第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

 新型コロナウイルス感染症については第5類に移行となり、今後、社会活動・経済活動の正常化が一層進むものと思われますが、ロシア・ウクライナ情勢、中東情勢の緊迫化などによる原材料・エネルギー価格の高騰、景気後退が懸念され、景気の先行きは引き続き厳しい状況が続くものと思われます。

 このような環境の中、当社におきましては、ワークウェアとしての機能性とデザイン性を兼ね備え、かつ、価格訴求力のある商品の開発・積極的な市場への投入に注力するとともに、SDGs、サステナビリティに対応した商品を積極的にPRし、売上・利益の拡大に努めてまいります。広域認定制度を活用した使用済商品の回収再資源化を推進し、循環型社会への対応を進めてまいります。また、社会課題においては、物流倉庫への太陽光発電の導入や、LED照明への切り替えなどについては、2030年までには完了させるなど、SDGsへの対応を進めてまいります。また、取り組み範囲を徐々に拡大するとともに、社会課題の解決に積極的に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

・サステナビリティ全般

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティの推進を重要な経営課題と認識しており、特に「脱炭素」、「環境」、「人権尊重」をキーワードに、業務本部経営戦略部において、マテリアリティ(重要課題)の抽出、特定、課題解決への取り組みについて検討を行い、取締役会にてサステナビリティ関連のリスク及び機会の管理状況、重要課題への対応状況の監視・監督・議決を行うガバナンス体制を構築しております。第64期においては、13回開催された取締役会のうち、12回でサステナビリティ関連の内容を含む議題(太陽光発電の導入、使用済商品の回収再資源化への対応、サプライチェーン全体での人権への対応、人材育成)が付議、報告され、重要課題についての監視・監督、進捗状況の確認を行っています。また、監査役は、取締役会に同席し、サステナビリティ関連のリスク及び機会・重要課題に対する取締役会の対応を監査しています。

 

(2)戦略

 当社グループは、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、事業活動とSDGsをはじめとした社会課題との関連性を整理し、「脱炭素」、「環境」、「人権尊重」の3つのキーワードを基本として、マテリアリティ(重要課題)を抽出しました。マテリアリティ(重要課題)の解決への取組として、「JICHODO SDGs SPIRIT」を立ち上げ、積極的に対応を進めることにより、社会から必要とされる企業として、企業価値の向上を図ってまいります。また、以前から行っているISO14001における活動についても、引き続き、全社一丸となって取り組んでまいります。なお、社会課題の解決と当社グループの持続的成長を両立させるために策定したマテリアリティ(重要課題)とそれぞれの対応状況は以下のとおりであります。

キーワード

マテリアリティ(重要課題)

対応状況

脱炭素

・太陽光発電の導入、LED照明への切り替え等による省エネルギーの推進

・太陽光発電の導入に向け、見積りを取得し、業者の選定を行っています。より効果のある活動を行うため、曲がる太陽電池(ペロブスカイト太陽電池)など、新しい技術の情報収集に努めています。また、コストダウンの観点からも全社的に節電に努め、省エネ活動を推進しています。

・健康配慮型商品の開発・販売促進

・気温上昇に対応して、熱中症対策商品、電動ファン付ウェア「空調服」の商品開発・販売を強化しております。

・「SDGs未来都市」との連携推進

・2023年5月に本社所在地の福山市が「SDGs未来都市」に認定され、福山市が推進する「SDGs未来都市計画」にどのような形で協力、連携できるか、検討を進めています。

 

 

キーワード

マテリアリティ(重要課題)

対応状況

環境

・環境配慮型商品の開発・販売促進

・植物由来のPET繊維を使用した商品など環境に配慮した商品の開発・販売促進に努めています。

・販促物の見直し、段ボールケース再利用、DX推進等による省資源推進

・商品カタログに使用する用紙を見直して軽量化・減量化し、入荷時の段ボールケースを出荷時にも再利用する比率の向上に努め、取引先にもご理解、ご協力頂いて、伝票類の電子化を推進し、省資源に努めました。

・使用済商品の回収再資源化の推進(広域認定制度の活用)

・2023年11月に、蝶理(株)との共同申請により、ユニフォーム製品の広域認定制度の認定を取得しました。使用済商品の回収再資源化により、廃棄物の削減、循環型社会の推進に努めてまいります。

・不良品等の廃棄削減

・納品前の検査を徹底し、不良品等の削減に努めるとともに、発見された不良品については、極力、補修して、正規品への格上げを図り、不良品等の廃棄削減に努めました。

人権尊重

・サプライチェーンにおける強制労働・児童労働の撲滅

・自重堂人権方針を制定し、ホームページに掲載いたしました。協力工場へ周知徹底し、サプライチェーンにおける強制労働・児童労働の撲滅に努めてまいります。

・ジェンダー平等への対応推進

・女性管理職の登用推進を検討しており、第65期より、女性管理職を登用しています。

・男女共用企画商品の充実

・女性向けサイズの男女共用企画商品の充実を図りました。

 

(3)リスク管理

 当社グループにおいては、サステナビリティに関するリスク及び機会については、業務本部経営戦略部において、会社全体の業務工程ごと、また、SDGs17項目への対応の視点からリスク及び機会を抽出し、抽出されたリスク及び機会について、当社事業への影響、各ステークホルダー(株主・投資家、取引先、従業員、地域社会、環境)への影響を考慮してスコアリングを行い、重要課題案を策定しています。抽出されたリスク及び機会、スコアリングの状況、策定された重要課題案について、取締役会で報告が行われ、取締役会において、当社グループが取り組むべき重要課題を決定し、課題解決に向けた各施策に取り組んでいます。

 

(4)指標及び目標

2023年度において、サステナビリティに関する取組み方針を設定し、指標及び目標の設定について検討して参りました。重要課題について、目標を設定し、目標の達成に向け、取り組んでまいります。

マテリアリティ(重要課題)

指標

目標

・太陽光発電の導入、LED照明への切り替え等による省エネルギーの推進

温室効果ガス排出量の削減

(第64期温室効果ガス排出量586tCO2)

前年比3%減

・販促物の見直し、段ボールケース再利用、DX推進等による省資源推進

 

 

・使用済商品の回収再資源化の推進(広域認定制度の活用)

 

 

・不良品等の廃棄削減

 

 

・「SDGs未来都市」との連携推進

 

 

・健康配慮型商品の開発・販売促進

サステナビリティ対応商品の販売比率の上昇

販売比率22%以上

・環境配慮型商品の開発・販売促進

(第64期サステナビリティ対応商品販売比率

 

・男女共用企画商品の充実

 20%)

 

・サプライチェーンにおける強制労働・児童労働の撲滅

協力工場への周知徹底

・ジェンダー平等への対応推進

女性管理職比率の上昇

(第64期女性管理職比率0%)

女性管理職比率

10%以上

 

・気候変動

当社グループは、気候変動が及ぼす影響を重要な経営課題と捉え、「脱炭素」を重要課題のキーワードとして、温室効果ガス排出量の削減など、脱炭素に向け取り組んでいます。

(1)ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般のガバナンスに組み込まれております。詳細については、「・サステナビリティ全般 (1)ガバナンス」をご参照ください。

 

(2)戦略

気候変動に関するリスクと機会についは、業務本部経営戦略部を中心に全社的に検討を行っております。事業活動、財務状況に影響を与える気候関連のリスクと機会の特定にあたり、脱炭素社会に向けた2℃シナリオと、化石燃料に依存した4℃シナリオを考慮し、当社に影響を与える可能性のある様々なリスク及び機会を抽出・分析・整理しました。主なものは以下のとおりです。

 

 

 

リスク/機会

対策

移行

リスク

規制

炭素税の導入、エネルギーコストの高騰

省エネの推進、太陽光発電設備導入

市場

化石資源由来原料の調達コストの増加

環境配慮型商品の開発強化・販売促進

 

循環型社会への対応遅れによる機会損失

広域認定制度を活用した商品回収再資源化の促進

評判

気候変動問題への取り組み評価の厳格化

省エネの推進、太陽光発電設備導入

環境配慮型商品の開発強化・販売促進

物理 リスク

急性

災害の激甚化による供給網の寸断、販売機会ロス

生産拠点の分散化、新規工場開拓強化

慢性

気温上昇による売れ筋の変化

環境配慮型商品の開発強化・販売促進

機会

カーボンニュートラルに貢献する商品の需要増加

環境配慮型商品の開発強化・販売促進

循環型社会への対応要請の増加

広域認定制度を活用した商品回収再資源化の促進

気温上昇による熱中症対策商品の需要増加

健康配慮型商品の開発強化・販売促進

 

(3)リスク管理

気候変動に関するリスク管理は、サステナビリティ全般のリスク管理に含めて管理しております。詳細については、「・サステナビリティ全般 (3)リスク管理」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

気候変動に関する指標及び目標は、サステナビリティ全般の指標及び目標に含めて管理しております。詳細については、「・サステナビリティ全般 (4)指標及び目標」をご参照ください。

 

・人的資本/多様性

(1)戦略

 当社グループでは、中長期的な企業価値の向上において、人材確保や人材育成の重要性を認識し、新卒採用に加え、女性の登用を含む多様な人材の確保を意識して、積極的に採用活動に取り組んでいます。女性の登用については、「採用者に占める女性の割合を50%以上とする」、「女性社員の育児休業取得率を100%とし、これを維持する」との目標を掲げ、女性社員が働きやすい環境の整備に努めています。

 

(2)指標及び目標

 当社グループにおいては、人的資本・多様性について、次の指標により目標を設定し、取り組んでいます。

 

目標

実績

採用に占める女性の割合(正社員・2024年

50

74

女性社員の育児休業取得率2024年

100

100

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)特定の地域への生産の依存について

 当社グループは、衣料用繊維製品の製造・販売を主な事業内容としておりますが、その製品の多くが海外拠点において生産されております。現在海外生産拠点の分散化を推進してはおりますが、現状では、中華人民共和国、ミャンマーに集中しております。当該国における何らかの要因により生産活動に支障が生じた場合には、他地域への生産の振替を行う必要が発生いたしますが、振替がスムーズに行えなかった場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)為替変動について

 当社グループは輸入仕入比率が高く、仕入価格は直接又は間接的にUSドル及び人民元と連動していることから、為替変動の影響を受け仕入コストが変動する要因となります。このため、為替予約取引によりリスクヘッジを行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できるものではないため、為替の動向により当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)デリバティブ取引について

 当社グループにおきましては、輸入取引に係る為替変動のリスクに対応するため、デリバティブ取引を実施しております。デリバティブ取引については、時価による損益処理を行っているため、各期末における為替レートや日米金利差等により評価損益が計上され、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)棚卸資産等の評価について

 当社グループにおきましては、需要予測による見込み生産を行っております。過去の実績や市況の動向などを勘案し、生産量を算定しておりますが、市況の急激な変化や天候不順などの理由により見込み違いとなる可能性があります。その結果、棚卸資産の増加や、見切り販売による利益率の低下などにより経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)株式保有について

 当社グループは、金融機関や販売または仕入に係る取引会社の株式を保有しているため、株式市場の価格変動リスクを負っております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2023年7月1日~2024年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会経済活動の正常化が進行しました。一方、ウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化、エネルギー・原材料価格高騰の長期化や、中国をはじめとする海外景気の下振れなどによる、国内景気への影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 このような状況のもと当社グループにおきましては、持続可能な社会実現を経営の重要課題と認識し、「JICHODO Field Message Green(ジチョウドウフィールドメッセージグリーン)」や「Z-DRAGON GREEN(ジィードラゴングリーン)」といった、SDGs、サステナビリティを意識した環境配慮型商品の展開を強化し、ユーザー企業様のSDGsへの取り組み、環境活動をサポートするよう努めてまいりました。2023年11月には、自社製品が廃棄物となったものを広域的に適正に処理するために地方公共団体ごとの認可が不要となる特例制度である環境省の「広域認定制度」の認定を新たに取得し、循環型社会実現に向けた対応を進めてまいりました。地球温暖化により年々猛暑日が増加する状況において、快適な労働環境を維持するための熱中症対策商品電動ファン付ウェア「空調服」など、働く人の健康に配慮した商品の販売強化に努めました。更には、女性の活躍をサポートするべく、男女ペア企画商品、女性向けサイズ・シルエットを取り入れた商品の展開を強化いたしました。また、商品開発にAIを活用した新ブランド「AI(エーアイ)」ブランドを展開し、将来を見据えて新たな技術の導入にも注力いたしました。「世界中の働く人を応援する」の基本理念に基づき、ワークウェアとしての「安全」・「安心」はもちろんのこと、「快適」な職場環境・作業環境をサポートする商品、働く人が「満足」する商品の開発・提供に取り組んでまいりました。

 また、2022年10月に続き、2023年10月出荷分から2年連続で値上げを行い、素材やエネルギー価格の高騰などによる生産コストの上昇に対応し、利益の確保を図ってまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は、原材料・エネルギー価格の高騰に対応したユーザー企業様の経費削減意識の高まりにより、更新需要が伸び悩み、1物件当たりの受注点数も減少傾向にあることなどから、16,863百万円(前連結会計年度比5.0%減)となりました。営業利益については、前連結会計年度は過去最高益となりましたが、当連結会計年度においては原材料費や物流コストの更なる上昇による仕入コストのアップなどにより2,610百万円(前連結会計年度比15.5%減)となりました。経常利益は、輸入取引に係る為替変動リスクをヘッジする目的で行っております為替予約取引に係る時価評価によるデリバティブ評価損が増加したことなどにより2,947百万円(前連結会計年度比17.9%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,015百万円(前連結会計年度比17.9%減)となりました。

  なお、当社グループは単一セグメントに該当するため、事業の種類別セグメントは記載しておりません。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は前連結会計年度より2,309百万円増加し、11,012百万円(前連結会計年度比26.5%増)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は3,817百万円(前連結会計年度は313百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,927百万円、減価償却費158百万円、デリバティブ評価損366百万円、売上債権の減少124百万円、棚卸資産の減少2,711百万円等による増加と、仕入債務の減少2,180百万円、法人税等の支払額1,111百万円等による減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は65百万円(前連結会計年度は133百万円の獲得)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は1,442百万円(前連結会計年度は865百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額1,439百万円等による減少によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、衣料品製造販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

 

 前年同期比(%)

 

衣料品製造販売事業(千円)

3,970,236

△25.2

 (注)  金額は、製造原価により算出しております。

 

b.製品仕入実績

 当社グループは、衣料品製造販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の製品仕入実績は次のとおりであります。

 

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

 

 前年同期比(%)

 

衣料品製造販売事業(千円)

6,099,477

△28.7

 (注) 金額は、仕入価格により算出しております。

 

c.受注実績

 当社グループは、主として需要見込みによる生産を行っているため、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当社グループは、衣料品製造販売事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

 

 前年同期比(%)

 

衣料品製造販売事業(千円)

16,863,582

△5.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績)

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、前連結会計年度に比べ878百万円減少し16,863百万円となりました。

 売上総利益は、売上高は減少したことにより、前連結会計年度に比べ323百万円減少し5,627百万円となりました。

 営業利益は、売上総利益が減少したことと販売費及び一般管理費が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ478百万円減少し2,610百万円となりました。

 経常利益は、営業利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ643百万円減少し、2,947百万円となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ439百万円減少し2,015百万円となりました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ676百万円減少し、41,614百万円となりました。

 流動資産は30,372百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,069百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が2,309百万円、受取手形が139百万円、それぞれ増加したことと、売掛金が264百万円、商品及び製品が1,470百万円、原材料及び貯蔵品が1,237百万円、流動資産その他が542百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。

 固定資産は11,241百万円となり、前連結会計年度末に比べ392百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券が926百万円増加したことと、投資その他の資産その他が363百万円減少したことなどによるものであります。

 流動負債は1,882百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,047百万円減少いたしました。これは主に、流動負債その他が359百万円増加したことと、支払手形及び買掛金が2,180百万円、未払法人税等が133百万円、それぞれ減少したことなどによるものであります。

 固定負債は1,405百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円増加いたしました。これは主に、繰延税金負債が206百万円増加したことなどによるものであります。

 純資産は38,326百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,225百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が574百万円、その他有価証券評価差額金が626百万円、それぞれ増加したことなどによるものであります。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当連結会計年度においては、前述の「3.事業等のリスク」に記載した需要予測に若干の差異は生じたものの大きな影響はなく、また、海外における生産についても、経営成績に重要な影響を与える事態には至っておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、3,817百万円の資金を獲得しております。投資活動によるキャッシュ・フローでは、65百万円の資金を使用しており、財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当金の支払額などにより1,442百万円の資金を使用しております。これにより現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ2,309百万円増加し11,012百万円となりました。資金残高は当面必要と考えられる資金額として問題ない水準にあると判断しております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(棚卸資産)

 当社グループの棚卸資産の評価については、収益性の低下による簿価切り下げの方法により評価損を計上しております。将来の事業環境の変化により、棚卸資産の評価額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 目標とする経営指標といたしましては、当社グループにおきましては、自己資本利益率(ROE)の維持・向上を重要な経営課題と認識しております。

 当社グループの主力事業であるユニフォーム事業においては、需要予測のもとメーカーである当社が製品在庫を保有し、販売代理店を経由したユーザー様からのご注文に対し、即座に納品する体制を整えております。そのため機会ロスを低減するよう豊富な在庫を準備しており、このような備蓄型ビジネスモデルが当社経営戦略の重要な柱の一つであります。この備蓄型ビジネスモデルを中長期的に実施していくためには健全な財務基盤が必要であり、ROEの向上を過度に追求することは、株主様に対する継続的かつ長期的な利益還元につながらないと考えております。ROE5%を目安としながら、更なる資本効率の向上を図ってまいります。

 なお、当社グループにおきましては、ROEの計算に際しては、「デリバティブ評価損益」を除くものとしております。当社グループでは、外貨建取引の為替ヘッジを目的としたデリバティブ取引を行っており、期末時点においてデリバティブ評価損益を計上しております。このデリバティブ評価損益は、期末日時点の時価評価であり、実現した損益ではありません。このようなデリバティブ時価評価損益を損益計上した当期純利益を基準としてROEを計算すると、当社グループの場合、実態と乖離した数値となる可能性が高くなります。従ってROE計算の前提条件としては、「デリバティブ評価損益」を除いて算出しております。以上の前提による当連結会計年度の実質ROEは5.9%となります。

 

5【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。