第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

 

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の分析

 当社グループは第三次中期経営計画(2023年2月期から2025年2月期まで)において、①人的資本への投資、②製品開発のスピードアップ、③生産能力の増強、④販売網の拡充とアフターパーツの拡販、⑤サステナビリティ経営の推進を重点施策として取り組んでおります。2022年9月からセミノックダウン方式によりクローラーローダーの生産を開始した米国サウスカロライナ州の工場に続き、2023年9月に長野県小県郡青木村の青木工場におきまして、4トンから9トンのミドルクラスのショベルの生産を開始しております。当中期経営計画での生産能力目標を2024年8月末に達成し、既存の本社工場と合わせた生産能力は概ね1.5倍となりました。

 当中期経営計画の最終年度となる2025年2月期の中間連結会計期間(2024年3月1日から2024年8月31日まで)における当社グループの販売台数は、市場全体で建設機械の需要が減速しており、欧米ともに前年同期を下回りました。北米では油圧ショベルは好調に推移しましたが、ミニショベル及びクローラーローダーが伸び悩んだことにより、販売台数は前年同期をやや下回りました。なお、クローラーローダーにつきましては、買入部品の不具合のため、販売の一部が当第3四半期にずれ込んだ影響によるものであり、製品需要そのものは力強さを維持しております。欧州では低調な経済環境が継続し、建設機械のみならず全般において投資意欲が減退しております。ミニショベル及び油圧ショベルの需要は、国ごとに差はあるものの、総じて低調に推移しており、販売台数は前年同期を大きく下回りました。受注面では、米国の大手レンタル会社からの従来の受注タイミングが当期にずれこんだ影響で、当中間連結会計期間の受注高は973億1千1百万円(前年同期比11.5%増)となりました。当中間連結会計期間末の受注残高は、前連結会計年度末に比べ122億9千5百万円減少し、1,166億2百万円となりました。

 以上により、当中間連結会計期間の販売台数は前年同期を下回りましたが、円安影響と製品価格の値上げ等により、売上高は1,096億6百万円(同4.2%増)となりました。利益面におきましては、原材料価格の高騰や2023年9月に稼働開始した青木工場の減価償却費や労務費等の減益要因はあったものの、円安影響、製品価格の値上げ、及び製品構成や顧客構成の変化等の増益要因により、営業利益は248億6千7百万円(同46.5%増)となり、経常利益は231億8千7百万円(同35.8%増)となりました。親会社株主に帰属する中間純利益は、税金費用を63億3千3百万円計上したことにより、168億5千4百万円(同33.0%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

(日本)

 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められております。欧州では、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰により住宅需要が低迷しており、建設投資などの非住宅関連の建設工事需要も軟化しております。このような環境下、欧州ディストリビューター向けの販売台数は前年同期を大きく下回り、売上高は331億6千3百万円(前年同期比8.3%減)となりました。セグメント利益は、製品価格の値上げ、及び円安影響等により224億円(同79.8%増)となりました。

(米国)

 米国セグメントでは、住宅ローン金利と住宅価格の高止まり等により、新築住宅の着工件数は調整局面が継続していますが、人口増に対する慢性的な住宅不足を背景に、住宅に対する潜在需要は根強く、足元では金利引き下げの期待感から持ち直しの動きもみられています。このような環境下、油圧ショベルは好調に推移しましたが、ミニショベル及びクローラーローダーが伸び悩んだことにより、販売台数は前年同期をやや下回りました。なお、クローラーローダーにつきましては、買入部品の不具合により、当第2四半期で生産が停滞したため、販売の一部が当第3四半期にずれ込んだ影響によるものであり、製品需要そのものは力強さを維持しております。販売台数は減少したものの、製品価格の値上げ、及び円安影響等により、売上高は629億2千1百万円(前年同期比11.1%増)となり、セグメント利益は69億7千5百万円(同35.0%増)となりました。

(英国)

 英国セグメントでは、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げており、市場全体で建設機械の需要が減速しております。このような環境下、住宅関連工事で主に使用されるミニショベルの販売が引き続き低迷しております。販売台数が前年同期を大きく下回ったことに加えて、販売促進のための値下げを実施したこと等により、売上高は73億4千6百万円(前年同期比1.9%減)となり、セグメント利益は1億1千万円(同86.8%減)となりました。

 

(フランス)

 フランスセグメントでは、住宅ローン金利の高止まりとエネルギー価格をはじめとした生活費の高騰が住宅需要を押し下げており、市場全体で建設機械の需要が減速しております。このような環境下にあっても、ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は前年同期をやや上回り、売上高は61億3千2百万円(前年同期比26.0%増)となり、セグメント利益は5億3千3百万円(同2.5%増)となりました。

(中国)

 中国セグメントは、日本セグメントに向けた建設機械の部品の製造・販売が事業の大半であり、外部顧客への売上高は4千2百万円(前年同期比18.9%増)となり、セグメント利益は1億9千2百万円(同621.4%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ91億9千7百万円増加し、2,073億5千万円となりました。これは主に、現金及び預金が177億9千2百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が65億1千3百万円、棚卸資産が180億4千5百万円、繰延税金資産が15億7千1百万円増加したこと等によるものです。棚卸資産のうち、商品及び製品は142億2千8百万円増加し、440億4千8百万円となりました。これは主に、現地通貨建ての米英仏の販売子会社での在庫高を円換算したときの円安の影響に加え、紅海を迂回する海上輸送により物流に要する在庫期間が長期化したこと、及び販売拡大のために米国販売子会社の製品在庫を積み上げたこと等によるものです。

(負債)

当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ91億8千4百万円減少し、413億4千2百万円となりました。これは主に、買掛金が99億9千3百万円減少したこと等によるものです。

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ183億8千1百万円増加し、1,660億7百万円となりました。これは主に、利益剰余金が配当金の支払により75億4千3百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する中間純利益により168億5千4百万円増加したこと、及び為替換算調整勘定が90億8千2百万円増加したこと等によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ178億3千万円減少し、368億5千1百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により使用した資金は102億6千6百万円(前年同期は73億2千7百万円の獲得)となりました。

 これは主に、税金等調整前中間純利益231億8千7百万円の収入があったものの、棚卸資産の増加額118億6千万円、仕入債務の減少額137億5千9百万円、法人税等の支払額86億9千3百万円等の支出があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は10億7千9百万円(前年同期比36億4百万円減少)となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出13億2百万円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は75億5千8百万円(前年同期比28億6千4百万円増加)となりました。

 これは主に、配当金の支払額75億3千7百万円等の支出があったことによるものです。

 

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(7)研究開発活動

 当中間連結会計期間の研究開発費の総額は、10億1千6百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入、人件費、製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用です。また、投資資金需要の主なものは、製品の生産能力拡大、製造拠点の生産性及び品質向上、販売拠点の倉庫等の拡充のための設備投資です。

 当社グループの運転資金及び設備投資資金は、自己資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達を実施することとしております。

 なお、当中間連結会計期間末時点において有利子負債はありません。

 

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。