当社は、2024年10月24日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2024年11月29日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決定いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
1.本株式併合の目的
当社が2024年6月14日付で公表した「キリンホールディングス株式会社による当社株式等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(2024年7月29日付で公表いたしました「(変更)「キリンホールディングス株式会社による当社株式等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」の一部変更について」、2024年8月6日付で公表いたしました「(変更)「キリンホールディングス株式会社による当社株式等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」の一部変更について」及び2024年8月28日付で公表いたしました「(変更)「キリンホールディングス株式会社による当社株式等に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」の一部変更について」による変更を含みます。以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)及び当社が2024年9月12日付で公表した「キリンホールディングス株式会社による当社株式等に対する公開買付けの結果並びに親会社及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、キリンホールディングス株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、当社株式及び本新株予約権(注1)の全て(ただし、公開買付者が直接所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2024年6月17日から2024年9月11日までの間、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を行い、その結果、公開買付者は、2024年9月19日(本公開買付けの決済の開始日)付で、当社株式91,487,263株(所有割合(注2):75.24%)を所有するに至りました。
(注1)「本新株予約権」とは、下記①乃至⑭の新株予約権を総称していいます。また、本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を総称して、以下「本新株予約権買付価格」といいます。
① 2007年11月12日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2007年第5回新株予約権(行使期間は2007年12月4日から2037年12月3日まで)
② 2008年11月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2008年第6回新株予約権(行使期間は2008年12月2日から2038年12月1日まで)
③ 2009年11月12日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2009年第7回新株予約権(行使期間は2009年12月2日から2039年12月1日まで)
④ 2010年11月15日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2010年第8回新株予約権(行使期間は2010年12月2日から2040年12月1日まで)
⑤ 2011年11月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2011年第10回新株予約権(行使期間は2011年12月2日から2041年12月1日まで)
⑥ 2012年11月12日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2012年第12回新株予約権(行使期間は2012年12月4日から2042年12月3日まで)
⑦ 2013年11月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2013年第13回新株予約権(行使期間は2013年12月3日から2043年12月2日まで)
⑧ 2014年10月30日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2014年第15回新株予約権(行使期間は2014年12月2日から2044年12月1日まで)
⑨ 2015年10月29日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2015年第16回新株予約権(行使期間は2015年12月2日から2045年12月1日まで)
⑩ 2016年10月28日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2016年第17回新株予約権(行使期間は2016年12月2日から2046年12月1日まで)
⑪ 2017年10月30日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2017年第18回新株予約権(行使期間は2017年12月2日から2047年12月1日まで)
⑫ 2018年10月30日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2018年第19回新株予約権(行使期間は2018年12月4日から2048年12月3日まで)
⑬ 2019年10月30日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2019年第20回新株予約権(行使期間は2019年12月3日から2049年12月2日まで)
⑭ 2020年11月4日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された2020年第21回新株予約権(行使期間は2020年12月2日から2050年12月1日まで)
(注2)「所有割合」とは、(ⅰ)当社が2024年5月8日に提出した「2024年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年3月31日現在の当社の発行済株式総数(130,353,200株)に、2024年3月31日現在残存する本新株予約権2,475個の目的となる当社株式数(432,400株)を加算した株式数から、当社決算短信に記載された2024年3月31日現在の当社が所有する自己株式数(ただし、同日現在において役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」といいます。)が保有する当社株式数(206,039株)を含みません。)(9,193,800株)を控除した株式数(121,591,800株)(以下「潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入)をいいます。以下同じです。
(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯
本意見表明プレスリリースに記載のとおり、当社は、2024年2月21日に公開買付者から本取引に関する提案を受領した後、公開買付者が当社の支配株主等には該当しないものの、当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、支配株主等との取引に準じて、本取引の公正性を担保するため、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を直ちに行いました。
具体的には、当社は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年2月22日開催の当社取締役会における決議により橋本圭一郎氏(当社独立社外取締役、インフロニア・ホールディングス株式会社 社外取締役 取締役会議長・監査委員長、元首都高速道路株式会社代表取締役会長兼社長)、中久保満昭氏(当社独立社外取締役、弁護士、あさひ法律事務所パートナー)及び松本章氏(当社独立社外取締役、公認会計士、株式会社MIT Corporate Advisory Services代表取締役社長)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本特別委員会に対し、本取引における手続の公正性、取引条件の妥当性等について諮問いたしました(本特別委員会に対する具体的な諮問事項、検討の経緯及び判断内容等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に関する決定を行うに際して、本特別委員会の判断内容を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の目的又は取引条件について妥当でないと判断した場合には本取引に賛同しないことを決議するとともに、必要に応じ、当社の費用にて、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを独自に選任することができる権限並びに当社のアドバイザーに専門的助言を求めることができる権限を付与しております。なお、本特別委員会は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、上記の権限に基づき、2024年3月下旬、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自の第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)を、同年4月上旬、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所をそれぞれ選任いたしました。また、本特別委員会は、2024年4月中旬、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザーとしても、プルータスを選任いたしました。
さらに、当社は、2024年2月21日に公開買付者から本取引に関する提案を受領した後、その内容について検討するため、2024年2月下旬、本取引に関して、当社及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてUBS証券株式会社(以下「UBS証券」といいます。)を、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人 瓜生・糸賀法律事務所(以下「瓜生・糸賀法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。
また、当社は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるUBS証券並びに当社のリーガル・アドバイザーである瓜生・糸賀法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、UBS証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、瓜生・糸賀法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応等についての法的助言を受け、これらを踏まえ、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に検討を行ってきました。
当社は、2024年2月下旬以降、本特別委員会からの助言も踏まえ、デュー・ディリジェンスを通じた公開買付者との協議を踏まえ、本取引の意義及び想定されるシナジーについて検討を重ねてまいりました。また、本特別委員会は、2024年4月中旬、公開買付者に対して、本取引の意義、想定されるシナジーの内容等といった内容を中心に質問を行いました。これに対し、本特別委員会は、公開買付者から、5月上旬、上記各質問に対する回答を受領いたしました。さらに、本特別委員会は、5月中旬、上記各質問に対する回答に対し、公開買付者に対してインタビューを実施することにより、本取引の意義及び目的、公開買付者の認識する当社の経営課題、本取引後の当社の経営方針等について協議を進めてまいりました。公開買付者から回答のあった本取引の意義、想定されるシナジー等の内容については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」をご参照ください。
また、当社株式の1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)については、当社は、公開買付者から、2024年5月9日に、本公開買付価格を2,300円、本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることの初回提案を受けました。これに対し、当社は、2024年5月13日、本公開買付価格については、当社及び本特別委員会それぞれのファイナンシャル・アドバイザーによる、株式価値に関する初期的な分析、及び、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を考慮すると、当社の少数株主の利益に配慮されたものとは到底いえないものであることを理由として、再検討の要請を行いました。
当社は、公開買付者から、2024年5月21日に、本公開買付価格を2,450円、本新株予約権買付価格を1円とする第2回提案を受けました。これに対し、当社は、2024年5月24日、本公開買付価格については、当社及び本特別委員会それぞれのファイナンシャル・アドバイザーによる、株式価値に関する初期的な分析、及び、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を考慮すると、当社の少数株主の利益に配慮されたものとは到底いえないものであることを理由として、再検討の要請を行いました。
当社は、公開買付者から、2024年5月29日に、本公開買付価格を2,550円、本新株予約権買付価格を1円とする第3回提案を受けました。これに対し、当社は、2024年5月31日、本公開買付価格については、当社及び本特別委員会それぞれのファイナンシャル・アドバイザーによる、株式価値に関する初期的な分析、及び、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を考慮すると、当社の少数株主の利益に配慮されたものとはいえないものであることを理由として、再検討の要請を行いました。
当社は、公開買付者から、2024年6月4日に、本公開買付価格を2,585円、本新株予約権買付価格を1円とする第4回提案を受けました。これに対し、当社は、2024年6月6日、本公開買付価格については、当社及び本特別委員会それぞれのファイナンシャル・アドバイザーによる、株式価値に関する初期的な分析、及び、本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を考慮すると、当社の少数株主の利益に配慮されたものとはいえないものであることを理由として、再検討の要請を行いました。
また、本特別委員会は、当社及び公開買付者の間の交渉状況に鑑み、2024年6月7日及び同月11日の2回にわたり、公開買付者との間で本公開買付価格についての意見交換を実施し、公開買付者の第4回提案の内容では当社の少数株主の利益に配慮されたものとは言い難い旨を伝達しました。
その後、当社は、公開買付者から、2024年6月12日に、本公開買付価格を2,690円、本新株予約権買付価格を1円とする第5回提案を受けました。これに対し、当社は、2024年6月13日、最終的な当社の意思決定は本特別委員会の答申等を踏まえた上で、当社取締役会決議を経て決定されるものである点を留保しつつ、本公開買付価格を2,690円とする提案に応諾する旨を回答いたしました。
その後、当社は、2024年7月30日、公開買付者より、本公開買付価格を2,690円から2,800円に変更するとともに公開買付期間を2024年8月21日乃至同月28日まで延長することを検討している旨の伝達を受けました。これに対し、当社は、2024年8月1日、公開買付者に対し、当社株価が2024年7月29日以降、同水準を相当程度上回って推移していることに鑑み、少なくとも本買付条件等変更が公表される前日の当社株価終値を上回る水準まで本公開買付価格を引き上げて頂くよう、再検討の要請を行いました。
その後、当社は、公開買付者から、2024年8月1日に、公開買付者としては、当社株式1株当たり2,800円という本公開買付価格は、本買付条件等変更前の本公開買付価格を引き上げる点において当社の一般株主にとって有利な変更であると考えていることから、賛同意見を維持することを求める旨の回答を受けました。これに対し、当社は、2024年8月2日、公開買付者に対し、本特別委員会において、本公開買付価格を前提として当社の公開買付者以外の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することの可否について、当該時点において判断することは困難であることを理由として、当社の公開買付者以外の株主の皆様の利益を十分に考慮の上、本特別委員会において判断が可能となるような本公開買付価格の引き上げを行うよう、再検討の要請を行いました。
その後、当社は、公開買付者から、2024年8月2日に、公開買付者としては、本公開買付価格は、公開買付者の投資基準等も踏まえ公開買付者が妥当であると考える評価額の最大値であり、本公開買付価格を超える価格に引き上げる事はない旨の回答を受けました。これに対し、当社は、2024年8月5日、最終的な当社の意思決定は本特別委員会の答申等を踏まえた上で、当社取締役会決議を経て決定されるものである点を留保しつつ、公開買付者において最大限の価格まで引き上げられたものと受け止め、本公開買付価格を2,800円とする提案に応諾し、本買付条件等変更に対して賛同する旨の意見及び当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見を維持する旨を回答いたしました。
(ⅲ)当社の意思決定の内容
以上の経緯のもとで、当社は、2024年6月14日開催の当社取締役会において、瓜生・糸賀法律事務所から受けた法的助言、UBS証券から受けた財務的見地からの助言並びに2024年6月13日付で提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(UBS証券)」といいます。)、並びに本特別委員会を通じてプルータスから2024年6月13日付で提出を受けた当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が公正である旨の意見書(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)の内容を踏まえつつ、当社取締役会が本特別委員会から2024年6月14日付で提出を受けた答申書(以下「本答申書」といいます。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。
その結果、当社は、以下のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
当社は、創業以来「『不』のつく事柄を解消する仕組みづくり」を経営の基本方針とし、無添加化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁事業などを展開してまいりました。
当社は、2022年3月期を初年度とする「第3期中期経営計画 前進2023」(2022年3月期~2024年3月期)に基づき「美」と「健康」に関わる価値提供に取り組んでまいりました。その成果を踏まえ、当社は、2024年5月8日に、2025年3月期を初年度、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画「第4期中期経営計画 再興2026」(以下「当社経営計画」といいます。)を公表いたしました。当社経営計画における具体的な取り組み内容は以下のとおりです。
(基本方針)
ファンケルグループは、ブランドを磨き、お客様との絆を強め、国内外で持続的な成長を全社一丸となって実現してまいります。
(事業戦略)
① 化粧品関連事業
イ ファンケル化粧品
無添加化粧品の「安心・安全」という絶対的な価値のもと、ブランドの強みを活かせる「肌不調の解消」を軸に、新しい価値を創造・提案しグローバルブランドへ進化します。
(製品戦略)
・「基礎スキンケアユーザーの拡大」、「クレンジング・洗顔のシェア拡大」、「基礎スキンケアユーザーへのクロスセル」、「新領域へのチャレンジ」の4つの方針を設定。
・基礎スキンケアやクレンジング領域での積極的な新製品の開発やリニューアルを実施し、さらなるお客様基盤の強化を目指すとともに、男性・キッズなどの新領域へのチャレンジを行い、新規のお客様獲得と売上拡大を図ります。
(海外戦略)
「肌不調の解消」を軸に、アジア地域に向けた製品開発や情報開発・発信を推進します。
ロ アテニア化粧品
一流品質の製品を適正価格で提供する、唯一無二の「エイジングケアブランド」としてのポジションをさらに強化するため、「ターゲットの年代層」と「販売チャネル展開」の拡大を図ります。
(製品戦略)
・主力製品であるクレンジング、洗顔料、基礎スキンケア、スペシャルケアの個々のアイテムを強化しつつ、製品カテゴリごとの結びつきを強化し、ブランド全体の成長を目指します。
・コアターゲットである40代以外の、30代・50代へのアプローチの強化とアイテムの拡充にて、新規のお客様獲得を目指します。
(販売戦略)
国内は、自社通販、直営店舗のお客様との繋がりを強化することに加え、外部通販やコスメセレクトショップや化粧品専門店への卸販売を拡大し、ブランドとお客様の新たな接点拡大に努めます。
(海外戦略)
中国向け越境ECに加え、アジア圏を中心とした国への一般貿易やEC展開を開始し、グローバル展開を強化します。
ハ BRANCHIC(ブランシック)
ファンケルブランドとは異なるプレステージブランドとして、国内外で成長を目指します。
中国越境ECの強化や、現地のニーズに合わせた製品の開発を進め、中国でのブランド拡大に取り組みます。
② 栄養補助食品関連事業
「ブランドの育成」、「プレシニア・女性向けの強固な製品ポートフォリオ構築」、「中国及びアジア圏への展開拡大」という3つの基本方針のもと、国内外でお客様起点に則った製品戦略を定め、お客様との強固な信頼を形成し、事業の成長につなげます。
(製品戦略)
・プレシニアカテゴリでは、既存製品である「えんきん」、「楽ひざ」を強化し、リニューアルやラインナップの拡充によりカテゴリの拡大を図ります。また、年齢に伴い発生する「不」を解消し、健康を維持したいニーズに対応する「抗老化」製品などを開発することで新たなお客様層の開拓を目指します。
・女性向けカテゴリでは、「美容」のニーズに対応するフラッグシップ製品を開発し、売上拡大を図ります。またホ ルモンバランスの変化に向き合う女性のニーズに対応する製品の開発を行い、新たなお客様の獲得を目指します。
(海外戦略)
・国内と同様にお客様起点に則った戦略・戦術整理を行い、中国におけるブランド育成を実施します。
・海外戦略、開発について専任のチームを設置し、中国以外の展開国の拡大を進めます。
(販売チャネル戦略)
IT・データなど多様なリソースの最大限活用や、通信販売および直営店舗販売が持つ強みを融合し、お客様とのつながりを強化することで、LTVの向上を図ります。
① 通信販売
・ママ世代、シニア層などターゲットにあった最適なアプローチを実現し、新規のお客様の獲得とエンゲージメントの強化を図ります。
・オンラインによるイベントやカウンセリング、工場見学などの体験機会を創出し、お客様体験価値の向上を図ります。
・新たなお客様接点・体験の場として引き続き外部通販を強化します。主要なモール内でのマーケティングの強化に加え、製品展開の拡充や同一カテゴリでの併売強化、外部通販専用製品の開発を行い、売上拡大を目指します。
② 直営店舗販売
・お客様情報を一元管理した接客スマートフォンを用いて、短時間でもお客様にあわせたコミュニケーション、カウンセリングを強化し、お客様一人ひとりに寄り添った接客を目指します。
・地域、出店先の商業施設、お客様層に合わせたしつらえや機能を持つ足を運びたくなる店舗に改装し、お客様とのつながりを深めます。
③ 卸販売
・お客様の日常生活の動線に多くの売場を持つ強みを活かし、新たなお客様接点として売場からブランドの提供価値を発信しお客様のブランドへの理解・共感を促進します。
・主力製品の「マイルドクレンジングシリーズ」や「カロリミットシリーズ」のカテゴリNO.1の維持、シェアの拡大に加え、新しいカテゴリ、アイテムの新規導入を行い、売上拡大を図ります。
(経営基盤強化)
① 研究
・素材の探索から基礎・応用研究・製品開発までを一気通貫で行い、社会課題やニーズへ対応する研究・開発を推進します。
・海外の現地のニーズや法規制にあわせた製品開発を行い、グローバル化を推進します。
② 製造
・未然防止、再発防止活動で意識を変革させ品質管理体制をさらに強化し、安心・安全の製品を永続的に提供します。
・生産設備の稼働率の向上や生産エリア拡大を検討し、売上拡大にあわせた体制作りに着手し、生産能力の拡大を図ります。
・省エネ活動の強化と、創エネルギーの促進、各工場地域の生態系を守る取り組みを実施し、サステナビリティを推進します。
③ ITシステム
・お客様の購買情報だけでなく、購買に至るまでの行動情報を収集および分析する「FIT3」システムをさらに進化させた独自のIT基盤システムを構築し、お客様をより深く理解し、最適なアプローチを行います。
・製販一貫のビジネスモデルを構築してきたERPシステムの再構築に着手し、データドリブン経営の実現を目指します。
④ 物流
・関西物流センターの運営を業務委託から内製化し一元管理することに加え、新WMS(倉庫管理システム)を活用し、品質向上・生産性向上・コスト削減を実現します。
・CO2排出量の可視化と、製品開発アセスメント(Design for Logistics 物流視点の包装設計)による梱包の軽量化から積載効率向上によりCO2排出量を削減し、環境負荷を軽減します。
⑤ 人材
・「経営」、「グローバル」、「デジタル・DX」、「マーケティング」など、 経営戦略を実現するために必要な強化スキルを設定。スキル別のポートフォリオを策定し、それに応じた人員配置や育成を行います。
・海外事業を成長させるため、語学力に加え、異文化理解やマネジメントの教育機会を拡充し、グローバル業務従事者拡大を目指します。
(サステナビリティの推進)
「豊かな地球環境」、「健やかな暮らし」、「誰もが輝く社会」の3つの重点取り組みテーマを設定し、ファンケルグループが目指す未来の実現に向けて推進します。
① 豊かな地球環境
・気候変動への対応を最優先に、企業活動のあらゆる面で自然の恵みに感謝し、豊かな地球環境の保全に貢献していきます。
② 健やかな暮らし
・独自性のある製品・サービスを通じ、世界中の人々の健康寿命の延伸と、生活の質(QOL)の向上に貢献していきます。
③ 誰もが輝く社会
・違いを認め合い、互いを尊重し合うことで、誰一人欠けることなく、一人ひとりがそれぞれの場所で輝ける社会づくりを目指します。
(数値目標)
事業ごとの収益性・投資効率を意識した経営をさらに推進するため、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)をKPIとして設定します。当社経営計画の最終年度である2027年3月期には連結売上高133,000百万円、営業利益19,000百万円、ROE13.6%、ROIC13.6%の達成を目指します。
当社は、公開買付者が2019年9月6日に当社株式39,540,400株(当社が2019年6月24日に提出した第39期有価証券報告書に記載された2019年3月31日現在における当社の総株主等の議決権の数(1,198,195個)に当社株式の単元株式数である100を乗じた株式数(119,819,500株)に対する割合:33.00%(小数点以下第三位を四捨五入))を取得した取引(以下「本持分法適用関連会社化取引」といいます。)以降、公開買付者並びにその子会社及び持分法適用関連会社(以下、総称して「公開買付者グループ」といいます。)との間で、公開買付者との間で締結した2019年8月6日付資本業務提携契約(以下「本資本業務提携」といいます。)に基づくシナジー創出として、「商品開発」及び「チャネル・インフラ」の領域でのシナジー創出を進めてまいりました。具体的な取り組み内容は以下のとおりです。
・コロナ禍以降、市場のニーズが高まっている「免疫」や、「睡眠」、「脳機能」などの分野で、公開買付者グループの独自素材を活かしたサプリメントの開発、発売を行いました。
・公開買付者グループが食品として研究していた素材を、化粧品の独自の原料として開発し、商品化して発売しております。
・上記の開発、発売を行った素材等のほか、公開買付者グループとの間で共同研究テーマを設定して幅広い共同研究に取り組んでおります。
・公開買付者グループのBtoC向け製品の受託生産・OEM供給を行っているほか、公開買付者グループからの原料調達や、電力の共同購買により、コスト削減につなげております。
・人的交流として、公開買付者グループから当社に対して、マーケティング経験やデータ活用の知見を有する人材の出向を受け入れております。当社から公開買付者グループに対しては、健康食品事業戦略やCRMの知見を有する人材を出向させています。
・資源循環の分野において、公開買付者グループの容器に由来する再生樹脂を、当社の化粧品容器に採用するなどの協業を行っております。
・サステナビリティの分野において、公開買付者グループのサステナビリティに対する高い知見・ノウハウの供与を受け、当社のサステナビリティの取り組みレベルの向上につながっております。
一方で、本持分法適用関連会社化取引の実行時には「商品開発」及び「チャネル・インフラ」の両領域でのシナジー創出を図る計画であったところ、上記のとおり「商品開発」については大きなシナジーが創出されていると認識しているのに対し、「チャネル・インフラ」の領域においては当初想定したほどの成果は挙げられていないと認識しております。具体的には、両社が有するチャネルでの相互送客や、両社グループの製品の販売などを計画していたものの、当初想定したほどの成果を挙げるに至っていないと認識しております。
このことについては、当社が公開買付者の持分法適用関連会社ではあるものの、公開買付者の子会社ではないことにより、両社グループ間での営業情報及びノウハウ等の共有について、親子関係にあるグループ会社以外への情報開示を禁止する第三者との間の契約条項や競争関連法令などの制約により制限され、あるいは心理的な障害が生じるといった限界も認識しております。
また、仮に当社が公開買付者の子会社となったとしても、当社に少数株主が存在する状況では、公開買付者と当社の少数株主との間に潜在的な利益相反関係が存在し、公開買付者グループが有する経営資源を当社に対して積極的に投資することが難しい側面があるとも認識しております。
本公開買付けが成立し、本取引が実行される場合には、当社は、公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループが持つ様々なリソースを最大限に活用することが可能となり、ひいては「美」と「健康」の両事業の強化、拡大を一気に加速化し、当社グループの企業価値最大化を実現できると考えております。具体的には、以下のようなシナジーを実現することが可能であると考えており、これにより、当社が取り組むべき課題の解決につながることから、本取引を実行することが、当社の企業価値向上に資すると判断しております。
(a) グループ共通の目標達成に向けたシナジーの加速
本取引により、当社が公開買付者の完全子会社となるとともに、公開買付者グループのヘルスサイエンス事業において中核を占める子会社として明確に位置付けられることにより、グループとして一体化した事業戦略のもとに、当社は、公開買付者の経営資源をより柔軟かつ迅速に活用することが可能となり、シナジー効果をより短期間で最大化できると考えております。
(b) 共同研究開発活動の深化によるイノベーションの創出
公開買付者グループは、創業以来の基幹技術である発酵・バイオテクノロジーの領域において様々な素材開発を行うなど、長期的な目線による基礎研究に強みを有する一方、当社グループは、安全性・機能性研究の推進、及び科学的根拠に基づいた応用研究(製品開発)を得意としております。両社グループにおける研究開発活動は相互補完的であり、既存の資本業務提携における共同研究開発においても、化粧品素材開発、腸内環境研究、脳機能研究等、多くの研究領域で共同プロジェクトを進めております。
しかしながら、当社が公開買付者の持分法適用関連会社にとどまっていたことから、両社グループ間でのノウハウ、技術情報等の共有について、親子関係にあるグループ会社以外への情報開示を禁止する第三者との間の契約条項や競争関連法令などの制約により制限され、あるいは心理的な障壁が生じるといった限界も認識しておりました。
本取引によって当社が公開買付者の完全子会社となることにより、これらの制限や障壁が取り除かれ、例えば、現在よりも早い研究段階から両社が情報共有することで、製品開発のスピードを加速させるなど、さらなる共同研究開発活動の深化を実現できるほか、研究開発戦略においても、ひとつのグループとして一体性、統一性のある方向性を打ち出すことができ、より一層のイノベーションの創出につながると考えております。
(c) グループとして一体の販売戦略の推進
上記(b)にも記載のとおり、現在の本資本業務提携において、製品開発が多大な成果を挙げている一方、両社の一部の製品について、卸販売チャネルの売場で一部競合するなど、両社グループを跨いだ統合的な製品の販売戦略を打ち出すには至っておりませんでした。
当社は、本取引によって当社が公開買付者の完全子会社となることにより、公開買付者グループとしてより統合的な販売戦略の推進が可能となり、より効果的かつ効率的な製品の販売につなげることができると考えております。
(d) さらなる情報及び経営資源の共有の強化
当社が公開買付者の完全子会社となることにより共有が進むと考えられる情報及び経営資源は、研究開発活動におけるノウハウ、技術情報等に限られるものではなく、営業情報や公開買付者グループにおけるマーケティング及び組織管理のノウハウ、公開買付者グループにおけるベンチャー投資、M&A及びESGに関するノウハウなども想定しております。また、今後当社がグローバル展開を検討するにあたり、公開買付者グループの海外拠点の活用のほか、とりわけ、公開買付者の完全子会社となることにより、公開買付者グループと当社との間の競争法上のリスクを解消した上で、同じく公開買付者の傘下にあるオーストラリアの健康食品(ナチュラル・ヘルス)会社であるBlackmores Limitedとの協業体制の構築等を選択肢に入れることも可能になると考えております。
このように、本取引の実行により当社が公開買付者グループの有する情報及び経営資源を最大限に活用することができるようになり、当社製品の拡販、業務効率の向上、海外進出やM&Aを通じた事業拡大等を実現することが可能になると考えております。
なお、当社が公開買付者の完全子会社となり、当社株式の上場が廃止された場合には、上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、取引先を含む外部からの社会的信用の獲得、知名度の維持といった上場会社であることによるメリットを享受できなくなることのほか、ブランドイメージの低下が挙げられます。しかしながら、資金調達においては、公開買付者グループの潤沢なキャッシュ(現金及び現金同等物151,207百万円(2024年3月末、連結))を活用できることから、資金調達に関する影響はないと考えております。また、取引先の信頼関係は既に一定程度構築されており、上場廃止を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えられること 、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場上場会社である公開買付者のイメージは非常に高く、公開買付者の完全子会社となることで当社の社会的信用や知名度は維持・向上することが期待されること、これまでの事業運営により積み重ねてきた信頼や獲得してきた知名度に関しては、上場廃止により直ちに失われるものではないことから、本取引後も、かかるデメリットによる影響は僅少であり、上記の当社の企業価値向上が見込まれるメリットを上回らないものと考えております。
また、当社は、2024年6月14日、本公開買付価格である1株当たり2,690円は、(i)上記「(ⅱ)検討・交渉の経緯」記載のとおり、当社において、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること、(ii)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社及び公開買付者から独立した第三者算定機関であるUBS証券から取得した本株式価値算定書(UBS証券)によれば、本株式価値算定書(UBS証券)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似企業比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内、かつ、レンジの中央値付近の価格となっていること、(iii)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会が当社及び公開買付者から独立したプルータスから取得した本株式価値算定書(プルータス)によれば、本株式価値算定書(プルータス)における当社株式の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回る価格となっていること、(iv)下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④ 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、本公開買付価格である1株当たり2,690円が公開買付者を除く当社の株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンが発行されていること、(v)2024年6月13日の東京証券取引所プライム市場における当社普通株式の終値1,884.5円に対して42.74%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,974円に対して36.27%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,961円に対して37.17%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値単純平均値2,099円に対して28.16%のプレミアムを加えた価格となっているところ、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2024年5月31日までに完了した取引総額500億円以上の利益相反関係にある公開買付取引事例(上場親会社による連結子会社及び持分法適用関連会社の完全子会社化を目的とした取引、あるいは、MBO取引)29件(プレミアム水準の平均値/中央値は、公表日直前が43.0%/40.5%、直近1ヶ月間が45.4%/43.1%、直近3ヶ月間が48.9%/46.1%、直近6ヶ月間が49.9%/50.3%)との比較においても、公表日直前の市場株価との関係において遜色ないプレミアムが付されている合理的な水準(なお、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び同直近6ヶ月間の終値単純平均値のそれぞれに対するプレミアムについては上記プレミアム水準を下回るものの、当社決算短信及び当社経営計画の公表後に形成された直近1ヶ月間の当社株式の市場株価が当社の企業価値を最も反映していると判断し、当該期間の市場株価との関係において十分なプレミアムが確保されていることをもって、合理的な水準であると判断しております。)と評価することができるものと判断したことから、公開買付者に対し、上記価格提示に応諾する旨を回答し、当社及び公開買付者は価格条件について最終的に合意いたしました。
さらに、当社は、本新株予約権買付価格については、本新株予約権は、当社の取締役及び執行役員並びに当社の子会社の取締役に対して株価連動型の退任時報酬として付与されたものであり、その権利行使の条件として、本新株予約権の行使期間内において、当社の取締役又は執行役員の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、当社の子会社の取締役の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当該子会社の取締役の地位を喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされており、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないこと等を考慮し、本新株予約権買付価格についてはいずれも1円とすることに合理性があるものと判断いたしました。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)(本地位喪失行使条件(以下に定義します。)の充足により本新株予約権の行使が可能となり本新株予約権を行使する見込みである現理事1名及び当社の子会社の現取締役1名(以下「本新株予約権行使予定者」といいます。)が本新株予約権を行使した場合には、当該本新株予約権行使予定者を除きます。)に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定とのことであり、本新株予約権者が享受すべき経済的利益を損なうことがなく、かつ、本新株予約権者に過大な利益を供与するものとならないよう、これらの経済的利益と概ね同等の経済的利益を手当てする新しい役員報酬制度の導入及び実施について、本公開買付け成立後、当社及び本新株予約権者と協議しながら決定していく予定であることを踏まえ、当社は、本公開買付けは本新株予約権者の皆様に対して合理的な本新株予約権の売却の機会を提供するものではあるものの、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることが適切であると判断いたしました。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格は当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対して、合理的な株式及び新株予約権の売却の機会を提供するものであると判断し、2024年6月14日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねることを決議いたしました。
その後、当社は、公開買付者が2024年8月6日付の同社の取締役会において本買付条件等変更を決定したことを受けて、2024年8月6日開催の当社の取締役会において、本特別委員会の意見を踏まえて、本買付条件等変更に関して慎重に協議及び検討を行った結果、本買付条件等変更後の本公開買付価格は、(ⅰ)上記「(ⅱ)検討・交渉の経緯」記載のとおり、当社において、公開買付者から、本公開買付価格を変更することの検討を行っている旨の伝達を受けて以降、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること、(ⅱ)本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)において前提とした当社が作成した2025年3月期から2029年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益状況や投資計画等の情報に重大な変更がない旨の当社からの説明を前提として、UBS証券及びプルータスから、本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)における結論を変更すべき事情は認められないことをUBS証券及びプルータスからの説明を受けて確認したこと、(ⅲ)本株式価値算定書(UBS証券)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似企業比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回る価格となっていること、(ⅳ)本株式価値算定書(プルータス)における当社株式の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回る価格となっていること、(ⅴ)本公開買付けの公表日である2024年6月14日の前営業日である2024年6月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,884.5円に対して48.58%のプレミアムを加えた価格、同日までの直近1か月間の終値単純平均値1,974円に対して41.84%のプレミアムを加えた価格、同日までの直近3か月間の終値単純平均値1,961円に対して42.78%のプレミアムを加えた価格、同日までの直近6か月間の終値単純平均値2,099円に対して33.40%のプレミアムを加えた価格となっており、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2024年5月31日までに完了した取引総額500億円以上の利益相反関係にある公開買付取引事例(上場親会社による連結子会社及び持分法適用関連会社の完全子会社化を目的とした取引、あるいは、MBO取引)29件(プレミアム水準の平均値/中央値は、公表日直前が43.0%/40.5%、直近1ヶ月間が45.4%/43.1%、直近3ヶ月間が48.9%/46.1%、直近6ヶ月間が49.9%/50.3%)との比較においても、公表日の直前営業日及び直近1ヶ月間の市場株価との関係において合理的なプレミアムが付されている合理的な水準(なお、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び同直近6ヶ月間の終値単純平均値のそれぞれに対するプレミアムについては上記プレミアム水準を下回るものの、当社決算短信及び当社経営計画の公表後に形成された直近1ヶ月間の当社株式の市場株価が当社の企業価値を最も反映していると判断し、当該期間の市場株価との関係において十分なプレミアムが確保されていることをもって、合理的な水準であると判断しております。)と評価することができるものと判断したことから、引き続き本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の意見を維持することを決議いたしました。なお、本買付条件等変更後の本公開買付価格は、本買付条件等変更の公表日である2024年8月6日の前営業日である2024年8月5日の当社株式の終値2,751.5円に対して1.76%のプレミアムを加えた価格、本公開買付期間の初日である2024年6月17日から2024年8月5日までの終値単純平均値2,764円に対して1.30%のプレミアムを加えた価格となっております。
なお、当該各取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役の過半数による承認及び利害関係を有しない監査役の異議のない旨の意見」をご参照ください。
(ⅳ)本公開買付けの結果等
その後、上記のとおり、本公開買付けは成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式(但し、公開買付者が直接所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することができず、また、公開買付者が当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかったことから、当社は、公開買付者の要請を受け、本取引の一環として行われた本公開買付けが成立したこと等も踏まえて、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせしておりましたとおり、当社の株主(当社を除きます。)を公開買付者のみとするために、当社株式40,000,000株を1株に併合する本株式併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することといたしました。
なお、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定です。
2.本株式併合の割合
当社株式について、40,000,000株を1株に併合いたします。
3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。当該売却については、当社株式が2024年12月18日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性はほとんど期待できないこと等を踏まえ、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、公開買付者に売却することを予定しています。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前営業日である2024年12月19日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,800円を乗じた金額に相当する金銭を各株主の皆様に交付することができるような価格に設定する予定です。
② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称
キリンホールディングス株式会社(公開買付者)
③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を株式会社三菱UFJ銀行(以下「三菱UFJ銀行」といいます。)からの借入れにより賄うことを予定しているところ、当社は、本公開買付けに係る公開買付届出書(公開買付届出書の訂正届出書により訂正された事項を含みます。)の添付書類として提出された、三菱UFJ銀行からの借入れに関する2024年8月6日付融資証明書を確認することによって、公開買付者の資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また、今後発生する可能性も認識していないとのことであること等から、公開買付者による端数相当株式の買取りに係る代金の支払いのための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、2025年1月を目途に会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2025年2月を目途に当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、当該許可取得から1ヶ月程度を目途に、順次、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付することを予定しております。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われる見込みであり、また、当該売却によって得られた代金の株主の皆様への交付が行われる見込みがあるものと判断しております。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合により生じる端数の処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「①会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、本株式併合の効力発生日の前営業日である2024年12月19日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,800円を乗じた金額となる予定です。
当社は、本公開買付価格である2,800円について、(i)上記「1.本株式併合の目的」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」記載のとおり、当社において、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること、(ii)本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)において前提とした本事業計画における収益状況や投資計画等の情報に重大な変更がない旨の当社からの説明を前提として、UBS証券及びプルータスから、本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)における結論を変更すべき事情は認められないことをUBS証券及びプルータスからの説明を受けて確認したこと、(iii)本株式価値算定書(UBS証券)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似企業比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回る価格となっていること、(iv)本株式価値算定書(プルータス)における当社株式の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であり、かつ、レンジの中央値を上回る価格となっていること、(v)本公開買付けの公表日である2024年6月14日の前営業日である2024年6月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,884.5円に対して48.58%のプレミアムを加えた価格、同日までの直近1か月間の終値単純平均値1,974円に対して41.84%のプレミアムを加えた価格、同日までの直近3か月間の終値単純平均値1,961円に対して42.78%のプレミアムを加えた価格、同日までの直近6か月間の終値単純平均値2,099円に対して33.40%のプレミアムを加えた価格となっており、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保にむけて-」を公表した2019年6月28日以降2024年5月31日までに完了した取引総額500億円以上の利益相反関係にある公開買付取引事例(上場親会社による連結子会社及び持分法適用関連会社の完全子会社化を目的とした取引、あるいは、MBO取引)29件(プレミアム水準の平均値/中央値は、公表日直前が43.0%/40.5%、直近1ヶ月間が45.4%/43.1%、直近3ヶ月間が48.9%/46.1%、直近6ヶ月間が49.9%/50.3%)との比較においても、公表日の直前営業日及び直近1ヶ月間の市場株価との関係において合理的なプレミアムが付されている合理的な水準(なお、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び同直近6ヶ月間の終値単純平均値のそれぞれに対するプレミアムについては上記プレミアム水準を下回るものの、当社決算短信及び当社経営計画の公表後に形成された直近1ヶ月間の当社株式の市場株価が当社の企業価値を最も反映していると判断し、当該期間の市場株価との関係において十分なプレミアムが確保されていることをもって、合理的な水準であると判断しております。)と評価することができるものと判断したこと等を踏まえ、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断しております。
また、当社は、2024年6月14日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議し、さらに、2024年8月6日開催の取締役会において、引き続き本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の意見を維持する旨を決議した後、本臨時株主総会の招集を決定した2024年10月24日開催の取締役会の決議に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上のことから、当社は、本株式併合により生じる端数の処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本取引の一環として、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しませんが、(ⅰ)公開買付者が当社株式39,540,400株(所有割合:32.52%)を所有し、当社を持分法適用関連会社としていたこと、(ⅱ)当社の取締役9名のうち、公開買付者の取締役を現在兼務している者が1名(坪井純子氏)、公開買付者の執行役員の地位を過去に有していた者が1名(藤田伸朗氏)、及び当社の監査役5名のうち公開買付者の執行役員の地位を過去に有していた者が1名(丸尾尚也氏)存在すること、(ⅲ)本公開買付けの成立後に公開買付者が当社の支配株主となった場合、本公開買付け後に予定されている本スクイーズアウト手続は、東京証券取引所の企業行動規範に定める「支配株主との重要な取引等」に該当することになるところ、本取引はこれらを一連の取引として行うものであることに鑑み、公開買付者及び当社は、本公開買付けの段階から本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社における意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、以下の措置を講じております。
なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
公開買付者は、2024年6月13日付で公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)から当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)を取得したとのことです。なお、野村證券は、公開買付者グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
本買付条件等変更後の本公開買付価格(2,800円)は、本公開買付けの公表日である2024年6月14日の前営業日である2024年6月13日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値1,884.5円に対して48.58%、同日までの直近1か月間の終値単純平均値1,974円に対して41.84%のプレミアム、同日までの直近3か月間の終値単純平均値1,961円に対して42.78%のプレミアム、同日までの直近6か月間の終値単純平均値2,099円に対して33.40%のプレミアムを付した価格となっていることを踏まえると、公開買付者としては、本買付条件等変更後の本公開買付価格(2,800円)での本公開買付けは、当社株式の合理的な売却の機会を当社株主の皆様に対して提供するものであると考えているとのことです。本買付条件等変更後の本公開買付価格の決定に当たっては、2024年6月13日に野村證券から取得した本株式価値算定書(野村證券)に加えて、改めて野村證券から算定書を取得することはしていないとのことです。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
野村證券は、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場していることから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が存在し類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法による算定を行い、公開買付者は2024年6月13日に野村證券から提出を受けた本株式価値算定書(野村證券)(注1)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、本「(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載された各措置を講じ、かつ当社との協議及び交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、野村證券から本公開買付価格の妥当性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
野村證券による当社株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりとのことです。
市場株価平均法:1,884.5円から2,099円
類似会社比較法: 1,571円から2,075円
DCF法 : 2,391円から3,529円
市場株価平均法では、算定基準日を2024年6月13日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定基準日終値1,884.5円、同日までの直近5営業日(2024年6月7日から2024年6月13日)の終値単純平均値1,927円、同日までの直近1ヶ月間(2024年5月14日から2024年6月13日まで)の終値単純平均値1,974円、同日までの直近3ヶ月間(2024年3月14日から2024年6月13日まで)の終値単純平均値1,961円及び同日までの直近6ヶ月間(2023年12月14日から2024年6月13日まで)の終値単純平均値2,099円をもとに、1株当たりの株式価値の範囲を1,884.5円から2,099円と分析しているとのことです。
類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,571円から2,075円までと算定しているとのことです。
DCF法では、公開買付者により確認された事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を前提として、2025年3月期以降に当社が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を2,391円から3,529円までと算定しているとのことです。
(注1)野村證券は、当社の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2024年6月13日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が当社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
(ⅲ)本新株予約権に係る算定の概要
本新株予約権については、当社の取締役及び執行役員並びに当社の子会社の取締役に対して退職慰労金相当の役員報酬として付与されたものであり、その権利行使の条件として、本新株予約権者は、当社の取締役又は執行役員の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、当社の子会社の取締役の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当該子会社の取締役の地位を喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされているところ(上記の地位喪失に伴う各行使条件を、以下「本地位喪失行使条件」と総称します。)、本地位喪失行使条件を充足した場合に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされており、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないこと等を考慮し、公開買付者は、本新株予約権買付価格は1個当たり1円と決定したとのことです。
なお、公開買付者は、上記のとおり本新株予約権買付価格を決定していることから、第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンは取得していないとのことです。
② 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者及び当社から独立した当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるUBS証券に対し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年6月13日付で、下記(ii)(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下で、本株式価値算定書(UBS証券)を取得いたしました。
当社は、本買付条件等変更に関する意見表明を検討するにあたり、本株式価値算定書(UBS証券)において前提とした本事業計画における収益状況や投資計画等の情報に重大な変更がない旨の当社からの説明を前提として、UBS証券から、本株式価値算定書(UBS証券)における結論を変更すべき事情は認められないとの説明を受けたことから、新たに当社株式の株式価値に関する株式価値算定書は取得しておりません。
なお、UBS証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を踏まえ、UBS証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していません。なお、本取引に係るUBS証券に対する報酬は、本公開買付けの成立等を条件に支払われる成功報酬のみとなっております。当社は、一般論として成功報酬が設定されることにより取引成立に向けたインセンティブが働き、独立性に影響を与えるおそれがあることを認識しておりますが、UBS証券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等も踏まえ、成功報酬のみの報酬体系であるとしてもなお公正かつ客観的な助言を受けることができると判断し、かつ、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬であることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりUBS証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任いたしました。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
UBS証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を採用して、下記(注1)に記載の前提条件その他一定の条件の下に当社の株式価値分析を行っております。
UBS証券によれば、上記各手法に基づき算定した当社株式1株当たり株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。UBS証券による本株式価値算定書(UBS証券)作成及びその基礎となる評価分析に関する前提条件、留意事項については、下記(注1)をご参照ください。
市場株価平均法: 1,884.5円~2,099円
類似企業比較法: 1,915円~2,598円
DCF法: 2,356円~3,205円
市場株価平均法では、算定基準日を2024年6月13日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,884.5円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,974円(2024年5月14日~2024年6月13日)、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,961円(2024年3月14日~2024年6月13日)、直近6ヶ月間の終値単純平均値2,099円(2023年12月14日~2024年6月13日)を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,884.5円から2,099円までと算定しています。
類似企業比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、株式会社資生堂、株式会社コーセー、株式会社ポーラ・オルビスホールディングス及びロート製薬株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率及び時価総額に対する純利益の倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を1,915円から2,598円までと算定(注2)しています。
DCF法では、本事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社財務予測に基づき、当社のフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値及び株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,356円から3,205円までと算定(注2)しています。なお、割引率は7.0%~7.5%を採用し、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及び倍率法を採用し、永久成長率は1.5%~2.0%、企業価値に対するEBITDAの倍率は11.5倍~15.5倍として算定しています。本事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではありません。そのため、本公開買付けの成立により実現することが期待されるシナジー効果は、本事業計画及び価値算定には加味されていません。
なお、DCF法で算定の前提とした当社財務予測の数値は以下のとおりです。
(単位:億円)
本事業計画については、本「(4)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認し、不合理でないことを確認しております。
(注1) 本株式価値算定書(UBS証券)は、当社取締役会がその立場において本公開買付価格を財務的見地から検討することのみを目的として提供されたものです。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引に関連して当社のいかなる種類の有価証券(本新株予約権を含みます。)の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引の取引形態、ストラクチャー等を含め本取引の条件その他の側面について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、当社にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本取引の相対的な利点又は本取引の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。また、本取引又はそれに関連する事項について、当社の株主に対して本取引に応募すること又はしないこと、当社の株主の議決権行使又は行動について何ら意見を述べ又は推奨するものでもありません。また、本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本取引の公開買付価格との比較における公正性(財務的か否かを問いません。)について、何らの意見も見解も表明するものではありません。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において当社株式が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもありません。
本株式価値算定書(UBS証券)の作成にあたりUBS証券は、本株式価値算定書(UBS証券)作成のためにUBS証券が吟味した公開の又は当社若しくは当社の他のアドバイザーから提供された前提事項又は情報等の正確性及び完全性を前提とし、またそれらに依拠しています。当該前提事項又は情報等について、UBS証券又はその役職員、代理人、代表者、アドバイザーその他のいずれも、別途その内容を検証していません。
UBS証券又はその役職員、代理人、代表者若しくはアドバイザーのいずれも、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報の正確性、完全性、信頼性及び充分性について、また、本株式価値算定書(UBS証券)の中で前提としている内容の妥当性について、明示されていると否とにかかわらず、何ら表明、保証又は約束するものではありません。
本株式価値算定書(UBS証券)は当社取締役会の利益のためにのみ提供され、当社の株主又はその他いかなる者も、本株式価値算定書(UBS証券)に依拠してはならず、また本株式価値算定書(UBS証券)によって利益、権利又は救済を得られるものではありません。
本株式価値算定書(UBS証券)を受領することにより、当社は、法令上許容される限り、かつそれが詐欺による場合及び委託契約書に定める場合を除き、本株式価値算定書(UBS証券)又は本株式価値算定書(UBS証券)に関連して書面若しくは口頭により提供される情報、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報の誤り又は本株式価値算定書(UBS証券)からの情報の脱漏から生じ得るあらゆる責任から、UBS証券並びにその役職員、代理人、代表者及びアドバイザーを明示的に免責することを確認し、承諾しています。
本株式価値算定書(UBS証券)には、当社からUBS証券に提供された将来予想に関する記述、見通し、見積もり、予測、目標、及び意見(以下「将来予測」と総称します。)が含まれる可能性があり、UBS証券は将来予測の妥当性及び達成可能性(またそれらの前提及び根拠)について、当社の経営陣の意見に依拠しています。UBS証券は、かかる将来予測が、現時点で入手可能な最善の当社の経営陣による評価及び判断を示すものであること、並びに、かかる将来予測が当社の経営陣が熟考した数値又は時期において実現することを前提としています。本株式価値算定書(UBS証券)中の全ての前提事項は当社と検討し、合意されています。かかる将来予測は、大きな前提と主観的判断を含んでおり、それらが正しいものとは限らず、また、いかなる将来予測も将来の業績の信頼性の高い指標であるとの保証はなく、また、それらが達成可能又は実現するとは限りません。本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる将来予測は、その達成又は妥当性について何ら表明保証はなされておらず、また依拠されるべきものでもありません。
本株式価値算定書(UBS証券)は、本株式価値算定書(UBS証券)の日付現在における経済、規制、市況その他の状況、及び同日までにUBS証券が入手した情報に基づいて作成されたものであり、その後の状況の変化により、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報に影響が生じる可能性があります。本株式価値算定書(UBS証券)の内容は本株式価値算定書(UBS証券)の日付現在のものであり(本株式価値算定書(UBS証券)中で別途過去時点を示す場合を除きます。)、本株式価値算定書(UBS証券)の提供に際し、当社に対し、①追加情報の提供、②本株式価値算定書(UBS証券)中の将来予測を含む情報の更新、改訂若しくは再確認、又は③内容の不正確が判明した場合の訂正につき、いかなる者も義務を負わず、また表明又は約束をするものではありません。
本株式価値算定書(UBS証券)に記載されたUBS証券による分析は、UBS証券が本株式価値算定書(UBS証券)に関連して当社取締役会に提示する主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書(UBS証券)に関連してUBS証券が行った分析及び参照した情報を全て網羅するものではありません。本株式価値算定書(UBS証券)の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その一部の分析結果又は要約の記載は必ずしもその分析の内容全てを正確に表すものではありません。UBS証券による分析結果は全体として考慮される必要があり、その分析結果を全体として考慮することなく、その一部又は要約のみを参考にした場合、UBS証券の分析の基礎となる過程について必ずしも正確な理解を得られない可能性があります。UBS証券による分析に際して比較対象として検討されたいずれの会社も、当社の事業部門又は子会社と同一ではなく、UBS証券による分析の目的において、当社と類似すると考えられる事業に従事する公開会社であるという理由により選択されたものです。また、UBS証券による分析は、当社との比較対象として検討された会社の財務及び事業上の特性の相違、並びにこれらの会社に影響を及ぼす可能性のあるその他の要因に関する、複雑な検討及び判断を必然的に伴っています。
本株式価値算定書(UBS証券)の作成においてUBS証券は、①本株式価値算定書(UBS証券)中で参照される当社又はその他の会社の物的資産・負債について何ら独立した評価又は鑑定を行っておらず、かかる評価又は鑑定を提供されておらず、②本取引の商業的利点に関する検証を行っておらず、③本取引について法務、税務、会計又はその他の分析を行っておらず、適宜これらの分野に精通した専門家アドバイザーの判断のみに依拠しており、④本取引のために規制上の又は第三者の承認、同意及び免除を得るにあたり、当社、本株式価値算定書(UBS証券)中で言及される他の会社又は本取引に悪影響を与えるような遅延、制限、制約又は条件がないことを前提としています。
UBS証券は、本取引に関連して当社のファイナンシャル・アドバイザーを務め、かかるサービスに対し報酬を受領しますが、かかる報酬は、本取引が成立した場合にのみ発生します。また、当社は、UBS証券の関与に関してUBS証券が負担する費用及びUBS証券の業務から発生する一定の責任についてUBS証券に補償することを合意しています。
(注2) 当社株式の1株当たりの価値の計算で用いる株式数は、潜在株式勘案後株式総数(121,591,800株)です。
(ⅲ)本新株予約権に係る算定の概要
当社は、本新株予約権買付価格について第三者算定機関から算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しておりません。なお、本新株予約権については、当社の取締役及び執行役員並びに当社の子会社の取締役に対して株価連動型の退任時報酬として付与されたものであり、その権利行使の条件として、本新株予約権の行使期間内において、当社の取締役又は執行役員の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、当社の子会社の取締役の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当該子会社の取締役の地位を喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされており、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないこと等を考慮し、本新株予約権買付価格についてはいずれも1円とされております。
③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
当社は、2024年2月21日に公開買付者から本取引に関する提案を受領した後、公開買付者は当社の支配株主等には該当しないものの当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社であることから、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、支配株主等との取引に準じて、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、意思決定過程の公正性を担保するとともに、当社取締役会における意思決定が、当社の少数株主にとって不利益なものでないか否かを確認することを目的として、瓜生・糸賀法律事務所の助言を踏まえ、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制として、2024年2月22日付取締役会決議により、いずれも公開買付者から独立した委員である橋本圭一郎氏(当社独立社外取締役、インフロニア・ホールディングス株式会社 社外取締役 取締役会議長・監査委員長、元首都高速道路株式会社代表取締役会長兼社長)(以下「橋本委員長」といいます。)、中久保満昭氏(当社独立社外取締役、弁護士、あさひ法律事務所パートナー)(以下「中久保委員」といいます。)及び松本章氏(当社独立社外取締役、公認会計士、株式会社MIT Corporate Advisory Services代表取締役社長)(以下「松本委員」といいます。)の3名から構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、①本取引の目的は合理的か(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、②本取引における取引条件(本取引における公開買付価格を含む。)の妥当性が確保されているか、③本取引において公正な手続を通じた当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているか、④①乃至③その他の事項を前提に、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、⑤当社取締役会が当社株式に対する公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問いたしました。
加えて、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会は、本取引に関する決定(当社株式に対する公開買付けについて意見を表明することを含む。)を行うに際しては、本特別委員会の判断内容を最大限尊重すること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引の目的又は取引条件について妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は本取引に賛同しないことを決議するとともに、本特別委員会に対し、①当社の費用にて、本取引に係る調査(本取引に関係する当社の役職員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、説明を求めることを含む。)を行うことができる権限、②当社の検討体制(弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを含む。)を承認することができる権限、③当社が公開買付者と取引条件等について交渉するにあたり、適時にその状況の報告を求め、重要な局面でその意見、指示及び要請を行う権限、並びに、④必要に応じ、当社の費用にて、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを独自に選任することができる権限及び当社のアドバイザーに専門的助言を求めることができる権限を付与することを決議いたしました。
その後、当社は、2024年7月30日に、公開買付者から、公開買付価格を当社株式1株当たり2,800円に変更すること、及び、公開買付期間を2024年8月13日から同月21日乃至同月28日まで延長することについて提案を受けました(以下、当該提案を「買付条件変更提案」といいます。)。当社は、本特別委員会から、本取引について、買付条件変更提案を考慮した上で、本諮問事項につき追加で答申を受けました。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年3月14日より2024年6月13日までの間に、正式な委員会としては合計13回、合計約14時間にわたって開催されたほか、各会日間においても適宜、参集、電子メール、電話その他の方法を通じて、報告・情報共有、審議、意思決定等を行う等して、大要以下のとおり、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行いました。
・ 本特別委員会は、2024年3月14日開催の第1回特別委員会において、当社が瓜生・糸賀法律事務所を当社のリーガル・アドバイザーとして選任することについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で承認した。また、本特別委員会は、第1回特別委員会において、当社がUBS証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として選任することについて、その独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で承認した。なお、本特別委員会は、下記のとおり、第1回特別委員会後においても、UBS証券の独立性について、UBS証券の本取引に係る報酬内容を踏まえた更なる検討を行い、上記結論に相違がないことの確認を行った。
・ 本特別委員会は、2024年3月29日開催の第2回特別委員会において、複数の候補者につきその独立性、専門性及び実績等の検討を行い、その上で、専門性及び実績等を考慮して、本特別委員会独自の第三者算定機関としてプルータスを選任し、2024年4月12日開催の第4回特別委員会において、その独立性に問題がないことを確認した。また、本特別委員会は、2024年4月16日開催の第5回特別委員会において、改めてその独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザーとしてもプルータスを選任した。
・ 本特別委員会は、2024年4月5日開催の第3回特別委員会において、独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、本特別委員会独自のリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議等に関する助言を含む、本諮問事項に対する答申を行う上で合理的に必要と考えられる法的助言を受けた。
・ 本特別委員会は、当社に対して本取引の意義・目的・効果、本取引によって公開買付者の完全子会社となり上場が廃止されることの影響、本取引後のグループ・ガバナンス等について、予め書面による質問を行い、2024年4月25日開催の第6回特別委員会及び2024年6月10日開催の第12回特別委員会において、当社代表取締役社長執行役員CEOである島田和幸氏との間で、対面による質疑応答を行った。
・ また、本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引の意義・目的・効果、本取引によって公開買付者の完全子会社となり上場が廃止されることの影響、本取引後のグループ・ガバナンス等について、書面による質問を行い、2024年5月7日付で書面による回答を受けるとともに、2024年5月17日開催の第8回特別委員会において、公開買付者代表取締役会長CEOである磯崎功典氏及び公開買付者代表取締役社長COOである南方健志氏等との間で、対面による質疑応答を行った。
・ 本特別委員会は、2024年4月12日開催の第4回特別委員会及び2024年4月16日開催の第5回特別委員会において、当社が本公開買付けにおける買付価格の交渉の前提とすべき事業計画として、当社の本事業計画について、当社からその作成方針等の説明を受け、当社執行部との間で質疑応答を行った。その後、本特別委員会は、2024年5月8日開催の第7回特別委員会において、本事業計画の合理性を確認し、本事業計画を公開買付者に対して共有する旨が確認された。
・ 本特別委員会は、本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるプルータスに対し、公開買付者との公開買付価格の交渉方針等を含め、財務的な観点からの助言を求めるとともに、当社株式の株式価値の算定を依頼し、プルータスから、算定方法の選択理由、類似企業比較法における類似企業の選定理由、DCF法による算定の主要な前提条件、各算定方法における算定過程、各算定方法による算定結果の分析等について助言を受け、プルータスとの間で質疑応答及び審議・検討を行った上で、それらの合理性を確認した。本特別委員会は、プルータスより、本株式価値算定書(プルータス)の提出を受けた。また、本特別委員会は、プルータスから、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が公正である旨の本フェアネス・オピニオンの提出を受けた。
・ 本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるUBS証券から、当社の株式価値の算定方法、当該算定方法を選択した理由、類似企業比較法における類似企業の選定理由、DCF法による算定の主要な前提条件、各算定方法による算定結果及び最近の類似事例におけるプレミアムの水準等について説明を受け、UBS証券との間で質疑応答及び審議・検討を行った上で、随時プルータスからの助言も得つつ、それらの合理性を確認した。当社は、UBS証券より、最終的な算定結果として、本株式価値算定書(UBS証券)の提出を受けた。
・ 本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである瓜生・糸賀法律事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本特別委員会における審議の方法及び過程、公開買付者との契約交渉の内容等について法的助言や説明を受けた。
・ 本特別委員会は、公開買付価格を含む本取引の条件に関する公開買付者との交渉ついて、随時、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、当社のアドバイザーに加えて、プルータス及び森・濱田松本法律事務所からの助言も踏まえて審議・検討を行い、以下の通り、当社の交渉方針について必要な意見を述べ、UBS証券を通して、本特別委員会において必要と判断した範囲で直接に、公開買付者との間で交渉を行った上、本公開買付価格にて合意に至った。具体的には、大要以下のとおりである。
① 本特別委員会は、2024年5月8日開催の第7回特別委員会において、当社が公開買付者から受領する公開買付価格の初回提案が2,500円を下回るような水準である場合には、当社及び本特別委員会それぞれのファイナンシャル・アドバイザーによる株式価値に関する初期的な分析及び本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準を考慮すると当社の少数株主の利益に配慮されたものとは到底いえないことから、本特別委員会との協議を行うまでもなく直ちに、公開買付価格の引上げを強く求めることが相当である旨の意見を述べた。
② 本特別委員会は、会日間において、UBS証券から、2024年5月9日付で公開買付者から公開買付価格を2,300円とする提案を受領したこと、及び、①の本特別委員会の意見に従い2024年5月13日付で公開買付者に対して公開買付価格の引上げを検討し再提案をするよう強く要請した旨の報告を受けた。
③ 本特別委員会は、2024年5月23日開催の第9回特別委員会において、UBS証券から、2024年5月21日付で公開買付者から公開買付価格2,450円とする提案を受領したことの報告を受け、公開買付価格の強く引上げを求めることが相当である旨の意見を述べた。
④ 本特別委員会は、会日間において、UBS証券から、③の本特別委員会の意見に従い2024年5月24日付で公開買付者に対して公開買付価格の引上げを検討し再提案をするよう強く要請した旨の報告を受けた。
⑤ 本特別委員会は、2024年5月31日開催の第10回特別委員会において、UBS証券から、2024年5月29日付で公開買付者から公開買付価格2,550円とする提案を受領したことの報告を受け、公開買付価格の引上げを求めることが相当である旨の意見を述べた。
⑥ 本特別委員会は、会日間において、UBS証券から、⑤の本特別委員会の意見に従い2024年5月31日付で公開買付者に対して公開買付価格の引上げを検討し再提案をするよう要請した旨の報告を受けた。
⑦ 本特別委員会は、2024年6月6日開催の第11回特別委員会において、UBS証券から、2024年6月4日付で公開買付者から公開買付価格2,585円とする提案を受領したことの報告を受け、公開買付価格の引上げを求めることが相当である旨の意見を述べた。
⑧ 本特別委員会は、2024年6月6日開催の第11回特別委員会の後、UBS証券から、⑦の本特別委員会の意見に従い2024年6月6日付で公開買付者に対して公開買付価格の引上げを検討し再提案をするよう要請した旨の報告を受けた。
⑨ 本特別委員会は、⑧の報告を受けた後、当社及び公開買付者の間の交渉状況に鑑み、2024年6月7日及び同月11日の2回にわたり、公開買付者との間で公開買付価格についての意見交換を実施し、公開買付者の2024年6月4日付の公開買付価格の提案内容では当社の少数株主の利益に配慮されたものとは言い難い旨を伝達した。
⑩ 本特別委員会は、⑨の意見交換の後2024年6月13日開催の第13回特別委員会までの間において、UBS証券から、2024年6月12日付で公開買付者から公開買付価格2,690円、新株予約権買付価格を1円とする提案を受領したことの報告を受けた。
⑪ 本特別委員会は、2024年6月13日開催の第13回特別委員会において、上記公開買付価格を本公開買付価格とすることについて承認した。
・ 本特別委員会は、2024年5月23日開催の第9回特別委員会において、UBS証券及び瓜生・糸賀法律事務所から、公開買付者から提示を受けた公開買付契約書の内容及びそれに対して予定している当社のコメントの内容の説明を受け、本特別委員会として検討を要すると考える規定等について指摘を行った。その後、本特別委員会の当該指摘を踏まえて当社において再検討されたコメントを提出することを承認した。また、その後の公開買付契約書の交渉状況について、各会日間における電子メール等を通じて、また2024年5月31日開催の第10回特別委員会、2024年6月6日開催の第11回特別委員会及び2024年6月13日開催の第13回特別委員会において、UBS証券及び瓜生・糸賀法律事務所から随時共有・報告を受け、当社としての交渉の方針について協議を行い、最終的に、2024年6月13日開催の第13回特別委員会において、公開買付契約書の内容の承認を行った。
・ 本特別委員会は、2024年6月6日開催の第11回特別委員会及び2024年6月13日開催の第13回特別委員会において、UBS証券及び瓜生・糸賀法律事務所から、当社が2024年6月14日に公表予定の本意見表明プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、質疑応答を行い、充実した情報開示がなされる予定であることを確認した。
本特別委員会は、追加答申にあたり、2024年7月29日より2024年8月5日までの間に、正式な委員会としては合計2回、合計約4時間にわたって開催されたほか、各会日間においても適宜、参集、電子メール、電話その他の方法を通じて、報告・情報共有、審議、意思決定等を行う等して、大要以下のとおり、買付条件変更提案を踏まえ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を行いました。
・ 本特別委員会は、2024年7月29日、UBS証券から、公開買付者が、公開買付期間を2024年8月13日まで延長し、合計40営業日とし、本公開買付価格の変更は行わない旨の決定を行ったこと及び当社がその旨のプレスリリースを開示したとの報告を受けた。
・ 本特別委員会は、2024年8月1日開催の第14回特別委員会において、当社から、本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)において前提とした本事業計画における収益状況や投資計画等に重大な変更がないことについて説明を受けた。
・ 本特別委員会は、公開買付価格を含む本取引の条件に関する公開買付者との交渉について、随時、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、当社のアドバイザーに加えて、プルータス及び森・濱田松本法律事務所からの助言も踏まえて審議・検討を行い、以下の通り、当社の交渉方針について必要な意見を述べ、UBS証券を通して、公開買付者との間で交渉が行われた結果、最終的に、当社株式1株当たり2,800円という公開買付価格(以下「変更後公開買付価格」という。)にて合意が形成されるに至った。具体的には、大要以下のとおりである。
① 本特別委員会は、UBS証券から、2024年7月30日付で公開買付者から変更後の本公開買付価格を2,800円とする提案及び公開買付期間を再度延長し、2024年8月21日乃至同月28日までとする提案を受領したことの報告を受けた。
② これに対し、本特別委員会は、2024年8月1日、当社株価が2024年7月29日以降、公開買付者の提案価格2,800円を相当程度上回って推移していることに鑑み、公開買付価格を2,800円とする提案を前提として当社の少数株主に対して応募を推奨することについては相当に慎重な検討を要するものであり、少なくとも買付条件の変更が公表される前日の当社株価終値を上回る水準まで公開買付価格の引上げを求めることが相当である旨の意見を述べた。一方で、少数株主が公開買付価格の変更も踏まえて本公開買付けに対する応募について十分な検討を行うために必要な期間を確保する観点から、公開買付期間を2024年8月21日乃至同月28日まで延長する旨の提案については承認する旨の意見を述べた。
③ 本特別委員会は、2024年8月1日、UBS証券から、②の本特別委員会の意見に従い2024年8月1日付で公開買付者に対して公開買付価格の引上げを再考するよう要請したこと及び公開買付期間を2024年8月21日乃至同月28日まで延長する旨の提案は応諾した旨の報告を受けた。
④ 本特別委員会は、2024年8月1日、UBS証券から、公開買付者より、公開買付価格の引上げを真摯に検討した結果、公開買付価格を2,800円より引き上げることは検討していない旨の回答を受領したとの報告を受けた。
⑤ 本特別委員会は、2024年8月1日開催の第14回特別委員会において、公開買付者の④の回答に対し、公開買付価格を2,800円とする提案を前提として当社の少数株主に対して応募を推奨することの可否について、現時点において判断することは困難であり、公開買付価格の引上げを再考するよう再度要請するべきである旨の意見を述べた。
⑥ 本特別委員会は、UBS証券から、⑤の本特別委員会の意見に従い2024年8月2日付で公開買付者に対して、公開買付価格を2,800円とする提案を前提として当社の少数株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの可否について、現時点において判断することは困難であり、公開買付価格の引上げを再考するよう再度要請した旨の報告を受けた。
⑦ 本特別委員会は、会日間において、UBS証券から、公開買付者より、公開買付価格の引上げを改めて真摯に検討した結果、2,800円という公開買付価格は、公開買付者の投資基準等も踏まえ公開買付者が妥当と考える評価額の最大値であり、公開買付価格を2,800円より引き上げることは検討していない旨の回答を受領したとの報告を受けた。
⑧ 本特別委員会は、2024年8月5日開催の第15回特別委員会において、公開買付価格を2,800円に変更することについて承認した。
・ 本特別委員会は、2024年8月5日開催の第15回特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるUBS証券及び本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるプルータスから、第14回特別委員会において当社から受けた本事業計画に重大な変更がないことを踏まえれば、現下の市場環境を踏まえたとしても、本株式価値算定書(UBS証券)並びに本株式価値算定書(プルータス)及びプルータスから2024年6月13日付で取得した本フェアネス・オピニオンにおける結論を変更すべき事情は認められないことについて説明を受けた。
(ⅲ)判断の内容
本特別委員会は、以上のような経緯のもと、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、プルータスから受けた助言、2024年6月13日付で提出を受けた本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2024年6月14日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出いたしました。
(a)答申内容
1. 本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると認められる。
2. 本取引における公開買付価格その他の取引条件について、妥当性が確保されていると認められる。
3. 本取引においては、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
4. 当社の取締役会が本取引(本スクイーズアウト手続を含む。)の実施を決定することは、当社の少数株主にとって不利益ではないと認められる。
5. 当社取締役会は、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明することを決議すべきである。また、当社取締役会は、本公開買付けに応募するか否かについては、当社の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者に対しては、本新株予約権者の判断に委ねることを決議すべきである。
本特別委員会は、上記「(ⅱ)検討の経緯」に記載の2024年7月29日より同年8月5日までの期間における経緯のもと、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言及びプルータスから受けた助言を踏まえつつ、買付条件変更提案を考慮した上で、本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2024年8月6日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の追加答申書を提出いたしました。
1.から4.について変更しない。
5. 当社取締役会は、本公開買付けに関して、賛同の意見を表明する旨の決議を維持すべきである。また、当社取締役会は、本公開買付けに応募するか否かについては、当社の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者に対しては、本新株予約権者の判断に委ねる旨の決議を維持することは不合理ではないと考える。
(b)答申理由
1. 本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かの検討
(i) 当社の経営環境、経営課題等
当社は、創業以来「『不』のつく事柄を解消する仕組みづくり」を経営の基本方針とし、無添加化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁事業などを展開し、2022年3月期を初年度とする「第3期中期経営計画 前進2023」(2022年3月期~2024年3月期)に基づき「美」と「健康」に関わる価値提供に取り組んできた。そして、その成果を踏まえ、当社は、2024年5月8日に当社経営計画を公表したところである。
また、2019年9月に公開買付者の持分法適用関連会社となって以降は、公開買付者グループとの間で、当社及び公開買付者の間の本資本業務提携に基づくシナジー創出として、「商品開発」及び「チャネル・インフラ」の領域でのシナジー創出を進めてきた。そして、「商品開発」については大きなシナジーが創出されていると認識しているのに対し、「チャネル・インフラ」の領域においては当初想定したほどの成果は挙げられていないと認識している。具体的には、両社が有するチャネルでの相互送客や、公開買付者グループ及び当社グループの製品の販売などを計画していたものの、当初想定したほどの成果を挙げるに至っていないと認識しており、公開買付者グループ及び当社グループの間での営業情報及びノウハウ等の共有について、親子関係にあるグループ会社以外への情報開示を禁止する第三者との間の契約条項や競争関連法令などの制約により制限され、あるいは心理的な障害が生じるといった限界を認識している。
また、当社は、仮に当社が公開買付者の子会社となったとしても、当社に少数株主が存在する状況では、公開買付者と当社の少数株主との間に潜在的な利益相反関係が存在し、公開買付者グループが有する経営資源を当社に対して積極的に投資することが難しい側面があるとも認識している。
(ii) 本取引後の企業価値向上策、本取引によるシナジー
① 公開買付者が想定する本取引によるシナジー
公開買付者は、当社を完全子会社化した後、それぞれが持つ独自の強みの相互補完関係により他に類を見ないビジネスモデルを構築し、健康課題の解決に貢献する競争優位なポジションを確立することを目指していくことが可能であると判断したとのことである。具体的には、公開買付者は、発酵・バイオテクノロジーを駆使した素材開発、酒類・飲料事業を通じて培ったマーケティング力と販売力、Blackmores Limited買収を通じて獲得した日本を除くアジア・パシフィック(アジア太平洋地域)における健康食品事業基盤を強みとしているとのことである。公開買付者は、当社は、2024年3月期においても売上の7割を占める直営チャネル(通信販売、直営店舗)で磨き上げた卓越した顧客関係力、創業から一貫して追求してきた「不安」、「不満」、「不便」といった世の中の「不」の解消のため、顧客の声から得るインサイトを応用研究に活かし製品化する技術、これらにより築いてきたブランド力に強みがあると考えているとのことである。公開買付者グループ及び当社グループのそれぞれの強みを活かしたビジネスモデルを構築し、発酵という自然な方法で生み出した素材を、顧客との強固な関係性から得られるインサイトを活かして製品化し、Direct to Consumer (D to C)及び海外を含む幅広いチャネルと地域で消費者に届けることで、さらに顧客との関係性を強めていくことが可能となると考えているとのことである。これにより、持続的な成長につなげるとともに、ブランド価値及び企業価値の最大化が実現できるものと確信しているとのことである。
その他、今回の公開買付者による当社の完全子会社化により、以下のとおり様々なシナジーが期待されるものと考えているとのことである。これらのシナジーの中には、現在の本資本業務提携の枠組みにおいても一定の発現が見込まれる項目も含まれているが、本取引により当社を公開買付者の完全子会社とすることで初めて実現できる項目があること、より多くの公開買付者グループのリソースを投入することが可能となることから、シナジー効果を最大化できるものと認識しているとのことである。
(ア)チャネルシナジー
・ 両社グループの国内の広範な販売網を活用した商品展開
・ 当社の完全子会社化に伴う競合関係解消による統合的な販売戦略の推進
・ 公開買付者グループの事業領域のうち「食」、「ヘルスサイエンス」だけでなく「医」において足されていないスキンケアニーズへの価値提案
(イ)ベストプラクティス共有シナジー
・ 公開買付者グループのリサーチマーケティング力、商品開発力や組織管理のノウハウの活用
・ EC・通信販売インフラ共有による購買データ活用機能強化や効率化
(ウ)海外展開シナジー
・ 公開買付者グループのアジア・パシフィックにわたるグローバルな事業基盤(販路、レギュレーション知見、人財)を活用した当社の海外展開加速
(エ)技術シナジー
・ 公開買付者グループの免疫研究成果、独自素材を当社グループの化粧品及びサプリメントへ展開し活用範囲を拡大するなど、既に一定の成果が出ている共同研究を深化させることによる差別優位性の高い商品開発と市場創造のさらなる推進
・ 当社グループの体内吸収効率技術の公開買付者グループ製品への活用
(オ)機能共通化・共有化シナジー
・ サプリメント製造拠点や物流網、企画・IT・総務・財務等の管理部門の共通化・連携強化
(カ)ESGシナジー
・ 環境技術、パッケージング技術の水平展開によるESGの取り組み強化
② 当社が想定する本取引によるシナジー
当社は、本公開買付けが成立し、本取引が実行される場合には、当社は、公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループが持つ様々なリソースを最大限に活用することが可能となり、ひいては「美」と「健康」の両事業の強化、拡大を一気に加速化し、当社グループの企業価値最大化を実現できると考えている。具体的には、以下のようなシナジーを実現することが可能であると考えており、これにより、当社が取り組むべき課題の解決につながることから、本取引を実行することが、当社の企業価値向上に資すると判断している。
(ア)グループ共通の目標達成に向けたシナジーの加速
本取引により、当社が公開買付者の完全子会社となるとともに、公開買付者グループのヘルスサイエンス事業において中核を占める子会社として明確に位置付けられることにより、グループとして一体化した事業戦略のもとに、当社は、公開買付者の経営資源をより柔軟かつ迅速に活用することが可能となり、シナジー効果をより短期間で最大化できると考えている。
(イ)共同研究開発活動の深化によるイノベーションの創出
公開買付者グループは、創業以来の基幹技術である発酵・バイオテクノロジーの領域において様々な素材開発を行うなど、長期的な目線による基礎研究に強みを有する一方、当社グループは、安全性・機能性研究の推進、及び科学的根拠に基づいた応用研究(製品開発)を得意としている。公開買付者グループ及び当社グループにおける研究開発活動は相互補完的であり、既存の資本業務提携における共同研究開発においても、化粧品素材開発、腸内環境研究、脳機能研究等、多くの研究領域で共同プロジェクトを進めている。
しかしながら、当社が公開買付者の持分法適用関連会社にとどまっていたことから、公開買付者グループ及び当社グループの間でのノウハウ、技術情報等の共有について、親子関係にあるグループ会社以外への情報開示を禁止する第三者との間の契約条項や競争関連法令などの制約により制限され、あるいは心理的な障壁が生じるといった限界も認識している。
本取引によって当社が公開買付者の完全子会社となることにより、これらの制限や障壁が取り除かれ、例えば、現在よりも早い研究段階から両社が情報共有することで、製品開発のスピードを加速させるなど、さらなる共同研究開発活動の深化を実現できるほか、研究開発戦略においても、ひとつのグループとして一体性、統一性のある方向性を打ち出すことができ、より一層のイノベーションの創出につながると考えている。
(ウ)グループとして一体の販売戦略の推進
上記(イ)にも記載のとおり、現在の資本業務提携において、製品開発が多大な成果を挙げている一方、両社の一部の製品について、卸販売チャネルの売場で一部競合するなど、公開買付者グループ及び当社グループを跨いだ統合的な製品の販売戦略を打ち出すには至っていない。
当社は、本取引によって当社が公開買付者の完全子会社となることにより、公開買付者グループとしてより統合的な販売戦略の推進が可能となり、より効果的かつ効率的な製品の販売につなげることができると考えている。
(エ)さらなる情報及び経営資源の共有の強化
当社が公開買付者の完全子会社となることにより共有が進むと考えられる情報及び経営資源は、研究開発活動におけるノウハウ、技術情報等に限られるものではなく、営業情報や公開買付者グループにおけるマーケティング及び組織管理のノウハウ、公開買付者グループにおけるベンチャー投資、M&A及びESGに関するノウハウなども想定している。また、今後当社がグローバル展開を検討するにあたり、公開買付者グループの海外拠点の活用のほか、とりわけ、公開買付者の完全子会社となることにより、公開買付者グループと当社との間の競争法上のリスクを解消した上で、同じく公開買付者の傘下にあるオーストラリアの健康食品(ナチュラル・ヘルス)会社であるBlackmores Limitedとの協業体制の構築等を、選択肢に入れることも可能になると考えている。
当社は、このように、本取引の実行により当社が公開買付者グループの有する情報及び経営資源を最大限に活用することができるようになり、当社製品の拡販、業務効率の向上、海外進出やM&Aを通じた事業拡大等を実現することが可能になると考えている。
③ 小括
上記の本取引後における当社グループによる企業価値向上策、本取引によるシナジーについて分析・検討を行ったが、公開買付者及び当社において概ね同様の認識を有していることが認められ、この点、本特別委員会としても異存なく、上記の本取引後の企業価値向上策は、本取引の実行も含めて、いずれも当社の企業価値の向上に資する重要な施策であると認める。
(iii) 本取引によるディスシナジー
当社は、当社が公開買付者の完全子会社となり、当社株式の上場が廃止された場合には、上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、取引先を含む外部からの社会的信用の獲得、知名度の維持といった上場会社であることによるメリットを享受できなくなることのほか、ブランドイメージの低下が挙げられると考えている。しかしながら、当社は、資金調達においては、公開買付者グループの潤沢なキャッシュ(現金及び現金同等物151,207百万円(2024年3月末、連結))を活用できることから、資金調達に関する影響はないと考えている。また、取引先の信頼関係は既に一定程度構築されており、上場廃止を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えられること 、東京証券取引所プライム市場上場会社である公開買付者のイメージは非常に高く、公開買付者の完全子会社となることで当社の社会的信用や知名度は維持・向上することが期待されること、これまでの事業運営により積み重ねてきた信頼や獲得してきた知名度に関しては、上場廃止により直ちに失われるものではないことから、本取引後も、かかるデメリットによる影響は僅少であり、上記の当社の企業価値向上が見込まれるメリットを上回らないものと考えている。
なお、公開買付者は、当社の非上場化に伴い、当社は、当社における資金調達、社会的又は取引先からの信用、及び従業員のモチベーションなどの観点から一般的に影響を受けると考え得る点に加え、当社製品の愛用者でもある個人株主のロイヤルティ低下の可能性についても検討したが、本取引後も当社は公開買付者グループという上場会社グループの一員であること及び当社が公開買付者の完全子会社となることで公開買付者から当社に提供することが可能となる代替的な措置等により上記の観点からの影響は限定的であるものと考えているとのことである。
(iv) 本取引後の当社の経営方針
公開買付者は、本取引を通じて当社を完全子会社化した後、シナジーを最大化し当社グループの企業価値を最大化するための施策について、当社と改めて協議を行った上で実施したいと考えているとのことである。その施策の実施において、当社グループの創業理念、経営理念、企業名、商品名及びブランド等を維持しつつ、公開買付者及び当社ともに、「食から医にわたる領域」及び「美」と「健康」の領域において、コミュニケーションを通じてお客様一人ひとりとつながることが顧客基盤を支え、かつ相互に補完することで顧客関係力を一層高め合うことができるという共通認識を持ち、当社グループと緊密に連携しながら事業を推進していくことにより、公開買付者グループ全体の利益成長を加速させ、企業価値の向上に努めていくとのことである。
本取引後当初の当社の経営体制について、公開買付者及び当社は、公開買付者のヘルスサイエンス事業本部の下で、柔軟かつスピーディーに事業運営すること等を目的として、当社及び公開買付者の間で2024年6月14日付で締結することを予定している公開買付契約書(以下「本公開買付契約」という。)において、①当社の取締役会を廃止し、取締役の員数を3名とすること(うち1名を常勤、2名を非常勤とし、非常勤取締役2名は公開買付者が指名)、②当社の監査役会を廃止し、監査役の員数を1名とすること(監査役は公開買付者が指名)、及び③上記①の常勤取締役1名を代表取締役とすることに合意している。また、公開買付者は、本取引の成立後においても、当社の従業員の雇用を維持する方針であり、意欲の高い従業員に対しては公開買付者グループ全体での活躍の場や環境を提供することも検討しているとのことである。その他に現時点で決定している事項はなく、今後、公開買付者と当社との間で協議しながら決定していく予定である。
また、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円であること、及び、公開買付者は、本公開買付けが成立したものの本公開買付けにおいて本新株予約権の全てを取得できず、かつ、本新株予約権が行使されず残存した場合には、当社に対して、本新株予約権者(本新株予約権行使予定者(本日現在において、本新株予約権者である当社の現取締役4名、現執行役員10名及び現理事1名並びに当社の子会社の現取締役2名のうち、現理事1名及び当社の子会社の現取締役1名を総称していう。)が本新株予約権を行使した場合には、当該本新株予約権行使予定者を除く。)に対する本新株予約権の放棄の勧奨等、本取引の実行に合理的に必要な手続を実践することを要請する予定であるとのことであり、また、本取引後において当社の取締役及び執行役員等を対象とする本業績連動型株式報酬制度が廃止予定であることから、公開買付者及び当社は、本公開買付契約において、本新株予約権者が享受すべき経済的利益並びに当社の取締役及び執行役員等が本業績連動型株式報酬制度により享受すべき経済的利益を損なうことがないよう、これらの経済的利益を手当てする新しい役員報酬制度の導入及び実施に向けた協議及び検討を行うことに合意している。
公開買付者は、具体的な役員報酬制度の内容については、本公開買付け成立後、本公開買付けに係る決済の開始日以降速やかに、当社と協議しながら決定していく予定とのことである。なお、当該役員報酬制度は、本新株予約権が退職慰労金相当の報酬として付与された経緯に鑑み、本新株予約権者が享受すべき経済的利益を実質的に損なうことがなく、かつ、本新株予約権者に過大な利益を供与するものとならないよう、本新株予約権者による本公開買付けへの応募が実施されることを条件とすることなく本新株予約権者による本公開買付けへの応募とは独立して、本公開買付け成立後に当社と協議しながら決定する予定であるから、公開買付価格の均一性規制の趣旨に反するものではないと考えているとのことである。
(v) 小括
以上より、本特別委員会は、上記の当社の経営環境、経営課題等の認識について異存はなく、上記のとおり、本取引及び本取引後の企業価値向上策の実施がいずれも、当社の企業価値の向上に資するものであると評価する。他方で、本取引によるディスシナジーは当社の企業価値向上が見込まれるメリットに比較して小さいと考えられる点にも異存はない。また、本取引後の当社の経営方針については公開買付者と当社との間で特段の見解の相違も存在せず、特に懸念すべき点も見当たらない。そのため、本取引は、ひいては当社の企業価値の向上に資するものと認める。
2.本取引の取引条件の妥当性の検討
(i) 本公開買付価格の妥当性
① 事業計画の策定手続及び内容
当社は、公開買付者及び当社から独立した当社の第三者算定機関であるUBS証券から2024年6月13日付で当社株式に係る本株式価値算定書(UBS証券)を取得し、また、本特別委員会は、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自の第三者算定機関であるプルータスから2024年6月13日付で本株式価値算定書(プルータス)を取得しているところ、本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)においては、当社が2024年5月8日に公表した当社経営計画に基づき作成した本事業計画を算定の前提としている(なお、本事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていない。また、本事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではない。そのため、本公開買付けの成立により実現することが期待されるシナジー効果は、本事業計画及び価値算定には加味されていない。ただし、プルータスによる価値算定においては、上場維持コストの削減効果のみ加味されている。)。
本事業計画は、当社が合理的に見積もることが可能な期間として、対外的に公表している当社経営計画の最終年度である2027年3月期までの期間に2事業年度を加えた2029年3月期までの期間を採用している。また、公開買付者からの出向者、公開買付者との兼任役員その他公開買付者出身者を含む公開買付者関係者は本事業計画の策定には関与していない。本事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、本事業計画の内容に不合理な点は見受けられない。
② UBS証券の算定結果の検討
(ア)算定手法の選択
UBS証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似企業比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を採用して、一定の条件の下に当社の株式価値分析を行っている。UBS証券が採用したこれらの手法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定手法であり、かつ、UBS証券による各算定手法の採用理由に不合理な点は認められない。
(イ)算定結果の概要
UBS証券により上記各手法において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりである。
(ウ)算定内容の合理性
(a). 市場株価分析
UBS証券は、算定基準日を2024年6月13日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,884.5円、直近1か月間の終値単純平均値1,974円、直近3か月間の終値単純平均値1,961円、直近6か月間の終値単純平均値2,099円を基に、当社の株式価値を算定しているところ、市場株価分析においてこれらの値を基に算定することは一般的であり、市場株価分析による算定の内容に不合理な点は認められない。
(b). 類似企業比較分析
UBS証券は、当社と類似性があると判断される類似上場会社として、株式会社資生堂、株式会社コーセー、株式会社ポーラ・オルビスホールディングス及びロート製薬株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率及び時価総額に対する純利益の倍率を用いて算定を行い、当社株式の1株当たり株式価値の範囲を算定しているが、特に不合理な点は認められない。
また、UBS証券は、比較指標として、企業価値/EBITDA倍率及びPERを採用しているところ、M&A取引における類似企業比較分析において、企業価値/EBITDA倍率及びPERを採用することは一般的であり、特に不合理な点は認められない。
(c). DCF分析
UBS証券は、DCF分析において、本事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社財務予測に基づき、当社のフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、当社の株式価値を算定している。なお、割引率は7.0%~7.5%を採用し、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及び倍率法を採用し、永久成長率は1.5%~2.0%、企業価値に対するEBITDAの倍率は11.5倍~15.5倍として算定している。
UBS証券は、割引率について、株式価値算定実務において一般的に用いられているCAPM理論に基づき算出した株主資本コストと負債コストを加重平均した加重平均資本コスト(WACC)を採用し、その範囲として7.0%~7.5%を用いているところ、UBS証券による数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。
また、UBS証券は、継続価値の算定にあたって、株式価値算定実務において一般的に用いられている永久成長率法及びマルチプル法(企業価値/EBITDA倍率)を採用し、その永久成長率の範囲として当社の売上対象国における名目GDP成長率を参照して1.5%~2.0%、そのマルチプルの範囲として当社及び類似上場会社の過去のEBITDA倍率水準を参照して11.5倍~15.5倍を用いているところ、倍率のレンジは広いもののUBS証券による数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。
以上より、UBS証券によるDCF分析による算定内容について特に不合理な点は認められない。
③ プルータスの算定結果の検討
(ア)算定手法の選択
プルータスは、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を採用して、当社の株式価値を算定している。
(イ)算定結果の概要
プルータスにより上記各手法において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりである。
(ウ)算定内容の合理性
(a). 市場株価分析
プルータスは、算定基準日を2024年6月13日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,884.5円、直近1か月間の終値単純平均値1,974円、直近3か月間の終値単純平均値1,961円、直近6か月間の終値単純平均値2,099円を基に、当社の株式価値を算定しているところ、市場株価分析においてこれらの値を基に算定することは一般的であり、市場株価分析による算定の内容に不合理な点は認められない。
(b). 類似会社比較分析
プルータスは、当社と比較的類似性があると判断される事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定している。
プルータスは、株式会社資生堂、株式会社コーセー、株式会社ポーラ・オルビスホールディングス、株式会社ノエビアホールディングス、株式会社ロート製薬及び大塚ホールディングス株式会社を選定しているが、特に不合理な点は認められない。
また、プルータスは、比較指標として、企業価値/EBIT倍率及び企業価値/EBITDA倍率を採用しているところ、M&A取引における類似会社比較分析において、企業価値/EBIT倍率及び企業価値/EBITDA倍率を採用することは一般的であり、特に不合理な点は認められない。
(c). DCF分析
プルータスは、DCF分析において、本事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の財務予想に基づき、2025年3月期以降に当社が創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより、当社の株式価値を算定している。
プルータスは、割引率について、株式価値算定実務において一般的に用いられているCAPM理論に基づき算出した株主資本コストと負債コストを加重平均した加重平均資本コスト(WACC)を採用し、その範囲として6.1%~7.0%を用いているところ、プルータスによる数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。
また、プルータスは、継続価値の算定にあたって、株式価値算定実務において一般的に用いられている永久成長率法とマルチプル法(企業価値/EBIT倍率及び企業価値/EBITDA倍率)を採用し、永久成長率については0%を用いるとともに、類似会社を参照して企業価値/EBIT倍率については16.0倍、企業価値/EBITDA倍率については11.3倍を用いているところ、プルータスによる数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。
以上より、プルータスによるDCF分析による算定内容について特に不合理な点は認められない。
④ プレミアムの分析
UBS証券によれば、経済産業省がM&A指針を公表した2019年6月28日以降2024年5月31日までに完了した取引総額500億円以上、かつ、取引前において当社が公開買付者の持分法適用関連会社若しくは子会社等である取引又はMBO取引に該当する成立した公開買付け全29件のプレミアム水準は以下のとおりとのことである。
⑤ 小括
上記のとおり、本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)において算定の前提とされている本事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、本事業計画の内容に不合理な点は見受けられない。
UBS証券及びプルータスが採用した算定手法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定手法であり、かつ、UBS証券及びプルータスによる各算定手法の採用理由に不合理な点は認められない。また、UBS証券及びプルータスによる市場株価分析、類似企業(会社)比較分析及びDCF分析による算定内容について特に不合理な点は認められない。
本公開買付価格は、かかる本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)の市場株価分析及び類似企業(会社)比較分析における評価レンジの上限を超えており、いずれのDCF分析における評価レンジの範囲にも入っていること(特に本株式価値算定書(プルータス)のDCF分析においては、その評価レンジの中央値を超えていること)、本公開買付価格は公表日前日終値に42.7%のプレミアムが付与されたものであり、上記④の参照取引に比しても遜色ないと評価し得るプレミアムが付与されている(なお、当社決算短信及び当社経営計画の公表後に形成された直近1ヶ月間の当社株式の市場株価が当社の企業価値を最も反映していると判断されるところ、当該期間の市場株価との関係においても相応のプレミアムが確保されていると評価し得る)ことからすれば、妥当であると考えられる。
そして、本公開買付価格が妥当であると考えられることからすれば、それと同額とされる本スクイーズアウト手続において当社株主に交付される対価も妥当であると認められる。
(ii) 本新株予約権買付価格の妥当性
本新株予約権買付価格について、当社及び本特別委員会は第三者算定機関から算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しておらず、本新株予約権買付価格が当社の企業価値を適正に反映したものであるか否かについて独自に検証を行っていない。
本新株予約権は、当社の取締役及び執行役員並びに当社の子会社の取締役に対して株価連動型の退任時報酬として付与されたものであるところ、本公開買付け成立後、当社及び公開買付者は、本新株予約権者が享受すべき経済的利益を損なうことがないよう、これらの経済的利益を手当てする新しい役員報酬制度の導入及び実施に向けた協議及び検討を行うことに合意しているものとされ、公開買付者としても具体的な役員報酬制度の内容については、本公開買付け成立後、本公開買付けに係る決済の開始日以降速やかに、当社と協議しながら決定していく予定であるとしていることを踏まえると、当社が上記検証を行っていないことも不合理ではない。
(iii) その他の取引条件の妥当性
本取引は、公開買付け及びその後の本スクイーズアウト手続(株式等売渡請求又は株式併合)の実施による二段階買収という方法により実施されることが想定されている。
一段階目として公開買付けを行い、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合を行うという方法は、完全子会社化の取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、裁判所に対する価格決定の申立てが可能である。また、下記3.(viii)に記載のとおり、強圧性にも配慮がされている。
よって、本取引の方法に不合理な点は認められず、妥当であると考えられる。
(iv) 小括
以上のとおり、本公開買付価格及び本スクイーズアウト手続における対価その他の本取引の条件は妥当であると考えられる。
3.本取引の手続の公正性の検討
(i) 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、公開買付者及び当社から独立した当社の第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるUBS証券から、本株式価値算定書(UBS証券)を取得している。なお、UBS証券は当社からアドバイザーへの就任の打診を受けた後、社内においてコンフリクト・クリアランスの手続を経た上で本取引に関与しており、また、過去におけるUBS証券の公開買付者との案件は終了しており、またいずれも定量的にUBS証券の公開買付者からの独立性に懸念を生じさせるものではなく、また、公開買付者から依頼を受けている現在進行中の案件はないことから、公開買付者及び当社からの独立性が確保されているものと認められる。なお、UBS証券は幅広い業界への関与があり、UBS証券内には公開買付者に対する営業活動等に関与するチームも存在するものの、本取引に関与する者については公開買付者とは何らの関係性も存在しておらず、公開買付者に対する営業活動等に関与するチームとの間においても本取引に関連する資料やフォルダへのアクセスを遮断する等の情報遮断措置を講じているとのことであり、この点についても独立性が否定されるものではない。また、本取引に係るUBS証券に対する報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬のみとなっている。一般論として成功報酬が設定されることにより取引成立に向けたインセンティブが働き、独立性に影響を与えるおそれがあるものの、UBS証券の同種の取引における助言実績及び社会的評価等も踏まえ、成功報酬のみの報酬体系であるとしてもなお公正かつ客観的な助言を受けることができ、かつ、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件として支払われる成功報酬のみであることのみをもって独立性が否定されるわけではないと認められる。
したがって、当社は、本取引検討についての判断の基礎として、専門性を有する独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得をしているといえる。
(ii) 当社における独立した本特別委員会の設置
当社は、本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、2024年2月21日に公開買付者からの本取引に関する提案書を受領してから速やかに、2024年2月22日付取締役会決議により、瓜生・糸賀法律事務所の助言を受けつつ、いずれも公開買付者から独立した委員である橋本委員長、中久保委員及び松本委員の3名から構成される本特別委員会を設置した(なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更していない。また、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額としており、本取引の成立を条件とする成功報酬は採用していない。)。
また、当社は、本特別委員会の設置にあたり、当社の取締役会が本取引に関する決定(本公開買付けについて意見を表明することを含む。)を行うに際して、本特別委員会の判断内容を最大限尊重すること及び本特別委員会が本取引の目的又は取引条件について妥当でないと判断した場合には、当社は本取引に賛同しないことを決議するとともに、本特別委員会に、①当社の費用にて、本取引に係る調査(本取引に関係する当社の役職員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、本諮問事項の検討に必要な事項について質問を行い、説明を求めることを含む。)を行うことができる権限、②当社の検討体制(弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを含む。)を承認することができる権限、③当社が公開買付者と取引条件等について交渉するにあたり、適時にその状況の報告を求め、重要な局面でその意見、指示及び要請を行う権限、並びに、④必要に応じ、当社の費用にて、弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを独自に選任することができる権限並びに当社のアドバイザーに専門的助言を求めることができる権限を付与した。
本特別委員会の委員は、いずれも当社の独立役員として届け出られており、当社の親会社・兄弟会社の業務執行者、当社の主要な取引先の業務執行者、当社から役員報酬以外に多額の金銭・財産を受け取っているコンサルタント又はそれらの近親者(二親等)等に該当する事実は存在せず、その他の利害関係はない。また、いずれの委員も、公開買付者との間で重要な利害関係を有しておらず、かつ、本取引の成否に関しても少数株主とは異なる重要な利害関係を有しない。さらに、橋本委員長は、組織・団体トップとしての豊富なマネジメント経験・知見を有しており、かつ当社の社外取締役として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していること、中久保委員は、弁護士として法律に関する専門的知識と法律事務所における豊富な経験を有しており、かつ当社の社外取締役として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していること、松本委員は、公認会計士として財務・会計に関する専門的知識と企業トップとしてのマネジメント経験・知見を有しており、かつ当社の社外取締役として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していることから、いずれも本諮問事項を検討・判断する適格性を有するものと考えられる。
また、本特別委員会は、UBS証券及び瓜生・糸賀法律事務所について、公開買付者及び当社からの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、それぞれを当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして選任することについて承認している。また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制に独立性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしている。
加えて、本特別委員会は、プルータス及び森・濱田松本法律事務所について、公開買付者及び当社からの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、それぞれを本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして選任しており、森・濱田松本法律事務所からの助言に基づき、本取引における公正性担保措置の内容等について検討し、本取引においては適切な公正性担保措置が講じられ、有効に機能していることを確認している。
その上で、本特別委員会は、(i)公開買付者及び当社より提出された各資料及び書類の検討、(ii)本特別委員会による公開買付者及び当社に対する書面質問及び質疑応答の結果の検討を行っている。また、本特別委員会は、当社及びそのアドバイザーから、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議及び交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議し、複数回にわたり意見を述べるなどして、公開買付者との交渉過程全般にわたって実質的に関与している。また、本特別委員会は、本特別委員会が必要と判断した範囲で直接に、公開買付者との間で公開買付価格に関する意見交換を行った。
したがって、本取引においては、当社取締役会が、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行う仕組みが担保され、かつ、本特別委員会が有効に機能するために必要な権限等が付与されていると評価できることから、本特別委員会は有効に機能したものと考えられる。
(iii) 本特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
本特別委員会は、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるプルータスから本株式価値算定書(プルータス)を取得している。また、本特別委員会は、本公開買付価格の公正性に関する本フェアネス・オピニオンをプルータスから2024年6月13日付で取得している。また、プルータスと公開買付者及び当社との間に現在継続している契約関係及び案件は存在せず、近時の両社との取引関係等に照らせばプルータスには公開買付者及び当社からの独立性が認められ、かつ、本取引に係るプルータスの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬及び稼働時間に時間単位を乗じて算出するものとされており、本取引の成否等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないことから、本取引の成否からの独立性も認められる。
したがって、本特別委員会は、本取引検討についての判断の基礎として、専門性を有する独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得をしているといえる。
(iv) 本特別委員会における独立した法律事務所からの助言
本特別委員会は、独自のリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議等に関する助言を含む法的助言を受けている。なお、森・濱田松本法律事務所と公開買付者及び当社との間に顧問契約は存在せず、また過去における森・濱田松本法律事務所の公開買付者及び当社との案件はいずれも定量的に公開買付者及び当社からの独立性に懸念を生じさせるものではないことに照らせば、森・濱田松本法律事務所には公開買付者及び当社からの独立性が認められ、かつ、本件に係る森・濱田松本法律事務所の報酬はタイムチャージが想定されており本取引の成否からの独立性も認められる。
(v) 当社における独立した外部専門家からの専門的助言等の取得
当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定過程における公正性及び適正性についての専門的助言を得るため、公開買付者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして、2024年2月22日付で瓜生・糸賀法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けに関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について法的助言を受けている。なお、瓜生・糸賀法律事務所は公開買付者との間では顧問契約等を締結しておらず、現在依頼を受けている案件もない。一方、当社とは顧問契約を締結しており、実際に依頼を受けている案件がある。もっとも、その取引金額は、2023年3月期においては当社の連結売上高の0.1%にも満たず、その前年度は0.2%ほどであり、現在依頼を受けている本取引以外の案件に関してもこれらと概ね同等であるとのことであり、公開買付者及び当社からの独立性が確保されているものと認められる。また、本取引に係る瓜生・糸賀法律事務所の報酬はタイムチャージが想定されており本取引の成否からの独立性も認められる。
当社は、本取引に係る交渉等に関する専門的助言を得るため、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして、2024年2月22日付でUBS証券を選任し、UBS証券から、本取引に係る交渉方針等について助言を受けている。UBS証券の独立性については、上記(i)に記載のとおりである。
したがって、当社は、外部専門家の独立した専門的助言を取得しているものと認められる。
(vi) 当社における独立した検討体制の構築
当社は、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題を排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築した。具体的には当社は、2024年2月21日に公開買付者から本公開買付けに関する提案を受領した時点以降、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題を排除する観点から、公開買付者グループ各社の役職員を兼任若しくは兼務する、又は同グループからの出向者若しくは出身者である当社の役職員(これらの役職員には、当社の取締役である藤田伸朗氏及び坪井純子氏並びに当社の監査役である丸尾尚也氏も含む。)を関与させないこととした。かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含む。)に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を受けている。
また、当社は、本特別委員会設置に係る2024年2月22日付取締役会決議に際しては、公開買付者の出身者である当社の取締役である藤田伸朗氏及び現に公開買付者の取締役を兼任している坪井純子氏については、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点からその審議及び決議には参加しないこととし、上記取締役を除く当社の取締役全7名にて審議の上、その全員一致により当該決議を行っている。また、公開買付者の出身者である当社の監査役である丸尾尚也氏については、同様の観点から、当該取締役会には出席しないこととし、丸尾尚也氏を除く当社の監査役全4名にて上記取締役会に出席し、上記決議につき、異議がない旨の意見を述べている。
今後本取引に関する取締役会決議を行う際も、藤田伸朗氏及び坪井純子氏についてはその審議及び決議には参加せず、丸尾尚也氏については当該取締役会には出席せず意見を述べない予定とのことである。
以上より、当社は、利害関係を有する取締役等を本取引の検討・交渉過程から除外し、公開買付者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されているものと認められる。
(vii) 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日に設定したとのことである。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことである。
また、本公開買付契約においては、競合取引が開始された場合において、(ⅰ)当社の取締役会において、取引価格、取引時期、提案内容の具体性、当該第三者の属性、過去の取引実績及び資金調達の確実性、取引実行の確実性その他の事情を考慮に入れた上で、当該競合取引が本取引と比較して当社の企業価値をより向上させ、株主共同の利益により資するものであると合理的に判断し、(ii)当社が公開買付者に対し、その旨及び当該競合取引の全ての重要な条件を書面により通知し、公開買付者が当該通知を受領した日の翌日から起算して5営業日以内に本公開買付けの条件又はそれ以外の本取引の条件を修正して修正後の条件を当社に提出する機会を付与し、かつ、(iii)かかる修正後の条件を考慮してもなお(公開買付者が修正をしなかった場合には、修正前の条件に基づき)、当社の取締役会において、当該競合取引が本取引と比較して当社の企業価値をより向上させ、株主共同の利益により資するものであり、本公開買付けに対する賛同の意見表明決議の変更又は撤回を行わないことが当社の取締役の善管注意義務違反を構成するおそれがあると合理的に判断したときには、当社は、本公開買付けに対する賛同の意見表明の変更又は撤回を行うことができるものとされている。なお、上記の合意に従って当社が賛同意見を変更又は撤回することとした場合に、当社から公開買付者に対するブレークアップ・フィー(補償金)等の金銭の支払いが生じる旨の合意は行っていない。
したがって、他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境が確保されており、いわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められ、これによって本公開買付価格の妥当性は担保されている。
(viii) 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、(i)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式等売渡請求(本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「① 株式等売渡請求」に定義される意味を有します。)をすること又は本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しているとのことであり、当社の株主に対して株式買取請求権又は価格決定の請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ii)本株式等売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除く。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されること、また、本新株予約権者に対価として交付される金銭は、本新株予約権買付価格に当該本新株予約権者がそれぞれ所有する本新株予約権の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことである。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日としているとのことである。公開買付期間を比較的長期にすることにより、当社の株主及び本新株予約権者に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことである。
したがって、本取引においては、M&A指針において望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められる。
(ix) マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)を達成する買付予定数の下限の設定
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を設定しており、本公開買付けに応じて売付け等がなされた株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限(41,117,700株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことである。他方、本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことである。
また、買付予定数の下限は、(i)当社決算短信に記載された2024年3月31日現在の当社の発行済株式総数(130,353,200株)に、(ii)本新株予約権のうち2024年3月31日後から本臨時株主総会の基準日となる予定の2024年8月頃までの期間中に行使可能になるものと見込まれる第18回新株予約権12個、第19回新株予約権16個、第20回新株予約権27個、第21回新株予約権23個の合計である本新株予約権78個の目的である当社株式数(10,600株)を加算した数(130,363,800株)から、(iii)当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(ただし、同日現在においてBIP信託が保有する当社株式数(206,039株)については、本臨時株主総会において議決権が行使される可能性がないため含まない。)(9,193,800株)及び(ⅳ)同日現在においてBIP信託が保有する当社株式数(206,039株)を控除した株式数(120,963,961株)に、(ⅴ)2024年3月31日後から本臨時株主総会の基準日となる予定の2024年8月頃までの期間中にBIP信託から信託受益者に交付され又は市場において売却される予定の当社株式数の合計(23,205株)を加算した株式数(120,987,166株)から、公開買付者が本日現在所有する当社株式数(39,540,400株)を控除した株式数(81,446,766株)に係る議決権の数(814,467個)の過半数に相当する数(407,234個)に相当する当社株式数(40,723,400株、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」に相当する株式数)を上回るものとなるとのことである。
このように、公開買付者は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととし、当社の株主及び本新株予約権者の意思を重視した買付予定数の下限の設定を行っているとのことである。
したがって、本取引においては、適切な買付予定数の下限を設定しているといえ、手続の公正性が確保されていると認められる。
(x) 少数株主に対する充実した情報開示
本特別委員会に関する情報として、(a)本特別委員会における検討経緯や、(b)本取引の是非、取引条件の妥当性や手続の公正性についての本特別委員会の判断の根拠・理由に関して、充実した情報開示が予定されている。
また、(c)本取引を実施するに至ったプロセス等、(d)当社の取締役等が本取引に関して有する利害関係の具体的な内容や、当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無・態様、(e)当社の取締役会や本特別委員会が取得した株式価値算定書やフェアネス・オピニオンに関しても充実した情報開示が予定されている。
したがって、本取引においては、少数株主の判断に資する充実した情報開示がされる予定であると認められる。
(xi) 小括
以上より、本取引においては、十分な公正性担保措置が講じられていることからすれば、少数株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているものと認められる。
4.総括
以上より、上記1.のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられ、上記2.のとおり、本取引の取引条件は妥当性が確保されていると考えられ、上記3.のとおり、本取引においては当社の少数株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされている。したがって、本公開買付けについて、当社取締役会は賛同意見を表明する旨を決議するとともに、当社の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することが妥当である。
ただし、上記2.(ii)のとおり、本新株予約権買付価格については、当社が本新株予約権買付価格が当社の企業価値を適正に反映したものであるか否かについて独自に検証を行っていないことを踏まえ、本公開買付けに応募するか否かについては、本新株予約権者の判断に委ねる旨を決議することが妥当である。
そして、以上のことからすると、当社の取締役会が本取引(本スクイーズアウト手続を含む。)の実施を決定することは、当社の少数株主にとって不利益なものではない。
(c)追加答申理由
1.本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かの検討
本取引及び本取引後の企業価値向上策の実施がいずれも当社の企業価値向上に資するものであると評価でき、本取引によるディスシナジー等を考慮したとしても本取引が当社の企業価値の向上に資するものであると認められることは、本答申書のとおりであり、買付条件変更提案に基づく変更後公開買付価格及び公開買付期間の変更(以下「本買付条件変更」という。)は、当該検討内容を左右する事情ではない。
2.本取引の取引条件の妥当性の検討
本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)において算定の前提とされている本事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情が存在せず、本事業計画の内容に不合理な点は見受けられないこと、UBS証券及びプルータスが採用した算定手法及び算定内容に不合理な点が認められないこと、並びに、本株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)の算定結果及びUBS証券によるプレミアム分析を踏まえると本公開買付価格が妥当であると考えられることは、本答申書のとおりであり、買付条件変更提案を受けた後の時点においても、本事業計画における収益状況や投資計画等の情報に重大な変更がないことを踏まえると、公開買付期間の変更も、当該検討内容を左右する事情ではない。そして、買付条件変更提案を受けた後においても、本株式価値算定書(UBS証券)並びに本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンにおける結論を変更すべき事情は認められないところ、変更後公開買付価格は、株式価値算定書(UBS証券)及び本株式価値算定書(プルータス)の市場株価分析及び類似企業(会社)比較分析における評価レンジの上限を超えており、かつ、いずれのDCF分析においても、その評価レンジの中央値を超えるものであって、妥当性は認められる。
3.本取引の手続の公正性の検討
本取引においては、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関であるプルータスから本フェアネス・オピニオンを取得していること等の十分な公正性担保措置が講じられていることからすれば、少数株主の利益を図る観点から公正な手続が実施されており、公正な手続を通じた当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているものと認められることは、本答申書のとおりであり、本買付条件変更は、当該検討内容を左右する事情ではない。
4.総括
以上より、本買付条件変更を踏まえても、本公開買付けについて、当社取締役会は賛同意見を表明する旨の決議を維持するとともに、当社の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者に対しては、本新株予約権者の判断に委ねる旨の決議を維持することは不合理ではないと考える。
④ 特別委員会における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
本特別委員会は、上記「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社及び公開買付者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータスを選任し、2024年6月13日付で本株式価値算定書(プルータス)を取得しています。また、本特別委員会は、プルータスから本フェアネス・オピニオンの提出を求め、2024年6月13日付で取得いたしました。
本特別委員会は、本買付条件等変更に関する意見表明を検討するにあたり、本株式価値算定書(プルータス)において前提とした本事業計画における収益状況や投資計画等の情報に重大な変更がない旨の当社からの説明を前提として、プルータスから、本株式価値算定書(プルータス)における結論を変更すべき事情は認められないとの説明を受けたことから、新たに当社株式の株式価値に関する株式価値算定書及び本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、プルータスは、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るプルータスの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬及び稼働時間に時間単位を乗じて算出するものとされており、本取引の成否等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
プルータスは、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提のもと、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDCF法を採用して、当社の株式価値を算定しています。プルータスが上記各手法に基づき算定した当社株式1株当たり株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
市場株価法 :1,884.5円から2,099円
類似会社比較法: 1,953円から2,171円
DCF法 : 2,149円から3,067円
市場株価法では、算定基準日を2024年6月13日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値1,884.5円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,974円(2024年5月14日~2024年6月13日)、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,961円(2024年3月14日~2024年6月13日)及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,099円(2023年12月14日~2024年6月13日)を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,884.5円から2,099円と算定しています。
類似会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社として、株式会社資生堂、株式会社コーセー、株式会社ポーラ・オルビスホールディングス、株式会社ノエビアホールディングス、ロート製薬株式会社及び大塚ホールディングス株式会社を選定した上で、類似上場企業の企業価値に対するEBITの倍率及びEBITDAの倍率を用いて算定を行い、当社株式1株当たり株式価値の範囲を1,953円から2,171円と算定しています。
DCF法では、当社が作成した本事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を前提として、2025年3月期以降に当社が創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,149円から3,067円と算定しています。なお、割引率は加重平均資本コストとし、6.1%~7.0%を採用しております。継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及び倍率法を採用し、永久成長率は0%、企業価値に対するEBITの倍率は16.0倍、EBITDAの倍率は11.3倍として当社株式の価値を算定しております。
本事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。また、本事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではありません。そのため、本公開買付けの成立により実現することが期待されるシナジー効果は、上場維持コストの削減効果を除き、本事業計画及び価値算定には加味されておりません。
なお、DCF法で算定の前提とした当社財務予測の数値は以下のとおりです(億円未満を四捨五入。)。
(単位:億円)
プルータスは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、プルータスは、算定の基礎とした当社の事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しております。また、本事業計画については、上記「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認し、不合理でないことを確認しております。
(ⅲ)本新株予約権に係る算定の概要
本特別委員会は、本新株予約権買付価格について第三者算定機関から算定書及びフェアネス・オピニオンを取得しておりません。なお、本新株予約権については、当社の取締役及び執行役員並びに当社の子会社の取締役に対して株価連動型の退任時報酬として付与されたものであり、その権利行使の条件として、本新株予約権の行使期間内において、当社の取締役又は執行役員の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、当社の子会社の取締役の地位に基づき割当を受けた本新株予約権については、当該子会社の取締役の地位を喪失した日の翌日から10日を経過する日までの間に限り、本新株予約権を一括してのみ権利行使することができるとされており、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないこと等を考慮し、本新株予約権買付価格についてはいずれも1円とされております。
(ⅳ)本フェアネス・オピニオンの概要
本特別委員会は、2024年6月13日付で、プルータスから本公開買付価格である1株当たり2,690円が、公開買付者を除く当社の株主にとって財務的見地から公正である旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。本フェアネス・オピニオンは、当社が作成した事業計画に基づく当社株式の価値算定結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり2,690円が、当社株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータスが、当社から、事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の株式価値の算定結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。
(注)プルータスは、本フェアネス・オピニオンを作成するに当たって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としております。プルータスはその正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではありません。したがって、プルータスはこれらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負いません。
プルータスは、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた本事業計画その他の資料は、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としております。プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析もしくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではありません。
プルータスは、法律、会計又は税務の専門機関ではありません。したがって、プルータスは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものでもありません。
プルータスは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けておりません。したがって、プルータスは当社の支払能力についての評価も行っておりません。
本フェアネス・オピニオンは、当社が本公開買付けを含む本取引の公正性について検討する際の参考資料としてご使用いただく目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものです。したがって、本フェアネス・オピニオンは、本取引の代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本取引の実施によりもたらされる便益、及び本取引実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。
本フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではありません。したがって、プルータスは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。
本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオン提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、同日までにプルータスに供され又はプルータスが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものです。今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータスはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。
本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。
⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
本特別委員会は、上記「③ 当社における特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けています。
なお、森・濱田松本法律事務所は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。森・濱田松本法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑥ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、当社及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして瓜生・糸賀法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けています。
なお、瓜生・糸賀法律事務所は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。瓜生・糸賀法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑦ 当社における独立した検討体制の構築
上記「1.本株式併合の目的」の「(ⅰ)公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築しています。
具体的には、当社は、2024年2月21日に公開買付者から本公開買付けに関する提案を受領した時点以降、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者グループ各社の役職員を兼任若しくは兼務する、又は同グループからの出向者若しくは出身者である当社の役職員(これらの役職員には、当社の取締役である藤田伸朗氏及び坪井純子氏並びに当社の監査役である丸尾尚也氏も含まれます。)を関与させないことといたしました。
以上の取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会の承認を得ております。
⑧ 当社における利害関係を有しない取締役の過半数による承認及び利害関係を有しない監査役の異議のない旨の意見
当社は、UBS証券から取得した本株式価値算定書(UBS証券)、瓜生・糸賀法律事務所からの法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限尊重しながら、本公開買付けの諸条件について、慎重に協議及び検討を行っています。その結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的」の「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載のとおり、2024年6月14日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては、本公開買付けへ応募することを推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
上記2024年6月14日開催の取締役会決議においては、取締役9名のうち、藤田伸朗氏及び坪井純子氏を除く取締役7名が参加し、参加した取締役の全員の一致により決議いたしました。なお、当社取締役のうち、藤田伸朗氏は、公開買付者の出身者であるため、また、坪井純子氏は、公開買付者の取締役を兼任しているため、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記2024年6月14日開催の取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本公開買付けに関する公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
また、当社の監査役5名のうち、丸尾尚也氏を除く4名全員が上記取締役会に出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき、異議がない旨の意見を述べておりますが、丸尾尚也氏は、公開買付者の出身者であるため、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記2024年6月14日開催の取締役会には出席しておらず、意見を述べることを差し控えております。
その後、当社は、公開買付者が本買付条件等変更を決定したことを受けて、2024年8月6日開催の取締役会において、本特別委員会の意見を踏まえて、本買付条件等変更に関して慎重に協議及び検討を行った結果、上記「1.本株式併合の目的」の「(ⅲ)当社の意思決定の内容」に記載の根拠及び理由に基づき、引き続き本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対しては、本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の意見を維持することを決議いたしました。
上記2024年8月6日開催の取締役会決議においては、取締役9名のうち、藤田伸朗氏及び坪井純子氏を除く取締役7名が参加し、参加した取締役のうち、取締役1名を除く全員の一致により決議いたしました。なお、当社取締役のうち、藤田伸朗氏は、公開買付者の出身者であるため、また、坪井純子氏は、公開買付者の取締役を兼任しているため、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記2024年8月6日開催の取締役会における審議及び決議には参加しておらず、また当社の立場において、本公開買付けに関する公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
また、当社の監査役5名のうち、丸尾尚也氏を除く4名全員が上記2024年8月6日開催の取締役会に出席し、出席した監査役の全員が上記決議につき、異議がない旨の意見を述べておりますが、丸尾尚也氏は、公開買付者の出身者であるため、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを可能な限り排除する観点から、上記2024年8月6日開催の取締役会には出席しておらず、意見を述べることを差し控えております。
⑨ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、61営業日に設定したとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外にも当社株式の買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。
また、本公開買付契約においては、本取引の全部又は一部の実行を妨げ又はその実行を困難にする可能性のある取引(第三者による当社株式の全部又は一部を対象とする公開買付けを含み、以下「競合取引」といいます。)が開始された場合において、(i)当社の取締役会において、取引価格、取引時期、提案内容の具体性、当該第三者の属性、過去の取引実績及び資金調達の確実性、取引実行の確実性その他の事情を考慮に入れた上で、当該競合取引が本取引と比較して当社の企業価値をより向上させ、株主共同の利益により資するものであると合理的に判断し、(ii)当社が公開買付者に対し、その旨及び当該競合取引の全ての重要な条件を書面により通知し、公開買付者が当該通知を受領した日の翌日から起算して5営業日以内に本公開買付けの条件又はそれ以外の本取引の条件を修正して修正後の条件を当社に提出する機会を付与し、かつ、(iii)かかる修正後の条件を考慮してもなお(公開買付者が修正をしなかった場合には、修正前の条件に基づき)、当社の取締役会において、当該競合取引が本取引と比較して当社の企業価値をより向上させ、株主共同の利益により資するものであり、本公開買付けに対する賛同の意見表明決議の変更又は撤回を行わないことが当社の取締役の善管注意義務違反を構成するおそれがあると合理的に判断し、かつ、当社が自己の弁護士から同旨の書面による見解を取得したとき又は本特別委員会において当社が本賛同表明決議の変更又は撤回を行うことについて肯定的な内容の見解が書面により示されたときには、当社は、本公開買付けに対する賛同の意見表明の変更又は撤回を行うことができるものとされております。なお、上記の合意に従って当社が賛同意見を変更又は撤回することとした場合に、当社から公開買付者に対するブレークアップ・フィー(補償金)等の金銭の支払いが生じる旨の合意は行っておりません。本公開買付契約の詳細については、本意見表明プレスリリースの「4.本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
⑩ 当社の株主及び新株予約権者が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式等売渡請求をすること又は本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しているとのことであり、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式等売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定されること、また、本新株予約権者の皆様に対価として交付される金銭は、本新株予約権買付価格に当該本新株予約権者がそれぞれ所有する本新株予約権の数を乗じた価格と同一となるように算定されることを明らかとしていることから、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付期間を61営業日としているとのことです。公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして長期にすることにより、当社の株主の皆様及び本新株予約権者の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。
⑪ マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)を達成する買付予定数の下限の設定
公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を設定しており、応募株券等の総数が買付予定数の下限(41,117,700株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、本公開買付けにおいて、公開買付者は、買付予定数の上限を設定しておりませんので、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
また、買付予定数の下限は、(ⅰ)当社決算短信に記載された2024年3月31日現在の当社の発行済株式総数(130,353,200株)に、(ⅱ)本新株予約権のうち2024年3月31日後から本臨時株主総会の基準日となる予定の2024年8月頃までの期間中に行使可能になるものと見込まれる第18回新株予約権12個、第19回新株予約権16個、第20回新株予約権27個、第21回新株予約権23個の合計である本新株予約権78個の目的である当社株式数(10,600株)を加算した数(130,363,800株)から、(ⅲ)当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(ただし、同日現在においてBIP信託が保有する当社株式数(206,039株)を含みません。)(9,193,800株)及び(ⅳ)同日現在においてBIP信託が保有する当社株式数(206,039株)を控除した株式数(120,963,961株)に、(ⅴ)2024年3月31日後から本臨時株主総会の基準日となる予定の2024年8月頃までの期間中にBIP信託から信託受益者に交付され又は市場において売却される予定の当社株式数の合計(23,205株)を加算した株式数(120,987,166株)から、公開買付者が本日現在所有する当社株式数(39,540,400株)を控除した株式数(81,446,766株)に係る議決権の数(814,467個)の過半数に相当する数(407,234個)に相当する当社株式数(40,723,400株、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する株式数)を上回るものとなるとのことです。
このように、公開買付者は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととし、当社の株主及び本新株予約権者の意思を重視した買付予定数の下限の設定を行っているとのことです。
4.本株式併合がその効力を生じる日
2024年12月20日(予定)
以上