【要約中間連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社デンソー(以下、「当社」)は、日本に所在する株式会社です。当社及び国内外の連結子会社(以下、まとめて「連結会社」)は、「日本」、「北米」、「欧州」、「アジア」、「その他」の各セグメントで、主に自動車部品におけるサーマルシステム、パワトレインシステム、モビリティエレクトロニクス、エレクトリフィケーションシステム、先進デバイス、及び非車載事業の領域において、開発、製造及び販売を行っています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
本要約中間連結財務諸表は、「連結財務諸表規則」第1条の2第2号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を全て満たすことから、同規則第312条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しています。本要約中間連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求される全ての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものです。当社の当中間期の要約中間連結財務諸表は、2024年11月5日に取締役社長 林新之助によって承認されています。
(2) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
本要約中間連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。
見積り及びその基礎となる仮定は、関連性があると思われる過去の経験及びその他の要素に基づいていますが、実績はこれらの見積りと異なる場合があるため、継続的に見直しています。会計上の見積りの修正は、修正した期間にのみ影響を及ぼす場合は見積りが修正された期間に認識され、修正した期間及び将来の期間の双方に影響を及ぼす場合には当該期間及び将来の期間で認識されます。
本要約中間連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、前連結会計年度から重要な変更はありません。
3.重要性のある会計方針
本要約中間連結財務諸表において適用する重要性のある会計方針は、前連結会計年度の連結財務諸表において適用した会計方針と同一です。
なお、当中間連結会計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を基に算定しています。
4.事業セグメント
報告セグメントの識別方法、各報告セグメントが営む事業の内容及びセグメント利益の測定基準については、当中間連結会計期間において重要な変更はありません。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
5.企業結合
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当社は2023年8月1日よりBelua Beheer B.V.を新たに当社の完全子会社としています。
(1) 企業結合の概要
当社は、Certhon Build B.V.を始めとするセルトングループの親会社であるBelua Beheer B.V.の株式を2023年8月1日に譲り受け、Belua Beheer B.V.を当社の完全子会社としました。その結果、当社の保有するBelua Beheer B.V.の議決権比率は40%(2023年7月31日時点)から100%(2023年8月1日時点)となり、当社は議決権の全てを保有しています。
(2) 企業結合の理由
農業生産事業のグローバル展開の加速を目的としています。
(3) 被取得企業の概要
名称 Belua Beheer B.V.
事業内容 施設園芸ソリューションの開発、販売
(4) 支配獲得日
2023年8月1日
(5) 取得対価及びその内訳
(単位:百万円)
当社が支配獲得時に既に保有していたBelua Beheer B.V.に対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果、2,858百万円の利益を認識しています。この利益は、要約中間連結損益計算書上、「その他の収益」に計上されています。
また、当該企業結合に係るアドバイザリー費用等の取得関連コスト295百万円(2023年3月31日に終了した連結会計年度89百万円、当中間連結会計期間206百万円)を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(6) 支配獲得日における資産・負債の公正価値及びのれん
(単位:百万円)
(注)のれん
のれんは、今後の事業展開や当社と被取得企業とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を反映したものです。税務上損金算入可能と見込まれるのれんの金額は発生していません。
(7) 子会社の支配獲得による支出
(単位:百万円)
(8) 被取得企業の売上収益及び中間利益
要約中間連結損益計算書に認識している、支配獲得日以降における内部取引消去前の被取得企業の売上収益及び中間利益に重要性はありません。
(9) 企業結合が期首に完了したと仮定した場合の、連結売上収益及び連結純利益
Belua Beheer B.V.の企業結合について、支配獲得日が2023年4月1日であったと仮定した場合の、2023年9月30日に終了した6か月間における当社の連結業績に係るプロフォーマ情報(非監査情報)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
該当事項はありません。
6.棚卸資産
「棚卸資産」の正味実現可能価額までの評価減の金額は以下のとおりです。
7.有形固定資産
(1) 「有形固定資産」の帳簿価額の増減は以下のとおりです。
(注)有形固定資産の減価償却費は、要約中間連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
(2) コミットメント
有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントは以下のとおりです。
8.売却目的で保有する資産
2024年3月29日付で、当社が保有する株式会社豊田自動織機(以下、豊田自動織機)株式について、一部の売却及び残る株式全てについて株式先渡契約を締結したことにより、保有している豊田自動織機株式を売却目的保有に分類したものです。
なお、要約中間連結財政状態計算書の「売却目的で保有する資産」、「売却目的で保有する資産に直接関連する負債」、「売却目的で保有する資産に関連するその他の包括利益」の内訳は、それぞれ「その他の金融資産」、「繰延税金負債」、「FVTOCIに指定した資本性金融商品への投資による損益」です。
9.配当
配当金の支払額は以下のとおりです。
(1) 前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(2) 当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
基準日が当中間連結会計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が当中間連結会計期間末後となるもの
(1) 前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注)2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。「1株当たり配当額」 については、当該株式分割前の金額を記載しています。
(2) 当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
10.売上収益
収益の分解
連結会社は先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカであり、自動車メーカ向けの部品供給事業を中心にビジネスを行っています。市販・非車載事業においては、主に、エンドユーザ向けに自動車補修用部品等の販売を行っています。これらのビジネスから生じる収益は顧客との契約に従って計上し、売上収益として表示しています。
得意先別に分解した売上収益は以下のとおりです。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
トヨタグループ向け売上収益について、セグメント別に分解した売上収益はそれぞれ、日本は991,430百万円、北米は384,553百万円、欧州は53,001百万円、アジアは357,492百万円、その他は23,631百万円です。
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
トヨタグループ向け売上収益について、セグメント別に分解した売上収益はそれぞれ、日本は951,112百万円、北米は448,663百万円、欧州は68,517百万円、アジアは358,131百万円、その他は23,616百万円です。
製品別に分解した売上収益は以下のとおりです。
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
11.その他の収益
「その他の収益」の内訳は以下のとおりです。
(注)前中間連結会計期間の「その他」には、当社が支配獲得時に既に保有していたBelua Beheer B.V.に対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果による利益2,858百万円(注記5「企業結合」参照)が、含まれています。
12.販売費及び一般管理費及びその他の費用
「販売費及び一般管理費」の内訳は以下のとおりです。
「その他の費用」の内訳は以下のとおりです。
13.金融商品に係る収益及び費用
「金融収益」の内訳は以下のとおりです。
「金融費用」の内訳は以下のとおりです。
14.1株当たり中間利益
(1) 基本的1株当たり中間利益の算定上の基礎
① 親会社の所有者に帰属する中間利益
② 普通株式の期中平均株式数
(注)2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して「1株当たり中間利益」を算定しています。
(2) 希薄化後1株当たり中間利益の算定上の基礎
希薄化後1株当たり中間利益については、希薄化効果のある株式が存在しないため記載していません。
15.金融商品
金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しています。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告期間の期首時点で発生したものとして認識しています。
なお、2023年9月30日に終了した6か月間及び2024年9月30日に終了した6か月間において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
(1) 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注)1年内返済及び償還予定の残高を含んでいます。
当中間連結会計期間(2024年9月30日)
(注)1年内返済及び償還予定の残高を含んでいます。
償却原価で測定する短期金融資産、短期金融負債については、公正価値は帳簿価額と近似しているため、
注記を省略しています。
長期借入金の公正価値は、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り
引いた現在価値により算定しています。
(2) 経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
前連結会計年度(2024年3月31日)
(注)要約中間連結財政状態計算書の「売却目的で保有する資産」417,578百万円が含まれています。
当中間連結会計期間(2024年9月30日)
(注)要約中間連結財政状態計算書の「売却目的で保有する資産」228,800百万円が含まれています。
デリバティブは主に為替予約、金利スワップ、金利通貨スワップに係る取引です。
為替予約の公正価値は、先物為替相場等に基づき算定しています。金利スワップ、金利通貨スワップの公正価値は、取引先金融機関等から提示された金利等、観察可能な市場データに基づき算定しています。
非上場株式、その他の持分証券の公正価値測定においては、特定の状況に応じて最も適切な方法を選択しています。評価技法は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法、又は、必要に応じてPBRによる時価修正等を加えた修正時価純資産方式等を使用することにより算出しています。
非上場株式、その他の持分証券の公正価値測定で用いている重要な観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは、30%で算定しています。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりです。
(注1) 損益に含まれている利得及び損失は、決算日時点の純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの損益は要約中間連結損益計算書上「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
(注2) その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの損益は要約中間連結包括利益計算書上「FVTOCIに指定した資本性金融商品への投資による損益」に含まれています。
(注3) 保有銘柄の上場に伴うレベル1への振替によるものです。
16.関連当事者取引
前中間連結会計期間(自 2023年4月1日 至 2023年9月30日)
当中間連結会計期間(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日)
17.偶発事象
当中間連結会計期間末における偶発債務の内容は以下のとおりです。
独占禁止法関連
(1) 国及び競争法当局による調査
一部の国において当局による調査に対応しています。
(2) 民事訴訟
特定の自動車部品の過去の取引に関する独占禁止法違反の疑いに関連して、英国の裁判所において顧客1社が提起した訴訟で当社(及び一部の当社子会社)が被告に含まれています。当該訴訟は英国の民事訴訟規則に則って手続きが進行しますが、当社はどの段階でも原告側と和解交渉を開始し、和解することが可能です。
(3) 個別の和解交渉
当社は、特定の自動車部品の過去の取引に関する独占禁止法違反の疑いに関連して、主要顧客(自動車メーカ)との間で個別に交渉を行っています。
当社は、上記事案のいくつかについて、支出の可能性のある金額を見積ったうえ、引当金を計上しており、これに関する費用は、「その他の費用」に含めています(注記12「販売費及び一般管理費及びその他の費用」参照)。
なお、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従い、当社の立場が不利になる可能性があるため、これらの係争の全般的な内容を開示していません。
18.後発事象
連結会社は、後発事象を2024年11月5日まで評価しています。
自己株式の取得及び消却
当社は、2024年10月31日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条第1項及び当社定款の規定に基づく自己株式取得に係る事項、並びに同法第178条の規定に基づき、自己株式の消却を行うことを決議いたしました。
(1)当社の自己株式の取得方針
当社は、社会課題の解決と事業成長の両立に向けて、2021年度に刷新した財務戦略のもと、資本コストを意識した経営を行い、ROEを極大化し、企業価値の創造に取り組んでいます。財務戦略では、①収益体質の強化、②低収益資産の圧縮、③資本構成の改善、④市場との対話を4つの柱としています。これらの財務戦略に基づき、借入の活用や調達多様化、積極的な株主還元を通じ、効率性と安全性のバランスがとれた資本構成へ改善することを目指しています。
自己株式の取得につきましては、資本コストを意識した株主還元及び資本構成の改善を図ることを目的として、株主資本比率が60%を超過しないように是正を図りながら、理論株価との比較を通じ機動的に実施することを基本方針としています。
上記方針に基づき、2022年3月期には約975億円、2023年3月期には約1,000億円、2024年3月期には約2,000億円の自己株式取得を実施しました。
(2)本自己株式取得を行う理由
当社は、上記自己株式の取得方針に加え、当社株式を取り巻く状況を踏まえ、本自己株式取得の取得規模を決定しています。
昨今金融機関を中心に政策保有株式縮減の取り組みが加速しており、当社においても、株主である一部金融機関より売却の意向がある旨を伺っております。こうした金融機関の動向を踏まえ、当社は、上記自己株式の取得方針に加え、今後の当社株式に係る市場需給への懸念にも対応すべく、本自己株式取得の取得規模を決定しました。自己株式の取得は、当社が重要事実を有する状況下では実施できないことから、本自己株式取得の取得規模は市場流動性対比で買付可能な最大規模相当としています。
今後も当社は、事業ポートフォリオの変革加速に向けた成長投資への投入を優先しつつ、上記自己株式の取得方針に基づき、自己株式の取得を機動的に実施していきます。なお、将来的に特定の大株主による大規模な当社株式の売却意向を確認した場合には、当社は、本自己株式取得に追加で自己株式取得を実施することにより、大株主からの当社株式の売却へ対応することも検討していきます。
(3)自己株式取得に関する取締役会決議の内容
(4)自己株式の消却に係る事項の内容