当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、人々の持続可能な健康的で幸せな社会の実現を目指し、以下のMVVを定めております。
Mission:医食の研究で貢献
Vision :ヘルスケアのリーディングカンパニー
Values :誠実、挑戦意欲
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2021年7月に策定した中期経営計画においては、「新価値(新製品・新市場・新組織)創造」を中核テーマとしております。
「新製品」創造では、「ファーマギャバ」や「ニューモ育毛剤」などに続くヒット製品の創出に向け新規素材の開発や既存素材による新用途・効果の開発、次世代抗体開発などの研究開発に注力しております。特に次世代抗体開発に関しては、中核技術である「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」の改良に加え、外部の機関や他企業、大学とのアライアンスを積極的に行っていくことで、医薬品の発展にこれまで以上に貢献してまいります。
「新市場」創造では、ブランド強化や海外市場開拓、未利用資源のアップサイクル市場の創造などに注力いたします。国内大手のコンビニエンスストア、ドラッグストア及び総合スーパーなどの新たなチャネルにおいて、自社ブランド製品の販売拡大を目指し、マーケティングの強化を図っております。また、当社グループは、これまでに「究極の持続型環境資源」として、卵殻・卵殻膜や青バナナ、ワイン澱、ゴマなど未利用の資源に由来する素材を開発してまいりました。新たな取組みとして、繊維、農業及び電子材料など幅広い産業利用に適した特性を持つ「卵殻膜素材」の開発及び量産化のための投資を行ってまいります。
「新組織」創造では、創造的な事業活動は「人が支えている」との考えのもと、安心して働き、成長するための諸制度・プログラムを整備してまいります。そして人事プロジェクトチーム結成やM&A・アライアンスの積極活用などにより、年齢、性別、国籍等にとらわれずに人材が活躍できるグローバルな組織体制を築き上げております。
これらの取組みを実践するため、今後5年間で300億円規模の挑戦的な投資を開始いたします。投資の原資は、BtoB事業及びBtoC事業で得られる営業キャッシュ・フロー、事業リスクに応じた有利子負債並びに保有資産を活用した手元流動性により確保いたいます。
これらのキャッシュを原資に、総額50億円超の「卵殻膜バイオものづくりプロジェクト」、約120億円の「医薬品新工場建設」、米国での「FDA GRAS」認証に向けたGABAの開発などの成長投資に加え、非連続的な成長を狙ったM&Aに約100億円を投じてまいります。
さらに、各事業を担う人材がそのポテンシャルを最大限に発揮する人的資本投資を行うことで、成長投資の成果を最大化し、将来の営業キャッシュ・フローのさらなる増加を図ります。
これらの成果により、株主還元の拡大を実行いたします。
中長期的な企業価値向上に向けた投資の基本方針
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、継続的な事業の拡大を通じて企業価値の向上を目指しております。目標とする経営指標としては、事業の規模、成長性及び企業の収益力を表す各項目を重視しております。特に事業規模の拡大、成長性を重視する指標として売上高成長率20%、収益性を重視する指標として営業利益率10%を目標としております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国は、健康寿命が世界一の長寿社会を迎えようとしております。このような中、当社グループは、「医食の研究で貢献」というミッションを掲げ、人々の持続可能な健康的で幸せな社会の実現を目指しております。
市場環境及び事業環境の現状において、当社グループとして認識している対処すべき課題については、以下のように考えております。
(BtoB事業)
① 機能性素材の研究開発及び技術開発
「ファーマギャバ」の米国「FDA GRAS」認証に向けた開発を着実に行ってまいります。また、「ファーマギャバ」と同様に、身近な資源から新たな機能性素材を開発するとともに、お客様が毎日の食事に取り入れられる技術開発にも挑戦してまいります。
② 自社ブランド最終製品の開発及び販売
ドラッグストア、コンビニエンスストア及び海外市場などの新たな販路を確立し、自社ブランド製品の販売拡大行ってまいります。
③ 営業人材の育成及び即戦力人材の獲得
販売体制構築のため、海外市場に対応する人材の増強を図り、主力の北米・中国に加え、今後市場拡大が見込まれる東南アジア地域での展開に注力してまいります。
(BtoC事業)
① 顧客ニーズに応える新製品開発
当社の研究成果をエビデンスとする機能性表示食品、化粧品及び医薬品等の独自の高価値製品を拡充し、お客様のニーズに対応してまいります。
② 顧客満足度の向上
お客様に信頼され続ける製品となるため、他にはない研究開発力及び機能性の訴求を行い、魅力的な広告クリエイティブの開発に取り組んでまいります。また、お客様との継続的な関係構築を目指し、コールセンターの応対品質をさらに高めてまいります。
③ システムによる効率化及びセキュリティの強化
コールセンター、ECサイト、受注管理及び広告管理システムの効率化を実現し、お客様のニーズに迅速に応える体制を構築してまいります。また、お客様が安心して利用できるように、システムの安全性や信頼性を継続的に強化してまいります。
(バイオメディカル事業)
① 創薬パイプラインの拡充
創薬パイプラインの拡充による事業基盤の拡大を図り、製薬会社へライセンスアウトすることにより、将来の成長を目指してまいります。
② 企業及び公的研究機関との連携強化
創薬分野において、自社開発を進めつつ、外部の企業及び公的研究機関と共同で創薬開発を行うことで、創薬シーズの探索及び開発のスピードを加速させてまいります。
③ 次世代抗体の創出
「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」を改良し、AI・バイオインフォマティクスを活用しながら、あらゆる疾患を標的とした次世代抗体の創出を目指します。
(全社的事項)
① 成長を支える財務基盤の構築及び収益力の向上
中長期的な成長を目指した投資の原資として、財務状況に応じた資金調達を柔軟に行ってまいります。投資に際しては、将来の成長性及びキャッシュ・フローを重視し、収益力向上のための適切な判断を行ってまいります。
② 成長を支える人事制度及び新組織体制の構築
年齢、性別、国籍等にとらわれることなく、意欲、実力を重視した採用、評価及び育成を行う人事制度の構築を行ってまいります。さらにM&A等による当社グループの拡大を支えるための、強固な組織体制の構築を目指します。
③ M&A及びアライアンスによる成長
機能性表示食品、化粧品及び医薬品等の既存事業の成長並びにアグリ、化成品等の新規事業を加速させるため、M&A及びアライアンスを積極的に活用し、さらなる企業価値の拡大を目指してまいります。
④ SDGsへの取り組み
当社の研究・商品開発力及び販売力を活かし、卵殻膜等の未利用資源のアップサイクルを、社会実装まで見据え取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは次のとおりであります。
当社は「ヘルスケアのリーディングカンパニー」を目指し、「医食の研究で貢献」というミッションを掲げております。長寿社会を迎えつつある現代において、健康という側面から人々の持続的な幸せへ貢献していくことで、持続可能で豊かな社会の実現を目指しております。
このビジョン達成に向け、当社は生命活動と健康維持に重要な3つの要素である「免疫」「老化」「神経」を開発コンセプトに据えた研究活動を行っております。そして、SDGs(持続可能な開発目標)については、事業の中核で追求していくものであるとの考えのもと、経営判断から現場での実践に至るまで社会課題の認識と取組みの実践を浸透させることで、自社の事業成長が持続可能な社会の実現に貢献できるよう努めていく方針です。
(1)ガバナンス
当社は、代表取締役社長をサステナビリティ推進の最高責任者としております。取締役及び部長以上の幹部社員が出席する幹部会において、自社の気候変動を含む中長期的なESG課題についてリスクと機会への対応方針や取組計画等を審議・策定するとともに、様々な活動のモニタリングを行っております。検討した内容等は、取締役会にて適宜審議・報告がなされ、取締役会による適切な監督体制を整えています。経営企画部は各部門長を取りまとめる等の事務局を担い、自社の気候変動を含むESG課題に係る対応を取りまとめております。
今後、各部門での主体的な管理・推進体制を強化していくほか、
https://www.pharmafoods.co.jp/sustainability
これらを含めた当社のコーポレート・ガバナンスの概要は、「4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照下さい。
(2)戦略
①未利用資源のアップサイクル
当社は、サステナビリティ基本方針の重点課題のひとつに、「未利用資源のアップサイクル」を掲げ、様々な未利用資源から高付加価値素材を開発し、食品、アグリ、化成品へのアップサイクルに取り組むビジネス展開を実践しております。
https://www.pharmafoods.co.jp/sustainability/upcycle
②気候変動
当社は、サステナビリティビジョンの達成と同時に、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える」ことへの達成と脱炭素社会の実現に向けて貢献してまいります。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づき、気候変動に起因する当社事業への影響を考察するため、複数の気候関連シナリオを用いてシナリオ分析を実施しました。分析にあたり、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が公表するRCPシナリオを用いて、パリ協定の目標である「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに1.5℃に抑える」ことへの達成に向け、厳しい環境政策・法規制等の進展を想定した1.5℃シナリオと、気候変動に対し必要な施策や追加の対策が施されず、現状に近い状況で温室効果ガス(GHG)排出量が増え続け、異常気象の激甚化が顕著に表れる4℃シナリオの複数のシナリオを用いて分析を実施いたしました。
分析の結果、当社グループの各事業内容における影響として、機能性素材、健康食品及び医薬品等の研究開発・製造の段階や、当社製品の食品・医薬品メーカー、流通事業者等への販売の段階において多くの化石燃料や電力を使用すること、製品の包装・梱包材にプラスチック等を使用していることから、カーボンプライシングに関する政策・規制の導入・強化や、再エネの市場普及に伴う電力価格の上昇、使い捨てプラスチックに関する規制を移行リスクとして特定しています。また、気候変動に伴う異常気象の激甚化や、平均気温上昇による原材料の生育不良に関して、当社のサプライチェーンに係る物流の寸断や当社グループ各拠点の被災による影響、原材料の調達に係るコストの上昇を与えることから物理リスクとして特定しております。
一方で、脱炭素社会が進展することで、顧客や消費者において環境配慮に関する当社の取り組みが評価され、気候変動を起因とした感染症拡大の予防として、免疫を維持する製品需要の増加を機会として特定しております。
https://www.pharmafoods.co.jp/sustainability/tcfd
③人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
a.ダイバーシティ&インクルージョン
当社は、創業当時からの企業理念として「ここには夢がある 笑がある」を掲げております。これは“夢と笑は自由な発想を生む”という考えに基づいたものです。そして、共通の目標を達成できる人材であれば国籍や男女の違いなどにはこだわらない「宇宙人以外は誰でも応募可能」をテーマとしたダイバーシティ経営を実践しており、重要な経営戦略の一つとして位置付けています。
その推進にあたっては、従業員の多様性を高めることや福利厚生の充実などを直接的な目的とするのではなく、事業戦略やサステナビリティを実現するために不可欠な多様な人材を確保し、そうした人材が意欲的に業務に取り組める職場風土や職場環境を整備することを通じて、その能力(発想力)を最大限発揮させることを目的としています。
https://www.pharmafoods.co.jp/sustainability/diversity
b.健康経営の推進
当社グループは、「医食の研究で貢献」というミッションを掲げ、人々の持続可能な健康的で幸せな社会の実現を目指しております。そのためには、当社グループで働く従業員が健康であり、価値のある豊かさを持てることが不可欠であると考えており、従業員の心身の健康保持・増進に向けて取り組む方針です。
https://www.pharmafoods.co.jp/corporate/kenko-keiei
(3)リスク管理
当社は、気候変動関連リスクを含めた全社的なリスク管理を実施する組織として、独立社外取締役を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。
気候変動関連リスクの抽出・評価に関しては、経営企画部が中心となり、事業に係る気候変動関連リスクと機会を抽出し、発生可能性及び当社グループに与える財務影響度から評価付けを実施し、当社グループにとって重要なリスクと機会を特定し対応方針を検討しています。
特定した重要リスク及び対応方針は、管理部法務課よりリスク・コンプライアンス委員会に報告され、当社グループのリスク管理及びコンプライアンスの徹底と社会的信用の向上にかかる基本的意思決定のための方針を審議し、取締役会に適宜上程されます。取締役会では、当該報告に関して検討・審議をし、気候変動への対応を適切に指示・監督を行っております。
(4)指標及び目標
①気候変動
気候変動に対する当社グループのサステナビリティ推進の進捗を測る評価指標としては、温室効果ガス(GHG)排出量を選定しております。当社拠点においては、Scope1及びScope2のGHG排出量を定期的に測定しております。今後、サプライチェーン全体の排出量の把握をするべく、Scope3の排出量算定の実施を検討してまいります。
なお、当社グループの事業内容や売上規模から考えて、製造業と比較してGHG排出量は限定的であると認識しておりますが、今後削減目標を決定してまいります。
②人的資本
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は次の通りであります。
なお、当社グループにおいては、当社及び各連結子会社において担う事業領域が異なることから、各社の雇用形態や人材育成方法も異なるため、当社及び主要な事業を営む会社単体での指標及び目標を開示しております。
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名称 |
指標 |
目標 |
実績 (当連結会計年度) |
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㈱ファーマフーズ |
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㈱ファーマフーズ コミュニケーション |
管理職に占める女性労働者の割合 |
2026年7月までに70% |
72.7% |
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男性労働者の育児休業取得率 |
2026年7月までに75% |
0.0% |
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労働者の男女の賃金の差異 |
2026年7月までに80% |
79.8% |
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明治薬品㈱ |
管理職に占める女性労働者の割合 |
2026年7月までに35% |
25.6% |
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男性労働者の育児休業取得率 |
2026年7月までに50% |
0.0% |
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労働者の男女の賃金の差異 |
2026年7月までに75% |
64.6% |
(注)その他の連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。
以下に、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループとして必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項について、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式の投資に関連するリスクをすべて網羅するものでなく、これらに限定されるものではありません。
なお、以下の記載事項及び本項以外の記載事項は、特に断りがない限り当連結会計年度末(2024年7月31日)現在の事項であり、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 組織体制に関する事項
① 特定人物への依存
当社の代表取締役社長である金武祚は、当社設立時からの事業推進者として中心的な役割を担っております。同氏は、1999年11月に当社代表取締役社長に就任しておりますが、当社設立以前は食品会社研究所長や韓国・高麗大学教授等を歴任するなど20年以上に亘り機能性食品業界での経験を有しております。
同氏は現在、当社グループにおきましても経営方針や事業戦略全般の策定、学会・食品業界・医薬品業界等との人脈とそれらに付随した営業力などで、取引関係の維持や構築に関して重要な役割を果たしております。
当社グループでは、過度に同氏に依存しないよう、会社組織として、組織的な対応の強化をすすめ、権限委譲や人員の拡充をはかっておりますが、何らかの理由により同氏の業務の遂行が困難となった場合には、事業運営等の一部に支障が生じる可能性があります。
② 人員の確保について
当社グループの事業拡大にあたっては、当社グループ事業に関する食品・化成品等の専門的な知識・技能を有する研究員を確保することが不可欠であります。当社グループは今後も事業拡大のため、共同研究を実施している各大学との人事交流面での連携、人材募集のフォーラム等への参加や社内教育の充実、また、様々なインセンティブプランを設けるなどにより、積極的に優秀な人材確保のための努力をいたしますが、人員計画が予定通りに進むとは限りません。人材の確保が順調に進まない場合には、研究開発に遅れが生じるなど当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
(2) 営業展開に関する事項
① ビジネスモデル上のリスクについて
当社グループでは会社設立以来、研究開発に主軸をおいた経営形態を実践してまいりましたが、国内・海外のいずれの市場とも、目標とする可能性の一端を達成しているに過ぎません。そのため、販売実績・販売期間とも限られたものがあり、技術開発の進捗状況、事業展開の拡がりといった内部要因だけでなく、食品衛生法等の法令の改正や機能性食品業界の市場情勢等の外部要因によっても当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは今後の事業展開として、「BtoB事業」「BtoC事業」「バイオメディカル事業」の3事業を主要事業として強化していくことを打ち出しております。これらの事業の更なる強化に伴い、過年度の経営成績が今後の当社グループの経営成績等を判断する材料としては不十分である可能性があるほか、以下の可能性があるものと考えております。
a.バイオメディカル事業に関するリスク
バイオメディカル事業においては、慎重な判断に立ち、長期間においての事業計画を策定し、またリスク分散・極小化の観点から製薬会社、公的研究機関等との共同研究による前臨床試験等の展開を計画しておりますが、その将来性は不確実性を伴うものであり、以下に想定されるような事象が生じた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・研究開発において想定していた成果が得られず開発の中止に至る場合や、開発の遅延等による研究開発期間の長期化等により、想定以上に研究開発費がかさむ場合には、研究開発費として投下した資金の回収が遅延し、又は回収が不能となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・医薬品の候補物質の特定等に成功しても、製薬企業等の導出先(ライセンスアウト先)が見つけられない場合には、研究開発費として投下した資金の回収が不能となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・当社グループのニワトリモノクローナル抗体作製技術:「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」により開発した抗体が、これまでに新薬として承認された実績はなく、将来において、新薬開発実績が生み出せない場合には、研究開発費として投下した資金の回収が不能となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・競争環境等の変動により、当初期待していた通りに開発、販売が進捗せず、計画通りのマイルストーン収入、ロイヤリティ収入が得られない場合や、得られたとしても必要な採算性を確保できない場合には、研究開発費として投下した資金の回収が不能となり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
b.BtoC事業に関するリスク
BtoC事業の強化のために、今後積極的に販売促進活動を行ってまいりますが、当社グループが行うBtoC事業に関し、以下に想定されるような事象が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・広告媒体の費用対効果の検証や、広告宣伝費等の経費の効率的な使用に努めてまいりますが、想定外に経費がかさむことや支払った広告宣伝費に見合う売上を計上できない場合には、計画通りの収益性を確保できず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
・BtoC事業で取り扱う製品については、品質・有効性・安全性確保のために必要な規定をした「医薬品医療機器等法(薬機法)」の規制を受け、製品の表示・広告においては、主に「薬機法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「健康増進法」、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」の規制を受けており、不当(虚偽・誇大)な表示や広告等が禁止されております。また、販売においては、禁止行為や解約事項等を規定した「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」や「消費者契約法」等の規制を受けます。当社グループでは、関係諸法令への適合状況のチェック体制を整備しておりますが、上記法令等に抵触する事象の発生や、今後予期せぬ法律規制強化等があった場合には、計画通りの販売活動を行うことができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・BtoC事業で取り扱う製品については、細心の注意を払い製造委託・販売を行っておりますが、予期せぬ事態の発生等により安全性に問題が生じた場合には、損害賠償請求の発生、リコール(販売した製品の回収等)の実施、当社グループ製品への信用力の低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また事実とは異なる根拠のない風評等が起こった場合においても、当社グループ製品への信用力の低下を招き、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
・BtoC事業において、一部インターネットを通じて製品を販売しておりますが、今後、インターネット等の利用者及び関連業者を対象とした法的規制が新たに整備され、これらの法令により当社グループの業務の一部が規制を受けるような場合には、計画通りの販売活動を行うことができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
・BtoC事業において、インターネット及びコンピューターシステムを使用しておりますが、何らかの原因により当社グループサーバーへの一時的な過負荷や外部からの不正な手段によるアクセス、担当者の過誤によるシステム障害等が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合には、一時的に受注業務及び配送業務を行うことができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
② 売上高における特定製品への依存度が高いことについて
当社グループの主力製品である「ニューモ育毛剤」の売上高は、2024年7月期の当社グループ売上高のうち33.9%を占めております。今後何らかの理由により「ニューモ育毛剤」の仕入又は販売に関して不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 新製品販売動向の業績への影響について
当社グループで販売しております、機能性食品、健康食品、化粧品等は消費者の嗜好に影響を受けやすく、そのライフサイクルは比較的短い傾向にあります。当社グループでは会社設立以来、安定的・継続的な経営を維持すべく研究開発に主軸をおきながら機能性素材製品の開発と販売を進めてまいりました。その結果、「ファーマギャバ」、「カテキン」、「ボーンペップ」、「ランペップ」の既存製品に続きまして、近年では「Cerepron(セレプロン)」、「HGP」等を発売し、製品ラインナップの拡充に努めてまいりました。また、BtoC事業において販売する製品についても当社グループが開発した素材を採用することで、製品ラインナップの拡充に努めております。当社グループでは今後も新製品の開発と、製品応用分野の拡大を目指した事業展開を進める方針でありますが、計画通りに新製品の開発及び製品応用分野への拡大が進まなかった場合、あるいは新製品の販売動向が期待通りに進まなかった場合、機能性素材市場での販売拡大が計画通りに進まず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があるほか、ビジネスモデルにも変更が生じる可能性があります。
④ 競合について
当社グループでは製品の開発・発売に関しては、製品の品質・価格、生産方法の知的財産権などで他社製品に対して優位性をもった製品を開発することを方針とし、今後の成長性と高い収益性を実現するべく事業展開をすすめてまいりましたが、食品メーカー、製薬メーカーや化学品メーカー等がその一部門または子会社を通じて機能性食品分野での事業展開を拡大することや、新たに事業展開を開始するなどにより、一層、競合関係が激化することが推測されます。当社グループでは今後も明確に他社との差別化が図られる分野、収益性の高い分野、競合が少ない分野などにターゲットを絞った戦略的な経営を進める方針でありますが、競合他社が同様の製品を当社グループよりも先に開発・販売した場合、あるいは当社グループよりも優れた製品を開発・販売した場合等には、他社製品に対する優位性が低下し、計画通りの販売活動ができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤ 新規事業について
当社グループは、「BtoB事業」「BtoC事業」「バイオメディカル事業」の3事業を主要事業としており、積極的に事業を拡大してまいりました。今後も持続的な成長と収益源の多様化を進めるために、戦略的に新規事業を立ち上げる可能性があります。しかし、新規事業を開始した際には、その事業固有のリスク要因が加わると共に、新規事業を遂行していく過程では、急激な事業環境の変化をはじめとして様々な予測困難なリスクが発生する可能性があります。その結果、当初の事業計画を達成できない場合には、新規事業費用として投下した資金の回収が遅延し、又は回収が不能となり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 生産体制及び生産管理に関する事項
① 委託生産に伴うリスクについて
当社グループは機能性食品の新しいビジネス形態を構築すべく、研究開発部門とマーケティング・営業部門で社内体制の整備・拡充を図りつつ、生産方法に関する知的財産権の確保、製造方法・生産工程の確立や衛生管理面の確認等は当社グループが行う一方で、取扱製品の生産は社外の協力工場に委託をする経営体制を敷いております。そのため安定供給できる生産委託先の確保が当社グループにとって主要な経営課題のひとつであり、当社グループでは、生産の外部委託により生じ得る製品の安定供給や製品の品質確保といった様々なリスクを回避するため、当該協力工場の生産能力や生産管理体制の整備等に関する事前調査、秘密保持に関する契約の締結、継続的な情報交換による状況確認や、複数の委託協力工場の選定等により、万が一に備えた体制の整備を図っております。また、製品毎にその製品に最適な当該協力工場を選定しているほか、新製品の発売及び既存製品の増産に対しては、十分な対応ができるように事前に当該協力工場の調査・確認を実施しておりますが、計画通りに取引先の需要に応じた製品を適時安定供給できるという保証はありません。何らかの理由で既存の生産委託先での生産が中止された場合、速やかに代替先を確保できるという保証もありません。
当社グループでは今後もかかるビジネス形態による経営体制を継続する方針であり、外部委託生産会社との関係変化あるいは協力工場を起因とする問題等が発生した場合には、製品の製造遅延・停止などが生じ、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
② 衛生管理上の問題発生の可能性について
当社グループの事業分野である食品、健康食品等は、食品衛生法に基づいた衛生管理が求められており、当社グループ及び外部の生産委託工場でもそれら法令等を遵守した施設の整備、器具・容器包装資材の管理や製造工程等の管理運営を行っております。近年、「食の安全性」に関する消費者の視点が一層厳しくなっているため、当社グループでも衛生管理を経営の重要課題の1つとしております。当社グループでは衛生管理上の問題発生を防ぐべく、生産委託工場との情報・連絡の徹底、製造工場への立ち入り検査の実施、製造工程途中での抜き取り検査の実施、完成製品の規格化と安全性試験の徹底などにより衛生管理面の強化を図っておりますが、予見できない衛生管理上のトラブル等が発生した場合には、当該製品の販売が不能となる等により、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 研究開発に関する事項
① 技術革新について
近年バイオ関連業界の技術進歩はめざましいものがあります。また、国立大学等の独立行政法人化やTLO(技術移転機関(Technology Licensing Organization))を通じた大学等の知的財産権の活用などの動きも見られ、それに併せて技術開発力のある大学発のバイオベンチャー企業も多数輩出されています。当社グループでは、開発初期の段階からマーケティング・開発の両面に亘った検討を行い、また、外部協力者との積極的な共同研究や、事業の選択と集中を実践することで、開発の企画段階から製品の上市までの時間短縮を進めることにより事業成功の確率の向上を図っております。また、現状製品のリニューアルや新製品の開発から次世代の研究開発用範囲の拡大等の異なった世代の開発を進めること、製品の応用範囲の拡大などによって、競合他社の技術進歩に対して、リスク分散を図ることを実践しております。
しかし、今後、必ずしも本戦略が予定通り進む保証はなく、他社の技術革新の進捗状況によって当社の研究成果が陳腐化することなどが発生した場合には、他社製品に対する優位性が低下し、計画通りの販売活動ができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 医薬品の開発について
当社グループでは、会社設立以来、研究開発主導型の企業経営を行い、食品分野を中心に機能性素材の開発を実施してまいりました。また、当社グループでは、それら機能性素材の開発で培った技術をベースとして、10年以上の期間にわたり、医薬品開発等の研究を継続しております。医薬品開発等の創薬事業は、薬機法に基づく臨床試験の実施や、医薬品としての効果・効能や安全性も含めた試験等が必要となることから、食品関連の素材開発に比べて長期に亘る開発期間と多額の研究開発投資が必要となります。一般に創薬事業及び医療関連事業は成否リスクが高く、また、現在のところ当社グループにはそれら事業についてのノウハウ・開発実績が少ないことから、事業推進にあたっては研究内容が実用化した際の市場性、実用化までの期間、実用化の可能性、投下資金等について多面的な検討を行い、かかるリスクの回避に努めますが、研究開発活動が計画通りに進む保証はなく、必ずしも期待通りの効果を得られるという保証もないため、全ての研究内容が当社グループの経営成績に対して寄与するものではありません。
(5) 関連会社に関する事項
① 減損処理等について
当社グループは、今後の事業展開次第では、関連会社の数は増減する可能性があります。共同出資による会社設立や出資等に際しては、事業性及び将来性について十分に検討した上で、出資・投資判断を行っておりますが、当該関連会社が必ずしも想定通りに収益を計上できるとは限りません。当該関連会社が想定通りに収益を計上できない状況が続いた場合には、関連会社への投融資資金やのれん等について減損処理等の損失を計上することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) M&A等(買収、合併、営業の譲渡・譲受、出資)による事業拡大に関する事項
当社グループは、企業価値拡大を目指し、成長路線の一環として積極的にM&A等を活用して企業価値の拡大化を図ることを経営方針の一つとしておりますが、当該M&A等の施策により当初期待した効果が得られない場合には、のれん及び無形資産について減損処理等の損失を計上することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(7) 社外要因に関する事項
① 鳥インフルエンザ等の被害を受ける可能性について
近年になり国内では鳥インフルエンザの発生等の病原体による人身への被害が報告されております。当社グループでは現在、食品及び健康食品に関わる分野を主軸にした国内・海外への事業展開を行っておりますが、新種の病原体の蔓延等により販売・製造の両面で事業遂行上支障が発生した場合には、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
② 海外の経済、法制、政策等の影響を受けることについて
当社グループでは、会社設立当初より、営業・開発の両面にわたり海外提携先・取引先の開拓及び関係強化に努めてまいりました。その結果、韓国・台湾・中国・北米(米国、メキシコ)・東南アジア(タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム等)での継続的な取引関係の構築を進めております。海外進出の際には、当該国の市場性、取引先の選定等だけでなく、経済・政治情勢、法制面などを検討した上で、営業戦略を推進しておりますが、当該国の経済、法律、政策等により取引関係の中断などが発生した場合には、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 為替相場の変動について
当社グループにおける海外取引は、大半が円建て、一部を外貨建てにより取引しております。円建てによるものは、通常は為替の変動が経営成績に影響を与えることはありませんが、急激な円高となった場合、円建ての販売先にとって当社グループからの販売価格が高騰することとなるため、当社グループに対して価格引き下げ要求が行われた場合には、売上減少等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、外貨建てによるものは、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受けた場合には、為替差損等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 機密保持に関するリスクについて
当社グループでは、研究開発活動を主力においた事業展開をすすめるなかで、生産方法に関するノウハウ等の営業秘密の管理が重要であると認識しております。当社グループでは、社内での機密情報管理の徹底を図っておりますが、自社からの情報漏洩リスクを完全に防止できるという保証はありません。また、当社グループの事業には、大学・企業などとの共同研究や外部協力工場への生産委託など、当社グループ開発技術に関して外部協力機関との関係強化が必須であることから、外部協力機関への情報開示にあたっては機密保持契約を締結するなどの方法によって、機密情報の漏洩防止に努めておりますが、全ての機密情報について漏洩が防止できるという保証はありません。かかる問題を完全に回避することは困難で、営業秘密が漏洩された場合には、研究開発情報や生産方法に関するノウハウを第三者に利用されることで、計画通りに事業活動が進まず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤ サイバー攻撃等のリスクについて
当社グループでは、BtoC事業において、多くの通信ネットワークやコンピューターシステムを利用しております。近年におけるサイバー攻撃の高度化・巧妙化を想定し、当社グループにおいても技術的対策を取ると共に、セキュリティ面での信頼性の高い外部委託先を選定すること等により対策をとっておりますが、想定を超えるサイバー攻撃などによりコンピューターシステムや営業活動を部分的に停止することを余儀なくされた場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥ 取引先の信用リスクについて
当社グループは販売会社、金融機関、サプライヤーなど様々な地域の数多くの取引先と取引を行っており、取引先の債務不履行などが発生するリスクに晒されております。当社グループは、これらの取引先の信用情報、財務情報をもとに随時又は継続的な評価を行うことで、かかるリスクを削減するよう努めております。しかしながら、経済情勢によっては、販売会社、金融機関及びサプライヤーの経営破綻のような予期せぬ事態が発生した場合には、債権回収が滞ること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑦ 有価証券の価格変動について
当社グループは、戦略的な理由や取引関係維持等の理由により市場性のある有価証券を保有する場合があり、それらの有価証券の価格変動リスクを負っております。このため株価や債券価格の大きな変動が発生した場合には、想定外の減損が生じる等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑧ 自然災害等について
当社グループは、日本国内において、主たる事業運営に関わる重要な拠点を、外部委託先を含めて多数有しております。各事業所では、自然災害等に対する防災対策や安全活動を推進するとともに、コールセンターや物流拠点においては、分散化を行うことでリスクの回避を行っております。
しかしながら、想定以上の大規模災害等より当社グループの制御不能な事態が発生した場合には、受注処理及び商品出荷業務並びに営業・開発活動に影響を与える可能性があります。また、貴重な人的資源に重大な影響を与え、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑨ 感染拡大によるリスクについて
当社グループでは、感染症予防対策に対して、政府や都道府県等関係機関の指針に沿った感染拡大防止策の徹底をはじめとして、従業員に対する安全衛生に関する意識・知識向上のための注意喚起、WEB会議や時差出勤、在宅勤務等の実施による感染抑制策を講じており、現時点における事業展開及び経営成績への影響は生じておりません。
しかしながら、世界的規模での感染症が特に国内において爆発的に流行した場合には、当社グループの事業活動に係る生産体制、物流体制、又は営業活動に支障が生じ、大きな損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、貴重な人的資源に重大な影響を与え、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) 個人情報保護について
当社グループは、BtoC事業を行う上で、顧客情報を取得し保有しております。当社グループでは、個人情報保護方針を定め、個人情報の適正管理に努めております。個人情報保護については、法律の遵守だけではなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。当社グループは、「個人情報保護法」に規定する個人情報取扱事業者として、個人情報を厳正かつ慎重に管理しておりますが、万一、外部からの不正アクセス等により個人情報が社外に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的な信用失墜により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(9) 主要な事業活動の前提となる事項について
当社グループは、主要な事業活動の一つであるBtoC事業において、化粧品及び医薬部外品を国内にて製造販売するため、「薬機法」に基づく製造販売業・製造業の許可を必要としております。当社グループの該当事業会社各社ではその許可を取得しており、法令の定めに基づき5年毎の更新その他必要な手続きを行っております。当社グループでは、「薬機法」及び関連法規制の遵守を徹底しておりますが、「薬機法」第74条の2(承認の取消し等)等に抵触し、業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、又は化粧品事業及び医薬部外品事業の製造・販売に関する厚生労働省からの許可を取り消された場合、あるいは、これらの法規制が変更された場合、また予測していない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(BtoC事業に係る主要な許可の取得状況等)
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取得会社 |
許可の名称 |
有効期限 |
取消事由及び該当状況 |
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㈱ファーマフーズ |
医薬部外品製造販売業許可 |
2025年6月30日 |
(許可の取消) 「薬機法」第75条[y1]に定められる事由に該当した場合 (該当状況) 上記取消事由に該当する事項はありません。 |
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㈱ファーマフーズ |
化粧品製造販売業許可 |
2025年6月30日 |
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㈱フューチャーラボ |
化粧品製造販売業許可 |
2025年2月24日 |
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㈱メディラボ |
化粧品製造販売業許可 |
2028年1月17日 |
(10)食品衛生法や農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)等の規制について
当社グループは、現在、機能性食品素材の開発・販売を主力に事業展開を進めており、その製造や販売にあたっては、前項に掲げるものの他、JAS法等の規制を受けております。当社グループでは、当社グループ及び外部委託生産会社等により、それら法令に従った取り扱いがなされるよう所轄の保健所等に対する届出、各種許可事項の申請や許可の取得ならびに製品に関する表示の確認等を実施しておりますが、食品衛生法に違反した場合には、営業許可の取り消しや営業許可の更新が認められないなど、当社グループ事業に支障が生じる可能性があります。当社グループでは、かかる事態を回避すべく、当社グループ及び外部委託生産会社等について衛生管理面の検査の実施や各種届出・許可の確認等を行っておりますが、法令の改正等に対応するため新たな費用が発生した場合や、不測の事態が発生した場合に当社グループの対応ができない場合、また、その対応が遅れた場合等には、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(11)資金調達に関する事項
当社グループは、主に金融機関より設備資金ならびに運転資金の借入を実施しております。金融市場の動向には十分留意しておりますが、全般的な市況及び景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性もあります。その結果、計画通りの広告投資や研究開発投資ができず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、将来増資などのエクイティ・ファイナンスを実施した場合には、当社の発行済株式数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(12)重要な訴訟等の発生によるリスクについて
当社グループが事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で様々な訴訟に発展することが想定されます。それらの訴訟において、当社グループの主張又は予測と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、想定外の損失が生じる等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(13)固定資産の減損について
当社グループが保有している固定資産について、著しい時価の下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、減損が生じる等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(14)知的財産権に関する事項
① 特許の取得状況等に関する事項
当社グループでは、研究開発により得られた成果(発明)を開発部門にて取りまとめ、戦略的な特許出願を行っております。その結果、2024年7月31日現在当社グループ全体で125件(国内登録36件、海外登録23件、出願中66件)の特許を出願・登録し、今後、一層、知的財産権の確保のため、新規出願並びに出願済特許の登録の増加を図っていく方針であります。しかしながら、当社グループが出願した全ての特許が登録されるとは限らず、また、期間満了などにより消滅した場合には、他社製品に対する競争力が低下することで、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
また、特許が成立した場合でも、当社グループの技術を超える技術が他社によって開発され、当社グループの特許が競争力を失う可能性があることや、競合他社により当社グループ特許が侵害されるなどの不測の事態が発生した場合には、他社製品に対する競争力を維持することができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。
② 他社の知的財産権等の侵害について
当社グループと同様の事業展開を実施している他社も多数の特許権及び商標権等の知的財産権を有しております。当社グループでは、当社グループが他社の知的財産権に抵触することがないように、社内での調査や弁理士事務所等を通じた調査・確認を適宜実施し、事業展開並びに特許戦略の決定判断をしておりますが、当社グループは多岐にわたる研究開発活動や事業展開を推進していることから、知的財産権に関して訴訟・クレームが発生しないという保証はありません。
現在、当社グループ事業に関して知的財産権についての第三者との間での訴訟やクレームの発生の認識はしておりません。しかしながら、研究開発を主力とした事業を展開する当社グループにおいて、知的財産権の侵害等に関して全ての問題発生を回避することは困難であり、かかる問題が発生した場合には、他社への損害賠償金やロイヤリティの支払い、差止請求などによりに当社グループの事業展開に支障がでる可能性があり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(15)コンプライアンスに関するリスクについて
当社グループは、さまざまな事業分野において、法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。当社グループにおいては、取締役及び従業員が、国内外の法令、慣習その他全ての社会的規範を遵守することを定めるとともに、コンプライアンス委員会を定期的に開催し、全社員にコンプライアンス教育を実施するなど、グループ全体への徹底を図っております。しかし、それらに違反する行為が発生した場合、監督官庁等からの処分や訴訟の提起等により、当社グループの社会的な信用が低下し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(16)内部統制に係るリスクについて
当社グループは上場企業として、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件を満たす必要があり、内部統制システムの構築は、極めて重要であると認識しております。これらの内部統制システムの設計、実施には多くの管理、人材、その他資源が必要になり、内部統制上の重大な欠陥、弱点が認められた場合、システム改善に要する資源投入等により追加的コストが発生する可能性があります。
当社グループは、常に内部統制システムの強化を図るべく検討・見直しを続けておりますが、財務報告に関わる内部統制に欠陥がある場合、または内部統制の逸脱により、適時開示義務を充足できない場合には、投資家及び経営者等の利害関係者の正確な意思決定を妨げる可能性があります。また、欠陥の重大性や原因等の程度に応じて様々な法的責任が課せられ、金融市場における資金調達力が制限される可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、「医食の研究で貢献」というミッションを掲げ、人々の持続可能な健康的で幸せな社会の
実現を目指しております。
その実現に向け、食品、化粧品、医薬品の開発を科学的根拠に基づいて行い、独自の研究成果及び製品を「BtoB事業」「BtoC事業」「バイオメディカル事業」の3事業において広く社会に提供しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が縮小し、経済活動の正常化へ向けた動きが進んだものの、一方でエネルギー価格や原材料価格の高騰、円安の長期化による物価上昇が続き、個人消費は節約志向が高まるなど厳しい状況で推移しました。
当社グループが属するヘルスケア業界におきましては、機能性表示食品制度を巡る今後の在り方が議論されるなど、食品の安全性に注目が集まっておりますが、消費者の医療、健康及び美容に対するニーズは引続き継続しております。
こうしたヘルスケアニーズに応えられるリーディングカンパニーとなるべく、「中期経営計画2026」のテーマ「新価値創造 1Kプロジェクト」を掲げております。この実現のため、研究開発投資、新製品の開発及び販売チャネルの開拓、組織体制の強化に注力いたしました。
また、こうした研究開発成果を社会実装につなげていく事業として、「卵殻膜素材」を様々な分野に応用するプロジェクトが、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が公募する「バイオものづくり革命推進事業」プロジェクトに採択されました。今後、繊維、農業及びナノファイバーを原料とした電子材料素材など幅広い産業利用に適した特性を持つ「卵殻膜素材」を開発・量産化するための投資を行ってまいります。
特に、卵殻膜繊維「オボヴェール」は、近年アパレル業界においてリサイクル繊維への注目が高まっていることから、各種メディアに掲載されました。
これらの取り組みにより、当社グループの研究開発費は978百万円(前期比16.4%増)となりました。新製品への広告宣伝を強化すると同時に、広告宣伝費全体の最適化を進めており、当連結会計年度における広告宣伝費は30,787百万円(前期比20.8%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は62,147百万円(前期比9.4%減)、営業利益は5,113百万円(前期比41.6%増)、経常利益は5,249百万円(前期比48.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,205百万円(前期比4.0%増)となりました。
各四半期別の経営成績の推移は以下のとおりです。
|
|
前期 |
当期 |
||||
|
2023年7月期 連結会計年度 |
当第1四半期 連結会計期間 |
当第2四半期 連結会計期間 |
当第3四半期 連結会計期間 |
当第4四半期 連結会計期間 |
2024年7月期 連結会計年度 |
|
|
売上高 (百万円) |
68,572 |
16,142 |
15,510 |
15,518 |
14,975 |
62,147 |
|
営業損益 (百万円) |
3,610 |
601 |
933 |
1,730 |
1,847 |
5,113 |
|
経常損益 (百万円) |
3,540 |
605 |
937 |
1,680 |
2,025 |
5,249 |
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
<バイオメディカル事業>
①創薬事業
創薬事業では、「自己免疫疾患」及び「がん」や「炎症性疾患」等の難治性疾患を対象とした研究開発を行っております。
創薬事業の基盤となる「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」は、これまで治療できなかった
病気に対する抗体及び既存医薬品よりも優れた薬効を持つ抗体を作製する当社独自のプラットフォーム技術です。
当社は、本技術を用い、自己免疫疾患を対象として開発した抗体医薬品候補に関して、2021年に田辺三菱製薬㈱とライセンス契約を締結しておりました。本抗体医薬品候補について、田辺三菱製薬㈱が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に初回治験計画届を提出し、30日調査を終了いたしました。これにより、2024年6月に当社はライセンス契約に基づく所定のマイルストン収入を受領いたしました。
さらに、本技術を活用・高度化することで、当社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の
令和3年度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(国際競争力のある次世代抗体医薬品製造技術開発)」における主要メンバーとして参画しております。本事業において当社は、あらゆる疾患を標的とした次世代抗体医薬品候補となり得るリード抗体の取得に成功し、低分子抗体や二重特異性抗体等の次世代抗体医薬品の開発プロセスに進んでおります。
「自己免疫疾患」においては、当社内の「国際PAD※1研究センター」において、一連のPAD関連ターゲットに対する創薬研究を推進しております。
「がん」や「炎症性疾患」等の各種難治性疾患においては、標的分子に対する抗体を取得・精製し、薬効薬理試験等の創薬研究を推進しております。
この他、専門チームによるAI創薬にも積極的に取り組んでおります。その成果として、2024年2月には、
抗原をコンピューター設計により改変することで、より効率的に抗体を作製できる技術に関する特許(特許第7437558号)を取得いたしました。
②研究支援事業
研究支援事業では、タンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析を受託サービスとして行っております。当連結会計年度においては、Thermo Fisher Scientific社の最新機種を導入し、これまでより高精度・短納期を実現するサービスを開始いたしました。
また、微量なタンパク質の変化が解析可能な「Olink Target」サービス及び「Olink Flex」サービスも、
国内の研究機関、製薬企業等からの受注が堅調で、バイオメディカル事業における収益獲得に貢献しております。
以上の結果、バイオメディカル事業の当連結会計年度の売上高は、478百万円(前期比39.4%増)、セグメント損失は272百万円(前期は278百万円のセグメント損失)となりました。
<BtoB事業>
BtoB事業では、機能性素材、健康食品及び医薬品等の研究開発及び製造を行い、食品・医薬品メーカー、流通事業者等に販売をしております。当事業が属する機能性表示食品及び健康食品等ヘルスケア市場は、健康維持、増進への高い意識を背景に、市場規模が拡大しております。
機能性素材の売上高は、2,588百万円(前期比29.3%増)となりました。当社の主力商品である「ファーマギャバ」は、北米地域のサプリメントメーカー向け販売が好調を維持するなど、GABAの市場拡大が継続しております。
機能性製品の売上高は、741百万円(前期比45.8%減)となりました。国内販売では、自社ブランド製品(NB※2)など最終製品について、コンビニ、ドラッグストアなど流通事業者向け販路拡大に注力いたしました。海外販売では、スギホールディングス㈱の子会社で海外事業を担う㈱Sトレーディングと包括的業務提携を締結いたしました。今後、東南アジア地域のドラッグストアへ商品供給を行ってまいります。
明治薬品㈱が手がける医薬品製造受託の「CMO※3事業」の売上高は、4,646百万円(前期比10.9%増)となりました。後発医薬品メーカーの品質問題や製造上の不備による影響で代替需要が高まる中、受注の安定と利益率向上を達成しております。2024年1月の「令和6年能登半島地震」では、生産設備の操業停止及び漏水等の被害により製品の出荷に影響が発生いたしましたが、通常の操業状態へと回復いたしました。
また、同社の機能性食品・医薬品をドラッグストアチャネル等で販売を行う「CHC※4事業」の売上高は1,130百万円(前期比31.9%増)となりました。ドラッグストア向けに新たな明治薬品ブランド製品の販売を強化いたしました。
以上の結果、BtoB事業の当連結会計年度の売上高は、9,108百万円(前期比8.2%増)、セグメント利益は1,573百万円(前期比20.9%増)となりました。
<BtoC事業>
BtoC事業では、「発明企業の通販事業」として当社独自の機能性素材を配合したサプリメント及び医薬部外品(「タマゴ基地」ブランド)並びに化粧品(「フューチャーラボ」ブランド等)、明治薬品㈱が製造する機能性表示食品等の商品を、通信販売方式で消費者へ直接販売を行っております。
顧客獲得効率指標のCPO※5及び収益性指標のLTV※6を重視する広告宣伝費の適正化の取り組みを強化する一方、新製品への広告宣伝の強化を図ってまいりました。
収益面での強化と並び、関連法令の遵守徹底、広告表現の改善、コールセンターでの応対品質向上の強化も最重要施策として継続してまいりました。
以上の取り組みの結果、2024年7月末時点の当社グループ全体の定期顧客件数は、747,207件(前期941,628件、前期比20.6%減)となりました。
「ニューモ育毛剤」をはじめとする「医薬品・医薬部外品」の売上高は36,652百万円(前期比5.6%増)になりました。「ニューモ育毛剤」の累計出荷件数は、2024年6月4日時点で2,700万本を突破いたしました。薬用ホワイトニングジェル「DRcula(キュラ)」や「ラクトロン錠」などが主力商品として収益に貢献いたしました。このほか、「ニューモ」ブランドの医薬品「ニューZ」、「防風通聖散」など新製品の売上高への寄与が高まりました。
その他製品群につきましては、収益性指標を重視し、広告宣伝費の抑制を行った結果、「サプリメント」の売上高は7,788百万円(前期比36.3%減)、「化粧品」の売上高は7,581百万円(前期比38.7%減)となりました。
以上の結果、BtoC事業の当連結会計年度の売上高は、52,543百万円(前期比12.1%減)となりました。既存製品については広告費の適正化を図る一方、新製品については積極的に定期顧客の獲得を目指し、広告宣伝費は30,599百万円(前期比20.9%減)を計上し、セグメント利益は5,325百万円(前期比42.2%増)と大幅な増益になりました。
※1 PAD (Peptidylarginine deiminase):標的タンパクのアルギニンをシトルリン化する酵素。生体内に5種
類のPADが存在し、各種疾患との関連が報告されている。
※2 NB (National Brand):自社ブランド製品
※3 CMO(Contract Manufacturing Organization):医薬品製造受託機関
※4 CHC(Consumer Health Care):ドラッグストアでの医薬品及び機能性食品等の販売
※5 CPO(Cost Per Order) :顧客1件を獲得するために要した広告宣伝費
※6 LTV(Life Time Value):顧客生涯価値
② 財政状態の状況
a.資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ340百万円増加し、36,573百万円(前期比0.9%増)となりました。これは流動資産で主に現金及び預金が639百万円、受取手形及び売掛金が19百万円それぞれ減少し、商品及び製品が698百万円増加し、固定資産では有形固定資産が205百万円、投資その他の資産が452百万円それぞれ増加したことによるものであります。
b.負債
負債は、前連結会計年度末に比べ1,614百万円減少し、24,987百万円(前期比6.1%減)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が313百万円、未払金が310百万円それぞれ増加し、短期借入金が2,500百万円減少したことによるものであります。
c.純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,955百万円増加し、11,585百万円(前期比20.3%増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加3,205百万円及び利益剰余金の配当による減少626百万円、自己株式の取得及び処分による減少851百万円によるものであります。
これらの結果、自己資本比率は31.7%(前連結会計年度末は26.6%)となりました。自己資本比率が前連結会計年度末に比べ5.1ポイント上昇したのは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加率が総資産の増加率を上回ったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ739百万円減少し、15,566百万円(前期比4.5%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益5,034百万円、売上債権の増減額287百万円、棚卸資産の増減額△649百万円、仕入債務の増減額313百万円、未払金の増減額114百万円、未払消費税等の増減額△7百万円、法人税等の支払額△747百万円の計上等により、5,486百万円の収入(前年同期は6,125百万円の
収入)となりました。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出△841百万円、有形固定資産の除却による支出△101百万円、投資有価証券の取得による支出△363百万円、定期預金の預入による支出△100百万円等により、1,390百万円の支出(前年同期は1,013百万円の支出)となりました。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額△2,500百万円、長期借入金の返済による支出△1,005百万円、長期借入れによる収入300百万円、自己株式の取得による支出△999百万円、配当金の支払額△626百万円等により、4,842百万円の支出(前年同期は2,341百万円の収入)となりました。
なお、キャッシュ・フロー関連指標は、以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
|
自己資本比率(%) |
26.6 |
31.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
133.4 |
84.5 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
3.3 |
3.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
126.0 |
87.7 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計上しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
前年同期比(%) |
|
BtoB事業(百万円) |
5,030 |
88.4 |
|
BtoC事業(百万円) |
7,143 |
100.9 |
|
バイオメディカル事業(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
12,174 |
95.4 |
(注)1.金額は生産価格によっております。
2.当社グループは、製品の製造にあたっては外部委託での生産を行っており、上記の金額には外部委託先に支給した原材料の仕入額が含まれております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
BtoB事業 |
4,385 |
86.4 |
1,012 |
65.0 |
|
BtoC事業 |
- |
- |
- |
- |
|
バイオメディカル事業 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
4,385 |
86.4 |
1,012 |
65.0 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.当社グループは、主に見込生産を行っており、上記の金額はBtoB事業におけるOEM製品、医薬品製造受託のCMO事業製品の受注実績であります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
前年同期比(%) |
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BtoB事業(百万円) |
9,108 |
108.2 |
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BtoC事業(百万円) |
52,543 |
87.9 |
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バイオメディカル事業(百万円) |
478 |
139.4 |
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その他(百万円) |
16 |
75.5 |
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合計(百万円) |
62,147 |
90.6 |
(注)1.総販売実績の100分の10以上の売上高割合を占める販売先は無いため、主要な販売先の記載は省略しております。
2.「その他」の区分は、ファンド運営事業を含んでおります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析等
ⅰ.概観
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ6,425百万円減少し、62,147百万円(前期比9.4%減)となりました。これは主に、BtoB事業の売上高の増加689百万円、BtoC事業の売上高の減少7,245百万円によるものであります。なお、当連結会計年度におけるセグメント別の売上高構成比は、BtoB事業が14.7%(前期12.3%)、BtoC事業が84.5%(前期87.2%)、バイオメディカル事業が0.8%(前期0.5%)となっており、前連結会計年度に比べ著しい変動はないとの認識であります。
売上原価は、前連結会計年度に比べ101百万円増加し、13,395百万円(前期比0.8%増)となりました。これは主に、BtoB事業の売上原価の増加346百万円、BtoC事業の売上原価の減少265百万円によるものであります。また、売上原価率は、前連結会計年度に比べ2.2ポイント増加し、21.6%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ8,031百万円減少し、43,638百万円(前期比15.5%減)となりました。これは主に、BtoC事業における広告宣伝費等が減少したことによるものであります。
これらの結果、営業利益は5,113百万円(前期3,610百万円、前期比41.6%増)となりました。また、営業利益率は、前連結会計年度に比べ2.9ポイント増加し、8.2%となりました。
営業外損益は、研究開発助成金や受取配当金の計上等により135百万円の黒字(前期69百万円の赤字)となりました。この結果、経常利益は5,249百万円(前期3,540百万円、前期比48.2%増)となりました。
特別損益は、投資有価証券評価損や固定資産除却損の計上等により214百万円の赤字(前期1百万円の黒字)となりました。また、税金費用は、法人税等調整額を含め1,828百万円(前期462百万円)となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,205百万円(前期は3,081百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ6.01円増加し、112.71円となりました。
ⅱ.セグメント別の経営成績
(BtoB事業)
売上高は、前連結会計年度に比べ689百万円増加し、9,108百万円(前期比8.2%増)となりました。
主な製品別売上高は、以下のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
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金額(百万円) |
金額(百万円) |
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BtoB事業 |
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機能性素材 |
2,002 |
2,588 |
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機能性製品 |
1,368 |
741 |
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CMO |
4,190 |
4,646 |
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CHC |
857 |
1,130 |
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合計 |
8,418 |
9,108 |
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セグメント利益は、前連結会計年度に比べ272百万円増加し、1,573百万円(前期比20.9%増)となりました。
(BtoC事業)
売上高は、前連結会計年度に比べ7,245百万円減少し、52,543百万円(前期比12.1%減)となりました。
主な製品分類別売上高は、以下のとおりであります。
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前連結会計年度 (自 2022年8月1日 至 2023年7月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年8月1日 至 2024年7月31日) |
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金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
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BtoC事業 |
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サプリメント |
12,228 |
7,788 |
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化粧品 |
12,370 |
7,581 |
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医薬品・医薬部外品 |
34,713 |
36,652 |
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その他 |
476 |
521 |
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合計 |
59,788 |
52,543 |
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セグメント利益は、前連結会計年度に比べ1,579百万円増加し、5,325百万円(前期比42.2%増)となりました。
(バイオメディカル事業)
売上高は、前連結会計年度に比べ135百万円増加し、478百万円(前期比39.4%増)、セグメント損失は、272百万円(前期は278百万円のセグメント損失)となりました。
b.財政状態の分析等
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の規模、成長性及び企業の収益力を表す各項目を重視しております。経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、成長性を重視する指標として売上高の前期比増加率20%以上、収益性を重視する指標としては、営業利益率10%を目標として掲げております。
ただし、単年度における利益率が低下することを恐れず事業展開を行います。
広告宣伝費の適正化を図る一方、新製品への広告宣伝は強化を図りました。また卵殻膜の「バイオものづくり革命推進事業」への研究開発費を強化したことにより、当連結会計年度における売上高は前期比9.4%減、営業利益率は8.2%となりました。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業には、景気の変動等による食品市場への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析等
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動に係る主な資金支出としては、広告宣伝費、コールセンター運営費、製品の製造委託費、研究開発費、人件費等があります。
また、投資活動に係る主な資金支出としては、研究開発施設及び設備への投資、ITシステムへの投資、M&Aによる子会社株式の取得等があります。
広告宣伝費については、その費用対効果を検証しながら資金を投下しております。当連結会計年度においては、インターネット広告比率が上昇したこともあり、前連結会計年度に比べ広告宣伝費の投資効率が改善したと認識しております。
新商品への広告投資においては、明治薬品株式会社の製品の受注が好調であることから、積極的に投資しております。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金および短期借入金を基本としており、設備投資資金は長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は16,903百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、15,566百万円となっております。
流動性については、事業活動を行う上で十分な運転資金を有するとともに、金融機関より随時利用可能な借入枠を確保しており、機動的な資金調達に備えております。なお、流動比率は117.8%(前期は113.0%)、固定比率は80.3%(前期は90.4%)であり、健全な状況であると認識しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、判断時には予期し得なかった事象等の発生により、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.棚卸資産の評価
当社グループは、棚卸資産については、収益性の低下に基づく簿価切り下げ額の測定を行っております。将来、正味売却可能価額がさらに低下した場合又は滞留資産が増加した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
当社グループの事業展開上の重要な契約は、以下のとおりであります。
(1)製品の製造に関する契約
GABA及びカテキンの製造委託に関する契約
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契約書名 |
製造委託契約書 |
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契約先 |
播州調味料株式会社、豊通食料株式会社 (2016年9月に豊田通商株式会社より豊通食料株式会社へ契約上の地位を移転しております。) |
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契約締結日 |
2006年1月5日 |
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契約期間 |
2006年1月5日から2007年1月4日まで(期間満了の3ヶ月前までに契約終了の意思表示がない場合、更に1年間自動更新され、以後も同様とする。) |
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主な契約内容 |
当社グループ製品のGABA及びカテキンに関して豊通食料株式会社を通じて播州調味料株式会社に製造を委託する。 |
(2)研究開発に関する契約
導出に関する契約
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契約書名 |
ライセンス契約書 |
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契約先 |
田辺三菱製薬株式会社 |
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契約締結日 |
2021年1月26日 |
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契約期間 |
本契約の締結日から、対象地域における全てのロイヤリティ支払期間が満了するまで |
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主な契約内容 |
① 当社は田辺三菱製薬株式会社に対して、開発候補抗体の製造、開発及び販売を、全世界で独占的に実施する権利を許諾する。 ② 当社は、上記①の対価として、本契約の締結に伴う契約一時金収入、開発ステージに応じたマイルストン並びに販売額に応じたロイヤリティ及びマイルストンを受領する。 |
(3)販売に関する契約
三菱商事株式会社との販売提携に関する契約
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契約書名 |
取引基本契約書、覚書 |
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契約先 |
三菱商事株式会社 |
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契約締結日 |
取引基本契約締結日:2004年5月6日、覚書締結日:2005年3月10日 |
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契約期間 |
2004年5月6日から2007年5月5日まで(期間満了の3ヶ月前までに契約終了の意思表示がない場合、更に1年間自動更新され、以後も同様とする。) |
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主な契約内容 |
当社グループが製造・販売する商品について、三菱商事株式会社が国内・海外ともに販売することができる。 |
(4)借入に関する契約
① コミットメントライン契約
当社は、2022年9月6日の取締役会において、運転資金の起動的な調達を目的として、「シンジケート方式」に
よるコミットメントライン枠の設定を行い、メインバンクである株式会社京都銀行をアレンジャーとするコミット
メントライン契約を締結することを決議し、以下の内容で契約を締結いたしました。
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資金使途 |
運転資金 |
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アレンジャー |
株式会社京都銀行 |
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借入先 |
株式会社京都銀行、株式会社山陰合同銀行、株式会社関西みらい銀行、株式会社千葉銀行、株式会社伊予銀行、株式会社南都銀行 |
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借入極度額総額 |
7,600百万円 |
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借入利率 |
基準金利+スプレッド |
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契約締結日 |
2022年9月6日 |
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契約期間 |
3年間 |
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担保等の状況 |
無担保、無保証 |
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財務制限条項 |
① 各連結会計年度の末日における連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を、前連結会計年度の末日における純資産の部の合計額の75%未満とならないこと。 ② 各連結会計年度の末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
② コミットメントライン契約
当社は、運転資金の機動的な調達を目的として、株式会社三菱UFJ銀行との間でコミットメントライン契約を
締結いたしました。
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資金使途 |
運転資金 |
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借入先 |
株式会社三菱UFJ銀行 |
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借入極度総額 |
7,500百万円 |
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借入利率 |
基準金利+スプレッド |
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契約締結日 |
2023年10月6日 |
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契約期間 |
3年 |
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担保等の状況 |
無担保・無保証 |
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財務制限条項 |
① 各連結会計年度の末日における連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を、前連結会計年度の末日における純資産の部の合計額の75%以上に維持すること。 ② 各連結会計年度の末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
※借入極度限度額は、連結業績によって変動し、その上限額が7,500百万円となっております。なお、契約締結日における借入極度額総額は、6,300百万円であります。
③ コミットメントライン契約
当社は、株式会社滋賀銀行との間で2021年12月27日に締結したコミットメントライン契約の一部を、以下の内容
で更新いたしました。
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資金使途 |
運転資金 |
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借入先 |
株式会社滋賀銀行 |
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借入極度額総額 |
3,000百万円 |
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借入利率 |
基準金利+スプレッド |
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契約締結日 |
2023年9月29日 |
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契約期間 |
3年間 |
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担保等の状況 |
無担保、無保証 |
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財務制限条項 |
① 各連結会計年度の末日における連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を、前連結会計年度の末日における純資産の部の合計額の75%以上に維持すること。 ② 各連結会計年度の末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
④ コミットメントライン契約
当社は、2023年11月20日開催の取締役会において、運転資金の機動的な調達を目的として、「シンジケート方式」によるコミットメントライン枠の設定を行い、メインバンクである株式会社京都銀行をアレンジャーとするコミット
メントライン契約を締結することを決議し、以下の内容で契約を締結いたしました。
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資金使途 |
運転資金 |
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アレンジャー |
株式会社京都銀行 |
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借入先 |
株式会社京都銀行、株式会社西日本シティ銀行、株式会社紀陽銀行、京都中央信用金庫、 株式会社池田泉州銀行 |
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借入極度額総額 |
2,500百万円 |
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借入利率 |
基準金利+スプレッド |
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契約締結日 |
2023年12月22日 |
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契約期間 |
3年間 |
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担保等の状況 |
無担保、無保証 |
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財務制限条項 |
① 各連結会計年度の末日における連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を、前連結会計年度の末日における純資産の部の合計額の75%未満とならないこと。 ② 各連結会計年度の末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
(5)業務委託契約
当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が公募する「バイオものづくり革命推進事業」プロジェクトに採択され、2024年2月7日に契約を締結いたしました。
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契約書名 |
業務委託契約書 |
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契約先 |
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 |
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契約締結日 |
2024年2月7日 |
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契約期間 |
2023年11月16日から2025年3月31日まで |
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主な契約内容 |
卵殻膜のアップサイクルによる、「ハイブリッド繊維」、「新規蓄電素子材料」及び「バイオスティミュラント」の3つの領域における事業化を目指し、NEDOが認めた実施計画書に従い、「改変酵素を用いた卵殻膜の総合的活用プラットフォームの構築」業務に係る業務を当社が受託する。 |
当社グループでは、研究開発を事業展開上の最優先課題として捉えており、従業員642人中、25名の博士を含めた研究開発スタッフ90名で実施しております(2024年7月31日現在)。当連結会計年度の研究開発費は、研究開発スタッフの人件費を含めて、
組織としては、事業、開発アイテム及びその開発段階によって、担当部毎に研究テーマの分類を行っており、組織的・系統的な研究開発ができる体制を構築しております。さらに、会社設立当初より、当社グループ内だけでなく国内・海外の研究開発ネットワークを活用した外部協力者との共同研究を進めております。
(1)特許出願等
特許権は研究成果を事業化する上で重要な位置を占めること、更には市場独占を果たす上で極めて重要であり、戦略的に優位性を持った特許出願を行っております。
(2)研究補助金
当社グループでは、各省庁や京都府、政府機関系の各種公益団体などより、多数の研究補助金(助成金、委託事業を含む)を受けております。研究補助金により研究開発に対する投資額の一部を補うことは、投資リスクの低減とともに、主催機関・大学その他組織等の第三者判断を経ることで、研究テーマの市場性・社会性を判断する基準としても重要であります。
(3)研究開発事業
各セグメント別の研究開発活動の状況および研究開発費の金額は、次のとおりであります。
① BtoB事業
BtoB事業においては、研究開発担当部署を開発部とし、開発部長以下56名の研究開発スタッフで、「価値ある豊かさと価値ある健康」の創造を目指して、健康維持と生活の質の向上に役立つ機能性食品素材及び機能性化粧品素材の新規開発を行っております。
機能性素材として求められるものは、エビデンスを有した独自性のある素材であり、本事業の根幹は研究開発にあります。当社グループの研究開発の優位性は、創業以来培ってきた当社独自の技術、発想による他社が有しない独自の製品の開発及びエビデンスの取得にあると考えております。また、顧客に対する商品開発の提案や機能性表示食品の届出支援など、サポート・アフターサービス体制を整えております。
主な研究開発の成果は次のとおりであります。
a.ファーマギャバ
GABAは、非タンパク系のアミノ酸の一つで、脳内で抑制系の神経伝達物質として働くといわれており、その機能性としては「ストレス緩和」「疲労感の軽減」「血圧の改善」及び「睡眠の質の改善」が知られております。これに加え、「筋肉量増加」及び「認知機能改善」等の効果を見出すなど、ファーマギャバのエビデンス強化を行っております。大手飲料メーカーの認知機能改善効果を謳った製品に採用され、機能性表示食品として消費者庁に受理されております。
b.HGP(エイチ・ジー・ピー)
HGPは、卵黄由来のペプチド成分で、経口摂取による育毛・発毛促進作用を有しております。HGPのメカニズム及びヒトへの効果を明らかにし、論文化しております。
c.HAS-Ⅱ(ハス・ツー)
HAS-Ⅱは、鶏足の抽出物から得られたペプチド成分で、優れたヒアルロン酸産生促進作用を有しております。HAS-Ⅱの膝関節痛に対する効果のメカニズムを明らかにし、論文化しております。
d.モリンガ
モリンガは、古来よりスーパーフードとして知られている植物で、脂質代謝の改善、抗老化作用を有しております。モリンガ葉に含まれる脂質代謝改善成分を明らかにしております。
e.リピスマート
ゴマ油抽出残渣の脂肪吸収抑制効果を高める加工方法を開発し、特許を出願いたしました。また、ヒト臨床試験において、ゴマ油抽出残渣の食後中性脂肪吸収抑制効果を明らかにいたしました。さらに、活性成分の1つを同定し、特許を出願いたしました。
当セグメントにおける研究開発費は、
② BtoC事業
通信販売事業においては、当社グループの開発部が開発した機能性素材を配合したサプリメント及び化粧品等を、外部委託で生産し販売しております。通信販売事業部の研究開発は、開発部が行っており、当社の機能性食品素材のエビデンス取得試験等を行っております。
当社グループが販売しております「タマゴサミン」は、当社独自の成分であるヒアルロン酸産生成分「iHA(アイハ)」を配合することで、他社との差別化に成功し、主力商品となっております。「タマゴサミン」に代表されるように、当社グループの特性は、確かな研究力を基礎とした商品開発力であり、研究により取得したエビデンスが非常に重要であると考えております。
このように、確かなエビデンスを備えた主力となり得る商品開発を継続することが必要不可欠です。研究開発素材である「ファーマギャバ」「HGP」「モリンガ」等の独自成分を配合した新規商品の開発を行っております。その結果、「HGP」を配合した「ニューモ育毛剤」は、当連結会計年度において連結売上高の33.9%を占めました。
当セグメントにおける研究開発費は、
③ バイオメディカル事業
バイオメディカル事業においては、創薬事業及び研究支援事業を行っております。担当部署はバイオメディカル部であり、部長以下34名のスタッフが研究開発に従事しております。
a.創薬事業
創薬事業では、「自己免疫疾患」及び「線維症」等の難治性疾患を対象とした研究開発を行っております。
創薬事業の基盤となる「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」は、これまで治療できなかった病気に対する抗体及び既存医薬品よりも優れた薬効を持つ抗体を作製する当社独自のプラットフォーム技術です。
「自己免疫疾患」においては、当社内の「国際PAD研究センター」において、一連のPAD関連ターゲットに対する創薬研究を推進しております。
「線維症」等の各種難治性疾患においては、標的分子に対する抗体を取得・精製し、薬効薬理試験等の創薬研究を推進しております。
この他、新規創薬シーズを持つアカデミアとの共同研究に積極的に取り組んでおり、創薬パイプラインの拡充に向けて順調に進捗しております。
b.研究支援事業
2022年4月に吸収分割により、タンパク質解析国内トップレベルの実績・技術力を誇る㈱アンテグラルのバイオサイエンス事業を承継し、プロテオーム解析等を中心とした受託サービスを行っております。
2022年6月には、プロテオーム解析のさらなる強化のため、微量なタンパク質の変化が解析可能な「Olink Target」サービスを、国内で初めて開始いたしました。「Olink Target」サービスは、国内の研究機関、製薬企業等からの受注が順調に伸び、バイオメディカル事業における収益拡大に貢献しております。
さらに2023年2月には、新サービス「Olink Flex」を開始いたしました。「Olink Flex」は、お客様のニーズに応じてカスタマイズ可能なソリューションで、よりターゲットを絞ったタンパク質分析を行うことができます。
当セグメントにおける研究開発費は、