第1【公開買付要項】

1【対象者名】

NECネッツエスアイ株式会社

 

2【買付け等をする株券等の種類】

普通株式

 

3【買付け等の目的】

(1)本公開買付けの概要

 公開買付者は、本書提出日現在、対象者普通株式57,320,295株(所有割合(注1):38.47%)を所有するとともに、議決権行使の指図権を留保して三井住友信託銀行株式会社を受託者(株式会社日本カストディ銀行に再信託)とする退職給付信託(以下「公開買付者退職給付信託」といいます。)に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)と合わせて、対象者普通株式76,520,295株(所有割合:51.36%)を実質的に所有しており、対象者を連結子会社としております。公開買付者は、2024年10月29日開催の取締役会において、対象者普通株式の全て(ただし、譲渡制限付株式報酬として対象者の各取締役に付与された対象者の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)を含み、公開買付者が実質的に所有する対象者普通株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。以下同じとします。)を取得し、対象者普通株式を非公開化することを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。

(注1) 「所有割合」とは、対象者が2024年10月29日に公表した「2025年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「対象者第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年9月30日現在の発行済株式総数(149,321,421株)から、対象者第2四半期決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(339,971株)を控除した株式数(148,981,450株)(以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じとします。

 

 公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を22,756,305株(所有割合:15.27%)と設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。他方、上記のとおり、公開買付者は、対象者普通株式の全てを取得することにより、対象者普通株式を非公開化することを目的としているため、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。なお、買付予定数の下限(22,756,305株)については、本基準株式数(148,981,450株)に係る議決権の数である1,489,814個に3分の2を乗じ、1未満に係る数を切り上げた数(993,210個)に対象者の単元株式数(100株)を乗じた株式数(99,321,000株)から、公開買付者が実質的に所有する対象者普通株式の数(76,520,295株)及び本譲渡制限付株式の数(44,400株)(注2)を控除した株式数(22,756,305株)としております。これは、本取引において、対象者普通株式を非公開化することを目的としており、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、本取引の実施を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が対象者の総株主の総議決権数の3分の2以上を実質的に所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものです。

(注2) 本譲渡制限付株式に関しては、譲渡制限が付されていることから本公開買付けに応募することができませんが、対象者は、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議していることから、本譲渡制限付株式を有する対象者取締役は、本公開買付けが成立した場合には、本スクイーズアウト手続(以下に定義します。)に賛同する見込みであると考えておりますので、買付予定数の下限を考慮するにあたって、これらの本譲渡制限付株式の数を控除しております。

 

 また、上記のとおり、公開買付者は、対象者普通株式を非公開化することを目的としているため、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより対象者普通株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、対象者の株主を公開買付者のみとし、対象者普通株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しております。なお、公開買付者が公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)については、公開買付者は、公開買付者退職給付信託の受託者との間で、信託管理人の指図がなければ処分等(本公開買付けへの応募を含みます。)しない旨を含む退職給付信託契約を締結しており、信託管理人との間で、本公開買付けに応募するよう指図しないことを口頭で確認しております。本公開買付けが成立した場合には、速やかに、その全てについて無償交付を受ける予定であり、本スクイーズアウト手続の実施時点では公開買付者が当該対象者普通株式の所有者となることが予定されています。

 

 なお、下記「8 買付け等に要する資金」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社三井住友銀行からの借入れにより賄うことができるよう、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに236,000,000千円を限度として借入れを実行することを予定しております(ただし、公開買付者は、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までの資金繰りの状況等を踏まえて、上記限度額の一部について借入れを実行せず、代わりに自己資金を充当する可能性があります。)。

 

 対象者が2024年10月29日付で公表した「当社親会社である日本電気株式会社による当社普通株式に対する公開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。対象者取締役会の意思決定過程の詳細については、対象者プレスリリース、並びに下記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」及び下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅷ)対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針

① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

(ⅰ)本公開買付けの背景

 公開買付者は、1949年5月に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)へ上場し、1961年10月には東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されました。なお、現在は、2022年4月における東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場に上場しております。

 NECグループ(公開買付者並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社を総称していいます。以下、同じです。なお、2024年9月30日現在、NECグループは、公開買付者、連結子会社252社及び持分法適用関連会社54社で構成されています。)は、「ITサービス」及び「社会インフラ」の2つの中心事業に加え、将来の成長の主軸となるヘルスケア・ライフサイエンス事業を含む「その他」の3つの事業区分を展開し、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指しております。

 公開買付者は、上記を自らの存在意義(Purpose)としたNEC Wayのもと、2021年5月に、2026年3月期を最終事業年度とする「2025中期経営計画」(以下「2025中計」といいます。)を策定しました。また、2025中計実現のための最適な組織体制とすることを目的に、2023年4月から事業セグメントを「ITサービス」と「社会インフラ」に変更しております。「ITサービス」では、国内においては、近年特に需要が増している企業・行政によるDX(注3)化をサポートするため、国内でも有数のコンサルタントリソースを有するグループ会社のアビームコンサルティング株式会社と連携しながら、戦略構想策定から実装・運用までをEnd to End(注4)で支援するビジネスを拡大しております。海外においては、デジタル・ガバメント事業(注5)及びデジタル・ファイナンス事業(注6)を進めており、主に政府・自治体や金融機関向けのSaaSビジネスモデル(注7)を展開しております。「社会インフラ」は、通信領域の仮想化・オープン化、ソフトウェア・サービスや通信事業者のDXを推進するテレコムサービス事業と、主に政府機関向けに航空宇宙及び国家安全保障領域に関わるICT(注8)ソリューションを提供するエアロスペース・ナショナルセキュリティ事業によって構成されており、国家の安全保障や国民の安全・安心に関するソリューションの需要の高まりに応えるべく、光通信技術や無線通信技術、暗号・セキュリティ技術等の開発に注力しております。

(注3) DX(Digital Transformation)とは、データやデジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルの創出や既存ビジネスの変革を行うことを指します。

(注4) End to Endとは、コンサルティング、開発、運用、移行といった顧客におけるビジネスプロセスの全てをワンストップで統合的に対応することを指します。

(注5) デジタル・ガバメント事業とは、政府・自治体向けに行政サービスのデジタル化を支援するソフトウェアを提供する事業を指します。

(注6) デジタル・ファイナンス事業とは、金融機関向けに金融サービスのデジタル化を支援するソフトウェアを提供する事業を指します。

(注7) SaaSビジネスモデルとは、ソフトウェアの機能をネットワーク経由でサービスとして提供するビジネスモデルを指します。

(注8) ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術を指します。

 

 一方、対象者は、1953年11月に電気通信設備の工事設計、施工、保守を目的として、公開買付者の営業部工事所より分離独立する形で日本電気工事株式会社として設立されたとのことです。その後、1980年12月に日本電気システム建設株式会社に、2005年10月に現社名であるNECネッツエスアイ株式会社に商号変更したとのことです。また、1983年12月に東京証券取引所市場第二部へ上場し、1992年9月には東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されたとのことです。なお、現在は、2022年4月における東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場に上場しているとのことです。

 対象者グループ(対象者並びにその連結子会社及び持分法適用関連会社を総称していいます。以下、同じです。なお、2024年9月30日現在、対象者グループは、対象者、連結子会社17社及び持分法適用関連会社3社で構成されているとのことです。)は、顧客視点で新たなコミュニケーションを創出するシステムインテグレーターとして、企業、通信事業者、官庁・自治体、社会インフラ事業者といった幅広い顧客に対し、主にコミュニケーション分野を中心としたICTシステムにつき、企画・コンサルティングから、設計、構築、運用・監視、アウトソーシングやクラウドに至るシステム、サービスを提供するとともに、ネットワーク/コミュニケーション機器等の製造・販売を展開しているとのことです。

 昨今の対象者グループを取り巻く環境については、あらゆる業界においてデジタル技術やサービスが浸透し、事業活動や提供サービスの高度化、高付加価値化への投資が拡大するとともに、人手不足を背景とした業務効率化など戦略的なデジタル・IT利活用のためのプロアクティブな投資が進展するなど、堅調に推移しているとのことです。具体的には、企業においては、DX等の先端技術を活用したオフィス、在宅といった場所にとらわれない新しい働き方や、製造業などにおけるスマートファクトリー化、それに伴うセキュリティの見直し等のニーズが高まっているとのことです。通信事業者においては、デジタルサービス利活用の拡大等に伴う通信トラフィックの加速度的な増加に伴う通信品質向上のための持続的な投資に加え、更なる通信サービス高度化、効率化のための基盤整備も拡大しつつあるとのことです。また、官庁・自治体をはじめとした社会公共分野においては、激甚化する災害への対応や労働人口減少、高齢化等に対応するため、デジタル技術等のITと融合した社会インフラ基盤の高度化に対する整備が活発化しているとのことです。

 かかる状況を踏まえ、対象者グループは2030年に向けた目指す社会像として、持続可能で、豊かに響きあう社会「Sustainable Symphonic Society」の実現を掲げ、この実現のため、2022年5月に、2025年3月期を最終事業年度とする中期経営計画「Shift up 2024」を策定したとのことです。対象者グループは中期経営計画の3か年において、DX×次世代ネットワークを軸に、自社実践によるノウハウや顧客の現場を熟知している強みを生かした顧客目線のコンサルテーションと顧客伴走によるスパイラル型成長を行う新しい事業モデルへのシフトに注力しているとのことです。これらSustainable Symphonic Societyの実現に向け社会への提供価値を高める戦略、施策を実行するため、各種投資や人材育成を含めた経営基盤の強化にも取り組んでいるとのことです。

 公開買付者と対象者の資本関係は、1953年11月に公開買付者が100%出資により対象者(当時の商号:日本電気工事株式会社)を設立したことにより始まり、対象者普通株式が1983年12月に東京証券取引所市場第二部へ上場するまでの期間においては、対象者による増資の引受け等により公開買付者が所有する対象者普通株式数の増加はあったものの、100%出資の状態が継続しておりました。1983年12月に行われた対象者普通株式の上場に際しては、公開買付者が、その所有株式の一部を売出したため対象者普通株式の上場日時点において所有する対象者普通株式数は9,000,000株(当時の所有割合(注9):69.23%)に減少しましたが、依然として、対象者は公開買付者の連結子会社でありました。その後も公開買付者による市場売却、対象者による株式無償割当て、公開買付者による対象者の転換社債の取得及び株式転換等により公開買付者が所有する対象者普通株式数は増減を繰り返し、さらに、2001年2月には、公開買付者が、当時所有していた対象者普通株式21,341,465株(当時の所有割合:49.60%)のうち6,400,000株(当時の所有割合:14.88%)を公開買付者退職給付信託に対して拠出したことから、その所有する対象者普通株式数は14,941,465株(当時の所有割合:34.73%)となりましたが、公開買付者退職給付信託に対して拠出した対象者普通株式に係る議決権行使の指図権を留保していたこともあり、公開買付者は、これらの期間を通じて、一貫して、対象者を連結子会社としておりました。さらに、その後、市場外での売却や対象者普通株式を対価とした組織再編を通じた追加取得等を経て、2006年4月1日時点での公開買付者の所有する対象者普通株式数は19,106,765株(当時の所有割合:38.39%)となりました。その後は、公開買付者による対象者普通株式の売却等はありませんでしたが、対象者が2020年6月に行った対象者普通株式1株を3株とする株式分割により、公開買付者による対象者普通株式の所有株式数は57,320,295株(所有割合:38.47%)となっており、また、公開買付者退職給付信託に拠出されている対象者普通株式は19,200,000株(所有割合:12.89%)となっております。

(注9) 「当時の所有割合」とは、対象者の当時の発行済株式総数に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。

 

 公開買付者は、1953年11月の対象者の設立以降、対象者グループへの製品供給やシステムの構築並びに保守サービスの委託等、現在の事業基盤を確立する過程において、対象者との事業連携を強化・維持してまいりました。2006年4月には、公開買付者の完全子会社であり、キャリアネットワーク及びパブリックネットワークの保守、運用監視サービス及び現地調整などを主要事業としていたNECテレネットワークス株式会社の全株式を同社と対象者の間の株式交換の実施により対象者に譲渡しました。これにより、対象者をNECグループにおけるネットワークソリューション領域(注10)における中核会社と位置づけ、大企業のみならず、中堅企業・地域市場への対応力を強化するとともに、プロジェクトマネジメント力の強化や、先進的なソリューション提供に向けた技術力の向上を推進してまいりました。また、今後、DX投資が大企業や中央官庁に限らず、中小企業や地方自治体においても拡大していくことが期待される中で、対象者は、NECグループにおいて、働き方DXサービスや次世代ネットワークセキュリティ等、市場のニーズに即したサービス展開及び全社のDXネイティブ化に注力しており、オープン化・デジタル化が本格化する全国の地域・地方自治体向け事業やデジタル社会基盤領域での競争力強化が期待されております。

(注10) ネットワークソリューション領域とは、無線・有線ネットワークシステムを構築・運用する通信ソリューションを顧客に提供する事業領域を指します。

 上記のような公開買付者と対象者間の歴史的背景の中で、両社間の取引関係も拡大しております。公開買付者は、対象者グループが顧客に提供するネットワークシステムに関する情報通信機器をメインサプライヤーとして供給しており、対象者は、公開買付者が顧客に提供するネットワーク関連システムの構築並びに保守サービスを請け負う関係にあるなど、安定的な取引関係を構築しております。

 このように、対象者は、公開買付者にとって過去から一貫して戦略的パートナーであり、最も重要な子会社の1つとなっております。

 

(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯・目的

 上記のとおり、公開買付者は、対象者をネットワークソリューション領域における中核会社であり、施工力を有するSIer(注11)という独自のポジションから国内の地域・地方自治体で需要が加速するDX化を推進するパートナーと位置づけ、対象者普通株式の上場を維持することにより、対象者の業界における知名度向上や優秀な人材確保等、上場会社としてのメリットの継続的な享受を図る一方で、公開買付者からの人的支援や企業ネットワークの活用、NECグループが保有する経営ノウハウやネットワークの提供を通じて、対象者を除くNECグループ各社と対象者との連携を強化することで、競争が激化するネットワークソリューション業界並びにIT業界における対象者の持続的成長の実現を図ってまいりました。

(注11) SIerとは、顧客の課題解決にむけたITシステムの設計・開発・運用・保守を請け負う企業(システムインテグレーター)を指します。

 しかしながら、足元の国内ネットワークソリューション市場並びにITサービス市場は、継続的な成長が見込まれる中で、市場環境が急速に変化していると認識しております。例えば、異業種からの新規参入や業界を超えた再編の活発化といったビジネス環境の変化、AI(注12)、IoT(注13)、5Gネットワークをはじめとしたテクノロジーの進化等を背景に、社会・企業のデジタル化によるネットワーク需要並びにIT需要が加速していると認識しております。また、企業の成長を支えるインフラである次世代ネットワークについては、ローカル5Gの市場の本格化も遅れていると認識しているものの、足元では様々な活用方法が具体化しつつあり、企業のIT投資についても、大企業のみならず中小企業においても、従来型のITサービスから、既存システムのクラウド化及びオペレーションのデジタル化支援へのシフトが進行していると考えており、将来的にはビジネス拡大に向けデジタル技術を活用したクラウドベースのサービス導入の増加が見込まれるものと考えております。また、社会基盤領域においても、デジタル田園都市国家構想の加速や地方自治体におけるDX化の推進によりIT及びネットワークの統合環境構築・運用の技術高度化の需要が拡大しており、社会全体でのデジタル化が必須となっていくものと考えております。

(注12) AIとは、Artificial Intelligence(人工知能)の略で、コンピュータが蓄積されたデータを学習・分析し、推論や判断、課題解決などを行う技術を指します。

(注13) IoTとは、「モノのインターネット」という意味で、様々なモノがインターネットに接続されることで相互に情報交換できる仕組みを指します。

 このような中、公開買付者としては、これまでの独立した上場企業としての対象者のオーガニックな成長を前提とした経営課題の特定・解決や成長戦略の遂行にとどまらず、対象者が、急速に変化する市場環境やテクノロジーの進化による競争環境、IT/DXケイパビリティ(注14)の拡充に向けた国内におけるIT人材の獲得競争を勝ち抜き、これまでの競争優位性を維持しつつ持続的に成長していくためには、既存のオーガニックな成長戦略を超え、BluStellar(注15)をはじめとするNECグループにおける経営資源(各種人材・財務基盤・情報・ノウハウ等)の迅速かつ柔軟な相互活用が重要となってきていると認識しております。

(注14) IT/DXケイパビリティとは、IT・デジタル技術を活用し、業務の効率化からビジネスモデルやサービス全体の変革を推進し新しい価値を創出する能力を指します。

(注15) BluStellarとは、公開買付者が2024年5月30日に発表した、同社の誇る先進テクノロジーと積み上げてきた知見をもとに、顧客の変革を成功に導く価値創造モデルを指します。

 しかしながら、公開買付者と対象者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、対象者を含むNECグループの経営資源を相互に活用する際には、経営資源を供する会社と利益を創出する会社が必ずしも一致するわけではないため、対象者が上場会社として一般株主(東京証券取引所有価証券上場規程第441条の2にいう「少数株主」と同じ意味を有します。以下同じとします。)を抱えている状態では、公開買付者として対象者に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行った場合でも、利益の一部が対象者の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてかかる経営資源の提供に経済合理性を認めづらいといった状況が生じる可能性もあることから、現状の資本関係では機動的かつ積極的な施策を実行し、対象者を含むNECグループの企業価値の最大化を図るうえで、一定の限界があると考えました。また、公開買付者と対象者との取引関係においても、対象者が公開買付者の上場子会社である限り、対象者の一般株主の利益が害されないよう配慮する必要があるところ、現時点で具体的な不都合が生じているわけではないものの、今後の競争環境や市場環境の変化によっては、公開買付者及び対象者の置かれた状況が複雑化し、かかる対象者の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある等、公開買付者と対象者の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は両社の取引関係の観点からも一定の制約になり得ると考えました。

 このような問題意識を背景として、公開買付者は、2024年5月下旬までに、対象者の競争優位性の維持と持続的な成長のためには、NECグループの経営資源の包括的かつ積極的な活用が必須との考えのもと、対象者普通株式の非公開化によって、公開買付者と対象者の公開買付者以外の株主との間の構造的な利益相反の解消を図り、対象者を含むNECグループの経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが必要であるとの結論に至り、本取引に関する初期的な検討を開始いたしました。

 さらに、公開買付者は、上記のような本取引に関する検討の過程において、本取引を通じたシナジー効果の最大化の観点から、本取引を通じて対象者普通株式を非公開化した後におけるNECグループ内での対象者の事業の位置づけについてもあわせて検討しており、同じく2024年5月下旬までに、公開買付者が営む消防防災事業(注16)を対象者へ、公開買付者が営むSME事業(注17)を公開買付者の完全子会社でありNECグループにおいてSME向けITサービス事業を担うNECネクサソリューションズ株式会社(以下「NECネクサソリューションズ」といいます。)へ、それぞれ承継し(以下「本事業承継」と総称します。)、さらに公開買付者が、今後、その完全子会社として設立予定の中間持株会社(以下「本中間持株会社」といいます。)に対して、公開買付者が所有するNECネクサソリューションズの全株式及び本取引の完了後において所有することとなる対象者の全株式を移管すること(本事業承継とあわせて、以下「本グループ内再編」と総称します。)で、NECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化や経営資源の相互活用による競争力の強化及び経営の効率化等を図ることが合理的であると考えるに至りました。公開買付者は、本グループ内再編を実施することで、本中間持株会社のもとでNECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化を実現していく方針です。

(注16) 消防防災事業とは、自治体や国、都道府県における消防、防災業務の効率化・高度化を支援するシステムを提供する事業を指します。

(注17) SME事業とは、中堅中小企業向け事業及び中小自治体における職員向け業務支援、住民向けサービスを提供する事業を指します。

 公開買付者は、本取引を通じて対象者普通株式を非公開化した後、本グループ内再編を実施することで、より強固な資本関係及びグループ組織構造のもとで、以下のような取組みやシナジー効果の追求を目指したいと考えております。

 

1)国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化

 対象者は、全国の地方自治体を含む幅広い顧客層に対し、マルチベンダーSI力(注18)、ネットワーク技術力、工事施工力、全国対応力等をもって国内地域における社会公共インフラの構築に注力してきており、公開買付者は、こうした対象者の事業基盤とNECグループにおいてSME向けITサービス事業を担うNECネクサソリューションズの事業基盤を統合することで、SMEを含む全国の地域・地方自治体向けDX事業及び社会公共インフラ事業における競争力を強化できるものと考えております。

 具体的には、本取引及び本グループ内再編を通じて、NECグループ内の関連する一部組織や機能の再編・整理を行い、ICT領域等のデジタル機能とネットワークインテグレーション(注19)や工事施工等のフィジカル機能をフルスタック・フルラインナップで顧客に提供できる事業体制を構築することで、対象者は国内地域における社会課題をデジタル基盤で解決できる差別化されたDXパートナーとしてのポジションを強化できると考えております。

(注18) マルチベンダーSI力とは、複数の製品ベンダーの製品を組み合わせて最適なITシステム及びネットワークシステムを構築する能力を指します。

(注19) ネットワークインテグレーションとは、顧客の通信ネットワークシステムの設計、構築、運用、保守などを請け負うことを指します。

 

2)経営資源の相互活用による競争力の強化、経営の効率化

 本取引及び本グループ内再編の実行を通じて、公開買付者と対象者の一般株主との間の潜在的な利益相反のおそれを解消することで、今まで以上に対象者に対してNECグループのコンサルティングやセキュリティ、ネットワーク、AI、DX等の技術、製品、知財、人材といった経営資源を積極的に提供できる体制を構築することができるようになるため、対象者の事業の更なる価値創出が実現可能であると考えております。

 具体的には、NECグループは49,000人を超えるシステムエンジニア・技術者を抱えており、高いシステム実装力や技術デザイン力、業種・業務ノウハウを有しており、対象者に対するこれらの経営資源の今まで以上の活用が可能になることにより、対象者のDXソリューション事業及びネットワークソリューション事業の拡大と高度化が可能になると考えております。

 また、NECグループにおけるITシステム投資や管理業務等を共通化することによって、経営効率の向上及びコスト構造の最適化を実現できると考えております。

 

3)非公開化による迅速な意思決定体制の構築及び中長期的な投資/事業改革の実行

 本取引及び本グループ内再編の実行を通じて、NECグループが一体として迅速に意思決定できる体制を構築すると共に、短期的な利益に因われない中長期的な投資や事業改革を断行することで、これまで以上に付加価値の高い成長領域への進出、競争力の向上及び顧客基盤の拡大が可能になり、企業価値の最大化に資するものと考えております。

 

 上記のとおり、2024年5月下旬に本取引に関する初期的な検討を開始した後、2024年7月下旬、公開買付者は、NECグループ及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」といいます。)を、公開買付代理人としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任することで、本取引及び本グループ内再編に関する具体的な検討を実施し、対象者と協議・交渉を行う体制を構築いたしました。そして、2024年7月25日には、公開買付者から対象者に対し、本取引及び本グループ内再編に関して具体的な検討を開始する旨の初期的な意向を伝えました。これに対して、対象者からは、公開買付者の意向については承ったので、正式な提案を待つとの回答が得られたことから、公開買付者は、想定されるシナジーに関する検討をさらに進め、2024年8月6日、対象者に対し、公開買付者が本取引を申し入れた背景や本取引実施後の成長戦略等を記載した意向表明書を提出いたしました。

 これを受けて、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載のとおり、本公開買付けにおける買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2024年8月上旬に、NECグループ及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ法律事務所」といいます。)を選任するとともに、第三者算定機関である大和証券に対し、対象者普通株式の株式価値算定書の提出を依頼したとのことです。

 また、対象者は、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討及び判断を行うための体制を構築するため、2024年8月8日に、特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置したとのことです。なお、本特別委員会設置の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

 その後、公開買付者は、対象者及び本特別委員会より、2024年8月13日並びに2024年9月3日及び5日付で本取引の意義・目的に関して書面による質問を受領したため、それぞれの質問について、2024年8月20日及び22日並びに2024年9月11日に回答しました。また、2024年9月12日開催の本特別委員会において、本特別委員会に対して本取引の意義・目的について説明した上で質疑応答を行い、さらに、本特別委員会から2024年9月26日付で受領した追加質問について2024年10月10日に回答する等、対象者及び本特別委員会との間で本取引の意義・目的に関する協議を継続しました。また、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のために2024年8月下旬から2024年10月中旬までの期間において、対象者グループに対してデュー・ディリジェンスを実施しつつ、並行して本グループ内再編の実現可能性の精査、本取引及び本グループ内再編の意義・目的や見込まれるシナジー等についての社内検討を継続しました。

 かかる検討の結果、公開買付者は、本取引及び本グループ内再編を通じて上記のシナジーが実現可能であるとの考えに至ったことから、2024年10月2日、対象者に対して、対象者の本源的な価値に基づく価格として、本公開買付価格を2,815円(提案実施日の前営業日である同月1日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,787円に対するプレミアム率は1.00%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,688円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対するプレミアム率は4.72%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,594円に対するプレミアム率は8.52%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,495円に対するプレミアム率は12.83%です。)とする旨の価格提案書(以下「第1回目提案書」といいます。)を提出いたしました。これに対して、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月7日、当該本公開買付価格は、対象者の本源的な価値を著しく下回るものであると評価しており、足元の株価水準及び本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分な価格であるとして、価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。これに対して、公開買付者としては、過去事例におけるプレミアム率は対象企業の株価形成の背景を含む様々な個別事情の影響を受け得るため、そのような過去事例におけるプレミアム率との単純比較により本公開買付価格が十分か否かを検討することは必ずしも適切ではなく、本公開買付価格は対象者の本源的価値に基づき決定されるべきとの考えのもと、2024年10月9日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,000円(提案実施日の前営業日である同月8日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,751円に対するプレミアム率は9.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,708円に対するプレミアム率は10.78%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,616円に対するプレミアム率は14.68%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,506円に対するプレミアム率は19.71%です。)とする旨の価格提案書(以下「第2回目提案書」といいます。)を提出いたしました。これに対して、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月10日、当該本公開買付価格についても、対象者の本源的な価値を大きく下回るものであり、対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。そこで、公開買付者は、2024年10月15日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,100円(提案実施日の前営業日である同月11日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,738円に対するプレミアム率は13.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,725円に対するプレミアム率は13.76%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,631円に対するプレミアム率は17.83%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,511円に対するプレミアム率は23.46%です。)とする旨の価格提案書(以下「第3回目提案書」といいます。)を提出いたしました。これに対して、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月16日、当該本公開買付価格についても、対象者の本源的な価値を反映しているものではなく、対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。そこで、公開買付者は、2024年10月22日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,180円(提案実施日の前営業日である同月21日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,683円に対するプレミアム率は18.52%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,736円に対するプレミアム率は16.23%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,648円に対するプレミアム率は20.09%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対するプレミアム率は26.44%です。)とする旨の価格提案書(以下「第4回目提案書」といいます。)を提出いたしました。これに対しても、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月22日、当該本公開買付価格についても、未だ対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。これを受けて、公開買付者は、2024年10月24日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,200円(提案実施日の前営業日である同月23日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,624円に対するプレミアム率は21.95%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,726円に対するプレミアム率は17.39%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,652円に対するプレミアム率は20.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対するプレミアム率は27.14%です。)とする旨の価格提案書(以下「第5回目提案書」といいます。)を提出いたしました。しかしながら、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月25日、当該本公開買付価格についても、依然として、本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較して低い水準にあるとして、再度の価格の引き上げの要請を受けました。これに対して、公開買付者は、同じく2024年10月25日、対象者及び本特別委員会に対して、公開買付者としては更なる価格の引き上げのご要請には応じられず、第5回目提案書で提示した本公開買付価格(3,200円)を改めて前向きに検討して欲しい旨を記載した提案書(以下「第6回目提案書」といいます。)を提出いたしました。その後、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月26日、対象者として、足元の株価水準、対象者の事業計画、本件に類似する過去事例(公表直前の株価が相対的に高い水準にある事例)におけるプレミアム水準、公開買付者からの提案内容等を総合的に勘案し、応募推奨するために、本公開買付価格を3,250円(提案実施日の前営業日である同月25日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,650円に対するプレミアム率は22.64%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,721円に対するプレミアム率は19.44%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,656円に対するプレミアム率は22.36%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,519円に対するプレミアム率は29.02%です。)とすることを提案する旨の提案書(以下「対象者価格提案書」といいます。)を受領しました。これを受けて、公開買付者は、本公開買付価格を3,250円とすることに応諾することとし、2024年10月28日、対象者及び本特別委員会に対して、その旨の連絡を行いました。

 以上のような協議・交渉を経て、公開買付者と対象者は、対象者の2025年3月期の期末配当が無配であることを前提として、本公開買付価格を3,250円とすることで合意に至りました。そこで、公開買付者は、2024年10月29日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決議するに至りました。

 

(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由

(ア)検討体制の構築の経緯

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者から、2024年7月25日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受けたとのことです。これを受けて、対象者は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者は、対象者普通株式の所有割合が51.36%(公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式を含む。)に達する対象者の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2024年8月上旬にNECグループ及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所をそれぞれ選任したとのことです。その後、対象者は、公開買付者から改めて2024年8月6日に本取引に関する意向表明書を受領したとのことです。当該提案を受けて、対象者は、本取引の公正性を担保するため、西村あさひ法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。具体的には、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり本特別委員会の設置に向けた準備を進めたうえで、2024年8月6日に公開買付者から意向表明書を受領した直後の同月8日開催の取締役会決議により、芦澤美智子氏(対象者独立社外取締役)、吉田守氏(対象者独立社外取締役)及び森本美紀子氏(対象者独立社外取締役)の3名から構成される本特別委員会(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(1)本取引の目的の合理性(本取引が対象者の企業価値向上に資するかを含む。)、(2)本取引の取引条件の公正性・妥当性、(3)本取引の手続の公正性、(4)本公開買付けに対して対象者取締役会が賛同意見を表明すること及び対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非、(5)本取引が対象者の一般株主にとって不利益か否か(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)対象者取締役会は、本取引に関する意思決定を行うに際しては、本特別委員会の意見を最大限尊重すること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、対象者取締役会は本取引に賛同しないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)本特別委員会が、取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示及び要請を行うこと等により取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができること(ⅱ)本特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、対象者の費用負担の下、アドバイザー等を選任することができること及び(ⅲ)本特別委員会は、答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を対象者又は対象者のアドバイザー等に対して求めることができることを決議したとのことです(当該取締役会における決議の方法については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 なお、本特別委員会は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年8月23日、上記の権限に基づき、NECグループ及び対象者グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を、独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所をそれぞれ選任する旨を決定したとのことです。

 また、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会において、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに対象者のリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所について、NECグループ及び対象者グループからの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任の承認を受けているとのことです。

 さらに、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅶ)対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けているとのことです。

 

(イ)検討・交渉の経緯

 そのうえで、対象者は、大和証券から対象者普通株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、西村あさひ法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってきたとのことです。

 また、公開買付者から2024年8月6日に本取引に関する意向表明書を受領して以降、対象者は、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってきたとのことです。

 具体的には、対象者及び本特別委員会は、2024年8月6日に本取引に関する意向表明書を受領したことを踏まえて、対象者における検討・協議を進め、2024年8月13日に公開買付者に対し本取引の意義・目的に関して書面による質問をしたところ、2024年8月20日及び22日に、公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けたとのことです。さらに、当該回答を踏まえて、本特別委員会が2024年9月3日及び5日に書面による追加の質問をしたところ、2024年9月11日に、公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けたとのことです。また、2024年9月12日開催の本特別委員会において、公開買付者から当該質問事項に対する回答及び本取引の意義・目的に関する説明を受け、これに対する質疑応答を行うとともに、本取引の意義・目的に関する協議を行ったとのことです。その後、本特別委員会は、さらに2024年9月26日に書面による追加の質問をしたところ、2024年10月10日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受けたとのことです。

 本公開買付価格については、対象者は、2024年10月2日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねてきたとのことです。具体的には、対象者は、公開買付者が対象者グループに対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券が実施した初期的な対象者普通株式価値分析などを総合的に勘案した結果として、公開買付者から、2024年10月2日に本公開買付けにおける本公開買付価格を2,815円(提案実施日の前営業日である同月1日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,787円に対するプレミアム率は1.00%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,688円に対するプレミアム率は4.72%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,594円に対するプレミアム率は8.52%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,495円に対するプレミアム率は12.83%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けたとのことです。しかし、対象者及び本特別委員会は、2024年10月7日、当該本公開買付価格は、対象者の本源的な価値を著しく下回るものであると評価しており、足元の株価水準及び本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分な価格であるとして、価格の引き上げを検討するよう要請したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2024年10月9日、公開買付者より、本公開買付価格を3,000円(提案実施日の前営業日である同月8日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,751円に対するプレミアム率は9.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,708円に対するプレミアム率は10.78%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,616円に対するプレミアム率は14.68%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,506円に対するプレミアム率は19.71%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けたとのことです。しかし、対象者及び本特別委員会は、2024年10月10日、当該本公開買付価格についても、対象者の本源的な価値を大きく下回るものであり、対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請したとのことです。その後、対象者及び本特別委員は、2024年10月15日、公開買付者より、本公開買付価格を3,100円(提案実施日の前営業日である同月11日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,738円に対するプレミアム率は13.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,725円に対するプレミアム率は13.76%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,631円に対するプレミアム率は17.83%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,511円に対するプレミアム率は23.46%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けたとのことです。しかし、対象者及び本特別委員会は、2024年10月16日、当該本公開買付価格についても、対象者の本源的な価値を反映しているものではなく、対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、2024年10月22日、公開買付者より、本公開買付価格を3,180円(提案実施日の前営業日である同月21日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,683円に対するプレミアム率は18.52%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,736円に対するプレミアム率は16.23%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,648円に対するプレミアム率は20.09%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対するプレミアム率は26.44%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けたとのことです。しかし、対象者及び本特別委員会は、2024年10月22日、当該本公開買付価格についても、未だ対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請したとのことです。そこで、対象者及び本特別委員会は、2024年10月24日、公開買付者より、本公開買付価格を3,200円(提案実施日の前営業日である同月23日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,624円に対するプレミアム率は21.95%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,726円に対するプレミアム率は17.39%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,652円に対するプレミアム率は20.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対するプレミアム率は27.14%です。)とすることを含んだ本取引に関する提案を受けたとのことです。しかしながら、対象者及び本特別委員会は、2024年10月25日、当該本公開買付価格についても、依然として、本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較して低い水準にあるとして、再度の価格の引き上げを要請したとのことです。その後、対象者及び本特別委員会は、同じく2024年10月25日、公開買付者より、公開買付者としては更なる価格の引き上げのご要請には応じられず、前回の提案書で提示した本公開買付価格(3,200円)を改めて前向きに検討して欲しい旨を記載した提案を受けたとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2024年10月26日、対象者として、足元の株価水準、対象者の事業計画、本件に類似する過去事例(公表直前の株価が相対的に高い水準にある事例)におけるプレミアム水準、公開買付者からの提案内容等を総合的に勘案し、応募推奨するために、本公開買付価格を3,250円(提案実施日の前営業日である同月25日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,650円に対するプレミアム率は22.64%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,721円に対するプレミアム率は19.44%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,656円に対するプレミアム率は22.36%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,519円に対するプレミアム率は29.02%です。)とすることを提案する旨の提案書を提出したとのことです。これに対して、対象者及び本特別委員会は、2024年10月28日、公開買付者より、本公開買付価格を3,250円とすることに応諾する旨の連絡を受けたとのことです。

 

 以上の検討・交渉過程において、対象者は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びに大和証券及び西村あさひ法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーであるプルータス・コンサルティング及び中村・角田・松本法律事務所から助言を受けるとともに、対象者や対象者のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきたとのことです。具体的には、まず、対象者が公開買付者に対して提示し、また、大和証券及びプルータス・コンサルティングが対象者普通株式の価値算定において基礎とする対象者の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けているとのことです。また、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議のうえ決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っているとのことです。

 

 そして、対象者は、2024年10月28日付で、本特別委員会から、①対象者取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議することは妥当であると考える旨、並びに②対象者取締役会における本取引についての決定(すなわち、(A)本公開買付けに賛同の意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定及び(B)本取引の一環として本公開買付け後に行われる株式売渡請求(下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「① 株式売渡請求」において定義します。以下同じとします。)又は株式併合(下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式の併合」において定義します。以下同じとします。)による非公開化手続に係る決定)は、対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考える旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けているとのことです(本答申書の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。なお、対象者は、本答申書と併せて、本特別委員会から、2024年10月28日付で本特別委員会がプルータス・コンサルティングから提出を受けた対象者普通株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)及び本公開買付価格である1株当たり3,250円が対象者の一般株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオン(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の提出も受けているとのことです(本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)。

 

(ウ)判断内容

 以下の経緯の元で、対象者は、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言、2024年10月28日付で大和証券から提出を受けた対象者普通株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行ったとのことです。

 その結果、以下のとおり、対象者としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた対象者の非公開化が対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。

 対象者グループは、コミュニケーションを事業ドメインとし、通信インフラの施工から企業ネットワークのシステムインテグレーションや働き方改革などのソリューション・サービスへと事業を拡大し、企業、通信事業者、官庁・自治体、社会インフラ事業者など幅広い顧客のニーズや社会課題の解決に貢献してきたとのことです。

 対象者グループを取り巻く環境は、日本における少子高齢化に伴う労働力不足や自然災害に対する防災への備えに加え、新型コロナウイルス感染症を契機とした多様な働き方の拡がりや、社会のボーダレス化の進行など、目まぐるしく変化しているとのことです。同時に、デジタル技術の進化やネットワーク技術の高速化・高度化、クラウド化など、テクノロジー面においても変革が加速しているとのことです。

 このように対象者グループを取り巻く経営環境は大きく構造変化しており、今後も変化が予想されるとのことです。こうした長期的な経営環境の変化に的確に対応し、対象者の企業価値をさらに向上するためには、NECグループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、NECグループとのリソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えているとのことです。

 しかしながら、公開買付者と対象者の現在の資本関係においては、公開買付者として対象者に対して企業価値向上に資する経営資源の提供を行った場合でも、利益の一部が対象者の一般株主へ流出してしまい、公開買付者としてかかる経営資源の提供に経済合理性を認めづらいといった状況が生じる可能性もあるとのことから、現状の資本関係では機動的かつ積極的な施策を実行し、対象者を含むNECグループの企業価値の最大化を図るうえで、一定の限界があると考えているとの説明を受けているとのことです。加えて、対象者としても、公開買付者と対象者の一般株主との間で利益相反が生じ得る現状の資本関係の維持は、対象者の一般株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になりうると考えているとのことです。

 

 対象者は、上記の対象者グループを取り巻く経営環境を踏まえ、本取引を通じて対象者を非公開化し、公開買付者と対象者の一般株主との間の構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による対象者グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行並びに以下のようなシナジーの創出が期待できることから、対象者の更なる企業価値向上に資するとの結論に至ったとのことです。

 

Ⅰ.NECグループの経営資源活用・連携による成長戦略加速、競争力強化

 対象者は、DX×次世代ネットワークを軸に、自社実践によるノウハウや顧客の現場を熟知している強みを生かした顧客目線のコンサルテーションと顧客伴走によるスパイラル型成長(注20)を行う新しい事業モデルへのシフトに注力しているとのことです。しかしながら、テクノロジーの急速な進化とともにお客様のニーズも多様化する昨今において、それらを適宜キャッチアップし、お客様の期待を超えるサービスを提供し続けるために必要な人材を含めた事業アセットをオーガニック(注21)に強化、拡充することは、今後より一層難しくなると考えているとのことです。対象者は従来よりNECグループと必要な連携を進めてきたとのことですが、本取引を通じて、NECグループが有するAI領域をはじめとした最新テクノロジー及び知財・ノウハウ、コンサルティング力などに加え、豊富な技術リソース等の事業アセットを、密接かつ機動的に活用、連携を強化することが可能となり、対象者の成長戦略の実現性をより一層加速させるとともに、結果として競争力強化、企業価値向上に繋がるものと考えているとのことです。

(注20) 顧客伴走によるスパイラル型成長とは、「コンサル」を起点に既存のお客様の課題への持続的な改善提案及び新たなお客様の開拓を進め、経験、データの蓄積が増えることで、社会・顧客価値の創造力をさらに高め、それがカスタマーサクセス、サステナビリティの実現に繋がっていくという循環型・螺旋型成長モデルを指します。

(注21) オーガニックとは、社内に蓄積された人材、商品、技術などの経営資源を有機的に結びつけ、活かして、自助努力で会社を成長、発展させていく方法を指します。

 

Ⅱ.総合力の強化、事業基盤の強化

① ICT基盤から業種・業務系IT・ソフトウェア領域まで含めた総合力の強化

 対象者は、マルチベンダーSI力、ネットワーク技術力、工事施工力、全国対応力等に強みを持つSIerとして、国内外の幅広いお客様に、様々なICTシステム、サービスを提供しているとのことです。今回、本グループ内再編を通じて、業種・業務系IT・ソフトウェア領域に強みを持つNECネクサソリューションズ及び同社に事業承継されるSME事業と一体的な経営を行う体制となることで、ICT基盤から業種・業務系IT・ソフトウェア領域までフルスタック、フルラインナップでサービス・事業展開が可能となり、総合力のより一層の強化が図れるものと考えているとのことです。これにより、デジタル化、IT/ネットワーク融合が加速する事業環境下において、企業や官庁自治体をはじめとしたお客様課題に対するあらゆる側面からのソリューション提供が可能になり、他社との競争力も一気に強化できるものと考えているとのことです。

 

② 社会公共インフラ領域における事業基盤強化

 社会公共領域においては、強靭で安全・安心な社会の実現に向けて、よりレジリエンス(注22)で効率的なシステムの導入、IT/ネットワーク融合が進展しているとのことです。それらニーズへの事業対応力の強化と同時に、監理技術者をはじめ建設業法に対応するための人材の確保が課題となっているとのことです。本グループ内再編を通じて、消防防災事業が対象者に事業承継、集約されることで、市場・事業戦略からシステムインテグレーション・運用まで一気通貫して提供する体制強化、事業基盤をより一層強化できるものと考えているとのことです。これにより、お客様に対するより付加価値の高いサービスの展開が可能になるとともに、事業効率化による利益最大化、競争力強化が図れるものと考えているとのことです。また、消防防災事業をはじめとした社会公共領域におけるNECグループとの連携強化により、他の社会インフラ領域での事業拡大並びに対象者の特徴であるミッションクリティカル(注23)なSI力の一層の強化が図れるものと考えているとのことです。

(注22) レジリエンスとは、システム面においては、災害等への耐性が高く、安定的に機能を維持できること、又はシステムの二重化など障害時の影響を最小限に抑える機能を有することを指します。

(注23) ミッションクリティカルとは、例えば業務が滞ることによって社会や企業に損害を与えるような公共性の高いシステムに必要不可欠な極めて高い信頼性、技術や品質を指します。

 

③ 事業統合、経営一体化による規模、マーケットの獲得による、業界における存在感、ポジションの向上

 本取引及び本グループ内再編により、対象者を含む本中間持株会社グループの売上規模は5,000億円を超え、従業員は1万人以上、取引顧客数は延べ2万以上と、SIer業界において有数の規模を有する企業グループとなることが見込まれるとのことです。グローバル企業やベンチャー企業などの参入が相次ぐ競争環境において、一定程度以上の企業規模とポジションの向上は経営戦略上の重要課題であり、本件による企業規模の獲得は、競争力強化の観点からも対象者グループにとって有益なものと考えているとのことです。また、本中間持株会社を通じた再編は、人事制度や風土等が異なる段階において、各社の経営資源を的確かつ機動的に活用し、グループとして提供価値を最大化するうえでは有効な体制であると考えているとのことです。なお、本取引の実施が直接的に対象者の売上高、従業員数や取引顧客数に影響を与えることはないが、本グループ内再編を行うためには、本取引の実施が不可欠であると認識しているとのことです。

 

Ⅲ.NECグループとの事業連携・機能集約を通じた経営の効率化

 対象者とNECグループは、本取引を通じて両社の事業連携をさらに強化し、研究開発資産などの経営資源を相互に柔軟に活用する体制を早急に整えることで、対象者のコンサルティング力や高度な業種ソリューションなど、複合的かつ高付加価値のあるサービスの提供機能を拡充し、顧客との連携を迅速かつ効果的に実現することができるとのことです。これにより、対象者の事業基盤の強化及び収益性の向上を図ることができると考えているとのことです。また、対象者普通株式の上場廃止に伴い、上場維持コスト(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用など)及び上場リスクによるコストの削減が見込まれるとともに、管理業務やIT基盤などの効率化が期待されるとのことです。

 これらNECグループとの事業連携・機能集約を通じた経営の効率化が、対象者の企業価値向上に資するものと考えているとのことです。

 

 なお、対象者は、本取引を通じて非公開化されることによる、上場企業としてのブランド力低下に伴う取引先その他のステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下の可能性について検討したとのことです。もっとも、下記「② 本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、NECグループとしては、本取引実施後も、対象者の経営体制の構成について、対象者の独自性を尊重した適切なガバナンスと、対象者を含むNECグループとしてのシナジー効果を最大限実現できる体制づくりを目指し、本取引後に公開買付者と対象者の間で協議していく方針であること、本公開買付け後の対象者従業員の継続雇用方針や処遇の変更、対象者以外のNECグループ会社への配置転換について、現時点で決定した事象等はない(ただし、今後戦略的かつ合理的に必要であると判断した場合、対象者と協議のうえ、方針や処遇の変更、配置転換をする可能性がある)こと、また、IT国内市場の成長・構造変化が進み、エンジニアリソースの確保が重要な課題となる中で、対象者従業員のモチベーションの維持等を図るため、対象者のブランディング向上に繋がる施策についても、対象者の意向も踏まえつつ慎重に検討していく方針であること等を踏まえ、対象者としては、本取引を通じて非公開化されることは、対象者グループの取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられると考えているとのことです。

 

 また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、対象者の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により対象者普通株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。

(ア)下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されている大和証券による対象者普通株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内であること。

(イ)下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティングによる対象者普通株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、DCF法による算定結果の範囲内であること。また、本特別委員会がプルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり3,250円が、対象者の一般株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得していること。

(ウ)本公開買付けの公表日の前営業日である2024年10月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値の2,675円に対するプレミアム率が21.50%、同日までの過去1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,711円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対するプレミアム率が19.88%、同日までの過去3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,659円に対するプレミアム率が22.23%、同日までの過去6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,520円に対するプレミアム率が28.97%と、プレミアムをそれぞれ加えた金額となっている。一般にPBRが高い銘柄は既に株式市場において企業価値が高く評価されているため、公開買付け案件及びM&A案件における市場価格に対するプレミアム比率は低くなる傾向にあるところ、2024年9月30日の対象者のPBRは約2.6倍となっている。経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年7月31日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした上場子会社への公開買付け案件及びMBO案件のうち対象会社のPBRが2倍超の事案16件のうち、過去1ヶ月平均の株価からのプレミアム水準が20~30%の案件が5件で最頻値であり、同様に過去3ヶ月平均の株価からのプレミアム水準が20~30%の案件が5件で最頻値、過去6ヶ月平均の株価からのプレミアム水準が20~30%の案件が5件で最頻値であることも踏まえると、本公開買付価格は、本公開買付価格の対象者普通株式の過去1ヶ月の株価、過去3ヶ月の株価及び過去6ヶ月の株価からは相応のプレミアムが付された水準にあると考えられること。

(エ)対象者の長期の株価推移に照らして、直近20年における対象者普通株式の終値の最高値(2024年10月9日終値)2,804円を上回る水準であること。

(オ)下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の皆様の利益が確保されていると認められること。

(カ)当該措置が講じられたうえで、対象者グループ及びNECグループから独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ね、当初の公開買付者からの提案価格である2,815円から引上げられた価格であること。

(キ)対象者における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「4買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること。

 

 以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議をしたとのことです。

 上記対象者取締役会における決議の方法については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅷ)対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

② 本公開買付け後の経営方針

 公開買付者は、本取引を通じたシナジー効果の最大化の観点から、本取引を通じて対象者普通株式を非公開化した後において、本グループ内再編を実施し、NECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化や経営資源の相互活用による競争力の強化及び経営の効率化等を図る予定です。また、公開買付者は、本グループ内再編を実施することで、本中間持株会社のもとでNECグループにおける国内地域におけるDX領域及び社会公共インフラ領域における事業基盤の強化を実現していく方針です。なお、公開買付者は、本取引を通じて対象者普通株式を非公開化した後、実務上可能な限り速やかに本グループ内再編を実施する意向を有しておりますが、その具体的な完了時期や条件については本書提出日現在において未定であり、今後、対象者との間で協議した上で進めてまいります。

 その他の本取引後の対象者の経営体制については、本書提出日現在において、具体的に予定している事項はなく未定です。今後、対象者の自主性と現在の経営体制を最大限尊重しつつ、対象者と協議の上で、最適な体制の構築を検討していく予定であり、対象者従業員の処遇改善や対象者のブランディング向上につながる施策についても、IT人材確保の必要性が高まっている中にあって対象者従業員のモチベーションの維持・向上を図るべく、対象者の意向も踏まえつつ検討してまいります。なお、本書提出日現在において、本取引後の対象者の従業員の労働条件の変更や人員削減等の人事施策については検討しておりません。

 

(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 公開買付者及び対象者は、対象者が本書提出日現在において公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が対象者における支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の公開買付者以外の株主との間の構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。

 なお、公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者普通株式57,320,295株(所有割合:38.47%)を所有するとともに、公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)と合わせて、対象者普通株式76,520,295株(所有割合:51.36%)を実質的に所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する対象者の一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。もっとも、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。また、本特別委員会は、本答申書において、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えられる旨判断しており、対象者としても同様に判断しているとのことです。

 なお、以下の記載のうち対象者において実施した措置等については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。

(ⅰ)公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅱ)対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

(ⅴ)特別委員会における独立した法律事務所からの助言

(ⅵ)対象者における独立した法律事務所からの助言

(ⅶ)対象者における独立した検討体制の構築

(ⅷ)対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

(ⅸ)取引保護条項の不存在

(ⅹ)対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

 

 以上の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

 

(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、対象者普通株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法により、対象者の株主を公開買付者のみとすることを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しております。

 

① 株式売渡請求

 本公開買付けの成立により、公開買付者及び公開買付者退職給付信託の受託者が所有する対象者普通株式に係る議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式の無償交付を受けることで公開買付者をして会社法第179条第1項に規定する特別支配株主とした上で、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(ただし、公開買付者及び対象者を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する対象者普通株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者普通株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対し株式売渡請求の承認を求める予定です。対象者がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主の全員からその所有する対象者普通株式の全部を取得いたします。この場合、売渡株主がそれぞれ所有していた対象者普通株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会において株式売渡請求を承認する予定であるとのことです。

 株式売渡請求に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する対象者普通株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の対象者普通株式の売買価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 

② 株式の併合

 本公開買付けの成立後、公開買付者及び公開買付者退職給付信託の受託者が所有する対象者普通株式に係る議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき、対象者普通株式の併合を行うこと(以下「株式併合」といいます。)及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者に要請する予定です。対象者プレスリリースによれば、本書提出日現在において、対象者は公開買付者の要請に応じ本臨時株主総会を開催する予定であり、本臨時株主総会の開催は2025年2月中旬頃を予定しているとのことです。なお、公開買付者及び(本臨時株主総会の基準日までに公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式の公開買付者への無償交付が完了していない場合には)公開買付者が議決権行使の指図権を有している公開買付者退職給付信託の受託者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。

 本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者普通株式を所有することとなります。株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた対象者の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者普通株式を対象者又は公開買付者若しくは本中間持株会社に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者普通株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた対象者普通株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に対して要請する予定です。また、対象者普通株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は、対象者に対して、公開買付者が対象者普通株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者を除きます。)の所有する対象者普通株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定です。対象者プレスリリースによれば、対象者は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定とのことです。

 株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主の皆様(公開買付者及び対象者を除きます。)は、対象者に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者普通株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。

 上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者を除きます。)の所有する対象者普通株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する対象者の株主の皆様は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の対象者普通株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 

 上記の株式売渡請求及び株式併合の各手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主の皆様(公開買付者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者普通株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。

 

(5)上場廃止となる見込み及びその理由

 対象者普通株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場されておりますが、公開買付者は本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、対象者普通株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続が実行された場合には東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、対象者普通株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、対象者普通株式が上場廃止となった後は、対象者普通株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。

 

(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項

 公開買付者は、公開買付者退職給付信託の受託者との間で、公開買付者が公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)について、信託管理人の指図がなければ処分等(本公開買付けへの応募を含みます。)しない旨を含む退職給付信託契約を締結しており、信託管理人との間で、本公開買付けに応募するよう指図しないことを口頭で確認しております。なお、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合には、速やかに、公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)の全てについて無償交付を受ける予定です。

 

4【買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数】

(1)【買付け等の期間】

①【届出当初の期間】

買付け等の期間

2024年10月30日(水曜日)から2024年12月11日(水曜日)まで(30営業日)

公告日

2024年10月30日(水曜日)

公告掲載新聞名

電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。

(電子公告アドレス https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

 

②【対象者の請求に基づく延長の可能性の有無】

 該当事項はありません。

 

③【期間延長の確認連絡先】

 該当事項はありません。

 

(2)【買付け等の価格】

株券

普通株式1株につき、金3,250円

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券

(     )

株券等預託証券

(     )

 

算定の基礎

 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、NECグループ及び対象者グループから独立した第三者算定機関であり、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーでもある三菱UFJモルガン・スタンレー証券に対して、対象者の株式価値の算定を依頼いたしました。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。

 

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、市場株価分析、類似企業比較分析及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー分析(以下「DCF分析」といいます。)の各手法を用いて対象者普通株式の株式価値評価分析を行い、公開買付者は三菱UFJモルガン・スタンレー証券から2024年10月28日付で株式価値算定書(以下「買付者株式価値算定書」といいます。)を取得しました(注1)。なお、公開買付者は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

 三菱UFJモルガン・スタンレー証券による対象者普通株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりです。

 

 

 

市場株価分析:  2,520円から2,711円

 

類似企業比較分析:1,813円から2,526円

 

DCF分析:   2,750円から3,373円

 

 

 

 市場株価分析では、基準日を2024年10月28日として、東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の基準日終値(2,675円)、直近1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値(2,711円)、直近3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値(2,659円)及び直近6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値(2,520円)を基に、対象者普通株式1株当たりの株式価値の範囲を2,520円から2,711円までと分析しております。

 

 類似企業比較分析では、対象者と比較的類似する事業を手掛ける上場企業の市場株価と収益等を示す財務指標との比較を通じて、対象者の株式価値を分析し、対象者普通株式1株当たりの株式価値の範囲を1,813円から2,526円までと分析しております。

 

 

 

 DCF分析では、対象者が作成した対象者の2025年3月期から2029年3月期までの事業計画、対象者に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した公開買付者による2025年3月期第3四半期以降の対象者の将来の収益予想や投資計画に関する財務予測に基づき、対象者が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割引くことにより対象者普通株式の株式価値を分析し、対象者普通株式1株当たりの株式価値の範囲を2,750円から3,373円までと分析しております。なお、三菱UFJモルガン・スタンレー証券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本取引により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。

 

 公開買付者は、買付者株式価値算定書の算定結果に加え、対象者グループに対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同及び応募推奨の可否、対象者普通株式の市場株価の動向、本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案しつつ、対象者及び本特別委員会との協議・交渉の結果等を踏まえ、2024年10月29日開催の取締役会において、本公開買付価格を3,250円とすることを決議いたしました。

 

 なお、本公開買付価格(3,250円)の市場株価に対するプレミアム率は、公開買付者による本公開買付けの公表日の前営業日である2024年10月28日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,675円に対して21.50%、過去1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,711円に対して19.88%、過去3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,659円に対して22.23%、過去6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,520円に対して28.97%となります。また、本書提出日の前営業日である2024年10月29日の対象者普通株式の東京証券取引所プライム市場における終値3,000円に対するプレミアム率は8.33%となります。

算定の経緯

(本公開買付価格の決定に至る経緯)

 

 上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年5月下旬に本取引に関する初期的な検討を開始した後、2024年7月下旬、公開買付者は、NECグループ及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として三菱UFJモルガン・スタンレー証券を、公開買付代理人としてSMBC日興証券を、リーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任することで、本取引及び本グループ内再編に関する具体的な検討を実施し、対象者と協議・交渉を行う体制を構築いたしました。そして、2024年7月25日には、公開買付者から対象者に対し、本取引及び本グループ内再編に関して具体的な検討を開始する旨の初期的な意向を伝えました。これに対して、対象者からは、公開買付者の意向については承ったので、正式な提案を待つとの回答が得られたことから、公開買付者は、想定されるシナジーに関する検討をさらに進め、2024年8月6日、対象者に対し、公開買付者が本取引を申し入れた背景や本取引実施後の成長戦略等を記載した意向表明書を提出いたしました。

 

 これを受けて、対象者は、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2024年8月上旬に、NECグループ及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券を、リーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任するとともに、第三者算定機関である大和証券に対し、対象者普通株式の株式価値算定の提出を依頼したとのことです。

 

 また、対象者は、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討及び判断を行うための体制を構築するため、2024年8月8日に、本特別委員会を設置したとのことです。なお、当該特別委員会設置の詳細については、下記「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。

 

 

 

 その後、公開買付者は、対象者及び本特別委員会より、2024年8月13日並びに2024年9月3日及び5日付で本取引の意義・目的に関して書面による質問を受領したため、それぞれの質問について、2024年8月20日及び22日並びに2024年9月11日に回答しました。また、2024年9月12日開催の本特別委員会において、本特別委員会に対して本取引の意義・目的について説明した上で質疑応答を行い、さらに、本特別委員会から2024年9月26日付で受領した追加質問について2024年10月10日に回答する等、対象者及び本特別委員会との間で本取引の意義・目的に関する協議を継続しました。また、公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のために2024年8月下旬から2024年10月中旬までの期間において、対象者グループに対してデュー・ディリジェンスを実施しつつ、並行して本グループ内再編の実現可能性の精査、本取引及び本グループ内再編の意義・目的や見込まれるシナジー等についての社内検討を継続しました。

 

 かかる検討の結果、公開買付者は、本取引及び本グループ内再編を通じて上記のシナジーが実現可能であるとの考えに至ったことから、2024年10月2日、対象者に対して、対象者の本源的な価値に基づく価格として、本公開買付価格を2,815円(提案実施日の前営業日である同月1日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,787円に対するプレミアム率は1.00%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,688円に対するプレミアム率は4.72%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,594円に対するプレミアム率は8.52%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,495円に対するプレミアム率は12.83%です。)とする旨の第1回目提案書を提出いたしました。これに対して、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月7日、当該本公開買付価格は、対象者の本源的な価値を著しく下回るものであると評価しており、足元の株価水準及び本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較しても不十分な価格であるとして、価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。これに対して、公開買付者としては、過去事例におけるプレミアム率は対象企業の株価形成の背景を含む様々な個別事情の影響を受け得るため、そのような過去事例におけるプレミアム率との単純比較により本公開買付価格が十分か否かを検討することは必ずしも適切ではなく、本公開買付価格は対象者の本源的価値に基づき決定されるべきとの考えのもと、2024年10月9日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,000円(提案実施日の前営業日である同月8日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,751円に対するプレミアム率は9.05%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,708円に対するプレミアム率は10.78%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,616円に対するプレミアム率は14.68%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,506円に対するプレミアム率は19.71%です。)とする旨の第2回目提案書を提出いたしました。これに対して、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月10日、当該本公開買付価格についても、対象者の本源的な価値を大きく下回るものであり、対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。そこで、公開買付者は、2024年10月15日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,100円(提案実施日の前営業日である同月11日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,738円に対するプレミアム率は13.22%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,725円に対するプレミアム率は13.76%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,631円に対するプレミアム率は17.83%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,511円に対するプレミアム率は23.46%です。)とする旨の第3回目提案書を提出いたしました。これに対して、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月16日、当該本公開買付価格についても、対象者の本源的な価値を反映しているものではなく、対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。そこで、公開買付者は、2024年10月22日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,180円(提案実施日の前営業日である同月21日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,683円に対するプレミアム率は18.52%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,736円に対するプレミアム率は16.23%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,648円に対するプレミアム率は20.09%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,515円に対するプレミアム率は26.44%です。)とする旨の第4回目提案書を提出いたしました。これに対して、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月22日、当該本公開買付価格についても、未だ対象者の一般株主の利益に十分配慮された金額であるとはいえないとして、改めて価格の引き上げを検討するよう要請を受けました。これを受けて、公開買付者は、2024年10月24日、対象者及び本特別委員会に対して、本公開買付価格を3,200円(提案実施日の前営業日である同月23日の東京証券取引所プライム市場における対象

 

 

 

者普通株式の終値2,624円に対するプレミアム率は21.95%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,726円に対するプレミアム率は17.39%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,652円に対するプレミアム率は20.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,517円に対するプレミアム率は27.14%です。)とする旨の第5回目提案書を提出いたしました。しかしながら、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月25日、当該本公開買付価格についても、依然として、本件に類似する過去事例におけるプレミアム水準と比較して低い水準にあるとして、再度の価格の引き上げの要請を受けました。これに対して、公開買付者は、同じく2024年10月25日、対象者及び本特別委員会に対して、公開買付者としては更なる価格の引き上げのご要請には応じられず、第5回目提案書で提示した本公開買付価格(3,200円)を改めて前向きに検討して欲しい旨を記載した第6回目提案書を提出いたしました。その後、対象者及び本特別委員会からは、2024年10月26日、対象者として、足元の株価水準、対象者の事業計画、本件に類似する過去事例(公表直前の株価が相対的に高い水準にある事例)におけるプレミアム水準、公開買付者からの提案内容等を総合的に勘案し、応募推奨するために、本公開買付価格を3,250円(提案実施日の前営業日である同月25日の東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の終値2,650円に対するプレミアム率は22.64%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値2,721円に対するプレミアム率は19.44%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値2,656円に対するプレミアム率は22.36%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値2,519円に対するプレミアム率は29.02%です。)とすることを提案する旨の対象者価格提案書を受領しました。これを受けて、公開買付者は、本公開買付価格を3,250円とすることに応諾することとし、2024年10月28日、対象者及び本特別委員会に対して、その旨の連絡を行いました。

 

 以上のような協議・交渉を経て、公開買付者と対象者は、対象者の2025年3月期の期末配当が無配であることを前提として、本公開買付価格を3,250円とすることで合意に至りました。そこで、公開買付者は、2024年10月29日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決議するに至りました。

 

 

 

(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)

 

 公開買付者及び対象者は、対象者が本書提出日現在において公開買付者の連結子会社であるため、本公開買付けを含む本取引が対象者における支配株主との重要な取引等に該当し、また、公開買付者と対象者の公開買付者以外の株主との間の構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。

 

 なお、公開買付者は、上記「3.買付け等の目的」の「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者普通株式57,320,295株(所有割合:38.47%)を所有するとともに、公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)と合わせて、対象者普通株式76,520,295株(所有割合:51.36%)を実質的に所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に相当する買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する対象者の一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりません。もっとも、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の措置を実施していることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。また、本特別委員会は、本答申書において、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えられる旨判断しており、対象者としても同様に判断しているとのことです。

 

 

 

 なお、以下の記載のうち、対象者において実施した措置に関する記述は、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。

 

 

 

(ⅰ)公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 

 公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、2024年10月28日付で三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、対象者の株式価値の算定結果に関する買付者株式価値算定書を取得しております。詳細については、上記「算定の基礎」をご参照ください。

 

 

 

(ⅱ)対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 

① 算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

 

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付価格に関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、NECグループ及び対象者グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対し、対象者普通株式価値の算定を依頼し、2024年10月28日付で、本株式価値算定書(大和証券)を取得したとのことです。なお、対象者は、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 

 大和証券は、対象者及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。対象者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案し、また、大和証券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等も踏まえ、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。

 

 

 

② 対象者普通株式に係る算定の概要

 

 対象者プレスリリースによれば、大和証券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者普通株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、対象者の株式価値の算定を行い、対象者は大和証券から2024年10月28日付で本株式価値算定書(大和証券)を取得しているとのことです。

 

 本株式価値算定書(大和証券)において、上記各手法に基づいて算定された対象者普通株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

 

 

 

市場株価法:  2,520円から2,711円

 

類似会社比較法:2,143円から2,668円

 

DCF法:   3,073円から4,688円

 

 

 

 市場株価法では、2024年10月28日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の基準日の終値2,675円、直近1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,711円、直近3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,659円及び直近6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値の単純平均値2,520円を基に、対象者普通株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,520円~2,711円と算定しているとのことです。

 

 

 

 類似会社比較法では、対象者と類似性があると判断される類似上場会社として、TIS株式会社、SCSK株式会社、BIPROGY株式会社、日鉄ソリューションズ株式会社、株式会社インターネットイニシアティブ、ネットワンシステムズ株式会社、エクシオグループ株式会社、コムシスホールディングス株式会社及び株式会社ミライト・ワンを選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行い、対象者普通株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,143円~2,668円と算定しているとのことです。

 

 DCF法では、対象者が作成した事業見通しを基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業見通しにおける収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2025年3月期第3四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者普通株式の1株当たり株式価値の範囲を3,073円~4,688円と算定しているとのことです。なお、割引率は5.48%~7.26%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率モデルを採用し、永久成長率は0.0%~1.0%として対象者普通株式の1株当たり株式価値を算定しているとのことです。

 

 大和証券がDCF法による算定に用いた対象者作成の事業見通しにおいては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度は含まれていないとのことです。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。

 

 なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりとのことです。

 

(単位:億円)

 

 

 

2025年3月期

(6ヶ月)

2026年3月期

2027年3月期

2028年3月期

2029年3月期

売上高

1,930

3,806

4,009

4,252

4,524

営業利益

212

326

379

435

493

EBITDA

228

362

415

469

527

フリー・キャッシュ・フロー

(40)

191

219

242

272

 

 

 

 

(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

 

① 設置等の経緯

 

 対象者プレスリリースによれば、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、2024年8月8日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、対象者は、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、西村あさひ法律事務所の助言も得つつ、その時点の対象者の独立社外取締役を含む役員全員に対して、公開買付者から本取引及び本グループ内再編に関する初期的な意向を受けた旨、並びに本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当するため、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を説明したとのことです。また、対象者は、並行して、西村あさひ法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる対象者の独立社外取締役の独立性及び適格性等についても確認を行ったとのことです。その上で、対象者は、NECグループ及び対象者グループからの独立性を有すること(芦澤美智子氏、吉田守氏及び森本美紀子氏と公開買付者又は対象者との間に重要な利害関係は存在しないことを確認しているとのことです。)、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、西村あさひ法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、監査法人における公認会計士としての業務経験や、株式会社産業再生機構において大企業の再生プロジェクトに従事した経験など豊富な経験を有している芦澤美智子氏(対象者独立社外取締役、慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授)、大手電機メーカーにおいて役員を務め、高い経営能力、戦略構築力、技術マネジメント及び企業経営におけるガバナンス等に関する幅広い知識と経験を有している吉田守氏(対象者独立社外取締役、元・パナソニック株式会社常任監査役)、並びにサステナビリティ経営を総合的に支援するコンサルティング会社を設立し同社の代表取締役を務めている森本美紀子氏(対象者独立社外取締役、株式会社karna代表取締役)の3氏を本特別委員会の委員の候補として選定したとのことです(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。)。

 

 その上で、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年8月8日開催の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を対象者取締役会から独立した合議体として位置づけ、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、対象者取締役会は本取引に賛同しないことを決議するとともに、本特別委員会が、取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示及び要請を行うこと等により取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができること、本特別委員会が本諮問事項の検討等にあたり必要と判断した場合には、対象者の費用負担の下、アドバイザー等を選任することができること、並びに本特別委員会は、答申を行うにあたって必要となる一切の情報の収集を対象者又は対象者のアドバイザー等に対して求めることができること等を決議しているとのことです。

 

 

 

 なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされているとのことです。

 

 

 

② 検討の経緯

 

 本特別委員会は、2024年8月8日から同年10月28日までの間に合計18回、合計約28時間にわたって開催されたほか、各会日間においても必要に応じて都度電子メールやWeb会議を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行したとのことです。

 

 具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、2024年8月23日、NECグループ及び対象者グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、NECグループ及び対象者グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨を決定したとのことです。

 

 また、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しており、対象者のリーガル・アドバイザーである西村あさひ法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任を承認しているとのことです。

 

 さらに、本特別委員会は、対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)について、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認しているとのことです。

 

 その上で、本特別委員会は、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及び西村あさひ法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行ったとのことです。

 

 本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引の意義、NECグループ及び対象者のシナジー/ディスシナジー、本取引の検討状況、本取引の想定ストラクチャー及び本取引後の本中間持株会社の運営、本取引及び本グループ内再編後の公開買付者による本中間持株会社の経営方針、従業員の取扱い、その他本公開買付けの諸条件等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領するとともに、本特別委員会において公開買付者から直接説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。また、本特別委員会は、上記書面での回答及び上記質疑応答の結果等を検討し、公開買付者に対し、本事業承継により承継される事業の収益性・承継される資産、シナジーの具体的内容、本中間持株会社の経営体制・経営リソース、非公開化の方法等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、書面での回答を受領しているとのことです。

 

 本特別委員会は、対象者執行陣から、本取引の背景・目的やシナジーについての見解等について説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。

 

 加えて、公開買付者との交渉の基礎となり、また、大和証券及びプルータス・コンサルティングによる対象者普通株式の価値評価の基礎ともなる対象者の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について、対象者から説明を受け、質疑応答を行った上で、これらの合理性を確認し、承認しているとのことです。その上で、上記「(ⅱ)対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び下記「(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、大和証券及びプルータス・コンサルティングは、事業計画の内容を前提として対象者普通株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、大和証券及びプルータス・コンサルティングから、それぞれが実施した対象者普通株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらについて合理性を確認しているとのことです。

 

 

 

 また、下記「(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会はプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンの提出を受けておりますが、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、本フェアネス・オピニオンの発行手続等について説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。

 

 本特別委員会は、2024年10月2日に対象者が公開買付者から最初の公開買付価格の提案を受領して以降、対象者が公開買付者から公開買付価格についての提案を受領する都度、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から適時にその内容及び交渉経過等について報告を受け、プルータス・コンサルティングから受けた助言及び大和証券から聴取した意見も踏まえてその内容を審議・検討するとともに、大和証券から公開買付者との交渉方針案及び公開買付者に対する回答書案について事前に説明を受け、必要に応じて意見を述べ、質疑応答を行った上で承認し、公開買付者との交渉を担当する大和証券に対して指示・要請を行う等しているとのことです。

 

 本特別委員会は、対象者プレスリリース等のドラフトについて、本特別委員会のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所の助言等を受けつつ、対象者のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券から説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。

 

 

 

③ 判断内容

 

 本特別委員会は、以上の経緯の下で、中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言、並びに2024年10月28日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しているとのことです。

 

(a)答申内容

 

ⅰ 本取引は対象者の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられる。

 

ⅱ 本取引の取引条件は公正・妥当であると考えられる。

 

ⅲ 本取引の手続は公正であると考えられる。

 

ⅳ 本公開買付けに対して対象者取締役会が賛同意見を表明すること及び対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる。

 

ⅴ 本取引の決定(本公開買付けについて賛同するとともに、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定、及び本スクイーズアウト手続を実施する旨の決定)は、対象者の一般株主は、対象者の一般株主にとって不利益ではないと考えられる。

 

(b)答申理由

 

ⅰ 以下の点より、本取引は対象者の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的には合理性があるものと考える。

 

・長期的な経営環境の変化に的確に対応し、対象者の企業価値を更に向上するためには、NECグループのテクノロジー、ノウハウ、リソースを活用し、顧客に対する提供価値の拡大や、NECグループのリソースの最適な配分を通じて経営の効率化を図り、持続的な成長を追求する必要があると考えられる。しかしながら、公開買付者と対象者の現状の資本関係では機動的かつ積極的な施策を実行し、対象者を含むNECグループの企業価値の最大化を図るうえで一定の限界があると考えているとの説明を公開買付者から受けていることに加え、対象者としても、現状の資本関係の維持は、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を推し進めていく際に、一定の制約になりうると考えている。そのため、本取引を通じて対象者を非公開化し、公開買付者と対象者の一般株主との構造的な利益相反関係を解消し、公開買付者による対象者グループへの更なる経営資源の投入を可能とすることで、機動的かつ着実な経営施策の実行を通じて、以下のようなシナジーを創出し、対象者の更なる企業価値の向上に資するものと考えられる。

 

① NECグループの経営資源活用・連携による成長戦略加速・競争力強化

 

 

 

② 総合力の強化、事業基盤の強化(ICT基板から業種・業務系IT・ソフトウェア領域まで含めた総合力の強化、社会公共インフラ領域における事業基盤強化、事業統合、経営一体化よる規模、マーケットの獲得による業界における存在感、ポジションの向上)

 

③ NECグループとの事業連携。機能集約を通じた経営の効率化

 

・なお、本取引を通じて非公開化されることによる、上場企業としてのブランド力低下に伴う取引先その他のステークホルダーへの影響や従業員のモチベーション低下の可能性も想定される。しかしながら、NECグループとしては、本取引実施後も、対象者の経営体制について、対象者の独自性を尊重した適切なガバナンスと、対象者を含むNECグループとしてのシナジー効果を最大限実現できる体制づくりを目指し、本取引後にNECと対象者の間で協議していく方針であること、本公開買付け後の対象者従業員の継続雇用方針や処遇の変更、対象者以外のNECグループ会社への配置転換について、現時点で決定した事項等はない(ただし、今後戦略的かつ合理的に必要であると判断した場合、対象者と協議のうえ、方針や処遇の変更、配置転換をする可能性がある)こと、また、IT国内市場の成長・構造変化が進み、エンジニアリソースの確保が重要な課題となる中で、対象者従業員のモチベーションの維持等を図るため、対象者のブランディング向上に繋がる施策についても、対象者の意向も踏まえつつ慎重に検討していく方針であること等を踏まえ、本取引を通じて非公開化されることは、対象者グループの取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられるものと考えられる。

 

ⅱ 以下の点より、本取引の取引条件は公正・妥当であると考えられる。

 

・本取引の買収の方法について、一段階目として本公開買付けを行い、二段階目として株式売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウトを行う方法は、本取引のような非上場子会社化の取引においては一般的に採用されている方法の一つである。また、買収対価の種類については、公開買付者と対象者とでは事業内容等が異なり、対象者の株主の中には公開買付者株式の取得を望まない者もいると思われること等からすると、買収対価として金銭を交付する方法によることに妥当性があると考えられる。

 

・本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)におけるDCF法による算定の前提とされている対象者の事業計画はCAGRが2020年3月期から2024年3月期までの水準を上回り、売上構成の変更により収益率が改善する計画となっており、その策定手続及び内容について不合理な点は認められない。

 

・本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)における算定の方法及び内容(類似会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)について特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、プルータス・コンサルティングによる市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。

 

・本株式価値算定書(大和証券)における算定の方法及び内容(類似会社比較法における類似会社の選定並びにDCF法における割引率の計算及び継続価値の算定も含む。)に特に不合理な点は認められず、信用できるものと判断されるところ、本公開買付価格は、大和証券による市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にある価格であると認められる。

 

・本公開買付価格は、類似案件(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年7月31日までに公開買付けが成立した非公開化を目的とした上場子会社への公開買付け案件及びMBO案件のうち対象会社のPBRが2倍超の案件16件)との比較において相応のプレミアムが付されているものと認められる。

 

 

 

・本特別委員会は、対象者と公開買付者との間の公開買付価格等の本取引の条件に関する協議・交渉過程において実質的に関与しており、一般株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指して合理的な努力が行われる状況、すなわち独立当事者間取引と同視しうる状況が確保された上で、真摯な交渉が実施されたものと認められる。

 

・本特別委員会はプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオンを取得しているところ、プルータス・コンサルティングは、本公開買付価格が対象者の一般株主にとって財務的見地から公正なものと考える旨の意見を述べている。本フェアネス・オピニオンは、発行手続及び内容に特に不合理な点はなく、これらによっても本公開買付価格の妥当性が裏付けられるものと考えられる。

 

・以上に述べたこと等からすれば、本公開買付価格は公正・妥当であると考えられる。また、本取引においては、下記ⅲのとおり、一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることからすれば、本公開買付価格と同額とされる本スクイーズアウト手続において対象者の株主に対して交付される対価についても公正・妥当であると考えられる。

 

ⅲ 以下の点より、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されているものと考えられる。

 

・対象者においては、NECグループ及び対象者グループから独立した本特別委員会が設置され、有効に機能したものと認められる。

 

・本特別委員会は、その独立性及び専門性・実績等を確認した上で選任した本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所及び本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから専門的助言を受けている。

 

・対象者は、本特別委員会が独立性及び専門性・実績等を確認した上で、対象者のリーガル・アドバイザーとすることを承認した西村あさひ法律事務所及び対象者のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関とすることを承認した大和証券から専門的助言を受けている。

 

・本特別委員会は、本特別委員会の第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得している。

 

・対象者は、対象者の第三者算定機関である大和証券から、本株式価値算定書(大和証券)を取得している。

 

・対象者は、対象者グループ以外のNECグループから独立した立場で、本取引に係る検討・交渉等を行う体制を社内に構築し、本特別委員会の確認・承認を得ている。また、公開買付者の従業員を兼務している取締役の菅原弘人氏及び伊東紀子氏並びに過去に公開買付者に在籍していた取締役の芦田潤司氏は、本取引に係る対象者取締役会(芦田潤司氏については、本特別委員会の設置に係る取締役会を除く。)における審議及び決議に参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していない。また、7年前まで公開買付者に在籍していた監査役の大谷洋平氏は、本特別委員会の設置に係る取締役会の後に開催された本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、これらの取締役会の決議に際して意見を述べることを差し控えている。

 

・本取引においては、本公開買付けにおける公開買付期間は法令に定める下限より長期である30営業日が予定されており、また、対象者は、公開買付者との間で、対抗的買収提案者が対象者と接触等を行うことを制限するような内容の合意等を行っていないため、他の買収者による買収提案の機会が確保されている。

 

 

 

・本公開買付けにおいては、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定される予定はないが、公開買付者が対象者普通株式の過半数を所有していることから、本取引においてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合には、比較的少数の株式で本公開買付けの成立を阻害することができることとなり、本公開買付けの成立が不安定なものとなることでかえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の利益に資さない可能性があることに加え、本取引では他に十分な公正性担保措置が講じられていることから、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定がなされていないことは、本公開買付けにおける手続の公正性を損なうものではないと考えられる。

 

・本公開買付けにおいては、一般株主による十分な情報に基づく適切な判断の機会が確保される予定であると認められる。

 

・本取引においては、本スクイーズアウト手続に際して、本公開買付けに応募しない株主に株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されないスキームは採用されていないこと、本スクイーズアウト手続は、本公開買付け成立後速やかに実施する予定であり、また、本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった株主に対して交付される金銭の額は、本公開買付価格と同額を基準として決定することを想定しているとのことであり、その旨が開示される予定であることから、強圧性を排除するために望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められる。

 

ⅳ 上記ⅰのとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的には合理性があると考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の条件については妥当性が確保されていると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、対象者取締役会は、本公開買付けに賛同するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することが妥当であると考えられる。

 

ⅴ 上記ⅰのとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的には合理性があると考えられること、上記ⅱのとおり、本取引に係る公開買付価格等の条件については妥当性が確保されていると考えられること、上記ⅲのとおり、本取引においては一般株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されていると考えられることから、対象者取締役会が、本公開買付けに賛同するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を決定すること、並びに、本公開買付けが成立した後、対象者の株主を公開買付者のみとするために、対象者取締役会が本スクイーズアウト手続を実施することを決定することは、対象者の一般株主にとって不利益なものではないと考えられる。

 

 

 

(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

 

① 算定機関の名称並びに対象者及び公開買付者との関係

 

 対象者プレスリリースによれば、本特別委員会は、本諮問事項について検討するにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するために、NECグループ及び対象者グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対し、対象者普通株式の価値算定及び付随する財務分析、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(本フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2024年10月28日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンを取得したとのことです。

 

 

 

 なお、対象者取締役会は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年10月28日付で、本特別委員会から本答申書の提出を受けた際、併せて本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの提出を受けており、これらの内容も踏まえて、下記「(ⅷ)対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の決議を実施しているとのことです。

 

 プルータス・コンサルティングは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。下記「(ⅳ)特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会は、複数のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、プルータス・コンサルティングを独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないとのことです。

 

 

 

② 対象者普通株式に係る算定の概要

 

 プルータス・コンサルティングは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者普通株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価法を、対象者と比較可能な上場類似会社が複数存在し、類似会社比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を採用して、対象者普通株式の価値算定を行っているとのことです。

 

 本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)において、上記各手法に基づいて算定された対象者普通株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

 

 

 

市場株価法:  2,520円から2,711円

 

類似会社比較法:2,252円から3,060円

 

DCF法:   2,540円から4,297円

 

 

 

 市場株価法では、2024年10月28日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における対象者普通株式の基準日の終値2,675円、基準日から直近1ヶ月間(2024年9月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値2,711円、直近3ヶ月間(2024年7月29日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値2,659円及び直近6ヶ月間(2024年4月30日から2024年10月28日まで)の終値単純平均値2,520円を基に、対象者普通株式の1株当たりの価値の範囲を2,520円~2,711円と算定しているとのことです。

 

 類似会社比較法では、対象者と類似性があると判断される類似上場会社として、エクシオグループ株式会社、コムシスホールディングス株式会社、株式会社ミライト・ワン、SCSK株式会社、BIPROGY株式会社、日鉄ソリューションズ株式会社及びネットワンシステムズ株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBIT及びEBITDAの倍率を用いて算定を行い、対象者普通株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,252円~3,060円までと算定しているとのことです。

 

 

 

 DCF法では、対象者が作成した事業見通しを基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2025年3月期第3四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を分析し、対象者普通株式の1株当たりの価値の範囲を2,540円~4,297円と算定しているとのことです。なお、割引率については、6.72%~9.44%を採用しており、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及び倍率法を採用しているとのことです。永久成長率は0%とし、倍率はEBIT及びEBITDAの倍率を採用し、それぞれ11.4倍~13.7倍及び8.5倍~10.3倍として株式価値を算定しているとのことです。

 

 DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりであり、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減は見込まれていないとのことです。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。

 

 なお、DCF法で算定の前提とした対象者財務予測の数値は以下のとおりとのことです。

 

(単位:億円)

 

 

 

2025年3月期

(6ヶ月)

2026年3月期

2027年3月期

2028年3月期

2029年3月期

売上高

1,930

3,806

4,009

4,252

4,524

営業利益

212

326

379

435

493

EBITDA

228

363

415

470

528

フリー・キャッシュ・フロー

(36)

197

220

249

282

 

 

 

 

 プルータス・コンサルティングは、対象者普通株式の株式価値の算定に際し、対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っていないとのことです。また、対象者の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。加えて対象者の財務予測に関する情報については、対象者の経営陣による算定時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としているとのことです。ただし、プルータス・コンサルティングは算定の基礎とした対象者の事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しており、また、上記「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認しているとのことです。

 

 

 

③ 本フェアネス・オピニオンの概要

 

 本特別委員会は、2024年10月28日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり3,250円が対象者普通株式の株主(公開買付者を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しているとのことです(注2)。本フェアネス・オピニオンは、対象者が作成した事業計画に基づく対象者普通株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり3,250円が、対象者の一般株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものとのことです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータス・コンサルティングが、対象者から、対象者グループの事業の現状、事業見通し等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した対象者普通株式の価値算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る対象者との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での対象者グループの事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されているとのことです。

 

 

 

(ⅴ)特別委員会における独立した法律事務所からの助言

 

 対象者プレスリリースによれば、本特別委員会は、上記「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、NECグループ及び対象者グループから独立した独自のリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。

 

 なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。その他、中村・角田・松本法律事務所の独立性については、上記「(ⅲ)対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「② 検討の経緯」をご参照ください。

 

 

 

(ⅵ)対象者における独立した法律事務所からの助言

 

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、NECグループ及び対象者グループから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けているとのことです。

 

 なお、西村あさひ法律事務所は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。

 

 

 

(ⅶ)対象者における独立した検討体制の構築

 

 対象者プレスリリースによれば、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、対象者は、対象者グループ以外のNECグループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。対象者は、2024年7月25日に、公開買付者から本取引及び本グループ内再編に関する初期的な意向を受けた時点以降、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び対象者普通株式の価値評価の基礎となる事業計画の作成過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、本取引に係る検討及び対応を行う上で必須であった公開買付者からの出向者2名及び公開買付者の出身者(直近10年間に公開買付者に在籍していたものに限ります。以下同じとします。)3名(取締役の芦田潤司氏を含みます。)の関与を除き、現に対象者グループ以外のNECグループ各社の役職員を兼任する対象者の役職員や、過去10年間において対象者グループ以外のNECグループ各社の役職員であった対象者の役職員は関与させていないとのことです。

 

 具体的には、対象者代表取締役執行役員会長兼CEOである牛島祐之氏をプロジェクトリーダーとし、同氏による統括の下、対象者内に、本取引の実施意義、実施の手法、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件等に関する検討及び公開買付者との交渉素案を検討するワーキンググループ(以下「資本政策ワーキンググループ」といいます。)並びに本取引が実行された場合のNECグループのアセットを活用した事業拡大、本取引により創出が期待される定性的シナジー及び対象者の事業体制の検討に加えて、社内外への公表についても検討を行うワーキンググループ(以下「ビジョン検討ワーキンググループ」といいます。)を設置し、本取引に係る検討を進めてきたとのことです。

 

 両ワーキンググループには、現に対象者グループ以外のNECグループ各社の役職員を兼任する対象者の役職員は一切関与していないとのことです。また、資本政策ワーキンググループには、7年前に公開買付者を退職している1名が事業計画の策定等の観点で必須であったため関与していることを除いて、過去10年間において対象者グループ以外のNECグループ各社の役職員であった対象者の役職員も一切関与していないとのことです。

 

 一方、ビジョン検討ワーキンググループには、対象者の取締役である芦田潤司氏が関与しております。芦田潤司氏は、過去に公開買付者に在籍しておりましたが、(ⅰ)現に公開買付者の役職員ではなく公開買付者から指示を受ける立場にないこと、(ⅱ)公開買付者への復職が予定されている等といった公開買付者からの独立性に疑義を生じさせる利害関係がないこと、(ⅲ)NECグループのアセットを活用した事業拡大や本取引により創出が期待される定性的シナジーの検討に際して不可欠で代替できないこと、(ⅳ)ビジョン検討ワーキンググループが担う検討事項は構造的な利益相反の問題が一般株主の皆様の利益に影響を与えるおそれが類型的に小さい事項であると考えられること等に鑑み、本取引に係る取引条件に関する交渉過程においては関与させず、ビジョン検討ワーキンググループに関与させることとしているとのことです。

 

 また、その他の公開買付者からの出向者2名及び公開買付者の出身者1名については、資本政策ワーキンググループ及びビジョン検討ワーキンググループには関与していないとのことですが、当該ワーキンググループからの指示に従い、当該ワーキンググループにおける本件の検討を、必要最小限度の範囲で補助しているとのことです。これらの者は、本取引に係る取引条件に関する交渉や事業計画の策定そのものには関与していないとのことです。

 

 以上の取扱いを含めて、対象者の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)は西村あさひ法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ているとのことです。

 

 

 

(ⅷ)対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

 

 対象者プレスリリースによれば、対象者取締役会は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、西村あさひ法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書(大和証券)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討したとのことです。

 

 その結果、対象者は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、審議及び決議に参加した対象者の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。

 

 上記2024年10月29日開催の対象者取締役会においては、菅原弘人氏、伊東紀子氏及び芦田潤司氏を除く6名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。菅原弘人氏及び伊東紀子氏は公開買付者の従業員を兼務していること、芦田潤司氏は過去に公開買付者に在籍していたことに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2024年10月29日開催の対象者取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していないとのことです。なお、芦田潤司氏は、本特別委員会の設置に係る取締役会には参加しておりましたが、本特別委員会における議論を踏まえ、より保守的に対応する観点から、本特別委員会の設置に係る取締役会の後に開催された本取引に係る対象者取締役会(上記2024年10月29日開催の対象者取締役会を含みます。)の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉に参加していないとのことです。

 

 また、上記2024年10月29日開催の対象者取締役会においては、大谷洋平氏を除く出席した監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べているとのことです。大谷洋平氏は、本特別委員会の設置に係る取締役会には参加しておりましたが、7年前まで公開買付者に在籍していたことに鑑み、本特別委員会における議論を踏まえ、より保守的に対応する観点から、本特別委員会の設置に係る取締役会の後に開催された本取引に係る対象者取締役会(上記2024年10月29日開催の対象者取締役会を含みます。)の審議及び決議には参加しておらず、これらの取締役会の決議に際して意見を述べることを差し控えているとのことです。

 

 

 

(ⅸ)取引保護条項の不存在

 

 対象者及び公開買付者は、対象者が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

 

 

(ⅹ)対象者の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置

 

 公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ア)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、対象者普通株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を対象者に要請することを予定しており、対象者の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(イ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、対象者の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者を除きます。)の所有する対象者普通株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、対象者の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しております。

 

 また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日としています。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間よりも長期間に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも対象者普通株式の買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しております。

 (注1) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、対象者普通株式の株式価値の算定に際し、公開買付者及び対象者から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、対象者及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて対象者の財務予測に関する情報については、公開買付者及び対象者による2024年10月28日時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の算定は、2024年10月28日までの上記情報を反映したものです。

 (注2) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンの作成及び提出並びにその基礎となる株式価値の算定を行うに際して、対象者から提供され又は対象者と協議した情報及び基礎資料、一般に公開されている資料について、それらが正確かつ完全であること、対象者普通株式の株式価値の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でプルータス・コンサルティングに対して未開示の事実はないことを前提としてこれらに依拠しており、独自にそれらの調査、検証を実施しておらず、その調査、検証を実施する義務も負っていないとのことです。

プルータス・コンサルティングが、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた対象者の事業見通しその他の資料は、対象者の経営陣により当該時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としており、プルータス・コンサルティングはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していないとのことです。

プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、対象者及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提供も受けていないとのことです。従って、プルータス・コンサルティングは対象者及びその関係会社の支払い能力についての評価も行っていないとのことです。

プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではないとのことです。従って、プルータス・コンサルティングは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものではないとのことです。

本フェアネス・オピニオンは、本特別委員会が対象者から委嘱を受けた事項に対する答申を行うに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものとのことです。従って、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何ら意見を述べるものではないとのことです。

本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が対象者の一般株主にとって財務的見地から公正であるか否かについて、その作成日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、その作成日までにプルータス・コンサルティングが入手している情報に基づいてその作成日時点における意見を述べたものであり、その後の状況の変化により本フェアネス・オピニオンの内容に影響を受けることがありますが、プルータス・コンサルティングは、そのような場合であっても本フェアネス・オピニオンの内容を修正、変更又は補足する義務を負わないとのことです。また、本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではないとのことです。

プルータス・コンサルティングは、対象者への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有していないとのことです。本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が対象者の一般株主にとって財務的見地から不利益なものではなく公正なものであることについて意見表明するにとどまり、本公開買付け実行の是非及び本公開買付けに関する応募その他の行動について意見表明や推奨を行うものではなく、対象者の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見を述べるものではないとのことです。従って、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負わないとのことです。

また、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格に関する対象者取締役会及び本特別委員会の判断の基礎資料として使用することを目的としてプルータス・コンサルティングから提供されたものであり、他のいかなる者もこれに依拠することはできないとのことです。

 

(3)【買付予定の株券等の数】

株券等の種類

買付予定数

買付予定数の下限

買付予定数の上限

普通株式

72,461,155(株)

22,756,305(株)

-(株)

合計

72,461,155(株)

22,756,305(株)

-(株)

 (注1) 応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 (注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は、本公開買付けにおいて公開買付者が取得する可能性のある対象者普通株式の最大数である72,461,155株を記載しております。これは、本基準株式数(148,981,450株)から、本書提出日現在の公開買付者が所有する対象者普通株式数(57,320,295株)及び本公開買付けに応募される予定のない公開買付者が公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式数(19,200,000株)を控除した株式数(72,461,155株)です。

 (注3) 単元未満株式についても、本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

 (注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

 

5【買付け等を行った後における株券等所有割合】

区分

議決権の数

買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)

724,611

aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)

bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)

公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2024年10月30日現在)(個)(d)

765,202

dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)

eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)

特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年10月30日現在)(個)(g)

gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)

hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)

対象者の総株主等の議決権の数(2024年3月31日現在)(個)(j)

1,488,465

買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合

(a/j)(%)

48.64

買付け等を行った後における株券等所有割合

((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)

100

 (注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(72,461,155株)に係る議決権の数です。

 (注2) 「公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2024年10月30日現在)(個)(d)」には、本書提出日現在、公開買付者が所有する株券等(57,320,295株)に係る議決権の数(573,202個)及び令第7条第1項第3号に基づき公開買付者の所有に準ずる株券等に該当する公開買付者退職給付信託に拠出している株券等(19,200,000株)に係る議決権の数(192,000個)の合計を記載しております。

 (注3) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年10月30日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において、府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有株券等(ただし、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年10月30日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。また、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

 (注4) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者が2024年6月24日に提出した第92期有価証券報告書に記載された2024年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。ただし、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、本基準株式数(148,981,450株)に係る議決権の数(1,489,814個)を分母として計算しております。

 (注5) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

 

6【株券等の取得に関する許可等】

 該当事項はありません。

 

7【応募及び契約の解除の方法】

(1)【応募の方法】

① 公開買付代理人

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをされる方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は国内各営業店において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載する等の方法により、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください(ただし、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。

 オンライントレード(https://trade.smbcnikko.co.jp/)(以下「日興イージートレード」といいます。)による応募株主等は、日興イージートレードログイン後、画面より「日興イージートレード 公開買付け取引規程」を確認の上所要事項を入力し、公開買付期間の末日の15時30分までに応募してください。なお、日興イージートレードによる応募の受付には、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主口座」といいます。)における日興イージートレードのご利用申込みが必要です。

 

③ 応募に際しては、応募株主口座に応募株券等が記録されている必要があります。

 

④ 本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を通じた応募の受付は行われません。

 

⑤ 公開買付代理人に口座を開設していない場合には、新規に口座を開設していただく必要があります(注1)。口座を開設される場合には、本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知(注2)を行っていただく必要があります。

 

⑥ 外国の居住者である株主等(法人株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人(以下「常任代理人」といいます。)を通じて応募してください。また、本人確認書類(注2)をご提出いただく必要があります。なお、日興イージートレードにおいては、外国人株主等からの応募の受付を行いません。

 

⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税(注3)の適用対象となります。

 

⑧ 公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記録されている株券等(対象者の特別口座の口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記録されている株券等を含みます。)については、当該応募株券等につき公開買付代理人の応募株主口座への振替手続を行う必要があります。公開買付代理人が、当該応募株券等につき、公開買付代理人の応募株主口座への振替手続が完了して公開買付代理人の応募株主口座に記録されていることを確認してからの受付となります。なお、振替手続には一定の日数を要する場合がありますのでご注意ください。また、一度特別口座から応募株主口座へ振替られた応募株券等については再度特別口座へ記録することはできません。

 

(注1) 口座開設に際し、個人株主は原則としてご印鑑が不要です。未成年、成年後見人制度をご利用の個人株主や、法人株主等が口座を開設される場合はご印鑑が必要です。また、既に開設されている応募株主口座のご登録内容の変更をされる場合等には、ご印鑑が必要となる場合があります。

 

(注2) 本人確認書類の提出及び個人番号(マイナンバー)又は法人番号の告知について

公開買付代理人に新規に口座を開設して応募される場合、又は外国人株主等が新規に口座を開設し常任代理人を通じて応募される場合には、次の本人確認書類及び番号確認書類等が必要になります。有効期限の定めのあるものはその期限内のものを、定めのないもの(通知カードは除く。)は6ヶ月以内に作成されたものをご用意ください。本人確認書類及び番号確認書類等の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。

 

<個人>

A.番号確認書類

(いずれか1点)

個人番号カード(両面)(※1)

通知カード

住民票の写し(個人番号あり)(※2)

B.本人確認書類

(写真あり1点又は写真なし2点)

写真あり

運転免許証(運転経歴証明書)(※3)

在留カード

特別永住者証明書

パスポート(※4)

各種福祉手帳

写真なし

各種健康保険証(※3)

公務員共済組合の組合員証(※3)

国民年金手帳

印鑑証明書

住民票の写し(※2)

 

<法人>

A.本人確認書類

(いずれか1点)

履歴事項全部証明書

現在事項全部証明書

B.番号確認書類

(いずれか1点)

法人番号指定通知書

法人番号情報(※5)

C.口座開設取引担当者(代表者等)個人の本人確認書類

(いずれか1点)

運転免許証(※3)

個人番号カード(表)

各種健康保険証(※3)

公務員共済組合の組合員証(※3)

パスポート(※6)

 (※1) 番号確認書類として個人番号カードをご用意いただく場合、別途本人確認書類のご用意は不要です。

 (※2) 発行者の印、発行日が記載されているページまで必要となります。

 (※3) 裏面に住所が記載されている場合は、裏面まで必要となります。

 (※4) 住所、氏名、生年月日の確認ができる各ページが必要となります。なお、2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、ご利用できません。

 (※5) 法人番号情報は、国税庁HPの「法人番号公表サイト」より法人番号が表示される画面を印刷してください。

 (※6) 2020年2月4日以降発行のパスポートはご住所欄が無いため、別途、現住所が記載されている「本人確認書類1点」又は「納税証明書等の補完書類1点」の写しをご提出いただく必要があります。

 

<外国人株主等>

常任代理人に係る上記書類に加えて、常任代理人との間の委任契約に係る委任状又は契約書(当該外国人株主等の氏名又は名称、代表者の氏名及び国外の所在地の記載のあるものに限ります。)の写し、並びに常任代理人が金融機関以外の場合には日本国政府が承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの

 

(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(日本の居住者である個人株主の場合)

個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得は原則として申告分離課税の適用対象となります。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家に各自ご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

 

(2)【契約の解除の方法】

 応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付する等の方法によりお手続ください(ただし、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。ただし、送付の場合は、解除書面が公開買付期間の末日の15時30分までに、下記に指定する者に到達することを条件とします(ただし、各営業店によって営業時間が異なります。事前にご利用になられる営業店の営業時間等をご確認の上、お手続ください。)。

 日興イージートレードにおいて応募された契約の解除は、日興イージートレードログイン後、画面に記載される方法に従い、公開買付期間の末日の15時30分までに解除手続を行ってください。

 

解除書面を受領する権限を有する者

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

(その他のSMBC日興証券株式会社国内各営業店)

 

(3)【株券等の返還方法】

 応募株主等が上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除をした場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還します。

 

(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

8【買付け等に要する資金】

(1)【買付け等に要する資金等】

買付代金(円)(a)

235,498,753,750

金銭以外の対価の種類

金銭以外の対価の総額

買付手数料(円)(b)

120,000,000

その他(円)(c)

11,500,000

合計(円)(a)+(b)+(c)

235,630,253,750

 (注1) 「買付代金(円)(a)」欄は、本公開買付けにおける買付予定数(72,461,155株)に、1株当たりの本公開買付価格(3,250円)を乗じた金額です。

 (注2) 「買付手数料(円)(b)」欄は、公開買付代理人に支払う手数料の見積額です。

 (注3) 「その他(円)(c)」欄は、本公開買付けに関する公開買付開始公告についてのお知らせ掲載費及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費等の諸費用につき、その見積額です。

 (注4) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 (注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

 

(2)【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等】

①【届出日の前々日又は前日現在の預金】

種類

金額(千円)

計(a)

 

②【届出日前の借入金】
イ【金融機関】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

ロ【金融機関以外】

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

③【届出日以後に借入れを予定している資金】
イ【金融機関】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

銀行

株式会社三井住友銀行(東京都千代田区丸の内一丁目1番2号)

買付け等に要する資金に充当するための借入れ(注)

弁済期:貸付実行日の12ヶ月後の日

金利 :全銀協日本円TIBORに基づく変動金利

担保 :なし

236,000,000

計(b)

236,000,000

 (注) 公開買付者は、上記金額の融資の裏付けとして、株式会社三井住友銀行から236,000,000千円を限度として融資を行う用意がある旨の2024年10月29日付で融資証明書を取得しております。なお、当該融資の貸付実行の前提条件として、本書の添付資料である融資証明書記載のものが当該融資に係る契約書において定められる予定です。

 

ロ【金融機関以外】

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(c)

 

④【その他資金調達方法】

内容

金額(千円)

計(d)

 

⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】

236,000,000千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

(3)【買付け等の対価とする有価証券の発行者と公開買付者との関係等】

 該当事項はありません。

 

9【買付け等の対価とする有価証券の発行者の状況】

 該当事項はありません。

 

10【決済の方法】

(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

SMBC日興証券株式会社  東京都千代田区丸の内三丁目3番1号

 

(2)【決済の開始日】

2024年12月18日(水曜日)

 

(3)【決済の方法】

 公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送します。なお、日興イージートレードからの応募については、電磁的方法により交付します。

 買付けは、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合にはその常任代理人)の指定した場所へ送金します。

 

(4)【株券等の返還方法】

 下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部を買付けないこととなった場合には、公開買付代理人は、返還することが必要な株券等を、公開買付期間の末日の翌々営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)に、公開買付代理人の応募株主口座上で、応募が行われた時の状態(応募が行われた時の状態とは、本公開買付けへの応募注文の執行が解除された状態を意味します。)に戻します。

 

11【その他買付け等の条件及び方法】

(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】

 応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(22,756,305株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】

 令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事項のいずれかが発生した場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。なお、令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、(①)対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合、及び(②)対象者の重要な子会社に令第14条第1項第3号イ乃至トに掲げる事実が発生した場合をいいます。

 撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

 

(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】

 法第27条の6第1項第1号の規定により、対象者が公開買付期間中に令第13条第1項に定める行為を行った場合は、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。

 買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】

 応募株主等は、公開買付期間中、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2)契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

 なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】

 公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更等の内容につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。ただし、公開買付期間の末日までに公告を行うことが困難な場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

 買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】

 訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(ただし、法第27条の8第11項ただし書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては、訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。ただし、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付することにより訂正します。

 

(7)【公開買付けの結果の開示の方法】

 本公開買付けの結果については、公開買付期間の末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

第2【公開買付者の状況】

1【会社の場合】

(1)【会社の概要】

①【会社の沿革】

 

②【会社の目的及び事業の内容】

 

③【資本金の額及び発行済株式の総数】

 

④【大株主】

年 月 日現在

 

氏名又は名称

住所又は所在地

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合

(%)

 

⑤【役員の職歴及び所有株式の数】

年 月 日現在

 

役名

職名

氏名

生年月日

職歴

所有株式数

(株)

 

(2)【経理の状況】

 

(3)【継続開示会社たる公開買付者に関する事項】

①【公開買付者が提出した書類】

イ【有価証券報告書及びその添付書類】

 事業年度 第186期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 2024年6月21日 関東財務局長に提出

 

ロ【半期報告書】

 事業年度 第187期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) 2024年10月30日 関東財務局長に提出

 

ハ【訂正報告書】

 該当事項はありません。

 

②【上記書類を縦覧に供している場所】

日本電気株式会社

(東京都港区芝五丁目7番1号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

2【会社以外の団体の場合】

 該当事項はありません。

 

3【個人の場合】

 該当事項はありません。

 

第3【公開買付者及びその特別関係者による株券等の所有状況及び取引状況】

1【株券等の所有状況】

(1)【公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計】

(2024年10月30日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

573,202(個)

-(個)

192,000(個)

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

573,202

192,000

所有株券等の合計数

765,202

(所有潜在株券等の合計数)

(-)

 (注1) 上記「令第7条第1項第3号に該当する株券等の数」は、日本電気退職給付信託に拠出している対象者普通株式に係る議決権の数です。

 (注2) 公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

 

(2)【公開買付者による株券等の所有状況】

(2024年10月30日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

573,202(個)

-(個)

192,000(個)

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

573,202

192,000

所有株券等の合計数

765,202

(所有潜在株券等の合計数)

(-)

 (注) 上記「令第7条第1項第3号に該当する株券等の数」は、公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式に係る議決権の数です。

 

(3)【特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)】

(2024年10月30日現在)

 

 

所有する株券等の数

令第7条第1項第2号に該当する株券等の数

令第7条第1項第3号に該当する株券等の数

株券

-(個)

-(個)

-(個)

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(     )

合計

所有株券等の合計数

(所有潜在株券等の合計数)

(-)

 (注1) 特別関係者である対象者は、2024年9月30日現在、対象者普通株式339,971株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。

 (注2) 公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

 

(4)【特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者ごとの内訳)】

①【特別関係者】

 該当事項はありません。

 

②【所有株券等の数】

 該当事項はありません。

 

2【株券等の取引状況】

(1)【届出日前60日間の取引状況】

 該当事項はありません。

 

3【当該株券等に関して締結されている重要な契約】

 公開買付者は、公開買付者退職給付信託の受託者との間で、公開買付者が公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)について、信託管理人の指図がなければ処分等(本公開買付けへの応募を含みます。)しない旨を含む退職給付信託契約を締結しており、信託管理人との間で、本公開買付けに応募するよう指図しないことを口頭で確認しております。なお、公開買付者は、本公開買付けが成立した場合には、速やかに、公開買付者退職給付信託に拠出している対象者普通株式19,200,000株(所有割合:12.89%)の全てについて無償交付を受ける予定です。

 

4【届出書の提出日以後に株券等の買付け等を行う旨の契約】

 該当事項はありません。

 

第4【公開買付者と対象者との取引等】

1【公開買付者と対象者又はその役員との間の取引の有無及び内容】

(1)公開買付者と対象者との間の取引の有無及び内容

 直近3事業年度における公開買付者と対象者との間の取引の概要及び取引金額は以下のとおりです。

取引の概要

2022年3月期

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

2023年3月期

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

2024年3月期

自 2023年4月1日

至 2024年3月31日

対象者によるネットワークシステムの構築及び保守等の請負

62,434百万円

65,705百万円

73,321百万円

対象者からの通信機器等の購入

38,301百万円

44,768百万円

47,848百万円

 

(2)公開買付者と対象者の役員との間の取引の有無及び内容

 該当事項はありません。

 

2【公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容】

(1)公開買付者と対象者との間の合意の有無及び内容

 対象者プレスリリースによれば、対象者は、2024年10月29日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。

 なお、対象者の取締役会決議に係る詳細については、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「(ⅷ)対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(2)公開買付者と対象者の役員との間の合意の有無及び内容

 該当事項はありません。

 

(3)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針

 上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。

 

(4)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

 

第5【対象者の状況】

1【最近3年間の損益状況等】

(1)【損益の状況】

決算年月

売上高

売上原価

販売費及び一般管理費

営業外収益

営業外費用

当期純利益(当期純損失)

 

(2)【1株当たりの状況】

決算年月

1株当たり当期純損益

1株当たり配当額

1株当たり純資産額

 

2【株価の状況】

金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名

東京証券取引所 プライム市場

月別

2024年4月

2024年5月

2024年6月

2024年7月

2024年8月

2024年9月

2024年10月

最高株価(円)

2,734

2,638

2,491

2,790

2,749

2,812

3,080

最低株価(円)

2,397

2,151

2,139

2,401

2,291

2,526

2,578

 (注) 2024年10月については、10月29日までの株価です。

 

3【株主の状況】

(1)【所有者別の状況】

年 月 日現在

 

区分

株式の状況(1単元の株式数  株)

単元未満株式の状況

(株)

政府及び地方公共団体

金融機関

金融商品取引業者

その他の法人

外国法人等

個人その他

個人以外

個人

株主数(人)

所有株式数

(単位)

所有株式数の割合(%)

 

(2)【大株主及び役員の所有株式の数】

①【大株主】

年 月 日現在

 

氏名又は名称

住所又は所在地

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合

(%)

 

②【役員】

年 月 日現在

 

氏名

役名

職名

所有株式数

(株)

発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合

(%)

 

4【継続開示会社たる対象者に関する事項】

(1)【対象者が提出した書類】

①【有価証券報告書及びその添付書類】

 事業年度 第91期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) 2023年6月23日 関東財務局長に提出

 事業年度 第92期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) 2024年6月24日 関東財務局長に提出

 

②【半期報告書】

 事業年度 第93期中(自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) 2024年11月1日 関東財務局長に提出予定

 

③【臨時報告書】

 該当事項はありません。

 

④【訂正報告書】

 訂正報告書(上記①に記載の第91期有価証券報告書の訂正報告書)を2023年8月7日に関東財務局長に提出

 

(2)【上記書類を縦覧に供している場所】

NECネッツエスアイ株式会社

(東京都港区芝浦三丁目9番14号)

株式会社東京証券取引所

(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

 

5【伝達を受けた公開買付け等の実施に関する事実の内容等】

 該当事項はありません。

 

6【その他】

 対象者は、2024年10月29日開催の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2024年4月26日に公表した2025年3月期の配当予想を修正し、同期の期末配当を行わないことを決議したとのことです。詳細については、対象者が2024年10月29日付で公表した「2025年3月期配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」をご参照ください。