文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。当社グループの将来に関する見通し及び計画に基づいた将来予測には、リスクや不確定な要素などの要因が含まれており、実際の成果や業績などは、記載の見通しとは異なる可能性があります。
(1) 会社の経営の基本方針・中期的な会社の経営戦略
当社グループは、「女性の染色体XXを美の象徴と位置づけ、アジア(ASIA⇒AZIA)の美を日本から世界へ発信する総合ビューティーソリューションカンパニーを目指す」という信念のもと経営に取り組んでまいりました。当社グループが強みを活かせるセグメントを発見し、そこに経営資源をつぎ込む「製品・市場特定化戦略」を基本戦略方針とし、局所的ナンバーワンとなることで競争優位を創出しております。
消費市場としてのアジアが注目される中、当社グループは、化粧人口の拡大と消費の高度化で高成長が期待される中国市場に事業機会を見出し、中国本土での販売力強化に努め、売上を拡大してまいりました。
今後は、中国市場で培ったノウハウを有効に活用し、日本およびその他地域(東南アジア、北米、オーストラリア等)への展開を強化し、真の意味でのグローバルビューティーカンパニーを目指してまいります。
なお、中期的な見通しにつきましては、経営環境の変化に柔軟に対応し、より迅速な意思決定を行うために、毎年、直前事業年度の業績等を踏まえて次年度以降3ヵ年の中期事業計画の見直し策定を行っております。
当社グループは、現在、成長段階にあることや、株主の皆様の成長期待に応えるために、特に売上高成長、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率を意識した経営に取り組んでおります。
長期的な成長・発展を実現するために、以下の基本戦略をロードマップとして掲げております。
① 当社グループの中枢・中核となる強みを活かした事業展開
当社グループの競争力の源泉は「日中各々の優位性を活かした事業展開」であると認識しております。
当社グループでは、日本市場向けに投入した製品を中国市場に展開するのではなく、中国現地での市場調査を基に、中国での消費者ニーズが高いと想定される製品を企画、開発しております。また、NMPA認可成分・処方を重視した商品設計を行っており、スムーズにNMPA認可を進められる体制を構築しております。日系企業の化粧品は高品質と信頼感でアジアでの人気が高く、また、スキンケア、美白など東アジア人共通の美意識への対応力があることから、中国をはじめとする東アジア市場では優位性があると認識しております。
以上のような中国でのマーケティング力、中国でのブランド認知度、中国人の生活・習慣・嗜好を熟知した中国人向け製品開発力を活かし、積極的に中国需要を取り込み事業の成長に繋げてまいります。
また、中国市場で培った上記ノウハウを活用し、今後は中国のみならず、日本およびその他地域につきましても、それぞれの市場特性に応じた製品開発を行うことで、グローバルな事業拡大に取り組んでまいります。
② 組織の機動力を活かした製品開発スピードの速さ
当社グループでは、当連結会計年度においてリニューアル品を含め計31品目の新製品を上市しておりますが、当社グループの強みは、組織の機動力を活かした製品開発スピードの速さであります。
機動力を活かし、引き続き毎年20SKU以上の開発・上市を目標とし、市場ニーズに応じた新ブランドの創出にも取り組んでまいります。また、製品上市後もユーザーの声を踏まえた製品改良に継続的に取り組んでおり、既存の主力製品のライフサイクルの長期化を図っております。
また、2022年4月には化粧品・医薬部外品の製造工場を持つ株式会社ユイット・ラボラトリーズの全株式を取得しており、連結子会社化しております。これにより、少量多品種は自前で、量産品は委託先で製造することでさらなる製品開発サイクルの短縮に努めてまいるとともに、同社との事業シナジーの拡大のため取り組んでまいります。
③ 「内外美容」をコンセプトとした製品ラインアップの拡充
当社グループでは、化粧品とインナーケア製品との相乗効果により美肌を引き出す「内外美容」を推奨しております。基幹ブランドには、各々のブランドコンセプトを一にする化粧品とサプリメント等のインナーケア製品を取り揃えることで、ブランドを差別化し、存在感を向上させております。
当社グループでは、引き続き、「内外美容」をコンセプトとして製品開発を進めブランドの存在感を向上してまいります。
④ 戦略的広告投資の強化
化粧品のブランド力形成と販売において、メディアを用いた広告宣伝、インターネット上でのイベント、これらのタイアップなど、マーケティング活動は非常に大きな効果を持ちます。当社グループは、中国本土を中心に更にブランド認知度やブランドイメージを向上させるべく、主にユーザーと直接の繋がりをもつTaobaoオーナーへのマーケティングや口コミサイトとしての特性を活かすためのRED、Douyin、Kuaishouでのマーケティング(ライブ配信やKOLマーケティング等)といったボトムアップアプローチにより、販売促進や広告宣伝活動を実施してまいりました。特に、REDの費用は当社負担で売上に対する割合は相対的に小さく、またTaobaoはオーナーの費用負担であることから、全体的に当社の負担は少ないという特徴があります。
昨今、中国における購買の手法としてライブコマースが主流となってきておりますが、当社は中国で培ったリレーションを生かし、有名KOLを確保することで、新規顧客の取り込みにも成功しております。今後も、中国市場における強固なリレーションを武器に、時流に応じた柔軟なマーケティング戦略を展開し、競争力を維持・強化してまいります。
(2) 経営環境
当連結会計年度におけるわが国の経済は、経済活動の正常化や雇用・所得環境改善の動き、インバウンド消費の増加を背景に、緩やかな回復傾向がみられました。一方で、中東地域をめぐる情勢や為替動向、物価上昇の影響等もあり、依然として不確実性を伴う状況が続いております。
国内化粧品市場においては、緩やかな景気回復を背景に消費は回復傾向にあり、円安効果によるインバウンド需要の回復もみられました。
中国市場においては、ALPS処理水の海洋放出による日本製品回避の動きがあり、収束しつつあるものの、不動産不況の継続、物価下落を背景に景気回復の動きに足踏みがみられ、依然として厳しい市場環境が続いております。
このような市場環境のもと、当社グループでは、中国本土での広告投資を強化し販売力の強化を図るとともに、中国以外の地域への展開強化のための取り組みを進めてまいりました。中国においては、ブランドアンバサダーの起用や、主力製品である「AGドリンクX」の発売一周年を記念したDouyinにおけるライブ販売実施、「エイジ―セオリー」ブランドの拡充、インナーケア製品の拡充等、中国における更なる認知度及び売上向上に取り組んでまいりました。日本国内においては、インバウンド需要の回復を見据え、全国主要都市(渋谷、梅田、札幌、新宿、銀座)にポップアップ店舗を出店、また、京王百貨店 新宿店に直営店舗を新設いたしました。また、渋谷駅における「AGドリンクX」の大型ビジョン広告の放映等、日本における知名度向上にも取り組んでまいりました。その他の地域につきましては、ドバイ、香港、タイにおける展示会出展や、シンガポールに向けたライブ販売やイベントの実施等、グローバルな事業拡大に取り組んでまいりました。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、連結売上高増加率、連結売上高営業利益率、自己資本当期純利益率の向上を重要な経営指標としております。足元の推移は以下のとおりです。
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前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
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連結売上高増加率 |
38.0% |
7.5% |
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連結売上高営業利益率 |
16.8% |
7.5% |
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自己資本当期純利益率 |
15.4% |
9.1% |
(注)連結売上高増加率=(当期連結売上高-前期連結売上高)/前期連結売上高×100
なお、主戦場とする中国における市場環境の変化、子会社の増加等による収益構造の変化を踏まえ、前連結会計年度まで重要な経営指標としておりました、売上高に占める広告宣伝費及び支払手数料率の維持を、経営指標より除いております。
また、資本コストや株価を意識した経営を推進していくべく、当連結会計年度より自己資本当期純利益率を重要指標として追加しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの経営方針及び経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
① ブランド認知度拡大
当社グループが事業領域とする化粧品業界では、ブランドの認知度向上が重要な課題であると認識しております。ブランド差別化のため、成分、容器、資材の全てを自社企画し、自社工場生産レベルでの高い品質管理基準を実践することで安心・安全なプレステージ化粧品を目指しております。ブランド力の維持のために、セキュリティ検証システムや社内担当者の目視による確認、トレーサビリティの強化を実施し、滞留在庫や横流し、偽ブランド品流通防止対策に注力しております。加えて、包装・出荷・在庫管理についても全て内製化することで供給過多とならないよう配慮しております。また、Tmall Global、RED及びDouyinでのプロモーションに中国で著名なインフルエンサーを起用することで波及効果の拡大を狙っており、ブランド認知度は一定程度高まってはいるものの、持続的な事業成長のためには、更なる認知度の向上が不可欠と考えております。
② 中国以外の地域への事業展開強化
当社グループが経営理念として掲げている「アジアの美を日本から世界へ発信する総合ビューティーソリューションカンパニー」を目指すには、中国以外の地域への事業展開強化により中国市場リスクの影響軽減が重要な課題であると認識しております。
日本国内につきましては、日本におけるブランド認知度向上およびインバウンド需要取り込みのため、直営店のリニューアル等によってブランドイメージの統一・向上を図ってまいります。また、卸販売については、バラエティショップの取り扱い店舗数拡大に取り組んでおります。日本国内ECにつきましては、インフルエンサーアフィリエイトの活用やSNS発信強化による売上拡大を図ってまいります。
中国・日本以外の海外につきましては、シンガポールをはじめとした東南アジア、北米(アメリカ、カナダ)、オーストラリア等への販売・チャネル拡大を進めており、現地在住の中国人にアプローチし売上拡大を図ってまいります。
③ 生産・研究開発の強化
当社グループが事業領域とする化粧品業界では、スピーディーな生産および差別化のできる製品の開発が重要な課題であると認識しております。
生産につきましては、2022年4月に連結子会社化した株式会社ユイット・ラボラトリーズを活用し、少量多品種は自前で、量産品は委託先で製造することで製品開発サイクルの短縮及び収益性の向上に努めてまいるとともに、同社との事業シナジーの拡大のため取り組んでまいります。
研究開発につきましては、独自の中国での市場調査を基に、中国女性からのニーズが高いと想定される製品の企画、開発を進めております。また、「AGドリンク」や「エッセンスシート」といった、特定のテーマ性を持った製品の売上拡大に注力しております。特定の市場で主力製品が生まれることで、認知度が高まり、その特定のテーマでのシリーズ展開により収益基盤の拡大を図る戦略をとっております。市場要求や顧客ニーズを的確に捉えた製品開発を行うことで、更なるブランド力醸成を図ってまいります。
また、2022年11月に設立したR&Dセンターや外部試験機関を活用し新製品・新処方開発に取り組むことで、知財出願や、効果効能を謳える機能性表示食品、医薬部外品の開発・取得も目指してまいります。
④ サステナビリティの推進
当社グループでは、中長期的な企業価値向上のためには、サステナビリティに関する取り組みを推進することが重要であると認識しております。2023年8月に新設したサステナビリティ委員会にて、2024年1月にサステナビリティ基本方針を策定しております。今後、当該方針に沿った取り組み・投資を進めてまいります。
⑤ 人的資本投資
今後の更なる事業拡大のためには、優秀な人材の確保や成長フェーズに応じた組織体制の強化が不可欠であると認識しております。人材の確保においては、企業風土にあった国内・海外の人材の採用・登用に努め、あわせて従業員の入社年数等の段階にあわせた教育プログラムを体系的に実施することによって、各人のスキル向上を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方および基本方針
当社グループは、「先進的かつ革新的なビューティー プロダクツを、スピード感を持って、柔軟に、発信・提案し続け、全ての人を美しく幸せにする」をビジョンとして掲げております。そのビジョンを達成するためには、根底にある地球環境や社会がすこやかである必要があると考えております。
そのような考えのもと、当社グループは、地球環境や社会に向き合い、それらを取り巻く課題の解決に向けた取り組みを展開することにより、持続可能な社会の実現を目指してまいります。
(2)サステナビリティ全般
① ガバナンス
当社グループでは、中長期的な企業価値向上のため、2023年8月にサステナビリティ委員会を設置いたしました。同委員会は、委員長である代表取締役をはじめ常勤取締役、常勤監査役、執行役員で構成され、四半期に1度の頻度で開催しております。
サステナビリティ委員会では、サステナビリティリスクに対する対応策や課題の検討・協議を行うとともに、その実施状況および効果の計測・評価を行ってまいります。協議・決定した内容は定期的に取締役会に報告され、取締役会が監督及びモニタリング機能を果たします。
② 戦略
当社グループの経営方針・経営戦略に影響を与える可能性がある社会課題を抽出し、特に対処すべき重要課題として「重要課題(マテリアリティ)」を特定しております。特定したマテリアリティに対してはそれぞれ取り組みテーマと短中期的な目標を設定し、達成に向けた取り組みを推進しております。
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マテリアリティ |
取り組みテーマ |
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地球環境の負荷軽減 |
気候変動への対応 |
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水や森林資源の保護、効率的利用 |
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廃棄物の削減 |
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サステナブルな製品開発 |
サステナブルで責任のある原材料調達 |
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サステナブルなパッケージ素材の採用 |
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ダイバーシティ&インクルージョンの推進 |
性別、国籍といった属性にとらわれない登用と、 多様性を受け入れる職場文化の醸成 |
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人権尊重 |
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人材価値の最大化による 企業の持続的成長 |
人材育成 |
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従業員エンゲージメントの向上 |
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ガバナンスの強化 |
公正かつ透明性の高い経営の推進 |
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責任ある情報セキュリティ、個人情報管理 |
③ リスク管理
当社グループでは、各部門ごとにリスクを特定・分析・評価しております。特定されたリスクと機会はリスク管理委員会ないしはサステナビリティ委員会にて検討・協議され、その状況を取締役会に報告する設計といたしております。
④ 指標と目標
サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)に関する短中期目標は、以下のとおりであります。
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マテリアリティ |
指標 |
目標 |
達成年度 |
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地球環境の負荷軽減 |
CO2排出量や水使用量等の 測定・現状把握 |
測定・把握 |
2025年度 |
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サステナブルな製品開発 |
調達方針の策定 |
策定 |
2025年度 |
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環境負荷軽減素材容器の採用 |
環境負荷軽減 素材の選定 |
2025年度 |
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ダイバーシティ&インクルージョンの推進 |
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継続 |
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えるぼし認定取得 |
認定 |
2027年度 |
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人材価値の最大化による 企業の持続的成長 |
タレントマネジメントシステムの導入 |
導入・運用開始 |
2025年度 |
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健康経営優良法人への認定 |
認定 |
2027年度 |
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ガバナンスの強化 |
取締役会実効性評価の実施 |
実施 |
2027年度 |
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プライバシーマークの更新 |
継続 |
毎年 |
(3)人的資本
当社グループの人的資本に関する方針は、以下のとおりであります。
① 人材育成方針
当社グループは、人材を重要な資産と位置付け、行動指針「まず行動し、常識・慣習を打ち破れ」「思いやりを持ち、謙虚たれ」に共感し実践できる人材の育成に取り組んでいます。今後も、社員一人ひとりが専門性や強みを生かすプロフェッショナル集団を目指し、人材育成制度の充実を行ってまいります。
② 社内環境整備方針
当社グループでは、性別、国籍、年齢といった属性や考え方の違いを互いに認め尊重し合う、ダイバーシティ&インクルージョンを推進しております。本社における女性管理職比率は48.3%と、積極的に女性を登用しております。また、外国籍社員の比率は34.1%を占めており、当社の主戦場である中国市場での売上拡大に大きく貢献しております。
個々人の多様な個性や能力を最大限発揮し活躍できる環境を提供し続けることで、信頼され、価値を創造し続けるグローバルビューティーカンパニーを目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、リスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図るため、「リスク管理委員会」を設置し、当社の事業活動に関する様々なリスクを全社横断的な観点からモニタリングする体制を構築しております。具体的には、各部門ごとにリスクを洗い出し、リスクの発生確率や、リスクが顕在化した場合に当社グループが被ると想定される損害額によってリスクの程度を評価し、この評価結果に基づいてリスクごとに管理責任者を定め、四半期ごとにモニタリングすることにしております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
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(1) 中国での事業活動 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループでは、マーケットの拡大が期待されるアジア太平洋地域、特に中国において事業活動を展開しております。中国での事業活動におきましては、予期し得ない不透明な政策運営、各種法制度の未整備や変更、外国資本優遇措置の見直し、労働問題等のオペレーションリスクのほか、反日抗議行動や治安悪化、テロ・戦争の勃発、感染症の流行による社会的混乱等のリスクが潜在しております。 |
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対応策: |
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当社グループでは、これら中国での事業活動に潜在するリスクに対しては、現地情勢の把握に努め早期の回避策を講じてリスク管理に努めております。 |
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(2) ブランド価値の毀損 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループの製品に関する否定的な評判や評価が世間に流布することによって信用が低下し、ブランドイメージが毀損された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、「AGtheory」「AXXZIA」などの個別ブランド展開を図っており、各ブランドは、誠実な企業経営とお客様の信頼に応えた製品・サービスの提供により、ブランドイメージの形成とその維持向上に十分努めております。 |
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(3) 化粧品市場環境 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:軽 |
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リスク: |
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国内化粧品市場は成熟期を迎えており、M&Aによる企業グループの再編、異業種からの新規参入、流通業及び小売業の提携・統合に伴う影響力の増大など競争環境は厳しさを増しております。当社グループが予期せぬ競争環境の変化に的確に対処できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは取引先や営業・販売現場からの情報を随時把握するとともに、市場の情報をタイムリーに把握することに取り組み、マーケットニーズ・顧客志向の変化を考慮した製品開発・マーケティング・販売活動を行っております。 |
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(4) 新製品開発と消費者ニーズへの適合 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:軽 |
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リスク: |
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新製品の開発が長期にわたる場合、成果が翌期以降に及ぶことがあります。また、予定どおりの成果が得られない場合、期間の延長や上市に向けた諸経費の増加を強いられる場合や、結果として製品化できない場合があります。 |
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対応策: |
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新製品開発は当社グループの競争力・成長力の源泉のひとつであり、継続的に市場ニーズの先取りに努め新製品を開発し市場に投入してきております。年度販売・生産計画を策定し、上市前のマーケティング・広告戦略の実践にも注力し、短期間で成果を挙げることを目指しています。 |
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(5) 知的財産権保護の限界 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:軽 |
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リスク: |
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取得した商標権等の内容が不十分であったり、第三者による予測を超えた手段等により当社グループが保有する知的財産権が侵害され、結果として、当社が第三者の権利を侵害してしまったり、第三者により当社の技術の不正流用や模倣品の開発等が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループでは、製品の企画から入念なマーケティングに基づき製品開発をしており、製品上市前には商標権等の取得により知的財産権の確保に努めております。また、第三者によって模倣品が製造、販売されることを防止、当社の知的財産権に対する侵害事例の調査を随時行っております。 |
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(6) 重要な訴訟 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループでは、法務部門を設けて契約の事前審査や知的財産の出願、管理、役職員へのコンプライアンス教育などを担当させることにより、当社グループの業務が法令や契約に違反することがないよう努めております。なお、本報告書提出日現在において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。 |
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(7) 天災、火災、事故等の発生が将来の業績に与える影響 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:重 |
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リスク: |
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原材料調達先及び生産委託先の拠点地域及び当社グループが所在する地域に地震等の天災や事故が発生し、原材料及び製品の供給への影響や、生産及び納品遅延などの事態が生ずる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、災害による生産・供給体制への影響を最小化するため、複数調達先の確保及び生産委託先の分散化に取り組んでいます。 |
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(8) 感染症の流行、拡大 |
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発生可能性:高 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:軽 |
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リスク: |
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社会的、経済的影響の大きな感染症の流行、拡大が発生した場合、物流の停滞による資材調達の遅れや生産及び納品の遅延、営業活動や接客行為の自粛や制限、取引先や販売店の休業などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループでは、感染症流行、拡大への対策として、在宅勤務が可能な環境を整備しており、感染症流行時に本社に出社しなくても業務遂行が可能となっております。 |
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(9) 海外子会社管理に係るリスク |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:軽 |
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リスク: |
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海外子会社管理(企業統治)が不十分であることにより、不正・不祥事等が発生した場合、企業イメージの悪化、信用失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、経営方針の中核に「グループとしての企業価値を高める経営を継続して行っていく」ことを掲げており、この企業価値を高める経営の継続に当たっては、コーポレート・ガバナンスを経営上の重要な課題のひとつと位置付け、健全な経営を遂行する組織体制や仕組みを整備し、継続的に社会的信用を保持するための体制づくりを進めております。本社における海外子会社の統括部門の下、海外子会社において社内規程を整備し、規程に則って業務を運営しガバナンス体制強化を図っております。海外子会社の運営リスクに対し、整備した社内規程の運用等を含め、計画的に海外子会社に対する監査を実施しております。 |
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(10) 為替 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:軽 |
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リスク: |
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当社グループは、売上高に占める海外比率が拡大しており、当連結会計年度においては海外における売上高は当社グループの売上高の85.6%に達しており、為替リスクの影響は増加傾向にあります。 |
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対応策: |
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当社グループでは、グループ間取引における為替リスクは本社が負うという方針に基づき、外貨取引における為替変動の影響を本社に集約し、本社にて為替管理を行っております。為替予約取引等の手段により、可能な限りリスクを軽減し、回避するよう努めてまいります。 |
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(11) インバウンドの影響 |
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発生可能性:高 |
発生可能性のある時期:短期的 |
影響度:軽 |
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リスク: |
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予測し得ない現地の経済情勢の変化、政策等の変更、日中関係悪化、感染症の拡大等による需要の低迷が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、特に中国からの訪日客によるインバウンド需要の影響を多く受けております。当社グループでは、インバウンド動向を注視しており、その内容によっては機動的に取締役会等を開催して対策を講じることができる体制を構築しております。 |
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(12) 原材料価格の高騰 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:中 |
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リスク: |
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国際情勢の変化、投機資金流入などにより需給バランスが一時的に不均衡となり、購入価格に影響がでた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループでは、市場リスクを最小限にするために、海外を含めたグローバル調達を推進しております。また、供給会社と良好な関係を保ちながら、必要な原材料を適切な価格でタイムリーに調達できるよう努めております。 |
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(13) 物流コストの高騰 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:軽 |
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リスク: |
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当社グループの製品を国内及び各国に供給するためには、物流サービスが有効に機能している必要があります。昨今の物流業界の状況に鑑み、これら事業者から大幅な配送料の値上げや取引関係の縮小などがあった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループでは、内外のお客様への製品配送を複数の業者に分散して委託し、これら事業者と良好な取引関係を保つことで、安定的な物流体制を構築しております。 |
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(14) 材料及び製品供給 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:長期的 |
影響度:中 |
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リスク: |
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外部パートナーの品質不良や経営状態の悪化等により必要材料の供給が困難になった場合、完成品である製品の生産・供給に影響することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、原材料、容器、包装資材等の材料を外部のパートナーより供給を受けています。材料の供給不安を回避するため外部パートナー選定には経営状態や生産現場の視察などを通じて安定的な供給先確保に努めています。 |
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(15) 特定の委託製造先への依存 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:中期的 |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループは、製品の製造を外部に委託しており、当連結会計年度において主力の委託製造先であるアピ株式会社への外注費割合が全外注費合計に対し55.6%と高い水準となっています。 |
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対応策: |
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当社グループでは、同社の4工場での複数ラインでの製造の分散化及び他製造委託先候補の選定など、特定の委託製造先への依存による不測のリスク軽減に努めております。
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(16) 在庫 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:重 |
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リスク: |
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国内外での法令・規制の変更に伴う市場環境の変化、消費者ニーズの変化、他社競合品との競争激化などにより需要及び販売見込みが実態と乖離し、滞留在庫が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、在庫保有状況を毎月精査し、材料の発注計画を含む生産計画を毎月見直し、滞留在庫が懸念される製品については販売促進策を随時立案・実施し、在庫の滞留リスクの低減化を図っています。 |
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(17) 特定のブランド及び製品への依存 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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当連結会計年度においては、AGtheoryブランド及びAXXZIAブランドが当社グループの売上高の大部分を占めております。現在の主力ブランドが何らかの要因により販売不振に陥る場合や、また、ブランド及び製品の柱を増やす事業活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、主力製品の売上安定化を図るとともに継続的に新規ブランド及び製品を生み出し、特定のブランド及び製品による依存リスクの分散を図っております。 |
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(18) 競合の激化 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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予測し得ない競合他社の動きが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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競争環境を勝ち抜くために、当社グループは新規ブランド及び製品の開発に対する投資を積極的に行っております。また、新規ブランド及び製品の開発と同時に、知的財産権の確保にも積極的に投資を行っております。競合他社に類似品を展開させないためにニッチ市場での先行者利益の獲得、パッケージや形状の独自性等様々な対策を講じ、確固たるブランド価値の確立を図っております。 |
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(19) 法規制等の遵守 |
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発生可能性:中 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループは、国内外で化粧品・健康食品を中心に多様な製品を取り扱っており、多岐にわたる法規制の適用を受けています。具体的には、会計基準や会社法、税法、労働基準法、独占禁止法、下請法、薬機法、食品衛生法、景品表示法、電子商取引法、特定商取引法、消費者契約法、個人情報保護法など、さらに海外市場に関わる各国の各種法令・規制等があります。 |
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対応策: |
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これらの法令を遵守するためにコンプライアンス管理規程の制定及び運用、必要に応じて各種法令を管轄する省庁への確認、役職員への周知及び研修会の実施等を行い、法令遵守の徹底を図っております。 |
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(20) 許認可 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループは、薬機法に基づく化粧品製造販売業(有効期限:東京都、2028年5月28日)の許認可のもとで化粧品事業を展開しています。将来において、薬機法の変更や、許認可の有効期限到来時の更新のため、更なる対策を講ずる費用が生ずる可能性があります。さらに、将来の事業領域の拡大の際に新たな許認可取得の必要性が生ずる場合には、許認可取得のための対策費用が生ずる可能性があります。これらの可能性が顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループでは、各種規制変更の決定前からその動向を注視し、状況に応じた対応を取り、影響を最小限とするよう対策を行うとともに、許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めております。また、かかる許認可に基づく基準を遵守し化粧品の品質と安全性を確保する取り組みを行っています。 [主要な許認可の取得状況(2024年7月31日現在)]
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(21) 製造物責任賠償 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループが販売する製品は、消費者の肌に直接接触するもの、消費者が摂取するものが含まれるため、常に健康障害などによる製造物責任賠償のリスクが内在しており、健康障害を引き起こす事態が生じた際には製造物責任を負う可能性があります。これらの可能性が顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループでは株式会社ユイット・ラボラトリーズが化粧品及び医薬部外品の製造を受託しており、万一製品の品質について何らかの問題が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは当該リスクへ対応するために製品の品質と安全性を確保するために品質管理体制を構築しています。 |
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(22) リコール発生などの品質問題 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社製品において、意図しない品質不良等により大規模なリコールの必要性が生じた際には、法令に沿った告知をはじめ速やかな自主回収の措置を講ずることとなり、これらの対策費用発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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当社グループは、市場及び消費者ニーズに応じて継続的に新規ブランドや新製品開発に取り組んでおり、製造工程面での品質管理に万全を期すとともに発売前の安全性試験を通じて、常に精緻な「製品標準書」に基づいた3C8(注)検査ポリシーに従い、安全面での品質維持に努めています。 また、2023年3月には株式会社ユイット・ラボラトリーズが1SO90001(品質マネジメントシステム)認証を取得し、当社グループとしてグローバルスタンダードに準拠した品質管理システムを運用し、安全を担保する品質維持をさらに強化しています。 |
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(23) 消費者とのトラブル及び風評 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループは、販売する製品の特性上、消費者が期待する効果効能が体感できなかった場合の消費者よりの苦情、健康障害などのトラブルが発生する可能性があります。 |
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対応策: |
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販売する製品の効果効能については製品毎に関連法令の定める範囲内での効果効能表現を徹底し、消費者との適切なコミュニケーションを図るとともに、健康障害などのトラブルに際しては誠意をもって消費者対応にあたる体制を整備しています。 |
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(24) 特定人物への依存 |
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発生可能性:低 |
発生可能性のある時期:特定時期なし |
影響度:中 |
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リスク: |
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当社グループは、代表取締役社長である段卓の中国市場における人的関係を活用し、海外事業を推進、展開しております。段卓自身が不慮の事故等に遭遇し、海外取引先との人的関係及び取引関係の維持に支障を生ずる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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対応策: |
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海外営業部及び海外子会社にてこれら人的関係を継承し、特定の人物に依存するリスクの低減に努めています。 |
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて158,037千円減少し、10,543,324千円となりました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べて519,177千円減少し8,631,804千円となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べて361,139千円増加し1,911,520千円となりました。
流動資産の主な増減要因は、自己株式取得等に伴う現金及び預金の減少859,130千円、売掛金の減少252,024千円、商品及び製品の増加275,971千円、固定資産の主な増減要因は、有形固定資産の増加257,427千円、無形固定資産の増加72,323千円、及び投資その他の資産の増加31,388千円等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて206,689千円増加し、2,006,452千円となりました。このうち流動負債は、前連結会計年度末に比べて321,558千円増加し1,684,804千円となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べて114,869千円減少し321,647千円となりました。
流動負債の主な増加要因は、買掛金の増加4,813千円、短期借入金の借入による増加450,000千円、未払金の増加83,622千円、及び未払法人税等の減少181,681千円等によるものです。固定負債の主な減少要因は、長期借入金の返済による52,280千円減少、株式報酬引当金の戻入による68,967千円減少等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて364,726千円減少し、8,536,872千円となりました。主な減少要因は、配当金の支払599,817千円等により利益剰余金が減少したこと等によるものです。なお、自己資本比率は80.9%(前連結会計年度末は83.2%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、経済活動の正常化や雇用・所得環境改善の動き、インバウンド消費の増加を背景に、緩やかな回復傾向がみられました。一方で、中東地域をめぐる情勢や為替動向、物価上昇の影響等もあり、依然として不確実性を伴う状況が続いております。
国内化粧品市場においては、緩やかな景気回復を背景に消費は回復傾向にあり、円安効果によるインバウンド需要の回復もみられました。
中国市場においては、ALPS処理水の海洋放出による日本製品回避の動きがあり、収束しつつあるものの、不動産不況の継続、物価下落を背景に景気回復の動きに足踏みがみられ、依然として厳しい市場環境が続いております。
このような市場環境のもと、当社グループでは、中国本土での広告投資を強化し販売力の強化を図るとともに、中国以外の地域への展開強化のための取り組みを進めてまいりました。
中国においては、ブランドアンバサダーの起用や、主力製品である「AGドリンクX」の発売一周年を記念したDouyinにおけるライブ販売実施、「エイジ―セオリー」ブランドの拡充、インナーケア製品の拡充等、中国における更なる認知度及び売上向上に取り組んでまいりました。
日本国内においては、インバウンド需要の回復を見据え、全国主要都市(渋谷、梅田、札幌、新宿、銀座)にポップアップ店舗を出店、また、京王百貨店 新宿店に直営店舗を新設いたしました。また、渋谷駅における「AGドリンクX」の大型ビジョン広告の放映等、日本における知名度向上にも取り組んでまいりました。その他の地域につきましては、ドバイ、香港、タイにおける展示会出展や、シンガポールに向けたライブ販売やイベントの実施等、グローバルな事業拡大に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、処理水放出に伴う中国市場における日本化粧品回避の動き等の影響から徐々に回復の動きが見られ、12,192,379千円(前期比7.5%増)、売上総利益は9,610,556千円(前期比7.5%増)と過去最高を更新いたしました。一方で、ライブ販売等ECでの販売比率が高まったことにより、各種施策で起用したKOLに支払う広告宣伝費及び支払手数料が増加し、営業利益は918,344千円(同51.7%減)、経常利益は1,122,306千円(同41.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は794,348千円(同40.3%減)となりました。
なお、当期の配当金につきましては、日頃の株主の皆様のご支援にお応えするべく、2024年3月14日開催の取締役会にて1株当たり10円の中間配当、2024年9月20日開催の取締役会におきまして、1株当たり10円の期末配当とさせていただきました。
なお、当社グループは化粧品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業の区分別の販売先は、次のとおりであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
前年 同期比 (%) |
||||
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金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
構成比 (%) |
||||
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|
中国 売上 |
サロン |
1,530,168 |
13.5 |
1,164,129 |
9.5 |
76.1 |
|
|
Eコマース (Douyin、Tmall Global、RED旗艦店、 Taobao、その他ECプラットフォーム、 Tmall 卸) |
8,454,513 |
74.5 |
8,847,692 |
72.6 |
104.7 |
|
|
|
リテール (中国小売店・百貨店、日免・深免等、中国空港免税店) |
22,455 |
0.2 |
27,231 |
0.2 |
121.3 |
|
|
|
|
計 |
10,007,137 |
88.2 |
10,039,054 |
82.3 |
100.3 |
|
|
日本 売上 |
サロン |
320,379 |
2.8 |
172,987 |
1.4 |
54.0 |
|
|
リテール (ドラッグストア、小売店、百貨店、 直営店) |
771,969 |
6.8 |
798,574 |
6.5 |
103.4 |
|
|
|
Eコマース (Amazon、Yahoo、楽天、自社EC) |
86,232 |
0.8 |
782,719 |
6.4 |
907.7 |
|
|
|
|
計 |
1,178,581 |
10.4 |
1,754,282 |
14.4 |
148.8 |
|
|
その他 地域 売上 |
リテール (シンガポール、カナダ等、小売店) |
34,002 |
0.3 |
73,915 |
0.6 |
217.4 |
|
|
その他 (オーストラリア・米国等) |
121,311 |
1.1 |
325,127 |
2.7 |
268.0 |
|
|
|
|
計 |
155,314 |
1.4 |
399,043 |
3.3 |
256.9 |
|
|
販売実績合計 |
11,341,033 |
100.0 |
12,192,379 |
100.0 |
107.5 |
|
|
[業績の概要] |
|
(単位:千円、%) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
|
|
金額 |
金額 |
対前期比 |
|
|
売上高 |
11,341,033 |
12,192,379 |
+7.5 |
|
営業利益 |
1,899,770 |
918,344 |
△51.7 |
|
経常利益 |
1,902,403 |
1,122,306 |
△41.0 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
1,330,864 |
794,348 |
△40.3 |
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ1,297,984千円減少し、4,489,982千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、800,357千円(前年同期は707,845千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,110,778千円、売上債権の減少372,504千円、棚卸資産の減少108,221千円、及び法人税等の支払額545,408千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、626,663千円(前年同期は438,692千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出423,800千円、有形固定資産の取得による支出363,426千円、無形固定資産の取得による支出26,160千円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入98,758千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、1,551,765千円(前年同期は862,745千円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入168,000千円、短期借入金及び長期借入金の返済がそれぞれ80,000千円及び360,952千円、及び自己株式の取得による支出660,298千円、配当金の支払599,040千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは化粧品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
a.生産実績
最近2連結会計年度における生産実績は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
|
|
金額(千円) |
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
化粧品事業 |
3,053,400 |
2,359,374 |
77.3 |
(注) 金額は製造原価によっております。
b.受注実績
当社は見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c.販売実績
最近2連結会計年度における販売実績は次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
|
|
金額(千円) |
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
化粧品事業 |
11,341,033 |
12,192,379 |
107.5 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は
次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
大連嘉悦商貿有限公司 |
1,295,070 |
11.4 |
- |
- |
(注) 当連結会計年度の大連嘉悦商貿有限公司については、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
(売上高)
当社グループは、当連結会計年度において、中国本土で広告投資を強化、販売力の強化を図るとともに、次世代の成長製品を創出、加えて日本、第3市場(中国、日本以外の地域)への展開強化をすべく取り組みを進めてまいりました。主戦場としている中国市場におけるALPS処理水の海洋放出による日本製品回避の動きの影響により成長は限定的になったものの、株式会社エムアンドディの全株式取得によって日本ECでの売上高が増加する等、当連結会計年度の売上高は12,192,379千円となり前連結会計年度に比べ7.5%増加いたしました。
地域別にみると、中国国内売上で10,039,054千円、日本売上で1,754,282千円となっております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は2,581,823千円、売上総利益は9,610,556千円となりました。ユイット社での製造内製化等、売上原価の低減に努めた結果、売上原価は売上高比率で21.2%、売上総利益率は78.8%になっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費の主な項目として、従業員給料及び手当870,110千円(売上高比率7.1%)、ブランドの認知力向上の為に傾注した広告宣伝費3,134,756千円(売上高比率25.7%)及び支払手数料2,170,719千円(売上高比率17.8%)を計上した結果、販売費及び一般管理費合計で8,692,211千円(売上高比率71.3%)となりました。
KOLを起用したライブ販売の回数が増えたことによって、KOLに支払う広告宣伝費及び支払手数料が増加し、結果として、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引きました営業利益は918,344千円(売上高比率7.5%)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益では主に為替差益147,943千円(売上高比率1.2%)を計上し221,233千円(売上高比率1.8%)となり、営業外費用では支払利息を8,079千円(売上高比率0.1%)、自己株式取得費用4,431千円(売上高比率0.0%)及び持分法による投資損失3,782千円(売上高比率0.0%)を計上し、17,271千円(売上高比率0.1%)となりました。結果として経常利益は1,122,306千円(売上高比率9.2%)となりました。
(法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計で322,801千円(売上高比2.6%)を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は794,348千円(売上高比6.5%)となりました。
b. 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、10,543,324千円となりました。
当連結会計年度末における負債は、2,006,452千円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、8,536,872千円となりました。
主な増減内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであり
ます。
以上の結果、財務指標としては、流動比率が512.3%、自己資本比率が80.9%になっております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループは、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、新製品上市のための研究開発投資、店舗の出店、生産性向上のための設備投資、認知度拡大のための広告投資等があり、主な資金の源泉は、化粧品と健康補助食品の販売による収入となります。
なお、当社グループの当連結会計年度末の現金及び預金残高は4,489,982千円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成にあたっては、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りが必要となります。この判断及び見積りについては過去の実績等を勘案して合理的に判断しております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しておりますが、以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。また、当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額が会計上の見積りによるもののうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(棚卸資産)
製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品は、主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。四半期末及び期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化した棚卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積っております。
(有形固定資産)
当社グループでは、有形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。また、減損リスクの管理として、新たな遊休及び休止資産の発生等の可能性の把握とその対応を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については、将来キャッシュ・フローをもとにした使用価値により測定しております。経営者はそれらの将来キャッシュ・フローの見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローが減少し、減損損失が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
研究開発につきましては、主力の中国市場では独自の市場調査を基に顧客ニーズに応じた製品の企画、開発を進め、「AGドリンク」や「エッセンスシート」といった、特定のテーマ性を持った製品の売上拡大を通じて、認知度を高め、売上および収益の基盤を築いてきております。この戦略を日本を含め他市場へも展開すべく、R&Dセンターにて新製品・新処方の開発に取り組んでおります。
また、R&Dセンターでは知財出願を踏まえた新処方の研究、効果効能の訴求を可能とする医薬部外品の処方開発も進め、独自性・優位性をもつ当社製品を品揃えの拡充を目指してまいります。
当連結会計年度の研究開発費は