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回次 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
第31期 |
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決算年月 |
2020年6月 |
2021年6月 |
2022年6月 |
2023年6月 |
2024年6月 |
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売上高 |
(千円) |
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|
|
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|
経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
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|
△ |
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親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
(千円) |
|
|
△ |
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包括利益 |
(千円) |
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△ |
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純資産額 |
(千円) |
|
|
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総資産額 |
(千円) |
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1株当たり純資産額 |
(円) |
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|
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
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|
△ |
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潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
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|
|
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自己資本比率 |
(%) |
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自己資本利益率 |
(%) |
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△ |
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株価収益率 |
(倍) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
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|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
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|
△ |
△ |
△ |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
|
△ |
△ |
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
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|
|
|
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
|
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|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
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(注)1.第28期連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。
2.第28期連結会計年度が連結財務諸表の作成初年度であり、また、連結子会社のみなし取得日を連結会計年度末日としていることから、第28期連結会計年度においては貸借対照表のみを連結しているため、連結貸借対照表項目及び従業員数のみを記載しております。
3.第29期の株価収益率については、親会社株主に帰属する当期純損失が計上されているため、記載しておりません。
4.第29期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第30期及び第31期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第29期の期首から適用しており、第29期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した指標等になっております。
|
回次 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
第31期 |
|
|
決算年月 |
2020年6月 |
2021年6月 |
2022年6月 |
2023年6月 |
2024年6月 |
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売上高 |
(千円) |
|
|
|
|
|
|
経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
|
△ |
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|
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当期純利益又は当期純損失(△) |
(千円) |
|
△ |
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持分法を適用した場合の投資利益 |
(千円) |
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|
|
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資本金 |
(千円) |
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発行済株式総数 |
(株) |
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|
純資産額 |
(千円) |
|
|
|
|
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|
総資産額 |
(千円) |
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|
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|
|
1株当たり純資産額 |
(円) |
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|
|
|
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1株当たり配当額 |
(円) |
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(うち1株当たり中間配当額) |
( |
( |
( |
( |
( |
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|
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△) |
(円) |
|
△ |
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|
|
|
潜在株式調整後1株当たり当期純利益 |
(円) |
|
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|
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|
自己資本比率 |
(%) |
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|
|
|
|
|
自己資本利益率 |
(%) |
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△ |
|
|
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|
株価収益率 |
(倍) |
|
△ |
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|
|
配当性向 |
(%) |
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|
|
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
|
△ |
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|
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|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
△ |
|
|
|
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
△ |
|
|
|
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
(千円) |
|
|
|
|
|
|
従業員数 |
(人) |
|
|
|
|
|
|
(外、平均臨時雇用者数) |
( |
( |
( |
( |
( |
|
|
株主総利回り |
(%) |
|
|
|
|
|
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(比較指標:TOPIX) |
(%) |
( |
( |
( |
( |
( |
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最高株価 |
(円) |
4,980 |
4,910 |
4,025 |
3,695 |
2,905 |
|
最低株価 |
(円) |
1,652 |
2,516 |
1,358 |
1,342 |
1,534 |
(注)1.第27期及び第28期の持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。
2.第28期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。第30期及び第31期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。
3.第29期より連結財務諸表を作成しているため、第29期以降の持分法を適用した場合の投資利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フロー及び現金及び現金等価物の期末残高は記載しておりません。
4.最高・最低株価は、2020年9月28日以降は東京証券取引所市場第一部におけるものであり、2020年9月27日以前は東京証券取引所マザーズ市場におけるものです。なお、2022年4月4日以降の株価については、東京証券取引所プライム市場におけるものであります。
5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第29期の期首から適用しており、第29期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した指標等になっております。
当社代表取締役社長の津村尚史は、世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献することを目指し、株式会社ジェイテック(現株式会社ジェイテックコーポレーション)を設立いたしました。設立当初は、大手企業と創薬向け自動細胞培養装置の共同開発を進め、近年には再生医療及びiPS細胞関連機器の開発、製造を推進しました。
また、同時に産学連携も積極的に推進し、現在の放射光施設用X線ナノ集光ミラーの事業化を開始いたしました。本事業では、当社の自動細胞培養装置などの機器開発のノウハウを活かし、ミラー製造に関するナノ加工・ナノ計測設備を自社にて開発し、事業の高度化・効率化を図りました。現在では、放射光施設「SPring-8(Super Photon ring-8 GeV)」(以下「SPring-8」という。)やX線自由電子レーザー施設「SACLA(Spring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)」(以下「SACLA」という。)に代表される国内外の先端的放射光施設やX線自由電子レーザー施設への納品を継続して行っています。
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1993年12月 |
大阪コンピュータ工業株式会社との共同出資により、大阪府吹田市に資本金10,000千円で株式会社ジェイテック(現株式会社ジェイテックコーポレーション)を設立。 |
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1994年7月 |
バイオ自動機器(自動細胞培養装置、薬効評価装置)を開発。 |
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1997年7月 |
「完全表面創成のための高濃度スラリー精製システムの研究開発」が、科学技術振興機構(現国立研究開発法人科学技術振興機構、以下「JST」という。)の1997年度独創的研究成果育成事業に採択され、大阪大学(現国立大学法人大阪大学、以下「大阪大学」という。)と共同研究を実施。 |
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2002年7月 |
「プラズマCVM法による超精密バリ除去・判定装置開発」が経済産業省の2002年度創造技術研究開発事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。 |
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2004年1月 |
資本金を40,000千円に増資。 |
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2004年8月 |
神戸市中央区に本社を移転。 |
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2005年4月 |
大阪大学及び独立行政法人理化学研究所(現国立研究開発法人理化学研究所、以下「理化学研究所」という。)の研究成果をもとにX線ナノ集光ミラーの事業化を開始。 |
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2005年8月 |
「タンパク質結晶化技術の開発」が2005年度兵庫県COEプログラム推進事業に採択され、研究を実施。 |
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2005年12月 |
兵庫県知事より経営革新計画(X線集光ミラー)の承認を取得。 |
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2006年2月 |
「硬X線ナノ集光用高精度楕円ミラーの実用化」が新技術開発財団の新技術開発助成に採択され、研究を実施。 |
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2006年3月 |
「硬X線ナノ集光用高精度楕円ミラーの実用化」が中小企業基盤整備機構の中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち事業化支援事業に採択され、研究を実施。 |
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2006年9月 |
「放射光用超高精度形状大型ミラー製造技術の開発」が兵庫県の2006年度兵庫県COEプログラム推進事業に採択され、財団法人高輝度光科学研究センター(現在の公益財団法人高輝度光科学研究センター、理化学研究所の関連団体、以下「高輝度光科学研究センター」という。)、理化学研究所、大阪大学と共同研究を実施。 |
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2006年12月 |
神戸市よりKOBEドリームキャッチプロジェクトによるX-KOBEに認定(X線集光ミラー)。 |
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2007年1月 |
ひょうご産業活性化ファンド第2号投資事業有限責任組合(ひょうごキャピタル第2号ファンド)より出資を受け、資本金を65,000千円に増資。 |
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2007年2月 |
大阪府茨木市(彩都あさぎ)に開発センターを開設。 |
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2007年7月 |
「軟骨再生医療のためのGMP対応自動回転培養システムの構築」がJSTの2007年度科学技術振興機構大学発ベンチャー創出推進に採択され、独立行政法人産業技術総合研究所(現国立研究開発法人産業技術総合研究所、以下「産業技術総合研究所」という。)と共同研究を実施。 |
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2007年9月 |
「放射光用超高精度形状大型ミラー製造技術の開発」が兵庫県の新産業創出支援事業(新製品・新技術:産学連携・事業連携)に採択され、研究を実施。 |
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2009年9月 |
「放射光用ミラーに関する加工技術の高精度化」が経済産業省の2009年度補正予算事業戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。 |
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同年同月 |
「形成外科用自動細胞培養装置」が経済産業省の2009年度補正予算ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)に採択され、研究を実施。 |
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2010年4月 |
「X線ナノ集光ミラー製造プロセスに関する技術開発」がJSTの2010年度高度研究人材活用促進事業に採択され、研究を実施。 |
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2011年2月 |
「放射光用ミラーに関する加工技術の高精度化」が経済産業省の2010年度予備予算事業戦略的基盤技術高度化支援事業加速枠に採択され、大阪大学と共同研究を実施。 |
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2011年3月 |
「再生医療等に用いる大型軟骨組織を高効率に形成する細胞培養システムの開発」が経済産業省の2011年度第3次補正予算戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学、産業技術総合研究所と共同研究を実施。 |
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2012年5月 |
「放射光用X線ミラー製造の効率化のための加工及び計測技術の開発」が経済産業省の2011年度グローバル技術連携・創業支援補助金(一般枠)に採択され、大阪大学、OptiWorks株式会社と共同研究を実施。 |
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2013年7月 |
「ナノ集光用焦点距離可変型ミラーの試作開発」が経済産業省の2012年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金に採択され、大阪大学と共同研究を実施。 |
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同年同月 |
「放射光用X線長尺KBナノ集光ミラーの製造技術に関する研究」が経済産業省の2013年度中小企業経営支援等対策費補助金に採択され、大阪大学と共同研究を実施。 |
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同年同月 |
「3次元細胞培養システムによる再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの開発」が京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の2012年度課題解決型医療機器等開発事業に採択され、公立大学法人横浜市立大学(以下「横浜市立大学」という。)、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。 |
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2014年6月 |
「iPS細胞等の3次元大量培養技術の開発」が経済産業省の2014年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。 |
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2014年7月 |
「再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発・事業化」が京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の2014年度、2015年度医工連携事業化推進事業に採択され、横浜市立大学、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。 |
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2014年10月 |
大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目4番35号に新社屋を竣工し、同所に開発センターを移転。 |
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2015年7月 |
「1m級長尺放射光X線ミラー用高精度成膜装置の開発」が経済産業省の2014年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金に係る補助金に採択され、研究を実施。 |
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同年同月 |
細胞観察機能を有したiPS細胞用自動培養装置の開発が2015年度おおさか地域創造ファンドの重点プロジェクト事業助成金に採択され、研究を実施。 |
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2015年9月 |
本社を大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目4番35号に移転。 |
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2015年12月 |
OUVC1号投資事業有限責任組合<通称:OUVC1号ファンド>(無限責任組合員:大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社)及びバイオ・サイト・キャピタル株式会社より出資を受け、資本金を139,240千円に増資。 |
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2016年4月 |
大阪大学吹田キャンパス産学連携本部B棟内に細胞培養センターを開設。 |
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2016年5月 |
商号を株式会社ジェイテックコーポレーションに変更。 |
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同年同月 |
中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」(わざ、生産性優良)に選定。 |
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2016年9月 |
「臨床試験を目指す3次元細胞培養システムを用いた革新的ヒト弾性軟骨デバイス創出」が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)に採択され、横浜市立大学、地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センターと共同研究を開始。 |
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2017年8月 |
「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養自動化技術の実用化開発」が経済産業省の2017年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。(2017~2019年度) |
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同年同月 |
「回折限界下で集光径可変な次世代高精度集光ミラーの製造技術の開発」が2017年度兵庫県最先端技術研究事業(COEプログラム)に採択され、大阪大学、理化学研究所、高輝度光科学研究センターと共同研究を実施。 |
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2018年2月 |
東京証券取引所マザーズに株式を上場。 |
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2019年7月 |
大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目5番38号に新社屋を竣工し、同所に本社/開発センターを移転。 |
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2020年9月 |
東京証券取引所市場第一部に株式を市場変更。 |
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2021年5月 |
電子科学株式会社の全株式を取得し、完全子会社化。 |
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2022年4月 |
東京証券取引所プライム市場に株式を市場変更。 |
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同年同月 |
栃木県那須塩原市に栃木生産技術センターを設置。 |
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2023年7月 |
大阪大学内に大阪大学との共同研究部門を設立。 |
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社ジェイテックコーポレーション)、及び子会社1社(電子科学株式会社)により構成しております。
当社は、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」を経営理念とし、「科学技術イノベーションの創出に貢献する製品開発を推進する」という経営方針のもと、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しております。
当社グループの事業内容は次のとおりであり、「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」及び「その他事業(電子科学株式会社を含む)」の3つの事業を有しております。
(1) オプティカル事業
当事業では、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」<注1>やX線自由電子レーザー施設「SACLA」<注2>のような国内外の先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設等で使われる反射表面の形状精度が1ナノメートル(10億分の1メートル、以下nmと表記。)以下の超高精度の表面形状をした集光ミラー、高調波カットミラーや回折格子基板等各種X線ミラーをユーザーに合わせて設計し、カスタムメイドで製造・販売しております。
本X線ミラーは、2005年に大阪大学と理化学研究所が共同開発した世界で初めて硬X線領域で理論限界まで集光することに成功したX線ナノ集光ミラーを製品化したもので、大阪大学の独自のナノ加工、ナノ計測技術により製造し“OsakaMirror”と商標登録し、2006年より販売を開始し、現在も世界の特に先端的な放射光施設やX線自由電子レーザー施設の研究者から高い評価を得ております。顧客は主に国内外の国立研究機関や大学の研究者であり、毎年積極的に最先端の分析研究が提案され、当社ではそれに応えるべく各種X線光学系の開発を行ってまいりました。近年、これら施設は各国の多様な地域発研究開発・実証拠点(リサーチコンプレックス)において、コアな機関として位置づけられ、イノベーションを強力に推進しており、国内では第四世代の放射光施設 NanoTerasuの稼働が開始し、海外では主に中国及び欧米において第4世代へのバージョンアップやあるいは新設計画が進む中、これまで以上に高度な科学分析の需要が拡大する傾向と相まって当社“OsakaMirror”の需要も増えており、今後も受注拡大が見込まれております。
当連結会計年度においては、海外の競合他社に対して技術的優位性を保持するために独自のナノ加工、ナノ計測技術のさらなる高度化研究を基に、様々な新しいX線光学システムを継続的に提案、提供しました。また、半導体及び宇宙分野などの成長産業分野で用いられる光学部品において従来の加工技術では不可能なナノメートルレベルの表面形状精度が望まれ、そのニーズに応えるため、現在保有するナノ加工技術であるEEMに加え、大阪大学の表面加工技術であるプラズマCVMやCARE(触媒基準エッチング法)加工技術などの実用化開発も進め、一部の製品においては実用実績を得ました。
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
図1.オプティカル事業系統図
なお、2024年6月期のオプティカル事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が16,157千円(1.3%)、企業が397,610千円(32.1%)、公的研究機関が826,473千円(66.6%)となっております。
(2) ライフサイエンス・機器開発事業
ライフサイエンス事業では、創業当初より創薬スクリーニングに関連する各種細胞培養操作の自動化の開発を手掛け、カスタム製品である各種の大型自動細胞培養装置「CellMeister®」を製造販売してまいりました。その後、独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」をもとに再生医療分野に展開し、また2013年に日本で初めてiPS細胞に特化した低価格量産汎用型の自動細胞培養装置CellPet®の開発を行い、現在は後継機種「MakCell®」にバージョンアップし販売を推進しています。新型コロナウイルス感染症禍以降、その治療薬の探索や、働き方改革や労働時間短縮を理由に「CellMeister®」「MakCell®」を中心に自動化装置の引き合いが活発になっております。iPS細胞等向けの回転浮遊培養装置「CellPet 3D-iPS®」やスフェロイド分散化装置「CellPet FT®」、オルガノイド培養装置「CellPet® CUBE」については、これまでに実績を上げてきた国内に加え、今後は海外展開を図り受注につなげてまいります。再生医療分野においては、産業技術総合研究所と長年にわたり共同研究を推進してきた独自の3次元浮遊培養技術「CELLFLOAT®」をもとに、再生医療向け3次元細胞培養システム「CellMeister® 3D」の試作開発に成功し、2016年度からは国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、AMED)の競争的資金を得て、東京大学の医師主導の治験に参画し申請準備を進めております。また、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(神戸)と共同開発を進めております「脳梗塞治療用の幹細胞分離機器」(AMED事業)は、一定の成果を得、今後は一般病院・企業向け医療機器としての製造・販売を目指してまいります。
機器開発事業では、各種培養装置をはじめ、オプティカル事業に関連する各種集光装置、その他カスタム製品の開発・製造に加え、2022年から大阪大学独自の加工技術をベースにした基材表面をナノレベル、原子レベルで加工する装置の開発を積極的に進めてまいりました。この技術は半導体デバイスや電子部品の基材となる各種ウェハの表面仕上げ加工に主に活用されます。すでに販売実績を持つ水晶ウェハの平坦化加工技術(プラズマPVM)に加え、SAWデバイス用のウェハの加工に適したCARE(触媒基準エッチング法), ダイヤモンドをはじめとする硬質・難加工材に向けた加工法であるPAP(プラズマ援用研磨法)の開発装置を完成させ、顧客と一緒に実用化に向けたテスト加工、共同研究開発を進めており、既に複数の企業へ納入も始めました。さらに昨年からは、立命館大学と共同でECMP(電気化学機械研磨法)の開発に着手しました。この技術は、パワーデバイス用ウェハとして着目されているSiCウェハの表面研磨への適用を目指しています。
〔事業系統図〕
以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
図2.ライフサイエンス・機器開発事業系統図
なお、2024年6月期のライフサイエンス・機器開発事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が14,195千円(4.4%)、企業が280,924千円(87.2%)、公的研究機関が27,033千円(8.4%)となっております。
(3) その他事業
その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社は、昇温脱離分析装置(TDS)のメーカーで、本装置「TDS-1200Ⅱ」は、超高真空環境に設置した試料を独自の加熱方式(赤外線)により試料から微量に放出される成分(水素、酸素、二酸化炭素、水など)を四重極質量分析装置(QMS)で、独自の分析ソフトウェアにより高感度でリアルタイムに検出する装置です。
現在、半導体、液晶、カラーフィルター業界を中心に材料の研究や、製造工程の評価、品質管理に用いられており、高い評価を得ております。当連結会計年度では、主要取引先である韓国、台湾に加えて、営業活動を積極的に行うことによって複数の日本企業からの受注を獲得することができました。
本装置は、その他鉄鋼、電機、自動車、水晶振動子等様々な産業分野においても適用できる可能性があり、また、最近は中国や米国からの引合いもあります。このような案件については、当社のオプティカル事業の海外チャンネルを利用することにより、営業体制の強化、拡販を進めております。また、中長期の売上拡大を目指し、水素量に特化した昇温脱離水素分析装置「Cryo TDS-100H2」や現行の「TDS 1200Ⅱ」に自動サンプル機能を追加した「TDS 1200ⅡALS」の共同開発を急いでおります。
なお、2024年6月期のその他事業の顧客属性別の売上高(売上高比率)については、大学が18,975千円(4.2%)、企業が428,534千円(95.7%)、公的研究機関が435千円(0.1%)となっております。
注1:大型放射光施設「SPring-8」(Super Photon ring-8 GeV)
「SPring-8」とは、兵庫県の播磨科学公園都市にある世界最高性能の放射光を生み出すことができる大型放射光施設です。放射光とは、電子を光とほぼ等しい速度まで加速し、磁石によって進行方向を曲げた時に発生する、細く強力な電磁波のことです。「SPring-8」では、この放射光を用いて、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー等の基礎科学研究分野から、産業利用ニーズも高まりをみせ、化粧品、食料品、電池、タイヤ等身近な製品の開発も行われています。「SPring-8」の名前はSuper Photon ring-8 GeV(80億電子ボルト)に由来しています。
「SPring-8」は国内外の産学官の研究者等に開かれた共同利用施設であり、1997年から放射光を大学、公的研究機関や企業等のユーザーに提供しています。課題申請などの手続きを行い、採択されれば、誰でも利用することができます。
「SPring-8」の施設者は理化学研究所であり、「SPring-8」の運転・維持管理、並びに利用促進業務を高輝度光科学研究センターが行っています(図3参照)。
注2:X線自由電子レーザー施設「SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)」
2006年3月に策定された第3期科学技術基本計画(2006年3月28日閣議決定)において国家基幹技術の一つとして選定されたX線自由電子レーザー施設として、2006年度から理化学研究所と「SPring-8」を運営する高輝度光科学研究センターが共同で施設の建設・整備を行い、2011年3月に完成、0.063nm(0.63Å(オングストローム:微小な長さを表すのに用いられる単位。1Å=0.1nm))の世界最短波長のX線レーザー生成に成功した施設であり、2012年3月7日より供用運転を開始しています(図3参照)。
図3 大型放射光施設「SPring-8」、X線自由電子レーザー施設「SACLA」
注3:次世代放射光施設 NanoTerasu
東北大学青葉山新キャンパスに共創の場として設けられた「サイエンスパーク」エリアに、新たに第4世代放射光施設が建設され、2024年4月に本格稼働が開始しました。(図4参照)
図4 建設中のNanoTerasu(ナノテラス):東北大学 ホームページより
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名称 |
住所 |
資本金 |
主要な事業の内容 |
議決権の所有割合又は被所有割合(%) |
関係内容 |
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(連結子会社) 電子科学株式会社 (注)1 |
東京都武蔵野市 |
50 |
理化学機器の開発・製造・販売・分析 |
100.0 |
役員の兼務4人 |
(注)1. 電子科学株式会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等 (1)売上高 447,945千円
(2)経常利益 98,594千円
(3)当期純利益 71,951千円
(4)純資産額 468,119千円
(5)総資産額 533,737千円
(1)連結会社の状況
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2024年6月30日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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オプティカル事業 |
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( |
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ライフサイエンス・機器開発事業 |
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( |
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その他事業 |
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( |
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全社(共通) |
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( |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門および細胞培養センターに所属しているものであ
ります。
(2)提出会社の状況
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2024年6月30日現在 |
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従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
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( |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
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オプティカル事業 |
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( |
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ライフサイエンス・機器開発事業 |
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( |
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全社(共通) |
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( |
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合計 |
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( |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数(パートタイマーを含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門および細胞培養センターに所属しているものであります。
4.当社は常時雇用される従業員が100名以下の事業規模であり、女性活躍推進法等の規定による公表をしておりません。そのため女性管理職比率、男性育児休業取得率及び男女賃金差異の記載を省略いたします。
(3)労働組合の状況
労働組合は、結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。