第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 当社は、2023年10月2日に単独株式移転によりプロパティエージェント株式会社の完全親会社として設立されましたが、連結の範囲に実質的な変更はないため、前年同期と比較を行っている項目については、プロパティエージェント株式会社の2024年3月期第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)と比較しております。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)におけるわが国経済は、歴史的な円安等の影響による原材料高を起因とする材・サービスの値上げ、日銀の金融政策の修正による長期金利の上昇、米国経済の景気後退懸念に端を発した金融市場の乱高下など、経済環境に影響を及ぼす様々な要因が生じました。足許では、首相交代及び衆院選後の各種政策の修正、米国の大統領選後の世界経済への影響など、不確実性のある状況が継続しており、引き続き経営判断が難しい経済環境となっております。一方で、円安の影響によるインバウンド需要の急激な回復や好調な企業収益と雇用所得の改善、積極的な設備投資、とりわけDX投資や中小企業の人手不足に対応する省力化投資などにより、足許では足踏み状態にあるものの、今後も全体として内需主導のもと景気は緩やかな回復へ向かう状況となっております。

 このような経済環境の中、当社グループは、前連結会計年度のホールディングス化以降も引き続きDXを基軸とした事業活動を強化し、DX推進事業においては、人材の増加とグループ内シナジーの発揮などにより、順調に案件数を拡大し、DX不動産事業においては、賃料上昇や堅調な住宅需要などを背景とした収益不動産のニーズへの的確な対応と社内の組織強化により、自社営業機能による販売数、とりわけ中古物件の買取再販数が好調に拡大(前年同期比販売戸数66.8%増)いたしました。このように業況が好調に推移したことから、業績予想売上高500億円に対し進捗率60.0%と順調に推移し、想定を超える業績となりました。

 これらの結果、当中間連結会計期間における業績は、売上高30,001,723千円(前年同期比23.3%増)、営業利益1,935,548千円(前年同期比15.6%減)、経常利益1,641,923千円(前年同期比20.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益1,101,155千円(前年同期比18.6%減)となりました。

 

 セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

(DX推進事業)

 DX推進事業は、当中間連結会計期間においても、顔認証プラットフォームサービス(FreeiD)におけるソリューション(顔認証デバイス)導入の拡大や顧客企業のDXを推進するDX支援(クラウドインテグレーション等)の拡大に注力いたしました。

 顔認証プラットフォームサービス(FreeiD)の事業では、顔認証ソリューションのマンションへの導入が拡大しており、当中間連結会計期間末現在118棟と節目の100棟を突破し、引き続き拡大している状況となっております。顔認証ソリューションの導入については、マンションへの標準採用を決定しているディベロッパーの案件も順調に増えていることから、今後も導入実績が拡大することが想定されております。

 企業のDX支援においても、グループ内のスキル・ノウハウ・実績を相互に活用することによる受注案件の増加や人材交流による効率的な案件対応など、事業自体の拡大とグループ内シナジーの発揮がともに見られる状況となっております。企業のDXを支援する事業は、成長戦略の中心にエンジニアを擁する企業のM&Aをおいておりますが、当中間連結会計期間においても1社エンジニアを30名超擁する企業のM&Aを実現し、翌期より業績貢献されることを想定しております。

 このDX推進事業の成長のため、当連結会計年度も、顔認証プラットフォームサービス(FreeiD)では新機能の開発やマンションを中心とした新規案件開拓営業などを、また、クラウドインテグレーションでは積極的人材採用などを引き続き行ってまいる予定であります。そのため、当連結会計年度も先行投資フェーズが継続し、費用が多く計上されることが想定されますが、当事業は当社グループの成長の柱としての位置づけに変わりはなく、M&Aと人材採用による事業の加速的成長という基本方針を維持し、事業活動を推進してまいります。この方針のもと、2024年4月には約20名の新卒入社を行うなど、積極的な人材採用活動を継続しております。

 これらの結果、売上高1,674,275千円(前年同期比44.3%増)、営業損失47,747千円(前年同期は営業損失64,656千円)となりました。

 

(DX不動産事業)

 DX不動産事業は、顧客の購入のほとんどが借入資金によること、また、在庫購入資金のほとんどが借入資金によることから、日銀の金融政策による長期金利の推移が懸念されるものとなります。当中間連結会計期間においては、日銀の金融政策決定会合により長期金利の上方修正が行われましたが、市場においては概ね想定されていた範囲内の修正であり、引き続き低金利であることには変わりなく、また海外投資家による日本不動産、特に東京の不動産への注目が継続していることなどもあり、引き続き購入需要は堅調に推移いたしました。このような事業環境の中、当事業のコアとなるDX不動産会員のニーズへの的確な対応と社内組織強化・営業担当者スキル向上により販売数を順調に拡大し、これをストック収入となる手数料の増加などにつなげ、順調に事業拡大をしている状況にあります。

 今後も、当事業の成長に資するマーケットシェア拡大のため、ストックデータとなるDX不動産会員数増加や管理物件の確保、営業担当者の生産性向上、物件調達力の強化などが重要事項となるため、これらに資する事業展開をしてまいる予定であります。なお、当中間連結会計期間末におけるDX不動産会員数及び当中間連結会計期間における商品別の提供数は下記のとおりとなっております。

 ・DX不動産会員数:181,681人

 ・新築マンションブランド「クレイシア」シリーズ等:217戸

 ・中古マンション:492戸

 ・新築コンパクトマンションブランド「ヴァースクレイシア」シリーズ等:99戸

 ・都市型アパートブランド「ソルナクレイシア」シリーズ:4棟

 また、上記記載のストック収入のベースとなる管理戸数も継続して拡大し、下記のとおりとなっており、これによってストック収入も着実に増加しております。

 ・賃貸管理戸数:6,079戸

 ・建物管理戸数:5,316戸

 これらの結果、売上高28,362,626千円(前年同期比22.2%増)、営業利益2,445,162千円(前年同期比20.3%減)となりました。

 

 

 財政状態の状況を示すと、次のとおりであります。

 

 (資産)

 当中間連結会計期間末における総資産は、52,878,493千円となり、前連結会計年度末に比べ4,432,000千円増加しております。これは主にDX不動産事業において、当連結会計年度の売上増加のため販売在庫の積み増しをしたこと及び翌連結会計年度以降の売上拡大のため開発在庫の仕込みを増やしたことにより棚卸資産が4,384,414千円増加したことによるものであります。

 

 (負債)

 当中間連結会計期間末における負債合計は、41,746,616千円となり、前連結会計年度末に比べ3,756,252千円増加しております。これは主にDX不動産事業における建築費の支払いなどにより買掛金が1,618,051千円減少した一方、同事業における棚卸資産の積み増しのため積極的に資金調達を行ったことにより、短期借入金が1,020,594千円、1年内返済予定の長期借入金を含めた長期借入金が4,155,783千円それぞれ増加したことによるものであります。

 

 (純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は、11,131,876千円となり、前連結会計年度末に比べ675,747千円増加しております。これは主に配当を実施したことにより資本剰余金が324,961千円減少した一方、親会社株主に帰属する中間純利益1,101,155千円を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は9,357,202千円と前連結会計年度末と比べ469,056千円(5.3%)の増加となりました。

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に販売による資金回収があったものの、DX不動産事業における棚卸資産の増加、仕入債務や法人税等の支払があったこと等により、4,575,161千円の支出となりました。

 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、主に投資有価証券の売却による収入があったこと等により、223,525千円の収入となりました。

 

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による支出があったものの、それを上回る棚卸資産増加のための資金の確保にかかる長期借入れによる収入があったこと等により、4,820,691千円の収入となりました。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。