当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの経済活動正常化が進むなか、一部で足踏みが残るものの、個人消費の回復やインバウンド需要の増加が見られるなど、緩やかな回復傾向となりました。しかしながら、原材料・エネルギー価格の高騰や円安による物価上昇、海外景気の下振れリスク等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する靴・衣料品小売業界では、社会行事の再開や外出機会の増加による需要の伸びが見込まれる一方、更なる物価上昇や、実質賃金の伸び悩み等の影響による消費者マインドの低下が懸念されております。
このような環境下、当社グループは、専門店ならではの視点で日常の便利さを追求し、快適な生活を支援するプライベートブランド商品の開発、提案を行ってまいりました。
また、広告手法の見直しと効率化を図ることで売上拡大と経費削減に努め、不採算店舗の閉店遂行、業務効率の改善等に取り組むことで、利益確保に努めてまいりました。更に、実店舗以外の販売チャネル拡大のため、EC事業や卸売を含めた法人事業の強化を行い、安定した収益源の確保に努めてまいりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高48,854百万円(前年同期比1.6%増)、営業利益1,614百万円(同74.1%増)、経常利益1,829百万円(同70.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益1,588百万円(同91.2%増)となりました。
セグメント別の業績の概要は次のとおりであります。
<靴事業>
靴事業におきましては、単体の中期経営計画を策定し「Change(チェンジ)」と言う基本方針のもと、更なる成長に向け、「プライベートブランド商品の拡大」「店舗・業態別戦略」「デジタル販促強化とOMOの更なる推進」「販売チャネルの拡大」「業務効率の改善」「サステナビリティ経営の実践」をはじめとした、様々な施策に取り組み、靴専門店としてのサービス向上に努めてまいりました。
商品面では、主力プライベートブランド「セダークレスト」の、手を使わずに立ったまま履ける「スパットシューズ」が、発売開始から2年半で累計販売数100万足を超えるほどの大ヒット商品へと成長しました。ジュニアシリーズやサンダルシリーズ、安全靴シリーズなど、新たなラインナップを次々と発売し、また、テレビCMや雑誌タイアップをはじめ、SNS、動画配信等のデジタルマーケティングを組み合わせた販促により客層を広げることに成功し、更に、一度ご購入頂いた方にもその利便性の高さからリピートして頂くことで大ヒットへと繋がりました。他にも、プライベートブランド「フワラク」からは、ニット素材を使用し、ソフトかつ快適性を重視した「極ラクパンプス(リラックスシリーズ)」や、足の形状を記憶する中敷きと、美脚効果を意識したシルエットの「ウェッジスニーカー(スポーツシリーズ)」等、消費者の利便性を追求した、靴専門店ならではの商品を多数発売してまいりました。
販売促進では、「スパットシューズ」や「フワラク」のテレビCMを全国放映し、WEBサイトやSNSを活用して商品認知度を高めることで、新規顧客の獲得に努めてまいりました。また、WEB広告を活用して自社ECサイトへの流入を図るなど、デジタル販促を活用したマーケティング活動を推進し、集客力向上に努めてまいりました。更に、自社アプリ会員への入会促進を強化するとともに、自社アプリ会員向けのポイント増量キャンペーンを実施するなど、既存顧客へのメリットを高め、再来店促進に努めてまいりました。
出退店につきましては、5店舗を出店、13店舗を閉店し、当中間連結会計期間末の店舗数は878店舗(前連結会計年度末比8店舗減)となりました。
経費につきましては、人事効率の改善や管理費の抑制を行いましたが、賃金上昇やインフレ等の影響により増加が避けられない項目があり、販売費及び一般管理費は前年同期比2.6%増となりました。
以上の結果、靴事業の売上高は42,292百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は2,117百万円(同61.0%増)となりました。
<衣料品事業>
衣料品事業におきましては、「暮らしに役立つ商品と企業活動を通じて地域社会に貢献します。」という企業理念のもと、お客様の生活に密着したライフスタイル提案を行いました。
商品面では、夏の機能性商品として、プライベートブランド「NAVY」の「SA・RA・RI」シリーズを拡充し、猛暑対策として夏物売れ筋商品の追加投入、残暑対策として夏素材の初秋商品新規投入を行い、季節性商品へのニーズに対応してまいりました。更に、レディース部門再構築の一環として、株式会社ワールドとの協業によるブランド「HusHusH」の販売を開始し、客層拡大に努めてまいりました。
また、収益体質の改善に向けた取り組みとして、不採算店舗の閉鎖、持ち越し在庫の処分を進めると共に、徹底した仕入コントロールにより過剰なキャッシュアウトを抑制し、収益性の改善に努めてまいりました。
出退店につきましては、3店舗を出店、11店舗を閉店し、当中間連結会計期間末の店舗数は270店舗(前連結会計年度末比8店舗減)となりました。
経費につきましては、店舗数減少に伴う賃借料や人件費等の抑制により、販売費及び一般管理費は前年同期比14.5%減となりました。
以上の結果、衣料品事業の売上高は6,561百万円(前年同期比19.4%減)、営業損失は505百万円(前年同期は営業損失392百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産の状況)
当中間連結会計期間末における当社グループの総資産は、84,979百万円(前連結会計年度末比217百万円増)となりました。
流動資産は、56,396百万円(前連結会計年度末比58百万円増)となっております。これは、主として現金及び預金が26,799百万円(前連結会計年度末比194百万円増)、売掛金が4,245百万円(同910百万円増)、商品が23,159百万円(同737百万円減)、となったことによるものであります。
固定資産は、28,583百万円(前連結会計年度末比158百万円増)となっております。これは、主として投資有価証券が2,635百万円(前連結会計年度末比318百万円増)、繰延税金資産が4,447百万円(同157百万円増)、敷金及び保証金が8,982百万円(同152百万円減)となったことによるものであります。
(負債の状況)
当中間連結会計期間末における負債合計は、32,342百万円(前連結会計年度末比567百万円減)となりました。
流動負債は、19,821百万円(前連結会計年度末比447百万円減)となっております。これは、主として電子記録債務が11,151百万円(前連結会計年度末比761百万円減)、買掛金が3,201百万円(同372百万円増)、未払法人税等が708百万円(同93百万円増)となったことによるものであります。
固定負債は、12,521百万円(前連結会計年度末比119百万円減)となっております。これは、主としてリース債務が644百万円(前連結会計年度末比112百万円減)、長期預り保証金が459百万円(同22百万円減)、退職給付に係る負債が9,018百万円(同94百万円増)となったことによるものであります。
(純資産の状況)
当中間連結会計期間末における純資産は、52,637百万円(前連結会計年度末比784百万円増)となりました。これは、主として利益剰余金が44,245百万円(前連結会計年度末比1,069百万円増)、非支配株主持分が824百万円(同227百万円減)となったことによるものであります。自己資本比率は61.0%(前連結会計年度末比1.1ポイント増)となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,309百万円(前年同期比2,834百万円増)となりました。
これは主に、税金等調整前中間純利益が1,776百万円となったことや、棚卸資産の減少762百万円、仕入債務の減少335百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は1,941百万円(前年同期比1,633百万円増)となりました。
これは主に、定期預金の預入による支出が1,622百万円あったことや、投資有価証券の取得による支出が307百万円、敷金及び保証金の回収による収入が263百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は637百万円(前年同期比20百万円増)となりました。
これは主に、配当金の支払額が492百万円あったことや、リース債務の返済による支出145百万円があったことによるものであります。
この結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の中間期末残高は24,927百万円(前連結会計年度末比1,270百万円減)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。