第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社グループは、「善いものを生みだし続ける」を経営理念に定め、既にビジネスモデルの確立した事業を堅実かつ安定的に成長させると同時に、ここで獲得した資金を原資に継続的に新規事業領域への投資を行うことで、企業体の存続と新規ビジネスモデルの生成を永続的に両立させることを経営方針としております。

当連結会計年度末日時点において、当社グループはコーポレートDX、画像解析・AI、ライフスタイルDX、ブレインテック・DTx及びベンチャーインキュベーションの5つのビジネス領域を事業のターゲットに設定しております。コーポレートDX、画像解析・AI及びライフスタイルDXの3つの事業領域については、既にビジネスモデルの確立がなされており、堅実かつ安定的な成長を実現すべく活動を進めてまいります。ブレインテック・DTxの事業領域については、先進的な事業領域になり、当連結会計年度末日時点においてビジネスモデルを確立するに至っておりませんが、将来的に高い成長性が見込まれる事業領域であると認識しており、一定規模の経営資源の投下を行っております。ベンチャーインキュベーションの事業領域においては、有望なスタートアップ企業、各種ベンチャー企業に対する投資により、不定期である一方で多額のキャピタルゲインを獲得することを目指して活動をしております。また、既存の事業領域以外においても、市場のニーズがあり中長期的な視点で採算が取れると判断した領域については、積極的にこの領域に踏み出し、新たな事業領域を増やしていく方針としております。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたこと等により経済活動の持ち直しの動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化や、原材料価格の高騰による物価上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いています。当社グループの主たる活動領域であるIT業界においては、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進強化・デジタル投資の拡大を背景に、システム設備投資、アプリ開発、デジタルマーケティング関連の需要は今後も継続的に拡大するものと認識しております。

このような経営環境の中、当社グループの対処すべき課題は次のとおりです。

 

① 新たなビジネスポートフォリオに基づく新規事業ドメイン立ち上げと拡大

当連結会計年度において、当社グループは、コーポレートDX、画像解析・AI、ライフスタイルDX、ブレインテック・DTx及びベンチャーインキュベーションの5つのビジネス領域をターゲットに設定し、高い成長性が見込まれる事業領域を中心に、市場ニーズの変化に合わせた事業展開を進めていく方針です。コーポレートDXにおいては、当社グループが保有する高度なコンサルティング能力と事業ノウハウを最大限活用し、様々な企業向けコンサルティングサービスを提供してまいります。画像解析・AIにおいては、定番アプリとして高い評価を有するスマートフォン向け無料提供アプリ「バーコードリーダー/アイコニット」のプラットフォームに、さらに高度な画像認識技術を組み合わせることで、次世代デバイスに対応したIoTツールとしてさらに進化・発展させていく予定です。ライフスタイルDXでは、安定的な稼働実績を誇る「マイクラス」等、当社グループの保有するオンラインプラットフォームを活用した各種サブスクリプションサービスのほか、ゲーム等各種オンラインコンテンツの配信サービスを最新のテクノロジーで進化させることでビジネス拡大を進めます。さらに、世界的に極めて成長性の高いビジネス分野として注目されるブレインテック・DTxにおいては、ブレインテックビジネスに先進的に取り組んできた当社グループの知見を活かし、スマートフォンアプリによる医療支援サービスや、薬の代わりにアプリを活用し治療を行うデジタルセラピューティクス(DTx)の領域及び医療類似行為への導入や民生応用の分野への参入にチャレンジする計画です。さらに、ブレインテック・DTx以外の新たなビジネス領域においても、当社グループが蓄積し保有する資産を最大限に活用し、積極的なリソース投入により独自技術開発とノウハウ獲得を進めることで、新たなビジネスポートフォリオに基づく新規事業ドメインの立ち上げとビジネス拡大を進めていく計画です。

② 独自技術開発による市場競争力の強化

ビジネスとして未だ発展途上の段階と考えられるブレインテックやデジタルセラピューティクス(DTx)の領域においては、初期段階における独自技術の開発や先進的な事業ノウハウの獲得がその後の市場競争に大きな影響を与えることになります。当社グループでは、早くからブレインテックの可能性に着目し、2020年には当社独自技術に基づく法人向けソリューションパッケージ「ALPHA SWITCH PRO」をリリースする等、脳波に注目したトレーニングメソッドである「ニューロフィードバック」を活用した先進的なブレインテックサービス開発に取り組んでまいりました。ブレインテックと呼ばれる新たなビジネス分野は、世界的に極めて成長性の高いビジネス分野として注目され、今後多くの企業が様々なアプローチから独自技術、独自サービスを展開する競争市場になると想像されます。当社グループは、医療機関の協力のもとアプリを使ったトレーニングがもたらす慢性疼痛の緩和の研究に取り組んでおり、大学や製薬会社等とのアライアンスをさらに強化し、あわせて当社グループが培ってきたブレインテック及び高度なソフトウエア開発技術に関するノウハウと経験を最大限活用することで、広くヘルスケア領域におけるITビジネス拡大を目指してまいります。ブレインテック・デジタルセラピューティクス(DTx)のみならず、それ以外の分野においても、各分野における当社独自技術の開発と市場競争力の強化を進めていく予定です。

③ 安定的な収益基盤の確立

当社グループは、市場成長の高い分野をターゲットとした新たなビジネスポートフォリオを構築し、ブレインテックやDTx等新たな事業分野において市場ニーズに先行し競争力の源泉となる技術力やノウハウを早期に獲得することで事業成長を最大化させるよう取り組んでまいりますが、新規事業への積極展開とあわせ、安定的な収益基盤の確立についても、確実に実現できるよう、事業拡大とあわせて取り組んでいく予定です。ブレインテック・デジタルセラピューティクス(DTx)等新たな事業領域へのチャレンジとあわせ、既にビジネスモデルが確立しているコーポレートDX、画像解析・AI及びライフスタイルDXの領域においては、これまで蓄積した知見やノウハウのほか既存の事業資産や事業基盤を最大限活用することで、堅実かつ安定的な収益基盤の拡大を確実に実現させるよう取り組んでまいります。複数の事業ドメインに対し、自社リソースを機動的に配分し最適化させることで、最新技術を活用した新たな独自サービス開発と、既存ビジネス基盤を最大限活用した永続的な収益基盤の確立を目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

現在、世界は環境・社会・経済において多様な問題に直面しており、世界的に問題解決の潮流が大きくなっています。この中で、企業はESG(環境・社会・ガバナンス)に対応した経営を求められ、その責任や役割を担うことを期待されています。

当社グループは、教育、画像解析、脳科学、企業DX、ベンチャー企業創出等の幅広い分野で、IT等により「善いシステム・サービス・ビジネス・企業」を創造し、提供し続けております。高品質・革新的なサービスをこれからも提供し続けるためにも、持続可能な社会の発展が不可欠であると認識しております。当社はESGに対応した取組を行うことで、持続可能な「善い社会」の発展に貢献してまいります。

 

(2)ガバナンス

当社グループは、気候変動対応を含むサステナビリティに関する課題、取組施策の検討及び確認を、代表取締役を議長とするサステナビリティ委員会にて行っております。検討内容や取組状況は年に2回取締役会に報告され、当報告に基づきサステナビリティ推進の方針や実行状況等について監督する体制をとっております。

 

(3)戦略

(環境に関する方針)

近年、異常気象の激甚化等、気候変動に起因する影響が深刻さを増しています。当社グループは、その対応を中長期的な企業価値に影響を与える重要な課題として認識しており、気候変動に関連する法規制、気候変動に伴う異常気象、テクノロジー、市場等の不確実な変化に対応し得る柔軟な戦略を持つことが重要であると考えております。それを踏まえ、気候変動が事業に与える影響を評価すべく、リスクと機会を検討し、全社的にリスクの最小化と機会の最大化に取り組んでおります。また、その検討や確認は、「(2)ガバナンス」にもあるとおり、サステナビリティ委員会にて行っております。

なお、気候変動により想定される主な事業リスク及び機会並びに対応方針は、次のとおりであります。

 

リスク・機会

考えられるリスク・機会

影響度

期間

対応

移行リスク

政策・

法規制

CO2排出の価格付けが進展することにより

・操業コスト(規制対応にかかるコスト等)増大

・政策変更による資産償却や早期除却

中期

CO2排出量の報告義務化による

・操業コスト(規制対応にかかるコスト等)増大

・資産価値の低下

中期

既存製品・サービスへの排出規制強化による

・資産価値の低下

・保険料の増大

中期

技術

既存製品・サービスの低炭素化への置換が進む中で、技術進歩に乗り遅れることによる事業機会の損失

中期

低炭素技術への移行にあたり発生する先行コスト増加

中期

新規低炭素技術への投資の失敗による資産償却や早期除却

中期

市場

顧客・消費者の意識・行動の変化に乗り遅れることによる

・既存製品、サービスの需要減少

・市場動向に乗り遅れることによる機会損失

・収益構造と収益源の変化

中期

資本市場の変容の不確実さ

・保有金融資産の乱高下を考慮した運用スタンスの変化

・自社投資家の投資意識の変化に応えるための経営成績の全般的な変化

・資本コストの考え方そのものの変化による調達コストの増加

中期

原材料コストの高騰による

・PC等の設備品調達コストの増加

・調達タイムラグによる機会損失の発生

・金融資産の保有スタンスの変化

中期

エネルギーコスト増加による

・ITサービスの相対的な価値の下落

・短史眼的には、水道光熱費の上昇

・エネルギー調達難による事業そのものの撤退

・金融資産の保有スタンスの変化

中期

評判

顧客・消費者の環境意識の変化による

・気候変動への取組が遅れることによる顧客からの信頼失墜

・既存製品、サービスの需要減少

・ESGへの取組、開示対応が遅れることによる投資家からの評価の低下

短期

物理リスク

急性

台風、洪水等の異常気象の激化による

・労働力への悪影響による収益の減少とコストの増加 (欠動、健康被害による 効率性低下)

・既存資産の償却及び早期エグジット(自社設置サーバー等が破損)

・運転コストの増加(電気料金の上昇、部品不足によりハードウエア等が不足することで調達コストの上昇)

・資本コストの増加(自社オフィス内の物理的被害)

・保険料の増加、危険な立地にある資産に対する保険の利用可能性の低下

・顧客の被災に伴うICT投資の減少、需要の減少

短期

慢性

平均気温の上昇等による

・労働力への悪影響による収益の減少とコストの増加(欠動、健康被害による効率性低下)

・既存資産の償却及び早期エグジット(自社設置サーバー等が破損)

・運転コストの増加(電気料金の上昇、部品不足によりハードウエア等が不足することで調達コストの上昇)

・顧客の労働力低下に伴うICT投資予算の減少、需要の減少

長期

機会

製品・

サービス市場

レジリエンス

気候変動に伴う

・自然災害等への対策に資するソリューションの提供

・気候変動の緩和及び適応への貢献が期待できる、革新的な製品・サービスの提供拡大による、市場価値や収益の増大

中期

 

 

 

対応方針

考えられる機会

1 GHG排出量の削減 (Scope1,2)

・再生可能エネルギーへの切り替え

・省エネ型の設備導入や設備設計

・削減目標に向けたグリーン電力購入

2 サプライチェーンから排出されるGHG排出量の削減

・製造時にGHG排出量の少ない調達品の選定

・GHG排出量の削減に取り組むサプライヤーの選択

・オンライン会議の活用による出張等の削減

3 自社が提供する製品/サービスによる顧客/社会のGHG排出量の削減

・クラウドを活用したICTサービス提供によるGHG排出量の削減

・ICTサービスにより顧客の業務を効率化することによるGHG排出量の削減

 

 

(人材育成及び社内環境整備に関する方針)

当社グループは、様々なITサービスを展開するにあたり、開発・企画を始めとする多様な現場で「人材」が活躍しています。「善いもの」を創り提供し続けるため、またそれにより事業を安定的かつ継続的に拡大し、企業価値を高めるため、当社グループは、高いスキルを持った人材の採用及び育成を重要な経営課題として認識しております。また、従業員の健康と安全確保は、生産性の向上や従業員の意識向上につながり、企業の持続的成長に不可欠だと認識し、労働安全衛生の維持、促進に向けて取り組んでいます。

 

①人材育成方針

当社グループは、IT等により善いものを生みだし、提供し続けるため、高い技術力やビジネススキル、管理スキルを身につけ、より一層社会の発展に貢献できる人材の育成を目指しております。

(取組例)

・事業の枠にとらわれない流動的な人員配置

・スキルマップを用いた評価制度

・期中昇格制度

・社員主導での定期的な勉強会の実施

②社内環境整備方針

当社グループは、仕事と生活の調和の取れた働き方の追求と多様な働き方ができる職場環境の充実を目指し、ライフ・ワーク・バランスの推進に取り組んでおります。

(取組例)

・年次有給休暇前倒付与制度

入社月に応じて年次有給休暇を付与しております。

・時間単位の年次有給休暇

年5日の範囲で時間単位の年次有給休暇取得が可能です。

・短時間勤務制度

中学校就学の始期に達するまでの子を養育する社員は、所定労働時間の短縮が可能です。

・始業時刻変更制度

中学校就学の始期に達するまでの子を養育する社員は、始業時刻の変更が可能です。

・看護休暇

小学校就学の始期に達するまでの子1人につき年5日、子2人以上の場合は年10日まで取得可能です。

・キッズイベント休暇

未成年の子を養育する社員は、教育機関における行事に参加するために、年3日まで半日単位で休暇を取得可能です。

・在宅勤務制度

全部門に導入しており、社員一人ひとりの自律性、組織の生産性を高める働き方を促進しております。

・健康増進活動

月に1回以上の頻度で産業医と連携の上、時季に合わせた健康増進に関するテーマを決め、社員向けにメッセージを発信する形で健康増進活動を実施しております。

 

 

(4)リスク管理

当社グループは、サステナビリティ委員会にて、サステナビリティに関する情報を収集した上で識別・評価を実施し、その内容を取締役会に報告することで、全社的なリスクマネジメントへと統合しております。なお、当社グループの認識するリスクについては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(5)指標と目標

(環境に関する指標と目標)

当社は、気候変動関連の指標としてGHG排出量を管理し、カーボンニュートラルを目指しております。Scope1,2の実績は下の表のとおりですが、Scope1,2の目標並びにScope3の実績及び目標につきましては本報告書提出日現在においては算定中です。算定次第速やかに公表いたします。

 

 

 

(単位:tCO2)

 

2022年7月

2023年7月

2024年6月

Scope1

0.00

0.00

0.00

Scope2

44.53

34.65

27.99

 

(人材育成及び社内環境整備に関する指標と目標)

当社グループは、人材育成及び社内環境整備について、思想、信条、性別、年齢等に関係なく、能力や実績を重視した採用及び育成並びに全従業員が仕事と生活の調和をとり、多様な働き方ができる職場環境の充実を行っておりますが、本報告書提出日現在において、具体的な目標数値は設定しておりません。今後、関連する指標のデータの収集と分析を進め、目標及び開示項目を検討してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上、重要と考えられる事項については、情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループで合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

(1)特定事業への依存度について(発生可能性:中 発生時期:中期 影響度:小)

当社グループは、安定的かつ持続的な成長を実現していくために、市場環境の変化に柔軟に対応し、異なる事業セグメントを効果的に組み合わせることで、リスクを最小限とした最適なビジネスポートフォリオの構築を進めております。その結果、当社グループの売上総額に占める各事業セグメントの売上構成比率は常に変動し、中心となる事業セグメントは必ずしも固定的ではありません。当連結会計年度においては、コーポレートDX、画像解析・AI、ライフスタイルDX、ブレインテック・DTx及びベンチャーインキュベーションの5つの領域をターゲットとし、全売上の38.0%がコーポレートDX、23.9%が画像解析・AI及び37.7%がライフスタイルDXによる売上となっておりますが、今後も、各事業セグメントの売上構成比率は市場の変化に応じて常に変動する見通しです。新規の事業セグメントを加え、新たなビジネスポートフォリオが構成される可能性もあります。当社グループは、今後も、特定事業モデルへの依存を回避しつつ、市場の動向に合わせて各事業セグメントの成長を最大化していくことで、より安定的な成長を実現していく計画です。しかしながら、全ての不測の事態を回避できる保証はなく、必ずしも計画どおりに推移する保証はありません。

 

(2)人材の確保と育成について(発生可能性:中 発生時期:短期 影響度:中)

当社グループは、今後のさらなる事業拡大のためには、当社グループがターゲットとする先駆的な分野での知識と経験を有する人材の確保と育成が極めて重要と考えております。当社グループは、優秀な人材を確保するため、機動的な意思決定及び権限委譲を可能にするフラットな組織構造や、ストックオプションを含む柔軟な報酬プログラムを用意し、第二新卒を含む新卒者の採用と育成にも継続的に取り組んでおります。今後も中途採用・新卒採用をあわせ優秀な人材の確保を進めていく方針ですが、いずれも継続的な人材の確保を保証するものではありません。適格な人材を十分に確保できなかった場合には、当社グループの事業拡大に制約を受ける可能性があります。

 

(3)新規顧客開拓に伴うリスク(発生可能性:低 発生時期:中期 影響度:小)

当社グループは、これまで、株主及び当社役員・従業員の幅広い人的ネットワークに基づき、独自の営業活動により、顧客企業の獲得に成功してまいりました。しかしながら、今後、当社グループ事業の拡大過程において、広告宣伝の活用や、代理店ほか外部企業グループ等との戦略的提携等を通じた顧客獲得が必要になる可能性があります。これらに必要なコスト及び投資負担が利益を圧迫し、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(4)マーケットについて(発生可能性:中 発生時期:長期 影響度:大)

スマートフォンを中心とする情報サービス市場において、モバイル向け広告による売上は大きく拡大しておりますが、スマートフォンほかモバイル端末向け情報サービス市場は変化も激しく、今後の動向は不透明です。新技術や新製品の影響により従来のビジネス構造が大きく変化する可能性があります。スマートフォン向けビジネス市場は今後も継続的に拡大する見通しですが、当該市場が順調に拡大せず、もしくは何らかの要因により市場に急激な変化が起こった場合、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(5)ソフトウエア製品の瑕疵及び不具合(バグ)について(発生可能性:中 発生時期:不明 影響度:大)

当社グループより供給する全てのソフトウエアは、納品前に入念なテストを行い、十分なテストを経た信頼性の高いソフトウエアを製品として供給しておりますが、今日の複雑かつ高度なソフトウエアにおいて不具合(バグ)の発生を完全に排除することは困難であり、予期し得ない致命的なバグが発生する可能性があります。当社グループより供給・提供したソフトウエアに瑕疵が発見された場合や致命的なバグが発生した場合、ライセンス供給先の事業者から損害賠償請求を受けることや、当該ソフトウエア製品のリコールのために多額の費用が発生する可能性があります。また、修正対応に伴う工数増加や当社グループに対する信頼性の低下等により、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(6)新規事業投資におけるリスク(発生可能性:高 発生時期:中期 影響度:中)

当社グループは、ブレインテック・DTxをはじめ、市場成長の可能性があるビジネス分野を中心に、成長性等を見極めた上で引き続き積極的に事業への投資を進めていく方針です。当該新規事業への投資は中長期的に当社グループの成長に重要な貢献を果たすものと考えておりますが、新規事業への投資が予定どおりに拡大する保証はなく、また、予定どおりに進まなかった場合や不測の事態が生じた場合に、その影響が限定的な範囲に収まる保証はありません。新規事業等を取り巻く環境に大きな変化が生じた場合や不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(7)ベンチャーインキュベーションについて(発生可能性:中 発生時期:中期 影響度:中)

当社グループは、ベンチャーインキュベーション事業において、有望なスタートアップ企業、各種ベンチャー企業に対して投資を行っております。投資にあたっては、投資先企業の現在価値と将来性の評価について随時見直しを行っており、将来的に当社グループ事業に悪影響を与える可能性の高い投資先については、株式の処分や評価損の計上等事前に影響を抑制するための対策を講じておりますが、全てのリスクを回避できる保証はありません。今後、投資先企業の業績悪化や、市場や政治環境、消費者心理の変化等により投資先企業を取り巻く事業環境に急激かつ大きな変化が生じた場合、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(8)法的規制について(発生可能性:低 発生時期:不明 影響度:中)

現時点では、当社グループの主たる事業を直接的に制限するような法的規制は存在しないと考えております。ただし、当社グループが今後の事業展開のターゲットとするブレインテック・デジタルセラピューティクス(DTx)分野を含め、法的規制による当社グループの事業への国内外での法的規制とその運用に伴う影響について、現時点で専門家の意見書は得ておりません。今後、当社グループの事業を直接的もしくは間接的に制限する法的規制がなされた場合には、当社グループの事業展開は制約を受け、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。また、当社グループの出資先企業の活動に関する規制環境に大きな変化が生じた場合にも、当該出資先企業の市場価値の低下等により、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(9)個人情報漏洩の可能性について(発生可能性:低 発生時期:不明 影響度:中)

当社グループは、顧客の保有する個人情報を含むシステムの開発・運営の委託を受けるほか、一部事業においても、会員登録等を通じて相当量の個人情報を保有、管理しております。当社グループは2005年4月より「プライバシーマーク」の認定(認定番号:10820427(10))を受け、個人情報につき、漏洩リスク低減に必要な管理体制を整える努力を続けておりますが、外部からの不正アクセスやウイルス攻撃、もしくは役員及び従業員の過誤等により個人情報の漏洩・紛失が起こる可能性があります。個人情報の漏洩・紛失が生じた場合、情報や被害の内容によっては、個人又は取引先に対し直接的な損害賠償等の義務を負う場合があり、この場合、当社グループの事業が直接的に悪影響を受け、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(10)知的財産権の侵害による訴訟の可能性について(発生可能性:低 発生時期:不明 影響度:中)

当社グループの知的財産権については、特許が9件(株式会社メディアシークにおいて9件、うち米国特許が1件)、商標が17件(株式会社メディアシークにおいて17件)登録されております。上記のほか、出願中の特許が5件(うち1件が米国特許、2件が共願特許(国内)、1件が共願特許(PCT))、出願中の商標が2件あり、2024年6月30日現在、登録に至っておりません。

現時点において、当社グループの提供するサービス及び製品に対して、第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提訴される等の通知は受けておりません。ただし、これらの可能性について、弁護士ほか専門家の意見書は得ておりません。今後、長期間にわたりその存在が顕在化しないサブマリン特許の存在や、ビジネスモデルそのものが特許として成立する可能性もあり、事前に入念な調査を実施しても、当社グループの提供する製品・サービス全てについて、第三者から知的財産権に関する侵害訴訟等を提訴される可能性を完全に排除することは困難です。万一、権利侵害の事実が発見された場合、当社グループの製品の販売差止めやサービス停止のほか、多額の賠償金支払いを求められる可能性があります。さらに、当社グループに対する信頼性の低下により、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(11)取引上のトラブル/訴訟について(発生可能性:低 発生時期:不明 影響度:中)

当社グループの事業内容は、事業ノウハウやビジネスモデル及び独自技術等の知的財産に密接に関連しており、著作物の電子配信サービス等を含んでおります。今後、当社グループが事業展開を図る上で、他社の特許権等知的財産権の侵害や、著作権の処理等において、訴訟及びその他の請求の対象とされる可能性があり、今日の市場環境において、訴訟リスクの危険性を明確に算定することは極めて困難です。今後新たに発生する、またはこれまで顕在化しなかったビジネスリスク等によって、当社グループに対する訴訟等が提起される場合には、その訴訟内容によっては、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

また、法人向けシステム開発やコンサルティング業務においては、クライアントからの受注は、業界の慣行として、クライアントの意向で内容が変更されることもありえます。当社グループは、サービスの提供に際し、事前にクライアントと作業内容について十分な確認を行っておりますが、クライアント側の意向によりプロジェクトの内容が一部変更・修正、もしくは中止される場合等、不測の事態が発生する可能性があります。クライアント側の事情による計画変更・中断、もしくは製品等の不具合によるトラブル等が発生した場合、あるいは、クライアントによる対価の不払い等が発生した場合、海外事業者との取引において為替や送金のほか金融上のトラブルが発生した場合には、不測の損害が発生し経営成績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(12)システム障害について(発生可能性:低 発生時期:不明 影響度:大)

当社グループの提供する情報サービスは、当社グループの保有するコンピュータシステムである情報配信サーバーと通信ネットワーク設備に依存しております。当社グループのサーバーシステム及び通信機器は、障害の発生を最小限に抑えるための対策を講じておりますが、大規模災害やその他要因によって当社グループの情報配信システムに障害が発生した場合、もしくは通信インフラの基盤となる主要な通信事業者の提供するクラウドサービスプラットフォームやネットワーク等においてシステムダウン等の障害が発生した場合には、当社グループの事業が悪影響を受ける可能性があります。当社グループもしくは当社グループのサーバーシステムがハッキングの対象となりシステム障害が引き起こされる可能性もあります。これらの障害の影響が大きい場合、もしくは障害の影響が長期にわたる場合には、当社グループ全体の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(13)セキュリティについて(発生可能性:低 発生時期:不明 影響度:大)

外部からの不正手段によるコンピュータ内への侵入や、役員及び従業員の過誤等により、システムの停止、機密情報の漏洩及び顧客情報の漏洩が起こる可能性があります。当社グループでは、内部関係者が不正な手段によって情報の漏洩に関与することや、システム障害を引き起こすことがないよう、制度面及びシステム面でリスクを最小限に抑えるための対策を講じておりますが、全てのリスクを完全に排除することは困難です。この場合、当社グループ事業の信頼性の低下を招き、当社グループの経営成績その他に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業に限らず、今後、インターネットや主要な通信事業者のネットワークの信頼性に重大な影響を与える事態が生じた場合には、デジタル情報ネットワークを利用したサービス全体に対する不信感によって、間接的に当社グループの事業が悪影響を受け、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(14)感染症等の影響について(発生可能性:高 発生時期:中期 影響度:小)

当社グループは、新型コロナウイルス感染症に関し、従業員に対して徹底した衛生管理を呼びかけ、リモートワークやオフピーク通勤の推進等、感染拡大防止のため柔軟かつ迅速に対応しながら事業活動を継続してきました。しかしながら、今後新型コロナウイルス感染症の再拡大や新たな感染症の流行により、従業員やその他関係者が感染した場合や国または地方公共団体から自粛・休業要請があった場合等には、感染拡大防止のために事業活動が制限されるリスクがあります。具体的には、顧客の経営状況や消費者心理の悪化によるIT設備投資の抑制及び先送りによる新規受注案件の減少及び既存案件の規模縮小等のリスクが想定されます。また、インターネット広告や各種オンラインサービスの市場動向にも影響が生じる可能性があります。これらのリスクを正確に見通すことは困難でありますが、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクが存在するものと認識しています。

 

(15)政治・経済環境の変化について(発生可能性:低 発生時期:不明 影響度:中)

当社グループを取り巻く政治・経済環境において、ロシア・ウクライナ情勢の悪化により原燃料価格の高騰に伴う物価上昇等が日本経済に大きな影響を与えておりますが、現時点では、当社グループ事業に悪影響を与えるような環境の変化は存在しないと考えております。ただし、政治・経済環境の変化による当社グループ事業及び投資先企業への影響の可能性について専門家の意見書は得ておりません。今後、当社グループや当社投資先企業及び当社資産の運用にかかわる銀行や証券会社等を取り巻く政治・経済環境に大きな変化が生じ、もしくは戦争や事故・災害等不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

また、現在の事業環境においては、第三者による事実の裏付けのない風説の流布や消費者の心理的変化による影響についても、影響を受ける可能性があります。当社グループにおいては、ホームページ等を通じ、業績や事業環境に関する当社グループの見解について、即時開示が可能な体制を整備しておりますが、全てのリスクを回避できる保証はありません。今後、消費者心理の変化等によって、当社を取り巻く事業環境に急激かつ大きな変化が生じた場合、また、その影響が長引いた場合、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(16)自然災害に起因する環境変化について(発生可能性:中 発生時期:長期 影響度:中)

当社グループの事業用サーバーシステム及び通信機器は、ネットワークシステムの運営に実績のある通信事業者の運営する施設に設置され、もしくは実績あるネットワークプラットフォームを利用しており、障害の発生を最小限に抑えるための対策を講じておりますが、全ての不測の事態を回避できる保証はありません。災害の発生や、その他不測の事態に伴う社会的インフラの機能低下による当社グループ事業及び投資先企業への影響の可能性について専門家の意見書は得ておりません。地震、台風その他不測の事態により電力や交通網、通信ネットワーク障害等、広域もしくは特定地域において社会的インフラ機能の低下が生じた場合、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼすおそれがあります。

 

(17)気候変動に関するリスク(発生可能性:中 発生時期:長期 影響度:小)

当社グループは、2023年6月に「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言への賛同を表明し、「TCFDコンソーシアム」にも加入いたしました。当社グループは、サステナビリティを巡る課題が、持続可能な社会への貢献と企業の持続的成長のための重要な経営課題であると認識しております。今後の気候変動に関連する事象を経営リスクとして捉えて対応すると同時に、新たな機会として企業戦略へ活かすとともに、企業価値向上と持続可能な社会の実現に貢献するため、TCFD提言に基づく情報開示の拡充に努めてまいります。しかしながら、気候変動が世界的に深刻化した場合には、異常気象による災害リスクの増加及びカーボンプライシングによるコスト増加等により当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(18)為替変動リスク(発生可能性:高 発生時期:短期 影響度:中)

当社グループは、資産運用の一環として、外貨建て有価証券を多数保有しております。これらの通貨に対する急激な円高の進行は、投資有価証券評価差額金の減少や為替差損の発生等により、当社グループの財政状況及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)M&A及び資本構成・組織形態の変更に伴うリスク(発生可能性:中 発生時期:長期 影響度:中)

当社グループは、当社グループのバリュー向上を目的として、積極的に新たなサービス分野への展開を進めるとともに、当社グループの提供するソリューション及びその他サービスの多様化を進めていく方針です。事業拡大の過程において、当社グループは、他社より事業資産の譲渡を受けたり、他社との提携やM&A等により他社への出資を行ったり、あるいは当社グループの資本構成を変更したり、子会社・関連会社の設立等により組織形態の変更を行う可能性があります。このような意思決定の際には、事業リスクを含めメリット・デメリットにつき広く分析を行い、総合的に的確な判断を行うよう努めてまいります。しかし、全ての施策が、予定どおりの成果をあげる保証はありません。投資先の業績悪化や為替レートの変動等によって有価証券の評価損が発生し、あるいは新規事業や子会社の業績不振等により連結決算へ影響が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(20)配当政策について(発生可能性:中 発生時期:長期 影響度:小)

当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題のひとつとして認識しております。しかしながら、経営基盤の強化と積極的な事業展開を行い、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。今後の配当につきましては、新たな事業展開に必要な内部留保を確保しつつ、各期の経営成績や財政状態を考慮しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、必ずしも計画どおりに推移する保証はありません。当社グループの業績が悪化した場合等、配当を実施できない可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたこと等により、緩やかな回復の兆しがみられる一方で、ウクライナ情勢の長期化や、原材料価格の高騰による物価上昇等、経済の先行きに係る不確実性は依然として高い状況が続いております。

当社グループは、「善いものを生みだし続ける」を経営理念に定め、既にビジネスモデルの確立した事業を堅実かつ安定的に成長させると同時に、ここで獲得した資金を原資に継続的に新規事業領域への投資を行うことで、企業体の存続と新規ビジネスモデルの生成を永続的に両立させることを経営方針としており、引き続きコーポレートDX、画像解析・AI、ライフスタイルDX、ブレインテック・DTx及びベンチャーインキュベーションの5つの事業領域をターゲットにビジネス展開を行っております。

新型コロナウイルス感染症の影響をきっかけに、働き方改革及びテレワークの浸透並びに業務プロセスの効率化等のDXの推進によりITサービスの需要は堅調に拡大しております。当社グループは、これらの状況を踏まえた上で、新たな市場トレンドに対応した成長市場向けサービス強化と新規ビジネス拡大を進めております。また、社内体制整備の側面においても、働き方改革及びテレワークの社会的普及のトレンドを先取る形で首都圏在住にこだわらない流動的かつ機動的なエンジニアの確保のスキームの体制構築を進めており、一定の成果が表れております。

当連結会計年度においては、「コーポレートDX」ビジネスユニットにおいて、国内の法人クライアントに対するシステムコンサルティング業務による売上を計上しました。「画像解析・AI」ビジネスユニットにおいては、スマートフォン向け無料提供アプリ「バーコードリーダー/アイコニット」を中心に、主にスマートフォン向け広告収入による売上を計上しました。「ライフスタイルDX」ビジネスユニットにおいては、当社オンラインプラットフォーム「マイクラス」、「マイクラスリモート」による売上のほか、スマートフォン向けゲーム等各種情報サービスによる売上を計上しました。「ブレインテック・DTx」ビジネスユニットにおいては、DTx、認知機能チェック、医療SI及びNFBエンジン提供等の各種領域で研究開発及び新規事業構築活動を行っております。「ベンチャーインキュベーション」ビジネスユニットにおいては、有望なスタートアップ企業、各種ベンチャー企業に対するインキュベーションサービスに伴う活動を実施しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は、864,898千円(前年同期比0.6%減)、営業利益は、61,772千円(前年同期比48.7%増)、経常利益は、202,102千円(前年同期比158.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、119,796千円(前年同期比98.5%増)となりました。なお、当連結会計年度は決算期変更の経過期間にあたるため、2023年8月1日から2024年6月30日までの11か月間となっております。前連結会計年度は12か月であるため比較対象期間が異なりますが、参考数値として増減額及び増減率を記載しております。

なお、当社グループは、経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として以下を重要視しております。コーポレートDXにおいては、効率的に開発が実行されているかの指標としてのセグメント利益率を最重要視しております。画像解析・AIにおいてはスマートフォン向け無料提供アプリ「バーコードリーダー/アイコニット」の累計ダウンロード数を重要視しております。また、ライフスタイルDXにおいては、主力製品である「マイクラス」の導入クライアント数を重要視しております。これらについては、セグメントごとの経営成績において詳細を記載しております。

 

 

連結損益計算書における区分ごとの内訳は以下のとおりです。

 

① 営業損益

当連結会計年度の営業損益において、売上高は、864,898千円(前年同期比0.6%減)、売上原価は、522,537千円(前年同期比1.7%減)、販売費及び一般管理費は、280,589千円(前年同期比5.6%減)となり、差引61,772千円の営業利益(前年同期比48.7%増)を計上しております。なお、前連結会計年度に比べて営業利益が大きく増加したのは、外注費及び諸経費等の費用の発生額が予想に対して微小であったこと、資本金の減少に伴い法人税法上の中小法人に該当し外形標準課税が減少したこと等によるものです。

② 営業外損益

当連結会計年度の営業外損益については、営業外収益を176,886千円(前年同期比110.9%増)、営業外費用を36,556千円(前年同期比22.7%減)計上し、差引140,329千円の収益(前年同期比283.4%増)を計上しております。このうち主なものは、投資有価証券売却益137,312千円、受取利息29,723千円及び投資有価証券売却損21,902千円です。

③ 特別損益

当連結会計年度の特別損益については、特別利益は計上しておらず(前年同期も計上なし)、特別損失を9,480千円(前年同期は計上なし)計上しております。

④ その他

法人税、住民税及び事業税を73,552千円(前年同期比305.7%増)計上しております。このほか、法人税等調整額を△808千円(前年同期は、12千円)、非支配株主に帰属する当期純利益を82千円(前年同期は、351千円の非支配株主に帰属する当期純損失)計上しているため、税金等調整前当期純利益192,622千円(前年同期比146.5%増)に対し、親会社株主に帰属する当期純利益を119,796千円(前年同期比98.5%増)計上しております。

 

 

セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

(コーポレートDX)

「コーポレートDX」ビジネスユニットにおいては、主に国内の法人クライアントに対するシステムコンサルティングサービスを実施しました。その結果、同ビジネスユニットの当連結会計年度の売上高は、328,427千円(前年同期比13.6%増)、セグメント利益は、151,062千円(前年同期比52.4%増)となりました。従来、個別・単発の受発注契約が中心でしたが、保守・準委任契約をベースとした長期的・継続的かつ広範なデジタル化支援を推進することにより、安定的な売上の増加に繋がりました。

また、前々連結会計年度より、首都圏在住にこだわらない流動的かつ機動的なエンジニア確保のスキームの構築を進めております。その結果、以下の表のとおり、セグメント利益率が上昇傾向にあり、生産性の向上がみられる結果となっております。

 

2021年7月期 (注)

2022年7月期

2023年7月期

  2024年6月期

セグメント利益率

17.8%

35.1%

34.3%

46.0%

 

(注) 2021年7月期の値は、連結離脱した株式会社デリバリーコンサルティングの活動に起因した売上高及びセグメント利益を除外して算出しております。

 

(画像解析・AI)

「画像解析・AI」ビジネスユニットにおいては、主に累計3,600万ダウンロードを達成したスマートフォン向け無料提供アプリ「バーコードリーダー/アイコニット」を中心としたスマートフォン向け広告収入のほか、各種ライセンス提供に基づく売上を計上しました。その結果、同ビジネスユニットの当連結会計年度の売上高は、206,529千円(前年同期比27.3%減)、セグメント利益は、38,348千円(前年同期比62.5%減)となりました。売上高及びセグメント利益の減少は主力製品である「バーコードリーダー/アイコニット」の売上高が減少していることに起因します。当該サービスは広告収入により収益を獲得するビジネスモデルとなっております。広告の表示回数は前年同期比で増加傾向にある一方で、経済の先行きに係る不確実性の関係から業界全体の広告単価が低下しており、売上高が減少しております。広告単価の回復傾向については先行きが不透明なため、今後はアプリユーザーから収集する加工食品に関する情報のデータベース化やアプリ内アンケート機能を活用してBtoBに展開していく予定であります。

 

(ライフスタイルDX)

「ライフスタイルDX」ビジネスユニットにおいては、当社オンラインプラットフォーム「マイクラス」、「マイクラスリモート」による売上を計上しました。「マイクラス」のクライアントであるカルチャーセンター業界は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い需要が回復し、経営の効率化のために情報設備投資が促進されている状況にあります。商品力の高い「マイクラス」はこのような業界の動向により、大手カルチャーセンターから多くの引き合いがある状況にあり、前年同期比で増収増益となっております。この状況はしばらく継続する見込みとなっております。このほか、スマートフォン向けゲーム等各種情報サービスによる売上を計上しました。その結果、同ビジネスユニットの当連結会計年度の売上高は、325,968千円(前年同期比10.0%増)、セグメント利益は、111,805千円(前年同期比23.1%増)となりました。

また、主力製品である「マイクラス」の導入クライアント数は37社、固定月額利用料は7,956千円となっております。

 

(ブレインテック・DTx)

「ブレインテック・DTx」ビジネスユニットにおいては、DTx、認知機能チェック、医療SI及びNFBエンジン提供等の各種領域で研究開発及び新規事業構築活動を行っております。また、当社が独自開発したブレインテックエンジン「ALPHA SWITCH」を活用したアプリによる売上のほか、各種コンサルティングサービスに基づく売上を計上しました。その結果、同ビジネスユニットの当連結会計年度の売上高は、3,974千円(前年同期比229.1%増)、セグメント損失は、46,945千円(前年同期は41,486千円のセグメント損失)となりました。当該セグメントの売上高は、僅少な値となっておりますが、これは、当該セグメントの活動が当連結会計年度において、事業立ち上げのフェーズにあり本格的に売上高を計上するフェーズにないためです。

 

(ベンチャーインキュベーション)

「ベンチャーインキュベーション」ビジネスユニットにおいては、有望なスタートアップ企業、各種ベンチャー企業に対するインキュベーションサービスに伴う活動を実施しました。なお、当連結会計年度で一部売上高及び利益が発生しておりますが、これらは、全社管理部門で発生した費用及び「コーポレートDX」ビジネスユニットで計上された売上高及びセグメント利益と切り分けが困難であるため、当該ビジネスユニットに値を含めております。なお、当連結会計年度に計上されているその他有価証券評価差額金のうち、803,183千円は、同ビジネスユニットの活動に起因したものとなります。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。

 

① 生産実績

当社グループは、生産実績に関する該当事項はありません。

② 受注実績

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コーポレートDX

349,350

53.2

69,135

43.4

画像解析・AI

14,018

△43.3

△100.0

ライフスタイルDX

181,092

△11.2

17,138

△83.5

ブレインテック・DTx

1,522

合計

545,984

19.6

86,274

△45.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 画像解析・AI及びライフスタイルDXについては、受注に拠らない売上高も発生しております。

③ 販売実績

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

コーポレートDX

328,427

13.6

画像解析・AI

206,529

△27.3

ライフスタイルDX

325,968

10.0

ブレインテック・DTx

3,974

229.1

合計

864,898

△0.6

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 販売実績が前年同期に比べて減少している主要因は、特に画像解析・AI及びブレインテック・DTxの領域において2024年6月期を将来的な収益及び利益獲得のための先行投資実施の期間と位置付け、社内外人的リソースを、外部顧客への売上高獲得に対する活動から一部、社内研究開発及び新規事業構築活動に充てたためです。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2022年8月1日

至  2023年7月31日)

当連結会計年度

(自  2023年8月1日

至  2024年6月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Google Inc.

183,184

21.0

133,041

15.4

日本リビング保証株式会社

58,022

6.7

109,954

12.7

株式会社ナガセ

128,697

14.8

86,253

10.0

 

(注) 上記のGoogle Inc.に対する販売高には、Google Asia Pacific Pte.Ltd.等のGoogleグループ各社に対する販売高が含まれております。

 

 

(2)財政状態

① 資産

資産の総額は、3,926,974千円(前連結会計年度末比1.8%増)です。

流動資産は、総資産の21.4%に相当する841,140千円(前連結会計年度末比16.2%増)です。流動資産の前連結会計年度からの増加額は、117,440千円となっておりますが、この主要因は、現金及び預金が127,825千円増加したこと及び流動資産のその他に含まれる預け金が39,149千円増加した一方で、売掛金及び契約資産が33,935千円減少したこと、棚卸資産が12,783千円減少したことによるものです。また、現金及び預金の残高は、568,336千円(前連結会計年度末比29.0%増)となっており、流動資産のその他に含まれる預け金の残高は、64,088千円(前連結会計年度末比157.0%増)となっております。これらは、いずれも現金及び現金同等物に相当し、合計で632,425千円(前連結会計年度末比35.9%増)となっており、流動資産の大きな割合を占めております。

固定資産は、総資産の78.6%に相当する3,085,833千円(前連結会計年度末比1.5%減)です。そのうち、投資その他の資産は、3,060,355千円(前連結会計年度末比1.4%減)です。投資その他の資産の前連結会計年度末からの減少額は43,070千円となっておりますが、この主要因は、余資運用の一環として投資有価証券を売却したことにより、投資有価証券が42,678千円減少したことによるものです。なお、貸倒引当金が26,650千円計上されておりますが、投資その他の資産のその他に含まれる長期滞留債権26,650千円に対応して計上されたものになります。債権全額に対して貸倒引当金が設定されているため、貸倒れの確定による多額の追加損失発生のおそれはありません。なお、投資有価証券が2,988,528千円計上されておりますが、この99.1%に相当する2,962,464千円は時価を有する性質のものです。

② 負債

負債の総額は、負債純資産合計の20.3%に相当する799,067千円(前連結会計年度末比15.8%増)です。

流動負債は、負債純資産合計の6.3%に相当する248,265千円(前連結会計年度末比56.5%増)となっております。流動負債の前連結会計年度末からの増加額は、89,646千円となっておりますが、この主要因は、未払法人税等が45,832千円増加したこと、流動負債のその他に含まれる未払消費税等が22,477千円増加したこと及び1年内返済予定の長期借入金が18,224千円増加したことによるものです。

固定負債は、負債純資産合計の14.0%に相当する550,802千円(前連結会計年度末比3.6%増)となっております。前連結会計年度末からの増加額は、19,084千円となっておりますが、この主要因は、長期繰延税金負債が11,618千円増加したことによるものです。

③ 純資産

純資産の総額は、3,127,906千円(前連結会計年度末比1.2%減)であり、自己資本比率は、79.1%と高い水準を維持しております。純資産の前連結会計年度末からの減少額は、38,606千円となっておりますが、この主要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が110,053千円増加した一方で、保有する投資有価証券を売却したこと等により、その他有価証券評価差額金が148,742千円減少したことによるものです。

なお、2024年6月26日開催の臨時株主総会における決議に基づき、2024年6月30日付で資本金を723,267千円減少し、減少額の全額をその他資本剰余金に振り替えました。これらの資本金の額の減少は貸借対照表の純資産の部における勘定科目間の振替処理であり、純資産額に変更はございません。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首に比べ166,974千円増加し、当連結会計年度末には632,425千円となりました。

また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、138,963千円の収入(前年同期は、15,162千円の支出)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益を192,622千円計上したこと及び、売上債権である売掛金及び契約資産が33,935千円減少したことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、7,772千円の収入(前年同期は、132,160千円の支出)となりました。これは、主として投資有価証券の取得・売却により差引127,451千円の収入があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、16,022千円の収入(前年同期は、7,345千円の支出)となりました。これは、主として配当金を9,601千円支払ったこと及び長期借入金の借入れ及び返済により差引25,624千円の収入があったことによるものです。

 

当連結会計年度は、主として自己資金及び金融機関からの借入金により所要資金を賄いました。過去において、2期連続して営業損失及び経常損失を計上したことがありましたが、当連結会計年度においては5期連続で営業利益及び経常利益を計上しており、継続的に営業利益及び経常利益を計上し続ける体制が確立しつつある状況となっております。また、年間の総費用に比して多額の現金及び現金同等物を有しており、従前から保有する株式会社デリバリーコンサルティングの株式やLink-Uグループ株式会社の株式等、市場で売却可能な多額の有価証券を有する結果となっている点から、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しているものと考えております。

また、当連結会計年度末現在において重要な資本的支出が発生する予定はございません。

 

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

(投資有価証券)

投資有価証券(非上場株式)については、取得原価をもって連結貸借対照表価額としておりますが、当該株式の実質価額が著しく低下したときは、回復可能性の判断を行った上で、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損処理を行います。回復可能性を合理的に判断するための将来利益計画については、一定の仮定をおいており、その仮定には不確実性が伴います。これらの見積りにおいて用いた仮定に見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において投資有価証券評価損が発生する可能性があります。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減少又は増加し、この結果、税金費用が増減する可能性があります。

 

(進捗度に基づく収益認識)

当社グループは、ソフトウエア開発に関し、ごく短期の履行義務を除き、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益認識を行っており、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる場合には、進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度は、ソフトウエア開発人員の人件費や外注費等の積算を主要な仮定とした原価総額の見積額に対する累積実際発生原価の割合(インプット法)で算定しております。ソフトウエア開発人員の人件費や外注費等は、見積りの不確実性を伴い、原価発生額の実績が見積金額と乖離することにより、翌連結会計年度の連結財務諸表においてソフトウエア開発に係る損益が変動する可能性があります。

 

なお、当連結会計年度の連結財務諸表の作成にあたって、ウクライナ情勢の長期化や、原材料価格の高騰による物価上昇等、経済の先行きを見通せないものの、事業への影響が翌期以降の連結会計年度において、一定程度継続するとの仮定に基づき、会計上の見積り(繰延税金資産の回収可能性の評価等)を行っております。なお、これによる当社グループの経営成績及び財政状態に与える影響については、現時点において重要性はありません。ただし、今後の状況の変化によって判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)提出会社

 

相手先

契約の名称

契約の内容

契約期間

株式会社NTTドコモ

iモード情報サービス提供者契約書

NTTドコモの携帯電話向けに情報サービスを提供するための基本契約

2000年7月17日から
2001年3月31日まで
(自動継続)

iモードサービスに関する
料金収納代行回収契約書

当社がNTTドコモの携帯電話向けに提供する情報サービスの利用料を、NTTドコモが当社に代わって利用者より回収するための契約

ソフトバンク株式会社

コンテンツ提供に関する基本契約書

ソフトバンクの携帯電話向けに情報サービスを提供するための基本契約

2001年9月1日から
2002年3月31日まで
(自動継続)

債権譲渡契約書

当社がソフトバンクの携帯電話向けに提供する情報サービスの利用料をソフトバンクが当社に代わって利用者より回収するための契約

KDDI株式会社

コンテンツ提供に関する契約書

KDDIグループ各社の提供する携帯電話向けに情報サービスを提供するための基本契約

2001年11月1日から
2002年10月31日まで
(自動継続)

KDDI株式会社及び
そのグループ会社1社

情報料回収代行サービスに
関する契約書

当社がKDDIグループ各社の携帯電話向けに提供する情報サービスの利用料を、KDDIグループ各社が当社に代わって利用者より回収するための契約

2001年11月1日から
2002年10月31日まで
(自動継続)

Apple Inc.

Apple Developer Program
License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間
(1年毎の自動更新)

Google Inc.

Google AdSenseオンライン利用規約

当社が提供するアプリ等に広告を掲載し対価を得るための基本的契約

契約期間は定められておりません。

 

(注) 1 (自動継続)の表記がある契約については、当初の契約期間が満了している契約についても自動延長・更新規定が1年毎に適用されているため、契約の効力が存続しております。

2 対価として一定料率のロイヤリティを支払っております。

3 上記のGoogle Inc.に対する契約の内容には、Google Asia Pacific Pte.Ltd.等のGoogleグループ各社に関する契約の内容が含まれております。

 

(日本リビング保証との株式交換契約及び経営統合契約の締結)

当社と日本リビング保証株式会社(以下「日本リビング保証」といいます。当社と日本リビング保証を併せ、以下「両社」といいます。)は、両社の間で2024年4月26日に締結した基本合意書に基づき、2024年8月9日に開催したそれぞれの取締役会において、両社の株主総会の承認を得られることを前提として、株式交換(以下「本株式交換」といいます。)による経営統合を行うことを決議し、同日付けで両社の間で株式交換契約及び経営統合契約を締結しました。

株式交換の概要は、以下のとおりであります。

 

① 株式交換の内容

日本リビング保証を完全親会社とし、当社を完全子会社とする株式交換。

 

② 株式交換の日(効力発生日)

2024年11月1日

 

③ 株式交換の方法

日本リビング保証は、本株式交換に際して、本株式交換により日本リビング保証がメディアシークの発行済株式の全てを取得する時点の直前時におけるメディアシークの株主(ただし、下記の自己株式の消却が行われた後の株主をいい、日本リビング保証を除きます。)に対して、その保有するメディアシーク株式の数の合計に本株式交換比率を乗じた数の日本リビング保証株式を割当交付する予定です。日本リビング保証は、かかる交付に当たり、日本リビング保証が保有する自己株式のうち93,974株を充当するとともに、新たに普通株式880,371株の発行を行う予定です。

 

 

④ 株式交換比率

 

日本リビング保証

当社

株式交換比率

1

0.100

 

 

⑤ 株式交換比率の算定根拠

本株式交換比率の算定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、当社は山田&パートナーズアドバイザリー株式会社(以下「山田&パートナーズアドバイザリー」といいます。)を、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、また、日本リビング保証は、株式会社TOStartコンサルティングをファイナンシャル・アドバイザー、株式会社虎ノ門会計(以下「虎ノ門会計」といいます。)を第三者算定機関に選定いたしました。

山田&パートナーズアドバイザリーは、同社の株式価値の算定手法として、当社及び日本リビング保証について、両社が金融商品取引所に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、また将来の事業活動の状況を評価に反映するためにDCF法を用いて算定いたしました。

虎ノ門会計は、当社株式及び日本リビング保証株式がそれぞれ金融商品取引所に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するため、DCF法を採用して算定を行いました。

当社は、当該第三者算定機関による算定結果を踏まえ、両社の財務の状況、資産の状況、財務予測等の将来見通しを踏まえて総合的に勘案した上で、株式交換比率について慎重に交渉・協議を重ねた結果、本株式交換比率は妥当であるとの判断に至り、両社で合意いたしました。

 

⑥ 株式交換完全親会社となる会社の概要

資本金

212百万円(2024年6月30日現在)

事業内容

住宅事業者が顧客であるHomeworthTech(住宅設備の延長保証、検査補修、電子マネー発行、定期点検代行)事業、非住宅事業者向けExtendTech(保証・運営支援)事業を営む。

 

 

(2)連結子会社

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

研究開発活動は、ブレインテック・DTx、画像解析・AI等のセグメントにおいて通常の活動内で継続的に実施しております。

具体的な活動としては、今後市場の拡大が見込まれるブレインテック、バーコードリーダー等の領域で、将来の収益化のためのノウハウを蓄積しております。

当連結会計年度における研究開発費は、69,479千円となっております。この研究開発費は、主として研究開発プロジェクトにアサインされた人件費及び外注費によるものです。なお、当社グループは、当該費用を全額期間費用として処理しております。