第一部【証券情報】

第1【募集要項】

1【新規発行株式】

種類

発行数

内容

普通株式

1,258,000株

完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない当社における標準となる株式

単元株式数  100株

 (注)1.2024年9月19日(木)の取締役会において決議したものであります。なお、上記第三者割当増資による新株式(以下「本新株式」という。)の発行については、大規模な第三者割当に該当することから、より広範な株主の意思を踏まえて発行を決定するために2024年10月29日開催予定の本臨時株主総会(以下、「本臨時株主総会」という。)において、特別決議による承認決議がなされることを条件とします。

2.振替機関の名称及び住所

株式会社証券保管振替機構

東京都中央区日本橋兜町7番1号

 

2【株式募集の方法及び条件】

(1)【募集の方法】

区分

発行数

発行価額の総額(円)

資本組入額の総額(円)

株主割当

その他の者に対する割当

1,258,000株

400,044,000

200,022,000

一般募集

計(総発行株式)

1,258,000株

400,044,000

200,022,000

 (注)1.第三者割当の方式によります。

2.発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は、会社法上の増加する資本金の額の総額です。また、増加する資本準備金の総額は、200,022,000円です。

 

(2)【募集の条件】

発行価格

(円)

資本組入額

(円)

申込株数単位

申込期間

申込証拠金

(円)

払込期日

318

159

100株

2024年10月30日(水)

2024年10月30日(水)

 (注)1.第三者割当の方法により行うものとし、一般募集は行いません。

2.本有価証券届出書の効力発生後、割当予定先から申込みがない場合は、募集株式に係る割り当てを受ける権利は消滅いたします。

3.申込み及び払込みの方法は、払込期日の最終日までに募集株式の「総数引受契約」を締結し、払込期日の最終日までに後記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。

4.本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに割当予定先との間で本総数引受契約を締結しない場合、割当予定先に対する第三者割当による新株発行は行われないこととなります。

 

(3)【申込取扱場所】

店名

所在地

株式会社倉元製作所 経営管理部

宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1番地1

 

(4)【払込取扱場所】

店名

所在地

株式会社みずほ銀行仙台支店

宮城県仙台市青葉区一番町3丁目1番1号

 

3【株式の引受け】

 該当事項はありません。

 

4【新規発行新株予約権証券(第4回新株予約権証券)】

(1)【募集の条件】

発行数

251,600個(新株予約権1個につき1株)

発行価額の総額

29,296,304円

発行価格

新株予約権1個につき116.44円(新株予約権の目的である株式1株当たり116.44円)

申込手数料

該当事項はありません。

申込単位

1個

申込期間

2024年10月30日(水)

申込証拠金

該当事項はありません。

申込取扱場所

株式会社倉元製作所 経営管理部

宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1番地1

払込期日

2024年10月30日(水)

割当日

2024年10月30日(水)

払込取扱場所

株式会社みずほ銀行仙台支店

 (注)1.第4回新株予約権証券(以下、「本新株予約権」という。)の発行については、2024年9月19日開催の当社取締役会決議によるものであります。なお、本新株予約権の募集は、大規模な第三者割当に該当することから、より広範な株主の意思を踏まえて発行を決定するために本臨時株主総会において、特別決議による承認決議がなされることを条件とします。

2.申込み及び払込みの方法は、本有価証券届出書の効力発生後、払込期日までに本新株予約権の「総数引受契約」を締結し、払込期日までに上記払込取扱場所へ発行価額の総額を払い込むものとします。

3.本新株予約権の募集は第三者割当の方法によります。

4.本新株予約権の目的である株式の振替機関の名称及び住所は次の通りであります。

名称:株式会社証券保管振替機構

住所:東京都中央区日本橋兜町7番1号

 

(2)【新株予約権の内容等】

新株予約権の目的となる株式の種類

株式会社倉元製作所 普通株式

完全議決権株式であり、株主の権利に何ら制限のない標準となる株式

 

単元株式数は100株

新株予約権の目的となる株式の数

1.本新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、その総数は251,600株とする(本新株予約権1個当たりの目的である株式の数(以下、「割当株式数」という。)は1株とする。)。但し、本欄第2項及び第3項により、割当株式数が調整される場合には、本新株予約権の目的である株式の総数は調整後割当株式数に応じて調整されるものとする。

 

2.当社が別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄の規定に従って行使価額(別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第2項に定義する。)の調整を行う場合には、割当株式数は次の算式により調整されるものとする。但し、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨てるものとする。なお、かかる算式における調整前行使価額及び調整後行使価額は、別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄に定める調整前行使価額及び調整後行使価額とする。

 

 

調整後割当株式数=

調整前割当株式数×調整前行使価額

調整後行使価額

 

 

3.調整後割当株式数の適用日は、当該調整事由にかかる別記「新株予約権の行使時の払込金額」欄第3項による行使価額の調整に関し、各号に定める調整後行使価額を適用する日と同日とする。

 

4.割当株式数の調整を行うときは、当社は、調整後割当株式数の適用開始日の前日までに、本新株予約権者に対し、かかる調整を行う旨並びにその事由、調整前割当株式数、調整後割当株式数及びその適用開始日、その他必要な事項を書面で通知する。但し、適用開始日の前日までに上記通知を行うことができない場合には、適用開始日以降速やかにこれを行う。

新株予約権の行使時の払込金額

1.各本新株予約権の行使に際して出資される財産は金銭とし、その価額は、行使価額に割当株式数を乗じた額とする。

 

2.本新株予約権の行使により当社が当社普通株式を交付する場合における株式1株当たりの出資される財産の価額(以下、「行使価額」という。)は、金318円とする。但し、行使価額は本欄第3項の規定に従って調整されるものとする。

 

3.行使価額の調整

 

(1)当社は、本新株予約権の割当日後、本項第(2)号に掲げる各事由により当社の発行済普通株式数に変更を生じる場合又は変更を生じる可能性がある場合は、次に定める算式(以下、「行使価額調整式」という。)をもって行使価額を調整する。

 

 

 

既発行株式数+

交付株式数×

1株あたり払込金額

調整後行使価額=調整前行使価額×

1株あたりの時価

既発行株式数+交付株式数

 

 

(2)行使価額調整式により行使価額の調整を行う場合及び調整後行使価額の適用時期については、次に定めるところによる。

 

① 本項第(4)号②に定める時価を下回る払込金額をもって当社普通株式を新たに発行し、又は当社の有する当社普通株式を処分する場合(無償割当てによる場合を含む。)(但し、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の行使、取得請求権付株式又は取得条項付株式の取得、その他当社普通株式の交付を請求できる権利の行使によって当社普通株式を交付する場合、及び会社分割、株式交換又は合併により当社普通株式を交付する場合を除く。)

 

調整後行使価額は、払込期日(募集に際して払込期間を定めた場合はその最終日とし、無償割当ての場合はその効力発生日とする。)以降、又はかかる発行若しくは処分につき株主に割当てを受ける権利を与えるための基準日がある場合はその日の翌日以降これを適用する。

 

② 株式分割により当社普通株式を発行する場合

 

調整後行使価額は、当社普通株式の分割のための基準日の翌日以降これを適用する。

 

 

 

③ 本項第(4)号②に定める時価を下回る払込金額をもって当社普通株式を交付する定めのある取得請求権付株式又は本項第(4)号②に定める時価を下回る払込金額をもって当社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)を発行又は付与する場合

 

調整後行使価額は、取得請求権付株式の全部に係る取得請求権又は新株予約権の全部が当初の条件で行使されたものとみなして行使価額調整式を適用して算出するものとし、払込期日(新株予約権の場合は割当日)以降又は(無償割当ての場合は)効力発生日以降これを適用する。但し、株主に割当てを受ける権利を与えるための株主割当日がある場合には、その日の翌日以降これを適用する。

 

④ 当社の発行した取得条項付株式又は取得条項付新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の取得と引換えに本項第(4)号②に定める時価を下回る価額をもって当社普通株式を交付する場合、調整後行使価額は、取得日の翌日以降にこれを適用する。

 

(3)行使価額調整式により算出された調整後の行使価額と調整前の行使価額との差額が1円未満にとどまる場合は、行使価額の調整は行わない。但し、その後に行使価額の調整を必要とする事由が発生し、行使価額を調整する場合には、行使価額調整式中の調整前行使価額に代えて調整前行使価額からこの差額を差し引いた額を使用する。

 

(4)① 行使価額調整式の計算については、円位未満小数第3位まで算出し、小数第3位を切り捨てるものとする。

 

② 行使価額調整式で使用する時価は、調整後行使価額が初めて適用される日に先立つ45取引日目に始まる30取引日(終値のない日数を除く。)の金融商品取引所における当社普通株式の普通取引の終値の単純平均値とする。この場合、平均値の計算は、円位未満小数第3位まで算出し、その小数第3位を切り捨てるものとする。

 

③ 行使価額調整式で使用する既発行普通株式数は、株主に割当てを受ける権利を与えるための基準日がある場合はその日、また、かかる基準日がない場合は、調整後行使価額を初めて適用する日の1ヶ月前の日における当社の発行済普通株式の総数から、当該日において当社の保有する当社普通株式を控除した数とする。

 

(5)本項第(2)号の行使価額の調整を必要とする場合以外にも、次に掲げる場合には、当社は、必要な行使価額の調整を行う。

 

① 株式の併合、資本の減少、会社分割、株式移転、株式交換又は合併のために行使価額の調整を必要とするとき。

 

② その他当社の発行済普通株式数の変更又は変更の可能性が生じる事由の発生により行使価額の調整を必要とするとき。

 

③ 行使価額を調整すべき複数の事由が相接して発生し、一方の事由に基づく調整後行使価額の算出にあたり使用すべき時価につき、他方の事由による影響を考慮する必要があるとき。

 

(6)行使価額の調整を行うときは、当社は、調整後行使価額の適用開始日の前日までに、本新株予約権者に対し、かかる調整を行う旨並びにその事由、調整前行使価額、調整後行使価額及びその適用開始日その他必要な事項を書面で通知する。但し、適用開始日の前日までに上記通知を行うことができない場合には、適用開始日以降速やかにこれを行う。

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価額の総額

金109,305,104円

(注) 本新株予約権の権利行使期間内に行使が行われない場合には、本新株予約権の発行価額の総額に本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額を合算した金額は減少する。

新株予約権の行使により株式を発行する場合の株式の発行価格及び資本組入額

1.本新株予約権の行使により株式を交付する場合の株式1株の発行価格

本新株予約権の行使により交付する当社普通株式1株の発行価格は、行使請求に係る各本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の総額に、行使請求に係る各本新株予約権の払込金額の総額を加えた額を、別記「新株予約権の目的となる株式の数」欄記載の株式の数で除した額とする。

 

 

 

2.本新株予約権の行使により当社普通株式を発行する場合において増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項の規定に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とし(計算の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。)、当該資本金等増加限度額から増加する資本金の額を減じた額を増加する資本準備金の額とする。

新株予約権の行使期間

2024年10月31日から2029年10月30日まで

新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所

1.本新株予約権の行使請求の受付場所

株式会社倉元製作所 経営管理部

宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1番地1

 

2.本新株予約権の行使請求の取次場所

 

該当事項はありません。

 

3.本新株予約権の行使請求の払込取扱場所

 

株式会社みずほ銀行 仙台支店

新株予約権の行使の条件

各本新株予約権の一部行使はできない。

自己新株予約権の取得の事由及び取得の条件

該当事項はありません。

新株予約権の譲渡に関する事項

本新株予約権の譲渡については、当社取締役会の承認を要するものとする。

代用払込みに関する事項

該当事項はありません。

組織再編成行為に伴う新株予約権の交付に関する事項

該当事項はありません。

 (注)1.本新株予約権の行使請求及び払込の方法

(1)本新株予約権を行使しようとする本新株予約権者は、当社の定める行使請求書に、必要事項を記載してこれに記名捺印したうえ、上記表中「新株予約権の行使期間」欄に定める行使期間中に上記表中「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第1項に記載の新株予約権の行使請求受付場所に提出しなければならないものとする。

(2)本新株予約権を行使しようとする本新株予約権者は、前号の行使請求書の提出に加えて、本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額を現金にて上記表中「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第3項に定める新株予約権の行使請求の払込取扱場所の当社が指定する口座に振り込むものとする。

2.本新株予約権の行使の効力発生時期

本新株予約権の行使の効力は、(1)行使請求に必要な書類の全部が上記表中「新株予約権の行使請求の受付場所、取次場所及び払込取扱場所」欄第1項に定める新株予約権の行使請求受付場所に到着し、かつ(2)当該本新株予約権の行使に際して出資の目的とされる金銭の全額が同欄第3項に定める新株予約権の行使請求の払込取扱場所の当社の指定する口座に入金された日に発生する。

3.本新株予約権証券の発行

当社は、本新株予約権にかかる新株予約権証券を発行しないものとする。

4.株式の交付方法

当社は、行使請求の効力発生後速やかに、社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)及びその他の関係法令に基づき、本新株予約権者が指定する振替機関又は口座管理機関における振替口座簿の保有欄に振替株式の増加の記録を行うことにより株式を交付する。

5.その他

(1)会社法その他の法律の改正等、本新株予約権発行要項の規定中読み替えその他の措置が必要となる場合には、当社は必要な措置を講じる。

(2)上記のほか、本新株予約権の発行に関して必要な事項の決定については、当社代表取締役社長に一任する。

(3)本新株予約権の発行については、金融商品取引法による届出の効力発生を条件とする。

 

(3)【新株予約権証券の引受け】

 該当事項はありません。

 

5【新規発行による手取金の使途】

(1)【新規発行による手取金の額】

払込金額の総額

発行諸費用の概算額

差引手取概算額

509,349,104円

5,750,100円

503,599,004円

 (注)1.払込金額の総額は、本新株式の払込価額400,044,000円に本新株予約権の発行時払込金額の総額29,296,304円及び本新株予約権の行使に際して払い込むべき金額80,008,800円を合算した金額であります。なお、本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合には、上記差引手取概算額は減少します。

2.発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。

3.発行諸費用の概算額の内訳は、登記費用1,750,100円(司法書士費用70,000円、登録免許税1,680,100円)、ファイナンシャルアドバイザー費用1,000,000円、弁護士費用2,500,000円、新株予約権価格算定費用500,000円を予定しております。なお、発行諸費用の内訳については概算額であり、変動する可能性があります。

 

(2)【手取金の使途】

① 資金調達の目的

(過去の資金調達)

 当社は、2020年3月30日に事業再生ADR手続が成立し、2020年4月14日に7億円の第三者割当増資を行い、事業再生に注力して参りました。

 しかしながら、翌年2021年度は、新型コロナウイルスによる受注減により収益状況が悪化したため、銀行借入金の弁済及び運転資金を確保すべく、2021年4月16日に第三者割当により、株式305百万円、及び第2回新株予約権証券2百万円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額の合計額を合算した金額180百万円)を発行いたしました。このうち株式による調達資金305百万円につきましては、2021年12月末までに金融債務の弁済金として115百万円及び運転資金190百万円(株式等の新規発行諸費用5百万円を含む)の合計305百万円を充当いたしました。新株予約権の行使による資金は、行使期間の満了する2024年4月までに169百万円を調達し、全額運転資金として充当いたしました。

 2023年12月期は、ディスプレイ用液晶パネル市場の縮小傾向は続き、同期の業績は、売上高704百万円(前期1,058百万円)、営業利益△407百万円(前期△117百万円)、経常利益△399百万円(前期△32百万円)、当期純利益△555百万円(前期0百万円)となり、業績は大きく悪化いたしました。

 このような業績悪化を受けて、ADR4行(銀行3行と銀行より債権譲渡を受けた債権回収会社1社。以下同様。)に対して、2023年12月の金融債務の弁済139百万円の半年間の返済猶予の合意を取付け、2024年4月に、ADR4行金融債務139百万円の弁済資金及び運転資金48百万円を確保すべく、あらたに株式187百万円(発行諸費用差引後)、第3回新株予約権506百万円を発行し、株式で調達した187百万円についてはADR4行の金融債務の弁済金に139百万円、運転資金に48百万円を充当しました。第3回新株予約権つきましては、半導体関連事業への設備投資225百万円及び半導体関連の新事業買収資金として282百万円の合計506百万円を発行いたしましたが、本届出書提出日現在は、権利行使されておりません。その理由として、第3回新株予約権の資金使途として想定した半導体関連事業は、目下のところ、市場の高成長が期待されるパワー半導体向けのSiCについては、将来性は十分に見込めるものの、目先、SiC市場の成長速度は停滞しており、設備投資や買収のタイミングとしては、時期尚早と当社は判断しており、第3回新株予約権の行使の権利者である当社代表取締役である渡邉敏行氏個人も同様の認識です。なお、第3回新株予約権につきましては、発行当初の資金使途を一部変更し、今回の設備投資資金の支払いに充当する予定です(後述)。2024年12月期は、ディスプレイ用液晶パネル市場の縮小傾向はさらに進み、当社の基板事業(成膜事業)の主要顧客(前期売上構成33%)が事業規模を縮小し、本年9月以降、同顧客からの受注が減少する見通しです。これを受けて、営業キャッシュ・フローが下振れする可能性もあり、2024年12月末に弁済予定のADR4行の借入返済額139百万円の資金手当ての必要が見込まれます。加えて、ADR4行からの借入残高は、本届出書提出日現在で2024年12月末に返済予定の上記139百万円を含め、合計で390百万円借入残高があり、来期以降も金融債務の弁済をカバーする営業キャッシュ・フローを確保することが必須となります。さらに、当社の前期2023年12月期の業績悪化を受けて、唯一プロパーで49百万円の融資(弁済期間5年、毎月均等弁済)を2022年12月に実行していただいた地方銀行より、2024年6月に、借入残高(同月末残高34百万円)について、財務制限条項等に抵触したものではありませんが、当社の前期業績を鑑みて当初契約した約定弁済の時期を繰り上げて、借入残高全額の一括弁済をしてほしいとの要請を受け、2024年7月に当社主要株主である筆頭株主のニューセンチュリー有限責任事業組合より、50百万円の融資を受け、当該地方銀行に当該借入残高全額の弁済をいたしました。

 このような状況下で、当社の財務体質を強固なものにすべく借入金残債務の弁済と抜本的に収益構造を変革するために、さらなる新規事業として次世代型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の量産化に向けて事業を開始すべく、2024年8月30日を払込期日とする第三者割当増資により新株式797百万円(発行諸費用差引後。以下「前回2024年8月の資金調達」という。)を発行し調達いたしました。

 資金使途といたしましては、ADR4行の2024年12月末に返済予定の上記139百万円、ペロブスカイト太陽電池関連では、ペロブスカイト太陽電池のガラス、フィルム型両用プラントへの設備投資(総額998百万円。太陽電池のガラス、フィルム型両用プラント用設備で生産能力は年産1MW。具体的な設備としては、ガラス洗浄機、フィルム貼り付け機、レーザーエッチング、塗布装置、レーザーマーキング装置、測定器、自動搬送設備、吸収層フィルム剥がし機等。以下「本設備投資」という。)の購入資金の一部389百万円、ペロブスカイト太陽電池製造のための現有設備増設投資82百万円、ペロブスカイト太陽電池のガラス、フィルム型両用プラントの運転資金187百万円の合計797百万円(発行諸費用差引後)を予定しております。

 

(今回の資金調達)

 ペロブスカイト太陽電池の量産に必要な本設備投資は、総額で998百万円の投資が必要になります。前回2024年8月の資金調達で調達した資金797百万円(発行諸費用差引後)のうち、389百万円を本設備投資資金の一部に充当する予定で、残りの609百万円(998百万円-389百万円=609百万円)について今回の新株及び本新株予約権の発行による調達した資金を充当いたします。残りの609百万円については、今回の本新株式の発行資金394百万円(発行諸費用差引後)、第4回新株予約権の発行時払込資金29百万円の合計423百万円をまず充当します。不足する186百万円(609百万円-423百万円)については、第4回新株予約権の行使による資金80百万円 *1、及び第3回新株予約権の行使による資金106百万円 *2の資金使途を一部変更 *1して、本設備投資資金に充当することを見込んでおります。ただし上記第3回及び第4回の新株予約権の行使は現時点では確定しておりません。その他の資金使途を含めて、具体的な資金使途は、以下の通りです。

*1 本新株予約権の行使による資金80百万円の支出時期は、下記の通り2024年11月から2025年3月までを見込んでおりますが、本新株予約権の行使期間は5年と設定しております。これは、割当先との本新株予約権の発行条件交渉により決定したものです。なお、本新株予約権の行使による資金は、本設備投資の支払いに充当するため、発行後、支払い時期を考慮して、できるだけすみやかに行使をしていただくよう、割当先3者に対して口頭で要請しており、割当先からは口頭にて内諾を得ております。なお、上記支出予定時期になっても行使がされない場合、割当先からの資金の借り入れを要請する予定です。

*2 第3回新株予約権のすべてを保有する当社代表取締役渡邉敏行氏より、上記106百万円の権利行使する旨の意向を確認しております。なお、第3回新株予約権は、発行時に半導体関連事業への設備投資及び買収資金として資金使途を定めており、半導体関連事業は、当社の新規事業として事業再構築の一環として継続中です。従いまして、今回の資金使途変更は、本設備投資の不足を補うための限定的な変更で、第3回新株予約権の未行使残高の全額を本設備投資に充当する内容ではありません。

 

② 具体的な使途

<本新株式の発行により調達する資金の具体的な使途>

具体的な資金使途

金額

支出予定時期

a.ペロブスカイト太陽電池の製造設備への設備投資(本設備投資残金)

394百万円

2024年10月~2025年2月

合計

394百万円

 

 

<本新株予約権の発行並びに行使により調達する資金の具体的な使途>

具体的な資金使途

金額

支出予定時期

b.ペロブスカイト太陽電池の製造設備への設備投資(本設備投資残金)

 

29百万円

 

2024年11月~2025年2月

 

80百万円

 

2024年11月~2025年3月

 

計109百万円

 

 

合計

109百万円

 

 (注) 上記手取金の合計は、本新株予約権の発行時の払込金額の総額29百万円及び行使時の払込総額80百万円が全て行使された場合の調達金額を合計した金額であります。本新株予約権の行使状況により想定どおりの資金調達ができなかった場合には、設備投資や支出の時期を見直すとともに、他の調達方法も検討する予定であります。

 

(調達資金の使途の詳細)

a.b.ペロブスカイト太陽電池の製造設備への設備投資

 ペロブスカイト太陽電池の量産に必要な設備投資(太陽電池のガラス、フィルム型両用プラント用設備で生産能力は年産1MW。具体的な設備としては、ガラス洗浄機、フィルム貼り付け機、レーザーエッチング、塗布装置、レーザーマーキング装置、測定器、自動搬送設備、吸収層フィルム剥がし機等です。以下「本設備投資」という。)は、総額で998百万円です。前回2024年8月の資金調達で調達した資金797百万円(発行諸費用差引後)のうち389百万円を本設備投資資金の一部に充当する予定で、残りの609百万円(998百万円-389百万円=609百万円)について今回の本新株及び第3回新株予約権の発行・行使により調達した資金並びに第3回新株予約権の行使(発行当初の資金使途の一部の変更を予定)により調達した資金を充当いたします。

 上述の残りの609百万円については、今回の本新株式の発行資金394百万円(発行諸費用差引後)、第4回新株予約権の発行時払込資金29百万円の合計423百万円をまず充当します。不足する186百万円(609百万円-423百万円)については、第4回新株予約権の行使による資金80百万円、及び既発行の第3回新株予約権の行使(発行当初の資金使途の変更を予定)による資金106百万円の充当を見込んでおります。ただし新株予約権の行使は現時点では確定しておりません。現時点での生産計画では、2024年10月より設備搬入を開始し、2025年3月より量産品の生産に入る予定です。内外の実績ある設備及び技術を導入することで、早期に歩留まり90%を目標にします。

 

<資金調達の方法として本第三者割当増資及び本新株予約権の発行を選定した理由>

 当面の安定した運転資金を確保し、今後の事業継続、さらには新規事業の積極的な推進のための資金調達方法として、間接金融及び直接金融(公募、株主割当並びに第三者割当)を検討いたしました。その結果、間接金融については、当社は、事業再生ADRにより、再建途上にあり、新規に資金の融資を受けることは事実上不可能であると判断し、直接金融のうち公募については、継続企業の前提に疑義がある状態では引受証券会社を見つけることが困難であることが想定されること、また株主割当の場合は、失権により想定した資金が集まらない可能性があることから困難であると判断し、迅速かつ確実な資金調達及び既存の株主の利益保護の観点から、直接金融による第三者割当が最も適していると判断いたしました。

 今回の本新株式と本新株予約権の発行の発行を組み合わせた資金調達の方法は、本新株式の発行により、自己資本による新規事業の積極的な推進を図ることが可能になるとともに、本新株予約権の発行により割当予定先が当社に対して、一度に資金を拠出せずに、複数回に分けて資金拠出を行うことができるようになることから採用いたしました。なお、当初の計画どおりに、本新株予約権証券の行使による資金調達を行うことができない場合、設備投資や支出の時期を見直すとともに、他の調達方法も検討する予定であります。

 

<本新株予約権の特徴>

 本新株予約権の特徴は、次の通りであります。

(メリットとなる要素)

 本新株予約権証券は、発行時払込金額は116.44円、行使価額は318円に設定し、公正価格にて時価発行しております。これは、当社の本設備投資への支払いに合わせて、資金を調達することで、一度に新株が発行され希薄化することを防止することが可能になります。

 なお、本新株予約権証券は、発行当初から行使価額は318円で固定されており、行使価額修正条項付きのいわゆるMSCBやMSワラントとは異なり、将来的な市場株価の変動によって行使価額が変動することはありません。また、本新株予約権証券の目的となる株式の総数についても、発行当初から251,600株で固定されており、将来的な市場株価の変動によって潜在株式数が変動することはありません。なお、株式分割等の一定の事由が生じた場合には、行使価額及び割当株式数の双方が本新株予約権証券の各発行要項に従って調整されます。

 

(デメリットとなる要素)

① 本新株予約権証券の行使がすべて行われた場合、251,600株の株式が交付されるため、既存株式の希薄化が生じることになります。

② 当社株価が行使価額を下回って推移している場合には、本新株予約権証券の行使が進まず当社の予定する資金調達が十分に行えない可能性があります。

 

第2【売出要項】

 該当事項はありません。

 

第3【第三者割当の場合の特記事項】

1【割当予定先の状況】

 以下、「b.提出者と割当予定先との間の関係」の欄は、本有価証券届出書提出日現在におけるものであります。

 

① ニューセンチュリー有限責任事業組合

a.割当予定先の概要

名称

ニューセンチュリー有限責任事業組合

本店の所在地

東京都品川区大井一丁目23番1号

代表者の役職及び氏名

組合員  冨士 靖史

資本金

事業の内容

有価証券の取得・投資・保有及び運用、不動産事業、クリーンエネルギー事業

主たる出資者及びその出資比率

PROLIGHT CORPORATION LIMITED 99.997%

冨士 靖史 0.003%

b.提出者と割当予定先との間の関係

出資関係

当社の主要株主であります。

人事関係

該当事項はありません。

資金関係

金銭の借入。当社の借入金残高50百万円。

技術関係

該当事項はありません。

取引関係

該当事項はありません。

 

② 渡邉 敏行

a.割当予定先の概要

氏名

渡邉 敏行

住所

横浜市旭区

職業

会社役員

b.提出者と割当予定先との間の関係

出資関係

当社発行済株式の3.12%(潜在株式を含めると11.37%)保有する株主であります。

人事関係

当社代表取締役

資金関係

該当事項はありません。

技術関係

該当事項はありません。

取引関係

該当事項はありません。

 

③ 那須マテリアル株式会社

a.割当予定先の概要

名称

那須マテリアル株式会社

本店の所在地

栃木県大田原市北金丸2122番地

代表者の役職及び氏名

代表取締役  星 彰治

資本金

56百万円

事業の内容

産業廃棄物処理業・電子機器リサイクル事業・太陽光発電事業

主たる出資者及びその出資比率

星 彰治 34.2%

マルホ建設株式会社 27.8%

エヌズホールディングス株式会社 17.7%

b.提出者と割当予定先との間の関係

出資関係

当社発行済株式の7.18%を保有する株主であります。

人事関係

那須マテリアル株式会社の代表取締役星彰治氏は当社取締役です。

資金関係

該当事項はありません。

技術関係

該当事項はありません。

取引関係

スクラップ売却取引876千円(2024年2月)、残高(未収入金)-。

 

c.割当予定先の選定理由

 今回の本第三者割当増資及び本新株予約権証券の発行による資金調達にあたり、当社の事業環境及び財務状況の現状と課題並びに今後の事業戦略についてご理解いただける投資家に当社取締役の人的ネットワークを活用して接触し、出資を打診してまいりました。

 

① ニューセンチュリー有限責任事業組合は、当社の主要株主である筆頭株主で、本届出書提出日現在、当社の発行済株式総数の32.68%の株式を保有しております。同組合は、2020年3月13日に当社と事業再生のスポンサー契約を締結し、同年3月30日に当社の事業再生ADR手続の成立を受けて、2020年4月14日に7億円の第三者割当増資を引き受け51.01%の株式を有する親会社として、当社事業再生に注力して参りました。

 今回の本第三者割当増資及び本新株予約権証券の発行による資金調達にあたり、当社の事業環境及び財務状況の現状と課題並びに今後の事業戦略について説明し、引き続き資金支援にご理解をいただいたことから、今回、出資及び引受を打診し、その意向をいただき選定にいたっております。

② 渡邉敏行氏は、2024年3月28日に開催した当社定時株主総会において、取締役として選任され、代表取締役に就任しました。同氏は、2024年4月に実施した、当社の第三者割当増資及び第3回新株予約権発行の引き受け、当社発行済株式総数の3.12%(潜在株式を含めると11.37%)の株式を保有する株主となっています。なお、第3回新株予約権が、本届出書提出日現在、全額未行使である状況下で、第3回と第4回の新株予約権を連続して、同氏に割り当てることにつきましては、(ⅰ)本新株予約権は、資金使途が第3回とは異なること、(ⅱ)新株式の20%を新株予約権としてセットで割当るという今回の発行形態を他の割当先と揃えること及び(ⅲ)他の割当先が早急に決まらなかったことから、同氏への割り当てを決定しております。

 また、同氏は、当社代表取締役就任以来、世界的に急速に普及しているビジネスアプリケーションのチャネルパートナー契約の締結、次世代半導体パッケージ向けのTGV(Through Glass Via:ガラス貫通電極)関連製品の製造委託基本契約の締結、AI主導型表面検査の世界のリーディングカンパニーであるWintriss Engineering Corporation(米国 WECO社)との基本合意の締結、ペロブスカイト太陽電池事業の開始、サーバー冷却システムの開発会社である杭州雲酷智能科技有限公司との同社製品の日本での販売代理店契約の締結及びAIを活用した全自動業務用お掃除ロボットの開発・販売会社である株式会社アイウイズロボティクスとの株式交換に関する基本合意締結など、当社の新規事業への取り組みを主導するとともに、既存事業の固定費削減、生産効率向上などの施策を矢継ぎ早に実行するなど、事業再生、企業成長に向けての注力してまいりました。今回の資金調達にあたり、同氏の経営手腕と世界的なビジネスネットワークの活用は不可欠であることから、同氏自身も本新株式及び本新株予約権証券の発行にあたり、出資・引受の意向を表明していただきました。なお、同氏は、上述のとおり、当社の代表取締役であることから、当社と特別な利害関係を有し、本新株式及び本新株予約権の割当は利益相反取引であるため、当該募集事項の決定議案の審議及び決議には参加しておりません。

 

③ 那須マテリアル株式会社は、2021年3月に実施した、当社の第三者割当増資及び第2回新株予約権発行の引き受け、及び2024年4月に実施した当社の第三者割当増資を引き受け、当社発行済株式総数の7.18%の株式を保有する株主となっています。

 また、同社代表取締役星彰治氏は、2021年3月より当社取締役(非常勤)を務めております。今般、同氏を通じて同社に、当社の本新株式及び第4回新株予約権証券の発行にあたり、出資・引受を打診し、ご出資・引受の意向をいただき、選定にいたっております。なお、本新株式及び第4回新株予約権証券の発行にあたり総数引受契約を締結することになる、那須マテリアル株式会社は、上述のとおり、当社の株主でもあり、また、当社取締役である星彰治氏が、同社の代表取締役を務めていることから、当社と特別な利害関係を有し、本新株式及び第4回新株予約権証券の割当は利益相反取引であるため、当社取締役星彰治氏は、当該募集事項の決定議案の審議及び決議には参加しておりません。

 

d.割り当てようとする本新株式及び第4回新株予約権の数

割当先の名称

本新株式

第4回新株予約権

ニューセンチュリー有限責任事業組合

629,000株

125,800株(個)

渡邉 敏行

314,500株

62,900株(個)

那須マテリアル株式会社

314,500株

62,900株(個)

合計

1,258,000株

251,600株(個)

 (注) 新株予約権は1個あたり1株

 

e.株券等の保有方針

 全ての割当予定先の保有方針に関しては、ニューセンチュリー有限責任事業組合につきましては、短期的な売却や転売予定はなく中長期の純投資方針であることを口頭で確認しております。また、当社代表取締役である渡邉敏行氏及び当社取締役星彰治氏が代表を務める那須マテリアル株式会社につきましても、同様に短期的な売却や転売予定はなく中長期の純投資方針であることを口頭で確認しております。なお、当社は、本新株式の発行日から2年以内に、割当予定先に割り当てられた本新株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に書面にて報告すること、当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆縦覧に供されることに同意することについての確約書を本新株式の割当予定先より、取得する予定であります。

 

f.払込みに要する資金等の状況

 当社は、各割当予定先の本新株式及び第4回新株予約権の払込みに要する財産の存在について、次の通りに確認しております。

 ニューセンチュリー有限責任事業組合については、2024年7月4日付け、同社の銀行預金通帳コピーを受領し、本新株式及び本新株予約権の発行時払込に必要な十分な資金が確保されていることを確認しております。なお、第4回新株予約権の行使時の払込金額につきましては、本届出書提出日現在、現金としての払込金が確保されておらず、行使にあたっては組合員からの追加出資等により資金を確保する予定であることを口頭にて確認いたしました。なお、追加出資等により資金を確保できない場合は、第4回新株予約権の行使が行われないリスクがあります。

 渡邉敏行氏については、本新株式の引受払込資金及び第4回新株予約権の発行時及び行使時の払込資金として、同氏名義の銀行預金口座(現金)、証券口座(株式及び現金)及び生命保険口座(解約返戻金)の2024年8月22日~25日付けのオンラインでの保有商品一覧の残高(評価金額)情報を受領し、払込資金が確保される見込みであることを確認いたしました。資金の出所については全額自己資金である旨口頭で確認をしております。

 なお、本届出書提出時点では、本新株式の引受払込資金及び第4回新株予約権の発行時及び行使時の払込資金について、現金としての払込金が別段確保されておらず、仮に何らかの理由で有価証券や生命保険解約返戻金等の現金化ができない場合、払込が行われないリスクがあります。

 那須マテリアル株式会社については、同社が保有する上場有価証券の2024年7月16日現在の証券会社発行の残高証明書を受領し、当該上場有価証券の流動性を鑑み、本新株式の引受払込資金及び第4回新株予約権の発行時及び行使時の払込資金として資金が確保される見込みであることを確認しております。また、当該上場有価証券取得資金の出所について全額自己資金である旨口頭で確認をしております。なお、本届出書提出時点では、現金としての払込金が別段確保されておらず、仮に何らかの理由で当該上場有価証券の現金化ができない場合、払込が行われないリスクがあります。

 

g.割当予定先の実態

 上記割当予定先の個人及び法人からは、反社会的勢力とは一切関係のないことを聴取しております。また、上記割当予定先の個人、法人、法人の役員及び主要株主について、第三者調査機関である株式会社ディークエストホールディングス(本社:東京都千代田区神田駿河台3-4 龍名館本店ビル5階 代表取締役 脇山太介)の調査により、反社会的勢力との関係を示す情報は確認されなかったとの報告を受けており、当社はその調査結果資料を確認いたしました。

 また、上記第三者調査機関加えて、当社が独自に行ったインターネット検索による上記割当予定先の個人及び法人(役員及び主要株主を含む)に関する報道や評判等の調査結果も踏まえて、当社は、上記割当予定先の個人及び法人(役員及び主要株主を含む)はいずれも反社会的勢力と関わりがないものと判断しております。

 以上により当社は、上記割当予定先の個人及び法人(役員及び主要株主を含む)は、反社会的勢力とは一切関係がないと判断し、これに係る確認書を株式会社東京証券取引所に提出しております。

 

2【株券等の譲渡制限】

 第4回新株予約権の譲渡については、当社取締役会の承認を要するものとされています。なお、当社は、割当予定先が第4回新株予約権の全部又は一部を譲渡する場合には、当社取締役会における承認の前に、譲受人の本人確認、反社会的勢力と関わりがないことの確認、行使に係る払込原資の確認、第4回新株予約権の保有方針の確認を行い、本買取契約に係る行使制限等の権利義務について譲受人が引継ぐことを条件に、承認の可否を判断する予定です。また、当社取締役会において第4回新株予約権の譲渡を承認した場合には、当該内容を開示いたします。本新株式及び第4回新株予約権の行使後の株式につきましては、譲渡制限は付されておりません。

 

3【発行条件に関する事項】

(1)払込金額の算定根拠及びその具体的内容

① 本新株式

 本新株式の発行価額につきましては、当社を取り巻く事業環境、業績動向、財務状況、株価動向及び前回2024年8月7日取締役会にて決議した第三者割当による新株式の資金調達時の発行価額等を総合的に勘案し、本新株式の発行価額は、本新株式の発行に係る取締役会決議日の直前取引日(2024年9月18日)の6カ月間(2024年3月19日から2024年9月18日まで)の東京証券取引所スタンダード市場における当社普通株式の終値の単純平均値(小数点以下第3位を四捨五入)である352.42円を基準とし、当該金額の90.23%に相当する318円といたしました。

 本新株式の発行価額である318円(小数点未満を四捨五入。以下、株価に対するディスカウント率の数値の計算について同様に計算しております。)は、本新株式の発行に係る取締役会決議日(2024年9月19日)の直前営業日の終値である298円に対して6.71%のプレミアム、取締役会決議日前営業日までの直前1ヶ月間の東証終値の単純平均値である366.64円に対して13.27%のディスカウント、取締役会決議日前取引日までの直前3ヶ月間の東証終値の単純平均値である407.00円に対して21.87%のディスカウントとなる金額です。

(本新株式の発行の必要性)

 当社は、ディスプレイ用液晶パネル市場の縮小傾向のもと、抜本的に収益構造を変革するために、さらなる新規事業として次世代型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の量産化に向けて事業を開始し、本設備投資資金の一部として、前回2024年8月に797百万円(発行諸費用差引後)の新株を発行し、ペロブスカイト太陽電池事業の設備投資及び運転資金として658百万円を充当する予定です。

 今回の新株式を発行して調達する資金394百万円(発行諸経費を除く手取り金)は、全額、前回の設備投資資金の残金の支払いのために行うものであり、本資金調達が行われなければ、設備投資資金の全額の支払いができずに、ペロブスカイト太陽電池の量産化に向けた事業を開始することができないことから、本新株式の発行の必要性を取締役会において審議し必要不可欠であると判断いたしました。

(発行価額について)

 ペロブスカイト太陽電池の量産化のための本設備投資資金支払いのため、短期間での割当先を選定する必要性があることから、複数のルートで割当候補先にコンタクトしましたが、早急に割当先が決まらなかったことから、当社筆頭株主のニューセンチュリー有限責任事業組合と当社代表取締役渡邉敏行氏個人、当社取締役の星彰治氏が代表取締役を務める那須マテリアル株式会社の3者に割り当てることを決定し、割当予定先との協議に基づく本新株式の発行価額についても審議を行い、当社取締役会の意向として、東京証券取引所における当社株式の市場価額(以下、「当社株価」という。)を基礎とし、有利発行に該当しない範囲のディスカウントによる発行価額とする前提で検討を進め、割当予定先からも、了承をいただいておりました。

 当社は、資金調達の緊急性及び割当予定先との協議をふまえ、発行決議日前日である2024年9月18日の直近株価水準は、PBR23.46倍、予想PER170.29倍であり、直前期の配当実績ゼロの現状において、当社の将来の成長期待を反映した株価であるものの、会社の実態と乖離していることから発行決議日前日である2024年9月18日までの6カ月間の東証終値の単純平均値を基準として採用することが適切であると判断いたしました。

 この結果、当該発行価額を、本新株式の発行に係る取締役会決議日(2024年9月19日)の直前6カ月間(2024年3月19日から2024年9月18日まで)の東証終値の単純平均値(小数点以下第3位を四捨五入)である352.42円を基準とし、当該金額の90.23%(9.77%のディスカウント)に相当する318円といたしましたが、これは、払込金額を原則として取締役会決議の直前日(2024年9月18日)の価額に0.9を乗じた額以上の価額であることとしつつ、直前日までの価額又は売買高の状況等を勘案し、当該決議の日から払込金額を決定するために適当な期間(最長6ヶ月)をさかのぼった日から当該決議の直前日までの間の平均の価額に0.9を乗じた額以上の価額とすることができるものとするとの協会指針にも配慮したものであることから、当社としては、318円という発行価額は、特に有利な金額には該当しないものと判断いたしました。

 また、本新株式の発行にあたり特別利害関係人に該当することになる取締役渡邉敏行氏と取締役星彰治氏が代表取締役を務める那須マテリアル株式会社にディスカウント発行することにつきましては、株主の権利内容を限定しない普通株式に対しては、同時期に発行する普通株式に対する発行価額が異なった場合には、その価格差の合理的な根拠が必要になるものと考えておりますが、本新株式については、同時期に同じ当社普通株式を同様の目的で発行するものであり、普通株式の権利内容も同一であるため、価格差を付ける理由が見当たらず、そのため、本新株式の発行価額は同一にならざるを得ません。なお、弁護士の見解も同様です(下記意見書参照)。また、資金調達の緊急性及び後述のように株主総会における特別決議による承認を得ることを条件としていることを鑑みて、総合的に判断して、他の割当予定先と同じ発行価額とすることに一定の合理性はあると判断いたしました。

 なお、本株式発行が大規模な希薄化となることから、当社取締役会で審議した結果、本新株式の発行について、第三者割当に係る企業行動規範上の遵守事項に基づく手続きとして、本臨時株主総会の特別決議を経て、広く株主の意思を確認することといたしました。なお、取締役渡邉敏行氏と星彰治氏は、本新株式の割当先であり、特別利害関係者に該当するので、取締役会での討議及び決議には参加しておりません。

 本新株式の発行の必要性及び本発行条件での資金調達の妥当性につきましては、第三者であるセントラル法律事務所の小井土弁護士による意見書(以下に全文(別紙)を記載)を取得しております。

 なお、当社監査役3名全員(うち社外監査役2名)からは、本新株式の発行価額は、上記小井土弁護士の意見書を参照し、当該内容が妥当と判断したうえで、当社株式の市場価格の動向等を踏まえ合理的といえる期間をさかのぼった期間における当社株式の価値を表す客観的な値である東証終値の平均値を基準としていること、直前6カ月間の東証終値の平均値に対する9.77%のディスカウント率も上記記載の事情に照らすと不合理であるとはいえないと評価することができること及び協会指針にも配慮していることから、有利発行でないことについて異論がない旨の意見を得ております。

◆小井土弁護士による意見書◆

別紙

<主要な前提事実>

1 株式会社倉元製作所(以下「貴社」という。)は、2024年9月19日を発行決議予定日として、第三者割当の方法による新株式の発行(以下「本第三者割当新株式発行」という。)及び新株予約権発行(以下「本第三者割当新株予約権発行」といい、両者をあわせて「本第三者割当増資」という。)を予定しているが、本第三者割当新株式発行に係る有利発行該当性について意見を述べるものである。

2 貴社の普通株式(以下「貴社株式」という。)は、株式会社東京証券取引所(以下「東証」という。)スタンダード市場に上場している。

 貴社は本第三者割当新株式発行により、

3 東証スタンダード市場における貴社株式の株価(以下「貴社株価」という。)は、貴社の2023年12月1日から2023年12月期の決算発表翌日の2024年2月15日をはさんで2024年2月19日までにおいて80円~90円代(同期間における東証終値の単純平均値87.98円)で安定して推移していたが、2024年2月20日から2024年3月1日の前回の増資及び新株予約権発行(増資1株当たり117円で総額190百万円、新株予約権行使価額140円で総額506百万円)の発表の前営業日である2024年2月29日までの間、貴社株価に好影響を及ぼすと思われる貴社からの情報開示が特にない状況において、2024年2月27日に123円をつけ急騰した。

 その後、2024年3月1日の増資発表(発行価額は前日2024年2月29日の117円)後も株価は高騰を続け、2024年6月12日には、609円の値を付けた。その後も株価はやや落ち着いたが、本新株式の発行価額の決定日の直前営業日である2024年9月18日の終値は298円をつけております。

 平均売買出来高も2023年12月1日から2023年12月期の決算発表翌日の2024年2月15日をはさんで2024年2月19日までにおいて1日あたり99,358株でしたが、株価が高騰を始めた2024年2月20日から2024年9月18日までの間は、1日あたり3,594,190株の水準まで急増している。

 また、株価が急騰し始めた2024年2月20日(終値115円)から2024年9月18日(終値298円)までの当社株価の上昇は259.13%となっており、同期間における東証スタンダード市場指数の下落率2.16%と比較しても、大幅に上回って推移している(以下2024年2月20日から2024年9月18日までの間の貴社株価の推移を総称して「本株価上昇」という。)。

4 本株価上昇を踏まえ、貴社は、本第三者割当増資における発行価額について、発行決議日の前取引日の終値を基礎とする方法ではなく、発行決議日以前の一定期間の平均株価を基礎として一定のディスカウントを行なう方法により発行価額を決定することを検討している。具体的には、2024年3月19日から2024年9月18日までの貴社単純平均値である352.42円を基準とし、当該金額の90.23%(9.77%のディスカウント)に相当する318円とすることを検討している。

5 本価額発行価額は、発行決議予定日の前取引日の終値298円に対して6.71%のプレミアムとなるが、貴社は、上記の本株価上昇の経緯等に基づき、会社法第199条第3項の「特に有利な金額」での新株の発行(以下「有利発行」という。)には該当しないと考えている。

6 仮に、有利発行に該当するとしても貴社は以下の事情から有利発行することについての必要性、相当性があると判断している。

 貴社において短期間での割当先を選定する必要性があることから、複数のルートで割当候補先にコンタクトしたが、早急に割当先が決まらなかったことから、貴社筆頭株主のニューセンチュリー有限責任事業組合と貴社代表取締役渡邉敏行氏個人、貴社取締役の星彰治氏が代表取締役を務める那須マテリアル株式会社の3者に割り当てることを決定し、割当予定先との協議に基づく本新株式の発行価額についても審議を行い、当社取締役会の意向として、東京証券取引所における当社株価を基礎とし、有利発行に該当しない範囲のディスカウントによる発行価額とする前提で検討を進め、割当予定先からも、了承をいただいていた。

 当社は、資金調達の緊急性及び割当予定先との協議をふまえ、発行決議日前日である2024年9月18日の直近株価水準は、PBR23.46倍、予想PER170.29倍であり、直前期の配当実績ゼロの現状において、当社の将来の成長期待を反映した株価であるものの、会社の実態と乖離していることから、発行決議日前日である2024年9月18日までの6カ月間の東証終値の単純平均値を基準として採用することが適切であると判断した。

 

<照会事項>

 以上の前提事実及び関連する事実関係に基づき、本発行価額は会社法第199条第3項の「特に有利な金額」に該当すると考えられるか。

 また、仮に「特に有利な価額」に該当する場合、その発行価額により発行することについて、必要性及び相当性があるか。

 

<意見>

 以上の前提事実及び関連する事実関係に基づき、本発行価額は会社法第199条第3項の「特に有利な金額」に該当しないものと思料する。

 しかし、大規模な増資に該当するため、より広範な株主の意思を踏まえて発行を決定するのが相当であるため、貴社の株主総会において、特別決議を経て発行することが妥当と考えられる。

 

<意見の理由>

 当職は、貴社からの照会を受けて、貴社に関する開示資料(適時開示及び法定開示を含むがこれらに限られない。)、市場株価、出来高及び信用取引残高等の公表資料等の検討を行った。また、当職は、貴社に対するヒアリングを実施し、貴社における本株価上昇に関する認識及び分析の結果、本株価上昇の前後における貴社による情報開示の状況等について確認を行った。

 上記の検討結果に基づき、当職は上記の意見を述べるものであるが、意見の理由は以下のとおりである。

1.「特に有利な金額」の意義

 会社法第199条第3項の「特に有利な金額」とは、公正な発行価額よりも特に低い価額をいうと解される。ここにいう「公正な発行価額」は、関連する裁判例によれば、「当該企業の有する客観的価値」により決定されるべきであるとされ、多くの場合には株価が基準となるものと解されている。

 しかしながら、関連する裁判例においても常に株価を公正な発行価額の基準とするべきと解されているものではなく、「企業の客観的価値以外の投機的思惑その他の人為的な要素によって、株価が企業の客観的価値を反映することなく異常に騰落することもある」(東京高判昭和48年7月27日判時715号100頁)などとして、一定の場合に株価が「公正な発行価額」の基準とならない場合があるとされている。関連する各裁判例において示されている考え方によれば、概ね、(1)発行会社の業績の向上等株価高騰の原因となる合理的な事情がないのに、(2)投機の対象となる等により株価が異常な程度にまで急騰し、(3)当該高騰が一時的な現象にとどまるものであるような場合には、株価が公正な発行価額の基準とならず、高騰中の株価を公正な発行価額の算定の基礎から除外することを認めていると考えられる。

 また、日本証券業協会の定めた「第三者割当増資の取扱いに関する指針」(平成22年4月1日付、以下「日証協指針」という。)においても、「払込金額は、株式の発行に係る取締役会決議の直前日の価額(直前日における売買がない場合は、当該直前日からさかのぼった直近日の価額)に0.9を乗じた額以上の価額であること。ただし、直近日又は直前日までの価額又は売買高の状況等を勘案し、当該決議の日から払込金額を決定するために適当な期間(最長6か月)をさかのぼった日から当該決議の直前日までの間の平均の価額に0.9を乗じた額以上の価額とすることができる。」とされており、直近日の株価ではなく、一定期間の平均株価を基礎として発行価額を決定することが認められる場合があるとされる。関連する裁判例において示されているように、合理的な理由のない異常かつ一時的な株価の急騰等が生じた場合であれば、日証協指針との関係でも「直近日又は直前日までの価額又は売買高の状況等を勘案」して一定期間の平均株価を基礎として発行価額を決定することに一定の合理性があると考えられる。

 以上のことから、貴社が検討している本発行価額が「特に有利な金額」に該当するか否かに関して、本株価上昇の後における貴社株価が貴社株式の客観的価値を反映する公正な発行価額の算定の基礎となるか否かとの観点から、(1)貴社の業績の向上等株価高騰の原因となる合理的な事情がないのに、(2)投機の対象となる等により株価が異常な程度にまで急騰し、(3)当該高騰が一時的な現象にとどまっているか否か、との各要素について以下検討する。

 

2.本株価上昇に関する検討

(1)業績の向上等株価高騰の原因となる合理的な事情の有無

 まず市況との比較について検討するに、本株価上昇の期間において、東証株価指数、日経平均株価(225種)等のインデックス指標は全体として上昇基調にはあるものの、その騰落率は10%程度の上昇であり、前提事実記載の貴社株価の騰落率とは明らかに乖離していることからすれば、本株価上昇の原因において市況の影響により説明される程度はごく僅かであると考えられる。

 また貴社は、本株価上昇に近接した時期において2024年2月14日付「特別損失の計上及び2023年12月期通期業績予想値と実績値の差異に関するお知らせ」を開示していることから、当該開示が株価高騰の原因となった可能性も一応想定される。もっとも、当該開示は、貴社における固定資産について、回収可能性が乏しいと認められた資産について、帳簿価額を回収可能価額まで減額し発生した旨を開示するものであって、通常、株価下落の原因となる可能性はあるとしても、株価急騰の原因となることはないと考えられる。

 また、2024年3月1日に貴社において「代表取締役の異動(社長交代)及び取締役人事に関するお知らせ」、「第三者割当による新株式発行及び第三者割当による新株予約権発行に関するお知らせ」を開示し、貴社の代表取締役予定者として渡邉敏行氏に決定したこと及び同氏を中心とした増資が決議された旨開示されているが、新代表取締役の就任及び増資が決まったことによる貴社における財務体質の強化を好材料として株価高騰の要因として捉えられた可能性はあるものの、2024年3月において貴社株式は117円から178円に152%も急騰しており、株価急騰の原因となるとまではいえない。

 2024年4月15日に貴社において「『パートナー契約』の締結及び新規事業の開始に関するお知らせ」、4月24日に「新たな事業の開始及びHangzhou MDK Opto Electronics Co, Ltd.(杭州美迪凱光電科技股份有限公司)との製造委託基本契約締結に関するお知らせ」を開示しこれらの開示が一定程度新規事業開始による期待感により貴社株価の上昇要因と評価しうる。会社からのヒアリングの結果によれば、4月15日付開示の「パートナー契約」については、貴社がさらにエージェントを再募集する必要があり、エージェントを積み上げていく必要があり直ちに貴社において収益が実現するものでなく、4月24日付開示の製造委託基本契約についても、貴社において、契約締結により生じる費用はないものの日本における顧客を開拓する必要があり、顧客を獲得し収益化するために相応の時間を要する見込みであるとのことであった。いずれの開示資料においても「業績に与える影響は軽微にとどまる見通しである」と公表されており、通常の投資家においても業績に与える影響は軽微であると判断するのが通常であると考えられる。さらに、2024年5月10日に「特別利益の計上に関するお知らせ」を開示しているが、2024年12月期第一四半期における貴社の経常利益は2,030千円に留まり決して業績がよいと評価できるわけで無いところ、特別利益計上額10,750千円は、総資産額1,193,274千円の1%未満に留まり、純資産額である333,139千円に比しても3.2%余りで貴社の業績に与える影響は軽微であると評価でき、やはり株価急騰の原因となるとまではいえない。

 2023年8月21日に貴社において「成長が期待されるAIを活用した全自動業務用お掃除ロボットの日本での開発・販売・メンテナンスサービス提供会社である株式会社アイウイズロボティクスとの株式交換に関する基本合意締結のお知らせ」を開示し、同年9月2日に株式交換による株式会社アイウイズロボティクスの完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ」を開示しているが、株式会社アイウイズロボテックス社を完全子会社化することで貴社グループの業績向上は期待できるものの、他方で株式交換による株式発行を予定しており、貴社の株式の希薄化が想定されることを踏まえると、株価急騰の原因となるとは考えられない。

 さらに、貴社は、継続企業の前提に疑義がある状況において財務体質は脆弱であり、営業キャッシュ・フローも2024年12月期下振れリスクも抱えている状況下において、発行決議日前日である2024年9月13日の直近株価水準は、PBR23.46倍、予想PER170.29倍であり、直前期の配当実績ゼロの現状において、貴社の将来の成長期待を反映した株価であるものの、なお会社の実態と乖離している。

 上記のほか、貴社は本株価上昇の前後近接した時期において株価高騰の原因となる可能性のある情報開示を行っておらず、かつ、当職らが貴社に対して確認したところによれば、特定の者に対して未公表の株価高騰の原因となり得る事実を伝達したこともないとのことであるから、貴社による情報開示が本株価上昇の原因となったものではないと考えられる。

 さらに、特定の大株主が貴社株式の取引を行ったことによる需給の急激な変動についても一応想定されるが、貴社において大株主の異動状況を確認したところ、かかる需給の急激な変動の原因となるような大株主の異動は、生じていない。

 以上のほか、本株価上昇の原因となる合理的な事情は不見当であった。

 したがって、本株価上昇に関し、業績の向上等株価高騰の原因となる合理的な事情は認められないものと思料する。

 

(2)投機の対象となる等の株価急騰の異常性

 本株価上昇の異常性について検討するに、前提事実記載のとおり、貴社株価は本株価上昇の直前の四半期決算発表以降、株価及び出来高ともに安定的に推移していた。これに対し、本株価上昇においては、本株価上昇が開始した2024年2月20日から13取引日目の2024年3月12日には終値200円(2024年2月20日終値115円に対して173.9%の上昇、)となるなど、従前の株価推移とは明らかに傾向の異なる異常な急騰があったと認められる。

 また、取引出来高についても、本株価上昇以前は取引日当たり数千株から数万株で推移していたのに対し、本株価上昇の間、数十倍から数百倍となる数十万株から数百万株の水準で推移した。月単位でみても、2024年3月から7月まで継続して取引出来高は5,000万株を越えているが、直近5年でみるとそれ以前は2020年1月以外の月はないといえ、取引出来高は加熱していると評価できる。また、信用取引残高も2024年2月に入って大幅に増加しており、信用取引を含めた取引量が極めて大幅に増加していることが確認された。

 なお、1日当たりの取引出来高が100万株を越えたのは2022年11月18日以来2024年2月19日に至って184万0500株を記録しており、それ以前も数百万株規模の取引が継続したのは2015年以来であるが(同年の高値は、4月2日に付けた1,338円)、その時の高値は長期的に続かず、本株価上昇以前でいうと今回の割当価額を上回るのは2020年1月まで遡ることになる。

 以上のことから、貴社株式の取引状況は本株価上昇の前後で明らかに様相を異にしており、その騰落率、出来高及び信用取引残高の大幅な増加の観点から取引が過熱した状況と認められ、上記(1)のとおり株価高騰の原因となる合理的な事情は認められないことにも鑑みれば、投機的思惑等によって貴社株価が異常に高騰したと認められるものと思料する。

 

(3)株価高騰の一時性平成2年6月22日大阪地方裁判所決定・判例時報1364号100頁等における関連する裁判例における高騰の一時性に関する言及は、半年から1年以上といった比較的長期間の継続的な株価の維持が認められる場合には同株価を一時的な急騰として公正な発行価額の基礎から除外すべきではないとの趣旨を述べるものである。そして、高騰の一時性や発行価額の妥当性を判断するに際しては、割当予定価額を超えた株価を維持されている期間が比較的短期間の場合は、高騰の一時性を表象するものとして考慮することが相当である。年初来高値を付けた6月13日の株価658円に比較して、直近取引日の株価の終値は298円であり54.71%もの下落をしており、株価が下落傾向であることを踏まえると、株価急騰が一時的な現象であることを否定する事情は認められないものと思料する。

 

(4)小括

 以上より、本株価上昇は、(1)貴社の業績の向上等株価高騰の原因となる合理的な事情がないのに、(2)投機の対象となる等により株価が異常な程度に急騰したものであり、(3)当該高騰が一時的な現象であることを否定する事情は認められないことからすれば、本株価上昇の後における貴社株価は貴社株式の客観的価値を反映していないと考えられる。したがって、本株価上昇の後における貴社株価を「公正な発行価額」の基準として発行価額が「特に有利な金額」に該当するか否かを判断することは適切でないと思料する。

 かかる本株価上昇に関する状況等に鑑み、貴社株式の客観的価値をより適切に反映していると考えられる「公正な発行価額」を踏まえた本発行価額の決定方法として、日証協指針の記載も参考に、発行決議日以前一定期間の平均株価を基礎として本発行価額を決定することには一定の合理的な理由が認められるものと思料する。

 具体的には、本株価上昇が6か月程度継続していることに鑑み、一時的な株価変動の影響等の特殊要因を排除する観点、並びに、従前の株価推移とは明らかに傾向の異なる異常な急騰の期間のみをもって本第三者割当増資の価額を決める、発行決議日の前日終値を基準にする方法や、発行決議日までの直近1か月、3か月の平均を基準にする方法は、公正な金額を算出する方法として妥当とはいえないとの観点を踏まえ、2024年3月19日から2024年9月18日までの6か月間の平均株価を基礎とすることについても、一定の合理的な理由が認められるものと思料する。

 

3.本発行価額の有利発行該当性

 以上のとおり、発行決議日以前一定期間の平均株価を基礎として本発行価額を決定することには一定の合理的な理由が認められるものと思料するものであるが、本発行価額の有利発行該当性を検討するにあたっては、かかる一定期間の平均株価に基づく算定方法の当否に加えて、当該平均株価から更に一定のディスカウントを行うことの合理性についても検討する必要がある。

 この点に関し、本第三者割当増資においては、割当予定先は短期的な売却や転売予定はなく中長期の純投資方針であること、本新株式の発行日から2年以内に、割当予定先に割り当てられた本新株式の全部又は一部を譲渡した場合には、その内容を当社に書面にて報告すること、当社が当該報告内容を株式会社東京証券取引所に報告すること、及び当該報告内容が公衆縦覧に供されることに同意することを表明しており、割当予定先との協議・交渉において、割当予定先がかかるリスクを負担することと引き換えに9.9%のディスカウントが必要であるとの意向が示されたことを踏まえ、貴社において、本第三者割当増資の実現可能性の観点からかかるディスカウントによる発行を受け入れることをやむを得ないと判断したものであること、また、当該ディスカウント率の水準が日証協指針に準拠したものであることも併せ考慮すると、本発行価額は「特に有利な金額」には該当せず、有利発行に該当しないものと思料する。

 本新株式割当先のうち貴社代表取締役である渡邉敏行氏及び貴社取締役の星彰治氏が代表取締役を務める那須マテリアル株式会社に割り当てられることになるがいずれも、直接もしくは間接に、当社の経営に関与しているあるいは関与することになるため、両者に対するディスカウント発行について慎重な考慮は要するといえる。

 しかし、株主の権利内容を限定しない普通株式に対しては、同時期に発行する普通株式に対する発行価額が異なった場合には、その価格 差の合理的な根拠が必要になるものと考えられる。本新株式については、同時期に同じ当社普 通株式を同様の目的で発行するものであり、普通株式の権利内容も同一であるため、価格差を付ける理由が見当たらず、そのため、本新株式の発行価額は同一にならざるを得ないといえる。

 そして、割り当てられた株主が経営陣の一員及びそれに密接に関連する会社であったとしても、他の割当予定先と同様に本第三者割当による株価変動リスクを同様に負うことになること、また、両者がインサイダー取引回避のために株主の売却に際し一定の制約を負うことになり流動性リスクを負うという一般の株主に比べて不利益を被ることもあることを踏まえると、貴社において、経営陣及びその関係会社とそれ以外の割当予定先を区別せず、本第三者割当増資の実現可能性の観点からかかるディスカウントによる発行を受け入れることは相当といえる。

 なお、決定された価額は直近株価の298円の6.71%プレミアムであり、その点からすると既存株主の利益を不当に損なうものでないといえる。

 

4.株式の発行が著しく不法性な方法により行われたかについての検討

(1)仮に、有利発行に該当する場合、会社法238条3項2号により、有利な価額で発行する必要性について、株主総会で説明をしなければならず、また、同法210条2号において、株式の発行が著しく不公平な方法により行なわれ、株主の利益を害する場合は、株主は募集株式の発行について差止ができることとされているため検討する。

(2)貴社は2024年8月7日に決議し同月30日に発行した新株第三者割当時においても、当該株式の発行価額は、当該株式の発行に係る取締役会決議日(2024年8月7日)の直前取引日の終値を基準とするのではなく、直近6カ月間(2024年2月7日から2024年8月6日まで)の東証終値の単純平均値(小数点以下第3位を四捨五入)である297.07円を基準とし、当該金額の90.21%に相当する268円としている。

 当該株式の発行価額である268円(小数点未満を四捨五入。以下、株価に対するディスカウント率の数値の計算について同様に計算している。)は、本株式の発行に係る取締役会決議日(2024年8月7日)の直前営業日の終値である365円に対して26.58%のディスカウント、取締役会決議日前営業日までの直前1ヶ月間の東証終値の単純平均値である421.71円に対して36.45%のディスカウント、取締役会決議日前営業日までの直前3ヶ月間の東証終値の単純平均値である411.83円に対して34.92%のディスカウントとなる金額である。

 この発行に関して、特段株主からは差止め等の法的手段が取られていない。

 貴社において短期間での割当先を選定する必要性があることから、貴社の事業環境及び財務状況の現状と課題並びに今後の事業戦略について理解いただける投資家に貴社取締役の人的ネットワークを活用して接触し、出資を打診し複数のルートで割当候補先にコンタクトしたが、早急に割当先が決まらなかったことから、貴社筆頭株主のニューセンチュリー有限責任事業組合と貴社代表取締役渡邉敏行氏個人、貴社取締役の星彰治氏が代表取締役を務める那須マテリアル株式会社の3者に割り当てることを決定しているとの経緯がある。

 今回の本新株式の発行が、ペロブスカイト太陽電池事業の設備投資資金の調達として2024年8月の際と同じ目的でかつ、日程も近接して行われることから、割当先のニューセンチュリー有限責任事業組合より、前回2024年8月の資金調達時の発行条件から条件を変更するのは適当でないとの要請があったこと、貴社の事業であるペロブスカイト太陽電池事業の設備投資資金には多額な資金を要し、貴社の財務状況等を踏まえると、貴社の直近株価は将来への成長期待を過度に依拠した価額が継続しているとみるべきで、貴社の事業の現況、ビジョンを理解し、その上で直近株価を基礎とした価額で引受をしてくれる投資家を探すことは容易でないといえ、割当予定先の選定についても合理性が認められる。

 そして、直近取引日から6ヶ月間の平均終値株価を基礎として割当価額を定めることについても、貴社の財務状況を踏まえれば合理的な相応な合理性を有しており、既存株主の利益を不当に害するものとまではいえないと解される。

(3)さらに、株式の発行が著しく不公平な方法により行なわれ、株主の利益を害する場合とは、原則として会社の支配権をめぐる争いがある状況において、経営陣が自己または会社に友好的な第三者に募集株式または新株予約権を発行することによって、支配権を維持・争奪する目的を達成しようとする場合をさすと解される。

 もっともそのような不当な目的が併存したとしても、資金調達目的が主たる目的と認められる場合は著しく不公平な方法によるものに該当しないとされている(東京地方裁判所平成元年7月25日決定・判例時報1317号28頁参照)。

 専ら現経営陣が本株式発行に際して、貴社の筆頭株主であるニューセンチュリー有限責任事業組合と貴社代表取締役渡邉敏行氏個人、貴社取締役の星彰治氏が代表取締役を務める那須マテリアル株式会社に割り当てることとされており、現経営陣の支配権の維持強化に寄与する効果を生じさせる点は否めないものの、本件の新株式発行の主たる目的がペロブスカイト太陽電池事業の設備投資資金の調達というもので、貴社において継続企業の前提に疑義がある状況において、その必要性が認められ、貴社において特段支配権争いがなく、また、その発行価額も直近取引日から6ヶ月間の平均終値株価を基礎として割当価額を定めることについても、貴社の財務状況を踏まえれば合理的な相応な合理性を有しており、著しく不公平な方法により行なわれたといえない。

 既存株主にとって株式の希薄化の不利益が生じる面は否めないものの、資金調達目的である貴社のペロブスカイト太陽電池事業等により業績を上げることができれば、終局的には貴社の既存株主にとっても株価上昇や配当等を通じてその利益に授かることができるのであって、株主の利益を害するともいえない。

 そして、会社としては本株式発行が大規模な希薄化の不利益が生じることにかんがみ、第三者割当に係る企業行動規範上の遵守事項に基づく手続きとして株主総会の決議を経る方針であるが、その際に特別決議を経て行うことが妥当と考えられる。

以上

 

② 第4回新株予約権

 本第4回新株予約権(以下、本項において「本新株予約権」という。)の発行価額につきましては、その発行要項及び本契約に定められた諸条件を考慮し、一般的な価格算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションを基礎とした第三者評価機関である茄子評価株式会社(住所:東京都港区麻布十番1丁目2番7号ラフィネ麻布十番701号 代表取締役 那須川 進一)による評価書を参考に、第4回新株予約権の1個(1株)当たりの払込金額を第三者評価機関による評価額と同額の116.44円(1株当たり116.44円)といたしました。

 また、本新株予約権の行使価額については、前記①本新株式に記載の本新株式の発行価額と同じく、本第3回新株予約権の発行に係る取締役会決議日(2024年9月19日)の直前6カ月間(2024年3月19日から2024年9月18日まで)の東京証券取引所スタンダード市場における当社の普通株式の終値の単純平均値(小数点以下第3位を四捨五入)である352.42円を基準とし、当該金額の90.23%に相当する318円といたしました。

 本新株予約権の行使価額の決定につきましては、前記①本新株式 に記載の本新株式の発行価額と同様の理由により、総合的に判断いたしました。この行使価額は、行使価額修正条項付きのいわゆるMSCBやMSワラントとは異なり、将来的な市場株価の変動によって行使価額が変動することはなく、また、日本証券業協会の「第三者割当増資の取扱いに関する指針」に準じており、当社取締役会は、これらの事情を勘案の上、本新株予約権の発行価額及び行使価額については、会社法第238条第3項第2号に規定されている特に有利な金額には該当しないと判断しております。なお、本新株予約権の発行が大規模な希薄化となることから、当社取締役会で審議した結果、本新株予約権の発行について、第三者割当に係る企業行動規範上の遵守事項に基づく手続きとして、本臨時株主総会の特別決議を経て、広く株主の意思を確認することといたしました。

 なお、当社監査役3名(うち2名は社外監査役)全員より、茄子評価株式会社は、当社と取引関係になく当社経営陣から独立していると認められること、割当予定先からも独立した立場で評価を行っていること、また、本新株予約権の価額算定方法としては市場慣行に従った一般的な方法で行われている同社の新株予約権算定報告書において報告された公正価値評価額と同額の払込金額として決定していることから、有利発行には該当せず、適法である旨の意見を得ております。そして、当社取締役会においては、監査役3名から上記意見についての説明を受け検討の結果、当社取締役渡邉敏行氏及び星彰治氏の両名は特別の利害関係者に該当するため決議に参加せず、当該2名を除く取締役全員の賛成により本新株予約権の発行を決議しております。

 

(2)発行数量及び株式の希薄化の規模が合理的であると判断した根拠

 本新株式及び第4回新株予約権発行に係る潜在株式数は、本届出書提出日現在から6カ月以内の新たに発行された新株式数及び新株予約権発行に係る潜在株式数を含め(下表のとおり)、それぞれ5,882,000株及び3,823,100株の合計9,705,100株(議決権個数は97,051個)であり、本届出書提出日現在から6カ月前である2024年3月20日現在の当社発行済株式総数33,831,519株に対して28.69%、同日現在の議決権総数337,316個に対しては28.77%となります。そのため、本第三者割当により、一定の希薄化が生じることになります。

希薄化率

2024.3.17

2024.4.10

前々回増資等

2024.8.30

前回増資

2024.10

今回増資等

合計

前回+今回

(通算)

発行済株式総数

33,831,519株

35,455,519株

38,455,519株

39,713,519株

 

議決権個数(現物)

337,316個

353,556個

383,556個

396,136個

 

増資

 

1,624,000株

3,000,000株

1,258,000株

5,882,000株

新株予約権

 

3,571,500株

 

251,600株

3,823,100株

合計

 

5,195,500株

3,000,000株

1,509,600株

9,705,100株

希薄化率(議決権)

 

51,955個

30,000個

15,096個

97,051個

希薄化率(発行済)

 

 

 

28.68%

希薄化率(議決権)

 

 

 

28.77%

 しかしながら、当社は、本第三者割当により調達した資金を上述の「5 新規発行による手取金の使途(2)手取金の使途」に記載のとおり、当社の継続企業の前提に疑義がある状況下において、抜本的に収益構造を変革するために、新規事業として次世代型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の量産化に向けて事業を開始することにより、中長期的な観点から当社の企業価値及び株主価値の向上につながり、当社の既存株主の皆様の利益に貢献できるものと考えており、希薄化の程度を踏まえても、今回の募集規模は合理的であると判断しております。

 また、割当予定先が本新株式及び本新株予約権を行使して取得した場合の当社株式数1,509,600株を本新株予約権の行使期間である5年間(245日/年営業日で計算)で売却すると仮定した場合の1日当たりの数量は1,232株(小数点以下切捨て)となり、上記直近1か月間の1日当たりの平均出来高の0.14%、直近3か月間の1日当たりの平均出来高の0.07%、直近6か月間の1日当たりの平均出来高の0.04%となるため、本新株式及び本新株予約権発行による資金調達が及ぼす市場への影響は限定的であると考えております。

 したがって、本第三者割当により発行される株式の発行数量及び希薄化の規模は合理的であると判断しております。

 しかしながら、上記の希薄化率は25%を超える大規模なものであることから、当新株式及び新株予約権の発行につきまして、本臨時株主総会に付議し、株主に諮る予定でおります。

 

4【大規模な第三者割当に関する事項】

 本新株式及び第4回新株予約権発行に係る潜在株式数は、本届出書提出日現在から6カ月以内の新たに発行された新株式数及び新株予約権発行に係る潜在株式数を含め(下表のとおり)、それぞれ5,882,000株及び3,823,100株の合計9,705,100株(議決権個数は97,051個)であり、本届出書提出日現在から6カ月前の時点である2024年3月20日現在の当社発行済株式総数33,831,519株に対して28.69%、同日現在の議決権総数337,316個に対しては28.77%となり25%以上となります。

 したがって、本新株式及び第4回新株予約権の発行は、「企業内容等の開示に関する内閣府令 第2号様式 記載上の注意(23-6)」に規定する大規模な第三者割当に該当いたします。

 そのため、当社は、本新株式及び第4回新株予約権の発行の妥当性について、より広範な株主の意思を踏まえて発行を決定するために、本臨時株主総会において、特別決議による承認が得られることを条件としております。

 

5【第三者割当後の大株主の状況】

(1)本新株式発行後の大株主の状況

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

総議決権数に対する所有議決権数の割合

(%)

割当後の所有株式数

(株)

割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合(%)

ニューセンチュリー有限責任事業組合

東京都品川区大井一丁目23番1号

12,532,755

32.68%

13,161,755

33.23%

那須マテリアル株式会社

大田原市北金丸2122

2,753,900

7.18%

3,068,400

7.75%

渡邉 敏行

横浜市旭区

1,196,600

3.12%

1,511,100

3.81%

LIN Qi

東京都新宿区

1,221,400

3.18%

1,221,400

3.08%

星川インベスト㈱

東京都港区愛宕二丁目5番1号愛宕グリーンヒルズMORIタワー34階

937,200

2.44%

937,200

2.37%

藪田 晃彰

静岡県御前崎市

841,400

2.19%

841,400

2.12%

楽天証券株式会社

港区南青山2丁目6番21号

694,400

1.81%

694,400

1.75%

株式会社祥豊

堺市東区日置荘西町2丁目4-5

546,700

1.43%

546,700

1.38%

李 克

千代田区

422,900

1.10%

422,900

1.07%

橋野 雅幸

世田谷区

214,000

0.56%

214,000

0.54%

林 文

横浜市南区

205,000

0.53%

205,000

0.52%

合計

21,566,255

56.23%

22,824,255

57.62%

 (注)1.所有株式数につきましては、2024年9月2日時点の株主名簿に記載された数値を基準として記載しております。

2.割当後の所有株式数及び割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、2024年9月2日現在の所有株式数及び所有議決権数に、本第三者割当増資により発行される普通株式の数(1,258,000株)及び議決権数(12,580個)を加算し、作成しております。

3.総議決権数に対する所有議決権数の割合及び割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合につきましては、小数点第3位を四捨五入して計算しております。

 

(2)本新株式発行の際に本新株予約権が全て同時に行使された場合の大株主の状況

氏名又は名称

住所

所有株式数

(株)

総議決権数に対する所有議決権数の割合

(%)

割当後の所有株式数

(株)

割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合(%)

ニューセンチュリー有限責任事業組合

東京都品川区大井一丁目23番1号

12,532,755

33.23%

13,287,555

30.59%

渡邉 敏行

横浜市旭区

1,196,600

3.81%

5,145,500

11.85%

那須マテリアル株式会社

大田原市北金丸2122

2,753,900

7.75%

3,131,300

7.21%

LIN Qi

東京都新宿区

1,221,400

3.08%

1,221,400

2.81%

星川インベスト㈱

東京都中央区日本橋2-9-10

LBiz9階

937,200

2.37%

937,200

2.16%

藪田 晃彰

静岡県御前崎市

841,400

2.12%

841,400

1.94%

楽天証券株式会社

港区南青山2丁目6番21号

694,400

1.75%

694,400

1.60%

株式会社祥豊

堺市東区日置荘西町2丁目4-5

546,700

1.38%

546,700

1.26%

李 克

東京都千代田区

422,900

1.07%

422,900

0.97%

橋野 雅幸

東京都世田谷区

214,000

0.54%

214,000

0.49%

林 文

横浜市南区

205,000

0.52%

205,000

0.47%

21,566,255

57.62%

26,647,355

53.13%

 (注)1.所有株式数につきましては、2024年9月2日時点の株主名簿に記載された数値を基準として記載しております。

2.割当後の所有株式数及び割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合は、2024年9月2日現在の所有株式数及び所有議決権数に、本第三者割当増資により発行される普通株式の株式数(1,258,000株)及び議決権数(12,580個)並びに第4回新株予約権の行使により発行される普通株式の株式数(251,600株)及び議決権数(2,516個)及び既発行新株予約権の行使により発行される普通株式の株式数(3,571,500株)及び議決権数(35,715個)を加算し、作成しております。

3.総議決権数に対する所有議決権数の割合及び割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合につきましては、小数点第3位を四捨五入して計算しております。

 

6【大規模な第三者割当の必要性】

(1)大規模な第三者割当を行うこととした理由

 当社は、債権者様、株主様、ステークホルダーの皆様の支援のもと、2020年3月30日に事業再生ADR手続が成立し、2020年4月14日に7億円の第三者割当増資を行い、事業再生に注力して参りました。しかしながら、2019年の新型コロナウイルスによる受注減により収益状況が悪化し、ここ数年は、当社主力の国内ディスプレイ用液晶パネルにおいて、国内大手製造メーカーの相次ぐ市場撤退により、ディスプレイ市場は縮小が続いており、当社の営業キャッシュ・フロー減少による資金不足を補うべく2021年4月に新株発行により305百万円、新株予約権の発行により169百万円を調達し、全額債務弁済及び運転資金に充当いたしました。

 しかしながら、国内ディスプレイ用液晶パネル市場の一層の縮小にともない、2023年12期は、当期純損失555百万円を計上し、2023年12月に弁済予定のADR4行への債務弁済資金139百万円が不足し、ADR4行に6カ月間の債務弁済繰り延べを要請し、債務デフォルトを回避しました。そして、かかる繰り延べ債務の弁済資金を確保するため、2024年4月に再度、第三者割当による新株式発行により187百万円を調達し、債務弁済資金及び運転資金に充当いたしましたが、本届出書提出日現在、ADR4行の債務は390百万円残っている状態にあります。

 2021年より、新規事業として、当社のこれまで培ってきた「切る」「磨く」「成膜」というナノレベルの『超精密表面加工技術』を生かした、石英ガラス加工、SiC加工(炭化ケイ素加工)など、半導体製造装置部品加工を開始し、規模は小さいながらも、着実に成果につながっております。しかしながら、目下のところ、市場の高成長が期待されるパワー半導体向けのSiCについては、将来性は十分に見込めるものの、目先、SiC市場の成長速度は停滞しており、当社業績を急速に好転させるまでに至っておりません。このような経営環境のもとで、継続企業の前提に疑義がある状況が続いており、企業活動も制約を受けております。

 当社といたしましては、さらなる新規事業として次世代型太陽電池であるペロブスカイト太陽電池の量産化に向けて事業を開始すべく、前回2024年8月の新株発行により、797百万円(発行諸費用差引後)を調達し、設備投資資金の一部に充当する予定ですが、現状、ペロブスカイト太陽電池の量産を行うためには、当該設備投資のための追加の資金調達が必須な状況にあります。上述のように市場環境、収益状況及び財務状況といった当社の複合的な制約要因を早期に解消し、財務、経営の安定及び抜本的収益構造の改善と一層の企業価値向上を迅速に達成するためには、短期的及び中長期的な観点から、今回の新株式及び第4回新株予約権の発行による資金調達は、必要不可欠であると判断し、実施することを決定いたしました。

 

(2)資金調達の方法として本新株式及び第4回新株予約権の発行を選択した理由

 当面の安定した運転資金を確保し、今後の事業継続、さらには新規事業の積極的な推進のための資金調達方法として、間接金融及び直接金融(公募、株主割当並びに第三者割当)を検討いたしました。

 その結果、間接金融については、当社は、事業再生ADRにより、再建途上にあり、新規に大量の資金を金融機関から間接金融により調達することは事実上不可能であると判断しました。

 選択肢として残された直接金融による調達のうち、上記「大規模な第三者割当を行うこととした理由」に記載したとおり、当社の複合的な制約要因を早期に解消し、財務、経営の安定及び抜本的収益構造の改善と一層の企業価値向上を迅速に達成するためには、今回の第三者割当による新株式及び第4回新株予約権の発行による資金調達が必要不可欠であるとともに、最も適していると判断いたしました。

 

(3)大規模な第三者割当による既存株主への影響についての取締役会の判断内容

 前記「第3 第三者割当の場合の特記事項 4 大規模な第三者割当に関する事項」に記載のとおり、本第三者割当により25%以上の割合で希薄化が生じることとなるため、本第三者割当は大規模な第三者割当に該当します。このような希薄化は株主総会における議決権行使や株主提案権等に影響を及ぼすこととなり、また、株主価値も希薄化し、株価も下落する可能性があります。

 当社取締役会といたしましては、本新株式の発行及び第4回新株予約権の発行と行使の進捗により、このような資金調達が無ければ成し得ない、上記「大規模な第三者割当を行うこととした理由」に記載の「当社の複合的な制約要因を早期に解消し、財務、経営の安定及び抜本的収益構造の改善と一層の企業価値向上を迅速に達成する」ことが可能になり、継続企業の前提に重要な疑義を生じるような事象又は状況が存在する当社を再生させ再成長軌道に乗せていくことができるものと考えており、それは既存株主の皆様も含めた株主価値の向上に資するものであると判断しております。本第三者割当による希薄化は大規模であるものの、既存株主の皆様への影響の程度は、本新株式の発行、及び第4回新株予約権の発行により期待される中長期メリットに比較して、限定的なものであると判断しております。

 しかしながら、当社取締役会は、本新株式の発行及び第4回新株予約権の発行は、大規模な第三者割当に該当することから、より広範な株主の意思を踏まえて発行を決定するために、本臨時株主総会において、特別決議による承認が得られることを条件としております。

 

(4)大規模な第三者割当を行うことについての判断過程

 本第三者割当は、希薄化率が25%以上であることから、東京証券取引所の定める有価証券上場規程第432条の規定に基づき、(1)経営者から一定程度独立した者による当該割当ての必要性及び相当性に関する意見の入手、又は(2)当該割当てに係る株主総会決議などによる株主の意思確認のいずれかが必要となります。

 この点、当社はより株主意思を尊重する観点から、上記(2)の株主の意思確認手続きを実施する予定であり、2024年10月29日(火)開催予定の本臨時株主総会にて、本第三者割当に関する議案を付議し、本第三者割当の必要性及び相当性について株主の皆様に対してご説明のうえ、当該議案が承認されることをもって、株主の皆様の意思確認をさせていただくこととします。

 

7【株式併合等の予定の有無及び内容】

 該当事項はありません。

 

8【その他参考になる事項】

 該当事項はありません。

 

第4【その他の記載事項】

  該当事項はありません。

 

第二部【公開買付け又は株式交付に関する情報】

第1【公開買付け又は株式交付の概要】

 該当事項はありません。

 

第2【統合財務情報】

 該当事項はありません。

 

第3【発行者(その関連者)と対象者との重要な契約(発行者(その関連者)と株式交付子会社との重要な契約)】

 該当事項はありません。

 

第三部【追完情報】

1.事業等のリスクについて

 「第四部 組込情報」に記載の有価証券報告書(第49期、提出日2024年3月29日)及び半期報告書(第50期半期、提出日2024年8月13日)(以下「有価証券報告書等の提出日以降、本有価証券届出書提出日(2024年9月19日)までの間において、当該有価証券報告書等に記載された「事業等のリスク」について、追加事項はありません。

 

2.臨時報告書の提出

 「第四部 組込情報」に記載の第49期有価証券報告書の提出日(2024年3月29日)以降、本有価証券届出書の訂正届出書提出日(2024年9月27日)までの間において、以下の臨時報告書を東北財務局長に提出しております。

(2024年3月29日提出の臨時報告書 その1)

1 提出理由

 2024年3月28日開催の当社第49回定時株主総会において、決議事項が決議されましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2 報告内容

(1)当該株主総会が開催された年月日

2024年3月28日

 

(2)当該決議事項の内容

第1号議案 定款一部変更の件

今後成長が期待される新規事業分野への事業展開のため、事業目的について変更を行うものであります。

 

第2号議案 取締役4名選任の件

取締役として、渡邉敏行、小峰衛、星彰治及び本郷邦夫の4氏を選任する。

 

第3号議案 監査役1名選任の件

監査役として、北井徹氏を選任する。

 

(3)決議事項に対する賛成、反対及び棄権の意思の表示に係る議決権の数、当該決議事項が可決されるための要件並びに当該決議の結果

決議事項

賛成(個)

反対(個)

棄権(個)

可決要件

決議の結果及び賛成割合(%)

第1号議案

183,306

2,032

(注)1

可決(98.90%)

第2号議案

 

 

 

 

 

渡邉 敏行

182,574

2,764

(注)2

可決(98.51%)

小峰 衛

182,556

2,782

(注)2

可決(98.50%)

星 彰治

182,555

2,783

(注)2

可決(98.50%)

本郷 邦夫

182,434

2,904

(注)2

可決(98.43%)

第3号議案

 

 

 

 

 

北井 徹

182,198

3,140

(注)2

可決(98.31%)

 (注)1.議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席及び出席した当該株主の議決権の3分の2以上の賛成による。

2.議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席及び出席した当該株主の議決権の過半数の賛成による。

 

(4)議決権の数に株主総会に出席した株主の議決権の数の一部を加算しなかった理由

 本株主総会前日までの事前行使分及び当日出席の一部の株主から各議案の賛否に関して確認できた議決権の集計により各決議事項が可決されるための要件を満たし、会社法に則って決議が成立したため、本株主総会当日出席の株主のうち、賛成、反対及び棄権の確認ができていない一部の議決権の数は加算しておりません。

 

以 上

 

(2024年3月29日提出の臨時報告書 その2)

1 提出理由

 当社は、2024年3月1日開催の取締役会において、代表取締役の異動について決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2 報告内容

(1)異動に係る代表取締役の氏名、生年月日、新旧役職名、異動年月日及び所有株式数

① 新たに代表取締役になる者

氏名

(生年月日)

新役職名

旧役職名

異動年月日

所有株式数

渡邉 敏行

(1971年1月29日生)

代表取締役社長

顧問

2024年3月28日

0株

※ 所有株式数については、提出日現在の株式数を記載しています。

 

② 代表取締役でなくなる者

氏名

(生年月日)

新役職名

旧役職名

異動年月日

所有株式数

宮澤 浩二

(1962年10月29日生)

執行役員

代表取締役社長

2024年3月28日

0株

※ 所有株式数については、提出日現在の株式数を記載しています。

 

(2)新たに代表取締役になる者についての主要略歴

氏名

略歴

渡邉 敏行

1997年4月 武田製薬工業㈱入社

2023年5月 ㈱ベビーピュア設立代表取締役(現任)

2023年1月 当社顧問

2023年3月 当社代表取締役社長(現任)

 

以 上

 

(2024年9月9日提出の臨時報告書)

1 提出理由

 当社は、2024年9月2日開催の当社取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、株式会社アイウイズロボティクス(以下「IWR」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、同日付で、両社の間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2の規定に基づき、臨時報告書を提出するものであります。

 

2 報告内容

1.本株式交換に関する事項

(1)本株式交換の相手会社についての事項

① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

商号

株式会社アイウイズロボティクス

本店の所在地

東京都品川区大井一丁目47番1号

代表者の氏名

代表取締役  王 馳

資本金の額(千円)

64,868

純資産の額(千円)

21,545

総資産の額(千円)

267,771

事業の内容

電子機器の設計、製造、販売及び輸出入

 

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益

事業年度

2021年12月期

2022年12月期

2023年12月期

売上高(千円)

326,081

営業利益(千円)

21,564

経常利益(千円)

24,848

当期純利益(千円)

16,545

 

③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合

(2024年8月30日現在)

 

大株主の名称

発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合(%)

王 馳

88.0

スマート永輝有限責任事業組合

7.0

株式会社ネットスターズ

5.0

 

④ 提出会社との資本関係、人的関係及び取引関係

(2024年8月30日現在)

 

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

スマート永輝有限責任事業組合の組合員である株式会社永輝商事の代表取締役である冨士靖史氏は、当社筆頭株主であるニューセンチュリー有限責任事業組合の組合員(組合出資比率0.003125%)であります。

取引関係

該当事項はありません。

 

(2)本株式交換の目的

 当社は、主に液晶ガラス基板・カラーフィルタ基板・成膜ガラス基板の加工・販売を中心とした基板事業、不動産賃貸事業及び半導体製造装置関連部品の加工・販売を中心とした半導体加工事業を主たる業務としております。

 当社においては、営業と技術の両面から顧客ニーズを的確に捉え、顧客ニーズに資する製品を供給するとともに、新たな市場開拓を通して受注の安定・拡大に努めております。具体的には、価格競争力の向上を図り採算性を維持しながら売上の拡大に努め、研究開発を強化し、付加価値の高い新製品の開発を積極的に進めております。

 中長期的な経営戦略として、基板事業では、FPD向けガラス基板加工のコストダウンと生産性向上による価格競争力の一層の強化を図るとともに、ガラスメーカーや最終ユーザーとの連携強化による受注の拡大、保有技術を応用展開できる非FPD事業等の新規事業分野の開拓に注力しております。

 今般、本株式交換により株式の取得を行うIWRは、東京都品川区大井町に本社を置き、業務用支援ロボットの開発・販売・メンテナンスサービスの提供事業を行っている会社です。具体的には、業務用お掃除ロボットのカテゴリーに於いて、AIとIOTを融合した技術で、「人間生活」、「社会インフラ」、「ビジネス領域」の効率を改善していくことを目指しています。また、IWRの事業戦略は、日本市場を対象として、お客様のご意向をロボットに反映したカスタマイズを開発の基本とした差別化戦略を推進しており、清掃業務の省力化を図り、将来に向けた安定した環境構築をご支援することを目的に、大手コンビニエンスストア並びにパチンコ・パチスロ店、小売、ビルメンテナンス業界等の幅広いお客様への販売展開を進めております。

 IWRは、現在の日本の労働力不足・人件費高騰の経済環境を背景に、AIを活用した全自動の業務用お掃除ロボットを2023年6月より日本市場に投入し販売を開始しております。これまでにコンビニ、ドラッグストア、オフィスに311台、清掃会社に32台、遊技場、ビルメンテナンス会社に53台の納入実績があり、また、今月8月には、既に業務用ロボットを積極的に導入しているコンビニチェーン店より追加注文を頂くなど、着実に受注実績を増やしております。さらに、大手ビルメンテナンス会社とのエレベータ連携の実証試験にも合格し、お掃除ロボットが無人でエレベータを操作し各階を移動して清掃を完了させることで、ビル1棟まるごと全自動清掃が可能となり、今後、こうしたエレベータ連携を含め、日本市場でのさらなる市場拡大が期待できます。

 IWRは、その前身となる会社である、AIによる各種ソリューション提供を目的とした深圳市艾唯科技有限公司を2016年4月に中国深圳市設立、2018年3月には、深圳市艾唯科技有限公司、伊藤忠商事株式会社及び富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社(現FCNT株式会社)との3社で中国でのAIソリューション事業を行う目的で、合弁会社小達人智能科技設立を設立、その後、2023年2月に、業務用お掃除ロボットの日本での販売及び日本顧客向けの製品開発(カスタマイズ)等のマーケティング業務を行うことを目的にIWRを設立しました。上述の深圳市艾唯科技有限公司は、これら日本向け製品のソフトウエア開発の業務を担当します。

 IWRとの本件検討経緯は、IWRが2024年6月にスマート永輝有限責任事業組合(7%)、株式会社ネットスターズ(東証グロース5590:5%)を割当先として第三者割当増資を実施し、それに先立ち、当社は、2023年12月より、当社の取引先で上記スマート永輝有限責任事業組合の組合員である株式会社永輝商事より、IWRが日本での製造拠点を探しているので、当社の遊休工場を活用できないかとの打診がありました。

 当社としては、本社若柳工場及び花泉工場合わせて17万4千㎡の土地と延べ4万8千㎡の建物の自社での有効活用が課題(現在、若柳工場の第一工場2,692㎡、第2工場6,426㎡、第3工場の一部約1,000㎡および、花泉工場の研究棟・2号棟の合計約1,200㎡が自社使用、他社賃貸ともにしておらず遊休工場となっております。)となっており、現状では、これらの遊休工場をIWRへの貸し出し、あるいは掃除ロボットの製造組立には特に加工機械等の設備は不要であることから、当社がIWRから製造組立受託を受けるなど、協業の可能性について交渉してまいりました。

 具体的には、IWRは、日本での製造を要望しており、これは、①日本顧客の要望として、日本製造製品のニーズが高いこと、また、②日本製造の製品であれば、顧客が省力化投資に関する補助金の活用もできる可能性があることから、市場がより拡大することが想定されるためです。

 当社としても、製造組立受託により、③遊休工場の活用及び④製造人材の活用も可能で、当社の経営効率向上につながることから、全面的な提携の可能性を検討しました。その過程で、両社は、IWRが当社子会社として当社グループに加わることで、上記①~④のニーズを満たすこと、さらには、当社既存主力事業(基板事業)の市場縮小が続く中で、⑤成長が期待される業務用お掃除ロボット事業への参入により当社事業の多角化による高成長と収益向上も期待できる、と判断しました。

 また、IWRの株主としても当社株式を保有することで事業成功に向けた⑥インセンティブにつながること、また、⑦IWRにとっても、IWRが当社の国内及び海外の強力な人脈・顧客ネットワークを活用し、IWRの営業力を強化することもできることから、これらを総合的に勘案して、両社が株式交換により経営統合を進めることで一致いたしました。

 これらの点を踏まえて、総合的に検討した結果、当社は、本株式交換によりIWRを当社の完全子会社とすることが、当社及びIWRそれぞれの企業価値の向上に資するものであり、双方の株主にとっても有益なものであるとの認識で一致したことから、両社において、本株式交換に係る割当比率を含む諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役会において、当社がIWRを完全子会社とすることを目的として、本株式交換を実施することを決議し、本株式交換契約を締結いたしました。

 

(3)本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の本株式交換契約の内容

① 本株式交換の方法

 本株式交換は、当社を株式交換完全親会社、IWRを株式交換完全子会社とする株式交換です。なお、本株式交換は、当社及びIWRのそれぞれの株主総会決議により、本株式交換契約の承認を受けた上で、2024年11月1日を効力発生日として行う予定です。

 

② 本株式交換に係る割当ての内容

 

当社

(株式交換完全親会社)

IWR

(株式交換完全子会社)

本株式交換に係る割当比率

1

13,755.78889

本株式交換により交付する株式数

当社の普通株式 7,772,021株

 (注)1 本株式交換に係る割当比率(以下、「本株式交換比率」といいます。)

当社は、IWRの普通株式1株に対して、当社普通株式13,755.78889株を割当交付します。ただし、本株式交換比率は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、両社協議及び合意の上、変更されることがあります。本株式交換比率を変更することが決定した場合には、直ちに開示いたします。

 (注)2 本株式交換により交付する株式

当社は、本株式交換に際して、当社普通株式7,772,021株を、当社がIWRの発行済株式の全てを取得する時点の直前時のIWRの株主に対して割当交付する予定です。なお、本株式交換による交付する当社普通株式については、当社が保有する自己株式90,471株を充当するとともに、新たに普通株式の発行を行う予定です。

 (注)3 単元未満株式の取扱い

本株式交換に伴い、当社の単元未満株式(100株未満の株式)を保有することとなるIWRの株主の皆様においては、当該単元未満株を東京証券取引所及びその他の金融商品取引所において売却することはできませんが、当社の単元未満株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。

・単元未満株式の買取制度(100株未満の株式の売却)

会社法第192条第1項の規定に基づき、当社に対し、保有することとなる当社の単元未満株式の買取りを請求することができます。

 (注)4 1株に満たない端数の処理

本株式交換に伴い、当社普通株式1株に満たない端数が生じた場合、IWRの株主の皆様に対しては、会社法第234条その他の関連法令の定めに従い、当社が1株に満たない端数部分に応じた金額をお支払いし、端数部分の株式は割当てられません。

 

③ 本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い

 該当事項はありません。

 

④ その他の本株式交換契約の内容

 当社がIWRとの間で、2024年9月2日付で締結した本株式交換契約の内容は、次のとおりです。

 

株式交換契約書

 

 株式会社倉元製作所(以下「甲」という)と株式会社アイウイズロボティクス(以下「乙」という)は、次のとおり株式交換契約(以下「本契約」という。)を締結する。

 

第1条(株式交換の方法)

甲及び乙は、本契約に定めるところに従い、甲を株式交換完全親会社、乙を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行い、甲は、本株式交換により、乙の発行済普通株式の全部を取得する。

 

第2条(商号及び住所)

甲及び乙の商号及び住所は、以下のとおりである。

甲商号:株式会社倉元製作所

住所 :宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1

乙商号:株式会社アイウイズロボティクス

住所 :東京都品川区大井一丁目47番1号 NTビル12階

 

第3条(本株式交換に際して交付する株式等及びその割当てに関する事項)

1.甲は、本株式交換に際して、本株式交換が効力を生ずる時点の直前時の乙の株主名簿に記載又は記録された乙の株主(以下「本割当対象株主」という。)に対し、乙の株式に代わる金銭等として、その保有する乙の普通株式の合計数に13,755.78889(最終は8/30終値を基準に決定)を乗じて得た数の甲の普通株式を割当交付する。

2.甲は、本株式交換に際して、本割当対象株主に対してその保有する乙の普通株式1株につき、13,755.78889を乗じて得た数の甲の普通株式を割当交付する。

3.前二項に従い乙の株主に対して割当交付すべき甲の普通株式の数に1に満たない端数がある場合、会社法第234条その他の関連法令の規定に従い処理する。

 

第4条(甲の資本金及び準備金の額)

本株式交換に際して増加する甲の資本金及び資本準備金の額は、会社計算規則第39条の規定に従い甲が別途適宜定める金額とする。

 

第5条(効力発生日)

本株式交換がその効力を生じる日(以下「効力発生日」という。)は、2024年11月1日とする。但し、株式交換手続の進行に応じ必要があるときは、甲乙協議の上、効力発生日を変更することができる。

 

第6条(株式交換承認手続き)

甲及び乙は、効力発生日の前日までに、それぞれ、本契約の承認及び本株式交換に必要な事項の株主総会決議を経る。

 

第7条(善管注意義務)

1.乙は、本契約締結後効力発生日までの間、善良なる管理者の注意をもってその業務の執行並びに財産の管理及び運営を行い、その財産及び権利義務に重大な影響を及ぼす行為を行う場合には、あらかじめ甲と乙とで協議し合意の上、これを行うものとする。

2.乙は、本契約締結日後、効力発生日より前の日を基準日とする剰余金の配当の決議を行ってはならず、また効力発生日より前の日を取得日とする自己株式の取得決議を行ってはならない。

 

第8条(本契約の変更及び解除)

本契約締結後、効力発生日までの間に、天災地変、疫病・感染症の流行その他の不可抗力により、甲又は乙の資産若しくは経営状態に重大な変動が生じた場合、又は本株式交換の実行に重大な支障となる事態若しくはその実行を著しく困難にする事態が生じた場合、甲及び乙で協議し合意の上、株式交換条件その他本契約の内容を変更し、又は本契約を解除することができる。

 

第9条(協議事項)

本契約に定めのない事項については、甲乙間で締結した基本合意書の内容に従う。本契約及び当該基本合意書のいずれにも定めのない事項については、本契約の趣旨に従い、甲及び乙が誠実に協議の上、これを決定する。

 

第10条(準拠法及び裁判管轄)

1.本契約は、日本法に準拠し、日本法に従って解釈される。

2.本契約に関する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

 

(以下余白)

 

 甲と乙は、本契約成立の証として、本電子契約書ファイルを作成し、それぞれ電子署名を行う。なお、本契約においては、電子データである本電子契約書ファイルを原本とし、同ファイルを印刷した文書はその写しとする。

 

2024年9月2日

 

甲 宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1

株式会社倉元製作所

代表取締役  渡邉 敏行

 

乙 東京都品川区大井1丁目47番1号 NTビル12階

株式会社アイウイズロボティクス

代表取締役  王 馳

 

(4)本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠

① 割当ての内容の根拠及び理由

 当社は、本株式交換に用いられる株式交換比率の算定にあたって、公平性・妥当性を確保するため、当社並びにIWRから独立した第三者算定機関である、茄子評価株式会社(以下、「茄子評価㈱」といいます。)にIWRの株式価値の算定を依頼することとし、2024年8月13日付で、「IWR株価算定書」(以下、「本算定書」といいます。)を取得いたしました。

 当社は、茄子評価㈱から提出を受けた本算定書記載の株式価値を参考に、両社の財務状況、資産状況、将来の見通し等の要因を総合的に勘案した上で、IWRとの間で真摯に協議・検討を重ねてきました。本株式交換比率は、当社および茄子評価㈱の本算定書に基づいた株式交換比率レンジ内であり、それぞれの株主の皆様にとって妥当であり、株主の皆様の利益を損ねるものではないとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うこととしました。なお、本株式交換比率は、本株式交換の実行に重大な支障となる事態又はその実行を著しく困難にする事態が生じた場合には、両社間の協議の上変更することがあります。

 

② 算定に関する事項

算定の概要

 当社の株価は、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在していることから、市場株価法を用いて算定を行いました。市場株価法においては、2024年8月30日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における終値及び基準日までの3か月平均の株価の単純平均値と基準日の終値のどちらか低い株価を用いることとし、算定の結果、基準日の終値である386円を採用いたしました。これにより算定された当社の普通株式の1株当たりの株式価値は以下のとおりです。

算定方法

算定結果

市場株価法

386円

 IWRについては、非上場会社であり市場株価が存在しないこと及び将来の事業活動の状況を算定に反映するため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を用いて株式価値の算定をしております。DCF法では、IWRより茄子評価㈱が開示を受けた事業計画に基づき、算定基準日である2024年5月31日以降にIWRが創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって株式価値を算出しております。なお、継続価値の算定については、IWRが想定する2025年12月期キャッシュ・フローが継続するものとして、これを現在価値に割り引くことにより算出しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(WACC)を使用しております。

 茄子評価㈱がDCF法による算定の前提としたIWRの事業計画は、以下の事業計画を前提に基づき作成されております。

1)本株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、加味されていません。

2)IWRにおいては大幅な増収・増益が見込まれています。

 IWRの事業計画によりますと、下記のとおり大幅な増収・増益の計画となっております。なお、茄子評価㈱は、IWRの事業計画につきまして、達成可能性について評価しておりません。

 当社は、当社が行ったデューディリジェンスの過程で、日本の労働人口は、2022年の6,902万人から、2040年に6,002万人に減少すると見込まれ(独立行政法人労働政策研究所・研修機構「2023年度版労働力需給の推計(速報)」。)お掃除ロボット市場は拡大すると判断したこと、また、IWRの事業計画について、現在の受注状況、既存顧客からの既存製品の引き合い状況、新たな顧客候補からの新製品開発意向の確認及び顧客候補の現場での実証試験報告書の閲覧等を通じて、計画の前提に一定の合理性があると判断いたしました。

IWR 損益計算書(実績・計画)

単位:百万円

 

 

2023.12期実績*

2024.12期計画

2025.12期計画

売上高

326

2,876

4,975

(対前年売上高成長率)

(882.1%)

(173.0%)

売上原価

268

2,210

3,746

販管費

37

222

450

営業利益

22

445

780

支払利息

0

0

0

営業外収益

3

0

0

税引前利益

25

445

780

法人税

7

133

234

当期純利益

17

311

546

(売上高当期純利益率)

(5.3%)

(10.8%)

(11.0%)

 ※ 2023年12月期の実績数値につきましては、公認会計士または監査法人による会計監査を行けておりません。監査の結果、数値が大幅に修正される場合もあります。

上記大幅増益の要因は、顧客からの受注増が見込まれるためです。具体的には、

1)2024年8月に既に業務用ロボットを積極的に導入しているコンビニチェーン店から追加受注が見込まれ、既に代理店を通じて部材の先行手配注文書を得たこと

2)大手ビルメンテナンス会社とのエレベータ連携の実証試験にも合格し、お掃除ロボットが無人でエレベータを操作し各階を移動して清掃を完了させることで、ビル1棟まるごと全自動清掃が可能となり、今後、ビルメンテナンス会社より、具体的な受注が見込めること

3)今後、導入台数の増加にともない、消耗品や保守サービス関連の売り上げ増が見込めること

4)現在、顧客ニーズに基づいて新製品の開発も進めており、2026年には市場投入を見込んでいること

などによります。なお、上記計画数値は、IWRの作成した計画で、当社としてその達成を保証するものではありません。また、顧客への納品、検品の状況により、上記売上計上時期が後ろにずれる可能性もあり、その場合は、上記2024.12期、2025.12期の計画数値が下方修正を含め、変更になる場合があります。

 

3)IWRの事業計画は、本株式交換の実施を前提としておりません。

 これにより算定されたIWRの1株当たりの株式価値の評価レンジは、算出されたWACCを中心に±0.5%のWACCによる評価結果でのレンジで示しています。

算定方法

算定結果

DCF法

5,042,741円~5,569,957円

 両社は、上記に基づき、当社の1株あたりの株価を386円、IWRの1株あたりの株価を5,309,734.513円と評価して、交渉および協議を重ねた結果、本株式交換の株式交換比率を(3)②記載の比率のとおり合意しました。

 

③ 上場廃止になる見込み及びその事由

 当社は、本株式交換において株式交換完全親会社となり、また株式交換完全子会社であるIWRは非上場会社のため、該当事項はありません。

 

④ 公正性を担保するための措置

 当社は、本株式交換における株式交換比率の公正性・妥当性を確保するため、上記(5記載のとおり、両社から独立した第三者算定機関である茄子評価㈱にIWRの株式価値の算定を依頼し、2024年8月13日付で、本算定書を取得いたしました。その算定結果を参考にして、当社とIWRとの間で真摯に協議・交渉を行い、その結果合意された株式交換比率により本株式交換を行うこととしました。

 以上のことから、当社の取締役会は、本株式交換に関する公正性を担保するための措置を十分に講じているものと判断しております。なお、当社は、上記第三者算定機関から、公正性に関する評価(フェアネス・オピニオン)の取得はしておりません。

 

(5)本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

商号

株式会社倉元製作所

本店の所在地

宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1

代表者の氏名

代表取締役社長  渡邉 敏行

資本金の額(千円)

482,000

純資産の額(千円)

現時点では確定しておりません。

総資産の額(千円)

現時点では確定しておりません。

事業の内容

液晶ガラス基板・カラーフィルタ基板・成膜ガラス基板の加工・販売を中心とした基板事業、不動産賃貸事業及び半導体製造装置関連部品の加工・販売を中心とした半導体加工事業

 

以 上

 

(2024年9月10日提出の臨時報告書)

1 提出理由

 当社は、本日開催の取締役会において、2024年10月1日を効力発生日として、有限会社UNOクォーツの石英火加工事業を会社分割(吸収分割)により承継することを決議し、同日、吸収分割契約を締結いたしました。これに伴い、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2 報告内容

(1)本株式交換の相手会社についての事項

① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

商号

有限会社UNOクォーツ

本店の所在地

茨城県神栖市知手中央10-6-8

代表者の氏名

代表取締役  中尾 忠男

資本金の額(千円)

3,000

純資産の額(千円)

10,170

総資産の額(千円)

85,963

事業の内容

石英火加工

 

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益

事業年度

2021年11月期

2022年11月期

2023年11月期

売上高(千円)

39,755

57,417

56,171

営業利益(千円)

△2,012

802

2,541

経常利益(千円)

△2,329

229

364

当期純利益(千円)

△2,298

157

292

 

③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合

(2023年11月30日現在)

 

大株主の名称

発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合(%)

中尾 忠男

100.0

 

④ 提出会社との資本関係、人的関係及び取引関係

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

該当事項はありません。

取引関係

石英パーツ部品の修繕火加工

 

(2)当該吸収分割の目的

 当社は、主に液晶ガラス基板・カラーフィルタ基板・成膜ガラス基板の加工・販売を中心とした基板事業、不動産賃貸事業及び半導体製造装置関連部品の加工・販売を主たる業務としております。

 当社は、営業と技術の両面から顧客ニーズを的確に捉え、顧客ニーズに資する製品を供給するとともに、新たな市場開拓を通して受注の安定・拡大に努めております。具体的には、価格競争力の向上を図り採算性を維持しながら売上の拡大に努め、研究開発を強化し、付加価値の高い新製品の開発を積極的に進めております。

 中長期的な経営戦略として、基板事業では、FPD向けガラス基板加工のコストダウンと生産性向上による価格競争力の一層の強化を図るとともに、ガラスメーカーや最終ユーザーとの連携強化による受注の拡大、保有技術を応用展開できる非FPD事業等の新規事業分野の開拓に注力いたします。

 有限会社UNOクォーツ(以下、「UNOクォーツ」という)は、半導体製造装置向けの石英パーツ部品の火加工事業を行っており、当社が、2022年に半導体製造装置向け部品製造に参入した後、半導体製造装置向けの石英パーツ部品の修繕火加工をUNOクォーツへ一部委託しました。そして、今般、当社の新規参入した半導体製造装置向けの石英パーツ部品の火加工の市場が拡大傾向にあることから、事業承継も検討していたUNOクォーツから火加工事業を吸収分割により承継し、当社の事業として開始することといたしました。

 石英火加工事業は、石英を加工して製品を製造する事業であります。石英は非常に硬く、耐熱性に優れているため、さまざまな産業で使用される素材で、石英火加工事業では、石英を切削、研磨、加熱などの方法で加工し、高精度の部品や製品を製造することが主な活動となります。例えば、半導体製造業界や光学機器製造業界、医療機器製造業界などで利用される部品や素材の製造に活用されています。

 UNOクォーツの強みは、既に火加工に必要な設備(電気炉、大型旋盤、大型研削機、ガス貯蔵施設等)を保有しており、長年にわたり蓄積されたUNOクォーツ代表取締役の中尾忠男氏の火加工技術とあいまって、高い品質の半導体製造装置向けの石英パーツ部品を供給できることです。ただ、これまでは、火加工技術を有する人材不足により需要増に対応できませんでした。

 今般、当社は、かかる人材不足を補うべく、当社の人材2名を昨年より、他の半導体製造装置向けの石英パーツ部品の火加工事業者に出向させて技術習得を進めてまいりました。これらの人材を活用し、さらに需要増に対応できる体制を取っていきます。なお、UNOクォーツ代表取締役中尾忠男氏には、当社技術顧問として、技術指導、人材育成の業務を委託する予定です。

 当社が現在供給している精密部品は、石英の火加工部分を外注し、火加工の完了した石英部品を当社において、精密洗浄、寸法検査し、高い精度の製品のみを大手半導体製造装置メーカーに供給し採用されています。

 今般、UNOクォーツの火加工設備及び火加工技術を当社に取り入れることにより、当社の半導体製造装置メーカー等の既存顧客、当社の養成した火加工人材そして、火加工から精密洗浄、寸法検査まで当社内における一貫した自社生産体制の実現により、石英の火加工部分を内製化し、大手半導体製造装置メーカーの指定ベンダーとなることを目指しております。本会社分割による本件事業の取得により、早期に指定ベンダーになることで、継続的取引き、継続的受注を確固たるものにして、安定した売り上げと更なる増益を目指します。

 

(3)当該分割に係る割当ての内容

① 吸収分割の方法

 UNOクォーツを分割会社とし、当社を承継会社とする吸収分割です。なお、当社は、会社法第796条第2項に基づく簡易株式交換の手続により、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換を行う予定です。

 

② 吸収分割に係る割当ての内容

 本吸収分割に際して、当社は、8千万円を交換契約日前日の当社普通株式の東京証券取引所の終値で除した数の当社普通株式(小数点未満切り上げ。以下、「交付株式」という。)を効力発生日に有限会社UNOクォーツに交付する。

 ただし、上記の交付株式数は、以下に該当する場合は、追加で株式(以下「追加交付株式」という。)を交付する。ただし、分割会社が効力発生日より3か月以内に交付株式を全て承継会社が上場する金融商品取引所における売買その他承継会社がこれに準じる方法により第三者に売却したと認めた場合に限る。

1)UNOクォーツが、効力発生日より3か月以内に売却したすべての交付株式数の売却代金総額が、8千万円に満たない場合には、

2)8千万円に不足する金額を、最終の市場売却価格で除した株数を追加交付株式数として、当社がUNOクォーツに追加で交付する。ただし、追加交付株式数は、最大で交付株式数の2分の1を限度とする。

 

③ その他の吸収分割契約の内容

 当社がUNOクォーツとの間で2024年9月10日に締結した吸収分割契約の内容は以下のとおりです。

 

吸収分割契約書

 

 有限会社UNOクォーツ(以下「分割会社」という)と株式会社倉元製作所(以下「承継会社」という)とは、分割会社の営む石英火加工事業(以下「本件事業」という)に関する権利義務の一部を分割し、承継会社に承継させる(以下「本吸収分割」という)ため、以下のとおり吸収分割契約(以下「本契約」という)を締結する。

 

第1条(吸収分割をする会社の商号及び住所)

本吸収分割に係る吸収分割会社たる分割会社及び吸収分割承継会社たる承継会社の商号及び住所は、以下のとおりである。

(1)吸収分割会社

商号:有限会社UNOクォーツ

住所:茨城県神栖市知手中央10丁目6番8号

(2)吸収分割承継会社

商号:株式会社倉元製作所

住所:宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1

 

第2条(承継する権利義務)

承継会社は、本件会社分割に際し、別紙「承継権利義務明細表」記載の権利義務(以下「以下本件権利義務」という)を分割会社より承継する。

 

第3条(分割対価及び支払方法)

1.本吸収分割に際して、承継会社は、金8千万円を吸収分割契約日前日の東京証券終値で除した数の普通株式(小数点未満切り上げ。以下、「交付株式数」という。)を効力発生日に分割会社に交付する。

2.前項の交付株式数は、以下に該当する場合は、追加で株式(以下「追加交付株式」という。)を交付する。ただし、分割会社が効力発生日より3か月以内に交付株式を全て承継会社が上場する金融商品取引所における売買その他承継会社がこれに準じる方法により第三者に売却したと認めた場合に限る。

1)分割会社が、効力発生日より3か月以内に売却したすべての交付株式数の売却代金総額が、8千万円に満たない場合は、

2)8千万円に不足する金額を、最終の市場売却価格で除した株数を追加交付株式数として、承継会社が分割会社に追加で交付する。ただし、追加交付株式数は、最大で交付株式数の2分の1を限度とする。

3.分割会社は、本条の交付株式数及び追加交付株式を売却するにあたっては、インサイダー取引を防止する観点から、証券会社と一任取引の契約(1契約)を締結して売却を行うことする。

4.吸収分割に際して増加する承継会社の資本金及び資本準備金の額は、会社計算規則第39条の規定に従い承継会社が別途適宜定める金額とする。

 

第4条(分割効力発生日)

本吸収分割が効力を生ずる日(以下「効力発生日」という)は、2024年10月1日とする。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを変更することができる。

 

第5条(機関決定)

分割会社及び承継会社は、効力発生日の前日までに、本契約及び本吸収分割に必要な事項につき、会社法第783条もしくは734条に定める株主総会もしくは取締役会の決議による承認を受ける。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを変更することができる。

 

第6条(善管注意義務)

分割会社及び承継会社は、本契約締結の日から分割効力発生日に至るまで、善良なる管理者の注意をもって、その業務執行及び財産の管理運営を行い、その財産及び権利義務に重大な影響を及ぼすような行為をなす場合には、あらかじめ分割会社承継会社協議の上、これを行う。

 

第7条(分割条件の変更及び本契約の解除)

本契約締結後分割効力発生日に至るまでの間において、天災地変その他の事由により、分割会社又は承継会社の財産もしくは経営状態に重大な変動が生じたときは、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、本吸収分割の条件を変更し、又は本契約を解除することができる。

 

第8条(引継ぎ義務)

分割会社は、効力発生日後、承継会社が本件事業を円滑に遂行することができるよう、承継会社が要請する事項につき、合理的な協力をするものとする。

 

第9条(精算義務)

1.分割会社及び承継会社は、効力発生日後、相手方が負担すべき債務を履行等した場合及び債務の履行等を受けた場合、相手方との間で、直ちにこれを精算するものとする。

2.分割会社は、効力発生日後3か月以内に承継会社が承継した不動産に設定している根抵当権について、その抹消のための措置を講じなければならない。

 

第10条(本契約の効力)

本契約は、効力発生日の前日までに第5条に定める本契約及び本吸収分割に必要な事項に関する株主総会の承認が得られない場合、法令に定める関係官庁の承認等が得られない場合、又は、本吸収分割の実行に重大な影響をきたす条件若しくは制約等が付された場合には、その効力を失うものとする。

 

第11条(準拠法)

本契約は、日本法に準拠し、これに従って解釈されるものとする。

 

第12条(専属的合意管轄)

分割会社及び承継会社は、本契約に関する争いについて、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることにあらかじめ合意する。

 

第13条(協議事項)

本契約に定めのない事項のほか、本吸収分割に必要な事項は、本契約の趣旨に則り、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを定める。

 

 本契約締結の証として本書を2通作成し、分割会社及び承継会社それぞれ記名・捺印の上、各自1通を保有する。

 

2024年9月10日

 

分割会社:茨城県神栖市知手中央10丁目6番8号

有限会社UNOクォーツ

代表取締役  中尾 忠男

 

承継会社:宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1

株式会社倉元製作所

代表取締役  渡邉 敏行

 

(4)当該吸収分割の後の吸収分割承継会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

商号

株式会社倉元製作所

本店の所在地

宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1

代表者の氏名

代表取締役社長  渡邉 敏行

資本金の額(千円)

482,000

純資産の額(千円)

現時点では確定しておりません。

総資産の額(千円)

現時点では確定しておりません。

事業の内容

液晶ガラス基板・カラーフィルタ基板・成膜ガラス基板の加工・販売を中心とした基板事業、不動産賃貸事業及び半導体製造装置関連部品の加工・販売を中心とした半導体加工事業

 

以 上

 

(2024年9月13日提出の臨時報告書の訂正報告書)

1 臨時報告書の訂正報告書の提出理由

 2024年9月10日付で金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号の規定に基づき、吸収分割に関する臨時報告書を提出いたしましたが、訂正すべき事項がありましたので、これを訂正するため、本臨時報告書の訂正報告書を提出するものです。

2 訂正内容

訂正箇所は  線を付して示しております。

 

報告内容

(訂正前)

(1) 本株式交換の相手会社についての事項

(中略)

(3) 当該分割に係る割当ての内容

①吸収分割の方法

 UNOクォーツを分割会社とし、当社を承継会社とする吸収分割です。なお、当社は、会社法第796条第2項に基づく簡易株式交換の手続により、株主総会の承認を必要としない簡易株式交換を行う予定です。

②吸収分割に係る割当ての内容

 本吸収分割に際して、当社は、8千万円を交換契約日前日の当社普通株式の東京証券取引所の終値で除した数の当社普通株式(小数点未満切り上げ。以下、「交付株式」という。)を効力発生日に有限会社UNOクォーツに交付する。

 ただし、上記の交付株式数は、以下に該当する場合は、追加で株式(以下「追加交付株式」という。)を交付する。ただし、分割会社が効力発生日より3か月以内に交付株式を全て承継会社が上場する金融商品取引所における売買その他承継会社がこれに準じる方法により第三者に売却したと認めた場合に限る。

(中略)

(4) 当該吸収分割の後の吸収分割承継会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

(後略)

 

(訂正後)

(1) 当該吸収分割の相手会社についての事項

(中略)

(3) 当該分割に係る割当ての内容

①吸収分割の方法

 UNOクォーツを分割会社とし、当社を承継会社とする吸収分割です。なお、当社は、会社法第796条第2項に基づく簡易吸収分割の手続により、株主総会の承認を必要としない簡易吸収分割を行う予定です。

②吸収分割に係る割当ての内容

 本吸収分割に際して、当社は、8千万円を吸収分割契約日前日の当社普通株式の東京証券取引所の終値(341円)で除した数(234,605株)の当社普通株式(小数点未満切り上げ。以下、「交付株式」という。)を効力発生日に有限会社UNOクォーツに交付する。

 ただし、上記の交付株式数は、以下に該当する場合は、追加で株式(以下「追加交付株式」という。)を新たに発行して交付する。ただし、分割会社が効力発生日より3か月以内に交付株式を全て承継会社が上場する金融商品取引所における売買その他承継会社がこれに準じる方法により第三者に売却したと認めた場合に限る。

また、UNOクォーツは、交付株式数及び追加交付株式を売却するにあたっては、証券会社と一任取引の契約(1契約)を締結して売却を行うこととする。

なお、追加交付株式につきましては、UNOクォーツは、その主たる事業である石英火加工事業に関する債務の弁済に約8千万円が必要であるため、交付株式の株式市場での売却代金が8千万円に不足する場合は、交付株式数の2分の1(117,302株)を限度として、当社が追加交付株式を交付することを、UNOクォーツ側の要請に基づいて、本会社分割の条件としたものです。

(中略)

(4) 当該吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠

①算定の基礎

当社は、UNOクォーツとの間で本吸収分割に伴う対価の交渉、協議をするに先立ち、茄子評価株式会社(以下、「茄子評価㈱」といいます。)に対し、第三者の立場から、交渉及び協議にあたっての参考となるべきUNOクォーツの分割対象事業について価値算定を依頼しました。

茄子評価㈱は、対象事業については、インカム・アプローチの一種である割引キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を採用して算定を行い、当社株式については、東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を採用して算定を行いました。

なお、市場株価法について、2024年9月9日を算定基準日として、算定基準日の終値株価を採用いたしました。

対象事業に対して割り当てる当社株式数の算定結果は、以下の通りです。

 

算定手法

対象事業に対する割当株式数

(単位:株)

当社株式

対象事業

市場株価法

DCF法

228,739 〜 243,402

 

算定手法

100%株式価値

(単位:百万円)

1 株当たり株式価値

(単位:円)

当社株式

市場株価法

13,113

341

 

算定手法

事業価値

(単位:百万円)

対象事業

DCF法

78 ~ 83

 

茄子評価㈱が対象事業の算定に用いたDCF法の具体的な計算方法は、①将来(2024年度6カ月間、2025年度12か月間)の対象事業の予測される営業利益に減価償却費、法人税及び運転資本増減額を加減し、将来のフリーキャッシュ・フローを算定し、当該フリーキャッシュ・フローを加重平均資本コストで割り引いて2025年度までの事業の合計現在価値を算定し、②継続価値として、2025年度の事業価値がその後も継続するとして、当該フリーキャッシュ・フローを加重平均資本コストで割り引いて算定し、①②の合計額として対象事業の事業価値を算定しております。

また、DCF法による算定に用いたUNOクォーツの事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、営業利益について2024年11月期16百万円に対して2025年11月期は24百万円と大幅な増益を見込んでおります。これは主に、当社との協業に基づく、受注拡大効果によるもので、DCF法の算定の基礎としたUNOクォーツの事業計画は、本吸収分割の実施を前提としております。

茄子評価㈱は、上記算定に際して、当社及びUNOクォーツから提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであること、算定に重大な影響を与える可能性がある事実で茄子評価㈱に対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びUNOクォーツの資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)について、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。なお、かかる算定は、算定基準日現在の情報と経済情勢を反映したものであり、対象事業の財務予測については、UNOクォーツにより現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。

②算定の経緯

上記記載のとおり、当社は茄子評価㈱に分割対象事業についての価値算定を依頼し、算定結果の提出を受けました。

当社及びUNOクォーツは、上記の算定結果を元に、本吸収分割に係る割当て株数を234,605株とすることに合意いたしました。

③算定機関との関係

茄子評価㈱は、当社及びUNOクォーツとの間で重要な利害関係を有しておりません。

(5) 当該吸収分割の後の吸収分割承継会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

(後略)

 

以 上

 

(2024年9月27日提出の臨時報告書の訂正報告書)

1 臨時報告書の訂正報告書の提出理由

 2023年9月10日付で金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号に基づき提出した臨時報告書及び2024年9月13日付で提出した臨時報告書の訂正報告書の記載事項の一部に変更が生じましたので、金融商品取引法第24条の5第5項に基づき、臨時報告書の訂正報告書を提出するものであります。

 

2 訂正内容

 訂正箇所は___線を付して示しております。

報告内容

  (訂正前)

(3)当該分割に係る割当ての内容

(中略)

③ その他の吸収分割契約の内容

(中略)

 

吸収分割契約書

 

(中略)

第4条(分割効力発生日)

本吸収分割が効力を生ずる日(以下「効力発生日」という)は、2024年10月日とする。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを変更することができる。

(後略)

 

  (訂正後)

(3)当該分割に係る割当ての内容

(中略)

③ その他の吸収分割契約の内容

(中略)

 

吸収分割契約書

 

(中略)

第4条(分割効力発生日)

本吸収分割が効力を生ずる日(以下「効力発生日」という)は、2024年10月29日とする。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを変更することができる。

(後略)

 

以 上

 

3.資本金の増減について

 「第四部 組込情報」に記載の第50期半期報告書に記載の資本金等は、当該半期報告書の提出日(2024年8月13日)以降、本有価証券届出書提出日(2024年9月19日)までの間において、以下のとおり変化しております。

年月日

資本金

資本準備金

2024年8月14日~

2024年9月19日

増減額(千円)

残高(千円)

増減額(千円)

残高(千円)

402,000

482,000

402,000

402,000

(注) 上記の資本金増減額及び資本金残高には、2024年9月1日から本有価証券届出書提出日(2024年9月19日)までの間に生じた新株予約権による変動は含まれておりません。

第四部【組込情報】

 次に掲げる書類の写しを組み込んでおります。

有価証券報告書

事業年度

(第49期)

自 2023年1月1日

至 2023年12月31日

2024年3月29日

東北財務局長に提出

半期報告書

事業年度

(第50期半期)

自 2024年1月1日

至 2024年6月30日

2024年8月13日

東北財務局長に提出

 なお、上記書類は、金融商品取引法第27条の30の2に規定する開示用電子情報処理組織(EDINET)を使用して提出したデータを開示用電子情報処理組織による手続の特例等に関する留意事項について(電子開示手続等ガイドライン)A4-1に基づき本有価証券届出書の添付書類としております。

 

第五部【提出会社の保証会社等の情報】

 該当事項はありません。

 

第六部【特別情報】

 該当事項はありません。