第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社は、2019年2月期から2024年2月期において継続して営業損失を計上し、2022年2月期には債務超過となり2024年2月期時点で依然として債務超過の状態が継続しておりました。これらの状況を踏まえて、事業構造改革の実施により事業面での安定化を図り持続的な収支の改善を図るとともに、財務面での安定化を目的とした様々な資本増強に向けた各種施策を検討・推進してまいりました。

 当社は、資本政策を推進し、2024年5月23日付「第三者割当によるA種種類株式及びB種種類株式の発行、第三者割当による第1回新株予約権の発行の払込完了、資本金及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ」に記載のとおり、第三者割当による増資等と取引金融機関等による債権放棄等が実行され、当中間会計期間末時点において債務超過を解消いたしました。

 しかしながら、前事業年度まで継続して営業損失を計上していることを鑑み、引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が継続して存在しているものと認識しております。

 当社は、2024年3月28日公表の事業再生計画を着実に実行し、当該事象の解消に向けて取り組んでまいります。なお、前事業年度まで継続的に取り組んだ事業構造改革の成果もあり、業績状況は着実に改善し、当中間会計期間において営業利益は1億1百万円を計上し、2014年2月期以来11期ぶりの黒字となりました。

 以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

 

 

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

 当中間会計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、雇用環境が改善するなかインバウンド需要もあり、緩やかに持ち直しております。一方で、2022年2月以来の不安定な国際情勢の長期化に伴う原材料価格・エネルギーコストの高騰、円安基調の継続による物価上昇等の影響により、個人消費の先行きは不透明な状態が継続しています。

 当アパレル・ファッション業界におきましては、景気の改善によって市場環境が回復しつつある一方、国内外の物価上昇が長期化していることや、円安による仕入原価の高止まり等の影響により、経営環境は引き続き厳しい状況で推移しました

 このような中、当社は、2024年3月28日付公表の事業再生計画を完遂することにより事業の再建を果たし、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、企業価値の向上に誠心誠意努めております。

 商品面では、中核商品である既製スーツ、ドレスシャツの着実な販売とともに、オフィスカジュアル商品の品揃えの充実や、オーダースーツの更なる売上拡大を図りました。

 特にジャケット・パンツを軸としたオン・オフで着回しの効く商品群を強化することにより、カジュアル関連商品の既存店売上高が前年を上回りました。またドレスシャツがビジネス関連の中核商品として安定した売上で推移する一方、働き方の多様化が進む中、オーダースーツと既製品スーツの既存店売上高は前年を下回りました。

 営業面では、接客が優秀なスタッフの販売手法を動画で全店配信し、接客レベルの向上を図りました。また5月より取り組んでいるスタイルコーディネータ―の運用強化によりセット販売率が上昇し、既存店の客単価が前年を上回りました。更にタカキューアプリの商品検索・お知らせ機能やお客様センターの機能拡充等、サービス向上に向け多面的な改善を実施しました。

 店舗面では、契約満了等により、エム・エフ・エディトリアルブルメール舞多聞店、タカキューイオン札幌元町店の2店舗を退店し、店舗数は当中間会計期間末で前年同期比6店舗減の118店舗となりました。

 以上の結果、当中間会計期間の売上高は46億9千1百万円(前年同期比5.6%減)となりました。利益面では、商品値引き販売等のコントロールに加え、コスト管理の徹底及び店舗数の減少により販売費及び一般管理費が前年同期に対して11.0%減少し、営業利益は1億1百万円、(前年同期は営業損失9千8百万円)、経常利益は1億6千6百万円(同経常損失5千5百万円)の増益となりました。更に金融支援による債務免除益14億9千9百万円を計上し、中間純利益は16億3千2百万円(同中間純損失9千3百万円)となりました。

 なお、当社は衣料品販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

 資産の部は、前事業年度末に対して1億2百万円減少し、55億7百万円となりました。主な要因は、流動資産で商品が1億8百万円、貯蔵品が1千8百万円、その他に含まれるその他の前払費用が9百万円、固定資産で有形固定資産が9百万円それぞれ増加し、流動資産で現金及び預金が3千6百万円、売掛金が1億5千3百万円、固定資産で無形固定資産が2千6百万円、投資その他の資産で敷金が4千万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 負債の部は、前事業年度末に対して27億5千3百万円減少し、47億7千2百万円となりました。主な要因は、固定負債で長期借入金が9億9千4百万円、繰延税金負債が3百万円増加し、流動負債で支払手形及び買掛金・電子記録債務が5億5千3百万円、短期借入金が29億9千4百万円、リース債務が2千4百万円、未払金が1千6百万円、未払法人税等が3千7百万円、資産除去債務が6百万円、変動報酬引当金が4千5百万円、その他に含まれる販売予約預かり金が4千1百万円、固定負債で資産除去債務が9百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 純資産の部は、前事業年度末に対して26億5千万円増加し、7億3千4百万円となりました。主な要因は、株主資本で利益剰余金が51億円、新株予約権が9百万円それぞれ増加し、株主資本で資本剰余金が24億6千8百万円減少したこと等によるものであります。

 

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に対して3千6百万円減少し、10億9千4百万円となりました。

 当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロ-)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、4億3千4百万円の支出(前年同期比9千4百万円の支出減少)となりました。これは税引前中間純利益16億6千6百万円、売上債権の減少1億5千3百万円による資金増、仕入債務の減少5億5千3百万、変動報酬引当金の減少4千5百万円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロ-)

 投資活動によるキャッシュ・フロ-は、5千7百万円の支出(前年同期比1億3千万円の支出増加)となりました。これは、敷金及び保証金の回収による収入4千万円、無形固定資産の取得による支出5千万円、資産除去債務の履行による支出2千8百万円、有形固定資産の取得による支出2千1百万円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロ-)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、4億5千5百万円の収入(前年同期比5億4千2百万円の収入増加)となりました。これは、利息の支払2千5百万円、リース債務の返済が2千4百万円、新株及び新株予約権発行による収入5億5百万円があったことによるものです。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)継続企業の前提に関する重要事象等について

当社は、2019年2月期から2024年2月期において継続して営業損失を計上し、2022年2月期には債務超過となり2024年2月期時点で依然として債務超過の状態が継続しておりました。これらの状況を踏まえて、事業構造改革の実施により事業面での安定化を図り持続的な収支の改善を図るとともに、財務面での安定化を目的とした様々な資本増強に向けた各種施策を検討・推進してまいりました。

当社は、資本政策を推進し、2024年5月23日付「第三者割当によるA種種類株式及びB種種類株式の発行、第三者割当による第1回新株予約権の発行の払込完了、資本金及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ」に記載のとおり、第三者割当による増資等と取引金融機関等による債権放棄等が実行され、当中間会計期間末時点において債務超過を解消いたしました。

しかしながら、前事業年度まで継続して営業損失を計上していることを鑑み、引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が継続して存在しているものと認識しております。

当社は、2024年3月28日公表の事業再生計画を着実に実行し、当該事象の解消に向けて取り組んでまいります。なお、前事業年度まで継続的に取り組んだ事業構造改革の成果もあり、業績状況は着実に改善し、当中間会計期間において営業利益は1億1百万円を計上し、2014年2月期以来11期ぶりの黒字となりました。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

(債権者間協定)

 当社は、2024年1月25日開催の取締役会において、株式会社みずほ銀行及びグロースパートナーズ株式会社(以下「GP」といいます。)と連名にて、株式会社地域経済活性化支援機構(以下「機構」といいます。)に対して、事業再生計画(以下「本事業再生計画」といいます。)を提出して再生支援の申込みを行い、同日、機構より再生支援決定の通知を受け、機構の再生支援手続きの中で、当社の企業価値の最大化を図って参りました。そのような中で、2024年3月28日までに、当社に対して金融債権を有する取引金融機関等の全てから、約15億円の債権放棄及び約5億円の債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ(DES))等の金融支援を含む本事業再生計画に同意する旨の回答がなされ、2024年3月28日付で、株式会社地域経済活性化支援機構法第31条第1項に定める買取決定等を頂きました。なお、機構の再生支援手続の中での取引金融機関等による金融支援の実行は、①金融商品取引法に基づく届出の効力が発生していること、②2024年3月25日付当社臨時株主総会において承認済みのA種種類株式及びB種種類株式の発行に関する規定の新設等に係る定款の一部変更の効力が発生していることを条件とされておりました。

 2024年5月23日付で、第三者割当によるA種種類株式及び新株予約権発行に係る払込みが完了するとともに、同日付で債権者間協定を締結し、全ての取引金融機関等による債権放棄及び債務の株式化等の金融支援が実行されました。

 詳細は、「第3 提出会社の状況 1株式等の状況」をご参照ください。

 

(シンジケーション形式のコミットメントライン契約)

 当社が金融機関と締結しているシンジケーション形式によるコミットメントライン契約(前事業年度末における借入残高11億5千万円)には、2022年2月期決算以降各年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を正の値に維持する旨の財務制限条項が付されております。

 前事業年度末において財務制限条項に抵触しておりますが、株式会社地域経済活性化支援機構より金融機関に対して回収等停止要請を行い応諾を得ております。

 なお、本契約につきましては、2024年3月28日付にて、各参加金融機関によるリファイナンス(借換)により全額弁済のうえ解消しております。

 

当該契約の概要は次のとおりです。

(1)組成金額           11億5千万円

(2)契約締結日          2021年6月4日

(3)コミットメント期限      2024年3月28日

(4)アレンジャー兼エージェント  株式会社みずほ銀行

(5)参加金融機関         株式会社みずほ銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社横浜銀行

(6)適用利率           全銀協TIBOR+2.70%

(7)担保・保証          無担保・無保証

(8)財務制限条項等        2022年2月期決算以降、各年度の決算期の末日における単体の貸借対照

表上の純資産の部の金額を正の値に維持すること。

なお、前事業年度末における判定は、免除いただくことについて金融機関から承諾を得ております。