第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の分析

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進んだことで、緩やかな回復を維持しました。一方で、地政学リスクや、欧米における高金利の継続、不安定な為替変動などから、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 水産・食品業界におきましては、インバウンド需要などにより、外食・観光産業は堅調に推移した一方、原材料価格や、人手不足に伴う人件費などのコスト上昇、消費者の消費マインドの低下傾向が見られ、厳しい経営環境が続きました。

 このような状況の中で、当社グループは当期より中期経営計画『Gear Up Kyokuyo 2027』をスタートさせました。「魚を中心に、食で人と暮らしと地球によりそう  サステナブルな世界へ」という企業パーパスのもと、「事業基盤」の拡充、「財務基盤」と「ステークホルダーとのパートナーシップ」の強化を進め、目標達成に向け取り組んでおります。

 当中間連結会計期間における当社グループの売上高は1,405億65百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は54億64百万円(前年同期比36.7%増)、経常利益は53億15百万円(前年同期比28.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は27億9百万円(前年同期比10.5%増)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

 なお、当中間連結会計期間より報告セグメントの変更を行っており、当中間連結会計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」のⅡ当中間連結会計期間の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。

 

 

①水産事業セグメント

 国内販売においては、夏場に急激な円高進行による水産物相場の軟化があったものの、当中間連結会計期間としては、主要魚種のサケやエビ、高額商品の魚卵やカニの販売が好調に推移しました。利益面では、加工品が伸長するとともに、夏までの相場上昇の流れをとらえて販売が順調に推移したことから、相場の不透明感を背景に流通・加工業者が手堅い買付にとどまった前年同期に比べて、大きく改善しました。

 海外事業については、輸出事業は世界的な飼料用水産物の高騰から、日本産青物の販売が大幅に伸長したものの、中国の日本産水産物の輸入禁止措置が継続されたことからホタテの取扱いが減少し、全体でも前年を下回りました。一方、海外現地販売は、欧米においては製品の、中国においては加工用原料の過剰在庫が解消に向かったことで、販売が回復し売上が前年を上回りました。

 この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。水産事業セグメントの売上高は745億1百万円(前年同期比22.0%増)、営業利益は31億44百万円(前年同期比39.9%増)となりました。

 

②生鮮事業セグメント

 マグロは冷凍クロマグロを中心に回転寿司を含む外食、量販店向けの販売が好調に推移するとともに、相場が回復したことで売上、利益とも増加しました。海外まき網事業は、水揚げ量が増加した一方で、市況下落による単価減少があり、売上は減少しましたが、燃料費の高騰や修繕費が落ち着いたことから、利益は改善しました。養殖事業は、国産養殖クロマグロについては拡販したものの、飼料費など生産コストの上昇が収益を圧迫しました。寿司種をはじめとする生食商材は、前期に実施した価格改定の影響で、回転寿司向けの販売が減少しましたが、収益は改善しました。

 この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。生鮮事業セグメントの売上高は320億51百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は16億45百万円(前年同期比67.6%増)となりました。

 

③食品事業セグメント

 市販用冷凍食品は自社工場製品の拡販方針のもと、煮魚・焼魚、弁当用商材などの販売が伸長しました。缶詰は、サバ缶が改善したほか、販促に注力したツナ缶が伸長し、販売は拡大しましたが、円安の影響で輸入缶のコストが上昇し、収益を圧迫しました。また、前期に実施した価格改定による消費減退の影響で、業務用冷凍食品は水産フライ、切り身などの販売が減少し、おつまみ・珍味製品については、販売減少に原料高が重なり、利益も減少しました。

 この結果、売上は前年同期を上回りましたが、利益は前年同期を下回りました。食品事業セグメントの売上高は329億6百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は14億13百万円(前年同期比7.1%減)となりました。

 

④物流サービスセグメント

 冷蔵倉庫事業においては、荷動き悪く、入出庫ともに低調に推移したものの、庫腹率の高い状態が続いたことで保管料収入が増加し、売上・利益とも拡大しました。利用運送事業においては、外部取引先への営業強化により売上が増加しました。

 この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。物流サービスセグメントの売上高は8億38百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は1億51百万円(前年同期比22.8%増)となりました。

 

 


 

(2)財政状態の分析 

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ130億52百万円増加し、1,737億72百万円となりました。

流動資産は、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ74億61百万円増加し、1,317億59百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ55億90百万円増加し、420億13百万円となりました。

負債合計は、短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ101億81百万円増加し、1,120億40百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ28億71百万円増加し、617億31百万円となりました。

この結果、自己資本比率は35.3%(前連結会計年度末比1.4ポイント減)となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

(単位:百万円)

 

前中間連結
会計期間

当中間連結
会計期間

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フロー

現金及び現金同等物に係る換算差額

現金及び現金同等物の増減額

現金及び現金同等物の期首残高

現金及び現金同等物の中間期末残高

△1,220

△3,196

4,802

252

638

7,042

7,681

2,101

△5,206

3,374

196

465

8,452

8,917

3,321

△2,010

△1,428

△55

△173

1,409

1,236

 

 

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益の増加などにより、21億1百万円の収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得などにより、52億6百万円の支出となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、33億74百万円の収入となりました。

この結果、現金及び現金同等物の中間期末残高は期首残高より4億65百万円増加し、89億17百万円となりました。

 

当社グループは、事業活動に適切な流動性の維持と十分な資金を確保すると共に、グループ内でキャッシュマネージメントシステムを活用するなど運転資金の効率的な管理により、事業活動における資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を資金の主な源泉と考え、さらに金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行などによる資金調達を必要に応じて行い、十分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は1億59百万円であります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。