【注記事項】
(重要な会計方針)

1.資産の評価基準及び評価方法

(1) 有価証券の評価基準及び評価方法

満期保有目的の債券

償却原価法 (定額法)

子会社株式及び関連会社株式

移動平均法による原価法

その他有価証券

市場価格のない株式等以外のもの

期末日の市場価格等に基づく時価法 (評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)

市場価格のない株式等

移動平均法による原価法

 

(2) 棚卸資産の評価基準及び評価方法

通常の販売目的で保有する棚卸資産

総平均法による原価法 (貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)

 

2.固定資産の減価償却の方法

(1) 有形固定資産 (リース資産を除く)

定額法

なお、主な耐用年数は以下のとおりです。

建物        2~50年

構築物       2~60年

機械及び装置    2~17年

工具、器具及び備品 2~20年

 

(2) 無形固定資産 (リース資産を除く)

定額法

なお、自社利用のソフトウエアについては、社内における利用可能期間 (5年) に基づく定額法を採用しています。

 

(3) リース資産

所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産

リース期間を耐用年数とし、残存価額を零とする定額法を採用しています。

 

3.引当金の計上基準

(1) 貸倒引当金

売上債権、貸付債権等の貸倒損失に備え、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。

 

(2) 退職給付引当金

確定給付型の退職給付制度に基づく従業員の退職給付に備え、当事業年度末における退職給付債務から年金資産の額を控除した額に未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を調整した額を計上しています。

数理計算上の差異は発生時の従業員の平均残存勤務年数にわたり定額法により翌事業年度から費用処理し、過去勤務費用は発生時の従業員の平均残存勤務年数にわたり定額法により費用処理しています。

 

 

4.収益の計上基準

当社は、医薬品の販売による収益及び第三者に製品の製造や販売、技術の使用等を認めた契約によるロイヤルティ収入を得ています。

(1) 医薬品の販売

医薬品の販売による収益は、当社が移転を約束した医薬品に対する支配を顧客が獲得した時点で認識しています。医薬品に対する支配は、通常、医薬品が顧客へ引き渡された時点で顧客に移転すると判断しています。

対価の支払条件については、原則として1年を超える契約はなく、重大な金融要素は含まれていません。取引価格に割戻及び値引等の変動性のある金額が含まれている契約については、これらの変動対価を期待値又は最頻値により見積り、顧客から受領する対価から控除しています。変動対価は重要な戻入れが生じない可能性が非常に高い場合のみ認識しています。

他の企業から医薬品の販売を受託していると判断された取引、すなわち、当社が代理人として関与している取引については、当社が権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料を純額で収益として認識しています。

 

(2) ロイヤルティ収入

ロイヤルティ収入には、契約一時金、契約で定められた条件を達成した場合に受領する受取マイルストン及び売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティが含まれます。

契約一時金は、履行義務が充足された時点で又は履行義務が充足されるにつれて一定の期間にわたり、収益を認識しています。一時点で充足される履行義務については、契約に基づき当社が移転することを約束した権利の支配を顧客が獲得した時点で収益を認識しています。一定の期間にわたり充足される履行義務については、経過期間等のアウトプットと、契約で約束した残りのサービス提供期間等との比率に基づいて収益を認識しています。

受取マイルストンは、マイルストンの受領に不確実性があり、条件が達成されるまでは不確実性が解消されないことから、原則として、条件が達成された時点で一時に収益を認識しています。

売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティは、その後の売上等が発生する、もしくは、売上高等をベースとしたロイヤルティが配分されている履行義務が充足されるという事象のうち、遅い方が発生した時点で認識しています。

契約一時金及び受取マイルストンは、原則として契約で定められた金額を収益としています。ランニング・ロイヤルティの収益については、顧客からランニング・ロイヤルティの計算対象期間の売上高等の報告を受け、それに契約で定められた料率を乗じて算出しています。ほとんどの契約で契約締結や条件達成後、及びランニング・ロイヤルティの計算対象期間の末日から短期間での支払期限が定められています。

 

5.ヘッジ会計の方法

(1) ヘッジ会計の方法

原則として繰延ヘッジを採用しています。ただしその他有価証券については、時価ヘッジを採用しています。

 

(2) ヘッジ手段とヘッジ対象

ヘッジ手段:デリバティブ取引

ヘッジ対象:相場変動、キャッシュ・フロー変動により、損益が発生する資産、負債

 

(3) ヘッジ方針

当社で規定されたデリバティブ取引に関する管理体制に基づき、ヘッジ対象に係る相場変動リスク、キャッシュ・フロー変動リスクを一定の範囲内でヘッジしています。

 

(4) ヘッジ有効性評価の方法

繰延ヘッジに関しては、ヘッジ開始時から有効性判定時点までの期間において、ヘッジ対象の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計とヘッジ手段の相場変動又はキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、両者の変動額等を基礎に判断することにしています。

 

 

(重要な会計上の見積り)

繰延税金資産の回収可能性

(1) 当事業年度の財務諸表に計上した金額

(単位:百万円)

 

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

繰延税金資産

66,385

47,901

 

 

(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に規定される企業の分類に応じて、回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定しています。その他の情報については、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定」をご参照ください。

 

(表示方法の変更)

(貸借対照表)

前事業年度において独立掲記していた流動負債の「預り金」は、金額的重要性が乏しくなったため、当事業年度から流動負債の「その他」に含めて表示しています。

この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の貸借対照表の組替えを行っています。

この結果、前事業年度の貸借対照表において、流動負債の「預り金」に表示していた690百万円は「その他」として組み替えています。

 

 

 

 

 

 

 

(貸借対照表関係)

※1 関係会社に対する金銭債権及び金銭債務

 

前事業年度
(2022年3月31日)

当事業年度
(2023年3月31日)

短期金銭債権

108,465

百万円

186,974

百万円

短期金銭債務

247,986

百万円

235,502

百万円

 

 

2 保証債務

従業員の金融機関等からの借入債務に対し、保証を行っています。

 

前事業年度
(2022年3月31日)

当事業年度
(2023年3月31日)

従業員

46

百万円

30

百万円

 

 

(損益計算書関係)

※1 関係会社との取引高

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

売上高

273,564

百万円

328,722

百万円

仕入高

42,718

百万円

18,101

百万円

営業取引以外の取引高

143,127

百万円

213,369

百万円

 

 

※2 販売費に属する費用のおおよその割合は前事業年度30%、当事業年度31%、一般管理費に属する費用のおおよその割合は前事業年度70%、当事業年度69%です。

販売費及び一般管理費のうち主要な費目及び金額は次のとおりです。

 

前事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

給料手当及び賞与

37,910

百万円

32,492

百万円

研究開発費

146,183

百万円

156,410

百万円

特許権使用料

73,727

百万円

95,017

百万円

 

 

(有価証券関係)

子会社株式

市場価格のない株式等の貸借対照表計上額

(単位:百万円)

区分

前事業年度

(2022年3月31日)

当事業年度

(2023年3月31日)

子会社株式

648,723

591,212

 

 

 

(税効果会計関係)

1.繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

(単位:百万円)

 

前事業年度
(2022年3月31日)

 

当事業年度
(2023年3月31日)

繰延税金資産

 

 

 

投資有価証券

1,505

 

1,285

退職給付引当金

4,170

 

3,258

有形固定資産

937

 

1,434

無形固定資産

18,512

 

18,985

未払費用

3,631

 

3,815

棚卸資産

25,507

 

11,495

関係会社株式

8,105

 

8,105

その他

22,583

 

14,825

繰延税金資産小計

84,951

 

63,202

評価性引当額

△10,499

 

△10,449

繰延税金資産合計

74,452

 

52,754

繰延税金負債

 

 

 

投資有価証券

△5,801

 

△2,785

前払年金費用

△1,135

 

△936

有形固定資産

△520

 

△520

その他

△611

 

△611

繰延税金負債合計

△8,067

 

△4,852

繰延税金資産の純額

66,385

 

47,901

 

 

2.法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因となった主な項目別の内訳

(単位:%)

 

前事業年度
(2022年3月31日)

 

当事業年度
(2023年3月31日)

国内の法定実効税率

30.5

 

30.5

 (調整)

 

 

 

交際費等永久に損金に算入されない項目

0.1

 

0.2

受取配当金等永久に益金に算入されない項目

△16.1

 

△19.3

研究費税額控除

△2.9

 

△1.6

繰延税金資産評価性引当額

0.3

 

△0.0

その他

△0.5

 

△0.0

税効果会計適用後の法人税等の負担率

11.4

 

9.7

 

 

 

(企業結合等関係)

(共通支配下の取引等)

当社は、2020年11月11日開催の当社エグゼクティブ・コミッティにおいて、当社の完全子会社であるアステラス ファーマ テック株式会社及びアステラスグリーンサプライ株式会社を吸収合併することを決定し、2022年4月1日を企業結合日として合併しました。

(1) 取引の概要

①結合当事企業の名称及びその事業の内容

(a)結合当事企業の名称

当社、当社の完全子会社であるアステラス ファーマ テック株式会社、アステラスグリーンサプライ株式会社

(b)事業の内容

アステラス製薬株式会社(当社):医薬品の製造・販売及び輸出入

アステラス ファーマ テック株式会社:医薬品・治験薬・原薬の製造

アステラスグリーンサプライ株式会社:アステラスグループ事業所内の環境緑化や資源リサイクルなど

②企業結合日

2022年4月1日

③企業結合の法的形式

当社を存続会社、アステラス ファーマ テック株式会社及びアステラスグリーンサプライ株式会社を消滅会社とする吸収合併

④結合後企業の名称

アステラス製薬株式会社

⑤その他取引の概要に関する事項

(a)アステラス ファーマ テック株式会社

当社の医療用医薬品や治験薬などの製造業務を行っています。今後、抗体医薬や細胞医療、遺伝子治療などのFocus Areaアプローチに基づく新たなモダリティを活用した新薬の早期上市、安定供給を実現するためには、早い段階から生産や供給を考慮して研究・開発を進めることが不可欠です。今回の吸収合併によって、2つの組織の隔たりがなくなり、製品化までのプロセス開発が加速され、さらに生産技術の融合が期待できます。

(b)アステラスグリーンサプライ株式会社

環境緑化や資源リサイクルなどの業務を行い、障がい者雇用を推進しています。吸収合併することによって、より効率的な運営を行い、引き続き障がい者雇用に関する社会的責任を果たしていきます。

 

(2) 実施した会計処理の概要

「企業結合に関する会計基準」及び「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」に基づき、共通支配下の取引として会計処理を行っています。当該合併に伴い、抱合せ株式消滅差益23,208百万円を特別利益のその他に計上しています。

 

(重要な後発事象)

当社は、米国のバイオ医薬品企業 IVERIC bio, Inc. との間で、当社の米国持株子会社アステラス US ホールディング Inc. の100%子会社であるBerry Merger Sub, Inc. を通じて、1株当たり40.00米ドル、総額約59億米ドルの現金を対価としてIVERIC bio, Inc. を買収することで合意し、2023年4月に契約を締結しました。当該契約に関する詳細は、「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 35.後発事象」をご参照ください。