第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

当社は、今後の当社の歩むべき未来と、社会に対し提供したい価値を明確にするために、「企業理念」を刷新し、全役職員が参加して「Mission・Vision・Values」を策定しました。

全役職員が新しい企業理念のもとに成長と企業価値向上を実現し、全てのステークホルダーへの貢献を目指していきます。

 

Mission:「まだない」を見つけ、可能性の扉をひらく

  わたしたちは、創業からたくさんの試行錯誤を繰り返してきました。世の中の流れを踏まえて機会を目利きし、ビジネスや事業に仕立ててきた歴史があります。社会の多くがまだ気づいていないニーズに気づき、目を向け、小さな芽でもその可能性を信じて挑み、育んでいく。

  わたしたちはこれからも、可能性の扉をひらく挑戦を続けていきます。

 

Vision:モノ・コト・トキをデザインし、コミュニティを幸せでみたす

  所有すること、機能そのものというモノへの欲求をみたすことを重視する時代が過ぎ、今はコト、つまり体験への関心が高まっています。そして、これから先、「何度でも」「何処でも」「誰でも」体験できるコトから、「その時」「その場所」「わたしだから」味わえるトキが求められる時代になるとわたしたちは考えます。

  社会や地域、お客様が求めるモノ・コト・トキを想像し、それを具体的な商品・サービスとして創造し続けることがわたしたちの Vision です。そして、わたしたちに関わるあらゆる人々の幸せが調和・拡大することを、企業としての成功の証として追求し続けます。

 

Values己動・試行錯誤・進化・相互理解・誠実

  わたしたちが創業からこだわってきた価値観、そしてこれからの未来に向かって大事にしていきたい考え方を5つの Values として表現しました。Values の内「己動(こどう)」の名称は、わたしたちがこだわり、強みとしている「自ら気づき、がむしゃらにやりきる」文化を、わたしたち独自で名付けました。

  全役職員がこれら Values を、Mission・Vision の実現に向けた大切な心構えであることを認識し、わたしたちは一丸となって事業を推進していきます。


 

当社は、市場環境及び足元の状況を踏まえ、2024年7月期からの3ヵ年を対象とする中期経営計画(2024年7月期~2026年7月期)を策定し、2023年9月14日付「中期経営計画(2024年7月期~2026年7月期)策定のお知らせ」を公表しております。中期経営計画を達成させ、更なる企業価値向上を目指してまいります。

 

(中期経営計画の概要)

1.基本方針

当社は、2024年7月期を初年度とする3ヵ年は、「コンプライアンス・リスクマネジメント強化」及び「コーポレートガバナンスの強化」を最重要課題として設定する。ガバナンス機能が経営の根幹であることを再度認識し、経営陣自らの発信のもと社内へ浸透させていく。

事業戦略においては、不動産開発によって資金回収を早め、早期に財務安全性を高めることに注力する。不動産ソリューション事業、不動産賃貸事業の成長性・安全性・リスクを見極めながら最適なポートフォリオの構築を目指し、企業としての総合力を高めていく。

 

2.業績目標

(単位:百万円)

 

2023年7月期

実績

中期経営計画

2024年7月期

実績

2025年7月期

計画

2026年7月期

計画

売上高

15,989

14,795

21,630

21,920

営業利益

1,392

1,530

1,896

2,040

経常利益

821

1,109

1,221

1,344

当期純利益

1,162

1,079

1,256

1,383

 

※中期経営計画の詳細につきましては2023年9月14日公表の「中期経営計画(2024年7月期~2026年7月期)策定のお知らせ」をご参照下さい。

※2024年9月17日に中期経営計画における業績目標の上方修正を決議、公表しております。


 このような経営方針の下、当社が対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。

 

(1) 内部管理体制の強化

当社事業の継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能を強化すると共に、内部統制システムを適切に運用していくことが重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスに関しては、任意の指名報酬委員会を設置するなどステークホルダーに対して経営の適正性や健全性を確保しつつも、さらに効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

 

(2) コンプライアンス体制の強化

当社は、法令、定款及び社内規程等の遵守は勿論のこと、日々の業務を適正かつ確実に遂行しており、クリーンで誠実な姿勢を企業行動の基本として、事故やトラブルを未然に防止する取組みを強化してまいります。
 今後、更なる事業拡大と企業価値の向上に向けて、引き続き日常業務におけるコンプライアンス意識の醸成を図るとともに、リスク・コンプライアンス委員会の定期的開催、内部通報制度の周知、各種取引の健全性の確保、情報の共有化及び防止策の策定などを行い、また、社内啓蒙活動を実施し、企業の社会的責任を重視した透明性のある管理体制の構築を図ってまいります。

 

(3) 仕入力及び販売力の増強

当社は、不動産を取り巻く環境の変化に柔軟に対応しながら、数多くの物件情報を収集できるネットワークを一層強化し、物件を発掘する目利きを活かし、社会動向を見据えた収益力のある優良な物件の仕入れを引き続き積極的に行ってまいります。

また、物件ごとにソフト・ハードの両面において適切なバリューアップを施すことで、資産価値を高め、投資対象として魅力のある物件を提供できるよう努めております。

 

(4) 収益構造の転換

販売用不動産の販売に依存する収益モデルは、少なからず市況の影響を受けるビジネスモデルであり、販売の成否による1事業年度間の業績の波が大きいため、市況が好調な時は大きなリターンが期待できるものの、当該収益構造のみに過度に依存することはリスクが高いと考えております。
 また、不動産調達から開発までにかかる用地・建築費の高騰の影響もあり、従来の不動産販売による事業スキームでは収益性の飛躍的な向上は図りにくく、今後の更なる事業拡大においては、収益構造の転換・バランスシートに頼らない事業の推進が必要と考えております。既存事業の強化・新規事業の開拓と共に、不動産DX・IT技術を積極的に業務に取り入れ(オープンイノベーション)、更なる収益性・生産性の向上を目指します。

 

(5) 財務体質の健全化

当社は、これまで事業・業容の拡大に際して、事業用地の取得及び運転資金を主として金融機関からの借入れによって賄ってきたこともあり、2024年7月期においては自己資本比率が21.3%、有利子負債比率310.7%となっております。このため、景気の変動や金利動向に大きな影響を受ける財務構造となっており、今後の企業間競争に耐えうるべく財務体質の改善が急務であると認識しております。
 今後の経営の安定化のためにも、利益の蓄積・多様な調達手法を活用した財務基盤の充実並びに仕入れと売却のバランスを意識し、厳格な管理による在庫コントロールを更に徹底し、営業キャッシュ・フローの改善を図ってまいります。

(有利子負債比率=有利子負債額÷自己資本×100)

 

(6) 安定した資金調達の確保

当社が掲げる経営戦略を実現するためには、不動産開発における物件の仕入資金の調達力を上げていくことが必要不可欠であります。
 市況の変化に大きく左右されることなく安定した資金調達を行うために、物件単位の資金調達に加えて、フリーキャッシュである手元資金の増強が有効であると認識しております。
 そのためには、金融機関からの借入れのみならず、多様な資金調達手法を検討していくことが重要であると考えております。

 

(7) 人材の確保と育成

上記の課題を克服するためには、優秀な人材を継続的に確保し、育成することは経営の重要な課題として認識しております。

そのために当社では、従業員のプロフェッショナル化として不動産運用に係る従業員に対し不動産に関する専門知識の習得を求めるだけでなく、すべての業務に携わる従業員に対し、自己研鑽を重ね、高い専門性を身に付けること、自律的に行動していくことを求めております。特に当社が同業他社との差別化を図るためのDX分野については、DX人材の採用に強い人材紹介サービスの積極的な活用によりDX人材確保を進めるほか、オンライン学習サービス等を活用した能力向上を推進しております。

これにより、従業員個々の能力向上を図り、当社の人材レベルの向上、ひいてはサービスの質向上、維持に繋げていきたいと考えております。

その実現には、人材に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、継続して人材のレベルアップに取り組んでおります。

併せて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、リスク管理などに対する全社員の意識向上にも努めております。

 

(目標とする経営指標)

当社は経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、安定的かつ継続的な成長を重視し、財務活動等を含んだ企業の総合的な収益力を示す経常利益を指標とし、企業価値の継続的向上を目指してまいります。
  また、財務基盤強化の観点から、自己資本比率も重要な経営指標として位置づけており、自己資本比率を向上させ、将来的には30%まで増加させる方針です。

各指標の達成状況につきましては、月次の取締役会及び経営会議等で定期的にモニタリングを行ってまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 
(1)サステナビリティに関する考え方

当社は、より良い世界を次の世代に引き継ぐためには、環境意識を高く持ちながら開発を進め、地域や子どもを中心とした活動への参加、寄付の継続による取組みが大切であると考えます。確かな未来を見据え歩む企業を目指すとともに、輝く子ども達や地域社会に広く事業が還元されるよう努力と挑戦を重ねてまいります。これに基づき、「持続可能な街づくり」「誰もが幸せに暮らせる社会への貢献」「働きがいのある職場環境」「ガバナンス・コンプライアンスの強化」をポリシーとしたESGの取組強化に努めてまいります。

 

(2)具体的な取組

 ①ガバナンス 

当社は、不動産業という専門的な業務を通じ、地域社会に貢献しつつ、株主の利益や企業価値を最大化することを目標とするとの基本的認識とコンプライアンスの重要性を、コーポレート・ガバナンスの基本方針としております。具体的には、コンプライアンス意識を徹底すべく、会社法上の各種機関等を設置するほか、経営環境の変化に柔軟に対応でき、かつ牽制が利いた内部統制・開示体制を構築し、適切に運営することにあります。株主の権利を重視し、社会的信頼に応え、持続的成長と発展を遂げていくことが重要であるとの認識に立ち、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。
 当社は、会社法に基づく機関として、株主総会、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置するとともに、日常的に事業を監視する役割として内部監査担当を任命し、対応を行っております。
 また、外部の視点からの経営監督機能を強化するため、社外取締役2名及び社外監査役3名を選任しております。これら各機関の相互連携により、経営の健全性・効率性を確保できるものと認識しているため、現状の企業統治体制を採用しております。

 

 ②人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社では、持続的な事業成長のためには、優秀な人材を継続的に確保し、育成することは経営の重要な課題として認識しております。そのために当社では、従業員のプロフェッショナル化として不動産運用に係る従業員に対し不動産に関する専門知識の習得を求めるだけでなく、すべての業務に携わる従業員に対し、自己研鑽を重ね、高い専門性を身に付けること、自律的に行動していくことを求めております。特に収益構造の転換やオープンイノベーションを推進する上で重要となるDX人材については、DX人材の採用に強い人材紹介サービスの積極的な活用によりDX人材確保を進めるほか、オンライン学習サービス等を活用した能力向上を推進しております。これにより、従業員個々の能力向上を図り、当社の人材レベルの向上、ひいてはサービスの質向上、維持に繋げていきたいと考えております。
 その実現には、人材に対する投資が必要不可欠であると考え、毎年策定する人員計画に教育研修を盛り込み、継続して人材のレベルアップに取り組んでおります。併せて、経営理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、リスク管理などに対する全社員の意識向上にも努めております。

当社は、専門性や経験、感性、価値観の異なる人材を積極的に取り込むことが必要であり、労働者不足への対応、生産性向上、事業価値の創造の観点から、国籍、宗教、年齢、性別に関係なく、様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材が意欲をもって活躍する、活力のある組織の構築を推進していくとともに、優秀な人材を確保するため、働きやすい環境とコミュニケーションを重視した社内環境整備を推進しています。

 

 ③リスク管理

当社は、事業を取り巻く様々なリスクに対して的確な管理、実践を可能にすることを目的として、「リスク管理規程」で会社のリスクマネジメントに関する基本的な事項を定めております。

 

 ④人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

当社は中期経営計画において、重点施策・事業戦略・目標に関し経営指標を掲げております。 詳細は「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(6)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。人材育成・社内環境整備に関する指標については、当社は現在、検討中のため開示を行っておりませんが、今後可能な範囲で任意的な開示を進めてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経済情勢の動向について

当社が属する不動産業界は、景気動向、金利動向及び地価動向等の経済情勢の影響を受けやすく、当社においてもこれらの経済情勢の変化により各事業の業績は影響を受けます。当社では、不動産査定及び不動産営業において豊富な経験と高い専門知識を持った人材を多く有しており、不動産にかかるリスクの軽減と同時に、収益の極大化を図ることができるよう市況の動きに注意を払っておりますが、不動産市況が当社の予測を超え、想定した以上の資産価値の下落を生じるような事態になった場合、当社の経営成績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、不動産の用地取得競争の激化による取得価格の上昇や建設資材価格の上昇に伴い原価が高騰する状況において、販売価格への転嫁が難しい場合には、売上総利益が圧迫され、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 物件の売却時期による業績の変動について

不動産ソリューション事業の売上は顧客への引渡時に計上しております。そのため、当社の業績を四半期ごとに比較した場合、引渡時期により当社の売上高及び経常利益、当期純利益が変動するため、四半期ごとの業績は必ずしも他の四半期の業績と比較して均一にはならず、各四半期の業績の偏重の度合は過年度の四半期業績と同様になるとは限りません。

また、各プロジェクトの進捗状況、販売計画の変更、販売動向の変化及び建設工事等の遅延による引渡時期の変更が、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、一取引当たりの金額が高額なプロジェクトも行っており、当該プロジェクトの売却時期が変更された場合、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 有利子負債の依存及び資金調達について

当社は、物件取得及び建築等の事業資金を金融機関からの借入金により調達しており、当社の総資産額に占める有利子負債の割合は、比較的高水準であります。今後におきましては、資金調達手段の多様化に積極的に取り組むことにより財務基盤の強化に注力する方針でありますが、市場金利が上昇する局面においては支払利息等の増加により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は資金調達に際しまして、特定の金融機関に依存することなく、案件ごとに金融機関に融資を打診し、融資実行を受けた後にプロジェクトを進行させております。しかしながら、事業着手時期の遅延、もしくは何らかの理由により計画どおりの資金調達が不調に終わった場合等には、当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。加えて当社では、有利子負債の返済原資を主に取得した物件の売却代金としており、物件の売却時期が計画から遅延した場合、又は、売却金額が当社の想定を下回った場合には、当社の資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) 法的規制等について

当社では、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において取得済みの許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、将来何らかの理由により、当該許認可等が取消され又はそれらの更新が認められない場合には、当社の事業活動に支障をきたすとともに、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、今後の法律改正又は規制の動向によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社が取得している許認可等は次のとおりであります。

許認可等の名称
許認可(登録)番号

有効期間

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

宅地建物取引業免許
国土交通大臣(3)第8315号

2022年8月7日から

2027年8月6日まで

宅地建物取引業法第66条

一般建設業許可
大阪府知事許可(般‐4)第148417号

2022年8月25日から

2027年8月24日まで

建設業法第29条

一級建築士事務所
大阪府知事登録(イ)第25500号

2023年8月10日から
2028年8月9日まで

建築士法第26条

第二種金融商品取引業
近畿財務局長(金商)第398号

金融商品取引法第52条

不動産特定共同事業
大阪府知事第16号

不動産特定共同事業法第36条

賃貸住宅管理業者

国土交通大臣(01)第003148号

2021年12月24日から

2026年12月23日まで

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律

第23条第1項

 

 

(5) 外注業務について

建設工事においては、当社はほぼすべての工事を外注しており、当社の選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合、外注先の経営不振や繁忙期等による工期の遅延、労働者の不足に伴い外注価格が上昇する場合等には当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 顧客情報管理について

当社では、保有している賃貸マンション、テナントの入居者、収益不動産並びに居住用不動産の売主・買主、及び不動産仲介やリフォーム請負顧客等の個人情報を保有しており、今後も当社の業務の拡大に伴いこれらの個人情報が増加することが予想されます。当社といたしましては、これら個人情報を正確かつ最新の内容に保つよう努めるとともに、内部の情報管理体制の強化により個人情報の保護に注力しております。しかしながら、不測の事態により個人情報の漏洩等があった場合、損害賠償請求や信用低下等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 販売用不動産の評価損について

当社では、不動産ソリューション事業に係る仕入に際して、立地条件、競合物件の動向、地中埋設物の有無、仕入価格等について十分な調査を行い、その結果を踏まえて仕入を行っております。
 しかしながら、開発に必要な条件が揃わなかったり、土壌汚染や地中埋設物等の契約不適合が発見されたことにより事業計画の遂行に重大な問題が生じたり、不動産価格の急激な変動等の要因により販売価格の引き下げを行い、取得原価が販売予定価格を上回ったりした場合、販売用不動産の評価損が発生する恐れがあります。その結果、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 減損会計の適用について

当社が所有する固定資産において、急激な経済情勢の変化や金融情勢の悪化等により事業の恒常的なキャッシュ・フローの将来にわたる収益性の著しい低下や保有資産の時価の著しい下落が認識された場合、減損会計の適用により業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 偶然不測の事故・自然災害について

火災、破裂爆発、落雷、風ひょう雪災、水災、地震火災、地震破裂、地震倒壊、噴火及び津波並びに電気的事故、機械的事故その他偶然不測の事故並びに戦争、暴動、騒乱、テロ等の災害により、当社が保有する物件について滅失、劣化又は毀損し、その価値が影響を受ける可能性があります。また、偶然不測の事故・自然災害により不動産に対する投資マインドが冷え込んだ結果、不動産需要が減り、当社の事業が影響を受ける可能性があります。こうした場合には、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 訴訟の可能性について

当社が売却した物件における契約不適合の発生、当社が行う開発工事にかかる近隣トラブル、当社が請け負った工事に対する顧客からのクレーム、入退去時のテナント等とのトラブル等を起因とする、又はこれらから派生する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 契約不適合責任について

売買対象不動産に瑕疵がある場合、売主が買主に対して契約不適合責任を負うこととなります。万が一当社の販売した物件に瑕疵があるとされた場合(工事における施工の不具合及び施工報告書の施工データの転用・加筆等を含みますが、これらに限りません。)には、その直接的な原因が当社以外の責によるものであっても当社は売主として契約不適合責任を負うことがあります。これらの場合には、当社が当該欠陥・瑕疵等の補修、建替えその他に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなることがあり、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 競合について

一般的に不動産業界は比較的参入障壁が低いということもあり、大小様々な既存競合他社が多数存在し、競争激化による影響を受けやすい業界構造となっております。当社では慎重に事業計画を精査しプロジェクトを進行しておりますが、競合他社の動向によっては事業計画の遂行に問題が生じ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 人材の確保及び育成について

当社の将来の成長は優秀な人材をはじめとする人的資源に大きく依存するため、専門性の高い不動産の知識と豊富な経験を有する人材の確保と育成が不可欠な条件であります。したがいまして、これら優秀な人材こそが当社の経営資源の核となるものであり、今後も優秀な人材の中途採用並びに、優秀な学生の新卒採用、人事制度の充実等により人材の育成に積極的に取り組んでいく方針でありますが、当社が求める人材の確保・育成が充分にできない場合や当社の役職員が大量に社外に流出した場合には、当社の事業展開及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(14) 権利行使による株式価値の希薄化について

当社では、企業価値と役職員個々の利益を一体化し、ベクトルの共有や目標の達成等組織における職務の動機付けを向上させることを目的としてストック・オプション制度を導入しております。今後も資本政策の中で慎重に検討しつつ、継続的に実施してまいりたいと考えており、当事業年度末におけるストック・オプションによる潜在株式数は56,000株であります。

また、当社は、2022年9月26日開催の臨時株主総会決議に基づき、同年9月30日に第三者割当増資の方法によるA種種類株式を発行しており、その潜在株式数は5,714,285株であります。

上記を合計した当事業年度末における潜在株式数は5,770,285株であり、2024年7月31日現在の発行済株式総数の118.5%に相当しており、権利行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(15) 不動産に係る税制について

当社の物件を取得・保有するにあたって不動産取得税、固定資産税等の各種の租税公課が発生します。現在、国策として住宅の取得を推進しているため、不動産取得税の税率軽減措置や固定資産税の負担調整措置等の税負担の軽減措置が講じられております。しかしながら、上記の税負担の軽減措置が行われなくなった場合、住宅の取得・保有にかかる負担が増加することから、お客様の住宅購入意欲の減退につながり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 保有物件の賃借人との賃貸借契約について

収益物件の賃借人との賃貸借契約の期間満了時に契約が更改される保証はないこと、また賃借人が一定期間前の通知を行うことにより賃貸借期間中であっても賃貸借契約を解約できることとされている場合もあるため、賃貸借契約の解約が増加した場合、後継賃借人が見つかるまでの間、賃貸収入が減少する等、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17) レピュテーションリスクについて

当社は、法令遵守、サービスの品質・安全性の確保、知的財産権管理、個人情報管理等に努めております。しかしながら、当社を取り巻く環境や競合他社及び競業他社を取り巻く環境において何らかの問題が発生した場合、取引先の評価に悪影響を与え、それにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18) 財務健全性に関するリスク

当社が属する不動産業界は、景気動向や市場ニーズの変化によって、不動産の販売価格が変動しております。当社が適時かつ的確に市場ニーズを捉えた開発及び販売ができなかった場合や、他社との価格競争による販売価格の下落があった場合には、当社の財政健全性に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、これらの仕入開発にかかる投資額の大半は金融機関からの融資による資金調達を行っているため、金融機関の融資姿勢が悪化した場合は新規の仕入開発が停滞することとなり、当社の財政健全性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を原因とする経済活動の停滞が完全に終息し、雇用環境、企業収益が改善し訪日観光客数が2019年を大きく上回るなど回復基調で推移しました。一方、国外ではウクライナ情勢に加えて西アジア地域における紛争の長期化、欧米におけるインフレ進行など先行きが不透明な要因が見られ不安定な状況が続いております。

当社の属する不動産業界におきましては、首都圏を中心に地価が高い水準で推移したことに加えて、人件費や資材の高騰も重なり不動産価格は継続的に上昇しました。しかし、当事業年度末に追加利上げが決定されるなど、金融政策上の大きな変化が生じたため、「金利がある世界」へ回帰することとなり、今後は当社を取り巻く外部環境に大きな変化が生じる可能性が高まっております。

このような事業環境のもと、当社では「中期経営計画(2024年7月期-2026年7月期)」に基づき、経営基盤の強化、企業価値の向上を目指し、事業を推進してまいりました。

当社の得意とするレジデンス開発案件が好調に推移すると共に、インバウンド需要の回復を背景に当社の開発するホテル・民泊案件が高収益での売却となり、業績に大きく寄与いたしました。また、当社の主要ブランドである「LEGALAND」の開発用地を中心に仕入活動を推進し、翌期以降に売却となる棚卸資産も増加しております。

その結果、当事業年度におきましては、売上高147億95百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益15億30百万円(前年同期比9.9%増)、経常利益11億9百万円(前年同期比35.1%増)、当期純利益10億79百万円(前年同期比7.1%減)となりました。なお、前事業年度において繰越欠損金に対する繰延税金資産の計上の結果、法人税等調整額の発生が△3億19百万円となり、大きく当期純利益を増加させることとなったため、当事業年度の当期純利益については減益となっております。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 不動産ソリューション事業

売上高138億15百万円(前年同期比6.6%減)、セグメント利益20億84百万円(前年同期比21.1%増)となりました。当事業セグメントにおいては、経営計画に基づき不動産価格の方向感を見定めながら、仕入面においては当社の目利き力やノウハウを最大限活用し、駅近物件等の希少性の高い販売用不動産の選定に注力しております。

販売面においては、当社の得意とするレジデンス開発案件が好調に推移すると共に、インバウンド需要の回復を背景に、当社の開発するホテル・民泊案件が高収益での売却となりました。前年同期と比較して当事業年度は減収となったものの、複数の高収益案件の売却により大きく増益となりました。

② 不動産賃貸事業

売上高9億42百万円(前年同期比18.0%減)、セグメント利益2億27百万円(前年同期比8.2%減)となりました。当事業セグメントは、当社の安定的な収益基盤の指標となるセグメントであり、当社保有の収益不動産及び販売に至るまでの所有不動産からの賃貸収入を収益の柱としております。また、当社が売却した物件も含め、お客様の保有物件の物件管理業務を受託するプロパティマネジメント事業や修繕・原状回復工事に特化したサービスを提供するファシリティマネジメント事業を行っております。

当事業年度においては、インバウンド需要の回復を背景として、当社の保有する大阪の民泊マンション・京都のホテル物件の収支が大きく改善したことにより不動産賃貸事業のセグメント利益率は24.2%となり、前事業年度のセグメント利益率21.6%から2.6ポイント改善しました。しかしながら、レジデンス物件及び大阪のホテル物件の販売に伴う賃貸収入の減少があったため、前年同期と比較して減収減益となりました。

③ その他事業

売上高37百万円(前年同期比18.0%減)、セグメント利益37百万円(前年同期比5.4%減)となりました。当事業は、不動産仲介事業及び国内外の富裕層ニーズに応えるウェルスマネジメント事業を行っております。法人・個人のお客様にかかわらず、お客様のニーズに合ったサービスを提供しております。

当事業年度においては、前年同期に大型の仲介案件があったため、前年同期と比較して減収減益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して7億88百万円増加し、23億1百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、減少した資金は4億77百万円(前事業年度は8億21百万円の増加)となりました。主な減少要因は、「棚卸資産の増加額」36億18百万円及び「利息の支払額」3億42百万円であります。主な増加要因は、「税引前当期純利益」10億41百万円、「前渡金の減少額」14億17百万円、「預り金の増加額」4億80百万円及び「支払利息」3億44百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、増加した資金は2億20百万円(前事業年度は1億27百万円の減少)となりました。主な増加要因は、「定期預金の払戻による収入」2億94百万円であります。主な減少要因は、「定期預金の預入による支出」26百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、増加した資金は10億45百万円(前事業年度は3億22百万円の増加)となりました。主な増加要因は、「長期借入れによる収入」81億63百万円であります。主な減少要因は、「長期借入金の返済による支出」74億38百万円であります。

 

(3) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社が営む事業では、生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。

 

② 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

不動産ソリューション事業

17,232,667

+19.5

7,910,143

+31.7

不動産賃貸事業(ファシリティマネジメント事業)

230,106

△26.0

1,351

△51.7

その他事業(不動産仲介事業及びウェルスマネジメント事業)

38,790

+161.0

8,746

合計

17,501,565

+18.7

7,920,241

+31.9

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

不動産ソリューション事業

13,815,332

△6.6

不動産賃貸事業

942,104

△18.0

その他事業

37,790

△18.0

合計

14,795,227

△7.5

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

なお、前事業年度における大和証券リアルティ株式会社、マーズ特定目的会社、リバー産業株式会社及び当事業年度における103合同会社、株式会社ACN、サンヨーホームズ株式会社については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

大和証券リアルティ株式会社

4,050,000

27.4

マーズ特定目的会社

1,760,000

11.9

リバー産業株式会社

1,592,304

10.8

103合同会社

4,337,933

27.1

株式会社ACN

3,020,493

18.9

サンヨーホームズ株式会社

2,060,000

12.9

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の分析

① 売上高の分析

当事業年度における売上高は、147億95百万円前年同期比7.5%減)の減収となりました。当事業年度においては当社の得意とするレジデンス開発案件が好調に推移すると共に、インバウンド需要の回復を背景に当社の開発するホテル・民泊案件が高収益での売却となり、業績に大きく寄与いたしました。不動産賃貸事業においては、インバウンド需要の回復を背景として、当社の保有する大阪の民泊マンション・京都のホテル物件の売上が増加したものの、レジデンス物件及び大阪のホテル物件の販売に伴う賃貸収入が減少しました。

以上の結果、事業セグメント別の売上高は、不動産ソリューション事業138億15百万円前年同期比6.6%減)、不動産賃貸事業9億42百万円前年同期比18.0%減)、その他事業37百万円前年同期比18.0%減)となりました。

② 費用・利益の分析

当事業年度の売上原価は、不動産ソリューション事業において前年同期と比較して販売物件の減少を主な要因として、売上原価は114億54百万円(前年同期比11.1%減)、売上総利益は33億40百万円(前年同期比7.8%増)となりました。販売費及び一般管理費は、仕入活動の伸長に伴い租税公課等が増加し、18億10百万円前年同期比6.0%増)となりました。この結果、営業利益は15億30百万円(前年同期比9.9%増)となりました。

営業外収益は、雑収入の増加などにより18百万円前年同期比99.7%増)となりました。営業外費用は、支払利息等の金融費用の減少により4億39百万円前年同期比24.3%減)となりました。以上の結果、経常利益は11億9百万円(前年同期比35.1%増)となっております。なお、前事業年度において繰越欠損金に対する繰延税金資産の計上の結果、法人税等調整額の発生が△3億19百万円となり、大きく当期純利益を増加させることとなったため、当事業年度の当期純利益は10億79百万円(前年同期比7.1%減)の減益となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

① 資産

当事業年度末における総資産は245億30百万円となり、前事業年度末に比べ28億5百万円増加しました。

流動資産は231億19百万円となり、前事業年度末に比べ24億64百万円増加しました。これは主として、開発用不動産の増加に伴う「仕掛販売用不動産」の53億15百万円増加、「現金及び預金」の5億5百万円増加、物件売却に伴う「販売用不動産」の16億96百万円減少及び物件取得の実現に伴う「前渡金」の14億17百万円減少によるものであります。

固定資産は14億10百万円となり、前事業年度末に比べ3億40百万円増加しました。これは主として、長期前払費用等の「投資その他の資産」の3億85百万円増加によるものであります。

② 負債

負債は193億12百万円となり、前事業年度末に比べ18億22百万円増加しました。

流動負債は119億3百万円となり、前事業年度末に比べ10億5百万円増加しました。これは主として、「預り金」の4億80百万円増加、「短期借入金」の2億86百万円増加、「1年内返済予定の長期借入金」の1億25百万円増加及び物件売却に伴う「前受金」の1億86百万円減少によるものであります。

固定負債は74億9百万円となり、前事業年度末に比べ8億17百万円増加しました。これは主として、不動産仕入に伴う「長期借入金」の5億99百万円増加、社債発行に伴う「社債」の2億15百万円増加によるものであります。

③ 純資産

純資産は52億17百万円となり、前事業年度末に比べ9億83百万円増加しました。これは主として、「当期純利益」10億79百万円の計上、剰余金の配当2億円及び譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分に伴う「資本剰余金」の増加1億1百万円によるものであります。自己資本比率は、前事業年度末の19.5%から21.3%と増加する結果となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当事業年度のキャッシュ・フローの状況及び増減要因につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
  現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ7億88百万円増加(前年同期比52.1%増)し23億1百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローについては、物件の仕入・開発の進捗による棚卸資産の増加によりマイナスとなりました。

投資活動によるキャッシュ・フローについては、定期預金の払戻を行った結果プラスとなりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは長期の借入れを行った結果プラスとなりました。

今後も利益の蓄積と株主資本の充実及び徹底した在庫コントロールにより、更なる営業活動によるキャッシュ・フローの改善を図ってまいります。

② 資本の財源及び資金の流動性

当社の資金需要のうち主なものは販売用不動産の仕入、建築工事費、賃貸用不動産の取得資金であり、その調達手段は主として金融機関からの短期借入金、長期借入金を基本としております。

事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、上記の財源としては現預金に加え、長期・短期の借入金を活用しております。

また、当事業年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は162億11百万円となっております。また現金及び現金同等物の残高は23億1百万円となっております。なお、全社部門の運転資金につきましては、原則自己資金を充当しております。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(6) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、安定的かつ継続的な成長を重視し、財務活動等を含んだ企業の総合的な収益力を示す経常利益を指標とし、企業価値の継続的向上を目指してまいります。当事業年度の経常利益は業績目標の経常利益10億円に対して11億9百万円(前年同期比35.1%増)となり、業績目標を大きく上回りました。

また、財務基盤強化の観点から、自己資本比率も重要な経営指標として位置づけており、中期経営計画においては早期に自己資本比率を20%に向上させ、将来的には30%まで増加させる方針としております。当事業年度末の自己資本比率は、業績回復による当期純利益10億79百万円を計上したことにより純資産額が増加したものの、仕入活動の順調な伸長により有利子負債が増加したことにより自己資本比率は21.3%(前年同期比1.8ポイント増加)となり、2024年7月期末自己資本比率目標の23.5%に対して目標を下回りました。

収益の原資となる販売用不動産の取得については、厳選したうえでの取得に努めることで総資産の過度な増加を抑制するとともに、着実な利益確保により安定的に自己資本を高めていく所存であります。

 

各指標の推移は次のとおりであります。

 

第22期(実績)

第23期(実績)

第24期(実績)

第25期(計画)

経常利益又は

経常損失(△)(千円)

△3,957,179

821,376

1,109,663

1,221,000

自己資本比率 (%)

0.3

19.5

21.3

21.5

 

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。