名称 SCSK株式会社
所在地 東京都江東区豊洲三丁目2番20号
(1)普通株式
(2)新株予約権(下記①乃至⑩の新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といいます。また、本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を総称して、以下「本新株予約権買付価格」といいます。)
① 2012年6月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2012年度新株予約権(行使期間は2012年7月3日から2042年7月2日)
② 2013年6月13日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2013年度新株予約権(行使期間は2013年7月2日から2043年7月1日)
③ 2014年6月17日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2014年度新株予約権(行使期間は2014年7月4日から2044年7月3日)
④ 2015年6月16日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2015年度新株予約権(行使期間は2015年7月3日から2045年7月2日)
⑤ 2016年6月16日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2016年度新株予約権(行使期間は2016年7月5日から2046年7月4日)
⑥ 2017年6月15日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2017年度新株予約権(行使期間は2017年7月4日から2047年7月3日)
⑦ 2018年6月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2018年度新株予約権(行使期間は2018年7月3日から2048年7月2日)
⑧ 2019年6月13日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2019年度新株予約権(行使期間は2019年7月2日から2049年7月1日)
⑨ 2020年6月11日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2020年度新株予約権(行使期間は2020年7月2日から2050年7月1日)
⑩ 2021年6月23日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2021年度新株予約権(行使期間は2021年7月13日から2051年7月12日)
(3)株券等預託証券
Deutsche Bank Trust Company Americas及びCitibank, N.A.(以下「本預託銀行」と総称します。)により米国で発行されている当社株式に係る米国預託証券(以下「本米国預託証券」といいます。)
(注) Deutsche Bank Trust Company Americasが2008年10月10日付及び2017年9月29日付で、Citibank, N.A.が2015年9月16日付で、米国証券取引委員会に提出した本米国預託証券に係る届出書(Form F-6 EF)又は訂正届出書(Form F-6 POS)(以下「本米国預託証券届出書」と総称します。)によれば、当社株式については、本米国預託証券が発行されていますが、本米国預託証券の発行には、当社は関与しておりません。本公開買付けにおいては、当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得の対象とすることから、公開買付者は、法第27条の2第5項及び令第8条第5項第3号の規定に従い、当社の発行する全ての株券等について売付け等の申込みの勧誘を行う必要があるため、買付け等をする株券等の種類に本米国預託証券を含めているとのことです。一方で、本米国預託証券は、米国で発行されている証券であるところ、日本国の居住者である公開買付者が米国外で実施される本公開買付けにおいてその取得を行うにあたり、実務上、公開買付代理人としてその取扱いを行うことができる金融商品取引業者等が存在しないため、本公開買付けにおいて公開買付者が本米国預託証券自体の取得を行うことは困難であることが判明しているとのことです。そのため、本公開買付けにおいては当社株式及び本新株予約権の応募のみの受付けを行い、本米国預託証券自体の応募の受付けは行わず、本米国預託証券が表章する本預託銀行に預託された米国預託株式(以下「本米国預託株式」といいます。)に係る当社株式の応募の受付けを行うとのことです。従いまして、本公開買付けへの応募を希望する本米国預託証券の所有者の皆様においては、事前に、本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、ご応募ください。なお、公開買付者は、米国居住者が所有する当社株式、本新株予約権及び本米国預託証券を対象とする米国における公開買付けは実施しないとのことです。
(1)意見の内容
当社は、2024年11月6日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
本「(2)意見の根拠及び理由」のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、2024年11月6日付の取締役会決議により、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得し、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。なお、本書提出日現在、公開買付者は当社株式及び本新株予約権のいずれも所有していないとのことです。
(注1) 本書提出日現在残存する本新株予約権の内訳は以下のとおりです。
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本新株予約権の名称 |
本書提出日現在の個数(個) |
目的となる当社株式の数(株) |
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2012年度新株予約権 |
44 |
4,400 |
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2013年度新株予約権 |
56 |
5,600 |
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2014年度新株予約権 |
104 |
10,400 |
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2015年度新株予約権 |
100 |
10,000 |
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2016年度新株予約権 |
148 |
14,800 |
|
2017年度新株予約権 |
84 |
8,400 |
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2018年度新株予約権 |
57 |
5,700 |
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2019年度新株予約権 |
52 |
5,200 |
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2020年度新株予約権 |
62 |
6,200 |
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2021年度新株予約権 |
139 |
13,900 |
|
合計 |
846 |
84,600 |
本公開買付けに際して、公開買付者は、2024年11月6日付で、当社との間で本取引の実施に向けた当社と公開買付者の協力に関する事項及び経営統合に関する事項を定めた経営統合及び公開買付けに関する契約(以下「本経営統合・公開買付契約」といいます。)を締結しているとのことです。なお、本経営統合・公開買付契約の詳細については、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
公開買付者は、当社の完全子会社化を企図しているため、本公開買付けにおいて52,960,600株(所有割合(注2):66.67%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(52,960,600株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(52,960,600株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(52,960,600株)については、当社が2024年11月6日に公表した「2025年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(80,308,700株)に、本書提出日現在残存する本新株予約権の数の合計である846個の目的となる当社株式の数(84,600株)を加え、当社第2四半期決算短信に記載された2024年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(952,407株)を控除した株式数(79,440,893株、以下「当社潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に係る議決権の数である794,408個に3分の2を乗じた数(529,606個、小数点以下を切り上げ)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(52,960,600株)としているとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できず、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項))」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものとのことです。
(注2) 「所有割合」とは、当社潜在株式勘案後株式総数に対する当社株式の割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下所有割合の計算において同じとします。)をいいます。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
公開買付者は、住商情報システム株式会社(1969年10月に住商コンピューターサービス株式会社という商号にて住友商事株式会社(以下「住友商事」といいます。)の子会社として設立され、1989年2月に東京証券取引所市場第二部に上場、1991年9月に東京証券取引所市場第一部に市場変更、1992年10月に住商情報システム株式会社に商号変更した情報サービス事業者)を存続会社とし、株式会社CSK(1968年10月にコンピューターサービス株式会社という商号にて設立され、1982年6月に東京証券取引所市場第二部に上場、1985年3月に東京証券取引所市場第一部に市場変更した独立系の情報サービス事業者)を消滅会社とする合併により、2011年10月に誕生した「グローバルITサービスカンパニー」であり、現在東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。
公開買付者は、「夢ある未来を、共に創る」という経営理念の下、自らが変革に挑み、さらなる進化を遂げ、日本経済や産業をITで支え、ITを通して新たな価値を創出し、顧客や社会が求める未来を「共に創る」という共創の精神を発揮することで、技術力やサービス品質、顧客満足度、人材や経営品質に至るあらゆる面で社会から一流と認められる「ITサービス業界のリーディングカンパニー」を目指しているとのことです。
公開買付者のグループは、公開買付者、連結子会社29社及び持分法適用関連会社3社(以下「公開買付者グループ」といいます。)より構成され、「産業IT」「金融IT」「ITソリューション」「ITプラットフォーム」「ITマネジメント」及び「その他」の報告セグメントに係る事業の連携により、ITコンサルティング、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO等のサービス提供を行っているとのことです。
公開買付者グループは、経営理念「夢ある未来を、共に創る」の下、社会課題の解決に貢献することで持続的な成長を目指す「サステナビリティ経営」の考えを経営の中心に据えているとのことです。また、サステナビリティ経営を推進するための羅針盤として、2020年4月に経営理念の実践課題として重要な事項を「7つのマテリアリティ」として示すとともに、公開買付者の中長期的に目指す姿として「グランドデザイン2030」を策定しているとのことです。「グランドデザイン2030」の中では、「共創ITカンパニー」という企業像を掲げており、これは、公開買付者グループの人的資本の向上をもって、顧客やパートナー、社会との共創(注3)を推進し、各種の課題を解決すべく、新しい価値を提供し続ける企業グループの姿を現しているとのことです。また、共創ITカンパニーの実現に向けて、「総合的企業価値(注4)の飛躍的な向上」「売上高1兆円への挑戦」という二つの企業経営の方向性を示しているとのことです。
公開買付者グループが目指すこの「グランドデザイン2030」の実現に向け、2023年4月には、「中期経営計画(FY2023-FY2025)」を策定し、「お客様や社会に対して新しい価値を提供し続けるための事業分野・事業モデルの再構築」、そして「社員の成長が会社の成長ドライバーと認識した上での社員一人ひとりの市場価値の常なる最大化」により、総合的企業価値を飛躍的に向上すべく、具体策としての3つの基本戦略(基本戦略1:事業シフトを断行、基本戦略2:成長市場において、市場をリードする事業を推進、基本戦略3:社会との共創による「次世代デジタル事業」を創出)を推進しているとのことです。
現在、公開買付者グループが属する国内企業向けのITサービス市場は、緩やかながら堅調な市場成長が見込まれると考えているとのことですが、市場成長の源泉たるITサービス需要は、社会のデジタル化の急激な進展に伴い、従来型のICT(情報通信技術)需要から、デジタルビジネス化を図るシステム刷新、業務自体のモダナイゼーション(業務及び業務プロセスの革新)、さらには持続可能な社会の実現に向けた事業変革ニーズへと大きく変化していくと認識しているとのことです。公開買付者グループはこの事業環境変化に能動的に対応し、社会のデジタル化を主導しうるITサービス企業としての戦略的ポジションを確立する必要があると認識しているとのことです。
これまで公開買付者は、「グランドデザイン2030」で掲げる共創ITカンパニーの実現に向け、中長期的な社会・市場・先端技術動向等を見据えた持続的成長を目指すにあたり、社内資本を最大限活用した自律的成長を追求することに加えて、外部との連携、パートナーシップ等を通じた事業ポートフォリオの革新、事業基盤の強化が極めて重要な要素となるものと考え、その機会を追求してきたとのことです。
公開買付者は、長年、顧客と真摯に向き合い、またITパートナーとして顧客に寄り添うことを企業文化としており、幅広い業種・業界におけるアプリケーション開発の経験、実績を有しているとのことですが、一方では、「グランドデザイン2030」の実現、そして社会のデジタル化のリーダーたるためには、先端デジタル技術の開発・活用・応用により注力した上で、技術ドリブンな事業を展開すべく、公開買付者の事業構造そのものの抜本的革新を図らねばならないと課題認識しているとのことです。
公開買付者は、この事業構造の転換においては、アプリケーション領域(注5)での先端技術利活用力のさらなる向上に加えて、公開買付者の事業ポートフォリオ構成上、顧客ベースや各種の技術リソースが不足しているITインフラ領域(注6)における先端技術を活用する事業基盤の強化・高度化が必須と考えているとのことです。現状、ネットワークやセキュリティ分野におけるインテグレーションケイパビリティ(設計・構築・テスト・導入までの一連のプロセスにおける対応力)は限定的であり、アプリケーション領域とITインフラ領域が有機的に繋がった事業展開は一部に留まっている状況であるとのことです。今後、デジタル技術進化に伴う社会のITサービス需要の質的変化の中、格段に求められると考えられる両領域が一体となったサービス提供について、当該サービスを行う事業基盤が十分に備わっていないという戦略的事業課題があると認識しているとのことです。
(注3) 「共創」とは、公開買付者単独ではなく、お客様、パートナー、社会と共に、新たな価値を生み出すプロセスを指すとのことです。
(注4) 中期経営計画(FY2023-FY2025)にて、「成長戦略としてのサステナビリティ経営」を実践し、2030年共創ITカンパニーの実現を目指すために、公開買付者グループが本質的な企業力として目指す価値を意味し、「経済価値」と「社会価値」「人的資本価値」等の非財務要素を包含した企業価値を指すとのことです。
(注5) 「アプリケーション領域」とは、ITインフラ上で動作する、業務システム、モバイルアプリケーション、ウェブアプリケーション等のソフトウェアやプログラムを指すとのことです。
(注6) 「ITインフラ領域」とは、アプリケーションの動作を支える基盤となる技術領域を指すとのことです。
これに対して、当社は、コンピューター・ネットワークの黎明期である1988年2月に、国内初のネットワーク専業インテグレータとして設立され、顧客企業の事業活動や社会課題の解決の基盤となるネットワークの構築事業を開始しました。2001年12月に東京証券取引所市場第一部に株式を上場し、その後、2022年4月の東京証券取引所における新市場区分への移行を経て、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しております。
当社は「人とネットワークの持つ可能性を解き放ち、伝統と革新で豊かな未来を創る」というパーパスのもと、ネットワークに強みを持ち、インフラ領域に特化したインテグレータとして、ICT業界において独自のポジションを確立してきました。最先端のインフラ製品(ハードウェア・ソフトウェア・クラウドサービス・AI基盤)を当社独自の知財・知見をもとに評価し、エンタープライズ事業・通信事業者事業・パブリック事業・パートナー事業を事業領域としており、お客様のICT基盤の設計、構築から保守、運用までのライフサイクル全般を支援しています。当社の主要事業(セグメント)の特徴は次のとおりです。
(ⅰ)エンタープライズ事業:製造業、非製造業、国内金融機関、外資系企業など、大手民間企業を対象として事業を展開しています。クラウドを含むICT基盤全体を整備・最適化することで、情報活用や働き方改革・コスト削減を通じた顧客の競争力強化を支援しています。
(ⅱ)通信事業者事業:通信事業者・インターネットサービスプロバイダ(ISP)の所有する通信網の構築を中心に事業を拡大してきました。近年は、お客様が通信網とあわせて提供するクラウドやセキュリティ関連のサービス基盤の構築などを手掛けています。
(ⅲ)パブリック事業:主に地方自治体、文教、社会インフラを提供する企業や病院を対象として事業を展開しています。公的情報などに対するセキュリティの強化や、投資コストを最適化する共通基盤の整備を行っています。
(ⅳ)パートナー事業:情報システムを一括して請け負うシステムインテグレータとの協業を通じた商品・サービスを販売する再販ビジネスを展開しています。
当社の属するICT業界においては、サステナビリティを強く意識した経営が求められています。当社においてもサステナビリティに係る方針として、「優れたネットワーク技術」「マルチベンダ対応」「お客様との共創」から生まれるICTの目利き力と知見を磨き、社会価値と経済価値を創出するサービスを提供することで持続可能な社会への貢献と当社の持続的成長を両立することを掲げてきました。一方でICT業界を取り巻く昨今の環境変化に目を向けると、AIやIoT、量子コンピューター等の先端テクノロジーが社会実装されていく中で、高品質かつ安全なネットワークインフラが必要不可欠な状況となっており、デジタル化の需要が高まる中、社会課題の解決に貢献できるビジネスこそ商機があると捉え、当社の特徴を活かして更なる成長発展を目指しております。
このような事業環境を踏まえ、上記パーパスを実現するために、当社は、「我々は、一人一人が卓越した専門性と高い倫理観を持つプロフェッショナルであり、社会とお客様の課題解決に貢献する」をミッションとし、「ネットワークのリーディングカンパニーとしての高い誇りを持つ」、「ネットワンならではの付加価値を創出し、継続した成長を実現する」、「絶え間ない自己研鑽で心と技術を鍛える精鋭集団であり続ける」、「幅広いステークホルダーへの責任を果たすため、適切な収益構造を維持する」という4つのビジョンを設定し、「世界最高水準のネットワーク技術」と、市場環境・最先端技術・お客様の実課題から中立的な立場で最適解を導く「目利き力」、そして、複数の製品とサービスを組み合わせる「インテグレーション力」を併せ持つことにより、これまで最適なシステムの設計・構築と導入後の利活用を考慮したサービス提供の実現に努めて参りました。なお、当社の企業文化としては、ネットワーク業界のパイオニアとして常に顧客及びパートナーに対して真摯に寄り添うことを基本としながらも、「自ら考えて行動する」ことを掲げています。具体的には、5つの企業文化、即ち、1)チームで価値を生み出す文化、2)サポートし合う文化、3)チャレンジを楽しむ文化、4)目的志向の文化、5)リスクに向き合う文化を醸成させて定着すべく取り組んでおります。
また、当社は、パーパスの実現に向けて、上記ビジョンについて中長期的な当社の経営ビジョン・方向性を示す「2030年のありたい姿」を策定しています。例えば、「ネットワークのリーディングカンパニーとしての高い誇りを持つ」というビジョンに対しては、2030年において、模範的な企業、先進的な取組を行う企業として社会に認められていることを目指しております。同様に、「ネットワンならではの付加価値を創出し、継続した成長を実現する」というビジョンに対しては、社会、市場、お客様の課題解決のため、市場ニーズに合わせた付加価値を創出し、事業領域の拡大や知財の活用により新たなビジネスを生み出すことを目指しております。
当社では、昨今の本邦の急速な市場・経済環境の変化や技術革新に迅速に対応しつつ、「パーパスの実現」及びその通過点である「「2030年のありたい姿」の実現」のための具体的なロードマップを策定することが、経営・執行上の重要な検討事項であると考えました。このような検討を進める中で、当社が保有する経営資源を活用して既存事業を成長させる従来からの手法だけでなく、資本業務提携等による非連続的な成長の必要性についても検討するに至りました。
このような状況の下、2023年9月中旬の公開買付者及び当社の経営陣間における将来的な事業構想及び戦略についての初期的な意見交換を踏まえ、2023年10月上旬以降、公開買付者及び当社は、複数回にわたり、両社が経営統合を実現した場合に想定される競争優位性、並びに市場・業界への影響について、継続的に議論を重ねて参りました。このような中、公開買付者は、対等の精神に基づく経営統合を行い、当社と一体となって事業運営をし、両社が有する事業基盤を活用することで、短期的には、相互に取引がない顧客に対するクロスセルなど事業シナジーの追求を図ることが可能であり、中長期的には、今後、デジタル技術進化に伴う社会のITサービス需要の質的変化の中、格段に求められると考えられるアプリケーション領域とITインフラ領域が一体となったサービス提供を行う事業基盤が十分に備わっていないという戦略的事業課題を解決できる可能性があり、デジタル化がもたらす、あらゆるヒト・モノ・コトがつながる社会において、高度かつ最新のITインフラサービス技術とアプリケーションサービス技術を活用したソフトウェアエンジニアリングサービスの融合により、ネットワーク・セキュリティ・クラウドからデータ活用等のアプリケーションの提供までを一体化したデジタルサービスの展開並びに日本の経済発展と社会課題の解決に貢献する、ITサービス業界の雄となる新たな企業体へ発展できる可能性があると考えるに至ったとのことです。この考え方は、当社との議論で当社から提示された「ITデジタルプラットフォームカンパニー」の考え方と方向性は同様であり、両社が一緒に事業に取り組むことで双方が単独では実現することが難しい新しい価値の創出が実現できる可能性があるとの判断に至ったとのことです。上記を背景として、公開買付者は、2023年11月下旬に、当社との資本業務提携の可能性やその方法等に関する本格的な検討を開始したとのことです。
その後、2024年2月下旬、公開買付者は、当社のファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)から、当社の今後の更なる成長を実現させるための戦略的パートナー選定に関して、第一次プロセス(以下「本第一次プロセス」といいます。)を行うこと、及び当社の成長を促進し得る補完的な強みを持つ1社として公開買付者を本第一次プロセスに招聘する意向であるとの連絡を受けました。なお、本第一次プロセスには、公開買付者を含む3社の事業会社が参加いたしました。
公開買付者は、これまでの当社との議論を通じて、将来的な事業構想の親和性が高いとの考えを強める中において、本取引は公開買付者と当社の企業価値向上に資すると考え、2024年2月下旬に本第一次プロセスへの参加を決定したとのことです。
また、公開買付者は、2024年3月上旬に、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、公開買付者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業を選任したとのことです。公開買付者は、大和証券からも適宜助言を受けつつ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を通じて受領した2025年3月期から2027年3月期までの3期分の当社の事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を基に第一次意向表明書提出に向けた検討を行い、2024年4月30日、公開買付者は本取引を行う旨の第一次意向表明書を提出しました。
その後、当社は、第一次意向表明書の内容について当社の企業価値向上及び株主共同の利益の確保の観点から慎重に検討を行い、公開買付者を第二次プロセス(以下「本第二次プロセス」といいます。)に参加させることを認める決定をし、公開買付者は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を通じて、当社から、2024年7月26日に、本第一次プロセス通過の連絡及び本第二次プロセスへの参加が認められる旨の通知を受け、本第二次プロセスに参加することとなりました。また、本第二次プロセスにおいて、2024年7月下旬から同年9月上旬まで、当社に対するビジネス、財務、税務、法務、人事、IT等に関するデュー・ディリジェンスや当社の経営陣との面談を実施し、公開買付者グループと当社との間の事業シナジーの創出に向けた具体的な施策及び公開買付者による当社の完全子会社化後の経営方針等について更なる分析及び検討を進めてきたとのことです。なお、本第二次プロセスには、公開買付者を含む2社の事業会社が参加いたしました。
かかる検討・プロセスの結果、2024年9月下旬に、公開買付者は、公開買付者と当社の経営の理念及び企業文化に対する考え方は非常に親和性が高いこと、また当社との経営統合により、以下に記載のとおり、ネットワーク・セキュリティ・ITインフラ領域とアプリケーション領域が一体となった他に類を見ない圧倒的な特徴を持ち、競争優位なポジションを確立することができる事業グループの誕生が可能であると判断したとのことです。これにより、持続的成長に繋げるとともに、公開買付者及び当社の企業価値の最大化が実現できると確信したとのことです。なお、当社が本第二次プロセスの結果公開買付者を選定した理由については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 本件プロセスの実施」をご参照ください。
公開買付者は、経営に対する公開買付者及び当社の考え方・目指す姿は、非常に親和性が高いものと認識しているとのことです。当社は、志・大義であるパーパスにおいて「人とネットワークの持つ可能性を解き放ち、伝統と革新で豊かな未来を創る」、使命であるミッションにおいて、「我々は、一人一人が卓越した専門性と高い倫理観を持つプロフェッショナルであり、社会とお客様の課題解決に貢献する」と掲げております(注7)。一方で、公開買付者は、経営理念として「夢ある未来を、共に創る」、その理念実現に向けた3つの約束として、「人を大切にします。」「確かな技術に基づく、最高のサービスを提供します。」「世界と未来を見つめ、成長し続けます。」を掲げているとのことです(注8)。公開買付者は、両社には、「人」の能力を最大限に活かし、「技術」を高め、「未来」に貢献していく、という根底にある考え方において、相通じるものがあると考えているとのことです。
また、当社が中期経営計画終了時点で目指している5つの文化の定着(これら5つの文化とは、「チームで価値を生み出す文化」、「チャレンジを楽しむ文化」、「目的志向の文化」、「サポートし合う文化」、及び「リスクと向き合う文化」を指します。)は、まさに、公開買付者の行動指針である「Challenge:未来を変える情熱を持ち、常に高い目標を掲げ、挑戦する」、「Commitment:お客様に対し、社会に対し、責任感を持ち、誠実に行動する」、及び「Communication:仲間を尊重し、心を通わせ、チームワークを発揮する」と重なる部分が多くあります。さらには、当社は、2024年統合報告書にて、「企業理念浸透は、企業理念への「共感」のフェーズを経て、共に理念に基づく行動をとり、その行動がネットワンらしい文化となって社外から認知・評価される「共鳴・共振」のフェーズに入っていきます」と語っておりますが、公開買付者も、現代表取締役社長が2022年4月に社長就任した際、全社員向けメッセージにて、「私たちは社会に必要とされ、社会の役に立つ企業グループにならなければならない。多様な幸福感を求める皆さんお一人おひとりを支援しつつ、同時に組織として社会に役立つという当社グループの役割を果たす、この二つを同時に成し遂げたい。そのために大切なことは、役職員すべてが、会社全体として当社グループの役割を果たすべく、経営理念、事業ビジョン、つまりは組織の存在意義、目指す姿に“共感”すること」と語りかけ、目指す企業グループ像の実現に向けて「共感経営」の推進を打ち出しているとのことです。このことからも、公開買付者は、両社は企業文化としても親和性が高い上に、両社トップの経営観も共通項が多いものと認識しているとのことです。
(注7) 当社HPの企業理念(https://www.netone.co.jp/company/philosophy/)から引用しているとのことです。
(注8) 公開買付者HPの経営理念(https://www.scsk.jp/corp/vi.html)から引用しているとのことです。
公開買付者は、当社との経営統合により中長期的に、先端デジタル技術を活用するソフトウェアエンジニアリングサービスの展開により、個人、企業そして社会が先端デジタル技術を自在に利活用できる世界の実現に貢献していきたいと考えているとのことです。公開買付者においては、システムインテグレーション事業等の現中核事業の必要な変革、並びに高度化を行い、加えて、業務コンサルテーション力の強化や先端デジタル技術力の育成に取り組み、当社の有するネットワークインテグレーション技術がさらに高度化された状態の基盤の上に、先端デジタル技術を活用するソフトウェアエンジニアリングサービスを構築し、次世代の中核事業として国内外にて展開することを予定しているとのことです。これらの事業は、システムインテグレーションとネットワークインテグレーションを組み合わせ、公開買付者と当社の両社が一体となることで強みを出せる領域と考えており、今後、様々な形をもって提起される社会課題に対して、新たな価値を提供することで解決を図り、社会のデジタル化をリードできると考えているとのことです。
公開買付者は、また、当社との経営統合により、統合後の企業グループが目指す事業構想の実現に向け、具体的に以下の3つの注力事業を推進することで、先進性、成長性、収益性を更に向上させ、社会課題に対して新たな価値を提供し、社会のデジタル化をリードする企業へと進化を図り、企業価値の最大化が実現できるものと確信しているとのことです。
(a)ソフトウェアシステムの開発基盤・自動生成機能を付加した「デジタルインフラPaaS事業」
企業顧客向けに、データセンターサービス・サーバ・オペレーティングシステム(OS)・ミドルウェア(注9)の提供に加え、ネットワーク・セキュリティ・ストレージ・データ活用基盤(注10)等のあらゆるコンピューティングリソースを一括して供給可能とするプラットフォームサービスを提供するとのことです。システム開発基盤として、固有のデータベースを活用する生成AIを組み込み、特定顧客や特定産業を対象とする専用のノーコード・ローコード開発基盤機能(注11)も提供し、顧客の内製化要求にも対応するハイブリッドクラウドPaaS/IaaSサービス(注12)を展開するとのことです。当社が保有するネットワークの仮想化技術、マルチクラウド・ハイブリッドクラウドの環境構築・運用支援の経験・技術・知見を活用し、当事業の実現が可能となると考えているとのことです。
(注9) 「データセンターサービス・サーバ・オペレーティングシステム(OS)・ミドルウェア」とは、ITインフラ領域における以下の機能・サービスを指します。
データセンター:データを管理、保存、処理を行うための専用施設。サーバ、ストレージ、ネットワーク機器等が設置されており、企業がデータを安全に保管、効率的に処理するための施設。
データセンターサービス:データセンターが提供する様々なサービスを指す。当該サービスには、ウェブサイトやアプリケーションをクラウド上で提供するために必要なサーバやインフラを提供するホスティングサービスから、サーバやインフラの設定や管理・監視等を行うマネージドサービス、ハイパースケーラーへの接続サービス等が含まれます。
サーバ:コンピューター・ネットワークにおいて、他のコンピューター(クライアント)に対してサービスやリソースを提供するコンピューター又はソフトウェア。
オペレーティングシステム(OS):コンピューターのハードウェアとソフトウェアリソースを管理し、アプリケーションソフトウェアに共通のサービスを提供するシステムソフトウェア。
ミドルウェア:オペレーティングシステム(OS)とアプリケーションソフトウェアの間に位置し、異なるアプリケーションやサービス間の通信、リソースの管理等を支援するソフトウェア。
(注10) 「ネットワーク・セキュリティ・ストレージ・データ活用基盤」とは、ITインフラ領域における以下の機能・サービスを指します。
ネットワーク:コンピューターやデバイス間のデータ通信を可能とするシステムやインフラストラクチャー。
セキュリティ:データやシステム等の資産を不正アクセスや攻撃から守るための手段やプロセス。
ストレージ:データを保存するためのシステムやデバイス。
データ活用基盤:データの収集、保存、分析、活用を支援するためのシステムやインフラストラクチャー。
(注11) 「ノーコード・ローコード開発基盤機能」とは、システム開発案件において、標準部品や追加部品、設計情報を適切に設定することで、プログラミングの専門知識がなくても、高品質・短納期での開発を実現する基盤を指します。
(注12) 「ハイブリッドクラウドPaaS/IaaSサービス」とは、それぞれ以下を指します。
ハイブリッドクラウド:パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を組み合わせて提供/利用するモデル。
PaaSサービス:アプリケーション開発・テスト・ディプロイなどに必要な機能を提供するプラットフォームサービス。
IaaSサービス:サーバ、ストレージ、ネットワーク等の物理的なインフラをクラウド上で仮想的に提供するプラットフォームサービス。
(b)業務にかかる専門知見と先端デジタル技術を活用する「オファリングサービス事業」
製造業や金融業等の特定産業をターゲットに、各産業の共通業務にかかる業務機能要求に対応する生成AIの活用や、自らの知的財産を含むデジタルソリューションを集積し、アプリケーションシステム間のAPI連携機能の高度化、及びネットワーク・データセキュリティ・ITインフラリソースが高度化された基盤上で、最善の組み合わせと云える業務ソリューションを顧客に提供するとのことです。特に、顧客事業のあるべき姿を未来像からバックキャストで捉えることのできる業界専門性を有した業務コンサルティング能力を具備・活用した上で、顧客の事業革新を能動的に誘導するデジタル事業・業務プロセスのオファリングサービスを展開するとのことです。また、オファリングサービスに連なる展開として、公開買付者グループが有するビジネスプロセスアウトソーシング事業により、顧客のビジネスプロセスモダナイゼーションの実現を支援、実行するサービスを提供するとのことです。当事業の実現に際し、当社のネットワーク、セキュリティ商材が、オファリングサービスに拡充されることにより、顧客に提供可能となるソリューションの付加価値を格段に上げることができるものと考えているとのことです。
(c)「データインテグレーション・利活用プラットフォームサービス事業」
高度なデータドリブン経営を可能にする、各種事業データの統合管理分析基盤、データインテグレーション基盤をネットワーク・ITインフラサービスも統合したプラットフォームサービスとして展開し、ビッグデータ分析機能を付加した上で特定企業内の多様な事業データにかかる高度な経営活用を実現するとのことです。
モビリティ・ヘルスケア・エネルギー等多種多様な産業・事業をターゲットとした上で、当該プラットフォームサービスを異業種の複数企業に対し業種横断的に展開するとのことです。企業内を超えた、企業間、異業種間でセキュアなネットワーク接続・エネルギー制約を考慮した基盤制御技術の上に蓄積されるビッグデータを用いて企業・産業間の連携を図るエコシステムを構築し、既存事業の高度化はもとより、新規の事業開発、さらには新産業の創生等ビッグデータを利活用するに貢献するサービス事業を展開するとのことです。当事業の展開において、当社のネットワークインテグレーション技術が優位性の源泉になるものと考えているとのことです。
また、公開買付者は、本取引により、公開買付者及び当社にとって、具体的には以下のシナジー効果及びメリットがあると想定しているとのことです。公開買付者としては、以下のようなシナジー効果及びメリットを最大化し、戦略的意義を実現するためには、当社を公開買付者の完全子会社とすることにより、当社の少数株主との利益相反のおそれを排して、一貫した経営方針の下で当社が事業運営を行うとともに、当社において必要な施策を適時に実行するための迅速な意思決定を可能とする観点から、当社を公開買付者の完全子会社とすることが不可欠であると考えたとのことです。また、当社における本取引によるシナジー効果及びメリットの発現は、本取引を通じて当社を完全子会社とする公開買付者にとっても、当社を含めた本取引後の公開買付者グループとしての企業価値の向上につながると考えているとのことです。
(ⅰ)公開買付者の主要顧客に対し、新たな顧客関係性に基づく新たな顧客戦略を遂行し、アプリケーションからITインフラまで統合したサービスを提供し、また、共通する顧客に対し、顧客内シェア拡大による戦略的なITサービスパートナーとしてのポジションを確立
(ⅱ)公開買付者の8,000社の顧客基盤に対する、当社のネットワークインテグレーションサービスを中核とするITインフラサービスの展開による事業拡大
(ⅲ)当社のエンタープライズ市場における主要顧客に対する、公開買付者グループのシステム開発・保守・運用サービス提供による事業拡大及び公開買付者データセンターと当社のセキュリティ技術を組み合わせた高度化されたマネージドサービスの提供
(ⅳ)当社が得意とするパブリック市場顧客(自治体、教育委員会、独立行政法人等)に対する、公開買付者グループのソリューション(ヘルプデスク、BPO等)の組み合わせによるサービス提供及びパブリック市場向けアプリケーションサービス開発による新たな事業領域の開拓
(ⅴ)当社のネットワーク・セキュリティ技術(設計・構築)と公開買付者の住友商事グループ向けに提供してきたセキュリティ運用・監視の人材・ノウハウ、SIEM(注13)を中心としたサービスの組合せによる総合的なセキュリティ領域全体を一気通貫でカバーするサービス提供による事業拡大
(ⅵ)当社及び公開買付者の物販事業の統合による、主要ベンダーに対する購買力向上による原価低減及び業務プロセス統合による効率化
(ⅶ)当社の取り扱うグローバルスタンダード製品(注14)やインテグレーション力と公開買付者のグローバル事業基盤を組合せたアジア市場への事業展開
(ⅷ)公開買付者の米国拠点における先端技術リサーチ機能・コーポレートベンチャーキャピタル機能と当社のITインフラ領域における先端技術、サービスに対する目利き力の組合せによる、商材発掘力、事業開発力の強化
(ⅸ)両社の知見・知財の統合による、アプリケーション・インフラ垂直統合モデル等の新たなデジタルサービスの開発、及び新たな市場に向けた共同展開
上記(ⅰ)~(ⅴ)の事例として、統合ITインフラ運用サービス分野におけるシナジーが期待されるとのことです。サーバを中心とした公開買付者のインフラ運用サービスに、当社のネットワークレイヤーサービス(注15)を組み合わせることで、サーバ、ネットワーク、セキュリティ、データセンター等のITインフラ領域全般にわたる構築及び一体化した総合ITインフラ運用サービスをワンストップで顧客へ提供することが可能になると考えているとのことです。公開買付者のITインフラ運用サービス事業の主要顧客のうち、当社と重複のない顧客に対してそのような総合ITインフラ運用サービスを展開する予定とのことです。
また、(ⅲ)(ⅴ)の事例として、セキュリティ・ネットワークサービス分野におけるシナジーが発揮できると考えているとのことです。具体的には、公開買付者と当社は、ネットワーク・セキュリティ機器、運用サービスにおいて、各種製品・サービスを取り扱う主要ベンダーと強固な取引関係、及び同製品・サービスに関する高度なノウハウ・実績を有しており、統合により強まる業界におけるポジショニングを活用し、業界・顧客規模別の統合セキュリティサービスを提供する予定とのことです。加えて、主要ベンダーにおいても、一気通貫サービスを提供可能なプレゼンスの高いパートナーへ進化して参る予定とのことです。
(ⅳ)のパブリック市場向けにおいては、特に、地方自治体向けビジネスにおけるシナジーとして、当社が得意とする地方自治体顧客に対し、公開買付者グループの地方自治体向けサービス(医療従事者の働き方改革支援サービス、デジタル地域通貨発行支援サービス、プレミアム付きデジタル商品券運用サービス等)を展開し、サービスラインナップを拡充した新たな事業を開拓して参る予定とのことです。
(注13) 「SIEM(Security Information and Event Management)」とは、セキュリティ情報の統合的な管理を行うためのシステムを指します。
(注14) 「グローバルスタンダード製品」とは、世界中で広く認識され、共通の基準や品質を持つ製品を指します。
(注15) 「ネットワークレイヤーサービス」とは、ネットワーク機器の調達、及びネットワークの設計・構築・保守・運用を含むサービスを指します。
上記の検討の結果を踏まえ、公開買付者は、2024年9月27日付で当社に対して、本公開買付価格等の諸条件について、公開買付者において2024年7月下旬から2024年9月上旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスを踏まえた法的拘束力のある提案として、(ⅰ)当社の発行する全株式を対象とした完全子会社化を企図した公開買付けを実施し、(ⅱ)本公開買付価格を当社株式1株当たり4,400円(提案実施日の前営業日である同月26日の終値3,631円に対して21.18%(小数点以下第三位四捨五入。以下株価に対するプレミアムの数値(%)において同じです。)、直近1ヶ月間の終値の単純平均値3,526円(小数点以下四捨五入。以下終値株価の単純平均値(円)において同じです。)に対して24.79%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値3,197円に対して37.63%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値2,988円に対して47.26%のプレミアム)とし、本新株予約権価格を1円とし、本米国預託証券に表章される本米国預託株式に係る当社株式1株あたりの本公開買付価格を4,400円とする最終意向表明書(以下「本提案書」といいます。)を提出しました。
本提案書に対し、公開買付者は、当社から、2024年9月30日に、本公開買付価格について、本公開買付けに賛同表明及び応募推奨を行う上で当社が想定している価格水準から大きく乖離していると考えられることから、再検討するよう要請を受けました。
当社からのかかる要請を受けて、公開買付者は、当社に対し、2024年10月4日に、当社株式1株当たりの本公開買付価格を4,500円(提案実施日の前営業日である同月3日の終値3,517円に対して27.95%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値3,567円に対して26.16%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値3,243円に対して38.76%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値3,024円に対して48.81%のプレミアム)とする提案を書面で行いました。
そして、公開買付者は、当社から、2024年10月7日に、同日から2024年11月6日までの間、公開買付者との間で独占的に本取引に関する協議及び交渉を行うことを約束する旨の通知を受けました。
そして、公開買付者は、2024年10月17日に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を通じて、本提案書に対する本特別委員会(下記「③ 当社における意思決定の過程及び理由」において定義します。)からの、提案に至った背景、提案の目的、取引ストラクチャー、経済条件、本取引実施後の経営方針及び資金調達方法に関する質問事項を受領しました。当該質問事項を踏まえ、公開買付者は、本特別委員会に対して2024年10月23日付で質問事項に関して、「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」乃至下記「(イ)本公開買付け後の経営方針」に記載の内容を説明する回答を提出し、同日付で本特別委員会に対する説明を行いました。
また、公開買付者は同日、当社から本公開買付価格の再検討を依頼されました。さらに、公開買付者は同月24日にも、本特別委員会より、インタビューを通じて、改めて本公開買付価格に関して検討するよう要請されました。これに対し、公開買付者は同月28日に、当社に対し、本特別委員会からの本公開買付価格の引上げの要請を受けた上での検討結果としても、依然として本公開買付価格を4,500円からさらに引き上げることは困難である旨を回答しました。
その後、公開買付者は、当社及び本特別委員会より、2024年11月5日、本公開買付価格を4,500円とすることに応諾する旨の連絡を受けました。
以上のような協議・交渉を経て、公開買付者は、2024年11月6日付の取締役会決議により本公開買付けの実施及び本経営統合・公開買付契約を締結することを決定したとのことです。なお、本経営統合・公開買付契約の詳細については下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
(イ)本公開買付け後の経営方針
(a)事業戦略について
当社は、ネットワークインテグレーション事業を中心に業界内でリーディングポジションを確立しており、公開買付者の有するアプリケーション開発技術、及び双方の顧客基盤を融合することで、ITインフラ領域がさらに強化され、また、ITインフラからアプリケーションまでを一括してサービス提供することが可能となり、統合後の企業グループの事業価値の向上が比較的短期間において図れるものと考えております。なお、下記「(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」に記載のとおり、公開買付者及び当社は、2024年11月6日付で、本取引に関して、本取引の実施に向けた当社と公開買付者の協力に関する事項及び経営統合に関する事項を定めた本経営統合・公開買付契約を締結しておりますが、本経営統合・公開買付契約において、本取引実施後、速やかに、システムインテグレーション市場、ネットワークインテグレーション市場における両社が一体となった継続的な成長を目指し、両社のインフラ事業の統合・一体運営及びシナジーの効果発揮に向けた取り組みの実施に向けて協力することを合意しております。
また、両社は、両社の短期及び中長期の事業シナジーの追求にあたり、具体的には、両社社長が総責任者となり、両社から責任者を選任する、両社横断の「合同推進タスクチーム」を公開買付者の経営会議及び当社の経営委員会の傘下に設置し、シナジー最大化に向けた戦略立案・連携を行うための協議を推進していくことを合意しております。加えて、公開買付者としては、中長期的な戦略的事業構想・事業戦略について、両社の経営陣にて検討、策定、合意していきたいと考えているとのことです。
(b)本取引完了後の公開買付者グループにおける当社の位置づけについて
公開買付者によれば、本取引完了後、当社は公開買付者グループの中核的事業の一つを担う主要グループ会社となるとのことであり、当社の経営については、本取引実施前の経営を尊重し、従来どおりの強みを活かした事業運営に邁進することを想定しており、本経営統合・公開買付契約において、両社は、当社の事業運営及び事業戦略について本公開買付けに係る決済完了後も当社の既存の取り組みを最大限尊重するものとし、本公開買付けに係る決済完了後の当社の事業運営及び事業戦略についての既存の取り組みの変更について公開買付者が要請した場合には、かかる変更について、両社の対等の精神に基づき、両社にて誠実に協議・検討することを合意しております。一方で、上記「事業戦略について」のとおり、シナジーを早期に発揮すべく、公開買付者との事業連携に向けた取り組みに着手することを想定しております。
なお、両社は、本構想を早期かつ確実に実現するためには、両社従業員の融合並びに両社事業の一体化が重要であるとの判断のもと、経営統合の具体的な方法として、本取引完了後に公開買付者と当社にて、2026年4月を期日とする両社の合併についての検討を開始することを合意しております。
また、本取引実施後の当社の商号については、公開買付者の子会社という位置づけの間は、当社事業の重要性、当社のこれまで築いてきているブランド力等を勘案し、現行の商号を維持することを合意しております。また、公開買付者は、両社の子会社については、当面は、現行体制を維持することとし、将来的な戦略的事業構想及び子会社体制の在り方を両社で協議する中で、必要に応じて、再編も検討していく想定とのことです。
(c)経営体制やガバナンスの考え方について
公開買付者は、当社の経営体制について、本取引完了後の公開買付者の子会社という位置付けの間は、独立する企業として自律性、並びに当社の現行の経営体制を最大限尊重しつつ、連結グループとしての一貫性あるガバナンス体制の構築を考えているとのことであり、既存の経営陣には引き続き当社の事業運営に関して主導的な役割を果たしていただくことを想定・期待しているとのことです。本経営統合・公開買付契約において、両社は、本公開買付けに係る決済完了後の当社の経営陣並びにその他の取締役及び執行役員の構成・処遇については、両社の合併が実行されるまでの間は、当社が提案を行い、かかる提案に基づき両者の経営陣で誠実に協議のうえ、公開買付者が当社経営陣の意向も尊重した上で最終的に決定することとし、また、両社が合併することとなった場合には、対等の精神のもと、統合新会社の取締役及び執行役員の構成を含む統合新会社の経営体制について、両社の経営陣にて誠実に検討・協議するものとし、また、統合新会社の代表取締役については、両社がそれぞれ1名ずつ指名する方向で検討することを合意しております。なお、本経営統合・公開買付契約において、公開買付者は、本公開買付けに係る決済完了後、当社と事前に誠実に協議のうえ、当社の取締役を1名指名することができ、当社は、公開買付者が指名する者の当社の取締役への選任につき、必要な手続を履践することも合意しております。
また、本取引完了後、当社の社長、及び最高執行責任者の両名においては、公開買付者グループの経営にも参画するべく、公開買付者の経営会議に出席することを合意しております。
(d)従業員の雇用や処遇に関する方針について
公開買付者は、まだ「働き方改革」という言葉が広まっていない2012年に人的資本の基盤強化の第一歩として社員の健康を確保するための働き方改革に着手したとのことです。当時、IT業界は典型的な労働集約型の産業と言われ、IT技術者の長時間労働をもって企業としての収益が拡大するという事業構造があり、それ故、長時間労働が常態化していました。2013年には、全社員の平均残業時間を月間20時間未満とする、年間20日の有休を完全取得するといった企業努力を実施、2015年には、健康経営の理念として、就業規則に「社員一人ひとりの健康は、個々人やその家族の幸せと事業の発展の礎である。社員が心身の健康を保ち、仕事にやりがいを持ち、最高のパフォーマンスを発揮してこそ、お客様の喜びと感動に繋がる最高のサービスが提供できる」と定め、社員を真に大切にする経営に大きく舵を切ったとのことです。その後も、役職員の健康増進に向けた様々な施策を導入する等、社員が持てる能力を最大限発揮し、生産性高く、創造性豊かな仕事に取り組めるよう先進的な働き方改革を追求してきたとのことです。
また、今日においては、健康経営を超えて、「働きやすさ」の追求に加えて「働きがい」の追求へと経営のステージをアップし、価値創出を通じた社会への貢献と働きがいを実感できる会社を目指した、Well-Being経営の実践に取り組んでいるとのことです。
公開買付者の中期経営計画においても、方針の一つに「社員の成長が会社の成長ドライバーと認識し、社員一人ひとりの市場価値を常に最大化する」と掲げられております。ここで意図していることは、社員の能力を高められる事業・案件を常に選択し、成長できる場・環境を用意すること、また、社員が持つ能力を最大限に発揮できる事業分野・事業モデルを常に選択・構築することとのことです。また、この方針により高められた社員の市場価値を適切に評価・処遇する制度も並行して整備しているとのことです。
社員の雇用、処遇に関しては、両社社員一人ひとりの自律的な成長とお客様やパートナー、社会との共創による新たな価値創出を通じた働きがいとパフォーマンス向上を図り、両社が統合したからこそなし得る社会への貢献、社会課題解決をリードすることで存在感・市場価値を高め、それにより更なる処遇アップを実現し、社員が一流の技術力を有し、そして一流の報酬を得る、ITサービス産業の雄たる一流企業を目指していきたいと考えているとのことです。
なお、本経営統合・公開買付契約において、①公開買付者は、当社グループをして、本公開買付けに係る決済開始日に当社グループに在籍する従業員について、当該決済開始後3年間は、当該決済開始日における労働条件を総合的に勘案して実質的に下回らない労働条件にて雇用を原則として維持すること、②公開買付者は、本公開買付けに係る決済完了後においても、当社グループにおける従業員のワークライフバランスの実現に向けた既存の取り組み、在宅勤務の活用やフレックス勤務・タイムセレクト勤務・変形労働勤務等の勤務形態を通じた従業員による柔軟なワークスタイル、並びに、当社グループにおける従業員に対する従前の人事考課の実績及びその評価方法について、最大限尊重するものとし、当該決済完了後において、公開買付者がこれらの変更を希望する場合には、両当事者にて誠実に協議・検討すること、③両当事者は、両当事者が合併することとなった場合には、統合した新会社の人材登用に関し、対等の精神に基づき、出身母体にかかわらず優秀な人材を要職ポジションに登用すること、④両当事者は、両当事者間の合併による雇用条件の統一について、両当事者それぞれを出身母体とする者から構成される検討チームを立ち上げたうえで、誠実に協議のうえ検討することとし、両当事者は、当該検討にあたり、両当事者のそれぞれの雇用条件を最大限尊重し、統一後の雇用条件が双方の従業員にとってより好ましいものになるよう商業上合理的な範囲で最大限努力することを合意しております。なお、その他に現時点で決定している事項はなく、今後、公開買付者と当社との間で協議しながら決定していく予定です。
③ 当社における意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、中長期的な観点から当社の企業価値を最大化する施策についての検討を行って参りましたが、2022年10月以降2023年11月下旬に至るまで、3社の事業会社(以下「本件パートナー候補」といいます。)から、それぞれ異なるタイミングで、当社に対して、当社との資本業務提携等について関心が示され、協議の申入れや初期的な提案がありました。関心を示した各本件パートナー候補の提案の具体性、関心の度合いや範囲、検討の深度等には差があったものの、当社は、公開買付者を含む各本件パートナー候補との間で当社の経営陣との経営方針に関するディスカッションの機会の提供や、実務者間での協議等を行って参りました。当社は、公開買付者との間では、2023年9月中旬に両社の経営陣間における将来的な事業構想及び戦略についての初期的な意見交換を行った後、2023年10月上旬以降複数回にわたり、両社が経営統合を実現した場合に想定される競争優位性、並びに市場・業界への影響について、継続的に議論を重ねて参りました。
このような状況の中、当社は、2023年12月1日付で、本件パートナー候補のうちの1社(当該事業会社は公開買付者ではありません。)から、当社株式の非公開化を含む一定の具体性のある戦略的提案を書面により受領したことを踏まえ(但し、この時点で具体的な買付価格は示されておりません。)、経済産業省が2023年8月31日に公表した「企業買収における行動指針」(以下「企業買収行動指針」といいます。)に則り、当社の企業価値向上及び株主共同の利益の確保の観点から各本件パートナー候補から比較検討可能な材料を収集し、もって各本件パートナー候補からの戦略的提案及びスタンドアローンでの経営を含めた戦略的選択肢の比較検討を行うプロセス(以下「本件プロセス」といいます。)を実施することが妥当であると判断し、本件プロセスを開始することとしました。そこで、当社は、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するとともに本件プロセスの対応を行うべく、2024年2月上旬、本件パートナー候補及び当社から独立した当社のファイナンシャル・アドバイザーとして三菱UFJモルガン・スタンレー証券を選任し、また、本件パートナー候補及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして、2023年10月以降、当社に対して助言していた長島・大野・常松法律事務所を2024年2月上旬以降も引き続き起用することとしました。また、スタンドアローンによる企業価値向上を含む戦略的選択肢の検討等のためのアドバイザー体制のさらなる強化を図る目的で、過去に当社の中期経営計画の策定の支援を行った株式会社QuestHub(以下「QuestHub」といいます。)を2024年4月中旬に、本件パートナー候補及び当社から独立したストラテジック・アドバイザーとして選任いたしました。
また、当社は、本件プロセスを検討するにあたり、本取引はマネジメント・バイアウトや支配株主による従属会社の買収には該当しないものの、本件プロセスにおいて本件パートナー候補からは当社株式の非公開化を伴う提案が行われることが予想されたことから、本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、当社の企業価値の向上及び一般株主の利益を図る立場から、当社の採り得る戦略的選択肢について検討し、そのうえで、取引の是非や取引条件の妥当性及び手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、公開買付者を含む本件パートナー候補及び当社並びに本取引の成否から独立した立場で本取引及び本件プロセスについて検討及び交渉等を行うことができるための体制の構築を開始しました。具体的には、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、同年2月中旬より、当社の独立社外取締役により構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の設置に向けて準備を進めました。そのうえで、同月28日、当社取締役会における決議により、本特別委員会の委員の構成上、法務、会計、事業の各分野について見識のある社外取締役を選任することが妥当であるとの見地から、弁護士である伊藤真弥氏(当社独立社外取締役)、公認会計士である野口和弘氏(当社独立社外取締役、常勤監査等委員)及び当社と同種の事業を営む会社で取締役を務めた経験を有する和田昌佳氏(当社独立社外取締役)の3氏から構成される本特別委員会(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含みます。)、(ⅲ)本取引の手続(パートナー候補の選定プロセスを含みます。)の公正性、(ⅳ)(ⅰ)~(ⅲ)を踏まえ、本取引が当社の一般株主にとって不利益でないか否か、(ⅴ)本取引が当社株式、本新株予約権、及び本米国預託証券に対する公開買付けを伴う場合において、当社取締役会が、①本公開買付けについて賛同意見を表明すること、②当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨すること、③本米国預託証券の所有者に対して、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨すること、それぞれの是非(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問しました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の意見を最大限尊重して行うものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社が本件パートナー候補との間で行う交渉について、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保すること、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、当社の費用負担において独自のアドバイザーを選任し、又は当社が選定したアドバイザーを承認(事後承認を含みます。)すること、及び必要に応じて当該アドバイザーから専門的助言を受ける権限を付与すること、並びに(ⅲ)本諮問事項の検討及び判断に必要な情報を当社の役職員やアドバイザーから収集又は受領する権限を付与することを決議しました。なお、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、長島・大野・常松法律事務所、及びQuestHubについて、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認のうえ、それぞれ、当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関、リーガル・アドバイザー及びストラテジック・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会は、各アドバイザーから必要に応じて専門的助言を受ける旨を決定しました。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、上記「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、2023年12月に、本件パートナー候補の一部から、当社株式の非公開化を含む一定の具体性のある戦略的提案を受領したことを踏まえ、企業買収行動指針に則り、当社の企業価値向上及び株主共同の利益の確保の観点から、各本件パートナー候補から比較検討可能な材料を収集し、もって各本件パートナー候補からの戦略的提案及びスタンドアローンでの経営を含めた戦略的選択肢の比較検討を行うことが妥当であると判断し、本件プロセスを開始することとしました。
当社は、2024年2月29日より、いずれも事業会社である3社の本件パートナー候補に対し、本件パートナー候補が当社に対して関心を寄せた背景及び目的、想定取引ストラクチャー、取引の経済条件、取引実施後の経営方針、並びに取引の対価の支払に係る資金調達方法等について記載した初期的意向表明書を提出するよう求める本第一次プロセスを開始いたしました。当社は、本第一次プロセスにおいて、本件パートナー候補に対する本事業計画の開示及び説明や本件パートナー候補による当社へのインタビューを実施し、同年4月30日に、本件パートナー候補のうち公開買付者を含む2社から法的拘束力のない初期的意向表明書(以下「第一次意向表明書」といいます。)を受領いたしました。公開買付者の提出した第一次意向表明書においては、法的拘束力のない初期的意向表明として、本公開買付価格を4,250円(同日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値2,644円に対して60.74%のプレミアム)とすることが含まれていました。
その後、当社は、第一次意向表明書の内容について当社の企業価値向上及び株主共同の利益の確保の観点から慎重に検討を行うとともに、スタンドアローンでの経営との比較を含めた複数の戦略的選択肢の検討を行い、同年7月26日より、当該2社を対象として、法的拘束力のある最終提案書の提出等を求める本第二次プロセスを開始し、当該2社は、当社グループに対する事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスや当社の経営陣との当社グループの詳細を理解するための面談を実施しました。そして、同年9月27日に、当該2社のうち、公開買付者のみから、本公開買付価格を4,400円(同日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値3,563円に対して23.49%のプレミアム)とすることを含んだ法的拘束力のある最終提案書を受領いたしました。もっとも、同月28日に開催された本特別委員会における意見も踏まえ、当社としては、最終提案書に記載された本公開買付価格は、当社の想定する価格水準から乖離していることから、本公開買付価格の再検討を求めるべきであるとの結論に至り、当社は、公開買付者に対する交渉力を保持するために直ちに独占交渉権を付与することはせずに、本公開買付価格の再検討を求めました。これを受けて、公開買付者から、同年10月4日、独占交渉権が公開買付者に付与されることを前提として、本公開買付価格を4,500円(同日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値3,568円に対して26.12%のプレミアム)とする旨の再提案を受けたことから、当社は公開買付者に対し、同月7日、本取引の公表時期として当社が想定していた同年11月6日までを独占交渉期間とする独占交渉権を付与することとしました。
その後、当社は同年10月8日に、本公開買付価格は当社の実現しうる本源的価値を反映しきったものとは評価できず、また、プレミアム水準にも鑑み、公開買付者に対して本公開買付価格の更なる引上げを求めました。しかし、当社は同月21日に、公開買付者より、本公開買付価格の更なる引上げは困難であるとの回答を受領しました。これを受けて、当社は同月23日に、公開買付者に対して、本公開買付価格の再検討を求めました。加えて、本特別委員会より同月24日に、インタビューを通じて、公開買付者に対して改めて本公開買付価格に関して検討して欲しい旨を打診いたしました。これに対し、公開買付者は同月28日に、当社に対し、本特別委員会からの本公開買付価格の引上げの要請を受けた上での検討結果としても、依然として本公開買付価格を4,500円からさらに引き上げることは困難である旨を回答しました。
その後、当社は2024年11月5日、公開買付者に対して、本公開買付価格を4,500円とすることに応諾する旨の回答を行いました。
以上のような協議・交渉を経て、当社は、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を含む公開買付者との間の本経営統合・公開買付契約の内容について合意に至りました。
そして、当社は、2024年11月5日、本特別委員会から、(ⅰ)本取引の目的には合理性が認められ、本取引は当社の企業価値向上に資すると認められる旨、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法(本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、本スクイーズアウト手続を実施するという方法)や対価の種類の妥当性を含みます。)が認められる旨、(ⅲ)本取引の手続(本件パートナー候補の選定プロセスを含みます。)には公正性が認められる旨、(ⅳ)(ⅰ)~(ⅲ)を踏まえ、本取引が当社一般株主(なお、ここでいう一般株主には、東京証券取引所有価証券上場規程における「少数株主」を含みます。)にとって不利益でないことが認められる旨、(ⅴ)当社取締役会が、①本公開買付けについて賛同の意見を表明すること、②当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへ応募することを推奨すること、③本米国預託証券の所有者の皆様に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨すること、④本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様の判断に委ねる旨の決議を行うことが、それぞれ相当である旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております。(本答申書の概要については、「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)
(ⅲ)判断内容
当社は、本件プロセスを通じて、両社の経営トップを含む複数回の協議及び検討を重ねた結果、当社の「2030年のありたい姿」を実現し、ひいては当社の企業理念・パーパスの達成に大きく寄与すると判断し、本取引の実施に至りました。このような判断に至った主な理由は次のとおりです。
① 両社のパーパス・企業理念及び企業文化の親和性が極めて高いこと
② 両社は既にそれぞれシステムインテグレーション領域・ネットワークインテグレーション領域のリーディングカンパニーとして夫々が業界内で確たる地位を築いている一方で、両社が融合することで、お互い単独では実現が難しい新しい価値創出を更に加速することができることの共通認識を持つことができたこと
③ 合併を見越した本件プロセスの先には両社一体となり、日本有数のICTのリーディングカンパニーとして同業界の未来の発展を目指していくといった今後の大きなビジョン・方向性にも共感を持てたこと
④ 本取引は、両社の一体化を経て売上約7,000億円規模のグループ企業として業界内のプレゼンスを一気に高めると同時に、今後の業界の再編や成長を先導していくことにより、将来的には売上1兆円規模の圧倒的なリーディングカンパニーに到達するための足掛かりとなること
これらに加えて、両社間で具体的なシナジーの検討を進める中で、以下の短期・中期的な期待効果を見出すことができたことからも、本取引は、「2030年のありたい姿」の実現に資するものであり、ひいては企業価値の向上につながるものであるとの結論に至りました。なお、本取引によって生じるディスシナジーについて特に重大なものは認識しておりません。
短期・中期的な期待効果:
1.展開する市場・顧客の拡大:
公開買付者は製造業・金融等のエンタープライズ顧客に強みを有する一方で、当社はエンタープライズのみならず公共、通信事業者、パートナーとの取引も行っており、当社と公開買付者では得意とする市場や顧客の特性が異なっております。本取引により、両者の既存顧客に対して相互の顧客紹介やサービスの相互提案等を実施することで、さらなる価値の提供が可能であると考えております。
2.顧客のICTインフラの支援を強化するサービスラインの強化:
本取引により、顧客のICTインフラのライフサイクルを支援するPBOOモデルの強化につながり、これまでよりも幅広い領域での顧客課題解決を一気通貫で支援することが可能になると考えております。具体的には、両社プロダクト、ソリューションの相互補完によるサービスラインの強化を実現できるものと考えております。また、サービスラインの強化、補完関係だけでなく、両社の運用実績をもとにした独自のコンサルティングを作り上げていくことで、今までにないユニークな価値提供が目指せるものと考えております。また、両社の知見融合による研究開発、新商材の発掘、サービス開発により、単独ではなしえない新しい価値を生み出すサービスライン強化も実現できると考えております。
3.テクノロジー領域の拡大:
当社と公開買付者では得意とするテクノロジー領域が異なっており、相互補完の関係にあります。本取引により、当社の持つインフラストラクチャー及びネットワーク領域の技術と、公開買付者のシステムプラットフォーム及びアプリケーション領域の技術を組み合わせた垂直統合により、フルラインナップでのサービス提供が可能となることで、提供する顧客価値が向上すると考えております。また、両社のテクノロジー領域の融合により、ICT利活用の場面をさらに広げられるものと考えております。
4.経営の効率化:
当社のパートナー事業の活用また両社の統合による主要ベンダーに対する購買力向上、両社プロダクト、ソリューションの統合による共通化、社内ITシステムの共通化・効率化、また、両社のコーポレート部門のノウハウを統合することにより経営の効率化が図れるものと考えております。
5.イノベーションの創発:
公開買付者及び当社の得意とするテクノロジー領域は異なるものの、従前より新規技術やビジネスの発掘に対して積極的である点では共通しております。両社が有する知見や米国含めたビジネス開発・リサーチ拠点、更には当社イノベーションセンターなどが連携することで顧客・ビジネスパートナー含めた共創活動を促進し、新たなイノベーションを創発することで日本のICT業界の活性化に貢献できるものと考えております。
6.人財育成の機会:
これらの期待効果の発現の過程により、今後の経営環境に求められる人財の効果的な育成及び獲得も実現できるものと考えております。
また、スタンドアローンでの経営との比較では、当社はスタンドアローンでの経営においても当社のパーパスである「人とネットワークの持つ可能性を解き放ち、伝統と革新で豊かな未来を創る」を実現できると考えているものの、公開買付者と共に本取引を進める方がパーパスをより発展的に実現できると判断いたしました。具体的には、当社と公開買付者の両社が対等の精神に基づく経営統合を行うことで、垂直統合によるサービス提供をしながらデジタルプラットフォームの活用が促進され、結果として、社会、日本、そして顧客のデジタル化を一気通貫でリードする企業を目指すことが可能になると考えております。
また、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件については、(a)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 本件プロセスの実施」に記載されている本件プロセスの実施を経て得られたものであり、当社は、複数の本件パートナー候補から、当社の企業価値向上に向けた提案を受ける機会を確保したところ、本第一次プロセスで受領したものを含めて、公開買付者が提示した提案と比べて、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様にとって有利な条件を提示する候補先は存在しなかったこと、(b)本取引の条件の形成過程においては、本件プロセスを通じた交渉・協議の結果として、本公開買付価格については合理的な金額の上積みが実現されており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われたこと、(c)本公開買付価格については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている三菱UFJモルガン・スタンレー証券による当社株式に係る株式算定結果のうち、(ⅰ)市場株価分析に基づく算定結果のレンジを上回る価格であること、(ⅱ)類似企業比較分析に基づく算定結果のレンジを上回る価格であること、(ⅲ)ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)に基づく算定結果のレンジの範囲内であり、その中点を上回ること、(ⅳ)経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「公正M&A指針」いいます。)を公表した2019年6月28日以降に公表された公開買付け事例(非公開化を前提とした公開買付けのうち、取引前の対象会社PBRが1倍以上の事例。但し、自己株式の公開買付け、いわゆるディスカウント公開買付け及び交渉開始時である2024年9月末時点で成立していない公開買付けを除きます。)109件におけるプレミアム水準の中央値は、公表日の前営業日の終値に対して40.13%、公表前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して39.80%、公表前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.66%、公表前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して42.62%となっており、本公開買付価格のプレミアム水準は、同種事例と比較すると必ずしも高い水準にあるとまではいえない一方で、当社株式の株価が上昇局面にあり、公表3営業日前の終値において年初来高値を記録しているように足元の当社株式の株価の変動幅が大きいことを考慮すると、当社株式の直近の株価のみで検討するよりも、より長期間を考慮して考えることが適切であると考えられることから、本公開買付価格のプレミアム水準は、他の公開買付け事例のプレミアム水準と比較すると不合理な水準とはいえないこと、(ⅴ)近時の日経平均株価の上昇も背景に、2024年の公開買付けの成立案件においては、プレミアム水準が相対的に低い案件が増加しており、プレミアム40%未満の事例が5割程度、プレミアム30%未満の事例が2~3割を占めていることからすると、本公開買付価格は、直近の公開買付け事例に照らし、相応のプレミアムが付された価格であるといえること、及び(ⅵ)当社の直近3年間の終値最高値である3,970円及び場中最高値である4,010円を超える水準であること、(d)本新株予約権買付価格を1円とすることについても、本新株予約権は、当社及び当社の子会社の役職員に対してストックオプションとして発行されたものであり、本新株予約権の行使期間内において、当社及びその子会社の取締役、監査役、執行役員及び使用人(嘱託社員を除きます。)のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされているところ、本新株予約権者のうち行使条件の充足により本新株予約権の行使を予定している者は存在せず、また、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないことを踏まえれば、不合理とはいえないこと、並びに、(e)日本国の居住者である公開買付者が米国外で実施される本公開買付けにおいて本米国預託証券の取得を行うにあたり、実務上、公開買付代理人としてその取扱いを行うことができる金融商品取引業者等が存在しないため、本公開買付けにおいて公開買付者が本米国預託証券自体の取得を行うことは困難であること、また、本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式1株当たりの買付け等の価格は、本公開買付価格と同額に設定されていることからすれば、本米国預託証券及び本米国預託株式の取扱いや本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式1株当たりの買付け等の価格について不合理な点はないこと等を踏まえ、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であると判断いたしました。
以上より、当社は、2024年11月6日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへ応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
なお、上記当社取締役会における決議の方法は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、公開買付者から提示された本公開買付価格を検討し、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公正性を担保するための措置として、当社及び公開買付者を含む本件パートナー候補から独立した第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、2024年11月5日付で本株式価値算定書を取得いたしました。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。
② 算定の概要
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討のうえで、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価分析を、当社と比較的類似する事業を手掛ける上場会社が複数存在し、類似会社との比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較分析を、将来の事業活動の状況に基づく本源的価値評価を反映するためDCF分析を、それぞれ採用して、当社株式の株式価値算定を行っております。なお、当社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価分析 3,166円~3,574円
類似企業比較分析 2,670円~4,237円
DCF分析 4,026円~4,944円
市場株価分析では2024年11月5日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における算定基準日の終値3,574円、直近1ヶ月間の終値単純平均値3,545円、直近3ヶ月間の終値単純平均値3,444円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値3,166円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,166円~3,574円までと算定しております。
類似企業比較分析では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,670円~4,237円までと算定しております。
DCF分析では、本事業計画、直近までの業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した、当社が生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて算定される企業価値に、当社が保有する現金及び現金同等物の価値を加算する等財務上の一定の調整を行って、株式価値を評価し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,026円~4,944円までと算定しております。
なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がDCF分析による算定に用いた本事業計画においては、大幅な増減益及び大幅なキャッシュフローの増減を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではないため、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、本事業計画には加味しておりません。なお、当社は、2024年8月6日公表の「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」において、2025年3月期の業績目標を連結売上高2,200億円、営業利益210億円として公表しております。一方、本株式価値算定書の作成日時点において、足元の進捗を踏まえ計画値の軽微な修正を行っております。修正後の本事業計画について、本特別委員会においても、当該修正の内容及び過程の合理性を確認したうえで、「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の(ⅱ)検討の経緯に記載のとおり、修正後の本事業計画を本件パートナー候補に対して開示することを承認しております。また、本公開買付価格4,500円は、本書提出日の前営業日である2024年11月6日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値3,605円に対して24.83%のプレミアムを加えた価格です。
(注) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及びその基礎となる当社株式の株式価値の分析は、本公開買付けに関する意見表明の検討にあたって当社の取締役会の参考に資するためのみに同取締役会に宛てたものです。当該分析は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券又はその関係会社による財務上の意見又は推奨を構成するものではなく、本公開買付けに関する一切の当社若しくは公開買付者の株主の行動又は本取引に関する一切の株主総会に関する株主による議決権行使若しくはその他の行動に関して意見を述べたり、また、本取引への賛同を推奨したりするものでもありません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び既に公開されている情報等をそのまま採用し、それらの資料及び情報等が全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、2024年11月5日(以下「基準日」といいます。)時点で得られる最善の予測と判断に基づき当社により合理的に作成されたことを前提としております。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本取引のために必要な政府機関、監督官庁等による許認可、同意等は全て取得可能であり、かつ、かかる許認可、同意等の取得には、本取引に重大な悪影響を及ぼすような遅延が生じず、また、かかる許認可、同意等には、本取引に重大な悪影響を及ぼすような制限又は条件が付されないことを前提としております。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、法務、会計、税務に関するアドバイザーではありません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はファイナンシャル・アドバイザーであり、法務、会計、税務に関する問題については独自の検証を行うことなく、当社及び当社の法務、会計、税務アドバイザーによる判断に依拠しています。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、当社及び当社の関係会社の資産又は負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の算定は、基準日までの上記情報を反映したものであり、基準日現在における経済、金融及び市場その他の状況、並びに基準日現在において三菱UFJモルガン・スタンレー証券が入手している情報に基づくものです。基準日以降に生じる事象が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の分析及び本株式価値算定書の作成に用いられた前提に影響を及ぼす可能性はありますが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本株式価値算定書及び分析を更新し、改訂し、又は再確認する義務を負うものではありません。本株式価値算定書の作成及びその基となる分析は複雑な過程を経ており、必ずしも部分的な分析や要約した記載に適したものではありません。本株式価値算定書で記載されている特定の分析に基づく評価レンジを、当社の実際の価値に関する三菱UFJモルガン・スタンレー証券による評価であると捉えることはできません。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本取引に関し、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして役務を提供し、当該役務の対価として手数料を受領する予定です。なお、手数料の相当な部分の受領は、本取引の公表・完了を条件としています。
③ 本新株予約権に係る算定の概要
当社は、本新株予約権買付価格について第三者算定機関から算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しておりません。なお、本新株予約権については、当社及び当社の子会社の役職員に対してストックオプションとして発行されたものであり、本新株予約権の行使期間内において、当社及びその子会社の取締役、監査役、執行役員及び使用人(嘱託社員を除きます。)のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日(10日目が休日に当たる場合には翌営業日)を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされており、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないこと等を考慮し、公開買付者は、本新株予約権買付価格についてはいずれも1円としたとのことです。
④ 本米国預託証券に係る算定の概要
本米国預託証券については、1個につき当社株式1株の所有権を表章するものであるところ、本公開買付けにおいては、本米国預託証券自体の応募の受付けは行わず、本米国預託証券が表章している本米国預託株式に係る当社株式の応募の受付けを行うこととしていることに鑑み、本米国預託証券の買付け等の価格は、本米国預託証券を本預託銀行に引き渡すことにより交付を受けることとなる当社株式について、当該当社株式1株当たりの買付け等の価格を、本公開買付価格と同額である4,500円と設定しているとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続の実施を予定しているとのことですので、かかる手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的の一環として本公開買付けを実施するため、本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主の皆様(但し、公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対し株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する当社株式の全部を取得することになります。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、取締役会において、株式売渡請求を承認する予定です。
なお、株式売渡請求の対象となる当社株式には、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式も含まれていますので、上記の承認がなされた場合には、本預託銀行に対しては、本公開買付価格に当該当社株式の数を乗じた金額に相当する金銭が交付される予定とのことです。この場合、本米国預託証券届出書によれば、本預託銀行は、本米国預託証券に記載の条項に基づき本米国預託証券を解除のうえ、本米国預託証券の各保有者に対して、その保有する本米国預託証券が表章する本米国預託株式の数に応じて、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算(1セント未満を四捨五入)した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭を交付することができます。
株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
なお、本米国預託証券の保有者が価格決定申立てを行おうとする場合には、その保有する本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、本預託銀行に預託されている当社株式の交付を受けた上で、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従い価格決定申立てを行う必要があります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定であり、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2025年2月下旬を予定しています。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者が当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
株式併合の対象となる当社株式には、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式も含まれていますので、上記の決定がなされた場合には、本預託銀行が株式併合後に保有する当社株式の数も1株に満たない端数となる予定です。この場合、本米国預託証券届出書によれば、本預託銀行は、本米国預託証券に記載の条項に基づき本米国預託証券を解除のうえ、本米国預託証券の各保有者に対して、その保有する本米国預託証券が表章する本米国預託株式の数に応じて、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算(1セント未満を四捨五入)した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭を交付することができます。
株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。
上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主の皆様(当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。本米国預託証券の保有者が株式買取請求及び価格決定申立てを行おうとする場合には、その保有する本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、本預託銀行に預託されている当社株式の交付を受けた上で、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い株式買取請求及び価格決定申立てを行う必要があります。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。その場合、本米国預託証券に表章され、本預託銀行が保有する当社株式に関して本預託銀行に対して交付される金銭の額も同様となり、本米国預託証券の保有者に対しては、その保有する本米国預託証券の数に応じて、本預託銀行より、預託契約に従い、本預託銀行が交付を受けた金銭を米ドルに換算(1セント未満を四捨五入)した金額から本預託銀行の手数料及び税金等を控除した金額の金銭が交付される予定とのことです。
なお、譲渡制限付株式報酬として当社の役職員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)については、当社の取締役及び執行役員との間の本譲渡制限付株式に係る割当契約書において、会社法第180条第2項第2号に定める株式併合の効力発生日又は会社法第179条の2第1項第5号に規定する特別支配株主が当社株式等を取得する日(以下「スクイーズアウト効力発生日」といいます。)が譲渡制限期間中に到来する場合には、当社は、スクイーズアウト効力発生日の前営業日の直前時において、本譲渡制限付株式の全部を無償で取得するとされております。また、当社の従業員に付与された本譲渡制限付株式については、本書提出日現在、既に譲渡制限期間が満了しており、本公開買付けへの応募が可能であるため、本公開買付けに応募されなかったものについて株式売渡請求又は株式併合の対象とする予定とのことです。
③ 本新株予約権の取得及び消却
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されずに残存した場合には、本新株予約権の取得及び消却、又は本新株予約権者による本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実施することを当社に要請し、又は実施することを予定しております。なお、当社は、当該要請を受けた場合には、これに協力する意向です。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と当社が協議のうえ、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引はいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注1)取引にも該当しませんが、公開買付者及び当社は、公開買付者が本取引を通じて当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることを踏まえ、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格を含む取引条件の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施しました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
(注1) 「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、公開買付者が対象者の役員との合意に基づき公開買付けを行うものであって対象者の役員と利益を共通にするものである取引をいいます。
① 本件プロセスの実施
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は2024年2月29日より、本件パートナー候補3社を対象として本第一次プロセスを実施し、その後、本件パートナー候補のうち公開買付者を含む2社に同年7月下旬から同年9月中旬までデュー・ディリジェンスの機会を付与した上で、当該2社のうち、公開買付者のみから法的拘束力のある最終提案書を受領したため、当社は、公開買付者との間で、本取引の実施に向けた最終交渉を行うこととしました。その後、当社及び公開買付者は継続的に交渉を重ね、公開買付者からは最終的に本公開買付価格を4,500円、本新株予約権買付価格を1円とする提案を受けました。なお、本第一次プロセスで受領したものを含めて、公開買付者が提示した提案と比べて、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様にとって有利な条件を提示する候補先は存在しませんでした。以上のとおり、当社は、本件プロセスを実施し、複数の本件パートナー候補から、当社の企業価値向上に向けた提案を受ける機会を確保しました。
② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、2024年2月28日に開催された取締役会における決議により、当社及び公開買付者から独立した伊藤真弥氏(当社独立社外取締役)、野口和弘氏(当社独立社外取締役、常勤監査等委員)及び和田昌佳氏(当社独立社外取締役)の3氏から構成される本特別委員会を設置いたしました。また、本特別委員会の委員の互選により、本特別委員会の委員長として伊藤真弥氏が選定されております。なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更されておりません。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そのうえで、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、取締役会における決議により、本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引の条件の妥当性(本取引の実施方法や対価の種類の妥当性を含みます。)、(ⅲ)本取引の手続(パートナー候補の選定プロセスを含みます。)の公正性、(ⅳ)(ⅰ)~(ⅲ)を踏まえ、本取引が当社の一般株主にとって不利益でないか否か、(ⅴ)本取引が当社株式、本新株予約権、及び本米国預託証券に対する公開買付けを伴う場合において、当社取締役会が、①本公開買付けについて賛同意見を表明すること、②当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募することを推奨すること、③本米国預託証券の所有者に対して、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨すること、それぞれの是非について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の意見を最大限尊重して行うものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社が本件パートナー候補との間で行う交渉について、事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保すること、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、当社の費用負担において独自のアドバイザーを選任し、又は当社が選定したアドバイザーを承認(事後承認を含みます。)すること、及び必要に応じて当該アドバイザーから専門的助言を受ける権限を付与すること、並びに(ⅲ)本諮問事項の検討及び判断に必要な情報を当社の役職員やアドバイザーから収集又は受領する権限を付与することを決議しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年2月28日より同年11月5日までの間に合計14回、合計約13時間にわたって開催されたほか、各会日間においても頻繁に電子メールやWeb会議等を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。
具体的には、本特別委員会は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、長島・大野・常松法律事務所、及びQuestHubについて、いずれも独立性及び専門性に問題がないことを確認のうえ、それぞれ、当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関、リーガル・アドバイザー及びストラテジック・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としても、必要に応じて、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、長島・大野・常松法律事務所及びQuestHubから専門的助言を受けることを確認しております。
そのうえで、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、当社から本件パートナー候補からの提案内容に関する評価・検討状況等、本件パートナー候補との間の協議の内容について説明を受け、これらの点に関する質疑応答等を行うとともに、当社に対して、当社の経営方針等、非公開化・上場廃止に関する評価・検討状況、及び本取引に対する評価・検討状況等につき質問し、当社より回答を受領しております。
さらに、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、本取引の内容及び進捗状況等、株式価値算定の内容等、並びに本件パートナー候補との間の協議・交渉等の状況について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行っております。
加えて、本特別委員会は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認した上で、本事業計画を本件パートナー候補に対して開示することを承認しております。
また、本特別委員会は、当社と公開買付者との交渉方針について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から意見を聴取した上で、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言も踏まえて審議・検討を行い、当社の交渉方針を確認いたしました。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、並びに三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言及び2024年11月5日付で提出を受けた本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
(a)答申内容
ⅰ.本取引の目的には合理性が認められ、本取引は当社の企業価値向上に資すると認められる。
ⅱ.本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法(本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、本スクイーズアウト手続を実施するという方法)や対価の種類の妥当性を含みます。)が認められる。
ⅲ.本取引の手続(本件パートナー候補の選定プロセスを含みます。)には公正性が認められる。
ⅳ.ⅰ~ⅲを踏まえ、本取引が当社一般株主(なお、ここでいう一般株主には、東京証券取引所有価証券上場規程における「少数株主」を含みます。)にとって不利益ではないと認められる。よって、本取引の一部である本スクイーズアウト手続に際してこれを承認する旨の取締役会決議を行うことは相当である。
ⅴ.当社取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明すること、②当社の株主に対しては本公開買付けへ応募することを推奨すること、③本米国預託証券の所有者に対しては事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨すること、④本新株予約権者に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の判断に委ねる旨の決議を行うことが、それぞれ相当である。
(b)答申理由
ⅰ.本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)について
本特別委員会は、公開買付者及び当社の経営陣による本取引の意義・目的に関する説明には合理性が認められると考える。また、公開買付者及び当社の経営陣による本取引によるシナジー効果及びメリットに関する説明には合理性が認められ、かつ、本取引によって期待されるメリットを明らかに上回るデメリットが生じる具体的な可能性は特段認められない。加えて、経営統合の手法として当社を公開買付者の完全子会社とするという手法についても特段不合理な点は見当たらず、また、スタンドアローンでの経営による企業価値向上との比較の観点においても、本取引の実施が定量面及び定性面の両面から上回ると評価することも合理的だと考える。
以上を踏まえ、本特別委員会において慎重に審議・検討をしたところ、本取引の目的には正当性及び合理性があると認められ、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると認められる。
ⅱ.本取引の取引条件の妥当性(本取引の実施方法(本公開買付けにより当社株式の全て(但し、本新株予約権の行使により交付される当社の普通株式を含み、当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、本スクイーズアウト手続を実施するという方法)や対価の種類の妥当性を含みます。)について
本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は、上記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 本件プロセスの実施」に記載されている本件プロセスの実施を経て得られたものであり、当社は、複数の本件パートナー候補から、当社の企業価値向上に向けた提案を受ける機会を確保したところ、本第一次プロセスで受領したものを含めて、公開買付者が提示した提案と比べて、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様にとって有利な条件を提示する候補先は存在しなかったことが認められる。
本特別委員会の設置及び関与、外部専門家からの専門的助言の取得等の公正性担保措置の実施を通じて、取引条件の形成過程において独立当事者間で企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況が確保されていたと認められ、また、本公開買付価格は、そのような状況下において、当社が、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して公開買付者と真摯に交渉した結果を踏まえて決定されたものであると認められる。
本公開買付価格については、(ⅰ)市場株価分析に基づく算定結果のレンジを上回る価格であること、(ⅱ)類似企業比較分析に基づく算定結果のレンジを上回る価格であること、(ⅲ)DCF分析に基づく算定結果のレンジの範囲内であり、その中点を上回ること、(ⅳ)経済産業省が公正M&A指針を公表した2019年6月28日以降に公表された公開買付け事例(非公開化を前提とした公開買付けの事例のうち、取引前の対象会社PBRが1倍以上の事例。但し、自己株式の公開買付け、いわゆるディスカウント公開買付け及び交渉開始時である2024年9月末時点で成立していない公開買付けを除きます。)109件におけるプレミアム水準の中央値は、公表日の前営業日の終値に対して40.13%、公表前営業日から過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して39.80%、公表前営業日から過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して41.66%、公表前営業日から過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して42.62%となっており、本公開買付価格のプレミアム水準は、同種事例と比較すると必ずしも高い水準にあるとまではいえない一方で、当社株式の株価が上昇局面にあり、公表3営業日前の終値において年初来高値を記録しているように足元の当社株式の株価の変動幅が大きいことを考慮すると、当社株式の直近の株価のみで検討するよりも、より長期間を考慮して考えることが適切であると考えられることから、本公開買付価格のプレミアム水準は、他の公開買付け事例のプレミアム水準と比較すると不合理な水準とはいえないこと、(ⅴ)近時の日経平均株価の上昇も背景に、2024年の公開買付けの成立案件においては、プレミアム水準が相対的に低い案件が増加しており、プレミアム40%未満の事例が5割程度、プレミアム30%未満の事例が2~3割を占めていることからすると、本公開買付価格は、直近の公開買付け事例に照らし、相応のプレミアムが付された価格であるといえること、及び(ⅵ)当社の直近3年間の終値最高値である3,970円及び場中最高値である4,010円を超える水準であること等からすると、本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断される。また、本新株予約権は、当社及び当社の子会社の役職員に対してストックオプションとして発行されたものであること等を踏まえると、本新株予約権買付価格を1円とすることについても不合理とはいえず、また、本米国預託証券及び本米国預託株式の取扱いや本米国預託証券が表章する本米国預託株式に係る当社株式1株当たりの買付け等の価格について不合理な点は見当たらない。
本取引は、その一段階目として、公開買付者が当社の総議決権数の3分の2以上を取得することとなる株式数を買付予定数の下限に設定して本公開買付けを行い、二段階目として株式売渡請求又は株式併合による本スクイーズアウト手続を実行するというものである。かかるスキームは、上場会社の非公開化の手法として一般的に採用されている方法であり、本公開買付価格に不満のある当社株主は、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。
さらに、本スクイーズアウト手続は本公開買付け終了後速やかに行われる旨、及び、本スクイーズアウト手続の際に一般株主に対して交付される金銭は本公開買付価格と同一の価格とすることが予定されている旨が開示される予定である。
また、本公開買付けの対価である金銭は、価値変動リスクが低く、かつ、流動性が高いことに加えて、株主の応募判断に当たっても評価が比較的容易であるため、株主保護の観点から妥当なものであると評価することができる。
以上からすると、本取引の実施方法及び対価は、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
ⅲ.本取引の手続(本件パートナー候補の選定プロセスを含みます。)の公正性について
公正M&A指針に基づき、(ⅰ)公正M&A指針で特別委員会が果たすべきとされる役割を担う本特別委員会を設置していること、(ⅱ)当社において外部専門家からの専門的助言等を取得していること、(ⅲ)他の買付者からの買付機会を確保するための措置が講じられていること、(ⅳ)当社が本公開買付けに対する意見を表明するプレスリリースにおいて、一般株主による取引条件の妥当性等についての判断に資する重要な判断材料を含む十分な開示が行われる予定であり、一般株主へ十分な情報提供が行われていると認められること、及び(ⅴ)本取引については、当社一般株主に対する強圧性を排除するための対応が行われていると認められることからすると、本取引では、(a)取引条件の形成過程において独立当事者間で企業価値を高めつつ一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況の確保という視点、及び(b)一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会の確保という視点(公正M&A指針2.4参照)のいずれの面から見ても、本取引にとって必要かつ十分な内容での公正性担保措置が採用されており、また、それらの公正性担保措置が、実際に実効性をもって運用されていると認められる。
したがって、本取引に係る交渉過程及び意思決定に至る手続には、公正性が認められる。
ⅳ.ⅰ~ⅲを踏まえ、本取引が当社一般株主にとって不利益でないか否かについて
本取引の目的には正当性及び合理性があると認められ、本取引は当社の企業価値向上に資するものであるうえ、本公開買付けを含む本取引全体について、当社の一般株主からみて、本公開買付価格その他の取引条件の妥当性が確保されており、かつ、公正な手続を通じて当社の一般株主の利益への十分な配慮がされていると認められる。
したがって、本取引は、当社の一般株主にとって不利益でないと認められる。
ⅴ.本取引が当社株式、本新株予約権及び本米国預託証券に対する公開買付けを伴う場合において、当社取締役会が、①本公開買付けについて賛同意見を表明すること、②当社の株主及び本新株予約権者に対して、本公開買付けに応募を推奨すること、③本米国預託証券の所有者に対して、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨すること、それぞれの是非について
当社取締役会が、①本公開買付けについて賛同の意見を表明すること、②当社の株主に対しては、本公開買付けへ応募することを推奨すること、③本米国預託証券の所有者に対しては、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨すること、④本新株予約権者に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねる旨の決議を行うことは、それぞれ相当であると認められる。
③ 当社における独立したリーガル・アドバイザーからの助言の取得
当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、公開買付者を含む本件パートナー候補及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、長島・大野・常松法律事務所は、公開買付者を含む本件パートナー候補及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、長島・大野・常松法律事務所の独立性に問題がないことを確認した上で、当社のリーガル・アドバイザーとして承認しております。また、長島・大野・常松法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
④ 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、上記3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由の(3)算定に関する事項に記載のとおり、公開買付者を含む本件パートナー候補及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関である三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、当社株式価値の算定を依頼し、2024年11月5日付で本株式価値算定書を取得しました。本株式価値算定書の概要については、上記3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由の(3)算定に関する事項をご参照ください。
なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者を含む本件パートナー候補及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)と同一の親会社をもつ会社であり、三菱UFJ銀行は、当社に対して通常の銀行取引の一環として融資取引を行っておりますが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券によれば、法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令(平成19年内閣府令第52号。その後の改正を含みます。)第70条の4の適用法令に従い、ファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券と三菱UFJ銀行の間、及びそれぞれの社内において、弊害防止措置として、当社に関する情報について厳格に管理する情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ、実施していることから、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、三菱UFJ銀行の判断に影響を受けることなくファイナンシャル・アドバイザーとしての役務を提供しており、独立した立場で当社の株式価値の算定を行っているとのことです。当社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券と三菱UFJ銀行の間、及びそれぞれの社内における情報管理において厳格な情報管理体制が構築されていること等を踏まえ、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を公開買付者を含む本件パートナー候補及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として選任いたしました。本特別委員会は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の独立性に問題がないことを確認した上で、当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として承認しております。また、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を踏まえると、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対する報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断のうえ、上記の報酬体系により三菱UFJモルガン・スタンレー証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として選任しました。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含みます。)の承認
当社取締役会は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から受けた財務的見地からの助言及び本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年11月6日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した利害関係を有しない当社の取締役(監査等委員である者を含みます。)全員の一致(当社の取締役9名の全員一致)で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨し、本米国預託証券の所有者の皆様に対し、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、当社との間で、当社が公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は行っておりません。
また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、これと比較して長期間である30営業日としております。公開買付者は、公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することで、当社の一般株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、公開買付者以外の者による対抗的な買付け等の機会を確保し、もって本公開買付けの公正性を担保することを企図しているとのことです。
さらに、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社における意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は、本件プロセスの実施を通じて、公開買付者を含む複数の本件パートナー候補に提案の機会を与えたうえで、公開買付者との間で本取引を実行することを決定しており、本取引は、公開買付者以外の者による当社株式及び本新株予約権に対する買付け等その他の取引機会が積極的に設けられた上で、実施されるに至ったものといえます。
したがって、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は十分に確保されたものと考えております。
(7)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
公開買付者及び当社は、2024年11月6日付で、本取引に関して、本取引の実施に向けた当社と公開買付者の協力に関する事項及び経営統合に関する事項を定めた本経営統合・公開買付契約を締結いたしました。本経営統合・公開買付契約の概要は、以下のとおりです。
(a)当社は、本経営統合・公開買付契約締結日において、本公開買付けに賛同し、当社の株主に対しては本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見(以下「本賛同意見」といいます。)を表明し、公表することとされております。
(b)当社は、本経営統合・公開買付契約締結日以降、公開買付期間が満了するまでの間、①公開買付者の事前の書面による承諾なく、本賛同意見に関する決議の変更又は撤回を行わないこと、②但し、(ⅰ)(x)第三者により当社株式及び本新株予約権の全てを取得する旨の公開買付け(以下「対抗公開買付け」といいます。)が公表若しくは開始され、又は(y)第三者から当社株式及び本新株予約権の全てを取得する旨の公開買付けに係る実現可能性のある真摯な提案(以下「対抗提案」といいます。)を受領した場合であって、(ⅱ)対抗公開買付け又は対抗提案における当社株式の公開買付価格が、本公開買付価格を上回る金額であり、(ⅲ)外部弁護士の助言を踏まえ、本賛同意見に関する決議後の状況に応じて必要な範囲で本賛同表意見に関する決議の変更又は撤回を行わないことが、当社の取締役の善管注意義務違反を惹起する可能性が高いと当社の取締役会が合理的に判断する場合、当社は、公開買付者が本公開買付価格に関する再提案を行う機会を合理的な範囲で確保できるよう、公開買付者に対して、当該判断後実務上可能な限り速やかに通知するものとし、当該通知が行われた日から5営業日以内に、公開買付者が本公開買付価格を対抗公開買付け又は対抗提案における当社株式の公開買付価格より高い価格に変更する旨の再提案を行わない場合、当社は、公開買付者の事前の書面による承諾なしに、本賛同意見に関する決議の変更又は撤回を行うことができることが定められております。
(c)当社は、本経営統合・公開買付契約締結日から本スクイーズアウト手続の完了日までの間、自ら又はその子会社をして、①(ⅰ)本経営統合・公開買付契約の明示的な定めに従い行われるもの、(ⅱ)公開買付者の事前の承諾を得た事項、及び、(ⅲ)本経営統合・公開買付契約締結日以前にその実施について公開買付者又はそのアドバイザー等に対して開示された事項を除き、通常の業務の範囲内で業務を遂行し、また遂行させる義務、並びに、②(ⅰ)本公開本経営統合・公開買付契約の明示的な定めに従い行われるもの、(ⅱ)通常の業務の範囲内で行われるもの、(ⅲ)当社が公開買付者に提示した事業計画に含まれるもの、及び、(ⅳ)公開買付者の投資判断への影響が軽微であると客観的かつ合理的に認められるものを除き、金銭の支出を行わず、かつ行わせない義務を負っております。
(d)当社は、当社グループが締結している契約等のうち、①本公開買付けの完了について相手方からの承諾の取得が必要となる重要な契約等について、本公開買付けに係る決済開始日までに、当該承諾を取得するよう商業上合理的な範囲で最大限の努力をし、また、②本公開買付けの完了について相手方への事前通知が必要となるものについて、本公開買付けに係る決済開始日までに、当該事前通知を行う義務を負っております。
(e)①両当事者は、本公開買付けに係る決済完了後(両当事者の合併後も含みます。以下も同じ。)も両当事者の現在の経営理念・文化を相互に尊重し、本スクイーズアウト手続の効力発生後に両当事者が合併により統合新会社となる場合には、対等の精神のもと、両当事者にて誠実に検討・協議のうえ、新たな経営理念・パーパスを策定すること、②両当事者は、本取引の実行後速やかに、システムインテグレーション市場及びネットワークインテグレーション市場において両当事者が一体となった継続的な成長を目指し、両当事者のインフラ事業の統合・一体運営及びシナジーの効果発揮に向けた取り組みの実施に向けて協力するものとし、具体的には、両当事者の社長を総責任者とし、両当事者からそれぞれ責任者を選任し、両当事者横断の「合同推進タスクチーム」(テーマごとに分科会を設置)を公開買付者の経営会議及び当社の経営委員会の傘下に設置し、本取引の実行後の両当事者のシナジー最大化に向けた戦略立案・連携(インフラ領域事業の統合サービスメニュー構築、重複プロダクト及び機能の整理、クロスセル等)を行うための協議を推進していくものとし、また、両当事者の統合・融合の促進及び連携の強化・推進を目的として、本取引の実行後、公開買付者の経営会議への当社の社長及び最高執行責任者の参画を実施、並びに本取引の実行後、当社の経営委員会への公開買付者の役員3名までの参画を実施すること、③両当事者は、本取引の実行後、速やかに、2026年4月を合併期日とする両当事者の合併に関する検討を、両当事者の経営陣において開始すること、④本公開買付けに係る決済完了後の当社の商号については、当社が公開買付者の子会社である間は、現行の商号を維持することとし、当事者の経営陣の検討・協議の結果、両当事者が両当事者を合併させることが適当と判断した場合の合併後の統合新会社の商号については、「SCSKネットワン株式会社」(仮称・案)又は将来的に目指したい姿にふさわしい新商号を、両当事者にて誠実に検討・協議し、合意をもって決定すること、⑤本公開買付けに係る決済完了後の当社経営陣並びにその他の取締役及び執行役員の構成・処遇については、両当事者の合併が実行されるまでの間は、当社が提案を行い、かかる提案に基づき両当事者の経営陣で誠実に協議のうえ、公開買付者が当社経営陣の意向も尊重した上で最終的に決定するものとし、また、両当事者が合併することとなった場合には、対等の精神のもと、統合新会社の取締役及び執行役員の構成を含む統合新会社の経営体制について、両当事者の経営陣にて誠実に検討・協議するものとし、また、統合新会社の代表取締役については、両当事者がそれぞれ1名ずつ指名する方向で検討すること、⑥公開買付者は、本公開買付けに係る決済完了後、当社と事前に誠実に協議のうえ、当社取締役を1名指名することができ、当社は、公開買付者が指名する者の当社取締役選任につき、必要な手続を履践すること、⑦公開買付者は、2025年6月開催予定の公開買付者の定時株主総会以降に当社が指名する者を公開買付者の取締役及び代表取締役として選任又は選定することにつき、当社と誠実に協議のうえ、誠実に検討し、また、公開買付者は、当社が指定する者が買付者の取締役及び代表取締役として選任又は選定されるまでの間、当社が別途指定する者が公開買付者の取締役会その他の重要な会議体にオブザーバーとして出席することを認めること、⑧公開買付者は、本公開買付けに係る決済完了後も、当社の本店所在地を維持させる(但し、両当事者が合併した場合には、合併後の統合新会社の本店所在地について、両当事者にて誠実に協議・検討し、合意をもって決定する)こと、⑨両当事者は、当社の事業運営及び事業戦略について、本公開買付けに係る決済完了後も当社の既存の取り組みを最大限尊重するものとし、本公開買付けに係る決済完了後の当社の事業運営及び事業戦略についての既存の取り組みの変更について公開買付者が要請した場合には、かかる変更について、両当事者の対等の精神に基づき、両当事者にて誠実に協議・検討することが定められております。
(f)①公開買付者は、当社グループをして、本公開買付けに係る決済開始日に当社グループに在籍する従業員について、当該決済開始後3年間は、当該決済開始日における労働条件を総合的に勘案して実質的に下回らない労働条件にて雇用を原則として維持すること、②公開買付者は、本公開買付けに係る決済完了後においても、当社グループにおける従業員のワークライフバランスの実現に向けた既存の取り組み、在宅勤務の活用やフレックス勤務・タイムセレクト勤務・変形労働勤務等の勤務形態を通じた従業員による柔軟なワークスタイル、並びに、当社グループにおける従業員に対する従前の人事考課の実績及びその評価方法について、最大限尊重するものとし、当該決済完了後において、公開買付者がこれらの変更を希望する場合には、両当事者にて誠実に協議・検討すること、③両当事者は、両当事者が合併することとなった場合には、統合した新会社の人材登用に関し、対等の精神に基づき、出身母体にかかわらず優秀な人材を要職ポジションに登用すること、④両当事者は、両当事者間の合併による雇用条件の統一について、両当事者それぞれを出身母体とする者から構成される検討チームを立ち上げたうえで、誠実に協議のうえ検討することとし、両当事者は、当該検討にあたり、両当事者のそれぞれの雇用条件を最大限尊重し、統一後の雇用条件が双方の従業員にとってより好ましいものになるよう最大限努力することが定められております。
(g)本経営統合・公開買付契約において、当社は、一定の事項に関する表明及び保証(注)を行っており、当社の当該表明及び保証の違反があった場合には、公開買付者は、相当因果関係の範囲内において、損害等の補償を請求できることが定められております。
(注) 本経営統合・公開買付契約において、当社は、大要、①設立、存続及び権限の有効性、②本経営統合・公開買付契約の締結及び履行に必要な権利能力及び行為能力、③本経営統合・公開買付契約の有効性及び強制執行可能性、④本経営統合・公開買付契約の締結及び履行に必要な許認可等の取得、⑤本経営統合・公開買付契約の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、⑥反社会的勢力との取引・関与の不存在、⑦倒産手続等の不存在、⑧2024年3月期の有価証券報告書の正確性、⑨公開買付者に対する情報開示の真実性、正確性等について、表明及び保証を行っております。
(1)普通株式
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
|
竹下 隆史 |
代表取締役社長 社長執行役員 最高経営責任者(CEO) |
76,970 |
769 |
|
田中 拓也 |
取締役 執行役員 最高執行責任者(COO) |
21,833 |
218 |
|
伊藤 真弥 |
取締役 取締役会議長 指名諮問委員会委員 報酬諮問委員会委員 |
678 |
6 |
|
和田 昌佳 |
取締役 報酬諮問委員会委員長 |
961 |
9 |
|
海野 忍 |
取締役 指名諮問委員会委員長 |
1,729 |
17 |
|
上原 祐香 |
取締役 指名諮問委員会委員 報酬諮問委員会委員 |
59 |
0 |
|
野口 和弘 |
取締役 常勤監査等委員 監査等委員会議長 報酬諮問委員会委員 |
406 |
4 |
|
木内 充 |
取締役 常勤監査等委員 |
12,376 |
123 |
|
飯塚 幸子 |
社外取締役 監査等委員 指名諮問委員会委員 |
1,014 |
10 |
|
計 |
|
116,026 |
1,156 |
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役の伊藤真弥氏、和田昌佳氏、海野忍氏、上原祐香氏、野口和弘氏及び飯塚幸子氏は、社外取締役であります。
(注3) 所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。
(2)新株予約権
|
氏名 |
役職名 |
所有個数(個) |
株式に換算した数 (株) |
株式に換算した議決権の数(個) |
|
竹下 隆史 |
代表取締役社長 社長執行役員 最高経営責任者(CEO) |
234 |
23,400 |
234 |
|
田中 拓也 |
取締役 執行役員 最高執行責任者(COO) |
189 |
18,900 |
189 |
|
計 |
|
423 |
42,300 |
423 |
(注1) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 代表取締役竹下隆史は、2012年度新株予約権を22個、2013年度新株予約権を28個、2014年度新株予約権を32個、2015年度新株予約権を25個、2016年度新株予約権を37個、2017年度新株予約権を21個、2018年度新株予約権を15個、2019年度新株予約権を14個、2020年度新株予約権を16個、2021年度新株予約権を24個所有しております。
(注3) 取締役田中拓也は、2014年度新株予約権を40個、2015年度新株予約権を25個、2016年度新株予約権を37個、2017年度新株予約権を21個、2018年度新株予約権を15個、2019年度新株予約権を14個、2020年度新株予約権を16個、2021年度新株予約権を21個所有しております。
該当事項はありません。
以 上