【連結財務諸表注記】

1.報告企業

アステラス製薬株式会社及び連結子会社 (以下「当社グループ」) は、医薬品事業を展開しています。当社グループの親会社であるアステラス製薬株式会社 (以下「当社」) は、日本に所在する企業であり、登記されている本社及び主要な事業所の住所は、ホームページ (https://www.astellas.com/jp/) で開示しています。また、株式は東京証券取引所 (プライム市場) に上場しています。

当社グループの2023年3月31日に終了する連結会計年度の連結財務諸表は、2023年6月22日に最高経営責任者である代表取締役社長 岡村 直樹によって承認されています。

 

2.作成の基礎

(1) IFRSに準拠している旨

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しています。

当社グループは、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号) 第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同第93条の規定を適用しています。

 

(2) 測定の基礎

当社グループの連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しています。

 

(3) 表示通貨

当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈のない限り、百万円単位での四捨五入により表示しています。

 

(4) 新設又は改訂された基準及び解釈指針の適用

当社グループは、当連結会計年度から以下の基準を適用しています。

IFRS

新設・改訂の概要

IAS12

法人所得税

国際的な税制改革-第2の柱モデルルールの適用から生じる法人所得税費用に関する繰延税金資産及び繰延税金負債の認識及び開示をしないことを要求する一時的な例外措置

 

改訂IAS第12号の適用による、当社グループの連結財務諸表への影響はありません。

法人所得税費用の会計方針は「3.重要な会計方針 (7) 」に記載しています。

 

(5) 表示方法の変更

連結キャッシュ・フロー計算書

前連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めていた「資本性金融商品の売却による収入」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度から独立掲記しています

この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書の組替えを行っています。

この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示していた5,576百万円は、「資本性金融商品の売却による収入」として組み替えています。

 

(6) 未適用の公表済み基準及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに公表されている基準書及び解釈指針の新設又は改訂のうち、当社グループが適用していない重要なものはありません。

 

 

3.重要な会計方針

当社グループが適用する重要な会計方針は、連結財務諸表に表示されているすべての期間において継続的に適用されています。

 

(1) 連結の基礎

① 子会社

子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。当社グループは、子会社に対する支配を獲得した日から当該子会社を連結し、支配を喪失した日から連結を中止しています。

グループ会社間の債権債務残高、取引高、及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成にあたり消去しています。

 

② 関連会社

関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配はしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%から50%を保有する場合、当社グループは当該企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。当社グループは、関連会社に対する投資について、持分法を用いて会計処理を行っています。

 

③ 共同支配の取決め

共同支配の取決めとは、当社グループが共同支配を有する取決めをいいます。共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有であり、取決めのリターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定が、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。当社グループが有する共同支配の取決めは、以下の2つに分類され、会計処理されています。

・共同支配事業 ― 当社グループが取決めに関する資産の権利及び負債に係る義務を有する場合、その共同支配事業に関連する自らの資産、負債、収益及び費用を認識しています。

・ジョイント・ベンチャー ― 当社グループが取決めの純資産に対する権利のみを有している場合、関連会社と同様に持分法により会計処理しています。

 

(2) 企業結合

企業結合については、取得法を用いて会計処理をしています。

移転された対価は、当社グループが移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計額で測定しています。移転された対価には、条件付対価契約から発生したすべての資産又は負債の公正価値が含まれます。

IFRS第3号「企業結合」の認識の要件を満たす被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債は、以下を除き、取得日時点の公正価値で測定しています。

・繰延税金資産及び負債はIAS第12号「法人所得税」に、従業員給付に係る負債 (又は資産) はIAS第19号「従業員給付」に、株式報酬に係る負債はIFRS第2号「株式に基づく報酬」に準拠して、それぞれ認識及び測定しています。

・売却目的として分類される非流動資産又は処分グループは、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に準拠して測定しています。

使用権資産及びリース負債は、IFRS第16号「リース」に準拠して測定しています。

のれんは、移転した対価と被取得企業の非支配持分の金額の合計が、取得日時点における識別可能な資産及び負債の正味価額を上回る場合に、その超過額として測定しています。この差額が負の金額である場合には、直ちに純損益として認識しています。

企業結合に関連して発生した仲介手数料や助言費用等の取引関連コストは、発生時に費用処理しています。

 

 

(3) 外貨換算

① 機能通貨及び表示通貨

当社グループの各企業の個別財務諸表は、それぞれの機能通貨で作成されています。当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示されています。

 

② 外貨建取引

外貨建取引は、取引日の直物為替レート又はそれに近似するレートを用いて機能通貨に換算しています。

期末における外貨建貨幣性資産及び負債はすべて期末日の直物為替レートを用いて機能通貨に再換算し、その結果生ずる差額を純損益として認識しています。

 

③ 在外営業活動体

在外営業活動体の資産及び負債は期末日の為替レート、収益及び費用は、期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。

在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる外貨換算差額は、その他の包括利益で認識しています。在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する外貨換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。

 

(4) 売上収益

当社グループは、医薬品の販売による収益及び第三者に製品の製造や販売、技術の使用等を認めた契約によるロイヤルティ収入を得ています。

① 医薬品の販売

医薬品の販売による収益は、当社グループが移転を約束した医薬品に対する支配を顧客が獲得した時点で認識しています。医薬品に対する支配は、通常、医薬品が顧客へ引き渡された時点で顧客に移転すると判断しています。

対価の支払条件については、原則として1年を超える契約はなく、重大な金融要素は含まれていません。取引価格に割戻及び値引等の変動性のある金額が含まれている契約については、これらの変動対価を期待値又は最頻値により見積り、顧客から受領する対価から控除しています。変動対価は重要な戻入れが生じない可能性が非常に高い場合のみ認識しています。

他の企業から医薬品の販売を受託していると判断された取引、すなわち、当社グループが代理人として関与している取引については、当社グループが権利を得ると見込んでいる報酬又は手数料を純額で収益として認識しています。

 

② ロイヤルティ収入

ロイヤルティ収入には、契約一時金、契約で定められた条件を達成した場合に受領する受取マイルストン及び売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティが含まれます。

契約一時金は、履行義務が充足された時点で又は履行義務が充足されるにつれて一定の期間にわたり、収益を認識しています。一時点で充足される履行義務については、契約に基づき当社グループが移転することを約束した権利の支配を顧客が獲得した時点で収益を認識しています。一定の期間にわたり充足される履行義務については、経過期間等のアウトプットと、契約で約束した残りのサービス提供期間等との比率に基づいて収益を認識しています。

受取マイルストンは、マイルストンの受領に不確実性があり、条件が達成されるまでは不確実性が解消されないことから、原則として、条件が達成された時点で一時に収益を認識しています。

売上高等をベースとしたランニング・ロイヤルティは、その後の売上等が発生する、もしくは、売上高等をベースとしたロイヤルティが配分されている履行義務が充足されるという事象のうち、遅い方が発生した時点で認識しています。

 

 

契約一時金及び受取マイルストンは、原則として契約で定められた金額を収益としています。ランニング・ロイヤルティの収益については、顧客からランニング・ロイヤルティの計算対象期間の売上高等の報告を受け、それに契約で定められた料率を乗じて算出しています。ほとんどの契約で契約締結や条件達成後、及びランニング・ロイヤルティの計算対象期間の末日から短期間での支払期限が定められています。

 

(5) 研究開発費

当社グループ内で発生した研究開発に関する支出は、すべて研究開発費として発生時に費用計上しています。

IAS第38号「無形資産」の下では、内部発生の開発費は、資産計上基準を満たした場合には無形資産として資産計上されますが、当社グループでは、グループ内で発生した進行中の開発プロジェクトに係る費用については、主要な市場における規制当局からの販売承認を得ていない限り、資産化の基準を満たしていないと判断しており、資産として計上していません。

当社グループは、グループ内部における研究開発活動のほか、複数の第三者と共同研究開発に関する契約を締結しています。これらの共同研究開発に伴い発生した、研究開発業務に係る費用の精算に伴う支出及び収入は、グループ内で発生した研究開発に関する費用と同様に研究開発費として発生時に費用計上しています。

 

(6) 金融収益及び金融費用

金融収益は、主として利息収益及び配当収益から構成されています。利息収益は、実効金利法により発生時に認識しています。配当収益は、当社グループの受領権が確定した時に認識しています。

金融費用は、主として利息費用及び手数料から構成されています。

 

(7) 法人所得税費用

法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合から生じる税金、及びその他の包括利益又は直接資本に認識される項目に関係する税金を除いて、純損益で認識しています。

当期税金は、期末日において施行又は実質的に施行されている法定税率及び税法を適用して、税務当局に納付又は税務当局から還付されることが予想されている金額で算定しています。

繰延税金資産及び繰延税金負債は、ある資産又は負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務基準額との間に生じる一時差異に対して認識しています。ただし、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識していません。

・のれんの当初認識から生じる場合

・企業結合以外の取引で、取引日に会計上の純損益にも課税所得 (欠損金) にも影響しない取引における資産及び負債の当初認識から生じる場合

・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異については、予測し得る期間内に当該一時差異が解消する可能性が高くない場合又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が獲得される可能性が高くない場合

・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異については、一時差異を解消する時期をコントロールでき、予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合

 

繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除について、将来それらを使用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。

繰延税金資産及び繰延税金負債は、期末日における法定税率又は実質的法定税率、及び税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しています。

繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債とを相殺する法的強制力のある権利を有する場合で、かつ同一の納税主体又は当期税金資産と当期税金負債とを純額で決済する予定の異なる納税主体に対して同一の税務当局によって課されている法人所得税費用に関連する場合、相殺しています。

当社グループは、IAS12号で定められる例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税費用に関する繰延税金資産及び繰延税金負債について認識及び開示をしていません。

 

 

(8) 1株当たり当期利益

基本的1株当たり当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり当期利益は、すべての希薄化効果のある潜在的普通株式による影響について、親会社の所有者に帰属する当期利益及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しています。

 

(9) 有形固定資産 (使用権資産を除く)

有形固定資産の測定には、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、資産の解体及び除去並びに原状回復費用の当初見積額が含まれています。

 

当初認識後に生じたコストは、当該コストに関連する将来の経済的便益が当社グループに流入する可能性が高く、当該コストが信頼性をもって測定できる場合にのみ、資産として認識しています。有形固定資産に対する修繕及び維持のための日常的な保守費用は、発生時に費用計上しています。

有形固定資産項目に重要な構成要素が存在する場合には、それぞれ別個の有形資産項目として計上しています。有形固定資産の減価償却は、当該資産が使用可能となった時点から開始されます。減価償却費は、償却可能価額を各構成要素の見積耐用年数にわたって、定額法により算定しています。償却可能価額は、資産の取得価額から残存価額を差し引いて算定しています。

 

主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりです。

建物及び構築物

60

機械装置及び運搬具

20

工具、器具及び備品

20

 

 

有形固定資産の耐用年数、残存価額及び減価償却方法は各連結会計年度末に再検討を行い、必要に応じて改定しています。

 

(10) リース

当社グループは、契約時に契約がリース又はリースを含んだものであるかどうかを、契約の実質に基づき判断しています。リース期間は、解約不能期間に合理的に確実な延長するオプションと解約するオプションを加えて決定しています。特性が合理的に類似したリースのポートフォリオには単一の割引率を使用しています。短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料をリース期間にわたり費用として認識する場合があります。

 

① 使用権資産

使用権資産は、リース開始日時点のリース負債の当初測定額に、発生した当初直接コスト等を調整した取得原価で測定しています。

開始日後は、使用権資産の耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間 (40年) にわたり、定額法で減価償却しています。

 

② リース負債

リース負債は、リース開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しています。リースの計算利子率を容易に算定できない場合には、追加借入利子率を使用しています。

開始日後は、リース負債に係る金利を反映するように帳簿価額を増額し、支払われたリース料を反映するように帳簿価額を減額し、リース負債の見直しやリースの条件変更等に伴って必要に応じて再測定しています。

 

 

(11) のれん

当初認識時におけるのれんの測定については、「 (2) 企業結合」に記載しています。当初認識後は、取得原価から減損損失累計額を控除して計上しています。

のれんの減損については、「 (13) 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損」に記載しています。

 

(12) 無形資産

無形資産は、のれん以外の物理的実体のない識別可能な非貨幣性資産であり、個別に取得した、又は企業結合の一環として取得した研究及び製造に関する技術、仕掛研究開発及び販売権等により構成されています。

個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産は、支配獲得日の公正価値で測定しています。また、当初認識後の測定には原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して計上しています。

 

個別に取得した、又は企業結合に伴い取得した製品及び研究開発に関する権利のうち、研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないものは、「仕掛研究開発」として無形資産に計上しています。

取得した仕掛研究開発に関する支出は、当社グループに将来の経済的便益をもたらすことが期待され、かつ、識別可能である場合にのみ資産として計上しており、これには第三者に支払われた契約一時金及び目標達成時のマイルストン支払が含まれています。

仕掛研究開発として計上された無形資産は、未だ使用可能な状態にないため、償却をせず、減損の兆候がある場合にはその都度及び減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に減損テストを実施しています。

仕掛研究開発は規制当局の販売承認が得られ、使用が可能となった時点で「販売権」に振り替えており、その時点から見積耐用年数にわたり定額法で償却しています。

 

無形資産は、それらが使用可能となった時点から見積耐用年数 (年~25年) にわたって定額法で償却しています。個別に取得した、又は企業結合に伴い取得した研究及び製造に関する技術、製品及び研究開発に関する権利の償却費は、連結純損益計算書の「無形資産償却費」として表示しています。見積耐用年数は、法的保護期間又は経済的耐用年数のいずれか短い方を採用し、定期的に見直しを行っています。

また、製品及び研究開発に関する権利の譲渡により生じる利得は、連結純損益計算書の「無形資産譲渡益」として表示しています。

 

(13) 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損

① 有形固定資産及び無形資産の減損

当社グループは、各四半期末日に、有形固定資産及び無形資産が減損している可能性を示す兆候の有無を検討しています。

減損の兆候がある場合には、回収可能価額の見積りを実施しています。また耐用年数を確定できない、もしくは未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に減損テストを実施しています。

 

回収可能価額の見積りにおいて、個々の資産の回収可能価額を見積もることができない場合には、その資産の属する資金生成単位の回収可能価額を見積もっています。資金生成単位とは、他の資産又は資産グループからおおむね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループをいいます。

回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは評価日における貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクを反映した割引率を用いて現在価値に割り引いています。回収可能価額の算定に使用する割引率は、地域ごとに適切な水準で設定しています。

資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額は減損損失として純損益で認識しています。

 

 

② のれんの減損

のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎年一定の時期及び減損の兆候があると認められた場合にはその都度、減損テストを実施しています。減損テストにおいて資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額は減損損失として純損益で認識しています。

資金生成単位又は資金生成単位グループに関連して認識した減損損失は、まず資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額から減額するように配分し、次に資金生成単位又は資金生成単位グループにおけるその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するよう配分しています。

 

③ 減損の戻入れ

過年度に認識した減損損失については、各四半期末日において、損失が消滅又は減少している可能性を示す兆候の有無を検討しています。減損の戻入れの兆候がある場合には、その資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行っています。回収可能価額が、資産又は資金生成単位の帳簿価額を上回る場合には、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の帳簿価額から必要な償却又は減価償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、減損損失の戻入れを実施しています。

のれんについて認識した減損損失は、その後の期間に戻入れを行いません。

 

(14) 金融商品

① 当初認識及び測定

金融資産及び金融負債は、当社グループが金融商品の契約上の当事者となった取引日に認識しています。

金融資産及び金融負債は、重大な金融要素を含んでいない営業債権を除き、当初認識時に公正価値で測定しています。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 (以下「FVTPLの金融資産」) 及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 (以下「FVTPLの金融負債」) を除き、金融資産の取得及び金融負債の発行に直接起因する取引コストは、当初認識時において、金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算しています。FVTPLの金融資産及びFVTPLの金融負債の取得に直接起因する取引コストは純損益で認識しています。

 

② 金融資産

当社グループはすべての金融資産を当初認識時に、「償却原価で測定する金融資産」、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 (以下「FVTOCIの金融資産」)」又は「FVTPLの金融資産」に分類しています。

 

(a) 償却原価で測定する金融資産

以下の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。

・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。

当初認識後、実効金利法による償却原価から減損損失を控除した金額で測定し、実効金利法による利息収益は純損益で認識しています。

 

 

(b) FVTOCIの金融資産 (負債性金融商品)

以下の条件がともに満たされる場合には、FVTOCIの金融資産 (負債性金融商品) に分類しています。

・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。

・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。

当初認識後、公正価値で測定し、減損利得又は減損損失及び為替差損益を除き、公正価値の変動から生じる評価損益はその他の包括利益で認識しています。当該金融資産の認識を中止する場合、その他の資本の構成要素に計上されている累積損益を、純損益に組替調整額として振り替えています。

 

(c) FVTOCIの金融資産 (資本性金融商品)

資本性金融商品は、一部を除いて公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、FVTOCIの金融資産に分類しています。

当初認識後、公正価値で測定し、公正価値の変動から生じる評価損益はその他の包括利益で認識しています。当該金融資産の認識を中止する場合、又は公正価値が著しく下落した場合には、その他の資本の構成要素に計上されている累積損益を利益剰余金に振り替えています。当該金融資産に係る受取配当金は、投資金額の一部回収である場合を除き、純損益として認識しています。

 

(d) FVTPLの金融資産

償却原価で測定する金融資産及びFVTOCIの金融資産に分類されない金融資産をFVTPLの金融資産として分類しています。

当初認識後、公正価値で測定し、事後的な変動を純損益として認識しています。

 

③ 金融資産の減損

当社グループは、償却原価で測定する金融資産又は負債性金融商品のうちFVTOCIの金融資産に分類された金融資産に係る予想信用損失に対する損失評価引当金を認識しています。

損失評価引当金の測定は、各四半期末日において、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合は、当該金融資産に係る全期間の予想信用損失に等しい金額とし、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合は、当該金融資産に係る12か月の予想信用損失に等しい金額としています。

ただし、営業債権、契約資産及びリース債権に係る損失評価引当金については、常に全期間の予想信用損失と同額で測定しています。

金融資産の全部又は一部について回収できないと合理的に判断した場合には債務不履行とみなしています。

損失評価引当金の金額は、以下を反映して算定しています。

・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額

・貨幣の時間価値

・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報

 

信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過の情報のほか、利用可能な合理的で裏付け可能な情報を考慮しています。また、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、信用減損金融資産としています。なお、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する損失評価引当金の金額を減額しています。

 

④ 金融負債

当社グループはすべての金融負債を当初認識時に、「FVTPLの金融負債」又は「償却原価で測定する金融負債」に分類しています。

 

 

(a) FVTPLの金融負債

デリバティブによって認識した金融負債、FVTPLの金融負債として指定した金融負債及び企業結合において認識した条件付対価のうち金融負債の定義を満たすものをFVTPLの金融負債に分類しています。

当初認識後、公正価値で測定し、事後的な変動を純損益として認識しています。

 

(b) 償却原価で測定する金融負債

FVTPLの金融負債として分類されない金融負債を償却原価で測定する金融負債に分類しています。

当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しています。

 

⑤ 認識の中止

金融資産については、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡したが、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転したわけでも、ほとんどすべてを保持しているわけでもなく、かつ、当該金融資産に対する支配を保持していない場合に、当該金融資産の認識を中止しています。

金融負債については、金融負債が消滅した時、すなわち契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった場合に、当該金融負債の認識を中止しています。

 

⑥ デリバティブ及びヘッジ会計

ヘッジ手段に指定されていないデリバティブの公正価値の変動は、純損益として認識しています。

ヘッジ手段に指定されているデリバティブは、ヘッジ関係の種類により異なる会計処理をしています。

 

当社グループは、ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジの実行に関するリスク管理目的及び戦略を公式に指定し、文書化しています。文書化においては、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうか判定する方法を特定しています。また、ヘッジの開始時に及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しています。

 

適格なヘッジ関係の会計処理は以下のとおりです。

 

(a) 公正価値ヘッジ

デリバティブに係る利得及び損失は、純損益として認識しています。ヘッジ対象に係るヘッジ利得及び損失は、ヘッジ対象の帳簿価額を修正するとともに、純損益として認識しています。

 

(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ

デリバティブに係る利得及び損失のうち有効なヘッジと判断される部分はその他の包括利益として、ヘッジ非有効部分は純損益として認識しています。その他の包括利益に累積された利得及び損失は、ヘッジ対象に係るキャッシュ・フローが純損益に影響を与えるのと同じ期間に、純損益へ振り替えています。

 

(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ

デリバティブに係る利得及び損失のうち有効なヘッジと判断される部分はその他の包括利益として、ヘッジ非有効部分は純損益として認識しています。その他の包括利益に累積された利得及び損失は、当該在外営業活動体の処分の際に、純損益へ振り替えています。

 

ヘッジ手段が消滅、売却、終了又は行使となった場合を含め、ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合には、ヘッジ会計を中止しています。

 

 

(15) 現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、手元現金、随時引き出し可能な預金及び通常取得日後3か月以内に満期を迎え、価格変動について僅少なリスクしか負わない、流動性の高い短期投資から構成されています。

 

(16) 棚卸資産

棚卸資産は取得原価又は正味実現可能価額のいずれか低い額で測定し、正味実現可能価額が取得原価を下回る場合には、評価減を認識しています。取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のすべての原価が含まれています。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しています。規制当局からの販売承認取得前の製品に係る棚卸資産については、評価減を認識しています。当該評価減は、販売承認が得られる可能性が高いと判断された時点で、戻入れを実施しています。棚卸資産の原価は、主として先入先出法により算定しています。

 

(17) 売却目的で保有する資産

継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、「売却目的で保有する資産」として表示しています。売却目的で保有する資産へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限られます。「売却目的で保有する資産」は、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、売却目的保有に分類された後は減価償却又は償却を行っていません。

 

(18) 資本

① 普通株式

当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、取引コストは、関連する税効果を控除後に資本剰余金から控除しています。

 

② 自己株式

自己株式を取得した場合は、取引コストを含む支払対価を資本の控除項目として認識しています。自己株式を売却した場合は、帳簿価額と売却対価の差額を資本として認識しています。

 

(19) 株式報酬

当社グループは、株式報酬制度として持分決済型の株式報酬制度と現金決済型の株式報酬制度を採用しています。

① 持分決済型の株式報酬制度

持分決済型の株式報酬制度では、受領するサービスを付与日における資本性金融商品の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。

 

② 現金決済型の株式報酬制度

現金決済型の株式報酬制度では、受領するサービスを発生した負債の公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を負債の増加として認識しています。なお、負債は決済されるまで、その公正価値を各四半期末日及び決済日に再測定し、公正価値の変動を純損益として認識しています。

 

 

(20) 従業員給付

① 退職後給付制度

当社グループは、退職後給付制度として、確定給付型制度及び確定拠出型制度を採用しています。

 

(a) 確定給付型制度

確定給付型制度に係る資産又は負債の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除したものであり、資産又は負債として連結財政状態計算書で認識しています。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しています。

勤務費用及び確定給付負債 (資産) の純額に係る純利息費用は純損益として認識しています。

数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益及び資産上限額の影響の変動については、それらが生じた期間において「確定給付制度の再測定」としてその他の包括利益に認識し、直ちにその他の資本の構成要素から利益剰余金へ振替えています。

 

(b) 確定拠出型制度

確定拠出型の退職給付に係る拠出は、従業員が関連するサービスを提供した期間に費用として計上しています。

 

② 短期従業員給付

短期従業員給付については、従業員から関連する勤務が提供された時点で費用として認識しています。なお、賞与については、過去に従業員から勤務を提供された結果、支払を行う法的又は推定的債務を有しており、かつ、当該債務について信頼性のある見積りが可能な場合に負債として認識しています。

 

(21) 引当金

当社グループが過去の事象の結果として法的又は推定的な現在の債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額につき信頼性のある見積りができる場合に引当金を計上しています。

貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、引当金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しています。

 

4.重要な会計上の見積り、判断及び仮定

連結財務諸表の作成に当たり、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り、判断及び仮定の設定を行っています。

会計上の見積りの結果は、その性質上、実際の結果とは異なる可能性があります。

見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した会計期間と将来の会計期間において認識されます。

 

翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の見積りは以下のとおりです。

・収益認識及び返金負債の見積計上 (注記6及び27)

・のれん及び仕掛研究開発の減損 (注記16及び17)

・繰延税金資産の回収可能性 (注記18)

・条件付対価の公正価値測定 (注記29)

 

 

5.セグメント情報

当社グループの主要な事業内容は医薬品の研究開発、製造及び販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは医薬品事業単一となっています。

 

製品及びサービスに関する情報

製品及びサービスごとの外部顧客への売上収益は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

XTANDI/イクスタンジ

534,317

661,118

プログラフ

185,362

198,777

ベタニス/ミラベトリック/ベットミガ

172,293

188,575

その他

404,191

470,148

合計

1,296,163

1,518,619

 

 

地域に関する情報

売上収益及び非流動資産の地域別内訳は次のとおりです。

 

地域別売上収益

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

日本

268,940

284,844

米国

544,103

658,247

その他

483,120

575,528

合計

1,296,163

1,518,619

 

(注) 地域別売上収益は、当社グループ各社の所在地を基礎として分類しています。

 

地域別非流動資産(有形固定資産・のれん及び無形資産)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

日本

410,425

349,083

米国

674,761

710,513

その他

110,318

117,771

合計

1,195,505

1,177,367

 

 

主要な顧客に関する情報

連結純損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先は次のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

関連するセグメント名

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

McKesson Group

医薬品事業

218,745

259,992

AmerisourceBergen Group

医薬品事業

113,377

166,934

 

 

 

6.売上収益

(1) 収益の分解

売上収益の内訳は次のとおりです。

前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

米国

エスタブ
リッシュド
マーケット

グレーターチャイナ

インター
ナショナル
マーケット

その他

合計

医薬品の販売

 

 

 

 

 

 

 

XTANDI/イクスタンジ

47,164

276,943

166,342

7,917

35,951

534,317

プログラフ

38,202

9,402

65,343

38,128

34,289

185,362

ベタニス/ミラベトリック/

ベットミガ

37,491

87,158

35,154

2,922

9,567

172,293

その他

135,286

144,291

38,389

17,338

37,386

1,922

374,613

小計

258,142

517,794

305,228

66,305

117,193

1,922

1,266,584

ロイヤルティ収入

616

132

1,299

1,523

6,472

10,042

その他

19,526

12

19,537

合計

258,758

537,452

306,527

66,305

118,716

8,406

1,296,163

 

 

当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

米国

エスタブ
リッシュド
マーケット

グレーターチャイナ

インター
ナショナル
マーケット

その他

合計

医薬品の販売

 

 

 

 

 

 

 

XTANDI/イクスタンジ

54,720

341,793

197,898

11,062

55,645

661,118

プログラフ

35,604

10,737

69,290

46,823

36,324

198,777

ベタニス/ミラベトリック/

ベットミガ

33,533

96,471

42,822

3,945

11,804

188,575

その他

137,273

174,242

48,391

18,181

39,508

3,841

421,436

小計

261,131

623,242

358,401

80,011

143,281

3,841

1,469,906

ロイヤルティ収入

1,172

6

1,454

16,359

18,991

その他

29,199

522

29,721

合計

262,303

652,441

358,407

80,011

144,735

20,722

1,518,619

 

(注) 1.売上収益は、コマーシャル部門における経営管理上の組織区分を基礎として分類しています。

2.当連結会計年度から、オーストラリアのコマーシャル区分をエスタブリッシュドマーケットからインターナショナルマーケットに変更しています。なお、前連結会計年度の金額は当該変更を反映しています。

 

エスタブリッシュドマーケット:欧州、カナダ

グレーターチャイナ:中国、香港、台湾

インターナショナルマーケット:ロシア、中南米、中東、アフリカ、東南アジア、南アジア、韓国、

オーストラリア、輸出売上等

 

 

(2) 契約残高

契約残高の内訳は次のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

2021年4月1日

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

顧客との契約から生じた債権

 

 

 

売掛金及び受取手形

328,726

368,038

408,792

損失評価引当金

△1,256

△2,063

△1,991

合計

327,470

365,975

406,801

契約負債

4,032

3,752

2,677

 

(注) 1.当社グループは、主にライセンス契約に関連した契約一時金について、顧客から対価を受け取っているものの履行義務を充足していない部分を契約負債として認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において認識した収益のうち期首現在の契約負債残高に含まれていたものは、それぞれ3,534百万円及び1,158百万円です。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の金額に重要性はありません。

 

(3) 残存履行義務に配分した取引価格

当初の予想期間が1年を超える重要な契約がないことから、実務上の便法を適用し、記載を省略しています

 

7.その他の収益

その他の収益の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

条件付対価に係る公正価値変動額

5,369

2,337

為替差益

8,172

その他

1,715

1,305

その他の収益合計

15,256

3,642

 

(注) 前連結会計年度の「為替差益」の金額には、為替予約取引から生じた為替差益 (7,931百万円) が含まれています。

 

8.その他の費用

その他の費用の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

のれんの減損損失

5,173

無形資産の減損損失

69,015

83,964

条件付対価に係る公正価値変動額

7,049

53,059

リストラクチャリング費用

19,556

4,510

訴訟関係費用

948

1,497

為替差損

10,124

その他

2,573

4,360

その他の費用合計

104,314

157,515

 

(注) 1.前連結会計年度の「のれんの減損損失」は、米国子会社であるポテンザ セラピューティクス Inc.が保有していたがん免疫療法プログラムの開発中止に伴い、当該子会社の買収時に発生したのれんを減損したものです。

2.前連結会計年度の「無形資産の減損損失」の主なものは、ASP0892の開発中止及びAT132の開発計画の見直しによるものです。

3.前連結会計年度の「条件付対価に係る公正価値変動額」は、ゾルベツキシマブの膵臓腺がんの開発計画を見直したこと等に伴うものです。

4.前連結会計年度の「リストラクチャリング費用」の主なものは、当社及び国内グループ会社従業員を対象とした早期退職優遇制度の実施等に伴うものです。

5.当連結会計年度の「無形資産の減損損失」の主なものは、AT702、AT751、AT753の研究開発中止及びエベレンゾの将来計画の見直しによるものです。

6.当連結会計年度の「条件付対価に係る公正価値変動額」は、ゾルベツキシマブの承認申請に向けた意思決定に係る条件付対価の公正価値の変動等に伴うものです。

7.当連結会計年度の「為替差損」の金額には、為替予約取引から生じた為替差益 (9,003百万円) が含まれています。

 

9.従業員給付費用

従業員給付費用の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

報酬及び給料

172,094

196,407

賞与

64,732

71,043

社会保障費用及び福利厚生費

28,570

35,132

退職後給付費用-確定拠出制度

15,921

18,487

退職後給付費用-確定給付制度

4,878

5,577

リストラクチャリング及び解雇給付

21,092

6,988

その他の従業員給付費用

2,912

3,637

従業員給付費用合計

310,200

337,273

 

(注) 従業員給付費用は「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、「研究開発費」及び「その他の費用」に計上されています。

 

 

10.金融収益

金融収益の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

利息収益

794

5,209

配当収益

 

 

期中に認識を中止した投資

22

6

期末日現在で保有する投資

46

38

出資金評価益

5,084

152

その他

203

2,706

金融収益合計

6,149

8,110

 

(注) 1.利息収益は、主に現金及び現金同等物に関するものです。

2.配当収益は、FVTOCIの金融資産 (資本性) に関するものです。

3.出資金評価益は、FVTPLの金融資産に関するものです。

 

11.金融費用

金融費用の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

支払利息

2,315

3,217

出資金評価損

2,414

5,159

その他

219

403

金融費用合計

4,949

8,779

 

(注) 1.支払利息は、主に償却原価で測定する金融負債に関するものです。

2.出資金評価損は、FVTPLの金融資産に関するものです。

 

 

12.法人所得税費用

純損益で認識された法人所得税費用は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

当期法人所得税費用

57,532

45,293

繰延法人所得税費用

△24,732

△11,646

連結純損益計算書で認識された
法人所得税費用

32,800

33,647

 

 

その他の包括利益で認識された法人所得税費用は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

税引前

税金収益/
(△)費用

税引後

税引前

税金収益/
(△)費用

税引後

確定給付制度の再測定

2,674

△162

2,512

9,237

△2,063

7,175

在外営業活動体の
外貨換算差額

86,597

86,597

90,655

90,655

FVTOCIの金融資産

△7,927

2,849

△5,078

11,022

△2,288

8,733

その他の包括利益合計

81,345

2,686

84,031

110,914

△4,351

106,563

 

 

実効税率の調整

当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した前連結会計年度及び当連結会計年度の法定実効税率は、いずれも30.5%です。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

 

国内の法定実効税率

30.5

30.5

研究費税額控除

△5.3

△7.3

損金不算入費用

5.8

17.2

益金不算入収益

△1.0

△1.8

海外子会社の税率差異

△11.2

△17.5

海外子会社留保利益

0.1

0.0

その他

2.1

4.4

実際負担税率

20.9

25.4

 

 

 

13.1株当たり当期利益

基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎

 

 

親会社の所有者に帰属する当期利益 (百万円)

124,086

98,714

親会社の普通株主に帰属しない当期利益 (百万円)

基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
当期利益 (百万円)

124,086

98,714

加重平均普通株式数 (千株)

1,849,713

1,820,019

 

 

 

希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎

 

 

基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
当期利益 (百万円)

124,086

98,714

当期利益調整額 (百万円)

希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する
当期利益 (百万円)

124,086

98,714

加重平均普通株式数 (千株)

1,849,713

1,820,019

希薄化性潜在的普通株式の影響  (千株)

889

5,042

希薄化効果調整後加重平均普通株式数 (千株)

1,850,602

1,825,061

 

 

 

1株当たり当期利益 (親会社の所有者に帰属)

 

 

基本的1株当たり当期利益 (円)

67.08

54.24

希薄化後1株当たり当期利益 (円)

67.05

54.09

 

 

14.その他の包括利益

その他の包括利益に係る組替調整額は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

純損益に振り替えられる可能性のある
その他の包括利益

 

 

在外営業活動体の外貨換算差額

 

 

当期発生額

86,597

90,655

組替調整額

小計

86,597

90,655

税効果額

純損益に振り替えられる可能性のある
その他の包括利益合計

86,597

90,655

 

 

 

 

15.有形固定資産

取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減

前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) の有形固定資産の増減は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具、器具
及び備品

土地

建設仮勘定

使用権資産

合計

取得原価

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月1日の残高

218,005

134,154

90,257

16,812

30,533

102,567

592,328

取得

4,395

2,321

6,633

16,814

9,322

39,485

処分

△1,865

△3,812

△5,313

△373

△9,744

△21,107

建設仮勘定からの振替

4,651

908

1,925

△7,484

その他

4,677

1,385

2,213

274

336

4,461

13,347

2022年3月31日の残高

229,864

134,956

95,716

17,086

39,827

106,605

624,054

減価償却累計額及び
減損損失累計額

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月1日の残高

△106,752

△113,360

△72,256

△35,339

△327,706

減価償却額

△9,542

△5,556

△6,863

△18,097

△40,059

減損損失

△651

△2

△9

△662

処分

1,691

3,708

5,027

5,822

16,248

その他

△1,916

△1,262

△1,472

△1

1,820

△2,832

2022年3月31日の残高

117,170

116,470

75,566

10

45,794

355,010

帳簿価額

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月1日の残高

111,253

20,794

18,002

16,812

30,533

67,228

264,623

2022年3月31日の残高

112,694

18,486

20,150

17,086

39,817

60,812

269,044

 

(注) 「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。

 

 

当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) の有形固定資産の増減は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具、器具
及び備品

土地

建設仮勘定

使用権資産

合計

取得原価

 

 

 

 

 

 

 

2022年4月1日の残高

229,864

134,956

95,716

17,086

39,827

106,605

624,054

取得

4,553

2,029

5,086

293

24,600

27,547

64,108

処分

△7,248

△2,554

△6,601

△23

△24,573

△40,999

建設仮勘定からの振替

12,760

13,937

4,117

△30,814

売却目的で保有する

資産へ振替

△173

△2,059

△2,233

その他

8,137

5,664

2,125

633

1,521

△2,173

15,907

2023年3月31日の残高

248,065

153,859

100,443

18,013

35,111

105,348

660,838

減価償却累計額及び
減損損失累計額

 

 

 

 

 

 

 

2022年4月1日の残高

△117,170

△116,470

△75,566

△10

△45,794

△355,010

減価償却額

△10,370

△6,264

△7,776

△15,610

△40,021

減損損失

△0

△56

△0

△564

△621

処分

6,541

2,460

6,116

10

16,741

31,868

売却目的で保有する

資産へ振替

35

1,701

1,736

その他

△4,406

△5,981

△1,924

△0

△20

△12,332

2023年3月31日の残高

125,406

126,277

79,150

43,546

374,379

帳簿価額

 

 

 

 

 

 

 

2022年4月1日の残高

112,694

18,486

20,150

17,086

39,817

60,812

269,044

2023年3月31日の残高

122,660

27,582

21,293

18,013

35,111

61,801

286,459

 

(注) 「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。

 

有形固定資産に係る減損損失は、連結純損益計算書の「その他の費用」に含まれています。

前連結会計年度及び当連結会計年度において、有形固定資産に対して認識された減損損失の金額は、それぞれ662百万円及び621百万円です。

 

 

 

16.のれん

取得原価及び減損損失累計額の増減

のれんの取得原価及び減損損失累計額の増減は次のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

取得原価

減損損失累計額

帳簿価額

2021年4月1日の残高

284,011

284,011

減損損失

△5,173

△5,173

処分

△5,173

5,173

為替換算調整

24,192

24,192

2022年3月31日の残高

303,030

303,030

為替換算調整

25,382

25,382

2023年3月31日の残高

328,411

328,411

 

 

資金生成単位又は資金生成単位グループに配分されたのれんの帳簿価額は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

医薬品事業全体

303,030

328,411

 

(注)  前連結会計年度及び当連結会計年度の「医薬品事業全体」は、主にOSI ファーマシューティカルズ Inc.及びオーデンテス セラピューティクス Inc.等の買収に伴い認識したのれんが配分されています。

 

のれんの減損テストにあたり、回収可能価額は3年間の将来予測を基礎とした使用価値により算定し、算定には規制当局からの販売承認取得の可能性、販売予測、割引率、成長率等の仮定を使用しています。割引率は、加重平均資本コストを基礎として算定しており、使用価値の算定に使用した割引率は次のとおりです。

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

割引率 (税引後)

医薬品事業全体

7.0%

7.0%

割引率 (税引前)

医薬品事業全体

8.8%

8.8%

 

 

3年の将来予測期間を超える継続価値の算定においては、資金生成単位又は資金生成単位グループの属する国、産業の状況を勘案して決定した成長率が加味されており、使用価値の算定に使用した成長率は次のとおりです。

 

 

 

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

成長率

医薬品事業全体

2.0%

3.0%

 

 

使用価値は当該資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額を十分に上回っており、使用価値の算定に用いた主要な仮定が合理的な範囲で変動したとしても使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと考えています。

 

当社グループは、前連結会計年度において5,173百万円の減損損失を計上しており、連結純損益計算書の「その他の費用」に含まれています。前連結会計年度において認識した減損損失は、米国子会社であるポテンザ セラピューティクス Inc. が保有していたがん免疫療法プログラムの開発中止に伴い、当該子会社の買収時に発生したのれんにつき回収可能価額をゼロとして認識したものです。

 

 

17.無形資産

取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減

前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) の無形資産の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

研究及び製造に

関する技術

製品及び研究開発に関する権利

その他の
無形資産

合計

仕掛研究開発

販売権

取得原価

 

 

 

 

 

2021年4月1日の残高

144,897

542,496

367,824

94,672

1,149,889

取得

10,900

15,058

22,276

48,234

処分

△32,031

△202,679

△18,033

△252,743

振替

△58,885

58,885

その他

13,463

28,540

3,179

3,382

48,564

2022年3月31日の残高

169,260

480,120

242,267

102,297

993,943

償却累計額及び
減損損失累計額

 

 

 

 

 

2021年4月1日の残高

△15,642

△133,624

△301,252

△47,944

△498,462

当期償却額

△12,364

△15,919

△11,342

△39,625

減損損失

△505

△68,469

△41

△69,015

処分

32,031

202,679

18,004

252,714

その他

△2,134

△9,224

△3,489

△1,277

△16,124

2022年3月31日の残高

30,645

179,285

117,981

42,601

370,512

帳簿価額

 

 

 

 

 

2021年4月1日の残高

129,254

408,872

66,572

46,728

651,427

2022年3月31日の残高

138,614

300,835

124,286

59,696

623,431

 

(注)  「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。

 

 

当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) の無形資産の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

研究及び製造に

関する技術

製品及び研究開発に関する権利

その他の
無形資産

合計

仕掛研究開発

販売権

取得原価

 

 

 

 

 

2022年4月1日の残高

169,260

480,120

242,267

102,297

993,943

取得

21,784

4,002

5,898

20,416

52,100

処分

△9,836

△42,034

△2,743

△2,336

△56,949

振替

△2,273

2,273

売却目的で保有する

資産へ振替

△11,009

△11,009

その他

14,013

29,119

1,173

8,337

52,642

2023年3月31日の残高

195,221

468,935

237,857

128,714

1,030,727

償却累計額及び
減損損失累計額

 

 

 

 

 

2022年4月1日の残高

△30,645

△179,285

△117,981

△42,601

△370,512

当期償却額

△18,146

△20,290

△27,281

△65,717

減損損失

△5,176

△31,654

△47,077

△57

△83,964

減損損失の戻入れ

86

86

処分

9,836

42,034

2,743

2,246

56,860

売却目的で保有する

資産へ振替

10,100

10,100

その他

△2,164

△8,936

△1,166

△2,817

△15,083

2023年3月31日の残高

46,295

177,841

173,585

70,509

468,230

帳簿価額

 

 

 

 

 

2022年4月1日の残高

138,614

300,835

124,286

59,696

623,431

2023年3月31日の残高

148,925

291,094

64,272

58,205

562,496

 

(注)  「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。

 

無形資産のうち、研究及び製造に関する技術、製品及び研究開発に関する権利の償却費は、連結純損益計算書の「無形資産償却費」として表示しています。

無形資産に係る減損損失は連結純損益計算書の「その他の費用」に、減損損失の戻入れは連結純損益計算書の「その他の収益」にそれぞれ含まれています。

 

 

無形資産の減損テスト及び認識された減損損失

当社グループは、無形資産については主として個別の資産ごとに減損の要否を検討しています。また、償却が開始されていない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎期減損テストを行っています。減損テストにあたり、回収可能価額は主として将来予測を基礎とした使用価値により算定し、算定には規制当局からの販売承認取得の可能性、上市後の販売予測及び割引率等の仮定を使用しています。割引率は、加重平均資本コストを基礎として算定しており、使用価値の算定に使用した割引率は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

 

割引率 (税引後)

6.0%~9.0

6.0%~10.9

 

割引率 (税引前)

7.4%~13.6

7.4%~14.9

 

 

 

使用価値の算定に用いた主要な仮定には不確実性を伴うため、翌連結会計年度の無形資産の金額に影響を与える可能性があります。

 

減損テストの結果、前連結会計年度及び当連結会計年度において以下の減損損失が認識されています。

 

前連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は69,015百万円であり、その主な内訳はASP0892の開発中止に伴う減損損失21,463百万円及びAT132の開発計画の見直しに伴う減損損失31,166百万円です。AT132の回収可能価額は、見積将来キャッシュ・フローを割り引くことにより算出した使用価値を用いており、使用価値の算定に使用した税引後の割引率は8.5%、税引前の割引率は10.8%です。

 

当連結会計年度において、無形資産に対して認識された減損損失は83,964百万円であり、その主な内訳はAT702、AT751、AT753の研究開発中止に伴う減損損失23,005百万円及びエベレンゾの将来計画の見直しに伴う減損損失47,077百万円です。エベレンゾの回収可能価額は、見積将来キャッシュ・フローを割り引くことにより算出した使用価値を用いており、使用価値の算定に使用した税引後の割引率は6.3%~10.9%、税引前の割引率は9.1%~14.9%です。

 

無形資産譲渡益

製品及び研究開発に関する権利の譲渡により生じる利得は、連結純損益計算書の「無形資産譲渡益」として表示しています。

前連結会計年度及び当連結会計年度において認識された無形資産譲渡益の金額は、それぞれ24,234百万円及び212百万円です。前連結会計年度における主な内訳は欧州、ロシア、独立国家共同体及びアジアにおいて販売している感染症治療薬等5製品をCheplapharm Arzneimittel GmbHに譲渡したことに伴う無形資産譲渡益12,329百万円です。

 

重要な無形資産

連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は次のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

ESN364/fezolinetant

仕掛研究開発

81,596

88,465

アデノ随伴ウイルスを活用した遺伝子治療薬の技術プラットフォーム及び製造技術

研究及び製造に関する技術

68,007

68,426

IMAB362/ゾルベツキシマブ

仕掛研究開発

64,017

64,017

ロキサデュスタット (エベレンゾ)

販売権

76,520

23,779

 

 

既に償却が開始されているものの残存償却期間は、前連結会計年度9~12年及び当連結会計年度8~11年であり、償却が開始されていないものについては毎期減損テストを行っています。

 

 

18.繰延税金

繰延税金資産及び繰延税金負債の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

FVTOCIの金融資産

△3,472

△1,185

退職給付に係る資産及び負債

9,045

5,631

有形固定資産

△3,540

△3,392

無形資産

△78,050

△37,391

未払費用

26,861

30,786

棚卸資産

70,150

49,385

繰越欠損金

18,976

11,411

その他

26,537

22,876

繰延税金資産の純額

66,508

78,121

 

 

繰延税金資産及び繰延税金負債の純額の増減内容は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

期首残高

36,015

66,508

純損益で認識された額

24,732

11,646

その他の包括利益で認識された額

4,382

△2,741

その他

1,378

2,708

期末残高

66,508

78,121

 

 

繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

将来減算一時差異

28,938

29,079

税務上の繰越欠損金

9,484

10,187

繰越税額控除

3,993

3,718

合計

42,415

42,985

 

 

 

繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の繰越期限は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

1年内

240

106

1年超2年内

101

236

2年超5年内

220

3

5年超

8,922

9,843

合計

9,484

10,187

 

 

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩し、予測される将来課税所得及びタックスプランニングを考慮しており、課税所得の見積りは事業計画を基礎としています。

課税所得が生じる時期及び金額は、各国の医薬品市場の動向、規制当局からの販売承認取得の可能性等の変動によって影響を受ける可能性があり、これらの見積りには不確実性を伴うため、実際の発生額と異なる可能性があります。

 

19.棚卸資産

棚卸資産の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

原材料

61,040

65,667

仕掛品

30,517

45,397

商品及び製品

61,515

63,322

棚卸資産合計

153,072

174,386

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において費用として認識され「売上原価」に含まれている棚卸資産の金額は、それぞれ161,670百万円及び170,728百万円です。

 

費用として認識された棚卸資産の評価減の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

売上原価

2,950

5,440

研究開発費

7,900

費用として認識された棚卸資産の評価減合計

10,851

5,440

 

(注) 上表の「研究開発費」は、規制当局からの販売承認取得前の製品に係る棚卸資産の評価減です。

 

費用の減額として認識された棚卸資産の評価減の戻入れは次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

研究開発費

△3,855

 

(注) 規制当局からの販売承認が得られる可能性が高いと判断されたために認識されたものです。

 

 

20.売上債権及びその他の債権

売上債権及びその他の債権の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

売掛金及び受取手形

368,038

408,792

未収入金

46,284

45,337

損失評価引当金

△2,063

△1,991

売上債権及びその他の債権合計

412,258

452,138

 

 

21.現金及び現金同等物

現金及び現金同等物の内訳は次のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

現金及び預金

315,986

376,840

連結財政状態計算書における現金及び
現金同等物

315,986

376,840

連結キャッシュ・フロー計算書に
おける現金及び現金同等物

315,986

376,840

 

 

22.資本及びその他の資本項目

(1) 資本金及び資本剰余金

全額払込済みの発行済株式数及び資本金等の増減は次のとおりです。

 

 

 

 

 

 

授権株式数

(無額面普通株式)

(千株)

発行済株式数

(無額面普通株式)

(千株)

資本金

(百万円)

資本剰余金

(百万円)

2021年4月1日残高

9,000,000

1,861,787

103,001

177,830

増加

2,028

減少

△25,935

△391

2022年3月31日残高

9,000,000

1,835,851

103,001

179,467

増加

3,254

減少

△26,188

△1,442

2023年3月31日残高

9,000,000

1,809,663

103,001

181,280

 

(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度の発行済株式数の減少は、自己株式の消却によるものです。

 

(2) 自己株式

自己株式の増減は次のとおりです。

 

 

 

 

株式数

(千株)

金額

(百万円)

2021年4月1日残高

8,757

15,377

増加

26,359

50,717

減少

△26,339

△52,161

2022年3月31日残高

8,777

13,934

増加

31,374

60,556

減少

△27,251

△49,366

2023年3月31日残高

12,900

25,123

 

 

 

23.配当金

前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

(1) 配当金支払額

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり
配当額 (円)

基準日

効力発生日

2021年4月27日
取締役会

普通株式

39,075

21.00

2021年3月31日

2021年6月1日

2021年10月29日
取締役会

普通株式

46,519

25.00

2021年9月30日

2021年12月1日

 

(注) 1.2021年4月27日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金161百万円が含まれています。

2.2021年10月29日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金197百万円が含まれています。

 

(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり
配当額 (円)

基準日

効力発生日

2022年4月27日
取締役会

普通株式

45,873

25.00

2022年3月31日

2022年6月1日

 

(注) 上記の配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金197百万円が含まれています。

 

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(1) 配当金支払額

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり
配当額 (円)

基準日

効力発生日

2022年4月27日
取締役会

普通株式

45,873

25.00

2022年3月31日

2022年6月1日

2022年10月31日
取締役会

普通株式

55,049

30.00

2022年9月30日

2022年12月1日

 

(注) 1.2022年4月27日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金197百万円が含まれています。

2.2022年10月31日取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金370百万円が含まれています。

 

(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当たり
配当額 (円)

基準日

効力発生日

2023年4月27日
取締役会

普通株式

54,266

30.00

2023年3月31日

2023年6月1日

 

(注) 上記の配当金の総額には、役員報酬BIP信託及び株式付与ESOP信託の所有する当社株式に対する配当金363百万円が含まれています。

 

 

24.株式報酬

(1) 業績連動型株式報酬制度

① 業績連動型株式報酬制度の概要

当社は中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した経営を推進するため、取締役 (社外取締役及び監査等委員である取締役を除く) 及び担当役員を対象とした役員報酬BIP (Board Incentive Plan) 信託 (以下「BIP信託」) と称される仕組みの業績連動型株式報酬制度を導入しています。また、国内外の当社グループ幹部を対象とした株式付与ESOP (Employee Stock Ownership Plan) 信託 (以下「ESOP信託」) と称される仕組みの業績連動型株式交付制度を導入しています。毎事業年度の制度開始時に、職責等に応じて設定された基準額を基に算定された基準ポイント(1ポイント=1株)が制度対象者に付与されます。交付株式数は、連続する3事業年度(以下「対象期間」)における企業価値・株主価値の成長度等に応じ、株価評価指標に基づいて基準ポイントの0%~200%の範囲で決定されます。なお、原則として対象期間満了日以降の各信託所定の期日まで継続して制度対象者であることなどの受益者要件を満たすことが権利確定条件となっています。BIP信託及びESOP信託が当社株式を取得し、対象期間満了日以降の各信託所定の時期に受益者要件を満たす制度対象者へ信託から当社株式の交付等を行います。業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式交付制度の詳細は、「第4 提出会社の状況」の「1.株式等の状況」「(8) 役員・従業員株式所有制度の内容」及び「4.コーポレート・ガバナンスの状況等」「(4) 役員の報酬等」 をご参照ください。

BIP信託及びESOP信託から当社株式の交付等を行う業績連動型株式報酬制度及び業績連動型株式交付制度は、主として持分決済型の株式報酬として会計処理されています。現地の法律、規制等により当社株式の交付ができない国に居住する制度対象者については、交付株式数相当額の金銭による支給を行い、現金決済型の株式報酬として会計処理されています。

 

② 連結純損益計算書に計上された金額

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

業績連動型株式報酬制度により計上された費用の合計

2,101

3,346

 

 

③ 期中に付与されたポイント数及びポイントの加重平均公正価値

期中に付与されたポイント数は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

期中に付与されたポイント数

2,811,490

2,752,145

 

 

期中に付与されたポイントの加重平均公正価値は、以下の前提条件に基づき、モンテカルロ・シミュレーションにより算定しています。

 

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

付与日の株価

 

1,916.5円

2,058.5円

権利確定期間

(注) 1

3年

3年

予想配当利回り

(注) 2

2.6%

2.7%

割引率

(注) 3

△0.1%

0.1%

加重平均公正価値

 

1,849円

2,061円

 

(注) 1.付与日から株式の交付が見込まれる日までの年数としています。

2.過去の配当実績に基づき算定しています。

3.権利確定期間に対応する国債の利回りに基づいています。

 

④ BIP信託及びESOP信託が所有する当社株式

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるBIP信託及びESOP信託が所有する当社株式数は7,865千株及び12,110千株です。

 

(2) ストック・オプション制度

① ストック・オプション制度の概要

2015年3月期まで、当社はストック・オプション制度を採用しており、当社の取締役及び執行役員に対してストック・オプションを付与しています。この制度は当社の株価や業績への感応度をより引き上げ、企業価値向上への意欲や士気を高めていくことを目的としています。

ストック・オプションは、当社の株主総会において承認された内容に基づき、当社の取締役会で決議された対象者に対して新株予約権として付与されています。新株予約権の新株予約権者は、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日以降に限り、新株予約権を行使することができます。権利行使期間は割当契約に定められた期間であり、その期間内に新株予約権が行使されない場合は、当該新株予約権は失効します。ストック・オプションの1株当たりの権利行使価格は1円です。

当社のストック・オプション制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理されています。前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使残高は全て権利確定済みで行使可能となっています。

 

② 未行使のストック・オプションの数の変動と加重平均行使価額

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

期首未行使残高

963,900

789,000

権利行使

△174,900

△124,200

期末未行使残高

789,000

664,800

 

(注) 1.ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しています。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における期中に行使されたストック・オプションの権利行使日時点の加重平均株価は、それぞれ1,846円及び1,948円です。

3.前連結会計年度及び当連結会計年度における未行使のストック・オプションの加重平均残存契約年数は、それぞれ10年及び9年です。

 

 

25.退職後給付

当社グループでは、一部の在外連結子会社を除き、確定給付型及び確定拠出型の退職後給付制度を採用しています。確定給付型の退職後給付制度のうち主なものは、日本の確定給付型の退職給付制度であり、全体の確定給付制度債務の約70%を占めています。

 

① 日本の確定給付型の退職給付制度

当社は、確定給付型制度として企業年金基金制度及び退職一時金制度を設けています。

確定給付型制度における給付額は、退職までに獲得した退職金累計ポイントを基に算出される基準給与及び10年国債利回りをベースとした給付利率等に基づいて算定されます。また、加入期間が15年以上の場合、年金による受給の選択が可能となります。

確定給付制度は、アステラス企業年金基金によって管理されています。この年金基金の理事は、積立金の管理及び運用に関する基金の業務について任務を怠ったときには、連帯して損害を賠償する責任を負います。

事業主は、加入者ごとに1年間に付与されるポイントの見積りを基に算出された標準給与に4.0%を乗じた額を標準掛金として毎月拠出します。また、各連結会計年度末において、積立金の額が最低積立基準額を下回る場合には、事業主は追加の掛金を拠出します。なお、将来の基金財政の健全性を維持し安定的な基金運営を図るため、当連結会計年度から、リスク対応掛金の拠出を開始しています。

確定給付型の退職給付制度は、数理計算上のリスクにさらされています。アステラス企業年金基金は資産構成について専門的知識及び経験を有する職員を配した上で資産構成割合を決め、四半期ごとにモニタリングを実施しリスクを管理しています。

② 海外の確定給付型の退職後給付制度

在外連結子会社では、英国、ドイツ及びアイルランド等で確定給付型の退職後給付制度を採用しています。

 

確定給付制度に関して連結財政状態計算書で認識された金額は次のとおりです。

 

前連結会計年度 (2022年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

海外

合計

確定給付制度債務の現在価値

104,052

44,732

148,784

制度資産の公正価値

△97,191

△18,576

△115,766

積立状況

6,861

26,157

33,018

アセット・シーリングの影響

253

253

負債/資産の純額

6,861

26,410

33,271

連結財政状態計算書上の金額

 

 

 

資産 (その他の非流動資産)

△3,955

△3,955

負債 (退職給付に係る負債)

10,816

26,410

37,226

 

 

当連結会計年度 (2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

海外

合計

確定給付制度債務の現在価値

95,551

38,951

134,502

制度資産の公正価値

△94,921

△17,121

△112,042

負債/資産の純額

630

21,831

22,460

連結財政状態計算書上の金額

 

 

 

資産 (その他の非流動資産)

△2,220

△137

△2,357

負債 (退職給付に係る負債)

2,850

21,968

24,818

 

(注) 前連結会計年度において、「年金及び一時金」及び「その他」の区分としていましたが、「その他」の重要性が乏しくなったため、当連結会計年度から「日本」及び「海外」の区分に変更しています。なお、前連結会計年度の金額は当該変更を反映しています。

 

確定給付制度債務の現在価値の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

日本

海外

合計

2021年4月1日現在

112,691

45,727

158,418

当期勤務費用

4,076

1,556

5,632

利息費用

777

570

1,347

確定給付制度債務の再測定

 

 

 

人口統計上の仮定の変更に
より生じた数理計算上の差異

△35

52

17

財務上の仮定の変更により
生じた数理計算上の差異

△2,375

△1,946

△4,321

その他

△102

336

234

過去勤務費用及び清算損益

△1,141

△1,141

制度加入者による拠出

119

119

制度からの支出

△10,980

△2,820

△13,800

外国為替レートの変動の影響等

2,279

2,279

2022年3月31日現在

104,052

44,732

148,784

当期勤務費用

3,460

1,702

5,162

利息費用

877

842

1,720

確定給付制度債務の再測定

 

 

 

人口統計上の仮定の変更に
より生じた数理計算上の差異

88

△3

85

財務上の仮定の変更により
生じた数理計算上の差異

△6,168

△9,797

△15,965

その他

△620

1,471

851

過去勤務費用及び清算損益

△89

△89

制度加入者による拠出

82

82

制度からの支出

△6,149

△2,382

△8,531

外国為替レートの変動の影響等

11

2,393

2,404

2023年3月31日現在

95,551

38,951

134,502

 

(注) 前連結会計年度において、「年金及び一時金」及び「その他」の区分としていましたが、「その他」の重要性が乏しくなったため、当連結会計年度から「日本」及び「海外」の区分に変更しています。なお、前連結会計年度の金額は当該変更を反映しています。

 

制度資産の公正価値の変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

日本

海外

合計

2021年4月1日現在

107,176

17,802

124,977

利息収入

729

230

960

制度資産の公正価値の再測定

 

 

 

制度資産に係る収益

△1,456

172

△1,284

財務上の仮定の変更により
生じた数理計算上の差異

161

△28

134

制度への拠出

 

 

 

事業主からの拠出額

2,245

950

3,195

制度加入者からの拠出額

141

141

制度からの支出

△10,917

△1,511

△12,428

外国為替レートの変動の影響等

△748

820

72

2022年3月31日現在

97,191

18,576

115,766

利息収入

812

403

1,215

制度資産の公正価値の再測定

 

 

 

制度資産に係る収益

△4,089

△484

△4,573

財務上の仮定の変更により
生じた数理計算上の差異

467

△1,985

△1,518

制度への拠出

 

 

 

事業主からの拠出額

6,689

1,016

7,705

制度加入者からの拠出額

154

154

制度からの支出

△6,149

△1,603

△7,752

外国為替レートの変動の影響等

0

1,044

1,044

2023年3月31日現在

94,921

17,121

112,042

 

(注) 1.前連結会計年度において、「年金及び一時金」及び「その他」の区分としていましたが、「その他」の重要性が乏しくなったため、当連結会計年度から「日本」及び「海外」の区分に変更しています。なお、前連結会計年度の金額は当該変更を反映しています。

2.当社グループは、翌連結会計年度 (2024年3月期)にリスク対応掛金を含め8,387百万円の掛金を拠出する予定です。

 

 

アセット・シーリングの影響の変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

日本

海外

合計

2021年4月1日現在

利息収入

再測定

 

 

 

確定給付資産の純額を資産上限額に制限していることの影響の変動

246

246

外国為替レートの変動の影響等

8

8

2022年3月31日現在

253

253

 

利息収入

再測定

 

 

 

確定給付資産の純額を資産上限額に制限していることの影響の変動

△299

△299

外国為替レートの変動の影響等

45

45

2023年3月31日現在

 

(注) 1.前連結会計年度において、「年金及び一時金」及び「その他」の区分としていましたが、「その他」の重要性が乏しくなったため、当連結会計年度から「日本」及び「海外」の区分に変更しています。なお、前連結会計年度の金額は当該変更を反映しています。

2.前連結会計年度において、将来掛金が減額されない又は将来掛金が返還されないために経済的便益が利用できないことから、当社グループの欧州の年金制度の一部に未認識の積立超過額が発生していました。

 

制度資産の公正価値の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

日本の制度資産の公正価値

 

 

株式

13,172

12,758

債券

39,855

34,775

現金及びその他の投資

44,163

47,389

日本の制度資産の公正価値合計

97,191

94,921

海外の制度資産の公正価値

 

 

株式

5,175

4,922

債券

5,003

3,222

現金及びその他の投資

8,398

8,976

海外の制度資産の公正価値合計

18,576

17,121

制度資産の公正価値合計

115,766

112,042

 

 

① 日本の制度資産

株式は主に投資信託により構成されているため、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分類されます。債券の公正価値は活発ではない市場における同一又は類似の資産に関する相場価額に基づいて測定しており、公正価値ヒエラルキーのレベル2に分類されます。現金及びその他の投資にはオルタナティブ投資等が含まれています。

② 海外の制度資産

株式は、活発な市場における公表市場価格があるもの及び活発ではない市場における同一又は類似の資産に関する市場価額に基づいて測定されるもので構成されており、公正価値ヒエラルキーのレベル1及びレベル2に分類されます。債券の公正価値は、活発な市場における公表市場価格があるもの及び活発ではない市場における同一又は類似の資産に関する市場価額に基づいて測定しており、公正価値ヒエラルキーのレベル1及びレベル2に分類されます。現金及びその他の投資にはオルタナティブ投資等が含まれています。

 

重要な数理計算上の仮定及び仮定に関する感応度の分析は次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

割引率 (%)

 

 

日本

0.7%~0.9

1.1%~1.3

海外

1.7%~2.7

3.7%~4.6

 

 

重要な数理計算上の仮定である割引率が当連結会計年度において0.5%上昇又は0.5%下落した場合、確定給付制度債務は8,571百万円減少又は9,565百万円増加します。

 

この感応度分析では、その他の数理計算上の仮定が一定との前提を置いており、仮定の間の相関については考慮していません。実際には、複数の仮定の変化が相互に関連して生じる可能性があります。また、感応度分析における確定給付制度債務の計算にあたっては、連結財政状態計算書で認識されている確定給付制度債務の計算方法と同一の方法を適用しています。

 

確定給付制度債務の加重平均デュレーションは次のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

日本

13.2

13.2

海外

18.0

15.8

 

 

 

26.引当金

前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) の引当金の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

ファーマフィー

その他

合計

2021年4月1日の残高

8,837

19,146

27,983

当期計上額

8,032

5,071

13,102

期中減少額 (目的使用)

△7,277

△11,878

△19,155

期中減少額 (戻入)

△1,032

△1,032

その他

936

568

1,505

2022年3月31日の残高

10,528

11,874

22,402

非流動

1,681

4,151

5,831

流動

8,847

7,723

16,570

引当金合計

10,528

11,874

22,402

 

 

当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) の引当金の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

ファーマフィー

その他

合計

2022年4月1日の残高

10,528

11,874

22,402

当期計上額

7,129

6,577

13,706

期中減少額 (目的使用)

△5,912

△6,236

△12,148

期中減少額 (戻入)

△994

△994

その他

939

487

1,426

2023年3月31日の残高

12,684

11,708

24,392

非流動

2,034

4,503

6,537

流動

10,650

7,205

17,855

引当金合計

12,684

11,708

24,392

 

(注) 米国における先発医薬品の販売実績等に応じて米国政府に支払うファーマフィーについて、期末日後に見込まれる支払いに備えるため引当金を計上しています。経済的便益の流出が予測される時期は、主に各連結会計年度末日より1年以内であると見込んでいます。

 

 

27.その他の負債

その他の負債の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

その他の非流動負債

 

 

その他の長期従業員給付債務

34,150

36,504

返金負債

1,330

1,403

その他

3,753

3,079

その他の非流動負債合計

39,234

40,987

その他の流動負債

 

 

未払費用

136,553

143,817

返金負債

175,115

226,874

その他

11,083

11,984

その他の流動負債合計

322,751

382,675

 

(注) 当社グループは、主に米国におけるメディケイド、メディケア及びマネージドケアプログラムに関連したリベートに対して、変動対価として、関連する売上収益が計上された期間に売上収益から控除し、期末日後に見込まれる返金に備えるため、返金負債を計上しています。返金負債の見積りにあたっては、各制度の対象製品を特定し、製品の売上計画、現行価格及び既存契約並びに政府による価格に関する法規制に基づくリベート率、過去からの売上傾向に基づく期待値により金額を見積っていますが、これらの見積りには不確実性を伴うため、実際の発生額と異なる可能性があります。

 

28.仕入債務及びその他の債務

仕入債務及びその他の債務の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

買掛金

60,861

68,566

未払金

70,554

75,886

仕入債務及びその他の債務合計

131,415

144,453

 

 

 

29.金融商品

(1) 資本管理

当社グループは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された、最適な資本構成を維持することを資本管理の基本方針としています。

当社グループは、最適な資本構成を維持するために財務指標のモニタリングを実施しています。財務の健全性・柔軟性については信用格付け、資本効率については親会社所有者帰属持分当期利益率 (ROE) を適宜モニタリングしています。なお、当社グループが適用を受ける重要な資本規制はありません。

 

(2) 金融資産及び金融負債の分類

金融資産及び金融負債の分類は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

非流動

流動

合計

非流動

流動

合計

金融資産

 

 

 

 

 

 

FVTPLの金融資産 (注) 1

43,481

2,281

45,761

47,576

106

47,683

償却原価で測定する金融資産

 

 

 

 

 

 

売上債権及びその他の債権

29,796

382,462

412,258

24,173

427,965

452,138

貸付金及びその他の金融資産 (注) 1

10,870

19,017

29,887

8,620

19,677

28,297

現金及び現金同等物

315,986

315,986

376,840

376,840

FVTOCIの金融資産 (資本性) (注) 1

37,493

37,493

41,690

41,690

金融資産合計

121,640

719,746

841,385

122,059

824,588

946,647

金融負債

 

 

 

 

 

 

FVTPLの金融負債 (注) 2

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

55

55

条件付対価

40,226

26,343

66,569

27,971

90,717

118,688

償却原価で測定する金融負債

 

 

 

 

 

 

仕入債務及びその他の債務

676

130,739

131,415

4,217

140,236

144,453

リース負債 (注) 2

55,014

17,730

72,744

61,461

13,546

75,007

社債及び借入金 (注) 2

140,000

140,000

50,000

75,000

125,000

その他 (注) 2

646

890

1,537

492

813

1,305

金融負債合計

96,562

315,702

412,264

144,141

320,367

464,508

 

(注) 1.連結財政状態計算書の「その他の金融資産」に含まれています。

2.連結財政状態計算書の「その他の金融負債」に含まれています。

 

社債及び借入金の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

社債

50,000

コマーシャル・ペーパー

90,000

75,000

1年以内返済予定の長期借入金

50,000

社債及び借入金合計

140,000

125,000

 

(注)当連結会計年度末の残高と利率を用いて計算したコマーシャル・ペーパーの平均利率は0.0%です。

 

社債の明細は次のとおりです。

(単位:百万円)

会社名

銘柄

発行年月日

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

利率
(%)

償還期限

当社

第1回無担保社債

2022年12月5日

30,000

0.260

2025年12月5日

当社

第2回無担保社債

2022年12月5日

20,000

0.419

2027年12月3日

合計

50,000

 

 

当社グループは、医薬事業戦略における関係の維持・強化等を目的として保有する資本性金融商品をFVTOCIの金融資産に指定しています。

FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融商品の主なものは次のとおりです。

(単位:百万円)

銘柄

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

上場株式

 

 

FibroGen, Inc.

7,266

12,311

その他

11,054

1,185

非上場株式

19,173

28,194

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において、取引関係の見直し等を目的として、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融商品の一部を売却等により処分し、認識を中止しています。

処分時の公正価値及び累積利得及び損失は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

公正価値

5,332

12,616

累積利得及び損失

4,925

8,624

 

また、FVTOCIの金融資産として指定した資本性金融商品の認識の中止及び公正価値の著しい下落により、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得及び損失 (税引後) は前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,265百万円及び6,167百万円です。

 

 

(3) 財務上のリスク管理方針

当社グループは、事業活動を行うにあたり、信用リスク、流動性リスク、為替リスク及び金利リスク等の財務上のリスクに晒されており、これらのリスクを低減するために、一定の方針等に基づきリスク管理を行っています。

また、当社グループは、デリバティブの利用を財務上のリスクをヘッジする目的とした取引に限定しており、投機目的では利用していません。

 

① 信用リスク
(a) 信用リスク管理

当社グループの事業活動から生ずる債権である売掛金等は、取引先の信用リスクに晒されています。当該リスクに関しては、取引先の経営状況を適宜把握し、売掛金残高を監視することにより信用リスクを管理しています。また、取引先の信用状況に応じて売掛金等の回収可能性を検討し、必要に応じて損失評価引当金を計上しています。

当社グループが保有する有価証券に関しては発行体の信用リスク、預金に関しては銀行の信用リスクに晒されています。また、当社グループが財務上のリスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、取引相手である金融機関の信用リスクに晒されています。資金運用における有価証券取引・預金取引については、Global Cash Investment Policy及びGlobal Treasury Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす発行体・銀行に限定し、定められた運用期間・限度額内で運用しています。また、デリバティブ取引については、Global Treasury Policyに基づき、一定の信用格付け基準を満たす金融機関に取引相手を限定しています。

 

(b) 信用リスクの集中

当社グループは、特定の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクを有していません。

 

(c) 信用リスクに対する最大エクスポージャー

保証債務を除き、保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない場合の当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書における金融資産の減損後の帳簿価額です。保証債務に係る信用リスクに対する最大エクスポージャーは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ46百万円及び30百万円です。

 

(d) 担保の保有

当社グループは、一部の売上債権及びその他の債権に対する担保として有価証券及び預り金を保有しています。

 

前連結会計年度における償却原価で測定する金融資産の信用リスク・エクスポージャーは次のとおりです。

(単位:百万円)

 

損失評価引当金を12か月の

予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

損失評価引当金を全期間の

予想信用損失に等しい金額で

測定している金融資産

合計

信用リスクが

当初認識以降に著しく増大した金融資産

信用減損

金融資産

常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

売上債権及びその他の債権

46,281

3

368,038

414,321

貸付金及びその他の金融資産

25,559

10

4,320

29,889

合計

71,840

12

372,358

444,211

 

 

 

前連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

損失評価引当金を12か月の

予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

損失評価引当金を全期間の

予想信用損失に等しい金額で

測定している金融資産

合計

信用リスクが

当初認識以降に著しく増大した金融資産

信用減損

金融資産

常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

2021年4月1日残高

3

1,256

1,259

当期繰入額

2

1,466

1,468

期中減少額 (目的使用)

△269

△269

期中減少額 (戻入)

△2

△473

△475

その他

0

83

83

2022年3月31日残高

3

2,063

2,066

 

 

当連結会計年度における償却原価で測定する金融資産の信用リスク・エクスポージャーは次のとおりです。

(単位:百万円)

 

損失評価引当金を12か月の

予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

損失評価引当金を全期間の

予想信用損失に等しい金額で

測定している金融資産

合計

信用リスクが

当初認識以降に著しく増大した金融資産

信用減損

金融資産

常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

売上債権及びその他の債権

45,335

2

408,792

454,129

貸付金及びその他の金融資産

23,897

4,403

28,299

合計

69,232

2

413,194

482,428

 

 

当連結会計年度における損失評価引当金の増減は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

損失評価引当金を12か月の

予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

損失評価引当金を全期間の

予想信用損失に等しい金額で

測定している金融資産

合計

信用リスクが

当初認識以降に著しく増大した金融資産

信用減損

金融資産

常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で

測定している

金融資産

2022年4月1日残高

3

2,063

2,066

当期繰入額

1,080

1,080

期中減少額 (目的使用)

△0

△762

△762

期中減少額 (戻入)

△0

△650

△650

その他

0

260

260

2023年3月31日残高

2

1,991

1,993

 

 

 

② 流動性リスク

流動性リスク管理

当社グループは、支払債務の履行が困難になる流動性リスクに晒されていますが、想定される支払債務への対応に加え、一定の戦略的投資機会にも機動的に対応できる手元流動性を維持しており、残高については、月次で代表取締役社長に報告をしています。

 

金融負債の期日別残高は次のとおりです。

前連結会計年度 (2022年3月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッシュ・フロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
5年以内

5年超

償却原価で測定する
金融負債

 

 

 

 

 

 

仕入債務及びその他の債務

131,415

131,415

130,739

518

158

リース負債

72,744

113,362

17,840

12,508

22,999

60,015

社債及び借入金

140,000

140,050

140,050

その他

1,537

1,537

890

195

355

95

小計

345,695

386,364

289,519

13,221

23,513

60,111

合計

345,695

386,364

289,519

13,221

23,513

60,111

 

 

 

帳簿価額

最大支払額

1年以内

1年超
5年以内

5年超

条件付対価

66,569

222,185

26,638

29,408

13,045

 

 

当連結会計年度 (2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッシュ・フロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
5年以内

5年超

FVTPLの金融負債

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

55

55

55

小計

55

55

55

償却原価で測定する
金融負債

 

 

 

 

 

 

仕入債務及びその他の債務

144,453

144,453

140,236

2,280

1,937

リース負債

75,007

125,841

13,820

12,117

21,708

78,196

社債及び借入金

125,000

125,660

75,169

162

50,329

その他

1,305

1,305

813

265

109

119

小計

345,765

397,259

230,037

14,823

74,084

78,315

合計

345,820

397,314

230,092

14,823

74,084

78,315

 

 

 

帳簿価額

最大支払額

1年以内

1年超
5年以内

5年超

条件付対価

118,688

233,300

93,815

20,491

13,824

 

 

 

③ 為替リスク

為替リスク管理

当社グループの事業は多くの国及び地域で営まれており、当社グループの経営成績及び財政状態は為替リスクに晒されています。

当社グループは、為替リスクの抑制を目的としたデリバティブ取引の利用の要否を、個別の案件ごとに検討しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、外貨建てインターカンパニーローンについては、為替変動による経営成績への影響を抑えるため、先物為替予約のデリバティブ取引を利用しています。通貨毎の為替リスクヘッジ状況 (デリバティブ取引残高) については、月次で代表取締役社長に報告しています。

 

為替感応度分析

各連結会計年度末において、機能通貨である円が、米ドル及びユーロに対して10%円高になった場合に、当社グループの連結純損益計算書の税引前利益に与える影響額は、以下のとおりです。

なお、計算に使用した通貨以外の通貨は変動しないこと及びその他の変動要因は一定であることを前提としています。

 

 

(単位:百万円)

項目

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

税引前利益

 

 

米ドル

△5,724

△3,950

ユーロ

2,791

7,441

 

(注) 上表の△は、各通貨に対して10%円高になった場合に、税引前利益に与えるマイナスの影響額を意味しています。

 

④ 金利リスク

金利リスク管理

当社グループの有利子負債は金利変動リスクに晒されていますが、資金需要に対してその内容や財務状況及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断し、金利変動リスクを軽減するために、固定・変動金利を組み合わせて調達の最適化を図っています。

 

金利が上昇した場合には、金利負担が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、過度に金利リスクを有していません。

 

 

(4) 金融商品の公正価値

① 金融商品の公正価値の算定方法

償却原価で測定する金融資産

償却原価で測定する金融資産は、売上債権及びその他の債権、貸付金及びその他の金融資産、現金及び現金同等物で構成されています。これらは、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。

 

FVTOCIの金融資産 (資本性)

市場性のある有価証券の公正価値は、期末日の市場価格を用いて算定しています。非上場株式の公正価値は、直近の入手可能な投資先の純資産又は将来の収益性の見通し等に基づき算定しています。

 

FVTPLの金融資産

FVTPLの金融資産は、保険積立金、為替予約及びファンドへの出資で構成されています。保険積立金の公正価値は、取引保険会社から提示された解約払戻金に基づいて算定しています。為替予約の公正価値は、取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。出資金の公正価値は、直近の入手可能な情報に基づきファンドの公正価値を見積もった上で、それに対する持分に基づいて算定しています。

 

FVTPLの金融負債

FVTPLの金融負債は、企業結合により生じた条件付対価及び為替予約で構成されています。企業結合により生じた条件付対価の公正価値は、開発が成功する可能性や貨幣の時間価値を考慮して算定しています。為替予約の公正価値は、取引金融機関から提示された価格に基づいて算定しています。

 

償却原価で測定する金融負債

償却原価で測定する金融負債は、仕入債務及びその他の債務、リース負債、社債及び借入金、その他の金融負債で構成されています。これらは、社債、リース負債を除いて、主として短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に近似しています。レベル2に分類した社債の公正価値は期末日の市場価格を用いて算定しており、当連結会計年度において帳簿価額は公正価値に近似しています。

 

② 経常的に公正価値で測定される金融商品

公正価値ヒエラルキー

金融商品の公正価値ヒエラルキーは、次のように区分しています。

レベル1:同一の資産又は負債に関する活発な市場における無調整の相場価格により測定した公正価値

レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値

レベル3:重大な観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値

 

公正価値の測定に使用される公正価値ヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定に用いた重大なインプットのうち、最もレベルの低いインプットに応じて決定しています。

公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期末日で発生したものとして認識しています。

 

 

公正価値ヒエラルキーの各レベルに分類された、経常的に公正価値で測定される金融資産及び金融負債の内訳は次のとおりです。

前連結会計年度 (2022年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

金融資産

 

 

 

 

FVTPLの金融資産

 

 

 

 

保険積立金

18,039

18,039

為替予約取引

2,281

2,281

出資金

25,441

25,441

小計

20,320

25,441

45,761

FVTOCIの金融資産 (資本性)

 

 

 

 

上場株式

18,320

18,320

非上場株式

19,173

19,173

小計

18,320

19,173

37,493

金融資産合計

18,320

20,320

44,615

83,255

金融負債

 

 

 

 

FVTPLの金融負債

 

 

 

 

条件付対価

66,569

66,569

小計

66,569

66,569

金融負債合計

66,569

66,569

 

(注) FVTPLの金融資産、FVTOCIの金融資産 (資本性) 及びFVTPLの金融負債は、それぞれ連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に含まれています。

 

 

当連結会計年度 (2023年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

金融資産

 

 

 

 

FVTPLの金融資産

 

 

 

 

保険積立金

18,808

18,808

為替予約取引

106

106

出資金

28,769

28,769

小計

18,914

28,769

47,683

FVTOCIの金融資産 (資本性)

 

 

 

 

上場株式

13,495

13,495

非上場株式

28,194

28,194

小計

13,495

28,194

41,690

金融資産合計

13,495

18,914

56,963

89,372

金融負債

 

 

 

 

FVTPLの金融負債

 

 

 

 

為替予約取引

55

55

条件付対価

118,688

118,688

小計

55

118,688

118,743

金融負債合計

55

118,688

118,743

 

(注) FVTPLの金融資産、FVTOCIの金融資産 (資本性) 及びFVTPLの金融負債は、それぞれ連結財政状態計算書の「その他の金融資産」及び「その他の金融負債」に含まれています。

 

 

レベル3に分類されている金融商品の公正価値の変動は次のとおりです。

 

前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

(a) 金融資産

(単位:百万円)

 

FVTPLの金融資産

FVTOCIの金融資産

(資本性)

合計

2021年4月1日の残高

22,069

19,937

42,007

実現及び未実現損益

 

 

 

純損益に計上 (注) 1

2,669

2,669

その他の包括利益に計上

1,878

1,878

購入、発行、売却、決済

 

 

 

購入

3,283

2,827

6,109

売却又は決済

△2,905

△4,891

△7,796

レベル3からの振替 (注) 2

△1,426

△1,426

その他

325

848

1,173

2022年3月31日の残高

25,441

19,173

44,615

報告期間末に保有している資産について純損益に
計上された当期の未実現損益の変動 (注) 1

2,669

2,669

 

(注) 1.連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。

2.公正価値の測定に使用する重大なインプットが観察可能となったことによるものです。

 

(b) 金融負債

(単位:百万円)

 

FVTPLの金融負債

2021年4月1日の残高

66,195

実現及び未実現損益

 

純損益に計上 (注)

3,524

決済

△4,650

その他

1,500

2022年3月31日の残高

66,569

報告期間末に保有している負債について純損益に
計上された当期の未実現損益の変動 (注)

3,524

 

(注) 連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。

 

当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(a) 金融資産

(単位:百万円)

 

FVTPLの金融資産

FVTOCIの金融資産

(資本性)

合計

2022年4月1日の残高

25,441

19,173

44,615

実現及び未実現損益

 

 

 

純損益に計上 (注)

△5,007

△5,007

その他の包括利益に計上

4,869

4,869

購入、発行、売却、決済

 

 

 

購入

8,101

3,419

11,520

その他

234

732

966

2023年3月31日の残高

28,769

28,194

56,963

報告期間末に保有している資産について純損益に
計上された当期の未実現損益の変動 (注)

△5,007

△5,007

 

(注) 連結純損益計算書の「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。

 

(b) 金融負債

(単位:百万円)

 

FVTPLの金融負債

2022年4月1日の残高

66,569

実現及び未実現損益

 

純損益に計上 (注)

50,723

その他

1,396

2023年3月31日の残高

118,688

報告期間末に保有している負債について純損益に
計上された当期の未実現損益の変動 (注)

50,723

 

(注) 連結純損益計算書の「その他の収益」及び「その他の費用」に含まれています。

 

 

レベル2に分類されている金融資産は、主に保険積立金により構成されています。

米国子会社が採用している繰延報酬制度の支払いに備え、当社グループは保険積立金を保有しています。保険積立金の公正価値は、取引保険会社から提示された解約払戻金に基づいて算定しています。

 

レベル3に分類されている金融資産は、ファンドへの出資及び非上場株式により構成されています。

出資金の公正価値は、直近の入手可能な情報に基づきファンドの公正価値を見積もった上で、それに対する持分に基づいて算定しています。

非上場株式の公正価値は、直近の入手可能な投資先の純資産又は将来の収益性の見通し等に基づき算定しています。

出資金及び非上場株式の公正価値は、四半期ごとに当社及びグループ各社の担当部門がグループ会計方針等に従って測定し、公正価値の変動の根拠と併せて上位者に報告されています。

 

レベル3に分類されている金融負債は、企業結合により生じた条件付対価です。

条件付対価は、被取得企業が保有していた臨床開発プログラムの開発の進捗等に応じて支払うマイルストンであり、その公正価値は、新薬開発の難易度等と関連したプログラムが成功する可能性や貨幣の時間的価値等を考慮して見積もっています。これらの見積りには不確実性を伴うため、重大な観察可能でないインプットであるプログラムが成功する可能性が高くなった場合、公正価値は増加する等の影響があります。

 

レベル3に分類されている金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の変動は見込まれていません。

 

 

30.リース

当社グループは、主として建物及び構築物、機械装置及び運搬具などを賃借しています。なお、変動リース料、残価保証及びリースにより課されている制限又は特約、並びにセール・アンド・リースバック取引はありません。

また、借手が契約しているがまだ開始していないリースで重要なものはありません。

 

リースに係る損益の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至  2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至  2023年3月31日)

使用権資産の減価償却費

 

 

建物及び構築物

14,429

12,183

機械装置及び運搬具

2,996

2,790

工具、器具及び備品

658

621

土地

14

16

減価償却費計

18,097

15,610

リース負債に係る金利費用

1,875

2,459

短期リース費用

252

176

少額資産リース費用

14

47

使用権資産のサブリースによる収益 (注)

205

219

 

(注) ファイナンス・リースに係る正味リース投資未回収額に対する金融収益及びオペレーティング・リースに係るリース収益

 

使用権資産の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2022年3月31日)

当連結会計年度
(2023年3月31日)

建物及び構築物

53,233

55,991

機械装置及び運搬具

5,541

4,288

工具、器具及び備品

1,487

950

土地

551

572

使用権資産合計

60,812

61,801

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度におけるリースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、それぞれ19,942百万円及び19,176百万円です。

 

使用権資産の増加額は注記「15.有形固定資産」、リース負債の満期分析は注記「29.金融商品 (3) ②流動性リスク」をご参照ください。

 

 

31. キャッシュ・フロー情報

財務活動から生じた負債の変動は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

社債

長期借入金

コマーシャル

・ペーパー

リース負債

合計

2021年4月1日の残高

80,000

120,000

78,264

278,264

キャッシュ・フローから生じた変動

△30,000

△30,000

△17,815

△77,815

非資金変動

 

 

 

 

 

新規リース及び条件変更

8,693

8,693

その他

3,602

3,602

2022年3月31日の残高

50,000

90,000

72,744

212,744

キャッシュ・フローから生じた変動

50,000

△50,000

△15,000

△16,495

△31,495

非資金変動

 

 

 

 

 

新規リース及び条件変更

15,072

15,072

その他

3,687

3,687

2023年3月31日の残高

50,000

75,000

75,007

200,007

 

(注) 「その他」のうち、主なものは為替換算調整です。

 

32.コミットメント

有形固定資産及び無形資産の取得に関するコミットメントは次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2022年3月31日)

当連結会計年度

(2023年3月31日)

無形資産

 

 

研究開発マイルストン支払

354,867

336,787

売上目標達成マイルストン支払

301,980

393,759

合計

656,848

730,547

有形固定資産

21,379

15,127

 

 

無形資産の取得に関するコミットメント

当社グループは、複数の第三者と共同研究・共同開発に関する提携契約や、製品・技術の取得に関する契約を締結しています。これらの契約の下で、当社グループは、契約で定められた特定の目標が達成された場合、又はその他の一定の条件が満たされた場合に、それらの達成されたマイルストンに応じて一定の金額を支払う義務を負っています。

「研究開発マイルストン支払」は、研究開発ステージの進捗等に基づいて設定されたマイルストンを達成した場合、契約で定められた金額を支払う義務を負うものです。

また、「売上目標達成マイルストン支払」は、売上目標に基づいて設定されたマイルストンを達成した場合、契約で定められた金額を支払う義務を負うものです。

 

上記の表に記載された金額は、全てのマイルストンが達成された場合の最大の支払額であり、現在価値への割引はされておらず、リスクについても考慮されていません。マイルストンの達成は不確実性が非常に高いため、全ての支払義務が生じる可能性は低く、実際の支払額は大幅に異なる可能性があります。

 

これらの研究開発及び販売に関する契約のうち、主要なものに関しては、「第2 事業の状況」の「5. 経営上の重要な契約等」に詳細が記載されています。

 

 

33.関連当事者

(1) 重要な子会社

重要な子会社については、「第1 企業の概況」の「4. 関係会社の状況」をご参照ください。

 

(2) 主要な経営幹部の報酬

当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

報酬及び給与

2,496

2,302

株式報酬

854

1,093

その他

500

1,140

報酬合計

3,851

4,534

 

 

主要な経営幹部は、当社グループの取締役及びエグゼクティブ・コミッティのメンバーにより構成されており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ24名及び23名です。

 

34.偶発負債

法的手続

当社グループは、製薬業界において一般的と考えられている各種の請求及び法的手続に関与しています。それらの手続は、一般に製造物責任、競争及び独占禁止法、知的財産権、従業員、政府調査等に関連しています。一般的に、訴訟及びその他の法的手続は、多くの不確実性及び複雑な要素を含んでいるため、損失の可能性について信頼に足る判断をすることや財務上の影響を見積もることは不可能である場合があります。これら事案について、当社グループは、必要に応じ開示は行いますが、引当金は計上しません。

 なお、提出日現在において開示すべき重要な偶発負債はありません。

 

 

35.後発事象

IVERIC bio, Inc. 買収に関する契約締結

(1) 対象会社の概要

名称

IVERIC bio, Inc. (以下「Iveric Bio社」)

事業の内容

医薬品の研究開発

 

 

(2) 日程

契約締結日

2023年4月29日 (日本時間)

Iveric Bio社の株主総会開催日

2023年度第2四半期中 (見込み)

クロージング日 (注)

2023年度第2四半期中 (見込み)

 

(注) 本買収の完了は、Iveric Bio社の既存株主や独占禁止法関連の当局の承認、及びその他のクロージング条件の充足を前提としています。

 

(3) 取得価額

約59億米ドル (注)

(注) Iveric Bio社の潜在株式を含む発行済普通株式約148.2百万株に1株当たりの買収価格である40.00米ドルを乗じた金額を記載しています。

 

(4) Iveric Bio社買収の目的

当社は、VISION「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの『価値』に変える」の実現に向け、最先端の「価値」駆動型ライフサイエンス・イノベーターを目指しています。研究開発戦略であるFocus Areaアプローチとして、多面的な視点でバイオロジーとモダリティ/テクノロジーの独自の組み合わせを見出し、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する革新的な医薬品の創出に取り組んでいます。現在、「再生と視力の維持・回復」を含む5つのPrimary Focusを特定し、優先的に経営資源を投下しています。Iveric Bio社買収 (以下「本買収」) は、当社が掲げる重点領域における製品ポートフォリオ構築のための重要なステップとなります。

Iveric Bio社は、眼科領域において新規治療薬の研究開発に注力しています。Avacincaptad Pegol (ACP) は、地図状萎縮(Geographic Atrophy:GA)を伴う加齢黄斑変性 (Age-related Macular Degeneration:AMD) を対象とし、米国で承認申請中であり、米国食品医薬品局 (FDA) から優先審査指定を受け、FDAによる審査終了目標日 (PDUFA date) は2023年8月19日です。

補体因子C5阻害剤であるACPは、GAを伴うAMDの治療薬候補であり、十分な治療を受けていない多くの患者さんに価値を提供できる可能性があります。ACPは、これまでに2つのピボタル試験 (GATHER1, 2試験) において、主要評価項目 (GAの進行抑制) を統計学的に有意に達成し、この適応症についてFDAからブレークスルーセラピー指定 (Breakthrough Therapy Designation) を受けています。

Iveric Bio社のリードプログラムであるACPを獲得することが、当社の経営計画2021で定める2025年度までの売上目標に貢献するだけでなく、ACPは、fezolinetantやPADCEVとともに収益を生み出す柱として、2020年代後半に控えるXTANDIの独占期間満了による売上減少を補うことが期待されています。

また、Iveric Bio社の買収により、当社は、コマーシャルチームや、専門家との広範なネットワーク、医療機関とのパートナーシップを含む、眼科領域における基盤ケイパビリティを獲得します。このようなケイパビリティ獲得を通じて、当社は、Primary Focus「再生と視力の維持・回復」における目標達成に向け、臨床開発・市場アクセスを加速させていきます。

 

(5) 支払資金の調達方法

本買収には、手元資金に加えて、銀行借入れとコマーシャル・ペーパーの発行による計約8,000億円の新規調達資金を充当する予定です。

なお、提出日現在における社債及び借入金の内訳は次のとおりです。

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(2023年3月31日)

提出日現在

(2023年6月22日)

社債

50,000

50,000

コマーシャル・ペーパー

75,000

289,000

社債及び借入金合計

125,000

339,000