第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日)におけるわが国経済は、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がありますが、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。家具・インテリア業界におきましては、業種・業態の垣根を越えた販売競争の激化や、人手不足による人件費の高騰や原材料価格の上昇などにより、依然として厳しい経営環境が続いております。

 

中間連結会計期間における主な経営成績は次のとおりであります。

 

前中間連結

会計期間

(百万円)

当中間連結

会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

売上高

416,814

445,768

28,953

6.9

営業利益

55,173

57,974

2,800

5.1

(利益率)

(13.2%)

(13.0%)

 

 

経常利益

56,921

60,629

3,707

6.5

親会社株主に帰属する中間純利益

38,043

40,456

2,413

6.3

 

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

前中間連結

会計期間

(百万円)

当中間連結

会計期間

(百万円)

増減額

(百万円)

増減率

(%)

ニトリ事業

売上高

361,827

390,201

28,373

7.8

(外部顧客への売上高)

(357,564)

(384,811)

(27,247)

(7.6)

セグメント利益

53,141

56,589

3,448

6.5

島忠事業

売上高

59,407

61,094

1,687

2.8

(外部顧客への売上高)

(59,249)

(60,956)

(1,706)

(2.9)

セグメント利益

1,722

1,058

△664

△38.6

 

 

1) ニトリ事業
国内の営業概況といたしましては、当中間連結会計期間において、ニトリ10店舗、デコホーム8店舗の出店を進めてまいりました。より多くのお客様にご満足いただくために、テレビCM対象商品の放映期間中に合わせた期間限定値下げ価格でのご提供や、商品販売価格の値下げなど各種施策を実施してまいりました。販売費及び一般管理費につきましては、積極的な人材採用と賃金改定による人件費の増加があった他、輸送量の増加により発送配達費が増加いたしました。当社グループは物流の更なる内製化等によって、経費抑制を継続してまいります。
当中間連結会計期間における販売実績といたしましては、テレビCMで紹介した省スペースでも贅沢にくつろげる電動ソファ「KK6133」、持続冷感機能を持つPCMシートで冷たさが長続きする「NクールWSP」シリーズ、ふんわり包まれるような極上の拭き心地を実現したタオル「SH01」などの売上が好調に推移いたしました。
ECサイトに関する取り組みといたしましては、顧客参加型ライブコマース「ニトリLIVE」において、当中間連結会計期間の配信回数を前中間連結会計期間の57回から99回に大幅に増やしました。視聴者数についても、前中間連結会計期間の202万人から393万人に伸びております。また、「ニトリLIVE」で収録された動画をECサイトにも掲載し、お客様への商品紹介動画として活用する取り組みを開始いたしました。結果として、ECサイトからの発生売上高が継続して前年を上回っております。当社グループは引き続き、オンラインとオフラインの融合施策を推進し、お客様との継続的な関係性の構築と、買い物利便性の向上に努めてまいります。
物流施策といたしましては、川上から川下までの物流機能の全体最適の実現を目的とした物流戦略プロジェクトを推進し、DC拠点の最適配置と機能集約を進めております。当中間連結会計期間においては2024年8月に仙台DCを竣工いたしました。また、物流2024年問題におけるドライバーの労働力不足への対策及び環境負荷軽減、物流効率改善に向けて、配送センター間長距離輸送においてダブル連結トラックの運行を開始いたしました。
海外の営業概況といたしましては、当中間連結会計期間において台湾で4店舗、中国大陸において14店舗、韓国において3店舗、シンガポールにおいて2店舗、ベトナムにおいて1店舗、フィリピンにおいて2店舗、インドネシアにおいて1店舗を出店いたしました。インドネシアにおいては初出店となります。2024年9月26日の「NITORI China Town Point店」(シンガポール)と「NITORI 深セン坂田万科広場店」(中国大陸)の同時出店により、当社グループ海外200店舗を達成いたしました。また、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」というロマンのもと、一部の国や地域のお客様に「お、ねだん以上。」の商品を提供するために、商品販売価格の値下げを実施いたしました。今後も未出店の国・地域も含め店舗網の積極的な拡大を進めるために、日本の人材育成のノウハウを各国に展開し、現地スタッフを早期に店長として育成する計画を進めております。
海外各国の取り組みといたしましては、台湾において、BOPIS(ネットで購入して店舗で受け取るサービス)の導入を開始いたしました。これにより、ECサイトと店舗との相互送客が実現いたしました。中国大陸においては、坪当たり売上高の高い分類の品揃え強化などを実施して、売上対策を進めてまいりました。香港においては、キッチン家具の空間コーディネート提案の強化や、低価格で高機能というプライベートブランド商品を活用し、ペット用品を競合他社の3分の1以下の価格で販売するなどして、売上対策を進めてまいりました。韓国においては、現地のメディアを通じた広告活動によって、ニトリ会員を増やし、ブランドの知名度を向上させる取り組みを継続しております。また、その他各国においても、お客様との関係性の構築と、買い物利便性の向上の取り組みに努めてまいりました。

 

2) 島忠事業

島忠の営業概況といたしましては、より多くのお客様にご満足いただくために、「夏の大感謝祭」を通じて一部商品を期間限定価格でご提供してまいりました。また、プライベートブランド商品の開発も順調に進んでおり、通勤・通学向けのスポーツタイプ自転車の新規開発や、プライベートブランド衣料品「N easy」の取扱店舗を9店舗拡大しました。販売費及び一般管理費につきましては、賃金改定による人件費増加やTVCM本数とデジタル広告件数増加に伴う広告宣伝費の増加で、営業利益が前年同期比で664百万円減少しました。

今後の売上対策としましては、TVCMやアプリを活用した販促拡大や、集客力の向上のために既存店の改装を進めてまいります。荒利益改善対策としましては、プライベートブランド商品の販売体制の強化に加え、ストアブランドやプライベートブランド商品の開発、バイヤー交渉力強化によるナショナルブランド商品の原価低減、商流改善を推進してまいります。更に物流システム統合による家具配送コスト削減などの経費抑制策を進め、荒利対策と経費対策を強化しながら必要な投資を行ってまいります。

今後もお客様の暮らしに密着した「お、ねだん以上。」のプライベートブランド商品の開発を拡大し、商品力の強化を図り、地域のお客様に快適な暮らしを提供してまいります。

 

3) グループ全体

店舗の出退店の状況は次のとおりであります。

 

2024年3月31日

店舗数

出店

退店

2024年9月30日

店舗数

 

 

ニトリ

(EXPRESS含む)

556

10

557

 

 

デコホーム

174

175

 

 

Nプラス

38

45

 

国内小計

768

25

16

777

 

 

台湾

61

64

 

 

中国大陸

95

14

104

 

 

香港

 

 

韓国

 

 

マレーシア

11

11

 

 

シンガポール

 

 

タイ

 

 

ベトナム

 

 

フィリピン

 

 

インドネシア

 

海外小計

179

27

200

ニトリ事業

947

52

22

977

島忠事業

54

54

合計

1,001

52

22

1,031

 

当社では、お買い上げいただけるお客様の数が増え続けることが社会貢献のバロメーターになると考え、より多くのお客様に豊かな暮らしを提供すべく、日本そして世界へと店舗展開を拡大し、グローバルチェーンの整備を進めております。今後も引き続き、お客様数の増加と買い物利便性の向上のため、事業領域と店舗網の拡大を進めてまいります。

 

  4) サステナビリティに関する取組

当中間連結会計期間におけるサステナビリティに関する取り組みといたしましては、継続して「未来にいいこと。みんなにいいこと。」のキャッチフレーズの下、「つくる」「はこぶ」「つかう」「つかいおわったあと」それぞれの段階で、お客様の暮らしに寄り添う取り組みを推進しております。さらに、当社グループの独自の循環型ビジネスモデルを最大限活かし、環境への配慮及び持続可能な「住まいの豊かさ」の実現に貢献するため、2050年に向けた目標として新たに「NITORI Group Green Vision 2050」を策定いたしました。

「NITORI Group Green Vision 2050」では、「サーキュラー(循環)ビジネスの推進」、「持続可能な調達」、「気候変動への対応」の3つのテーマに基づき、当社グループ一丸となって目標達成に向けた取り組みを進めております。

「サーキュラー(循環)ビジネスの推進」といたしましては、カーテンのリサイクル回収において、「近くにニトリや島忠の店舗がなく持ち込みづらい」「不要なカーテンをもっと気軽に持ち込みたい」というお客様の声にお応えし、2024年7月8日よりデコホーム全店でも常時受付を開始いたしました。本取り組みは、2022年度から2024年9月1日までの累計で、約38.8万人にご参加いただき、回収重量は約1,470トンとなりました。タオルのリサイクル回収においては「家に使用していないタオルが沢山あって困る」「色や柄を揃えたくても買い替えるきっかけがない」などのお客様の困りごとを解決し、更なる資源循環に繋げるため、全国のニトリ・島忠・デコホーム全店舗にて2024年7月8日から2024年9月1日の期間限定で回収を実施いたしました。また、羽毛布団のリサイクル回収においても、全国のニトリ・島忠・デコホーム全店舗において、2024年9月30日より2025年2月2日まで期間限定で回収を実施いたします。同時期に販売開始した「再生羽毛」使用の羽毛布団は、昨年度約4.6万人のお客様にご協力いただき回収した羽毛を、丁寧な洗浄・選別工程を経て、約5万枚の再生羽毛布団として生まれ変わりました。一枚あたりの再生羽毛使用量を大幅に増やし、より一層サステナブルな取り組みへとつながりました。

「持続可能な調達」といたしましては、環境・社会課題に配慮した調達を目的とし、サプライチェーン全体で「持続可能な調達」を推進しております。特に、「持続可能な木材調達」においては、森林破壊や違法伐採、人権侵害を排除したサプライチェーンの構築を目指しており、サプライヤーとともに生物多様性にも配慮したトレーサビリティを実施しております。

「気候変動への対応」といたしましては、日本初の余剰電力活用型スキームを用いた「ニトリ発電所」が本格稼働いたしました。全国に店舗網・物流網を持つ当社グループの強みを最大限に活かし、店舗及び物流拠点の屋根上太陽光発電を活用し、余剰電力活用型の再生エネルギー循環を、株式会社Sustechと連携し、実現いたしました。FIP制度を利用した自社設備の屋根上における太陽光発電プロジェクトとしては日本初、日本最大級となります。

また、当社グループは「FTSE4Good Index Series」「FTSE Blossom Japan Index」に初選定され、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」には3年連続で選定されました。「FTSE4Good Index Series」は世界で代表的なESG投資指数であり、「FTSE Blossom Japan Index」「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」は日本において優れたESG対応を行っている企業を評価する指標となります。

当社グループは今後も、企業として持続的に発展するとともに、一気通貫の循環型ビジネスモデルを通じて環境・社会課題を解決し、より良い未来に貢献することを目指してまいります。

 

② 財政状態の状況

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ128億53百万円減少し、1兆2,258億26百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が300億72百万円減少した一方で、有形固定資産のその他(純額)が193億63百万円増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ555億70百万円減少し、2,867億99百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が136億41百万円、短期借入金が54億51百万円、未払金が189億89百万円、契約負債が73億57百万円それぞれ減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ427億17百万円増加し、9,390億26百万円となりました。これは主として、利益剰余金が322億92百万円、為替換算調整勘定が86億58百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によるキャッシュ・フローにより649億23百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローにより561億67百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローにより199億48百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ90億34百万円減少し、1,082億79百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動の結果獲得した資金は、649億23百万円(前年同期は867億29百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前中間純利益591億85百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動の結果支出した資金は、561億67百万円(前年同期は648億61百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出504億34百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動の結果支出した資金は、199億48百万円(前年同期は309億円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出223億30百万円によるものであります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。