第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績の分析

当中間連結会計期間の国際的な経済情勢を見ますと、欧米ではインフレが減速し利下げが実施されるなど、各国の経済政策は転換点を迎えています。一方、アジア経済は中国の内需低迷の影響により低調に推移するなど、グローバルではまだら模様の経済情勢となりました。これに加えロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東情勢の激化など地政学リスクへの懸念は一層高まっており、先行きの不透明な状況が続いています。

このような情勢の中で当社グループは、開発面では、ハイパワー・高耐久の「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」(XGT)シリーズの電動工具・園芸用機器をはじめとした充電製品のラインアップ拡充に注力しました。

生産面では、あらゆる製造工程で効率化とコストダウン活動に努めるとともに、各工場での取り組みを他工場に横展開していくことで、グループ全体での効率性向上に努めました。

営業面では、地域密着・顧客密着のサービス体制のレベルアップに注力し、世界各地域のお客さまとの信頼関係の更なる強化に努めるとともに、XGTシリーズを軸に市場の深耕・開拓に取り組みました。

 

当中間連結会計期間の当社グループの連結業績は、依然として各国での金利水準が高く、これによる住宅需要の低迷及び建設・建築市場への投資の抑制が継続しましたが、新製品の積極的な投入及び円安現地通貨高の影響により売上収益は前年同期比4.5%増の386,443百万円となりました。利益面においては、輸送コストの低減と為替の影響などにより原価率が改善したことから、営業利益は前年同期比61.9%増の51,415百万円(営業利益率13.3%)となりました。税引前中間利益は前年同期比70.9%増の51,323百万円(税引前中間利益率13.3%)、親会社の所有者に帰属する中間利益は83.5%増の38,200百万円(親会社の所有者に帰属する中間利益率9.9%)となりました。

 

地域別の売上収益については、次の通りです。

なお、地域別売上収益は、それぞれの市場における売上収益を示しており、セグメント情報の売上収益(出荷元基準)とは異なります。

国内では、住宅着工数の減少や建築・建設価格の高騰など需要環境が厳しい中で、XGTシリーズが売上を下支えし、前年同期比3.4%増の63,512百万円となりました。

欧州では、利下げが実施されたものの依然として金利は高水準にあり、建築・建設市場は低調に推移しましたが、在庫調整後の受注が順調に回復したことに加え、円安現地通貨高の影響により前年同期比10.1%増の193,973百万円となりました。

北米では、景気動向の見通しが不透明な中、依然として金利高と建築資材価格の高騰により住宅投資が鈍っており、また市場競争も激化していることなどから、前年同期比10.2%減の45,313百万円となりました。

アジアでは、中国の不動産不況が長期化する中、総じて工具需要が低調に推移し、前年同期比2.5%減の21,846百万円となりました。

中南米では、主要国で引き続き販売が好調なことに加え、XGTシリーズを中心に充電製品の拡販に努めたことから、前年同期比5.6%増の25,672百万円となりました。

オセアニアでは、インフレによる金融引き締めの影響と不動産市場の低迷が続いたものの、充電式園芸用機器の販売が売上を下支えしたことに加え、円安現地通貨高の影響により、前年同期比0.3%増の27,568百万円となりました。

中近東・アフリカでは、国により濃淡はあるものの、総じて建築・建設需要は堅調に推移し、前年同期比16.1%増の8,558百万円となりました。

 

(カーボンニュートラルへの取り組み)

頻発する風水害など気候変動が社会に及ぼす影響が甚大になる中で、気候変動問題の解決に向けて企業が果たすべき役割はより重要なものとなっており、当社グループは「脱炭素社会への貢献」を特に優先して取り組む重要課題(マテリアリティ)として位置付けて取り組みを強化しております。

そのため当社グループは現在、電動工具に次ぐ将来の事業の柱として、使用時に排ガスを出さない充電式の園芸用機器に注力し、脱炭素社会の実現に取り組んでいます。また、温室効果ガス(GHG)排出量の削減に向けて、自社の事業活動でのGHG排出量(Scope1、2)を2030年度までに2020年度比で50%削減し、2040年度までに実質ゼロとすること、サプライチェーン全体でのGHG排出量(Scope3)を2050年度までに実質ゼロとすることを目標として設定しています。2023年度において、Scope1、2のGHG排出量は前期比12.9%減の57,071t-CO2となり、売上原単位では10.5%減の7.7t-CO2/億円となりました。一方、Scope3のGHG排出量は販売台数及び生産台数の減少に伴い、29.2%減の3,933,618t-CO2となり、売上原単位では27%減の530.6t-CO2/億円となりました。

GHG排出量の削減目標値の達成に向けて、引き続き再生可能エネルギーの活用及び事業活動における省エネルギー化に取り組んでいきます。

 

(2)地域別セグメントの業績

セグメント情報は当社及び連結子会社の所在地に基づき決定されます。

 

日本セグメント

当中間連結会計期間の日本セグメントの売上収益は、前年同期比34.4%増の208,728百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比4.1%増の72,541百万円(連結売上収益の18.8%)となりました。

当中間連結会計期間の日本セグメントの営業利益は、原価率の悪化及び費用の増加により前年同期比15.6%減の13,270百万円となりました。

 

欧州セグメント

当中間連結会計期間の欧州セグメントの売上収益は、前年同期比11.2%増の203,273百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比9.9%増の195,355百万円(連結売上収益の50.6%)となりました。

当中間連結会計期間の欧州セグメントの営業利益は、原価率の改善などにより前年同期比209.0%増の17,023百万円となりました。

 

北米セグメント

当中間連結会計期間の北米セグメントの売上収益は、前年同期比9.8%減の48,871百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比9.9%減の46,841百万円(連結売上収益の12.1%)となりました。

当中間連結会計期間の北米セグメントの営業利益は、原価率の改善及び費用の減少などにより445百万円(前年同期営業損失3,474百万円)となりました。

 

アジアセグメント

当中間連結会計期間のアジアセグメントの売上収益は、前年同期比27.8%増の157,319百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比5.1%減の15,474百万円(連結売上収益の4.0%)となりました。

当中間連結会計期間のアジアセグメントの営業利益は、原価率の改善などにより前年同期比49.0%増の15,130百万円となりました。

 

その他の地域セグメント

当中間連結会計期間のその他の地域セグメントの売上収益は、前年同期比4.2%増の56,401百万円となりました。このうち、外部収益は、前年同期比4.2%増の56,232百万円(連結売上収益の14.6%)となりました。

当中間連結会計期間のその他の地域セグメントの営業利益は、費用の減少などにより前年同期比65.8%増の3,723百万円となりました。

 

 

(3)財政状態の分析

資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,857百万円減少し、1,046,951百万円となりました。主な要因は、棚卸資産の減少によるものです

負債合計は、前連結会計年度末に比べ15,211百万円減少し、165,391百万円となりました。主な要因は、借入金の減少によるものです

資本合計は、前連結会計年度末に比べ6,354百万円増加し、881,560百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加によるものです

 

(4)キャッシュ・フローの状況

営業活動の結果得られた資金は、棚卸資産の減少が少なかったことなどにより前年同期に比べ45,441百万円減少し、70,751百万円となりました。

投資活動の結果使用した資金は、定期預金の払戻しによる収入などにより前年同期に比べ4,622百万円減少し、9,904百万円となりました。

財務活動の結果使用した資金は、短期借入金の返済が少なかったことなどにより前年同期に比べ122,929百万円減少し、21,785百万円となりました。

上記活動の結果及び為替レートの変動による影響により、当中間連結会計期間末の当社グループの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末の196,645百万円から33,218百万円増加して229,863百万円となりました。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発支出(無形資産に計上された開発費を含む)は前年同期比50百万円増の7,179百万円となりました。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。