1 【内部統制報告書の訂正報告書の提出理由】

2023年6月23日に提出いたしました第74期(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)内部統制報告書の記載事項に誤りがありましたので、金融商品取引法第24条の4の5第1項に基づき、内部統制報告書の訂正報告書を提出するものであります。

 

2 【訂正事項】

3 評価結果に関する事項

 

3 【訂正箇所】

1.訂正の対象となる内部統制報告書の提出日

2023年6月23日

 

2.訂正の理由

2023年6月23日に提出した内部統制報告書の「3 評価結果に関する事項」に、当社の財務報告に係る内部統制は有効である旨の評価結果を記載しておりましたが、開示すべき重要な不備があり、内部統制は有効でないと判断したことから訂正することといたしました。

 

3.財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正するに至った経緯

当社の連結子会社であるファインシンターインドネシア株式会社(以下「FSI」といいます。)において、2020年3月期から2024年3月期までの棚卸資産の不適切な会計処理により、実態と相違がある資産計上が行われている疑いがあることが判明したため、2024年5月23日、当社とは利害関係を有しない外部の弁護士が委員長を務め、その他の外部専門家を含む委員で構成される特別調査委員会(以下「本特別調査委員会」といいます。)を設置し、本特別調査委員会によって事実関係の調査、本件に類似する事象の有無及び存在する場合の事実確認、調査の結果判明した事実が財務諸表に与える影響の調査、本件の原因分析及び再発防止策の提言、件外調査が実施されました。当社は、2024年9月28日に受領した調査報告書の内容を確認した結果、FSIにおいて、2020年1月から2024年3月までFSI代表取締役社長の指示により、FSI生産管理部にて数量を水増しした棚卸データが作成され、棚卸資産が過大に計上される不適切な会計処理があったことが判明しました。また、当社国内工場において製造されていた部品の一部について、販売予定が無くなったにもかかわらず、複数年にわたって棚卸資産として資産計上されたままとなっていたこと(以下「他件事案」といいます。)も調査の中で判明しました。

当社は、これらの不正が生じ、またそれを適時に発見できなかった主な原因として下記を認識しております。

 

① 本件在庫過大計上を行うに至ったコンプライアンス意識の問題

② FSI前代表取締役社長の指示に対して牽制機能が働かなかったこと

(ア)現地スタッフから日本人駐在員に対して意見しづらい関係性

(イ)日本人駐在員相互間の牽制機能の乏しさ

(ウ)FSIにおける在庫数量の確認に関する制度上の牽制機能の脆弱さ

③ 当社グループ内の黒字化に対する強いプレッシャー

(ア)目の前の黒字化へのこだわり

(イ)親会社から子会社に対する一方通行の関係性

④ 当社内における目の前の黒字化への焦り

⑤ 「NO」と言いづらい環境

⑥ 在庫の取扱いに関する社内規程・運用の不十分さ

⑦ 担当者の硬直化による牽制機能の弱体化

 

以上の原因より識別された不備が、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断しました。

 

 

当初の内部統制報告書における「2 評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項」に記載の全社的な内部統制の評価範囲は、金額的及び質的影響の重要性を考慮して決定した当社及び連結子会社3社を対象としておりましたが、FSIは評価の対象外でした。また、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲の選定については、各事業拠点の前事業年度の売上高(連結会社間取引消去後)の金額が高い拠点から合算していき、前事業年度の連結売上高の概ね2/3に達している2事業拠点を「重要な事業拠点」として評価の対象としておりましたが、上記と同じく前年度を踏襲する評価範囲の決定方法に基づいていたためFSIは評価の対象外でした。従いまして、内部統制の評価範囲の決定プロセスにおいて、海外に所在する事業拠点に対する管理体制や長期間評価していなかった拠点であること等を踏まえたリスクの識別および評価が不十分で、適切ではなかったものと判断しております。

また、他件事案の内部統制の評価においても、前年度踏襲の形式的な作業となっていたため、当社の決算財務報告プロセス(棚卸資産(通常品)の評価)において、本来会計実務として行うべき滞留品の評価が漏れていること、また当社の全社的な内部統制に不備が生じていることを検出することが出来ませんでした。

これらの理由により、当該開示すべき重要な不備を当該是正の対象となる内部統制報告書に記載することができませんでした。

 

4.訂正箇所及び訂正の内容

訂正箇所は  を付して表示しております。