第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

なお、継続企業の前提に関する重要事象等は、引き続き以下のとおり存在しております。

 

継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは2015年12月期より9期連続して営業損失を計上いたしました。当中間連結会計期間におきましては、第1四半期連結会計期間に引き続き営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益を計上することができましたが、依然として継続企業の前提に関する疑義を生じさせるような事象又は状況が続いていると認識しております。

第一種中間連結財務諸表提出会社である当社は、足元の業績改善を進めることにより当該状況を解消するために、以下の対応策を講じることにより、事業面につきましては収益の確保及び費用の削減を進めるとともに、財務基盤の一層の安定化に取り組んでおります。

 

事業・経営基盤の安定化

当社グループは、新たなIP(知的財産)をクリエイターと共につくりだし、持続的なグループ循環を実現する「クリエイター共創経営」を推進する中、前連結会計年度からIP投資育成事業、ライフスタイルIP事業、デジタルIP事業の3つの事業セグメントにおいて、それぞれ以下のことを目指しております。また、当連結会計年度から、投資先の企業価値の管理及びグループ経営基盤の強化を目的に、経営管理室の人員を増強し、管掌取締役を新たに2名就任させることでガバナンスの強化を図っております。

 

IP投資育成事業

IP投資育成事業につきましては、関連会社との共同事業やバックオフィス業務支援を通じて、投資先の価値を向上させ、戦略パートナーへの譲渡による投資リターンを目指すというIP投資育成事業の拡大を目指すにあたり、当連結会計年度から投資先の戦略的パートナーの開拓を目的とする「投資戦略室」を新設いたしました。そして、当中間連結会計期間までに、保有する営業投資有価証券(「米国法人エンハンス」株式)の一部を譲渡し、営業利益の計上を実現しております。今後も引き続き保有する営業投資有価証券の譲渡を実現させ、更なる収益獲得を目指してまいります。

 

ライフスタイルIP事業

ライフスタイルIP事業につきましては、株式会社ゆとりの空間は、当連結会計年度より掲げた①デジタルマーケティングの加速、②クリエイティブデザインの再活用、③データドリブンなアパレル受注販売の3つを意識した「販売戦略」、ユーザーデータを活用したマーケットイン型ものづくりを意識した「開発戦略」、そして、従来の案件に続くライセンスモデルの拡大を意識した「ライセンスビジネス」の3つの成長戦略の下、キッチン雑貨「share with Kurihara harumi」を全国の百貨店及びECサイト、アウトレット等で販売する他、料理家の栗原はるみ氏、栗原心平氏による企業様へオリジナルレシピの提供や共同開発等のプロデュース事業及び出版物のIPコンテンツ事業に力を入れてまいりました。

当第2四半期連結会計期間におきましては、従来から進めてきたお客様に買い物を楽しんでもらえる様な店舗づくり及び商品開発、自社ECサイトの新規会員獲得等を当第2四半期連結会計期間においても継続し、売上伸長に努めてまいりました。また、商品に関するプロデュース事業及び出版物IPコンテンツ事業におけるロイヤリティ収入も引き続き好調で、全体の売上高に寄与しております。加えて、購買、在庫管理の徹底を継続することにより売上原価、販売費及び一般管理費における主要コスト削減の効果が持続されており、当中間連結会計期間においても営業利益を達成することができました。今後も3つの成長戦略の下、更なる収益獲得を目指してまいります。

 

デジタルIP事業

デジタルIP事業につきましては、株式会社X-VERSEは、従来はグループ戦略を基にライセンスIPを使用したモバイルゲーム事業の他、エンターテインメントの潮流を見極め、多様なジャンルでの自社IP創出にチャレンジしてまいりました。近年は開発費の高騰や人気ライセンスIPの獲得競争が激化する等、売れるゲームの開発が困難になってきていることもあり、今後の成長戦略を追求していく中で戦略に沿わない既存事業であるライセンスIP事業については経営資源の投入を制限するという戦略的判断の下、第1四半期連結会計期間においてライセンスIP事業を譲渡いたしました。そして、当連結会計年度において「デジタル分野でのリストラクチャリング(再構築)を完了させ、自社IP創出へのチャレンジの推進」を成長戦略として掲げ、その第一歩として競馬専用SNSと競馬ゲームの融合したコミュニティを開発する株式会社クラウドホースファームを当第2四半期連結会計期間において吸収合併し、商号をNINJIN株式会社に変更しました。今後は、デジタルIP事業における成長の加速化を目指してまいります。

 

財務基盤の安定化

財務基盤の安定化につきましては、第1四半期連結会計期間において、従来から実現を目指していた保有する営業投資有価証券(「米国法人エンハンス」株式)の一部譲渡を実現することができ、約200百万円の収入がありました。そして、当第2四半期連結会計期間においても、同社株式の一部を50百万円で譲渡し、これまでに約250百万円の収入を得ることができました。この他、連結子会社である株式会社X-VERSEの既存ライセンス事業の一部を新設分割により設立した会社に移管し、その会社の株式を株式会社テンダへ譲渡したことによる譲渡代金50百万円の収入があり、当中間連結会計期間においても財務基盤の安定化を維持することができております。

しかしながら、今後の経済情勢等がこれらの施策に影響を及ぼし収益が計画どおり改善しない可能性があり、資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があるため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

なお、第一種中間連結財務諸表は継続企業を前提として作成されてり、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を第一種中間連結財務諸表に反映しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当社グループは、新たなIP(知的財産)をクリエイターと共につくりだし、持続的なグループ循環を実現する「クリエイター共創経営」を推進する中、企業実態を正確に表した3つの事業セグメント(①IP投資育成事業、②ライフスタイルIP事業、③デジタルIP事業)にて、企業価値の最大化を目指しております。

 

IP投資育成事業

当社は、2018年にIP創出を行うグループ企業へ転換し、複数の共同会社の設立を含むクリエイター投資を本格化させました。前連結会計年度からはIP投資育成事業として、関連会社との共同事業やバックオフィス業務支援を通じて、投資先の価値を向上させ、戦略パートナーへの譲渡による投資リターンを目指しております。当連結会計年度におきましては、第1四半期連結会計期間にて保有する営業投資有価証券(「米国法人エンハンス」株式)の一部を約200百万円で譲渡し、当第2四半期連結会計期間におきましても同社株式の一部を50百万円での譲渡を実現する等、グループIP創出からの投資収益化を開始しております。これにより、当中間連結会計期間における売上高は250,899千円(前中間連結会計期間は2,568千円)、営業利益は206,423千円(前中間連結会計期間は営業損失28,124千円)となりました。

 

ライフスタイルIP事業

ライフスタイルIP事業である株式会社ゆとりの空間は、雑誌やテレビ等のメディアでなじみ深い料理家の栗原はるみ氏が「暮らしを楽しむコツ」や「ライフスタイル」をオリジナルの食器やキッチン雑貨、調味料、エプロン、ウェア等にて提案する生活雑貨ショップ「share with Kurihara harumi」を全国の百貨店で展開する他、ECサイト、アウトレット等で同商品を販売してまいりました。また、同じく料理家である栗原心平氏によるこだわりの商品、厳選した地方の食品を販売するオンラインショップ等の「ごちそうさまブランド」事業にて新規顧客の獲得を推進。加えて、栗原はるみ氏、心平氏による企業様へのオリジナルレシピの提供や共同開発等のプロデュース事業や出版物のIPコンテンツ事業に力を入れております。当中間連結会計期間におきましては、従来から引き続きお客様に買い物を楽しんでもらえる様な店舗づくり及び商品開発、自社ECサイトの新規会員獲得等、売上伸長に努めております。また、商品に関するプロデュース事業及び出版物IPコンテンツ事業におけるロイヤリティ収入も引き続き好調で、全体の売上高に寄与しております。その結果当中間連結会計期間における売上高は1,420,633千円(前中間連結会計期間は1,418,931千円)となりました。また、従来から継続している購買、在庫管理の徹底により売上原価、販売費及び一般管理費における主要コスト削減の効果が持続されており、営業利益は9,322千円(前中間連結会計期間は営業利益29,006千円)となりました。

 

デジタルIP事業

デジタルIP事業である株式会社X-VERSEは、2024年5月31日付で株式会社クラウドホースファームを吸収合併し、同日付で商号をNINJIN株式会社に変更いたしました。

株式会社X-VERSEは、厳選したアニメ等のライセンスIPを使用してゲーム等のデジタルコンテンツのプロデュースを行ってまいりましたが、開発費の高騰や人気ライセンスIPの獲得競争激化等、売れるゲームの開発がますます困難になってきている中、グループ戦略に基づきライセンスIPを使用したモバイルゲームだけではなく、多様なジャンルでの自社IP創出にチャレンジしてまいりました。その中で、自社の成長戦略を追求し、戦略に沿わないライセンスIP事業に対しては経営資源の投入を制約していくという戦略的判断により、ライセンスIP事業を譲渡いたしました。当連結会計年度において「デジタル分野でのリストラクチャリング(再構築)を完了させ、自社IP創出へのチャレンジの推進」を成長戦略として掲げ、その第一歩として競馬専用SNSと競馬ゲームの融合したコミュニティを開発する株式会社クラウドホースファームを吸収合併し、併せて商号をNINJIN株式会社に変更し、デジタルIP事業における成長の加速化を目指してまいります。当中間連結会計期間としましては、譲渡対象外の既存ゲームタイトルの売上があり、売上高は9,129千円(前中間連結会計期間は362,908千円)、営業損失は20,266千円(前中間連結会計期間は営業損失12,913千円)となりました。

 

以上の結果、当中間連結会計期間の当社グループの売上高は1,685,161千円(前中間連結会計期間は1,784,978千円)、営業利益は48,898千円(前中間連結会計期間は営業損失145,996千円)を達成することができました。その他、営業外収益として「受取賃貸料」3,600千円等、営業外費用として「支払利息」11,770千円等を計上したことにより、経常利益は39,048千円(前中間連結会計期間は経常損失145,452千円)となりました。さらに、特別利益として株式会社X-VERSEのライセンスIP事業の一部を会社分割(新設分割)により設立した会社に移管し、その会社の株式を2024年1月に株式会社テンダへ譲渡したことによる「事業譲渡益」40,000千円を計上、特別損失として株式会社ゆとりの空間が運営する一店舗を閉鎖することに伴う「減損損失」9,623千円等を当第2四半期連結会計期間に計上した結果、税金等調整前中間純利益は68,892千円(前中間連結会計期間は税金等調整前中間純損失96,641千円)、中間純利益は67,330千円(前中間連結会計期間は中間純損失99,830千円)、親会社株主に帰属する中間純利益は71,464千円(前中間連結会計期間は親会社株主に帰属する中間純損失109,353千円)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末より209,581千円減少し、2,286,294千円となりました。これは主に、商品及び製品が34,065千円、のれんが30,737千円増加、現金及び預金が53,873千円、受取手形、売掛金及び契約資産が62,266千円、前払費用が115,263千円、その他のうち未収消費税等が15,755千円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末より285,618千円減少し、1,818,334千円となりました。これは主に、未払金が32,812千円、前受金が50,000千円、契約負債が126,910千円、その他のうち未払消費税等が26,573千円、長期借入金が56,822千円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末より76,036千円増加し、467,960千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益71,464千円の計上より、利益剰余金が増加したこと等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ53,873千円減少し、420,315千円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動による資金の増加は、16,305千円(前中間連結会計期間は23,661千円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益68,892千円、売上債権の減少額62,266千円による資金の増加、棚卸資産の増加額26,704千円、前受金の減少額50,000千円、未払金の減少額32,829千円、未払消費税等の増減額10,236千円等により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動による資金の減少は、9,320千円(前中間連結会計期間は19,647千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,763千円、無形固定資産の取得による支出4,475千円により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動による資金の減少は、68,609千円(前中間連結会計期間は36,918千円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出58,140千円により資金が減少したことによるものであります。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、業務提携、M&A等の新たな事業・サービスへの提携・出資及び設備投資等によるものであります。

当社グループの運転資金は、営業活動によって獲得した自己資金の充当を基本とし、資金需要等を考慮した上で外部資金調達手段として金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等により負債と資本のバランスに配慮しつつ調達することとしております。

資金の流動性管理にあたっては、適宜、資金繰り計画を作成して手元流動性等をモニタリングするとともに、取引金融機関との当座貸越契約の締結、長期借入の実施等により、将来に渡り必要な資金流動性を確保できるよう計画しております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。