第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態および経営成績の状況

当中間連結会計期間におきましては、当社グループは、グローバル市場においてさらなる進化と拡大を図るため、デジタル販売の継続的な強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、当社グループの最優先課題の一つである人材投資戦略について、安定的、持続的な成長のため、将来を支える人材の確保と育成に向けた人的資本への投資を継続しました。このような経営戦略のもと、コンシューマゲーム開発におけるアニメーション制作を強みとする3DCG制作会社を子会社化するなど、開発力・技術力の持続的強化を図りました。加えて、取締役の報酬制度について、報酬の業績連動性を高めるとともに、株主との一層の価値共有を図るため、業績連動型株式報酬制度を導入するなど、中長期的な企業価値向上に向けた施策を実施しました。

事業の状況につきましては、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、当期における新作タイトルの発売時期は下期に重点を置くことから、当中間連結会計期間は、人気シリーズタイトルの発売のほか、前期発売の大型タイトルを中心としたリピート販売による商戦を展開しました。その結果、デジタルコンテンツ事業の販売本数は2,002万本と『ストリートファイター6』等を発売した前年同期の2,260万本に比べ減少しましたものの、デジタル販売施策の推進によりリピートタイトルの販売本数は1,895万本と前年同期1,760万本を上回りました。これにより、全世界の220ヵ国・地域に246タイトルを販売し、当社コンテンツの価値向上に寄与しました。

また、当社グループの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携によるIPの持つブランド力の向上に努めました。加えて、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や積極的な新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業におけるスマートパチスロの継続投入や当社グループの人気IP活用等の施策により、収益の向上を図りました。

この結果、当中間連結会計期間の売上高は564億2百万円(前年同期比24.7%減)、営業利益は207億26百万円(前年同期比38.7%減)、経常利益は207億6百万円(前年同期比42.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は152億75百万円(前年同期比39.6%減)と順調に推移しました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① デジタルコンテンツ事業

当事業におきましては、7月に完全新作『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』(Xbox Series X|S、Xbox One、プレイステーション 5、プレイステーション 4、パソコン用)を発売し、高い評価を得ました。加えて、9月に『逆転検事1&2 御剣セレクション』(Nintendo Switch、プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)、『デッドライジング デラックスリマスター』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S、パソコン用)、『MARVEL vs. CAPCOM ファイティングコレクション:アーケードクラシックス』(Nintendo Switch、プレイステーション 4、パソコン用)を発売し、シリーズファンを中心とした根強い支持を集めました。

また、リピートタイトルにおいては、『モンスターハンターワールド:アイスボーン』および『モンスターハンターライズ』が続伸し、「モンスターハンター」シリーズの全世界での累計販売本数が1億本を突破するなど、2025年2月発売のシリーズ最新作『モンスターハンターワイルズ』に向けたシリーズタイトルのブランド価値向上に寄与しました。そのほか、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得を図る施策等を行い、『バイオハザード RE:4』および『ドラゴンズドグマ 2』などシリーズタイトルを中心に販売しました。加えて、前期発売の主力シリーズの大型新作タイトル『ストリートファイター6』について、引き続きeスポーツ展開との連携強化によるブランド認知とユーザー数の拡大を推し進めました。

 

この結果、当中間連結会計期間の販売本数は、『ストリートファイター6』等を発売した前年同期と比較し減少しましたが、リピートタイトルの販売本数が前年同期を上回ったことにより収益を押し上げ、年間計画達成に向け、計画どおりの進捗となりました。

モバイルコンテンツにおいては、前期に配信を開始した『モンスターハンターNow』が累計1,500万ダウンロードを突破するなど、引き続き多くのユーザーの人気を集め、ブランド浸透と価値向上に寄与しました。加えて、6月にグローバルで配信開始した『モンスターハンターパズル アイルーアイランド』(iOS、Android用)が、100万ダウンロードを達成しました。

また、8月にドイツで開催された「gamescom 2024」の欧州最大級のゲームアワード「gamescom award 2024」において、『モンスターハンターワイルズ』が最多受賞の4冠を達成しました。さらに、9月に開催された「東京ゲームショウ2024」において、今後発売予定のタイトル試遊などを中心とした当社出展ブースが活況を呈しました。加えて、同期間中に発表された「日本ゲーム大賞2024」において、『ストリートファイター6』が年間作品部門で「優秀賞」および「特別賞」、『ドラゴンズドグマ 2』が「優秀賞」を受賞するとともに、フューチャー部門で『モンスターハンターワイルズ』が選出され、今後のタイトル販売に弾みをつけました。

この結果、売上高は397億75百万円(前年同期比35.1%減)、営業利益は206億40百万円(前年同期比40.2%減)となりました。

 

② アミューズメント施設事業

当事業におきましては、コロナ禍からの観光需要やインバウンドの回復に加え、ユーザーの消費行動に変化が生じつつある状況下、引き続き既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより来店客数が増加し、収益拡大に貢献しました。また、リアル店舗におけるイベント実施等による魅力の最大化と他事業とのシナジー効果の創出を推進しました。

当中間連結会計期間において、4月に「プラサカプコン 小矢部店」(富山県)をオープンしたことに加え、5月には「プラサカプコン 池袋店」(東京都)に新区画をオープンしましたので、施設数は51店舗となっております。

この結果、売上高は109億91百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は16億67百万円(前年同期比47.8%増)となりました。

 

③ アミューズメント機器事業

当事業におきましては、スマートパチスロのけん引によりパチスロ市場は堅調に推移している環境下、6月稼働の新機種『ストリートファイターV 挑戦者の道』を5千台販売するとともに、10月6日稼働開始の新機種『鬼武者3』を9月に11千台出荷し、収益に貢献しました。

た、3月発売の『ストライク・ザ・ブラッド』も続伸しました。

この結果、売上高は31億76百万円(前年同期比22.2%増)、営業利益は15億87百万円(前年同期比10.9%減)となりました。

 

④ その他事業

その他事業につきましては、社内組織の統合によりeスポーツとライセンスビジネスの連携を加速し、当社タイトルのブランド価値向上に向け体制強化を図りました。

このような体制のもと、eスポーツにおいては、人気タイトル『ストリートファイター6』を用いた「CAPCOM Pro Tour 2024」を6月から世界各地域で開催するとともに、国内でのチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」を8月から開催するなど、各大会において熱戦が繰り広げられました。また、「CAPCOM Pro Tour 2024」の決勝大会「CAPCOM CUP 11」は昨季に続き優勝賞金100万ドルに決定したほか、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策に加え、国内における普及にも貢献すべく、2024年シーズンの各決勝大会は両国国技館での開催を決定するなど、各大会のさらなる振興を図りました。

そのほか、「モンスターハンター」シリーズ20周年にあわせた各種イベントやコラボレーション展開の推進等、主力IPを活用した映像化や人気タイトル等のキャラクターグッズ展開などに注力しました。

この結果、売上高は24億59百万円(前年同期比30.1%増)、営業利益は11億95百万円(前年同期比94.7%増)となりました。

 

資産につきましては、前連結会計年度末に比べ23億5百万円増加し、2,457億82百万円となりました。主な増加は、「ゲームソフト仕掛品102億28百万円、「原材料及び貯蔵品12億72百万円、「現金及び預金8億6百万円、前払費用の増加等により「流動資産その他7億35百万円および「商品及び製品4億93百万円であり、主な減少は、「売掛金116億24百万円によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ15億20百万円減少し、468億74百万円となりました。主な増加は、「支払手形及び買掛金26億60百万円および未払費用の増加等により「流動負債その他15億28百万円であり、主な減少は、「賞与引当金57億54百万円によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ38億25百万円増加し、1,989億7百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する中間純利益152億75百万円であり、主な減少は、「剰余金の配当」91億63百万円および「為替換算調整勘定23億9百万円によるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億42百万円増加し、1,106億34百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、140億94百万円の収入(前年同期は272億26百万円の収入)となりました。資金の主な増加は、「税金等調整前中間純利益208億47百万円(同361億65百万円)および「売上債権の減少額」113億50百万円(同134億48百万円の減少額)であり、主な減少は、「ゲームソフト仕掛品の増加額」102億22百万円(同21億23百万円の増加額)、「法人税等の支払額49億23百万円(同116億1百万円)および「賞与引当金の減少額」31億80百万円(同7億45百万円の減少額)によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、14億93百万円の支出(前年同期は32億50百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「有形固定資産の取得による支出11億78百万円(同28億78百万円)および「無形固定資産の取得による支出2億58百万円(同2億7百万円)よるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、100億99百万円の支出(前年同期は93億80百万円の支出)となりました。資金の主な減少は、「配当金の支払額91億56百万円(同85億16百万円)によるものであります。

 

なお、当中間連結会計期間における資本の財源および資金の流動性の重要な変更はありません。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当中間連結会計期間において重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4) 財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当中間連結会計期間において重要な変更および新たに定めた基本方針はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、221億60百万円であります。

また、当中間連結会計期間における研究開発活動の状況の重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。