第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

当中間連結会計期間における経済情勢は、総じて景気の緩やかな回復基調が続く一方で、中国の景気減速、主要国の物価動向や金融政策の動向、為替相場の変動、ウクライナ・中東情勢の長期化に伴う地政学リスクの高まりによる影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループは、液晶ディスプレイ関連の需要拡大が進む中国市場での競争力強化、シェア拡大に注力するとともに、自動車や情報・電子分野など成長期待分野での新規用途・顧客開拓を推進し、安定収益基盤の拡大と収益性の向上を図っております。また、非アクリル製品の開発・販売やバイオマス材料・製品開発の基盤技術構築、新たな海外事業地域の探索などを推進し、環境変化に強い事業構造への転換に向けた事業領域の創出に取り組んでおります。

当中間連結会計期間の業績につきましては、液晶ディスプレイ産業でテレビのオリンピック需要を見越した在庫積み増しの動きを背景に、中国市場における粘着剤製品の販売が伸長したことにくわえ、円安に伴う中国子会社業績の為替換算額が増加したことなどもあり、売上高は243億30百万円(前年同期比26.4%増)となりました。利益面につきましても、粘着剤製品の増販効果が大きく寄与し、営業利益は37億92百万円(前年同期比127.0%増)となり、経常利益は36億31百万円(前年同期比104.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は28億4百万円(前年同期比104.0%増)となりました。

セグメントの状況は、以下のとおりです。

 

<ケミカルズ>

ケミカルズの売上高は231億68百万円(前年同期比28.6%増)となりました。製品別の状況は、以下のとおりです。

粘着剤製品は、中国市場での液晶ディスプレイ関連用途の販売数量が大幅に増加したことなどにより、売上高は165億48百万円(前年同期比25.6%増)となりました。

微粉体製品は、中国市場での光拡散用途の販売数量が増加したことなどにより、売上高は15億95百万円(前年同期比36.7%増)となりました。

特殊機能材製品は、中国市場での電子材料用途の需要が回復傾向にあるなか販売数量が増加したことにくわえ、採算是正の効果などもあり、売上高は15億52百万円(前年同期比38.7%増)となりました。

加工製品は、中国市場での機能性粘着テープの販売が自動車、情報・電子などの注力分野において増加したことなどにより、売上高は34億71百万円(前年同期比36.4%増)となりました。

<装置システム>

装置システムについては、熱媒体油の販売が増加したものの、設備関連の工事完成高が減少し、売上高は11億61百万円(前年同期比6.6%減)となりました。

 

② 財政状態

当中間連結会計期間末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて46億28百万円増加し、552億10百万円となりました。

流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券、棚卸資産が増加したことなどにより、前期末に比べ30億15百万円増加し、333億38百万円となりました。

固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前期末に比べ16億12百万円増加し、218億72百万円となりました。

一方、負債については電子記録債務が減少したものの、支払手形及び買掛金、短期借入金が増加したことなどにより、前期末に比べ8億82百万円増加し、187億30百万円となりました。

当期末における純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前期末に比べ37億45百万円増加し、364億80百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前期末64.7%から1.4ポイント増加し66.1%となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末に比べ13億61百万円増加し、144億37百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、27億47百万円(前年同期は29億65百万円の増加)となりました。
これは、主に税金等調整前中間純利益35億81百万円、減価償却費11億81百万円などによる増加と、法人税等の支払額7億86百万円、棚卸資産の増加3億79百万円、賞与引当金の減少3億63百万円などに伴う減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、10億54百万円(前年同期は13億27百万円の減少)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得7億60百万円などに伴う減少によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、7億26百万円(前年同期は8億18百万円の減少)となりました。
これは、主に短期借入金の借入れ4億81百万円などによる増加と、配当金の支払額7億83百万円、長期借入金の返済5億2百万円などに伴う減少によるものであります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当中間連結会計期間における研究開発費の総額は5億92百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

(5) 主要な設備

当中間連結会計期間において、前連結会計年度末に計画中であった主要な設備の新設について完了したものは、次のとおりであります。

会社名

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

投資額

完了年月

綜研高新材料
(南京)
有限公司

中国
江蘇省南京市

ケミカルズ

粘着剤生産設備

87百万元

2024年5月

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

  当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。