当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、経済活動の活性化が進み、雇用・個人消費の回復やインバウンド需要の増加等により景気は緩やかな回復基調を示す一方で、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れや中国経済の停滞が国内景気を下押しするリスクが懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が継続しております。当社が属する食品スーパーマーケット業界においては、エネルギー・原材料価格の高騰に起因した食品価格の上昇に伴う消費マインド低迷の影響を受けるとともに、人件費・電気料金等のコスト負担の増加、業種・業態を超えた競争環境の激化といった経営課題も継続するなど、予断を許さない状況にあります。
このような中、当社グループは、ブランドメッセージである“想いを形に、「おいしい」でつながる。”を具現化すべく、新たに策定した中期経営計画(2024年度~2026年度)で掲げた3つの基本戦略「事業構造の変革」「テクノロジーの活用を通じた付加価値の創造」「サステナビリティ経営の推進」に取り組んでおります。また、本年度新たに制定した「サステナビリティ基本方針」に基づき、これまで以上に地域社会への貢献度を高めつつ、持続的な企業価値向上を目指した取組みを進めております。
[国内事業]
営業面におきましては、時間帯に応じた品揃えや鮮度・出来たて商品の訴求といった基本の徹底に注力するとともに、デリカ商品の拡充や、冷凍食品の品揃え拡大に向けた冷凍ケースの入替を28店舗で実施するなど、成長カテゴリー商品の販売強化に取り組んでまいりました。食料品の値上げに伴う節約志向の高まりに対しては、火水曜市やお客さま感謝デーといった得意日の販促強化とともに、低価格・高品質な商品の提供に努める「トップバリュ」の展開強化に向けて、新商品・リニューアル商品の拡販、増量・値下げ商品の販売を進めたほか、食べきり・使いきりに適した小容量商品の品揃え拡充に取り組んでまいりました。さらに、イオンのトータルアプリである「iAEON」を通じたお得なクーポン配信など、デジタルを活用したお買い得情報の提供に努めたほか、株式上場20周年を記念したセールやキャンペーンを実施いたしました。また、生産性向上とサービスレベル向上の両立を目的に電子棚札を93店舗で導入したほか、キャッシュレスセルフレジ導入完了に続き現金フルセルフレジを33店舗に導入及び増設するなど、レジ精算の利便性向上やレジ関連業務の削減に取り組んでまいりました。加えて、日本気象協会が提供する気象予測データを用いた農産品の自動発注支援システムを活用し、発注精度の向上による在庫量の適正化を進め、より鮮度の高い商品の提供に努めるとともに、発注業務の負担軽減に取り組んでまいりました。また、新たな顧客接点を創出するため、商品を実際に手に取って選ぶ楽しさをお届けする移動スーパーの販路拡大に向けて、地域のご要望にお応えすべく新規12台を含む総計29台へと運行体制を拡充するとともに、既存コースの見直しを進めてまいりました。ネットスーパー事業につきましては、新規に2拠点を開設し総計28拠点体制となりました。ネットショップ事業につきましては、「しずおかを頂きます」と題し、静岡県が県産品に対して企画した「頂(しずおか食セレクション)」「ふじのくに新商品セレクション」選定商品を販売して、地産域消の推進に努めてまいりました。また、無人店舗「Maxマート」の新規出店を進め、総計71店舗体制へと拡大したほか、「Uber Eats」を利用した商品配達サービスの拠点を11拠点開設し、総計70拠点まで拡大するなど、地域の様々なシーンにおける買物機会の提供に取り組んでまいりました。
店舗展開におきましては、3月のマックスバリュ浜松新橋店(浜松市中央区)開設に加え、7月にネットスーパー・不二家ショップを併設したマックスバリュ大府横根店(愛知県大府市)を新規開設したほか、既存店舗の競争力を高めるべく計11店舗にて改装を実施いたしました。その結果、国内事業における店舗数は計241店舗となりました。
商品面におきましては、「じもの」(注釈1参照)商品に関する取組みとして、ローカルPB商品として「富士宮やきそば」を販売するなど、じもの食材を活用したトップバリュブランド商品の拡販を進めてまいりました。また、当社の推進する「ちゃんとごはん」(注釈2参照)の取組みでは、「ちゃんとごはんSTUDIO」を活用し食と健康に関する情報発信や料理体験の場の提供拡大に努めたほか、産学連携として行政との共同開発弁当を販売するなど、地域とのつながりの深耕と豊かな食生活の提案に取り組んでまいりました。加えて、「ちゃんとごはん」活動の一環として「健康キャンペーン」を複数の店舗で開催し、健康測定の実施や効果的な栄養摂取方法の案内などを通じて、地域のお客さまの健康保持・増進に努めてまいりました。
営業・商品面の取組みを推進する一方で、サステナビリティの観点から、環境・社会面の取組みにも注力してまいりました。人材の確保・育成に向けた取組みとして、多様な人材が活躍できるよう、新たな人事制度を導入するとともに、身だしなみの社内基準を変更するなど、一人ひとりの個性を尊重した働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいりました。また、近年の物価上昇から従業員の生活を守るべく、二期連続で大幅な賃上げを実施するなど、従業員満足の向上に努めてまいりました。物流面の取組みとして、2024年問題への対応を進めるべく、配送便体制の見直しや積載効率の改善などに取り組んでまいりました。地域社会への貢献に向けた取組みとして、地域の活動支援を目的に、ご当地WAON(電子マネー)のご利用金額の一部を各自治体に贈呈いたしました。また、令和6年能登半島地震の復興支援を目的として、石川県の商品を販売・PRする「石川県応援フェア」開催とともに、支援募金を実施いたしました。さらに、移動スーパーの稼働に合わせて、高齢者等の買物支援・見守り活動に関する協定を締結するなど、地域サービスの更なる向上と地域福祉の増進に努めてまいりました。加えて、新たに10店舗および本社にて太陽光発電のPPAモデルを導入し、再生可能エネルギーへの転換による持続可能な社会の実現に取り組んでまいりました。
これらの取組みの結果、当中間連結会計期間における全店売上高の前年同期比は104.0%、既存店売上高では102.7%となりました。なお、同対比に用いた数値は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用していない数値となります
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[連結子会社]
中国事業であるイオンマックスバリュ(広州)商業有限公司におきましては、お値打ち価格を訴求した火曜日の「超級火曜市」、美味しいごちそうメニューを提案する週末の「超級週末」の展開に加え、「10元均一」の実施による買上点数向上施策を基軸とした売上と客数の向上に取り組んでまいりました。また、地域コミュニティとの共同イベント実施に加え、セルフレジでの精算のお手伝いや駐車場までの持ち運びといったお客さまのサポートを行う「赤い帽子サービス」の活動推進など、地域密着の取組みを強化してまいりました。
国内にて惣菜や米飯等を製造・加工するデリカ食品株式会社におきましては、地産域消の拡大に向けたじもの食材を使用した商品の開発に加え、トップバリュ商品の開発製造に取り組んだほか、商品改廃と製造効率の改善に努めてまいりました。
これらの結果、当中間連結会計期間の成績は、営業収益1,880億76百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益62億77百万円(同8.6%増)、経常利益62億72百万円(同8.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益40億32百万円(同10.7%増)となりました。
(注釈1)「じもの」・・・当社では、地元で長年親しまれている商品や地元企業さまが生産する商品など、
それぞれの地域に根ざした商品を「じもの」と呼び、これら商品の販売活動を通じて、地域の活性
化を応援しております。
(注釈2)「ちゃんとごはん」・・・当社では、お客さまに健康でいきいきとした生活を送っていただくため、
バランスの良い食事、すなわち“ちゃんとごはんを食べる”ことを知っていただく機会として、
健康的な食生活のご提案や食事バランスを考慮したお弁当や惣菜の紹介などに取り組んでおり、
このような取組みの総称を「ちゃんとごはん」と呼んでおります。
当社グループは、「スーパーマーケット事業」と「その他事業(ミスタードーナツ、不二家のFC事業等)」の2つを事業セグメントとしております。
「その他事業」については、報告セグメントとして区分する重要性が乏しいため、「その他事業」を「スーパーマーケット事業」に結合した結果、報告セグメントが単一となるため、セグメント情報の開示は省略しております。
② 財政状態
(ア)資産
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比し、99億96百万円増加し、1,432億42百万円となりました。これは現金及び預金の増加8億54百万円、流動資産その他(主に未収入金)の増加59億49百万円、有形固定資産の増加29億97百万円などによるものであります。
(イ)負債
当中間連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比し、78億93百万円増加し、605億43百万円となりました。これは買掛金の増加95億6百万円、未払法人税等の減少25億59百万円などによるものであります。
(ウ)純資産
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比し、21億3百万円増加し、826億99百万円となりました。これは親会社株主に帰属する中間純利益の計上40億32百万円、剰余金の配当による減少19億11百万円などによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し13億68百万円増加し、421億46百万円となりました。
当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動キャッシュ・フローの合計をフリー・キャッシュ・フローとして定義しており、重要な資金の調達源として位置づけております。当中間連結会計期間にて獲得したフリー・キャッシュ・フローは34億33百万円(前年同期は88億48百万円 )となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、87億37百万円(前年同期は111億77百万円の収入)となりました。これは税金等調整前中間純利益61億11百万円、減価償却費24億88百万円、仕入債務の増加額94億61百万円、その他流動資産の増加額58億53百万円、法人税等の支払額38億88百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、53億3百万円(前年同期は23億28百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出50億97百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、20億83百万円(前年同期は19億61百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額19億11百万円、リース債務の返済による支出1億69百万円などによるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。