当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当社グループが事業を展開しているインターネット広告市場は、引き続き拡大を続けています。「2023年日本の広告費」(株式会社電通調べ)によると、2023年のインターネット広告費は、コネクテッドTVの利用拡大に伴う動画広告需要の高まりや、デジタルプロモーション市場の拡大などが成長に寄与し、前年から7.8%増加して3兆3,330億円となりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、「発想力と技術力で社会にダイナミズムをもたらすユニークな事業開発会社になる」という経営理念のもと、更なる企業価値の向上に努めてまいります。
2024年4月に策定いたしました中長期戦略におきまして、「最先端のデータサイエンスとビッグデータを駆使してクライアントのデジタルマーケティング領域の課題を解決する総合デジタルマーケティングテクノロジー企業」をめざす姿に位置づけ、「3つの構造改革(『中核事業改革』・『事業ポートフォリオの再定義』・『収益構造改革』)の推進による成長性と収益性の向上」「ソニーグループ連携の更なる深化と新規事業創造による成長」「成長を支える強靭な経営基盤の確立」に取り組んでおります。売上高においては、アドテクノロジーの増収により、当中間連結会計期間は増収となりました。また、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する中間純損失はアドテクノロジーの増収に加え、2024年3月末に実施したのれん等の固定資産の減損に伴う償却費の減少等により改善いたしました。
以上の結果、当中間連結会計期間における当社の売上高は5,590,797千円(前中間連結会計期間比34.9%増)、営業損失は128,670千円(前中間連結会計期間は営業損失377,346千円)、経常損失は189,781千円(前中間連結会計期間は経常損失372,998千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は58,683千円(前中間連結会計期間は親会社株主に帰属する中間純損失285,393千円)となりました。
当社グループはマーケティングテクノロジー事業の単一セグメントでありますが、取扱いサービス別の売上高の概況は次のとおりであります。
1.アドテクノロジー
広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォームであるDSP(注1)「Logicad」の提供を行っております。当中間連結会計期間は、中長期戦略で掲げた重点施策の一つであるデジタルハウスエージェンシーが迅速に立ち上がった影響等により、アドテクノロジーの売上は前中間連結会計期間比58.0%増の4,413,084千円となりました。
2.マーケティングソリューション
広告主と媒体を限定したクローズド型アフィリエイト「SCAN(スキャン)」の提供を行っております。当中間連結会計期間は、広告主及び媒体運営業者の開拓に努めましたが、ASP(注2)市場の競争激化による一部カテゴリでの販売不調の影響等により、マーケティングソリューションの売上は前中間連結会計期間比34.2%減の298,920千円となりました。
3.デジタルソリューション
連結子会社のルビー・グループ株式会社(注3)では、ラグジュアリーブランド向けEコマースの構築・運営・コンサルティングを提供しています。株式会社ASAではWebサイト、モバイル(Webアプリケーションなど)をはじめとするデジタルコンテンツの制作及び開発を行っています。SMN株式会社では全国各地のテレビCMメタデータの販売などのプロモーション関連領域のサービスを提供しています。当中間連結会計期間ではルビー・グループ株式会社における一部ブランドの解約によるEC手数料売上の減少等の影響により、デジタルソリューションの売上は前中間連結会計期間比4.1%減の832,940千円となりました。
4.その他
テレビ番組表ポータル「テレビ王国」やインターネット利用支援ポータル「PreBell」の広告枠の企画及び販売事業を行っています。当中間連結会計期間は、前期第1四半期に「Prebell」の広告販売を開始していなかった影響等により、その他の売上は前中間連結会計期間比59.4%増の45,851千円となりました。
(注)1:Demand Side Platformの略で、広告主の広告配信効果を最適化するための広告買付プラットフォーム。媒体側の広告収益の最大化を支援するプラットフォームであるSSP(注4)と対になる仕組みであり、両者はRTB(注5)を通して、広告枠の売買をリアルタイムに行っている。
2:Affiliate Service Provider の略で、広告主と媒体運営業者を仲介するサービス事業者。
3:2024年9月末に、ルビー・グループ株式会社の全株式を譲渡いたしました。これに伴い、ルビー・グループ株式会社及びその子会社であるKIMEI GLOBAL C0MPANY LIMITEDを連結の範囲から除外しております。
4:Supply Side Platformの略。
5:Real Time Biddingの略で、媒体を閲覧したユーザーの1インプレッション毎にインターネット広告枠の売買がリアルタイムにオークション形式で行われる仕組み。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は、3,991,555千円となり、前連結会計年度末に比べ796,618千円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が209,781千円増加した一方、売掛金及び契約資産が947,925千円減少したことによるものであります。固定資産は1,639,642千円となり、前連結会計年度末に比べ247,172千円減少いたしました。これは主に、顧客関連資産等の無形資産が156,768千円、敷金が35,858千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は5,631,198千円となり、前連結会計年度末に比べ1,043,791千円減少いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は1,872,789千円となり、前連結会計年度末に比べ27,721千円増加いたしました。これは主に、買掛金が219,484千円、未払法人税等が53,726千円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が335,528千円増加したことによるものであります。固定負債は129,326千円となり、前連結会計年度末に比べ1,000,538千円減少いたしました。これは主に長期借入金が953,835千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は2,002,115千円となり、前連結会計年度末に比べ972,816千円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は3,629,082千円となり、前連結会計年度末に比べ70,974千円減少いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失を58,683千円計上したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は64.4%(前連結会計年度末54.9%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ209,781千円増加し、2,643,384千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前中間純損失32,282千円、減価償却費275,112千円を計上し、また、売上債権が736,365千円、仕入債務が43,158千円減少し、法人税等の支払額42,679千円がありました。その結果、営業活動により増加した資金は738,040千円(前年同期比574,397千円増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出が214,711千円、造作・サーバー等の有形固定資産の取得による支出が7,537千円となりましたが、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入が310,509千円となりました。その結果、投資活動により増加した資金は92,256千円(前年同期は269,177千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、長期借入金の返済による支出が618,307千円となりました。その結果、財務活動により減少した資金は620,033千円(前年同期比505,694千円増)となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についての重要な変更、または、新たに生じた優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。