当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善する中で緩やかな回復基調で推移しました。一方、長引く円安や原材料価格・エネルギーコストの上昇に伴い、生活必需品の値上げが続いており、個人消費の持ち直しの動きに足踏みがみられ、加えて不安定な国際情勢における地政学的リスクの高まりなど、懸念材料も多く、依然として先行き不透明な状況が続いております。
また、当社グループの取扱いの多くは、中国や東南アジアから日本への輸入貨物ですが、当中間連結会計期間では、為替相場が一時1ドル160円を超える円安水準となり、輸入サイドにとってコストが増大するなど、不利な状況が継続しております。それに加え、海上輸送では、紅海情勢に起因する需給の逼迫や世界の主要港での混雑、海上輸送の需要の高まりからコンテナの積載スペースに不足が生じるなどし、海上運賃も上昇基調にあります。
このような環境下、当社グループでは、スペースの確保と安定的な輸送サービスの提供に努めながら、ここ二年で減少が続いていたコンテナ取扱量、通関受注件数をグループが一丸となり回復させ、収益拡大を図るべく、国際貨物輸送を始め、通関や配送の受注獲得に向けた営業活動を推進してまいりました。また、検品・検針・加工業務といった輸出入の付帯業務や3PL(サードパーティー・ロジスティクス)案件の受注増加にも努め、さらには、デジタル戦略として、貨物検索サービスの機能拡充や子会社においても当社同様のデジタルサービスを提供するなどし、競争優位性をさらに高めるための施策を実施してまいりました。
当中間連結会計期間では、輸入環境が厳しい中、市場における日本への輸入貨物の荷動きに弱さが残る状況でしたが、当社グループでは、前述の取り組みが奏功し、日本への輸入貨物の取扱数量が前年同期比で増加することとなりました。また、円安の環境下で、日本からの輸出貨物の集荷も精力的に行ってまいりました。海上運賃の価格動向としても、当中間連結会計期間前半は、前年同期と比較し低い水準で推移しましたが、6月から上昇に転じ、営業収益を押し上げる要因となりました。
利益面では、海上運賃の上昇などにより売上総利益率が低下したことに加え、給与のベースアップなどにより、人件費を中心に費用も増加基調にありましたが、継続して様々な費用の見直しや削減、抑制も行いながら、可能な限りの利益創出に努めてまいりました。
これらの結果、当中間連結会計期間の営業収益は26,156百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は2,127百万円(前年同期比3.5%減)、経常利益は2,341百万円(前年同期比0.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,510百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
セグメント別の経営成績は次の通りであります。
①日本
当中間連結会計期間の前半では、前期一年を通じた海上運賃の下落の影響で前年同期と比較して運賃に価格差があり、且つ円安の進行も重なり、厳しい環境が続きました。また、後半では、運賃が上昇基調に転じたものの、不足するコンテナ積載スペースへの対応や円相場が乱高下するなどし、事業環境が激しく変化する状況にありました。
このような状況下で、当社グループは、収益の拡大に向けて、新規顧客の獲得に注力するとともに既存顧客の取引深耕を図るため、精力的に営業活動を展開してまいりました。
それにより、海上輸送の取扱コンテナ本数は、輸入で114,302TEU(前年同期比1.5%増)と前年同期を上回り、また、円安の状況下で輸出貨物の集荷にも注力し、輸出で9,223TEU(前年同期比32.0%増)と堅調な伸びとなりました。その結果、輸出入合計では123,525TEU(前年同期比3.2%増)となりました。また、通関受注件数も子会社での受注増加が寄与し、68,624件(前年同期比1.3%増)と前年同期を上回りました。
以上のことから、日本における営業収益は、22,242百万円(前年同期比1.8%増)となりました。また、セグメント利益は、6月以降の海上運賃の上昇による売上総利益率の低下と人件費などの増加により、1,710百万円(前年同期比10.0%減)となりました。
②中国
検品・検針の受注は、厳しい環境が継続しているものの、4月以降、日本向け貨物の取扱量が安定し始めたことで中国国内での輸送関連の収益も確保でき、さらには、円安に伴う円貨換算額の増加が収益をさらに押し上げる要因となりました。
その結果、中国における営業収益は3,236百万円(前年同期比8.8%増)となりました。また、セグメント利益は、売上総利益率の改善に加え、費用の削減や抑制にも取り組み、340百万円(前年同期比43.3%増)となりました。
③その他
ベトナムの子会社では、日本向け貨物の取扱いが回復傾向にあり、台湾の子会社でも、日本からの輸入貨物の増加等により収益機会が増加しました。また、ミャンマーの子会社では、輸送関連の収益が安定的に確保出来ており、検品・検針の受注も堅調に推移しました。加えて、円安に伴う円貨換算額の増加も追い風となって、営業収益は676百万円(前年同期比33.1%増)、セグメント利益は77百万円(前年同期比15.5%増)となりました。
(注)TEU(Twenty-foot Equivalent Unit、20フィートコンテナ換算)とは、海上コンテナの数量を表す単位で、20フィートコンテナ1個分を1TEUと計算します。
(資産)
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,663百万円増加し25,530百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,015百万円増加し21,984百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が785百万円、現金及び預金が738百万円、立替金が392百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ351百万円減少し3,546百万円となりました。これは主に、顧客関連資産が131百万円、投資有価証券63百万円、のれんが54百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ563百万円増加し6,586百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ693百万円増加し4,802百万円となりました。これは主に、買掛金が625百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ130百万円減少し1,784百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が43百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ1,100百万円増加し18,943百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益1,510百万円を計上した一方で、剰余金の配当により939百万円が減少したことによるものであります。また、為替換算調整勘定が487百万円増加したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ266百万円減少し、14,182百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの内訳は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は1,489百万円(前年同期比78百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益を2,334百万円計上したことのほか、仕入債務の増加540百万円、減価償却費294百万円、利息及び配当金の受取額220百万円、のれん償却額54百万円等の資金の増加要因に対し、法人税等の支払額760百万円、売上債権の増加670百万円、立替金の増加392百万円、持分法による投資利益81百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は1,055百万円(前年同期比949百万円増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出1,058百万円、有形固定資産の取得による支出64百万円等の資金の減少要因に対し、定期預金の払戻による収入58百万円等の資金の増加要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、支出した資金は1,107百万円(前年同期比244百万円減)となりました。これは主に、配当金の支払939百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。