第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるエンターテイメント業界は、国内家庭用ゲーム市場においては、発売からの経年によりハード市場が落ち着きを見せる中、ソフト市場も前年同期の大型人気タイトル発売の反動により減少し、前年の市場規模を下回りました。モバイルゲーム市場においては、新規参入タイトルにおいて一部ヒット作品が出ましたが、市場が安定期を迎えほぼ横ばいで推移する中、海外企業によるタイトルが存在感を見せるなど、依然厳しい競争環境が続いています。国内アミューズメント市場においては、引き続き好調なプライズ(景品)ゲームが市場全体を牽引し、堅調に推移いたしました。音楽映像市場においては、アニメの制作費が高騰する中、動画配信市場が引き続きアニメ人気を背景に高水準を保ち、好調に推移いたしました。ライブエンターテイメント市場においては、観客動員が改善傾向にありますが、近年の社会環境・国際情勢の変化の影響により、費用の上昇傾向が続いています。

 このような状況下、当社グループは、多彩なエンターテイメントコンテンツをあらゆる事業領域において様々なデバイス向けに展開する「マルチコンテンツ・マルチユース・マルチデバイス」戦略を基軸とした総合エンターテイメント企業として、強力なIPの確立に向けたブランディング戦略・アライアンス戦略・グローバル戦略を積極的に推進し、話題性の高いコンテンツの提供とサービスの強化に取り組んでまいりました。

 この結果、当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)の経営成績は、売上高12,877百万円(前年同期比8.0%減)、営業利益592百万円(前年同期比48.6%減)、経常利益373百万円(前年同期比77.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益78百万円(前年同期比92.9%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

a.デジタルコンテンツ事業

 当事業においては、2024年4月19日に新作スマートフォン向けゲームアプリ『ビックリマン・ワンダーコレクション』の配信を開始し、順調な立ち上がりとなり、収益貢献いたしました。既存オンラインゲームにおいては、『ドルフィンウェーブ』の台湾版を2024年6月より配信開始したほか、各タイトルにおいてコラボイベント等を実施し、堅調に推移いたしました。

 コンシューマの新作においては、インディータイトルである『ボウと月夜の碧い花』を同年7月18日に発売したほか、子会社ジー・モードより同年9月12日に発売した『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』が好調なセールスを記録いたしました。また、国内外において、リピート販売が好調に推移いたしました。

 しかしながら、基幹タイトルの発売がなかったことから開発費が先行し、前年同期比で減収減益となりました。

 この結果、当事業の売上高は6,246百万円(前年同期比22.1%減)、セグメント利益は104百万円(前年同期比33.3%減)となりました。

 

b.アミューズメント事業

 当事業においては、ポケモンキッズアミューズメントマシンの最新作『ポケモンフレンダ』を2024年7月11日より稼動開始いたしました。歴代ポケモンアミューズメントマシン最速となる約1ヶ月で「フレンダピック」(配出物)の配出枚数が1,000万枚を突破するなど、順調な立ち上がりとなりました。同年9月12日には新弾となる2弾の稼動も開始いたしました。また、海外展開中の『ポケモンガオーレ』についても引き続き堅調に推移いたしました。

 海外展開の拡大等により増収となったものの、新機種への入れ替えに伴う費用先行等により、利益面では減益となりました。

 この結果、当事業の売上高は4,388百万円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益は1,206百万円(前年同期比24.3%減)となりました。

 

c.音楽映像事業

 当事業においては、TVアニメ『刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-』を2024年4月から、TVアニメ『女神のカフェテラス』の第2期を同年7月から放送したほか、TVアニメ『わんだふるぷりきゅあ!』をはじめとした「プリキュア」シリーズ関連タイトルや、TVアニメ『望まぬ不死の冒険者』等のパッケージ商品化を行いました。また、劇場版プリキュアの最新作『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』が2024年9月13日に公開となり、約3週間で興行収入が10億円を突破するなど、好調なスタートを切りました。

 舞台公演においては、「ミュージカル『新テニスの王子様』」や「舞台『刀剣乱舞』」といったシリーズ作品の新作公演や、「舞台『弱虫ペダル』」の最終公演、「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」のコンサート公演等を実施し好評を博したほか、今期の新規作品として「舞台『川越ボーイズ・シング』」、「舞台『夢職人と忘れじの黒い妖精』」の公演を実施いたしました。

 舞台公演の計上タイトルが集中したことで売上が増加いたしましたが、新規IP育成に伴う費用先行等により、前年同期で増収減益となりました。

 この結果、当事業の売上高は2,242百万円(前年同期比30.9%増)、セグメント利益は170百万円(前年同期比29.6%減)となりました。

 

②財政状態の分析

 当社グループの当中間連結会計期間末における財政状態は、資産32,562百万円(前連結会計年度末比1,975百万円減)、負債7,254百万円(前連結会計年度末比112百万円増)、純資産25,308百万円(前連結会計年度末比2,088百万円減)となりました。

 

(流動資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産は、現金及び預金の減少等により21,759百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,953百万円減少いたしました。

 

(固定資産)

 当中間連結会計期間末における固定資産は、有形固定資産の増加等により10,803百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,977百万円増加いたしました。

 

(流動負債)

 当中間連結会計期間末における流動負債は、未払金の増加等により7,073百万円となり、前連結会計年度末に比べ166百万円増加いたしました。

 

(固定負債)

 当中間連結会計期間末における固定負債は、資産除去債務の減少により181百万円となり、前連結会計年度末に比べ53百万円減少いたしました。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は、親会社株主に帰属する中間純利益78百万円を計上したものの、前連結会計年度の配当により利益剰余金が減少したことにより25,308百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,088百万円減少いたしました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ5,565百万円減少し、7,112百万円となりました。

  当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果支出した資金は、786百万円(前年同期は389百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益373百万円を計上したこと、棚卸資産の増加額918百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、2,394百万円(前年同期は481百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,587百万円、無形固定資産の取得による支出716百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は、2,007百万円(前年同期は2,007百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額2,007百万円等によるものです。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、デジタルコンテンツ事業883百万円、アミューズメント事業29百万円、音楽映像事業0百万円、総額は913百万円となりました。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。