第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年3月1日~2024年8月31日)におけるわが国経済は、コロナ禍を乗り越え、インバウンド需要が回復し、経済活動が本格的に正常化の過程に入る一方で、円安の更なる進行や原材料・エネルギー価格の高騰、中国経済の先行き懸念、中東情勢の緊迫化、ロシアのウクライナ侵攻の長期化等、わが国経済を取り巻く世界情勢は依然として予断を許さない状況となっております。

このような状況の下、当社は、当社グループの技術と知識で持続可能な豊かな社会の実現に貢献すべく、社会の抱える様々な課題との関わりを常に意識し、グループ一丸となって持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。また、㈱東京衡機試験機においては役員体制の見直しを行い、原価管理を徹底しコスト低減を図るため相模原工場と豊橋工場の連携を強化するとともに、CAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの開発およびその受託解析・開発業務を行っている業務提携先の㈱先端力学シミュレーション研究所と連携して設計・見積り業務の効率化に向けたデータベースの構築などの事業拡大のためのプラットフォーム作りに取り組んでおり、2024年2月27日に公表した中期3ヵ年経営計画に則り、今後さらに成長していくための施策を進めております。

当社グループの主力事業は当社創業以来の試験機事業であり、これとあわせて「ゆるみ止め製品」のエンジニアリング事業を展開し、強固な収益基盤を確立していくことに注力しております。この二つのコア事業は産業の基盤と社会インフラの「安全・安心」を支える事業であり、社会に必要不可欠な製品・商品・サービスを提供する企業グループとして今後も成長していくために、顧客満足度の向上を目指して製品品質・サービスの向上に取り組むとともに、コア事業の発展が期待できる他社との業務提携や事業シナジー効果が期待できる分野への進出も検討してまいります。

また、当社は、2023年3月30日付で㈱東京証券取引所より、当社株式について特設注意市場銘柄(現在は「特別注意銘柄」に名称変更)の指定を受け、グループの役職員一丸となってガバナンス・内部管理体制を抜本的に改善し整備していくための改善措置・再発防止策の実行に取り組み、2024年4月1日に㈱東京証券取引所に内部管理体制確認書を提出しましたが、既に退任している当社の元取締役で㈱東京衡機エンジニアリングの社長を兼務していた者による外注先を介した製造委託料の水増し・キックバックの不正行為が発覚したことにより過年度決算の訂正を行いました。その後、2024年5月24日に、㈱東京証券取引所より、改善計画に関し各種社内組織や規程等の整備といった一定の対応が行われていることが認められたものの、内部管理体制に関して更なる対応を必要とする状況が認められるとして、特別注意銘柄の指定継続がなされました。これを受けて、当社は、内部管理体制の整備・運用に関して更なる取組みが必要な状況を踏まえ、改めて原因分析を行ったうえで、改善計画・再発防止策の具体的な内容および実施スケジュール等を見直し、再発防止に向けた改善措置を当社グループの役職員一丸となって計画に従って実施し、内部管理体制等の改善に向けた取組みを進め、2024年9月30日に内部管理体制確認書を東京証券取引所に再提出し、当該確認書に基づいた審査が実施されています。

当中間連結会計期間は、試験機事業につきましては、各種材料の評価試験、動力・性能試験等の各分野における業界トップレベルの品揃えを強みに、開発・設計・生産からメンテナンス・校正まで、技術と実績に裏付けられたワンストップソリューションを提供するとともに、業務提携先の㈱先端力学シミュレーション研究所と連携し、試験データの分析と試験プロセスの効率化・精度の向上といった試験機のデジタル化や、実測データと仮想データをデジタルツイン技術でコラボレーションすること等の提案も行い、自動車、鉄鋼、鉄道、産業機器等のメーカーや各種研究機関、学校、官公庁など幅広いユーザーからご支持を頂くことができました。

また、エンジニアリング事業につきましては、公共工事や都市開発を中心にゆるみ止め製品の販売は堅調に推移したものの、エネルギー関係からの受注が落ち込み、売上高・利益ともに減少しました。

以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高1,499,659千円(前年同期比12.7%減)、経常損失31,535千円(前年同期は112,357千円の経常利益)となりました。また、親会社株主に帰属する中間純損失は41,305千円(前年同期は59,822千円の親会社株主に帰属する中間純利益)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

①試験機事業

試験機事業では、新型コロナウイルス感染症の影響が収まり、国内企業の景況感は上向きになり設備投資意欲にも回復の動きが見られる中で、オーダーメイドの試験機を中心に受注・引き合いは堅調に推移したものの、前年同期に好調であった標準的製品の売上が伸び悩み、大型案件の期ずれが生じたこととあわせて、中期3ヵ年経営計画の初年度である2025年2月期は「事業拡大のためのプラットフォーム作り」の期と位置付け、デジタル化推進による業務の効率化等を進めていることなどから、売上高・営業利益ともに前年同期を下回りました。

以上の結果、試験機事業の売上高は1,274,131千円(前年同期比11.9%減)、営業利益は169,943千円(前年同期比19.6%減)となりました。

 

②エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、主力のゆるみ止めナット・スプリングについて、引き続き高速道路や橋梁、エネルギー関係等の社会インフラ向けや国内建設市場向けに製品の浸透と市場シェアの拡大に努めた結果、公共工事や都市開発関係で使用するゆるみ止め製品の販売は堅調に推移したものの、前年同期に好調であったエネルギー関係向け製品の受注・売上が落ち込んだことなどから、売上高・営業利益ともに前年同期を下回りました。

以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は214,505千円(前年同期比20.7%減)、営業利益は4,653千円(前年同期比94.3%減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

当中間連結会計期間末における総資産は3,229,693千円となり、前連結会計年度末に比べ435,129千円減少いたしました。

流動資産は2,188,360千円となり、前連結会計年度末に比べ411,095千円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少311,664千円、受取手形及び売掛金の減少130,438千円、電子記録債権の減少80,954千円、商品及び製品の増加58,632千円等によるものであります。

固定資産は1,041,332千円となり、前連結会計年度末に比べ24,034千円減少いたしました。これは主に建物及び構築物の減少7,681千円、繰延税金資産の減少18,019千円等によるものであります。

流動負債は1,054,445千円となり、前連結会計年度末に比べ327,155千円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の減少61,381千円、未払法人税等の減少101,181千円、契約負債の減少68,229千円、訂正関連費用引当金の減少53,560千円等によるものであります。

固定負債は675,176千円となり、前連結会計年度末に比べ87,705千円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少50,500千円、退職給付に係る負債の減少32,189千円等によるものであります。

純資産は1,500,071千円となり、前連結会計年度末に比べ20,268千円減少いたしました。これは主に利益剰余金の減少41,305千円、新株予約権の増加21,015千円等によるものであります。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ311,664千円減少し、644,984千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローの減少は197,520千円(前年同期は179,537千円の減少)となりました。これは主に売上債権の減少180,968千円の一方で、訂正関連費用引当金の減少53,560千円、棚卸資産の増加84,158千円、仕入債務の減少61,381千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローの減少は12,471千円(前年同期は250,374千円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6,160千円、無形固定資産の取得による支出5,503千円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローの減少は101,672千円(前年同期は46,397千円の増加)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出20,830千円、長期借入金の返済による支出74,285千円等によるものであります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対応すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、26,914千円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。