
なお、2024年10月8日付の「公正取引委員会による連結子会社(孫会社)の株式会社アグロジャパンへの立ち入り検査について」においてお知らせしました通り、㈱アグロジャパンは、山形県等が発注する動物用医薬品の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立ち入り検査を受けました。当社といたしましては、㈱アグロジャパンとともに、この度の事態を厳粛かつ真摯に受け止め、公正取引委員会の検査に全面的に協力してまいります。
当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高297,079百万円(前中間連結会計期間比101.0%)、営業利益2,876百万円(前中間連結会計期間比100.3%)、経常利益は3,637百万円(前中間連結会計期間比104.6%)、親会社株主に帰属する中間純利益2,420百万円(前中間連結会計期間比103.1%)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 医薬品卸売事業
医薬品卸売事業の当中間連結会計期間におきましては、薬価改定の影響のほか、前年同期に計上した新型コロナウイルス感染症の治療薬や検査キット等の販売やコロナワクチン配送業務受託による売上が減少するなどマイナスの影響はあったものの、抗がん剤を中心とした新薬創出加算品、先発品および子宮頸がんワクチンや、10月から接種開始になる新たなコロナワクチン等の販売が減収分を上回りわずかに増収となりました。利益面においては、この増収効果等により前年同期比で伸長いたしました。
以上の結果、売上高は279,541百万円(前中間連結会計期間比100.8%)、セグメント利益(営業利益)は、2,724百万円(前中間連結会計期間比103.2%)となりました。
② 薬局事業
薬局事業におきましては、受付処方箋枚数は減少したものの、調剤技術料収入および薬学管理料収入の増大に努めたことなどにより売上高は伸長いたしました。一方、利益面においては、薬価改定の影響のほか、処方日数の長期化などにより減益となりました。以上の結果、売上高は9,725百万円(前中間連結会計期間比103.6%)、セグメント利益(営業利益)は96百万円(前中間連結会計期間比83.7%)となりました。
③ 動物用医薬品卸売事業
動物用医薬品卸売事業におきましては、一部商品がメーカー直販になるため商品切り替えのマイナス等の影響がありましたが、アローメディカル㈱の連結子会社化もあり売上は5,647百万円(前中間連結会計期間比101.0%)となりました。セグメント利益(営業利益)は仕入価格の上昇等が影響し、144百万円(前中間連結会計期間比78.6%)となりました。
④ その他事業
その他事業におきましては、各事業において売上が回復したこと等により、セグメント損失額も縮小いたしました。この結果、売上高は2,165百万円(前中間連結会計期間比106.4%)、セグメント損失(営業損失)は88百万円(前中間連結会計期間のセグメント損失は108百万円)となりました。
当中間連結会計期間の末日現在の資産は、前連結会計年度末から310百万円増加し、317,568百万円となりました。内訳は、流動資産198,376百万円、固定資産119,192百万円であります。
流動資産の主な内訳は、現金及び預金19,659百万円、受取手形及び売掛金123,552百万円、棚卸資産35,667百万円、未収入金16,098百万円であります。なお前連結会計年度末に比べ、受取手形及び売掛金が5,559百万円、棚卸資産が4,246百万円増加したものの、現金及び預金が15,052百万円減少したこと等により、流動資産が4,927百万円減少しております。
固定資産の内訳は、有形固定資産49,449百万円、無形固定資産4,295百万円、投資その他の資産65,446百万円であります。なお、前連結会計年度末に比べ、投資有価証券が4,935百万円増加したこと等により、固定資産が5,237百万円増加しております。
負債は、前連結会計年度末から3,375百万円減少し、207,942百万円となりました。内訳は、流動負債189,383百万円、固定負債18,558百万円であります。
流動負債の主な内訳は、支払手形及び買掛金177,308百万円、賞与引当金1,553百万円であります。なお前連結会計年度末に比べ、支払手形及び買掛金が1,866百万円減少したこと等により、流動負債が4,023百万円減少しております。
固定負債の主な内訳は、長期借入金5,335百万円であります。
純資産は、前連結会計年度末から3,686百万円増加し、109,626百万円となりました。主な要因は、自己株式の取得1,540百万円の減少があったものの、その他有価証券評価差額金4,108百万円の増加、親会社株主に帰属する中間純利益2,420百万円の計上等によるものであります。
当中間連結会計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、16,084百万円となりました。
当中間連結会計期間において、営業活動による資金の減少は9,673百万円となりました。これは主として売上債権の増加額5,387百万円、棚卸資産の増加額4,209百万円等の減少要因によるものであります。
当中間連結会計期間において、投資活動による資金の減少は1,634百万円となりました。これは主として、投資有価証券の償還による収入804百万円等の増加要因があったものの、有形固定資産の取得による支出1,788百万円、無形固定資産の取得による支出1,074百万円等の減少要因によるものであります。
当中間連結会計期間において、財務活動による資金の減少は3,732百万円となりました。これは主として自己株式の取得による支出1,644百万円、配当金の支払額1,155百万円及び長期借入金の返済による支出485百万円等の減少要因によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において新たに発生した対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題に重要な変更はありません。
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。