第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、『笑顔あふれるセカイを増やす』をパーパス(存在意義)とし、ゲームというエンターテインメントを通じて、ユーザーをはじめとして、従業員、株主の皆様、お取引先など、当社を取り巻く人々の「笑顔」につながる新しい価値を創造・提供していくことを経営の基本方針としております。

当社グループは、このような経営の基本方針に基づいて事業活動を行い、企業価値並びに株主価値の最大化を図ってまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、中長期的な事業成長と収益基盤の確保・安定化を経営上の重要課題として認識しており、事業規模を示す『売上高』と、事業活動における収益を示す『経常利益』を重要な経営指標としております。

 

(3) 経営環境及び経営戦略並びに対処すべき課題

当社グループは、前連結会計年度まで9期連続となる営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、当連結会計年度においても、営業損失556,081千円、経常損失522,240千円、親会社株主に帰属する当期純損失420,604千円となりました。

このような状況により、当社グループには、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているものと認識しております。当社グループは、当該事象等を解消するために、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク](6)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載した対応策の実施により、売上を拡大し、収益を確保することにより事業基盤並びに財務基盤の安定化を図り、当該状況の解消、改善に努めてまいります。

 

また、当社グループが安定的な収益基盤のもとで継続して成長するために、以下の重要課題に取り組んでおります。

 

① 収益基盤の確保

当社グループが、安定的な収益基盤を確保するためには、ボラティリティの高いゲームの自社パブリッシングから、一定の収益確保が可能な開発受託・運営受託へ事業の中心を移し、全社的に事業構造の改善を行うことが不可欠であると認識しております。そのため、業務提携等によるパートナー案件の積み上げやゲームの周辺領域へ事業領域を拡幅して事業規模の拡大を図るとともに、QCD(品質・コスト・納期)管理などを徹底することにより、安定的かつ確実に収益を確保できるよう取り組んでまいります。

 

② 新技術・新サービスへの対応

技術革新が進むゲーム業界において持続的な成長を図るためには、新技術等に対する対応が不可欠であると認識しております。そのため、当社グループは、特にゲーム事業においてAI(人工知能)をはじめとする新しい技術を活用したゲーム開発・サービス開発を実現できるよう、技術・ノウハウの獲得・確立を進めてまいります。

 

③ システム技術・インフラの強化

当社グループは、モバイル端末を通じてインターネット上で提供されるゲームタイトルの開発・運用を行っていることから、システムインフラの安定的な稼働及び技術革新への対応が重要であると認識しております。そのため、優秀な技術者の確保と育成に努めるとともに、システム管理やシステム基盤の強化等に継続的に取り組んでまいります。また、他社との共同開発や受託開発を進めるには、情報セキュリティ体制が確保されていることが不可欠だと考えており、認証取得しているISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)による管理運用体制を引き続き維持強化してまいります。

 

 

④ 優秀な人材の確保と育成

当社グループが、今後事業構造を改善し、安定的な収益基盤を確保するためには、優秀な人材の確保と組織体制の強化が重要な課題であると認識しております。そのため多様な勤務形態、職場環境の改善、福利厚生の充実により働きやすい労働環境の整備・運用に努めるとともに、積極的に採用活動を行い、人材の確保に注力しております。また、従業員のスキル・勤続年数等に応じた段階別の研修プログラム等を体系的に実施することで社内人材の育成を図ってまいります。

 

⑤ グループ経営体制及び内部管理体制の強化

当社グループが、持続的な成長を達成するためには、経営の健全性・透明性のある体制を確保することが重要な課題と認識しております。そのために当社は、第13回定時株主総会決議によりに監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行するとともに、グループ各社の経営体制についても見直しを進めてまいりました。今後、取締役会及び監査等委員会による内部統制の強化を図り、コーポレートガバナンス・コードの基本原則に沿った各種施策に継続的に取り組むことにより、グループ経営体制の強化改善に取り組んでまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、経営の基本方針のもと、事業活動を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、環境・人的資本・ガバナンスなど持続可能な価値創造の取り組みを進めてまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

当社グループを取り巻く環境が一層複雑さを増すなか、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを認識し、2023年9月に取締役、執行役員、部門長等で構成するサステナビリティ・BCM委員会を新設しました。

サステナビリティ・BCM委員会では、グループ全体で連携した取組みを推進するために、重要なサステナビリティ項目及びBCP(事業継続計画)関連事項についての戦略や方針の設定、目標管理、リスク管理等を目的とした議論を行い、定期的に取締役会へ活動状況の報告を行い、取締役会においても当該報告の内容に関する管理・監督を行っていくこととしております。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

サステナビリティ・BCM委員会での議論を経て認識された、当社グループにおける重要なサステナビリティ項目と具体的な取り組みについては、以下のとおりです。

 

①環境負荷低減による持続的な社会の実現

当社グループは、事業活動を通じ、環境負荷の低減や社会への貢献へ取り組み、持続的な社会の実現を目指します。

・オフィスに於けるゴミの分別回収

・オフィス規模及び空調温度の適正化

・ペーパーレス化

・クラウドサービスの積極活用による省電力化

 

②次世代を中心とした人材育成による持続的な企業成長の推進

当社グループは、役職員の成長・活躍を促進する職場環境と教育環境を整え、役職員の成長を促し、当社の持続的な企業成長を目指します。

・定期的な社内研修の実施

・役職員同士の勉強会の実施

・業務関連図書の購入補助制度

 

 

③多様で持続可能なワーク・ライフスタイルの追求

当社グループは、多様な役職員が働きやすく、能力を最大限発揮出来る職場環境をつくるため、各種施策の制度化を実施し、当社へのロイヤルティ向上と、持続可能なワーク・ライフスタイルの実現を目指します。

・社内コミュニケーション活性化のための各種制度

・柔軟な勤務形態を実現する各種制度

・女性の働きやすさの推進策及び育児支援等各種制度

・予防接種補助及びワクチン休暇等制度

・その他各種特別休暇制度

・業務災害保険等の任意保険によるサポート

・健康診断、ストレスチェック等による健康維持支援

 

④マネジメント・ガバナンスの追求

当社グループは、社会に必要とされ続ける企業として、持続可能な経営と持続可能な社会を目指し、以下のような委員会の運営等の体制を敷くことで、信頼性・透明性の高い経営を追求してまいります。

・指名・報酬委員会

・サステナビリティ・BCM委員会

・情報セキュリティ委員会

・内部通報制度

 

なお、当社グループのサステナビリティに関する指標及び目標は、現時点では設定しておりません。企業価値向上に向けたサステナビリティに関する指標及び目標については、今後の課題としてサステナビリティ・BCM委員会を中心に社内で議論を進めてまいります。

また、「女性管理職比率」、「男性育児休業取得率」、「男女間賃金格差」については、「第1企業の概況 5従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載のとおりです。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。また文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

 ① 市場動向について

当社グループの事業領域であるオンラインゲーム市場は、これまでスマートフォンやタブレット端末等の高機能なモバイル端末の普及に伴い成長を続けてまいりました。当社グループでは、市場成長に鈍化の兆しはあるものの、今後安定的に推移するものと見込んでおり、引き続きモバイル端末を中心とするオンラインゲームを開発・運営できる体制を確保・維持してまいりますが、新たな法的規制の導入や通信事業者の動向等により、市場環境が阻害されるような事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 技術革新について

当社グループが事業展開を行うモバイルインターネット業界は、事業に関連する技術革新のスピードやユーザーニーズの変化が速く、それに対応する新たなサービスが次々と出現しております。

当社グループは、AI(人工知能)をはじめとする新しい技術を活用したゲーム開発・サービス開発を実現できるよう、技術・ノウハウの獲得・確立を進めておりますが、技術革新への対応が遅れた場合には、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 ③ プラットフォーム運営事業者の動向について

当社グループが開発、運営するオンラインゲームは、主に国内外のプラットフォーム運営事業者を通じてユーザーにサービス提供されております。当社グループは、各運営事業者の定める規約を遵守したゲームの開発、サービス運営を行っておりますが、今後、各運営事業者の事業戦略の転換や規約の変更等が生じた場合には、サービスの停止、サービス内容の変更、手数料等の料率の変更等により、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 競合他社の動向について

当社グループの事業領域であるオンラインゲーム市場は、競合他社が多数存在しております。当社グループは、日々のコスト削減や開発効率の向上策などに取り組み、これまで培ってきたゲーム開発及び運営のノウハウを生かして、ユーザーのニーズに合わせるとともに、他社のオンラインゲームと差別化したタイトルを継続して提供してまいります。しかしながら、競合他社との競争が激化し、他社との比較で優位性を保てなくなった場合には、当社グループの提供するオンラインゲームの利用や開発・運営受託案件の減少や縮小等により、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業運営に関するリスク

 ① ゲームタイトルの企画・開発・運営について

当社グループは、ゲーム開発事業として、オンラインゲームの企画・開発・運営を主な事業として展開しております。オンラインゲームで安定的な収益を上げるためには、多数のユーザーを獲得できるタイトルを継続的に提供し続ける必要があります。当社グループは、IPを利用した新規タイトル案件の獲得を進めるとともに、他社タイトルの開発・運営案件を獲得することにより、継続して複数のタイトルを開発・運営できる体制を構築しております。しかしながら、他社IPが利用できなくなること等により、多数のユーザーを獲得できるタイトルを継続的に提供できなかった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 協業先との関係について

当社グループは、主に高い知名度のIPを保有する他社との協業により当該IPを利用することで多数のユーザー獲得が見込まれるゲームタイトル等の開発・運営を受託しております。当社グループは、協業先である各IP保有会社及び開発・運営の委託元会社との友好的な関係を維持するように努め、事業展開を進めてまいりますが、各社の方針又は事業戦略に変化が生じ、各サービスが継続して提供できなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ 開発費、広告費の負担について

オンラインゲームは、機能や表現の高度化が進んでおり、開発期間が長期化するとともに、並行して開発人材の人件費も高騰傾向にあるため、開発費が増加傾向にあります。また、競合他社との競争激化に伴い、新規タイトルのユーザー獲得のための多額の広告宣伝費が必要となるケースが増加しております。そのため、当社グループでは、開発費や広告宣伝費を協業先が負担する等の契約を締結することにより、費用の抑制に努めておりますが、市場環境の変化等により、費用負担が想定を上回る等の状況が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 受注損失の発生について

当社グループは、経営会議にて受託開発案件の進捗状況を確認し、見積りの精度を高めるなどの体制で運用しております。しかしながら、開発の遅れ、仕様の変更や人件費の高騰等により、当初の見積原価総額が大きく変動した場合は、進捗率の変更による収益の見積りが変更されます。また、見積原価総額が契約金額を超過する場合は、受注損失引当金を計上する必要があることから、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑤ 契約不適合責任について

当社グループの主要な事業であるゲームの受託開発・運営の一部は、業務委託契約に基づいており、開発・運営における成果物や遂行すべき業務に対して対価を受領しております。契約締結時に成果物・業務の仕様や検収方法等を明確化するとともに、進捗状況の確認等のプロジェクト管理による品質管理を行なっておりますが、当社グループの過失等に起因して契約不適合が発生することにより、大規模な改修やサービスの中断・中止が生じた場合、当該事象に係る損害等の賠償を請求される恐れがあります。その場合には、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性があります。

 

 ⑥ 人材関連サービスについて

当社グループで行なっている人材関連のサービスの一部は、「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)」に基づく労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けています。また、労働者派遣事業と請負により行われる事業の区分に関しては、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(労働省告知第37号)において順守すべき事項が示されております。

当社グループでは、業務の健全かつ適正な運営の為、コンプライアンス教育及び研修等の実施によって各種法令の順守を徹底し、継続的に調査・確認を実施することで法令違反を未然に防ぐよう努めております。

しかしながら、これらの法令等に抵触したことにより処分等を受けたり、新たな法令・基準の制定や改正などが行われた場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ⑦ 新規事業について

当社グループは、事業規模の拡大と収益の安定化を目指して、成長が期待できる新たな分野や市場への展開に取り組むことを検討しております。そのために、新たな人材の確保やシステム投資及び広告宣伝等のための追加的な支出の発生や、当該市場等における規模や需要の急激な変化による影響等、当社グループが今まで想定していない新たなリスクが顕在化する可能性があります。新たな事業展開が当社グループの想定どおりに進捗しなかった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織運営・ガバナンス体制に関するリスク

 ① 人材の確保、育成について

当社グループが、今後更なる業容拡大を図るためには、優秀な人材の確保・育成が重要であると考えおります。そのため採用活動を継続して行うとともに、福利厚生の充実、教育研修の整備・充実に努めております。しかしながら、当社グループが必要な人材を十分に確保できなかった場合、又は社内の重要な人材が外部に流出してしまった場合には、業務運営や事業展開の制約要因となり、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 内部管理体制について

当社グループは、内部関係者の不正行為等が発生しないように、法令及び企業倫理に沿った各種規程を制定するとともに、監査等委員会の設置や内部監査の実施、社外の弁護士相談窓口を含む内部通報窓口の設置・周知等により内部統制の充実を図っております。しかしながら、このような対応にも関わらず法令等に抵触する事態や内部関係者による不正行為が発生した場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ システム障害について

当社グループが運営するオンラインゲームは、サービスの基盤をインターネット通信網に依存していることから、過剰アクセスによるサーバーダウンや通信ネットワーク機器の故障及び自然災害や火災・事故等によるシステム障害を回避すべく、サーバーの負荷分散や稼働状況の監視等の未然防止・回避策を実施しております。しかしながら、こうした対応にもかかわらず大規模なシステム障害が起こり、サービス提供に障害が生じた場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 取引先等の信用リスクについて

当社グループは、事業・サービスの展開にあたり多岐にわたる事業者と様々な取引を行っております。新規取引を開始する際の与信管理の徹底、事業状況の継続的な確認等により、債権回収リスクを低減するよう努めておりますが、取引先事業者の収益及び財政状態の急激な悪化によっては、売上債権の回収が遅延したり、回収不能になる可能性があり、この結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) コンプライアンス・紛争等に関するリスク

 ① オンラインゲーム内の課金システムに対する法的規制等について

オンラインゲームにおける一部の課金方法がユーザーの過度の射幸心を煽るとして、特定の課金方法に対しては不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に違反するとの見解が消費者庁より示され、2012年7月1日から「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準が施行されております。これを受け、当社グループによるタイトルは、業界団体が公表する「スマートフォンゲームアプリケーション運用ガイドライン」に従って開発・運営され、「資金決済に関する法律」を始めとする各種法規制が適用されております。

当社グループは、各種法規制や業界の自主規制を順守し、業界の健全性、発展性を損なうことのないよう努めてまいりますが、今後、社会情勢の変化によって、既存の法令等の解釈の変更や新たな法令等の制定、各種ガイドラインの解釈の変更や新たなガイドラインの制定が行われた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報管理について

当社グループは、ゲーム開発・運営、人材サービスをはじめとして幅広く事業を展開していることから、個人情報や開発・営業にかかる技術上又は営業上の情報資産(いわゆる営業秘密を含む。)を保有しております。

このため、当社グループでは、情報セキュリティ方針及び情報セキュリティ対策標準等を含む各種社内規則等を制定・遵守し、かつ当社にて情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISMS認証(ISO/IEC27001:2013)を取得するなど、情報の適切な管理を徹底するとともに、役職員への教育及び研修等を通じて情報管理意識の向上に努めております。

しかしながら、コンピュータウイルスへの感染や不正アクセスの発生等により、これらの営業秘密等の漏洩又は改竄等が発生した場合、当社グループの競争優位性の衰耗もしくは喪失、又は協業先等からの損害賠償請求等の提訴若しくは当社グループの信用失墜等の事態を招き、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ③ 知的財産権の管理について

当社グループは、事業を展開するうえで必要となる技術、ライセンス、ビジネスモデル及び各種商標等の知的財産の権利化を行うとともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。

しかしながら、当社グループが保有する知的財産権等について、第三者により侵害等がなされ、当社グループの競争優位性が衰耗又は喪失する可能性があり、また、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社又は当社への開発・運営委託元が当該第三者から損害賠償請求や使用差止請求等の提訴を受け、これらに対する対価の支払い等やこれらに起因する当社グループの信用失墜が発生する可能性があります。こうした場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 訴訟などに関するリスクについて

当社グループは法令順守を基本としたコンプライアンスを推進することにより、役員、従業員の法令違反等の根絶に努めております。しかしながら、当社グループ及び役員、従業員の法令違反の有無にかかわらず、ユーザー、取引先、その他第三者との予期せぬトラブル、訴訟等が発生する可能性があります。その内容及び結果、損害賠償の金額によっては当社グループの事業及び業績並びに社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他のリスク

 ① 自然災害・感染症の拡大・事故等について

当社グループの所在地やサービス展開地域において大地震、台風等の自然災害、新型コロナウイルス感染症等の伝染病の拡大又は事故・火災等が発生した場合には、設備の損壊や電力供給の制限等の不測の事態が生じ、開発・運営業務の停止又はサービス業務の一時停止など事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。このような事態が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 固定資産の減損等について

当社グループは、継続して企業価値を向上させるために、IT関連の設備投資や研究開発投資に加えて、外部企業の買収や事業譲受等のM&Aも重要な手段の一つして考えております。これらの投資活動については、事前に必要性や収益性を十分に検証した上で決定しておりますが、想定通りに事業展開できない場合には、固定資産の減損に係る会計基準に基づき、投資活動により発生したのれん及びその他の固定資産の減損を認識する必要が生じるなどのリスク等が存在しており、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、前連結会計年度まで9期連続となる営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失となり、当連結会計年度においても、営業損失556,081千円、経常損失522,240千円、親会社株主に帰属する当期純損失420,604千円を計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が当連結会計年度においても存在しております。当社グループは、当該事象または状況を解消するために以下の対応策を講じております。

1.事業構造の改善

① 受託開発の強化

当社グループのゲーム開発と運営における知見とノウハウを生かして、他社の新規ゲームタイトルの開発受託を強化し、開発完了後の運営を受託することで、長期間にわたり安定した売上と利益を確保可能な体制構築を進めております。開発・運営の受託にあたっては、社内リソースの状況を見極め、慎重に工数を見積もるとともに、開発スケジュール進捗などの管理を徹底して行うことにより、開発遅延等を防止し、十分な採算性を確保できるように努めてまいります。

また、これに伴い開発における内製化率を引き上げることを目的として、エンジニアを中心とする開発人材の採用を強化しております。

 

② 人材マッチング事業の強化

ゲーム会社の開発・運用現場におけるエンジニアやクリエイター等に対する需要は底堅く推移しており、引き続き拡大が見込まれることから、ゲーム会社向けの人材派遣業務及びゲーム会社からの業務受託を注力分野のひとつとし、新規クライアントの獲得、既存クライアントからの新規需要の掘り起し等のセールス強化により人材マッチング数の拡大に力を入れてまいります。

また、人材マッチング事業を通じて、自社運営タイトルの整理や業務繁閑により生じた社内余剰人員を、円滑に他社のゲーム開発・運営現場へ派遣、もしくは業務受託することができるよう子会社を含めた運営体制の変更を進めております。

 

③ 運営タイトルの選択と集中

これまで当社グループで運営していたゲームタイトルについて一斉に整理を進め、主力タイトルを残してサービス終了もしくは他社への移管を行いました。また、今後新たに獲得する運営タイトルについては、運営体制と採算性を慎重に吟味した上で、安定的に収益が確保できるタイトルに絞って運営を受託する方針としております。

 

④ 経費の削減

運営タイトルのサービス終了に伴い、サーバー費、外注費、業務委託費用等の原価費目の削減が進んでおり、販管費についても、オフィス移転による賃料の引き下げや税負担の軽減など経常的な費用の削減を進めてまいりました。引き続き支払手数料や業務委託費などの管理系の経費について細かく削減を図り、全社的なコスト削減活動を継続して進めてまいります。

 

⑤ 事業の集約化

グループの事業構造の改善を進めるなかで、中核事業にあたらない事業分野や資金効率、採算性の低い事業については、事業売却もしくは整理を進めてまいりましたが、引き続き見直しを進め、グループ収益力の改善に寄与するよう図ってまいります。

 

2.事業資金の確保・維持

当連結会計年度において、第2回無担保転換社債型新株予約権付社債、第7回新株予約権及び第8回新株予約権(行使価額修正条項付)を発行し、社債の引受並びに新株予約権の一部行使により、当面の事業資金として443,050千円の資金を調達いたしました。今後、当該第7回新株予約権及び第8回新株予約権(行使価額修正条項付)の未行使分の行使により693,916千円(直近の行使価額(195.9円)で行使された場合)の資金を調達することを見込んでおります。引き続き事業資金の確保による財務基盤の安定化を図ってまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績等の概要

① 業績

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い行動制限が解除されるとともに、国内消費や企業の設備投資に持ち直しの動きがみられ、雇用・所得環境の改善により景気は緩やかに回復しつつあります。一方で、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き、ウクライナを始めとする各地の紛争などが国内景気に及ぼす影響が懸念されており、物価上昇や金融資本市場の変動等による影響と併せて引き続き注意する必要があります。

当社グループの事業領域であるオンラインプラットフォームにおけるゲームアプリの国内市場規模(2022年)は、前年比4.4%減の1兆2,433億円、国内アプリゲームユーザーは、前年比7.4%減の3,959万人となり(出典:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書2023」)、コロナ下で拡大を続けてきた市場に失速の動きがみられましたが、2023年上半期には国内のモバイルゲームダウンロード数が前年同期比で増加しており(出典:Sensor Tower「2023年日本のモバイルゲーム市場インサイト」)、今後再び拡大基調に転じることが見込まれております。

このような事業環境のもと、当社グループは、収益体質への転換を目指して事業構造の改善を図っており、安定的に収益が確保できる他社タイトル等の開発受託や運営受託への移行を進めるとともに、開発人材等の派遣等を行うゲーム支援事業を推し進めてまいりました。

ゲーム事業では、採算性の低下したタイトルの整理を推し進め、前連結会計年度末時点で提供していた9タイトル(自社パブリッシング6、運営受託3)のうち自社パブリッシング1タイトルのみを残してサービス終了もしくは他社への移管を行いました。また、その一環として、連結子会社の株式会社OneSportsにて運営しておりました国内におけるスポーツゲーム、スポーツコンテンツサービス等の企画開発及び配信に関する事業は新設分割方式にて株式会社マイネットへ譲渡いたしました。当連結会計年度において、ゲームタイトルの整理を進める一方で、他社のゲームタイトルの開発受託件数を積み上げ、開発完了後に運営受託フェーズへ移行する実績が出始めており、ゲームタイトルの開発受託から開発完了後の運営まで一貫して提供できる開発運営体制が整いつつあります。

以上の結果、当連結会計年度末時点において、2タイトル(自社パブリッシング1、運営受託1)の運営と3件の開発受託案件が進行しております。なお、合同会社Dmm.comとの合弁事業として開始したオンラインクレーンゲーム事業については、2023年3月に合弁を解消し、持分法適用会社である合弁会社の株式を全部譲渡しましたが、引き続き運営・追加開発の受託を継続しております。

ゲーム支援事業は、人材をマッチングする事業として、国内ゲーム会社の開発・運営現場の人材需要に対して、自社のゲーム開発・運営人材に加えて、他社の余剰人材についても、派遣や業務委託にて開発・運営リソースとして提供を行っております。国内ゲーム会社が構造的に抱える課題である開発・運営現場における繁閑・要員のミスマッチの解消や配置の最適化に資するものとして、国内ゲーム市場でのゲーム支援事業に対するニーズは拡大しつつあり、当連結会計年度には、3,000件を超える人材マッチングを成約するまで拡大しております。これを受けて、ゲーム支援事業について今後更なる事業拡大が可能と判断し、事業拡大に必要な運営体制の見直しに着手いたしました。

収益面では、受託開発やゲーム支援事業の人材マッチングによる売上等が拡大しましたが、運営タイトルの減少による売上の減少幅が大きく、結果として前年比で売上が大きく減少いたしました。

一方、費用面では、運営タイトル数の減少により売上原価について外注費やサーバー費用、プラットフォーム手数料等が大きく減少するとともに、販売費及び一般管理費についても、広告宣伝費の削減や組織のスリム化による余剰人材の削減、オフィス移転・縮小による地代家賃の減少等により、前年比減少いたしました。

なお、当連結会計年度において、連結子会社である株式会社OneSportsから新設分割した株式会社OneSports NEXTの全株式譲渡及び持分法適用会社である株式会社DMMオンクレの保有株式の全部譲渡により、特別利益として関係会社株式売却益126,885千円を計上いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は4,387,858千円(前年比26.9%減)、営業損失は556,081千円(前期は801,755千円の営業損失)、経常損失は522,240千円(前期は740,306千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は420,604千円(前期は780,445千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、当社グループはエンターテインメント&ソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。

(資産)

当連結会計年度における総資産は1,897,599千円となり、前連結会年度末に比べ72,030千円減少いたしました。流動資産は1,658,072千円(前連結会計年度末比53,514千円の増加)となりました。これは主に売掛金及び契約資産の減少19,393千円があった一方で、現金及び預金の増加63,482千円があったことによるものです。

固定資産は239,527千円(前連結会計年度末比125,545千円の減少)となりました。これは主に関係会社長期貸付金の減少85,159千円及び差入保証金の減少28,757千円があったことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は943,532千円となり、前連結会計年度末に比べ94,299千円減少いたしました。流動負債は941,229千円(前連結会計年度末比17,086千円の減少)となりました。これは主に買掛金の増加70,834千円があった一方で、前受金の減少50,312千円及び1年内返済予定の長期借入金の減少39,996千円があったことによるものであります。固定負債は2,303千円(前連結会計年度末比77,213千円の減少)となりました。これは主に長期借入金が76,675千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は954,066千円となり、前連結会計年度末に比べ22,269千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失の計上420,604千円があった一方で、転換社債型新株予約権付社債の株式への転換及び新株予約権の行使により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ219,720千円増加しております。

 

② キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて183,482千円増加し、847,353千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動の結果使用した資金は452,044千円(前連結会計年度は710,617千円の使用)となりました。主な増加要因は、仕入債務の増加70,834千円及び持分法による投資損失の増加45,640千円があったことであり、主な減少要因は税金等調整前当期純損失395,354千円の計上及び関係会社株式売却益126,885千円の計上があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動の結果得られた資金は309,423千円(前連結会計年度は94,237千円の獲得)となりました。主な増加要因は関係会社長期貸付金の回収による収入220,000千円及び定期預金の払戻による収入120,000千円があったことであり、主な減少要因は関係会社長期貸付金の貸付による支出60,000千円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動の結果獲得した資金は326,379千円(前連結会計年度は53,996千円の使用)となりました。増加要因は転換社債型新株予約権付社債の発行による収入400,000千円があったことであり、減少要因は長期借入金の返済による支出116,671千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

 (a) 生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

 (b) 受注状況

当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

 (c) 販売実績

当社グループはエンターテインメント&ソリュ-ション事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

前年同期比(%)

エンターテインメント&ソリューション事業(千円)

4,387,858

△26.9

合計(千円)

4,387,858

△26.9

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年10月1日

至 2022年9月30日)

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

至 2023年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Apple Inc.

1,882,722

31.4

839,292

19.1

Google Inc.

1,257,744

21.0

570,507

13.0

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来生じる実際の結果とは異なる可能性がありますので、ご留意ください。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。なお、この連結財務諸表の作成には、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積りを必要とする箇所がございます。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内でかつ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の総資産は1,897,599千円(前連結会計年度末比72,030千円減)となりました。

流動資産は1,658,072千円(前連結会計年度末比53,514千円増)となりました。主な増加要因は、「現金及び預金」が63,482千円増加したことによるものであります。

固定資産は239,527千円(前連結会計年度末比125,545千円減)となりました。主な減少要因は「関係会社長期貸付金」が85,169千円及び「差入保証金」が28,757千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は943,532千円(前連結会計年度末比94,299千円減)となりました。

流動負債は941,229千円(前連結会計年度末比17,086千円減)となりました。主な減少要因は「前受金」が50,312千円及び「1年内返済予定の長期借入金」が39,996千円減少したことによるものであります。

固定負債は2,303千円(前連結会計年度末比77,213千円減)となりました。主な減少要因は「長期借入金」が76,675千円減少したことによるものであります。

 

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は954,066千円(前連結会計年度末比22,269千円増)となりました。主な増加要因は、「資本金」及び「資本剰余金」がそれぞれ219,720千円増加したことによるものであります。

企業の安定性を示す自己資本比率は、当連結会計年度末は49.9%であります。

 

③ 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、4,387,858千円(前連結会計年度6,004,310千円)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)業績等の概況①業績」をご参照ください。

 

(売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、4,014,472千円(前連結会計年度5,776,281千円)となりました。主な減少要因は、運営タイトル収入の減少に伴うプラットフォーム手数料等の「支払手数料」の減少によるものであります。この結果、売上総利益は373,386千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は929,468千円(前連結会計年度1,029,785千円)となりました。主な減少要因は、広告宣伝費の減少によるものであります。

 

(営業外損益及び経常損失)

当連結会計年度の営業外収益は104,004千円(前連結会計年度158,854千円)となりました。主な内容は、協業パートナーからの共同運営タイトルに対する「広告協力金収入」66,969千円及び「前受金消却益」25,350千円であります。当連結会計年度の営業外費用は70,162千円(前連結会計年度97,406千円)となりました。主な内容は、「持分法による投資損失」45,640千円及び「為替差損」13,854千円であります。この結果、当連結会計年度の経常損失は522,240千円(前連結会計年度740,306千円)となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度の特別利益は126,885千円となりました。内容は合同会社DMM.comとの合弁会社である株式会社DMMオンクレについて、合弁契約を解消し、当社が保有する全株式を譲渡した結果「関係会社売却益」126,885千円を計上しました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は420,604千円(前連結会計年度780,445千円)となりました。

 

④ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析につきましては「第2事業の状況4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績等の概要②キャッシュ・フローの概況」をご参照ください。

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況3事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針

経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2事業の状況1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

1.XPEC Entertainment Inc.との業務資本提携契約

当社は、2016年4月25日開催の取締役会において、XPEC Entertainment Inc.(以下、「XPEC社」といいます。)との間で業務資本提携契約を決議し、XPEC社を割当先とした第1回無担保転換社債型新株予約付社債を発行するとともに、XPEC社の既存株主であるEminent Global Limited(以下、「EGL社」といいます。)との間で、本業務資本提携契約に関連して行う当社によるEGL社が保有するXPEC社の株式の相対取得による取得を行うことによる株式譲渡契約を決議いたしました。

(1) 契約の相手会社の名称

XPEC Entertainment Inc.

(2) 契約締結時期

2016年4月25日

(3) 契約の内容

① 業務提携

a. 両社が持つ事業上の強みを最適化し、重複するリソースを最小化するための相互協力

b. 中華圏地域及び東南アジア向けマーケットに比較優位性を持つXPEC 社に対し、当社がゲームを提供

c. 日本のマーケットに比較優位性を持つ当社に対し、XPEC社がゲームを提供

d. 当社のグラフィック製作業務に際し、XPEC Art Center Inc.と相互協力

e. 当社の台湾及び韓国の開発拠点を縮小し、ゲーム開発に際し、XPEC社の有する開発リソースを経済合理性の範囲内において利用

② 資本提携

当社は本契約に基づきXPEC社の株式1,680,000株(2016年9月30日現在)を取得いたしました。また、XPEC社は本契約に基づき、当社が発行した第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(額面855,000千円)を取得するとともに、新株予約権の一部権利行使により当社の普通株式1,094,240株(2016年9月30日現在)を取得いたしました。

 

(注)当社は、XPEC社の上場廃止並びに前董事長である許金龍氏が台湾の証券取引法違反等の疑いで起訴されたこと等を踏まえ、業務資本提携契約の解消と、XPEC社が保有する当社株式及び転換社債型新株予約権付社債の取扱に関する協議をXPEC社との間で進めるとともに、本件に関する対応方針及び当社が被った損失を回復させるための法的手段について、台湾及び日本の法律専門家と検討を重ねておりました。そのような状況下において、2018年2月2日付の一審判決で許氏を含む関係者に対して有罪判決が下されたことを踏まえ、同年7月2日付にて台湾においてXPEC社並びに許氏に対する損害賠償請求訴訟の提起を行いました。また、本訴訟の提起に先立ち、本訴訟における当社の請求債権を保全するために、XPEC社が保有する当社株式を含む振替社債等(当社株式510,698株)について、仮差押命令の申立てを東京地方裁判所に対して行い、同年6月29日付にて本仮差押決定がなされました。

 

2.第三者割当による第2回無担保転換社債型新株予約権付社債、第7回新株予約権及び第8回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行

当社は、2022年11月10日開催の取締役会において、EVO FUNDを割当先とする第三者割当の方法による第2回無担保転換社債型新株予約権付社債、第7回新株予約権及び第8回新株予約権(行使価額修正条項付)の発行を決議し、2022年11月28日付で発行いたしました。

詳細は、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況③その他の新株予約権等の状況をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。