独立監査人の監査報告書

 

 

 

2023年6月22日

アステラス製薬株式会社

取締役会 御中

 

EY新日本有限責任監査法人

 

東京事務所

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

古  杉  裕  亮

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

中  村  昌  之

 

 

 

指定有限責任社員
業務執行社員

 

公認会計士

小  山  晃  平

 

 

 

監査意見

当監査法人は、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査証明を行うため、「経理の状況」に掲げられているアステラス製薬株式会社の2022年4月1日から2023年3月31日までの第18期事業年度の財務諸表、すなわち、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、重要な会計方針、その他の注記及び附属明細表について監査を行った。

当監査法人は、上記の財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、アステラス製薬株式会社の2023年3月31日現在の財政状態及び同日をもって終了する事業年度の経営成績を、全ての重要な点において適正に表示しているものと認める。
 
監査意見の根拠

当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準における当監査法人の責任は、「財務諸表監査における監査人の責任」に記載されている。当監査法人は、我が国における職業倫理に関する規定に従って、会社から独立しており、また、監査人としてのその他の倫理上の責任を果たしている。当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。

 
強調事項

重要な後発事象に関する注記に記載されているとおり、会社は、2023年4月にIVERIC bio, Inc. 買収に関する契約を締結している。

当該事項は、当監査法人の意見に影響を及ぼすものではない。

 

監査上の主要な検討事項

監査上の主要な検討事項とは、当事業年度の財務諸表の監査において、監査人が職業的専門家として特に重要であると判断した事項である。監査上の主要な検討事項は、財務諸表全体に対する監査の実施過程及び監査意見の形成において対応した事項であり、当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない。

 

 

繰延税金資産の回収可能性に関する判断

監査上の主要な検討事項の内容及び決定理由

会社は、2023年3月31日現在、繰延税金資産を47,901百万円計上しており、資産合計の3.2%を占めている。当該項目に関する開示は、財務諸表 【注記事項】 (重要な会計上の見積り) 及び (税効果会計関係) に記載している。

 

会社は、繰延税金資産の回収可能性について、将来の収益力に基づく課税所得の見積りに基づいて判断している。

 

繰延税金資産の回収可能性に関する重要な判断又は仮定は、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」 (企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第26号) に規定される企業の分類 (以下「企業の分類」) 及び将来の課税所得の十分性である。

 

国内医薬品市場においては、政府による公定価格 (薬価) の引き下げを伴う医療費抑制政策がとられており、その政策動向により会社の収益力は影響を受ける。これに加え、グローバル全体で販売を目指す主要製品に関する規制当局からの販売承認取得の可能性等の不確実性も会社が海外子会社から受領するロイヤルティ収入を通じて会社の収益力に影響を与える。そのため、これらを前提とする企業の分類及び将来の課税所得の十分性の検討においては、経営者の判断が必要である。したがって、当監査法人は、当該繰延税金資産の回収可能性に関する判断を財務諸表の監査上の主要な検討事項とした。

監査上の対応

当監査法人は、繰延税金資産の回収可能性の検討にあたっての企業の分類及び将来の課税所得の十分性に関する経営者の判断を検討するために、主として以下の監査手続を実施した。

・過去及び当期の課税所得の発生状況と期末における将来減算一時差異の残高を比較した。

・将来の経営環境、特に近い将来に経営環境に著しい変化が見込まれないかどうかについて経営者の判断方法を理解した。

・経営者による判断の基礎となった将来事業計画をベースとした企業の分類及び将来の課税所得の十分性に関する検討資料を入手し、過去の事業計画の達成度合いに基づく見積りの精度を評価した。

・国内医薬品市場の動向については、会社への影響度合いについて経営者への質問により理解するとともに、政府による公定価格 (薬価) 等の利用可能な外部データを考慮して経営者による評価を検討した。

・規制当局からの販売承認取得の可能性については、将来の経営環境に与える影響を検討するために、経営者及び担当部門責任者への質問により、製品の開発状況及び規制当局との協議状況等を理解した。加えて、必要と判断した案件については、研究開発に係る意思決定を行う会議体の議事録を閲覧し、開発中止等上市を妨げる要因となりうる事象の有無を検討した。

 

 

その他の記載内容

その他の記載内容は、有価証券報告書に含まれる情報のうち、連結財務諸表及び財務諸表並びにこれらの監査報告書以外の情報である。経営者の責任は、その他の記載内容を作成し開示することにある。また、監査等委員会の責任は、その他の記載内容の報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

当監査法人の財務諸表に対する監査意見の対象にはその他の記載内容は含まれておらず、当監査法人はその他の記載内容に対して意見を表明するものではない。

財務諸表監査における当監査法人の責任は、その他の記載内容を通読し、通読の過程において、その他の記載内容と財務諸表又は当監査法人が監査の過程で得た知識との間に重要な相違があるかどうか検討すること、また、そのような重要な相違以外にその他の記載内容に重要な誤りの兆候があるかどうか注意を払うことにある。

当監査法人は、実施した作業に基づき、その他の記載内容に重要な誤りがあると判断した場合には、その事実を報告することが求められている。

その他の記載内容に関して、当監査法人が報告すべき事項はない。

 

 

財務諸表に対する経営者及び監査等委員会の責任

経営者の責任は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財務諸表を作成し適正に表示することにある。これには、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。

財務諸表を作成するに当たり、経営者は、継続企業の前提に基づき財務諸表を作成することが適切であるかどうかを評価し、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて継続企業に関する事項を開示する必要がある場合には当該事項を開示する責任がある。

監査等委員会の責任は、財務報告プロセスの整備及び運用における取締役の職務の執行を監視することにある。

 

財務諸表監査における監査人の責任

監査人の責任は、監査人が実施した監査に基づいて、全体としての財務諸表に不正又は誤謬による重要な虚偽表示がないかどうかについて合理的な保証を得て、監査報告書において独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにある。虚偽表示は、不正又は誤謬により発生する可能性があり、個別に又は集計すると、財務諸表の利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる場合に、重要性があると判断される。

監査人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って、監査の過程を通じて、職業的専門家としての判断を行い、職業的懐疑心を保持して以下を実施する。

・不正又は誤謬による重要な虚偽表示リスクを識別し、評価する。また、重要な虚偽表示リスクに対応した監査手続を立案し、実施する。監査手続の選択及び適用は監査人の判断による。さらに、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手する。

・財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないが、監査人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案するために、監査に関連する内部統制を検討する。

・経営者が採用した会計方針及びその適用方法の適切性、並びに経営者によって行われた会計上の見積りの合理性及び関連する注記事項の妥当性を評価する。

・経営者が継続企業を前提として財務諸表を作成することが適切であるかどうか、また、入手した監査証拠に基づき、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に関して重要な不確実性が認められるかどうか結論付ける。継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる場合は、監査報告書において財務諸表の注記事項に注意を喚起すること、又は重要な不確実性に関する財務諸表の注記事項が適切でない場合は、財務諸表に対して除外事項付意見を表明することが求められている。監査人の結論は、監査報告書日までに入手した監査証拠に基づいているが、将来の事象や状況により、企業は継続企業として存続できなくなる可能性がある。

・財務諸表の表示及び注記事項が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠しているかどうかとともに、関連する注記事項を含めた財務諸表の表示、構成及び内容、並びに財務諸表が基礎となる取引や会計事象を適正に表示しているかどうかを評価する。

・財務諸表に対する意見を表明するために、財務諸表に含まれる構成単位の財務情報に関する十分かつ適切な監査証拠を入手する。監査人は、構成単位の財務情報に関する監査の指示、監督及び実施に関して責任がある。監査人は、単独で監査意見に対して責任を負う。

監査人は、監査等委員会に対して、計画した監査の範囲とその実施時期、監査の実施過程で識別した内部統制の重要な不備を含む監査上の重要な発見事項、及び監査の基準で求められているその他の事項について報告を行う。

監査人は、監査等委員会に対して、独立性についての我が国における職業倫理に関する規定を遵守したこと、並びに監査人の独立性に影響を与えると合理的に考えられる事項、及び阻害要因を除去又は軽減するためにセーフガードを講じている場合はその内容について報告を行う。

監査人は、監査等委員会と協議した事項のうち、当事業年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項を監査上の主要な検討事項と決定し、監査報告書において記載する。ただし、法令等により当該事項の公表が禁止されている場合や、極めて限定的ではあるが、監査報告書において報告することにより生じる不利益が公共の利益を上回ると合理的に見込まれるため、監査人が報告すべきでないと判断した場合は、当該事項を記載しない。

 

利害関係

会社と当監査法人又は業務執行社員との間には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない。

以 上

 

 

(注) 1.上記の監査報告書の原本は当社 (有価証券報告書提出会社) が別途保管しています。

2.XBRLデータは監査の対象には含まれていません。

 

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