第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

以下の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等には将来に関する記述が含まれています。こうした記述は現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定に基づくものであり、3「事業等のリスク」などに記載された事項等によって、当社グループの実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況がこうした将来の記述と異なる可能性があります。

 

(1) 会社の経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等

当社グループはグローバル自動車市場の成長とともに歩んできました。しかし、半世紀以上に渡って成長してきた世界の自動車市場は、2018年頃から調整局面に入りコロナの局面で一時的に大きく落ち込み、その後の回復も鈍いものとなっています。更に、全産業を横断しての環境負荷低減への要請は近年グローバル・イシューとなり、CASE※1革命の波と相まって自動車産業は大きな変革期に突入しています。こうした環境下、日本の自動車メーカーの世界進出に乗じて、自動車内燃機関の部品加工・組み立てにより規模を拡大してきたわれわれ自動車部品メーカーも、方針を見直す必要に迫られています。需要と供給の見通しが立てやすい計画的な産業構造は、先行き不透明なVUCA (Volatility, Uncertainty, Complexity, and Ambiguity)※2な環境に変化しています。一方で不確定性とリスクの高いアフター・コロナの世界では、新たな機会、社会のニーズが生まれ始めています。

 

このような経営環境の中、当社グループは、2021年5月に2021年度から2030年度にかけて以下を骨子とする中期経営方針を策定し、公表いたしました。

 

① 既存事業の深化

存続する自動車市場において、圧倒的な高収益・高品質基盤を確立する

② サーマル・ソリューション事業の拡大

サーマル・マネジメントのソリューションにおいて世界のトップ・プレーヤーとなり環境負荷低減に貢献する

③ 次世代コア事業の創出

自動車事業に囚われない新事業を創出する、地域経済に貢献する新たな事業を創出する

 

1939年の創業以来、安全要求の厳しい重要保安製品を、技術力と品質保証力、リーダーシップとチームワークを持って、お客様に提供し続けてきました。マーケット・インの問題解決能力、ステークホルダーに寄り添った安心の創出こそが、当社の強みです。われわれは次の30年間もこの強みを活かし、“第3の創業”とも言える大きな事業変革に果敢にチャレンジし、コロナ・ショックの後に来たるべき新しい世界において、さらなる成長を実現させていきます。

 

※1: CASE = Connected (つながる), Autonomous (自律走行), Shared (共有), Electric (電動) の略語

※2: VUCA = Volatility (変動性), Uncertainty (不確実性), Complexity (複雑性), Ambiguity (曖昧性) の略語

 

(2) 経営戦略等

 上述した中期経営方針のもと経営戦略を以下の3つの施策にまとめ、実行スピードを上げて取り組みます
 

 ①既存事業の深化

 2020年のコロナ・ショック以来、半導体不足をはじめとするグローバルサプライチェーンの破綻による自動車の生産減少や、世界的なインフレーションによる原材料価格や輸送費の高騰により、グローバル市場はかつてない困難な局面を迎えておりますが、かかる不確定要素の多い経営環境において、当社はサステナブルに利益を創出し続けるべく、製品単価の見直しおよび製品品質・納入の競争力ならびに中期的なコスト競争力の向上、開発リードタイムの短縮化により、内燃機関関連製品を主体とする既存事業における残存者利益の獲得を目指します。中長期的には世界の新車販売は中国及びアジアの成長によって増加基調を辿り、電動化の進展の拡大など変革期にありますが、当社の自動車用ブレーキ配管、燃料や冷却の配管、シートベルトなどの安全製品は次の10年間も一定の市場規模が存続すると見込んでおり、当社の配管製品の販売を拡大する中で英国やブラジル市場など多くのサプライヤーが撤退している国や地域において当社は高いシェアを誇り、既に成果を刈り取ることが出来ております。また、コロナ・ショックの対策で実行した構造改革により手に入れた収益体質を、更にレベルアップさせていきます。鍵となるのはDX、信頼性工学です。自社生産工程とサプライチェーンの状況をリアルタイムで完全に『視える化』し、一段上の高収益体質、高品質生産体制を確立します。

 ②サーマル・ソリューション事業

 当社は数十年に渡って、自動車用の熱交換器、冷媒配管を開発・生産・販売し、その実績が評価され、当社の冷却水用樹脂配管製品が、国内自動車メーカーの最新型BEVに採用されました。またBEV向け製品の他にも当社の冷却配管システムがスーパー・コンピューター『富岳』にも採用されたことを機に自動車分野の枠を超えて注目を集めており、高い冷却性能を必要とし水冷化が進むハイ・パフォーマンス・コンピューター向けに、問い合わせや受注実績が増えてきています。

 自動車の電動化に伴い、モーターやバッテリー、インバーターやPCUの市場が拡大します。これらのEVコンポーネントは、どれも高性能な冷却機能を必要とします。また、今後更に市場が拡大すると見込まれるデータセンターや通信機器にも、最適な冷却効率が求められます。われわれは配管から熱交換器まで一括して最適設計・生産ができる強みを活かし、新たな成長の柱として優先的に投資活動を進め、サーマル・ソリューション事業の拡大を狙います。

 

③ 新事業の創出

 当社グループは、コロナ・ショックの次に生まれる新たな社会的課題とニーズを見据えています。そのために過去10年間、研究開発活動とCVC投資を続けて参りました。バッテリー開発プロジェクトへの参画や熱エネルギー変換材料の開発、地域創生につながるモビリティーサービスなどにも着手しています。また先進的な技術を持つスタートアップ企業にも日頃から積極的に投資し、コロナ禍においても手は緩めず、2022年3月には独自のサービスと意匠性の高いデザインを強みとするEV用充電機器及びIoTサービスの企画・開発・販売を行うスタートアップ企業の㈱プラゴ社への投資を行いました。

 テクノロジーで社会の課題を解決する事業展開として多様な領域で研究開発活動を推進し、将来の成長への布石を打っていく方針で、こうした非自動車分野での成長についてはM&Aの実施も視野に入れております。事業領域を問わず、地域貢献・環境負荷低減に貢献するテクノロジーに対しては継続して基礎研究・投資を続けていきます。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、安定的な収益力の確保とグループ全体の業績向上のため、連結ベースの売上高及び自己資本利益率等の経営指標の拡充を目標としております。

0102010_001.png

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 

 以下は当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組を記載したものであります。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月20日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方及び取組

a. サステナビリティに関するガバナンス及びリスク管理

(ガバナンス)

グループ全体の活動を統括する「サステナビリティ推進担当役員」(経営企画本部長)がサステナビリティ連絡会(事務局)を通じ関係部門と連携しながら、サステナビリティに関わる活動方針の立案と重点活動テーマ案の設定、全社への浸透を図り、マテリアリティの特定及び具体的取り組みを推進しています。また、社内外のステークホルダーへの情報発信や対話などを通じて、当社に対する社会の期待や要請を把握し、取り組みに反映しています。

サステナビリティ推進担当役員は経営会議、取締役会へ適宜報告を行うとともに、取締役会からの指摘内容を関連部門、委員会にフィードバックし、マテリアリティの取り組み内容の改善・向上に生かしています。

 

0102010_002.png

 

(リスク管理)

当社は、予測不可能なこの時代においてあらゆるリスクの顕在化に対応できるよう、リスクマネジメント推進体制を強化しています。

2021年1月にリスクマネジメント専門の組織「BCP推進Team」を設立し、主に災害時の減災や被害拡大防止を目的とした初動プロセスの確立および防災設備の充実に注力してきました。2022年度より同Teamを「BCP推進室」へと格上げし、2023年度からは「リスク管理部」として、災害を含めた全てのリスクについて、当社グループ全社を対象としたリスク低減または移転の取り組みを進めています。

サステナビリティに関わるリスクの把握、評価、対策もリスク管理部他の関係部署、全社環境委員会の推進するISO14001等を通じ取り組んでおります。また、顕在・潜在リスクの特定および対策に関わる資源投入のため、当社グループ全社を適用範囲とする事業継続計画規程の整備を進めています。

今後はBCMS(事業継続マネジメントシステム)の認証取得も視野に入れ、リスクマネジメント推進体制をさらに強化していきます。

 

b. サステナビリティに関する戦略並びに指標及び目標

当社グループは、「革新的テクノロジーによる生産性向上」、「環境負荷低減に貢献」、「地域社会との共創と成長」、「働きがいと生きがいの両立」の4つをマテリアリティとして特定しております。これらのマテリアリティに関する戦略並びに指標及び目標については、現在検討中となっております。


(2) 気候変動への対応

当社ではサステナビリティ経営におけるマテリアリティの一つとして特定した「環境負荷低減に貢献」において気候変動への対応は重要な経営課題の一つとして認識しております。それに基づきTCFDの枠組みに沿った情報開示を当社ウェブサイトに掲載してまいります。

 

(3) 人的資本

a. 人財方針及び人財戦略

当社では「個人と企業の持続的な共成長を目指し、働きがいと生きがいの両立を実現する」ことを人財方針として掲げ、「自己変革への教育・育成の場づくり」※1「多様な人財の能力や個性を最大限発揮できる職場づくり」※2を推進しています。

一例としまして、2023年2月に取締役社長の竹田が自ら率先し約2週間の育児休業を取得し、個人と企業の持続的な共成長につながる好循環のきっかけとなっております。

(https://pdf.irpocket.com/C6584/NJLt/jP4U/p6s3.pdf)

当社では、こうした場を通して、当社の三桜DNAを受け継ぐ「ものづくり人財」を継続的に輩出し、個人、企業、地域社会の持続的成長と新たな価値創造を促進してまいります。

※1 人材育成方針、 ※2 社内環境整備方針

 

ローカル独自のアイディアとグローバルでの共有を通して、常により良い(職)場づくりができることが、当社の特長及び強みです。VUCAの時代を生き抜くために、このグローカル※1ネットワーク(19ヶ国83拠点※2)を最大限に活かせるよう、目下「人財戦略」を策定中であり、特にグローバル社員※3全員に求める共通のValueについては、グローバル社員自身が中心となって策定中です。策定完了次第、あらためてプレスリリースいたします。

※1ローカル+グローバルの造語、※2 2023年5月現在 ※3海外子会社含めた三桜グループ社員

 

b. 人財の多様性

人財の多様性をはかる指標として、女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女間賃金格差の3つの指標について、今後は目標値を定め人事施策を推進してまいります。

 

■女性管理職比率:5.5%(2023年3月末時点)

■男性育児休業取得率:42.9%(2022年度)

■男女間賃金格差:以下の通り(2022年度それぞれ男性を100とした場合の女性の給与水準)

 正規雇用労働者  76.8%

 パート・有期社員 81.7%

 全ての労働者      54.3%

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月20日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済的状況

当社グループは 日本、北南米、欧州、中国、アジアと事業をグローバルに展開しております。そのため、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の変動により業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)受注変動のリスク

当社グループの主要事業である自動車部品製造事業における主要得意先は国内外の自動車メーカーであるため、半導体の供給不足などに伴う各自動車メーカーの生産調整及び停止は当社の受注状況に影響を与えます。

また、今後EV化の加速等により、必要とされる部品が急激に変化した場合にも、当社グループの売上高及び利益が大きく変動する可能性があります。このような状況下において当社は得意先の生産調整にも耐えうる高収益・高品質基盤を確立する既存事業の進化、EV市場の拡大に対応するためサーマル・ソリューション事業の拡大、次世代コア事業の創出を骨子とする中期経営方針を策定し、新しい世界においてさらなる成長を実現させていきます。

 

(3) 為替レートの変動

当社グループの連結売上高に対する海外売上高の割合は、2022年3月期で78.5%、2023年3月期で80.6%を占めており、売上高、営業利益、資産等の中には、現地通貨建ての項目が含まれており、連結財務諸表作成時に円換算しております。従って通期の見通しにおいて想定した為替レートに対し、実際の決算換算時の為替レートに乖離が生じた場合、主に円高局面ではマイナスに、円安局面ではプラスに当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。

こうした為替リスクを最小限に軽減すべく、当社では状況に応じ為替予約等のヘッジオペレーションを行っております。ただし、期末日の極端な為替変動によりデリバティブ評価損等に影響を及ぼし、営業外損益が変動する可能性があります。

 

(4) 退職給付債務

当社グループの退職給付債務は、数理計算上で設定される割引率や年金資産の期待収益率等に基づいて算出されており、実際の結果に基づいて変更される可能性および年金資産の運用環境悪化等により数理計算上の差異が発生する可能性があります。これらの割引率、長期期待運用収益率等の低下および運用環境などの悪化は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製品の欠陥

当社グループは、国内および海外各地域の工場で、世界的に認められた品質管理基準に従って製造を行っておりますが、将来に渡り全ての製品において欠陥やリコールが発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については保険を付保しておりますが、大規模なリコール等につながる製品の欠陥によっては多額の追加コストが発生する可能性があり、製造物責任賠償保険が最終的に負担する賠償額を充分カバーできるという保証はなく、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社の製品は重要保安部品に位置付けられ、リスクが顕在化した場合には重要な影響が発生しうることを強く認識し、APQPの仕組みの大幅な見直し・改善等を通じて上記含む重要な品質問題の再発防止を図るための仕組みの整備及び運用を図っております。

 

(6) 原材料の市況

当社グループは、グループ外から原材料を調達しておりますが、原材料価格の変動等により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは原材料価格の変動については、得意先及び調達先と極力同期化を図ることで、その変動リスクを最小化するよう努めております。

 

(7) 地震等の自然災害及び事故災害

地震や気候変動の進行による大規模な台風、集中豪雨の発生等の自然災害及び想定外の事故のリスクが顕在化した場合、従業員、生産設備等の資産、サプライチェーンにおいて被害が発生する恐れがあり、当社グループの調達、生産、製品販売に支障が生じ、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。

当社グループでは、定期的にBCP等の対策の有効性を検討し、適宜見直すといったBCM活動を推進し、大規模自然災害及び想定外の事故に係るリスクの低減を図っております。また当社グループはこれらのリスクが顕在化した際には、人命の保護を最優先に、BCP等を実施し、資産を守りサプライチェーンを維持し、操業の早期復旧と継続を図ります。

 

(8) ITセキュリティ及び情報管理に関するリスク

当社グループは、事業遂行に当たり、多数の技術及び製造に関する情報、顧客の営業情報及び従業員等の個人情報を含む機密情報について情報システム上で管理を行っております。しかしながら従業員またはアウトソーシング企業の不注意または故意の行為、あるいは悪意をもった第三者による攻撃(サイバーアタック)により、システムの停止やセキュリティ上の問題が発生し、当社グループの製品の製造及び販売活動といった事業活動への悪影響、社会的信用の失墜、業績及び財務状況の悪化を招く可能性があります。

当社グループでは、これらの情報の外部への流出、データの改竄や消失・損壊を防ぐため、情報リテラシー向上のための社員教育・啓蒙を実施するとともに、外部専門家の活用を通じて社内情報システムの適切な運用・管理等に努めております。また、サイバーリスク保険に加入することで、サイバーアタックにより生じる費用負担や機会損失を最少化できるよう備えております。

 

(9) 国際的活動

当社グループは北南米、欧州、中国及びアジアにおいて、グローバルな生産、販売活動を展開しており、日本国外の占める割合は、年々高まる傾向にあります。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない制度、法制又は規制の変更

・不利な政治的又は経済的要因の発生

・移転価格税制等の国際税務リスク

・ストライキ等の労働争議

・社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる事業活動への悪影響

・テロ、戦争、疾病、その他の要因による社会的又は経済的混乱

 

なお新型コロナウイルス感染症拡大による影響について、2020年7月以降は生産台数の回復が継続している状況にありますが、新型コロナウイルスによる影響は不確定要素が多く、経済環境への影響が変化した場合には、当社グループが販売活動を行っている顧客およびその地域の感染状況により当社の販売は大きな影響を受ける可能性があります。また当社グループ従業員の感染や生産地域の感染状況により、従業員の自宅待機などに必要な期間が発生し、材料等調達先や物流面の問題により生産継続が出来なくなる可能性があります。当社グループでは、経営トップが定期的にWeb会議による工場及び地域の状況確認・情報収集、事業及び生産継続のための要員・設備・資金の維持管理等を行っております。また感染拡大防止と事業継続の体制維持の観点から、従業員等の健康・安全確保のため、対応要領を作成・周知し、部門によっては在宅勤務を推奨し、出社が必要な際もオフピーク出勤や車通勤を推奨し、感染リスクの低減に向けた諸施策を実施しております。

 

(10)ロシア・ウクライナ情勢の影響

当社グループは、ロシア国内に販売及び製造拠点を所有しております。対ロシア経済制裁措置に伴う材料供給停止による製品の生産及び販売停止等の状況には至っておりませんが、ロシア・ウクライナ情勢について、世界的かつ政治的な不確実性があり、現時点で同拠点に対する影響を完全に予測することは困難な状況です。

またロシア・ウクライナをめぐる国際情勢の変化が、特に当社グループの欧州のロシア以外の他拠点のエネルギー・原材料価格の高騰を引き起こすことにより当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

今回のロシアによるウクライナ侵攻に関しては、地域別に設置したR.O.C(Regional Operation Committee)を中心とする欧州地域の子会社を管理する枠組みの中で、取引先及び従業員の状況を含め最新情報の入手を行い、迅速かつ適切な対策の実施に取り組んでおります。なお当連結会計年度のロシア子会社の売上及び純資産に占める割合はそれぞれ0.4%及び1.4%です。

 

(11) 訴訟のリスク

当社グループは、事業を遂行するうえで、訴訟、規制当局による措置その他の法的手続に関するリスクを有しております。訴訟、規制当局による措置その他の法的手続により、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、または事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があり、かかる訴訟、規制当局による措置その他の法的手段は、当社グループの事業、経営成績及び財政状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社及び当社の米国子会社は、自動車部品に関する競争法違反行為により損害を蒙ったとして、カナダにおいて損害賠償等を求める集団訴訟等を提起されており、当該事項に関連して、罰金・損害賠償等の金銭的負担が生じる可能性があります。

 

(12) 事業投資のリスク

当社グループは、投資判断時に想定していなかった水準で、市場環境や経営環境が悪化し、事業計画との乖離等により期待されるキャッシュ・フローが創出できない場合、有形固定資産の減損処理などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社が保有する関係会社株式や当社連結子会社への貸付金の評価などに影響を及ぼす可能性があり、当社の財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、地域別に設置したR.O.C(Regional Operation Committee)が各現法の業績管理状況をモニタリングし、経営会議等で当社グループ各社の投資等の意思決定含む、今後の方向性や業績改善のための対策を検討しています。また中長期目線の事業の方向性については、取締役会運用基準に則り、取締役会にて審議・決議を行っています。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績及び財政状態の状況

当連結会計年度の当社グループを取り巻く経済環境について、国内は新型コロナウイルス感染症に対する防疫と経済活動の両立が進み、正常化の動きが更に進行しましたが、半導体供給不足等によるサプライチェーンの停滞、原材料価格の高騰と円安を要因とした各種消費財の値上げが続いており、景気の先行きへの懸念が増大しています。

海外につきましては、米国では労働需給のミスマッチ拡大による人件費上昇圧力に伴う良好な所得環境を背景に、消費主導の景気拡大が継続する一方で、インフレと金利上昇による今後の企業収益の悪化、金融機関の破綻に端を発した連鎖的な信用不安の拡大等、先行きの不透明感が強まりました。欧州は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー価格の高騰が物価上昇を招き、依然としてサプライチェーンの混乱も継続するなど先行きに対する不透明感が増しております。中国では新型コロナウイルスの感染症再拡大に対するゼロコロナ政策は緩和されましたが、急緩和に伴う感染拡大などによる個人消費の伸び悩み等により景気は減速基調となりました。アジアについては新型コロナウイルス感染症に対する制限緩和に伴い経済活動再開が進み、持ち直しの動きが見られ、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準まで景気が回復しました。

当社グループが属する自動車業界につきましては、前期からの世界的な半導体不足に代表されるサプライチェーンの混乱及び中国のゼロコロナ政策による上海ロックダウンの影響等に伴う第2四半期までの減産トレンドからは回復傾向にあるものの、依然として世界各国の拠点において生産調整が散発的に発生するなど全体として厳しい状況が継続しています。また急激な為替変動や原材料価格の高騰に加えロシア・ウクライナ問題の長期化によるエネルギー価格高騰の継続、さらにインフレを背景とする欧米諸国における人件費の上昇など先行きについて予断を許さない不安定な状況が続いています。

このような環境下において、当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。

 

a.経営成績

当連結会計年度の売上高については、半導体不足等によるサプライチェーンの混乱、上海ロックダウンに伴う生産活動の停止等による生産減からの回復及び円安による為替換算影響により、1,376億92百万円(前期比18.8%増)となりました。利益については、材料費や物流コスト等の変動費の高騰、インフレ及び人材確保難による人件費の悪化、ロシア・ウクライナ問題等を背景とする光熱費の高騰による固定費の増加に対して、下期以降価格転嫁が進み、利益水準は回復傾向にあるものの営業利益は13億21百万円(前期比39.5%減)、経常利益は14億90百万円(前期比42.3%減)と前期より減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益16億35百万円を計上するも、特別損失として製品保証引当金繰入額4億84百万円、損害賠償損失引当金繰入額3億29百万円及び構造改革に伴う特別退職金2億60百万円を計上したこと等により、9億7百万円の純損失(前年度は10億9百万円の純利益)となりました。

 

セグメントの業績は、以下のとおりであります。

(a) 日本

売上高は267億50百万円(前期比7.4%増)と半導体などの供給問題の解消が徐々に進んだことに加え、海外売上に対する為替影響により増収となりました。一方、下期以降価格転嫁が進み、利益は回復基調になりましたが、経済活動の正常化に合わせた活動再開により前期から固定費を増加させたことで、営業利益は8億65百万円(前期比29.7%減)と減少しました。

 

(b) 北南米

売上高は半導体不足による生産変動はあったものの前期比で実質生産増となったことに加え円安による為替換算影響により、420億97百万円(前期比33.1%増)と増加しました。利益面については、物流網の混乱、輸送費の高騰、材料費を含むインフレ、人手不足を背景とする人件費の上昇等による急激な固定費の増加に対し価格転嫁が遅れたことに加え北米における生産混乱に伴う固定費の悪化影響等により39億28百万円の営業損失(前期は17億29百万円の営業損失)となりました。

 

(c) 欧州

売上高は242億96百万円(前期比16.1%増)と半導体不足、ロシア・ウクライナ問題によるサプライチェーンの混乱を受けるも為替換算影響により増加しました。利益面は、樹脂材料費の高騰、インフレ及び人材確保難を背景とする人件費の上昇及び光熱費等の生産費の高騰等による急激な固定費の増加に対し、価格交渉の成果により通期では4億60百万円(前期比1,769.7%増)の営業利益と増益となりました。

 

(d) 中国

売上高はゼロコロナ政策に伴うロックダウンにより4月から5月にかけて生産減となるもその後挽回し、円安による為替換算影響も補い195億92百万円(前期比1.6%増)と増加しました。利益面は生産挽回に加え人件費抑制等の固定費コントロールを図ったことで回復傾向となったものの、上期における生産減の影響が大きく、営業利益は12億40百万円(前期比17.3%減)と減少しました。

 

(e) アジア

新型コロナウイルス感染症の拡大からの生産挽回による増産に加え、為替換算影響により売上高は249億56百万円(前期比29.9%増)と地域全体で増加しました。また材料費やエネルギーコスト高騰等の影響を受けるも、増収効果により営業利益も20億96百万円(前期比13.2%増)と増加しました。

 

b.財政状態

当連結会計年度末の総資産は972億80百万円となり、前連結会計年度末に比べて8億43百万円増加しました。主な要因は現金及び預金の減少5億67百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加1億84百万円、製品の増加5億1百万円、仕掛品の増加8億71百万円、原材料及び貯蔵品の増加9億7百万円、機械装置及び運搬具等の有形固定資産の増加18億47百万円、投資有価証券の減少45億31百万円等であります。

負債合計は573億69百万円となり、前連結会計年度末に比べて26億14百万円増加しました。主な要因は支払手形及び買掛金の減少2億21百万円、短期借入金の減少6億74百万円、未払金の増加10億83百万円、未払法人税等の増加7億40百万円、預り金、前受金等のその他流動負債の増加11億3百万円、長期借入金の増加7億53百万円、繰延税金負債の減少6億円等であります。

純資産は399億11百万円となり、前連結会計年度末に比べて17億71百万円減少しました。主な要因はその他有価証券評価差額金の減少30億22百万円、為替換算調整勘定の増加19億81百万円、利益剰余金の減少18億17百万円、退職給付に係る調整累計額の増加7億93百万円等であります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により56億80百万円増加、投資活動により44億46百万円減少、財務活動により29億7百万円減少などの結果、当連結会計年度末には128億37百万円(前連結会計年度末比5億67百万円の減少)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られたキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益21億78百万円(前期は31億91百万円)、減価償却費60億10百万円(前期は52億45百万円)、売上債権の減少11億78百万円(前期は22億91百万円の減少)、棚卸資産の減少1億95百万円(前期は31億51百万円の増加)、仕入債務の減少17億93百万円(前期は44百万円の増加)、未払金の増加7億65百万円(前期は13億8百万円の減少)、投資有価証券売却益16億35百万円(前期は53百万円)、法人税等の支払額11億26百万円(前期は19億69百万円の支払)により、前期と比較して23億41百万円増加して、56億80百万円となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出62億55百万円(前期は55億68百万円の支出)、投資有価証券の取得による支出18百万円(前期は1億67百万円の支出)、投資有価証券の売却による収入18億71百万円(前期は1億62百万円の収入)などにより、44億46百万円の支出(前期は56億52百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用されたキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出26億23百万円(前期は28億10百万円の収入)、長期借入れによる収入64億25百万円(前期は42億60百万円の収入)、長期借入金の返済による支出46億99百万円(前期は47億56百万円の支出)、配当金の支払による支出9億10百万円(前期は8億92百万円の支出)、非支配株主への配当金の支払による支出6億13百万円(前期は2億93百万円の支出)などにより、29億7百万円の支出(前期は8億13百万円の収入)となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

26,817

106.3

北南米(百万円)

42,305

134.7

欧州(百万円)

23,258

117.2

中国(百万円)

19,819

108.5

アジア(百万円)

25,566

132.6

合計(百万円)

137,765

120.8

 (注)1.金額は販売金額によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

26,138

106.0

884

59.1

北南米

41,614

131.4

3,602

129.3

欧州

23,463

117.5

495

36.6

中国

19,500

108.3

4,431

99.7

アジア

25,181

130.9

2,599

96.6

合計

135,896

119.7

12,011

94.1

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

前年同期比(%)

日本(百万円)

26,750

107.4

北南米(百万円)

42,097

133.1

欧州(百万円)

24,296

116.1

中国(百万円)

19,592

101.6

アジア(百万円)

24,956

129.9

合計(百万円)

137,692

118.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

自 2021年4月1日

至 2022年3月31日

当連結会計年度

自 2022年4月1日

至 2023年3月31日

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

本田技研工業株式会社

28,647

24.7

31,082

22.6

トヨタ自動車株式会社

14,486

12.5

18,682

13.6

日産自動車株式会社

12,776

11.0

14,737

10.7

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

当連結会計年度においては、半導体不足等によるサプライチェーンの混乱及び上海ロックダウンに伴う生産活動の停止等による生産減からの回復に加え円安による為替換算影響により売上高は1,376億92百万円(前年同期比18.8%増)と前期水準を上回りました。一方利益面については、原材料・資材価格の高騰、輸送費の高騰など世界的なインフレのインパクトを受けたコスト増が継続しました。またロシア・ウクライナ問題等を背景とする光熱費の高騰並びに北米の人員不足及びインフレに伴う人件費高騰、生産混乱による固定費増の影響により、営業利益13億21百万円(前年同期比39.5%減)と前期水準を下回る結果となりました。なおセグメント別売上高及び営業利益の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績及び財政状態の状況 a.経営成績」に記載しております。

<2023年3月期 連結営業利益分析>

0102010_003.jpg

営業外収益においては、前連結会計年度と比べ、20百万円増加し、10億98百万円となりました。

営業外費用においては、前連結会計年度と比べ2億53百万円増加し、9億29百万円となりました。

この結果、経常利益は前連結会計年度と比べて10億94百万円減少し、14億90百万円となりました。

特別損益においては、投資有価証券売却益を計上するも、特別損失として損害賠償損失引当金繰入額及び製品保証引当金繰入額等を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は、9億7百万円の純損失となりました。

 

b.財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績及び財政状態の状況 b.財政状態」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資金需要及び財務政策

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済、配当金の支払い等であります。また当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等により必要とする資金を調達しております。

当連結会計年度末現在、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は286億60百万円となっております。また当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、128億37百万円となっております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④経営目標の達成・進捗状況について

当社グループは2021年5月に中期事業方針を策定し、2030年度の売上高2,000億円以上、ROE(自己資本利益率)15%以上を長期的な経営指標の定量目標とし、現在の主力事業であるブレーキ配管事業及び燃料配管事業に加え、従来のコア技術を活かしたサーマル・ソリューション事業、更にアフター・コロナの社会に貢献できるようなMaasやエネルギーマネジメント関連の非自動車関連の次世代コア事業を拡大していくことを目指しております。これらの指標の進捗状況は、次のとおりです。

 

 

指標

2022年3月

(前連結会計年度)

2023年3月

(当連結会計年度)

売上高(百万円)

115,940

137,692

自己資本利益率(ROE)

2.8%

▲2.4%

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社ではステークホルダーの「安心と安全」、「環境保全」のために尽くすという企業理念、ミッション(使命)に基づき研究開発活動を行うことを主要方針とし、これに加えて2021年5月に発表した「中期経営方針」を実現する新技術開発を推進しております。

「サーマル・ソリューション」においては、2021年2月に発表したスーパーコンピュータ「富岳」に搭載された冷却配管技術を応用し、幅広い用途に向けての配管製品開発に取り組んでいます。この製品は、2022年4月に富士通株式会社より発表された「Fujitsu クラウドサービス HPC」を支える「PRIMEHPC FX1000」の冷却システムにも採用されています。

自動車用途に向けては「熱を受け取る、運ぶ、有効利用する」を目標とし、熱交換器、配管、熱電発電などの開発に取り組んでいます。この用途では、2022年5月にトヨタ自動車株式会社から発表されたSUV型BEV「bZ4X」に当社の冷却水用樹脂配管製品が採用されています。

「次世代コア事業」の創出においては、生産ソリューション事業を拡大すべくデジタル技術を使った「データの取得、可視化、分析して活用する」技術の開発に取り組んでおり、製造設備においては自動組み立てや自動検査など制御技術やセンシング技術の高度化に取り組んでいます。また、バッテリー及び熱電発電に関する独自の研究開発を続けており、これらの実用化の可否を慎重に検討しております。

2017年度から熱電発電素子の共同開発を進めている東京工業大学を始めとする世界の先端技術を取り入れた研究開発、スタートアップ企業への投資も継続しております。環境負荷低減に向けた開発も続けており、製造時のみならずLCA(※1)視点でのCO2排出量削減にも目を向け、部品のさらなる軽量化、低環境負荷材料への置き換えなどにも取り組んでいます。最近の成果としては精密微細加工とグリーンテクノロジーの発展を目標とする国際会議「15th MIRAI, 2022」において、弊社研究開発部の従業員がExcellent Paper Awardを受賞しました。

2021年7月からは、「窒化ガリウム(GaN)半導体基板の加工サービス」の事業を開始しております。この加工技術はGaNだけでなく窒化アルミニウム(AlN)や炭化ケイ素(SiC)などの難加工材料にも応用が可能です。省エネルギー半導体デバイスの普及、ひいては低炭素社会実現への貢献にも目を向けながら、次世代のコアとなるような大きな事業に発展させるべく取組んでいます。

※1 Life Cycle Assessment: 資源の採掘から製品が廃棄・リサイクルされるまでの評価

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は19億58百万円であり、セグメント別の研究開発費は以下のとおりであります。

セグメントの名称

研究開発費(百万円)

日本

1,958

1,958