文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在におきまして、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「建設業を通じて人と社会に大きく貢献していくこと」を基本理念とし、「人と地球に優しい、クリーンな環境を未来へ」を基本テーマに、高収益体質企業を目標に社会とともに発展していくことを目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、建設事業における上・下水道工事のプロフェッショナルとして、社会資本の整備に貢献するとともに、効率的な施工の実施並びに工事コストの低減に努めてまいります。
また、不動産事業における事業規模の拡大を図るとともに、新規事業の確立により収益力を一層強化し、企業価値を高めることを目標に進めてまいります。
なお、具体的な目標値としましては、「売上高営業利益率7%」の継続を目標とし、事業を進めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの所属する建設業界は、政府の国土強靭化計画に基づく防災・減災対策関連公共投資、東京都における耐震化・浸水対策工事等の発注が堅調に推移することが見込まれる一方、建設資材価格の上昇、労務費の高騰等の建設コスト増加の影響のほか、受注競争の熾烈化が増す状況により、依然として厳しい経営環境が続くと思われます。
当社グループは、各影響、状況等に適切に対応し、「中期経営計画」の着実な実行と「サステナビリティ経営に関する基本方針」に基づく持続可能な経営を実践し、当社グループの「経済的価値の向上」及び「社会的価値の向上」を図るとともに、「売上高・利益率の向上」、「成長投資の拡充」、「株主還元の強化」を推進し、「ROE値7%以上の安定的達成」及び「PBR値1倍以上の達成」を目指してまいります。
当計画遂行における各事業の主な戦略は、以下のとおりです。
[建設事業]
建設事業におきましては、完成工事高及び完成工事総利益向上に向け、収益性の高い機械推進工事の受注に注力するとともに、上・下水道工事以外の新たな土木事業の受注にも積極的に取組んでまいります。
また、東京都工事を主体とした経営リスクの対応並びに収益基盤拡張の施策として、関東圏において優秀な施工技術者、事業基盤を有する建設会社の取得(子会社化)に今後も注力してまいります。
事業を推進する上で必要となる、施工管理資格及び経験を有した技術者の確保につきましては、定年者の継続雇用並びにリファラル採用、女性・外国籍職員等の雇用に積極的に取組むとともに、新卒者採用につきましても、採用対象学科を拡張して幅広い募集を行うほか、サステナビリティ経営における人的資本に関する方針及び戦略に基づく社員の育成の充実、人財の定着を着実に実施し、確かな技術の継承を行ってまいります。
[不動産事業]
(不動産販売、賃貸事業)
不動産事業売上高、不動産事業総利益の増加を目指し、保有物件の販売を行うとともに、安定した賃貸収入が期待できる新たなアパート、マンション物件の取得につきましても、今後も継続してまいります。
(太陽光発電設備事業)
新たな建設、取得は行わず、保有する太陽光発電設備による売電を継続してまいります。
[OLY事業]
OLY事業売上高、OLY事業総利益の増加を目指し、東北・関東圏エリアにおける営業強化を継続するとともに、収益基盤の拡張を目指し、名古屋OLY営業所を基軸とした関東以南エリアの販売強化にも注力してまいります。
[通信関連事業]
技術員の増員、作業技術の向上を進め、新たな受注案件の獲得並びに新たな工種の受注に注力してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
建設業界を取り巻く環境は、地球温暖化による豪雨被害の多発、大規模地震発生の懸念等から、国土強靭化に基づく防災・減災対策を確実に進めることが期待される一方、業界全体における技術者及び建設労働者不足の問題、建設資材高騰等といった課題を抱えております。
また、東京都における上・下水道設備の更新工事、豪雨対策工事等につきましても、早急な対応が必要なことから、工事の発注は今後も堅調に行われると推測されるものの、受注競争の熾烈化が増す状況から、今後も厳しい経営環境が継続するものと思われます。
このような環境において、当社グループが行う各事業における当面の課題及び対応につきましては以下の方針に基づき実施していく予定です。
建設事業におきましては、受注工事の施工日数の短縮、工事コスト削減等の工事利益増加に向けた取組みを継続するとともに、収益基盤の拡大に向けた新たな土木事業分野における受注に今後も積極的に取り組んでまいります。
また、当社グループの技術・経験の確実な継承及び事業規模の拡大に向け、サステナビリティ経営における人財の確保、定着に向けた施策を確実に推進するほか、公共工事の安定した受注基盤を持ち、優秀な技術者、施工実績を有する会社のM&Aによるグループ化も並行して行い、完成工事高、完成工事総利益の増加を着実に進めてまいります。
不動産事業における不動産販売、賃貸事業につきましては、不動産事業売上高、不動産事業総利益の増加を目指し、今後も高い利回り、安定した収益が期待される優良物件の取得に努めるとともに、保有物件の販売も並行して行ってまいります。
OLY事業につきましては、受注・売上高の増加に向け、東北・関東圏における一層の営業強化を図るとともに、名古屋OLY営業所を基軸とした関東以南エリアにおける販売強化に今後も注力してまいります。
通信関連事業につきましては、保守・管理業務の新規案件の獲得、新たな業務の受注に今後も注力し、売上高及び売上総利益の増加を目指してまいります。
当社グループは、長年培ってまいりました技術の集積により競争力を高めていくと同時に、株式公開企業としての社会的責任を認識し、コンプライアンス体制を重視するとともに、実効性のある内部統制システムの整備・充実を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループは、「建設業を通じて人と社会に貢献する」という企業理念のもと、「下水道を中心とした生活インフラの整備を通じて人と社会に貢献していきたい」という思いから1967年6月に当社を設立し、半世紀以上の長きに亘り、上・下水道工事の専門業者として事業を展開してまいりました。
私たちが生きていくために、「水」は重要かつ貴重な資源であり、人々の生活においても欠かせないものであることから、「使用・利用した水をきれいにして川や海に戻す取組み」は、水循環型社会の形成において重要な取組みと考えております。
明治時代より始まった東京都区部の下水道の整備は、初期に敷設した設備の老朽化が進んでおり、新たな設備への入替えや補修を行う必要があるほか、豪雨対策における雨水排除能力の増強や防災・減災対策における耐震性の向上などを図る再構築工事を行うことが急務となっており、当社グループの果たすべき使命はこれからも増していくものと思われます。
当社グループは、長年培ってきた施工経験、ノウハウを確実に継承し、確かなサービスを提供することにより、社会からの信頼の獲得と経済的な成果を継続的にあげることを目指しており、大切な水を守る事業を通じて持続可能な社会の構築に貢献してまいります。
(2)具体的な取組み
①ガバナンス
取締役会を経営の基本方針、重要課題並びに重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、月1回開催するとともに、事業経営にスピーディーな意思決定と柔軟な組織対応を可能にするため、事業責任者等が出席する経営会議を週1回開催しております。
また、経営管理本部長を委員長とし、監査等委員、事業責任者により構成するコンプライアンス委員会を半期に1回開催し、サステナビリティ関連のリスクと機会を監視・分析するとともに、設定した目標の進捗状況、関連情報等に関する審議を行い、その結果を取締役会に報告しております。
加えて、業務執行に関する監視、コンプライアンスや社内規程の遵守状況、業務活動の適正性かつ有効性を監査するため、監査等委員が取締役会に毎回出席し、議事内容や手続き等につき逐次確認いたしておりますほか、内部監査室を設置し、内部監査結果を定期的に代表取締役社長及び取締役会に報告しております。
②戦略
(サステナビリティに関する方針及び戦略)
当社グループは、経営理念、環境理念・方針、行動規範に基づき、お客さま、取引先、株主・投資家、従業員、地域社会など全てのステークホルダーとの対話を尊重し、持続可能な社会の発展に積極的に役割を果たすとともに、企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループは、これらを実現するため、下記のサステナビリティ方針を掲げ、取組んでおります。
1)事業を通じた環境問題への取組み
水環境の持続可能な循環型社会を支えていく取組み。
2)地域社会への参画と貢献
生活に密着したインフラを守る取組みを通じた社会貢献。
3)社会からの信頼の確立
技術力、経験に基づく確かなサービスの提供。
(人的資本に関する方針及び戦略)
当社グループは、サステナビリティ方針を遂行していく上において、「人」は最も大切な「財産」であると捉えており、培ってきた施工経験、ノウハウを確実に継承していくことが重要なミッションと考えております。この多様性の確保を含む人財の育成及び推進するための社内環境整備等に関する方針及び戦略は以下のとおりであります。
1)人財の育成
当社グループが、事業を通じて「持続可能な社会の実現」を果たすためには技術、経験を有する人財の雇用、育成、定着が重要であり、以下の取組みを行っております。
・優秀な人財確保に向けたリファラル採用等の推進
・技術者採用における土木学科以外の卒業者、未経験者採用の推進
・新入社員教育プログラムの充実(研修日数の増加、未経験者向け教育の充実)
・若手社員育成の充実、定着に向けた社長直轄機関の「人財育成推進室」の設置
・社内交流、エンゲージメント向上イベントの定期的な実施
2)ワークライフバランスの実現
当社グループは、働く一人ひとりが自らの人生を充実させることができるワークライフバランスの実現を目指し、以下の取組みを行っております。
・残業時間の低減
・有給休暇取得率の向上
・技能資格取得の奨励、技能資格一時金制度の充実
・男性の育児休業取得の推進
3)「ダイバーシティ」への取組み
当社グループは、性別、年齢、国際性、性的指向などを含む幅広い多様性を尊重し、活躍を後押しできる環境整備を推進します。
・女性工事施工管理者の積極的な採用、雇用
・女性管理職者の積極的な登用
・外国人労働者の積極的な採用、雇用
③リスク管理
当社グループは、リスクの識別、評価、管理に関する「リスク管理規程」を定め、コンプライアンス委員会、経営会議等でリスクの識別並びに情報の共有に努めており、サステナビリティ経営の推進及び経営に係る各種リスクが識別された場合は、経営会議においてモニタリング、評価・分析を行うとともに、必要に応じて、取締役会に付議し、審議、対応の決定を行います。
④指標及び目標
当社グループの上記「②戦略」において記載した多様性の確保を含む人財の育成及び社内環境整備等に関する目標及び当事業年度の実績は、次のとおりであります。
なお、当社においては関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属するすべての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難でありますことから、上記指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
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指 標 |
目 標 |
2024年7月実績 |
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(注)1級土木施工管理資格取得率は、当事業年度に受験資格を満たした対象者のうち、資格を取得した者の比率であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している各事業における主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
当社は、これらのリスクの発生の可能性を認識し、発生の低減並びに発生した場合の的確な対応に努めてまいります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループに係る市場及び事業に関するリスク
①建設事業における市場及び入札環境の変動によるリスク
当社グループの主力事業である建設事業は、社会資本の整備、維持事業を行っており、公共事業投資の状況に大きく影響を受けることとなります。このため、公共工事予算の大幅な削減等が行われた場合は工事受注量の減少が考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、M&A等による優良建設会社の取得(子会社化)等を積極的に展開しており、当該取得を通じて東京都以外の事業エリアの拡大にも努めております。
②受注価格競争に係るリスク
公共工事の入札において、低価格入札の横行並びに過当競争による競合他社との受注価格競争が激化した場合は完成工事総利益率の低下が考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
都心部の地下には、地下鉄、電気・電話等の地下ケーブル、ガス・水道・下水道管等が輻輳して埋設されており、このような地下環境下における工事は難易度が高く、確かな技術力・知識・経験等が必要となります。
当社グループは、半世紀にわたり東京都における上・下水道工事の施工を行ってきた実績があり、長年培ってきた技術力・知識・経験の確かな伝承を行うとともに更なる研鑽を積むことにより、競争に打勝つ総合力の蓄積、向上を図ってまいります。
③建設資材等の調達におけるリスク
建設事業は、受注から完成に至るまでに長い期間を要することから、施工途中において建設資材価格・労務費等が高騰し、それを請負金額に反映できない場合は完成工事総利益の低下が考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、土木本部内の積算部門において建設資材・労務費等の価格変動状況を監視しており、工事入札時には、当該状況を踏まえて入札価格の算出を行っております。また、施工期間中において急激な変動が生じた場合は、代替工法等の提案等を行い対応してまいります。
④取引先の信用低下に伴うリスク
建設事業は1件当たりの取引金額が大きく、請負契約先または協力会社の業績悪化等により信用不安に陥った場合は工事代金の回収の遅延や貸倒れ等が発生することが考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新規の取引先については信用、与信調査等を行い取引可否の判断を行っており、取引の継続先におきましても信用調査会社等と提携して情報の収集を行い、債権の保全に努めております。
⑤施工における瑕疵の発生によるリスク
品質管理には万全を期しておりますが、瑕疵担保責任並びに製造物責任等の賠償責任が発生した場合は多額の損害賠償を請求されることが考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、一般財団法人日本品質保証機構における品質マネジメントシステム(ISO 9001)の認証を取得し、工法別作業マニュアルに基づく品質管理を徹底しております。
また、工事の完成時には土木本部役員による社内検査を実施し、品質の確認を行っております。
⑥労働災害等の発生によるリスク
施工中の防災及び事故防止には万全を期しておりますが、予期しない原因などにより工事事故や労働災害が発生した場合は指名停止などにより受注機会が減少することが考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、経営トップを中心とした安全管理体制を構築しており、施工状況の巡回監視結果を経営会議において報告し、状況の把握並びに改善の検討を行っております。
また、協力会社を中心とした災害防止協議会を組織し、協議会役員による巡回の実施、施工方法の改善検討も行っております。
⑦従業員の確保等に関するリスク
当社グループが行う建設事業は、工事ごとに国家資格を有した管理技術者を選任して配置する必要があるほか、施工管理を担当する人員を必要といたします。
建設業界への就労人口が減少傾向にある状況から、人材の獲得の停滞や離職者の増加等により人員が不足する状況に陥った場合は完成工事高、完成工事総利益の減少が考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新たな人員の獲得に向けた採用活動を積極的に展開するとともに、社員の定年後の継続雇用の充実を図り、人員の確保に努めております。
また、工事施工管理業務を希望する女性の雇用も積極的に行っております。
⑧法的規制によるリスク
当社グループの事業は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、労働安全衛生法等の法的規制を受けておりますが、これらの法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等が行われた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、法令遵守を最重要課題と位置づけ、担当部門による法令改正等の動向のモニタリングを実施するとともに、事前に法改正等に向けた対応方針を策定し、グループ全体への周知を行っております。
また、原則3か月に1回開催される全役職員が出席する全体会議において、代表取締役社長及び担当取締役が法令遵守の重要性を説明し、法令遵守の浸透並びに体制の強化に努めております。
(2)その他、当社グループの経営に係るリスク
①資金調達に係るリスク
金融危機の発生、急激な市場変動等により経済状況が悪化した場合は工事資金等の調達に支障が生じるほか、調達コストが上昇することが考えられ、当該事象が生じた場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、複数年にわたるコミットメントライン契約を締結することなどにより、適正な手元流動性の確保並びに調達コスト上昇リスクの低減に努めております。
②保有資産の時価の下落によるリスク
当社グループは、販売用不動産及び土地等の有形固定資産を保有しており、国内の不動産市況が悪化し、保有する不動産の評価減及び減損処理等を行った場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、不動産の取得については経営会議、取締役会において取得の検討を行っております。
また、取得後は、不動産の稼働率向上に努めるとともに、各保有不動産の月次稼働状況をモニタリングし、市場価値を勘案しながら有用な資産のみを保有することでリスクの最小化を図っております。
③退職給付債務に関するリスク
退職給付債務算定に用いる前提となる年金資産の時価、期待運用利回り等に大きな変動があった場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
年金資産の運用については、ポートフォリオをリスクの低い一般勘定を中心とした安定運用とすることにより、時価の下落によるリスクを低減するよう努めております。
④大規模自然災害等の発生によるリスク
地震、津波、風水害等の大規模自然災害が発生し、当社グループの従業員や保有資産等の直接的被災が発生した場合並びに当該災害の発生により受注環境の変化、建設資材の価格の高騰、電力の供給不足等が発生した場合は売上高の減少、収支採算の悪化等が考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度、時期等について予測することは困難でありますが、当社グループは、発生した際に最も被害が大きいと予測される地震被害想定に基づく災害対策を策定し、災害時における人的被害の低減並びに早期の事業再開に向けた体制等の整備に努めております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善並びに経済活動の正常化が進んだことにより、景気は持ち直しつつあるものの、世界情勢の緊迫に伴う資源・エネルギー価格の高騰、円安の進行等が国内経済に及ぼす影響が懸念され、先行きの不透明な状況が続いております。
国内建設市場におきましては、国土強靭化計画等に基づく防災・減災対策関連の公共投資が変わらず底堅く推移しており、東京都における上・下水道設備の建設におきましても、耐震化工事・浸水対策工事等の発注が継続して行われておりますが、受注競争の熾烈化が増す状況並びに建設資材、労務費等の建設コスト増加により厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社グループの主力の建設事業におきましては、完成工事総利益増加に向けた工事施工日数の短縮、工事コスト削減等の徹底を継続するとともに、当連結会計年度に工事の完成が集中したことに伴う手持ち工事数の減少を補填するため、新規工事の受注に注力してまいりました。
不動産事業におきましては、手持ち賃貸物件の入居率向上に向けた宣伝、営業活動を継続するとともに、保有不動産の販売につきましても積極的に展開してまいりました。
OLY事業につきましては、主要基盤である東北・関東圏における受注・売上増加に向けた営業活動を展開するとともに、関東以南エリアにおける新規顧客の獲得並びに受注増加を目指し、名古屋OLY営業所を基軸とした営業強化に注力してまいりました。
通信関連事業におきましては、売上高及び売上総利益の増加を目指し、通信所内設備の保守運用業務の新規管理案件、新たな工種の受注に取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は59億81百万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は6億21百万円(前年同期比37.7%増)、経常利益は5億95百万円(前年同期比37.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億14百万円(前年同期比41.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。また、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
(建設事業)
建設事業におきましては、受注高54億66百万円(前年同期比40.4%増)、売上高43億38百万円(前年同期比1.6%減)、セグメント利益(営業利益)3億94百万円(前年同期比61.1%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業におきましては、不動産物件の売却並びに賃貸収入、クローゼットレンタル事業により売上高6億76百万円(前年同期比19.7%増)、セグメント利益(営業利益)74百万円(前年同期比212.6%増)となりました。
(OLY事業)
OLY事業におきましては、OLY機材のリース販売等により売上高5億66百万円(前年同期比23.3%減)、セグメント利益(営業利益)97百万円(前年同期比27.9%減)となりました。
(通信関連事業)
通信関連事業におきましては、通信回線の保守・管理業務等により売上高4億18百万円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益(営業利益)55百万円(前年同期比16.5%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産の残高は、119億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億24百万円増加いたしました。主な理由は、現金及び預金の増加10億49百万円、受取手形・完成工事未収入金等の減少3億54百万円、販売用不動産の減少2億19百万円、保険積立金の増加50百万円によるものであります。
当連結会計年度末の負債の残高は、63億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ51百万円増加いたしました。主な理由は、工事未払金の減少6百万円、短期借入金の増加3億40百万円、未払金の減少3百万円、未払法人税等の増加59百万円、未成工事受入金の増加2億86百万円、その他の流動負債の増加71百万円、長期借入金の減少6億95百万円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産の残高は、56億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億73百万円増加いたしました。主な理由は、資本金の増加1億円、資本剰余金の増加1億円、利益剰余金の増加2億74百万円、新株予約権の減少1百万円によるものであります。
③当期のキャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、33億53百万円と前連結会計年度末に比べ10億43百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況等につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は14億75百万円(前年同期は19億50百万円の減少)となりました。資金の主な増加は、税金等調整前当期純利益6億5百万円、減価償却費48百万円、売上債権の減少3億54百万円、棚卸資産の減少2億74百万円、未成工事受入金の増加2億86百万円、未払消費税等の増加61百万円であり、資金の主な減少は、退職給付に係る資産の増加43百万円、法人税等の支払額1億23百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は1億35百万円(前年同期は1億74百万円の増加)となりました。資金の主な増加は、有形固定資産の売却による収入31百万円、定期預金の払戻による収入91百万円であり、資金の主な減少は、有形固定資産の取得による支出68百万円、保険積立金の積立による支出50百万円、定期預金の預入による支出1億41百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は2億96百万円(前年同期は14億82百万円の増加)となりました。資金の主な増加は、短期借入れによる収入29億円、株式の発行による収入1億98百万円であり、資金の主な減少は、短期借入金の返済による支出27億円、長期借入金の返済による支出5億55百万円、配当金の支払額1億39百万円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
前年同期比(%) |
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建設事業(千円) |
5,466,251 |
140.4 |
|
不動産事業(千円) |
676,170 |
119.7 |
|
OLY事業(千円) |
548,516 |
77.7 |
|
通信関連事業(千円) |
418,279 |
112.1 |
b.売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
前年同期比(%) |
|
建設事業(千円) |
4,338,766 |
98.4 |
|
不動産事業(千円) |
676,170 |
119.7 |
|
OLY事業(千円) |
548,516 |
77.7 |
|
通信関連事業(千円) |
418,279 |
112.1 |
|
報告セグメント計(千円) |
5,981,732 |
98.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当社グループの事業では生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
3.主な相手先別の売上実績及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度 東京都下水道局 25.4% 1,538,732千円
東京都水道局 19.6% 1,185,639千円
当連結会計年度 東京都下水道局 33.5% 2,006,597千円
東京都水道局 16.5% 989,556千円
当社グループの建設事業における状況につきましては、提出会社が業績の大半を占めるため個別表記しております。
なお、提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び施工高の状況
(受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高)
前事業年度(自2022年8月1日 至2023年7月31日)
|
種類別 |
前期繰越高 (千円) |
当期受注高 (千円) |
計(千円) |
当期完成工事高 (千円) |
次期繰越高 |
当期施工高 (千円) |
||
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手持高 (千円) |
うち施工高(千円) |
|||||||
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% |
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土木工事 |
4,023,614 |
2,660,108 |
6,683,722 |
2,736,230 |
3,947,491 |
2.3 |
92,406 |
2,609,525 |
|
計 |
4,023,614 |
2,660,108 |
6,683,722 |
2,736,230 |
3,947,491 |
2.3 |
92,406 |
2,609,525 |
当事業年度(自2023年8月1日 至2024年7月31日)
|
種類別 |
前期繰越高 (千円) |
当期受注高 (千円) |
計(千円) |
当期完成工事高 (千円) |
次期繰越高 |
当期施工高 (千円) |
||
|
手持高 (千円) |
うち施工高(千円) |
|||||||
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% |
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|
|
土木工事 |
3,947,491 |
4,348,722 |
8,296,214 |
2,996,153 |
5,300,060 |
0.5 |
27,980 |
2,931,727 |
|
計 |
3,947,491 |
4,348,722 |
8,296,214 |
2,996,153 |
5,300,060 |
0.5 |
27,980 |
2,931,727 |
(注)1.前期以前に受注したもので、契約の更新により請負金額に変更があるものについては、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
(受注高及び売上高について)
当社は建設市場の状況を反映して工事の受注工事高及び完成工事高が平均化しておらず、最近3年間についてみても次のように変動しております。
|
期別 |
受注工事高 |
完成工事高 |
||||
|
1年通期(A) (千円) |
下半期(B) (千円) |
(B)/(A) (%) |
1年通期(C) (千円) |
下半期(D) (千円) |
(D)/(C) (%) |
|
|
第56期 |
3,492,849 |
2,323,802 |
66.5 |
2,559,019 |
1,323,746 |
51.7 |
|
第57期 |
2,660,108 |
469,176 |
17.6 |
2,736,230 |
1,505,251 |
55.0 |
|
第58期 |
4,348,722 |
2,326,530 |
53.5 |
2,996,153 |
1,556,700 |
52.0 |
(完成工事高)
|
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
前事業年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
土木工事 |
2,736,230 |
- |
2,736,230 |
|
計 |
2,736,230 |
- |
2,736,230 |
|
|
当事業年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
土木工事 |
2,996,153 |
- |
2,996,153 |
|
計 |
2,996,153 |
- |
2,996,153 |
(注)1.完成工事の内、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
|
東京都下水道局 |
港区海岸二、三丁目付近再構築その2工事 |
|
東京都水道局 |
江東区南砂二丁目地先下水道管(400㎜)補修工事 |
|
東京都財務局 |
車両基地撤去工事(3築-1) |
当事業年度
|
東京都下水道局 |
台東区上野四、七丁目付近再構築工事 |
|
東京都下水道局 |
江東区大島七丁目付近再構築その2工事 |
|
東京都水道局 |
墨田区立川四丁目地先から同区菊川三丁目地先間配水本管(700㎜・400㎜)布設替及び既設さや管内配管工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度 東京都下水道局 56.2% 1,538,732千円
東京都水道局 43.3% 1,185,639千円
当事業年度 東京都下水道局 67.0% 2,006,597千円
東京都水道局 33.0% 989,556千円
(手持工事高)(2024年7月31日現在)
|
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
合計(千円) |
|
土木工事 |
5,300,060 |
- |
5,300,060 |
|
計 |
5,300,060 |
- |
5,300,060 |
(注)手持工事の内、主なものは次のとおりであります。
|
東京都下水道局 |
浅草駅雨水貯留管工事 |
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東京都下水道局 |
千代田区外神田三丁目付近再構築工事 |
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東京都下水道局 |
荒川区西尾久四丁目、北区昭和町一丁目付近再構築工事 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについて、経営者は過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、当連結会計年度の期首より、従来「不動産事業等」に含めていたOLYリース事業を量的な重要性が増したため、「OLY事業」として独立のセグメントに変更し、「その他」として報告しておりましたクローゼットレンタル事業につきましては、金額的な影響が軽微なことから、「不動産事業」に含めることといたしました。
これに伴い、報告セグメントを従来の「建設事業」、「不動産事業等」、「通信関連事業」の3区分から、「建設事業」、「不動産事業」、「OLY事業」、「通信関連事業」の4区分に変更しており、当区分に基づき記載しております。
a.経営成績の分析
(売上高、売上総利益の分析)
建設事業における完成工事高につきましては、当社における上・下水道工事の施工は概ね順調に進捗し、前期を上回る結果となりましたものの、当事業を構成する子会社の井口建設株式会社、港シビル株式会社における受注量減少等の要因から、前年を下回る結果となりましたことにより、43億38百万円となり、前連結会計年度に比べ71百万円(1.6%)の減収となりましたが、完成工事総利益につきましては、当社において当期に完成した工事の大幅な工事利益の上積みが図れたことにより、7億99百万円となり、前連結会計年度に比べ1億52百万円(23.7%)の増益となりました。
不動産事業売上高につきましては、太陽光事業における売電売り上げは概ね前年同様の推移となり、クローゼットレンタル事業につきましては、利用促進が図れたことから増加となりました。また、不動産賃貸、販売事業につきましては、賃貸売上28百万円(8.2%)、販売売上82百万円(42.9%)増加し、不動産事業全体の売上高は6億76百万円となり、前連結会計年度に比べ1億11百万円(19.7%)の増収となり、当増収により、不動産事業総利益は1億50百万円となり、前連結会計年度に比べ45百万円(43.3%)の増益となりました。
OLY事業売上高につきましては、OLY機材リースは、名古屋営業所を基軸とした関東以南エリアにおける営業体制の整備・強化に注力するとともに、主要基盤である関東・東北圏における受注増加に向けた営業を展開してまいりましたが、第4四半期における東北・関東圏の受注量の低下により、機材リース売上高は4億82百万円となり、前連結会計年度に比べ14百万円(2.9%)の減収となりました。
また、茨城工場の鉄骨製作等の売上につきましても、新規OLY機材の製作、路面覆工の施工に使用する覆工板の製作に注力したため、従来行っている防音壁のメンテナンス工事、建築の鉄骨加工等の外部受注を控えたことにより、工場売上高は66百万円となり、前連結会計年度に比べ1億42百万円(68.2%)の減収となりましたことから、OLY事業全体の売上高は5億48百万円となり、前連結会計年度に比べ1億57百万円(22.3%)の減収となりました。また、OLY事業総利益につきましても、当減収の影響並びに営業所経費増加等により、1億34百万円となり、前連結会計年度に比べ37百万円(21.8%)の減益となりました。
通信関連事業につきましては、通信回線の保守・管理業における受託業務拡張による業務量増加に伴い、売上高4億18百万円、売上総利益1億4百万円の結果となり、前連結会計年度に比べ45百万円(12.1%)の増収及び14百万円(15.6%)の増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ72百万円(1.2%)減少の59億81百万円となり、売上総利益につきましては、前連結会計年度に比べ1億75百万円(17.3%)増加の11億89百万円となりました。
(販売費及び一般管理費の分析)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と概ね同水準の支出となり、5億67百万円となりました。
(営業利益の分析)
営業利益につきましては、完成工事総利益、不動産事業総利益、通信関連事業総利益の増加等により、前連結会計年度に比べ1億70百万円(37.7%)増加し、6億21百万円となりました。
(経常利益の分析)
経常利益につきましては、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ1億61百万円(37.3%)増加し、5億95百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益の分析)
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金等調整前当期純利益は6億5百万円となり、法人税、住民税及び事業税1億56百万円、法人税等調整額33百万円計上の結果、前連結会計年度に比べ1億21百万円(41.3%)増加し、4億14百万円となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産の残高は、119億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億24百万円増加いたしました。主な理由は、現金及び預金の増加10億49百万円、受取手形・完成工事未収入金等の減少3億54百万円、販売用不動産の減少2億19百万円、保険積立金の増加50百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債の残高は、63億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ51百万円増加いたしました。主な理由は、工事未払金の減少6百万円、短期借入金の増加3億40百万円、未払金の減少3百万円、未払法人税等の増加59百万円、未成工事受入金の増加2億86百万円、その他の流動負債の増加71百万円、長期借入金の減少6億95百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産の残高は、56億17百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億73百万円増加いたしました。主な理由は、資本金の増加1億円、資本剰余金の増加1億円、利益剰余金の増加2億74百万円、新株予約権の減少1百万円によるものであります。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③当期のキャッシュ・フローの状況」を参照ください。
d.資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、将来の事業活動に必要な資金を確保し、適切な流動性を維持することを財務の基本方針としております。資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費などの運転資金、設備投資資金及び不動産事業における不動産の取得、建設資金であります。
その資金の原資は、自己資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等によって行っております。短期的な運転資金の調達に関しましては、短期借入金を基本とし、設備投資資金に関しましては、株式市場における増資及び金融機関の長期の借入により調達を行っております。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、「サステナビリティ経営に関する基本方針」に基づくESG(環境・社会・ガバナンス)へ配慮・注力した「環境・社会・経済」の3つの観点における持続可能な経営を実践し、当社グループの「経済的価値の向上」及び「社会的価値の向上」を図るとともに、「売上高・利益率の向上」、「成長投資の拡充」、「株主還元の強化」を推進し、「ROE値7%以上の安定的達成」及び「PBR値1倍以上の達成」を目指しております。
また、各事業セグメントの収益力強化に取り組むとともに、策定しました「ACTION PLAN 2022」における「営業利益率7%」の目標達成に向け、グループ一丸となって取組んでおります。
「ACTION PLAN 2022」の2期目となる第58期の事業セグメント別の計画及び実績につきましては、以下の状況となりました。
不動産事業につきましては、事業売上高は計画に及ばなかったものの、賃貸収益、販売利益は向上し、事業利益につきましては計画を上回りました。
OLY事業につきましては、事業売上高は概ね計画通りの推移となり、事業利益につきましては計画を上回りました。
通信関連事業につきましては、受託業務量の拡張等により、事業売上高、利益ともに計画を上回りました。
建設事業につきましては、当社工事において、施工変更による工事の着工遅れ並びに他企業との施工場所の競合等による工事の中断がありましたほか、子会社の港シビル株式会社における新規工事の受注遅れ、計画しておりましたM&Aによる新規子会社取得遅れ等により、事業売上高の大幅な未達となりましたが、事業利益につきましては、当期に完成した上・下水道工事の大幅な利益の上積みがあり、計画を上回りました。
この結果、グループの全体につきましては、売上高は計画より低下したものの、各事業の収益向上が図れたことにより、営業利益、営業利益率につきましては、大きく上回る結果となりました。
「中期経営計画(ACTION PLAN 2022)」と当連結会計年度実績との比較は次のとおりであります。
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|
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
|
|
区分 |
計画 |
実績 |
|
売上高(千円) |
7,259,721 |
5,981,732 |
|
営業利益(千円) |
389,628 |
621,857 |
|
営業利益率(%) |
5.37 |
10.40 |
次期の見通しとしましては、機械式推進工事を主体とした工事が少なく、開削工事、管更生工事を主体とした工事売上となることが見込まれるほか、M&Aによる新規子会社取得につきましても織り込むまでには至っていないことから、売上高につきましては計画を下回るものの、営業利益率につきましては、目標とする7%を確保する見込みです。
「中期経営計画(ACTION PLAN 2022)」における次期連結会計年度(第59期)の計画と2024年9月13日に発表しました「2025年7月期の連結業績予想」との比較は次のとおりであります。
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次期連結会計年度 (自 2024年8月1日 至 2025年7月31日) |
|
|
区分 |
計画 |
予想 |
|
売上高(千円) |
7,637,725 |
6,529,209 |
|
営業利益(千円) |
444,677 |
458,196 |
|
営業利益率(%) |
5.82 |
7.02 |
特記事項はありません。
特記事項はありません。