当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、計画、目標等に関してはリスクや不確実性を内包しており、その実現を保証するものではありません。
(1)経営方針
① 経営の基本方針
当社グループは、「高齢者生活サービスを中心として、お客様お一人おひとりの価値観を大切にし、お客様にあった魅力的な生活を提案します。」を企業理念とし、「豊かで実りある高齢社会」づくりに貢献することを使命として、企業行動基準及び社員行動指針を定めております。
企業行動基準は、「お客様への約束」、「社会への約束」及び「従業員への約束」からなり、「お客様に魅力的な介護サービスを提供すること」、「積極的に情報開示し、法令を遵守する、社会に信頼される企業であること」、「従業員にチャレンジする機会とやりがいのある職場環境を提供すること」を目指していくことを約束いたします。
また、社員行動指針は、当社グループの社員が目指すべき姿勢・考え方を示しております。
上記、企業理念、企業行動基準及び社員行動指針に基づき事業を展開することにより社会に貢献するとともに、事業計画を着実に推進することで経営基盤の強化と財務体質の改善に努めてまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループは介護を必要とするより多くの方々に有料老人ホームをご利用いただくという観点から入居率を重視しております。また、入居者様に安心して生活いただけるように安定した経営と堅実な成長を続けることを重視し、売上高成長率及び売上高経常利益率を重要な経営指標と位置付け、これらの向上を重視して経営に取り組んでまいります。
③ 中期的な会社の経営戦略
わが国における高齢者人口は今後も増加していくことが考えられ、これにともない、高齢者単独世帯も増加し、介護サービスの提供を考慮した高齢者住宅の需要拡大が見込まれます。このような状況のなか、当社グループは業績拡大にあたり、介護ニーズの伸長が見込まれる首都圏及び近畿圏の都市部において、アッパーミドル~富裕層をターゲットとした高価格帯ブランド「チャームプレミア」シリーズ、「チャームプレミアグラン」シリーズを開設するとともに、「チャーム」シリーズ、「チャームスイート」シリーズの開設も含めたバランスの取れた積極的な新規開設を行い、規模の拡大を行うことが必要不可欠であると考えております。
当社グループは、今後も引き続き介護付有料老人ホームを中心とした介護事業の更なる展開を進めていくとともに、介護事業にとどまらない安定的な収益基盤を確立するうえで、不動産事業の拡大を図ってまいります。
また、中期目標として、連結売上高1,000億円、連結経常利益100億円を掲げており、積極的な事業投資と安定した業績成長を両立し、増収増益を継続できる企業を目指してまいります。
(2)経営環境
当連結会計年度(2023年7月1日~2024年6月30日)におけるわが国経済は、社会・経済活動が正常化し、雇用・所得環境が改善されるなか、緩やかな回復の動きを見せる一方で、物価の上昇、中東地域における紛争など不安定な国際情勢、国内金利の上昇への警戒感などから、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
介護業界におきましては、今後も高齢者人口は増加していき、これにともない高齢者単独世帯も増加し、介護サービスに対する需要拡大が見込まれます。一方で、異業種からの新規参入により競争が激しさを増しています。加えて、介護職における雇用情勢につきましては、2024年6月の有効求人倍率は3.71倍(全国平均・常用(パート含む))と全職種平均の1.06倍を大きく上回り、介護職員の確保が引き続き課題となっているなど、当業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。
そのような状況のなか、当社グループは、「高齢者生活サービスを中心として、お客様お一人おひとりの価値観を大切にし、お客様にあった魅力的な生活を提案する」という企業理念を掲げ、開設エリアのお客様のニーズに応じた価格設定及びお客様にとって魅力的な介護サービスの提供を通じて競争優位性の確保に向けた取り組みを進めてまいりました。
また、より良い人材の確保及び定着に向け、処遇改善を行うとともに、従業員それぞれがライフスタイルに応じて働けるよう働き方の選択肢を増やし、新たに週休3日制度の導入に向けた実証実験も開始いたしました。また、ホーム運営における人員配置の適正化やIT機器の導入等による業務効率化も進めております。今後とも当社グループは、お客様へより質の高いサービスが提供できるよう、従業員が働きやすい職場環境づくりに邁進してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
介護業界におきましては、異業種からの新規参入による競争の激化等により、当業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。そのような状況のなか、当社グループは、「高齢者生活サービスを中心として、お客様お一人おひとりの価値観を大切にし、お客様にあった魅力的な生活を提案する」という経営理念を掲げ、開設エリアのお客様のニーズに応じた価格設定及びお客様にとって魅力的な介護サービスのご提供を通じて競争優位性の確保に向けた取り組みを進めております。
わが国における高齢者人口は今後も増加していくことが考えられ、これにともない高齢者単独世帯も増加し、介護サービスの提供を考慮した高齢者住宅の需要拡大が見込まれます。
このような状況のなか、当社グループは業績拡大にあたり、介護ニーズの伸長が見込まれる首都圏及び近畿圏の都市部において、アッパーミドル~富裕層をターゲットとした高価格帯ブランド「チャームプレミア」及び「チャームプレミアグラン」シリーズを開設するとともに、「チャーム」シリーズ、「チャームスイート」シリーズの開設も含めたバランスの取れた積極的な新規開設を行い、規模の拡大を行うことが必要不可欠であると考えております。
当社グループは、今後も引き続き介護付有料老人ホームを中心とした施設介護事業のさらなる展開を進めていくとともに、介護事業にとどまらない安定的な収益基盤を確立するうえで、不動産事業の拡大及び新規事業の創設を図ってまいります。
なお、当社グループが対処すべき主要な課題は以下の項目であると認識しております。
① 有料老人ホームの新規開設数の確保、増大
高齢者人口がさらに増加する日本の都市部において、老人ホームの需要が一層高まることが予想されるなか、当社グループの介護事業のさらなる成長には、有料老人ホームの新規開設が必要不可欠であります。従いまして、当社グループにおきましては、立地に係る情報収集力をさらに高め、介護付有料老人ホームに加え住宅型有料老人ホームも含めて、有料老人ホームの新規開設数の確保、増大を図ってまいります。
② 不動産事業の安定した収益の確保及び新規事業の創設
社会保障財政がひっ迫するなか、介護保険制度の将来を考えると、持続的成長を可能とする、介護事業だけにとどまらない事業基盤の強化が不可欠であります。そのために不動産事業への領域拡大及びさらなる新規事業の創設を通じて、暮らし・住まい・介護に関わる複合的なサービスをご提供していきたいと考えております。
当社グループが行う不動産事業におきましては、ヘルスケア物件を対象とした不動産開発及び売却による安定した収益が確保できるように、情報収集力をさらに高めてまいります。引き続き、当社グループで保有する物件の売却を進め(ホームの運営は継続)アセットライト経営を志向することにより、親会社株主に帰属する当期純利益の増益も見込んでおります。
さらに、介護事業、不動産事業に続く第3の柱とするべく、当社において2022年7月より新たな部門として「事業構想室」を設置し、新規事業の創設や事業規模・領域の拡大のため、M&Aも積極的に進めてまいります。
③ 労働力の確保及びホーム運営の効率化
今後の介護サービス需要の拡大にともない懸念される労働力不足の問題は、当社グループにおきましても重要な経営課題と認識しており、従業員の定着率の向上のため、長期的な労働力確保を視野に入れた新卒採用の強化や従業員の処遇改善の充実、キャリアパス制度の適切な運営、実践に即した教育研修の実施などの取り組みを進めてまいります。
また、将来の労働力不足を見据え、IT機器やAIの導入により、サービスの質を向上させつつ、業務の効率化・省力化を図ってまいります。
④ コンプライアンス・内部統制の充実
介護保険制度下の事業者として社会的責任を果たすべく、引き続き法令遵守を徹底することに加え、企業経営の透明性と開示情報の正確性を確保させるため、内部統制システムの整備に関する方針を定め、内部統制の構築を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組については、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
《サステナビリティ基本方針》
当社グループは、企業理念のもと、事業を通じて「『豊かで実りある高齢社会』づくりに貢献する」ことをミッションと位置付けております。
このミッションの遂行にあたり、社会・環境をはじめとするサステナビリティを巡る諸課題への適切な対応が重要な経営課題であると認識し、ステークホルダーの皆さまとの協働を通じて、持続可能な社会の構築に貢献するとともに中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
なお、事業を通じて取り組む重要課題と目標及び主な取組事例は、次のURLをご参照ください。
https://www.charmcc.jp/corp/company/sdgs/
(1) ガバナンス
当社グループでは、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上のため、サステナビリティ推進体制を強化しており、代表取締役社長がサステナビリティ課題に関する経営判断の最終責任を有しております。
また、当社では、執行役員会の下、経営企画室管掌取締役、経営企画室員等によるサステナビリティ推進チームを設置しております。
当該チームでは、持続可能性の観点で当社グループの企業価値を向上させるため、サステナビリティに係る当社グループの在り方を提言することを目的として以下の内容の協議等を行い、執行役員会及び取締役会へ報告いたします。
・中長期的な視点に立ち、事業部門と課題を共有しながら、サステナビリティに関する重要課題の特定
・サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会の識別
・サステナビリティに関する重要課題のリスク及び機会への対応と基本方針
取締役会は、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督に対する責任と権限を有しております。
取締役会は、執行役員会及びサステナビリティ推進チームで協議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティのリスク及び機会への対応方針及び実行計画等について審議・監督を行っております。
(2) 戦略
「『豊かで実りある高齢社会』づくりに貢献する」というミッションを持つ企業として、「お客様にとって魅力的な介護サービスを提供する企業であり続けること」、「積極的に情報を開示するとともに、法令を遵守し、社会に信頼される企業であり続けること」、「従業員の創意工夫を尊重し、チャレンジできる機会とやりがいのある職場環境をつくり続けること」を企業行動基準としております。様々なステークホルダーの期待に応え、グループの健全な成長と社会への貢献を持続的に可能にするため、その主役となる社員にとって「生き生きと働きやすい職場」を創出し、「誠実な企業活動」を実践できる人材を育成することを目的として、以下の①人材育成の方針と②社内環境整備に関する方針を制定し具体的な取り組みを行っております。
① 人材育成の方針
(ⅰ) 多様な人材が個性や能力を存分に発揮し活躍できるよう、公平かつ平等な教育研修機会を提供する
(ⅱ) 自身の専門性向上に意欲を持ち能力を発揮し続ける、チャレンジ精神に満ちた人材を育成する
(ⅲ) チームワークを大切にしながら主体的に考え行動し、自らリーダーシップを発揮する自律型人材を育成する
(ⅳ) お客様や仲間と笑顔で接し、コミュニケーションを大切にする人材を育成する
(ⅴ) 社会倫理・社内規則を守り誠実に業務に取り組み、信頼の絆を大切にする人材を育成する
② 社内環境整備の方針
(ⅰ) 一人ひとりの能力・役割とレベルに応じた研修プログラムを提供する
・新卒採用の職員には、新入社員研修→1ヶ月研修→3ヶ月研修→6ヶ月研修→1年次研修→2年次研修→3年次研修と段階的な研修体系を用意しております。
・中途採用の職員には、就業前研修→1ヶ月研修→3ヶ月研修→6ヶ月研修→1年次研修→コミュニケーション研修と段階的な研修体系を用意しております。
・キャリアパス制度を実施し、個々人の能力を的確に把握するとともに、適切な目標管理とタスクの可視化、進捗管理の習慣付けに努めております。
(イ) キャリアアップを目指す従業員に対する階層別研修を充実させる
・キャリアアップを目指す職員には、リーダー候補者研修→統括リーダー候補者研修→ホーム長候補者研修と段階的な研修体系を用意しております。
・リーダー研修→ケアプラン研修→マネジメント研修を実施することでマネジメント能力の向上を図っております。
(ロ) DX環境に対応できるようリスキリングを充実させる
・ケア記録のデジタル化の浸透やICTを使った見守り体制の浸透、インカムでの業務効率向上の浸透を図るための研修、OJTを実施しております。
(ハ) 自己啓発を支援する仕組みを充実させる
・初任者研修受講・実務者研修受講支援、介護福祉士資格取得支援、介護支援専門員資格・主任介護支援専門員資格取得支援を行うとともに 、資格取得者には資格手当を支給し、自己啓発を推奨しております。
(ⅱ) 多様な人材が活躍できる企業風土を醸成する
・障害者就業においては生活支援センターとの連携を重視し、外国人採用においては国内の外部事業者と連携し人材の多様性の確保を図っております。
・「子育てサポート企業」として、2013年に厚生労働省より認定(くるみん認定)を受けるとともに、女性の活躍を推進するための行動計画を策定し、女性が活躍できる環境づくりに努めております。
(ⅲ) 従業員のライフスタイルに応じて働けるよう働き方の選択肢を増やす
・定年延長(60歳→65歳)を実施するとともに、限定正社員制度、嘱託社員年俸制を整備し、働く意欲のある職員が安心して長期間勤務できる環境づくりに努めております。
・産前・産後休暇制度、育児休業制度、子の看護休暇制度を整備し、出産・育児がしやすい環境づくりに努めております。
・介護休暇・休業制度を整備し、介護中も働きやすい環境づくりに努めております。
(ⅳ) 安全で健康的な職場環境を維持するため、ハラスメント、時間外勤務のゼロを目指す
・ハラスメント窓口を設置するとともに、労務上の課題について定期的に勉強会を実施し、ハラスメントの解消・未然防止に努めております。
・労働組合宛の時間外勤務報告を定期的に行い、時間外勤務の状況を労働組合とも共有し、時間外勤務ゼロを目指しております。
(3) リスク管理
当社グループにおいて、全社的なリスク管理は、リスク・コンプライアンス委員会において行っておりますが、サステナビリティに係るリスクの識別、優先的に対応すべきリスクの絞り込みについてはサステナビリティ推進チームの中でより詳細な検討を行い、共有しております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえて行われます。
重要なリスクは執行役員会の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。
サステナビリティに関するリスクへの対応状況は、サステナビリティ推進チームにおいてモニタリングされ、その内容は取締役会へ報告されます。
サステナビリティ関連の機会の識別評価や優先順位付けは、サステナビリティ推進チームにおいて行われ、重要と認識された機会については、執行役員会の協議を経て戦略、計画に反映され、取締役会へ報告、監督されます。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成方針及び社内環境整備に関する方針について、以下の指標を用いております。
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指 標 |
実 績 |
目 標 ( |
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全労働者 |
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格差の縮小 |
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正規雇用労働者 |
88.1% |
格差の縮小 |
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パート・有期労働者 |
79.6% |
格差の縮小 |
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法定雇用率以上 |
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(延) |
(延) |
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(延) |
(延) |
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(注)1 当社グループのうち、主要な事業を営む当社において関連する指標のデータ管理及び取組を行っているため、当社のみの指標及び目標を記載しております。
(注)2 離職率について、新規ホーム開設当初は人材の出入りが多いため、開設2期経過前のホーム所属人員は除外して計算しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 介護保険制度について
当社グループの事業の中心となる介護付有料老人ホーム事業は、介護保険法に定める居宅サービスのうち「特定施設入居者生活介護」において、都道府県知事等より「指定居宅サービス事業者」の指定を受け、介護報酬の給付を受けております。「指定居宅サービス事業者」の指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設置及び運営に関する基準」(介護保険法に基づく厚生労働省令)を満たしている必要があり、その基準に達しないことで、監督官庁より行政処分を受けた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが運営する住宅型有料老人ホームの場合においても、介護サービスの提供にあたり、介護保険法に定める居宅サービスのなかで必要に応じて「訪問介護」「通所介護」「居宅支援事業」等のそれぞれの指定が必要であり、各指定基準において監督官庁より行政処分を受けた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのホームは現在それらの基準をすべて満たしておりますが、今後万が一、上記基準が満たせなくなった場合には、定められた介護報酬よりも減額される可能性があり、また、そうした期間が長期間にわたる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
2000年4月1日に施行された介護保険法は、3年毎に各都道府県・各市町村において保険事業計画の見直し、さらには介護保険法附則第2条において、施行後5年目を目途として制度全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき必要な見直し等の措置が講ぜられるべきものとされております。2006年4月1日に施行された改正介護保険法では施設開設における総量規制が取り入れられ、介護報酬については、2009年、2012年、2014年(消費税増税分を補てんする意味合いからの臨時改定)、2015年、2017年(介護職員の処遇改善のための臨時改定)、2018年、2019年(消費税率の引上げ及び介護職員の処遇改善のための臨時改定)、2021年及び2022年に改定が行われました。
2018年4月の介護報酬改定は、2015年4月の介護報酬引下げに伴う介護事業者の厳しい経営状況及び介護職員の処遇改善等の必要性を踏まえ、小幅ながらも6年ぶりのプラス改定となりました。
また、消費税率の引き上げに伴う2019年度の臨時介護報酬改定につきましては、勤続年数10年以上の介護福祉士を中心とした特定処遇改善加算を中心としたプラス改定となっており、2021年、2022年にも介護報酬の処遇改善のための随時改定が行われております。
2024年4月の介護報酬改定は、介護職員の処遇改善とともに、地域包括ケアシステムの深化・推進、自立支援・重度化防止に向けた対応、良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり(介護ロボット、ICTテクノロジー活用促進等)、制度の安定性・持続可能性の確保など新たな加算項目が追加されるなど、プラス改定となりました。
今後、介護報酬の引下げ等の介護事業者に不利な改正がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
今後のさらなる高齢化に伴い介護サービスへのニーズの高まりが推測され、異業種からの新規参入や同業他社の事業拡大のスピードが加速されるものと考えられます。よって、当社グループが事業展開している地域において品質向上のためのコスト増加や価格競争のさらなる激化等が生じる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、2006年4月1日の介護保険法改正より続いている特定施設の総量規制が緩和された場合、当社グループにおいては新規開設による拡大スピードの加速化といった利点がある反面、競合が激化し新規ホームの入居ペースの鈍化のみならず、既存ホームにおいても入居率の低下につながることも懸念されます。このため、制度改正に伴い、新規参入業者が増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定事業への依存に関するリスクについて
当社グループの事業領域は介護業界のなかでも、介護付有料老人ホームを中心とした施設介護事業に集中しております。施設介護事業を含む介護業界は高齢化に伴う市場ニーズの増大により、今後もさらなる需要拡大が見込まれておりますが、今後の業界動向は介護保険法改正等の様々な外部の影響を受けることとなります。このため、在宅介護を中心とする介護保険制度への転換を意図した介護保険法や老人福祉法の改正等によって、施設介護事業を中心とした事業戦略からの転換を強いられた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 従業員の確保について
「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた介護付有料老人ホームには、人員に関する基準(資格要件、配置基準)が定められております。また、介護業界の成長に伴い、介護サービスの需要の増大や競争激化による労働力不足が懸念されている状況であります。当社グループでは、事業規模の拡大に伴い、人材の確保・育成に向けて、新卒採用及び中途採用を積極化するとともに、定着率向上のためのキャリアパス制度の再構築をはじめ、処遇改善、人事制度の見直し、教育研修制度の充実などの取り組みを行っております。また、将来の労働力不足を見据え、IT機器やAIの導入、人員配置の最適化等により、サービスの質を向上させつつ、業務の効率化・省力化を図ってまいります。
しかしながら、このような施策の効果が充分に得られず、従業員の確保や配置が進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新規ホームの開設について
当社グループは事業拡大にあたり、今後も計画的な新規ホームの開設を進めていく所存ですが、「①介護保険制度について」で記載のとおり、2006年4月1日の介護保険法改正に伴って施設開設に対する総量規制が行われていることから、特定施設の新規開設に当たっては、各都道府県・各市町村の事業計画にしたがった公募に対して、介護事業者が応募し選定を受ける必要があります。当社グループは各都道府県・各市町村の動向やニーズを適宜把握する等の対応をしておりますが、計画通りに選定を受けることができなかった場合、当社グループの事業計画遂行に影響を及ぼす可能性があります。さらに、選定を受け、新規ホームが開設できたとしてもご入居者様の入居が円滑に進まなかった場合、あるいは従業員の募集が円滑に進まずサービスが提供できない状態が長期間続いた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有料老人ホームにおける土地・建物に関する契約について
当社グループが運営する有料老人ホームは、土地の定期借地契約及び建物の賃貸借契約において20年以上の契約期間を定めております。なお、原則としてその期間は解約ができないことから、当社グループにとっては安定かつ継続的に土地・建物を賃借し運営できる反面、入居率の低下等に伴い利用料金の見直しが必要になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす場合があります。
⑦ 差入保証金について
当社グループは介護付有料老人ホームの新規開設における賃借時に保証金を差し入れております。差入保証金の残高は2024年6月30日現在5,639百万円となっており、総資産に占める比率は11.9%であります。
当社グループは、新規開設の際の与信管理を徹底していますが、賃借先のその後の財政状態の悪化等によって、差入保証金の全部又は一部が回収できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 有利子負債について
当社グループは今まで新規ホームの開設に伴う設備投資資金及び不動産事業に係る投資資金を主として金融機関からの借入により調達してまいりましたので、総資産に対する有利子負債残高の割合が次表のとおり高い水準で推移しております。
今後の新規ホームの開設は、土地所有者に建物を建築していただき、一括賃借する方法などにより有利子負債増加の抑制を図っているものの、これまでの影響から当分の間は有利子負債依存度が相対的に高い水準で推移していくことが予想されます。
このような状況の中、金融情勢の変化などにより計画どおりに資金調達ができず、計画的なホーム開設及び不動産事業に係る新規投資が困難となる場合や市場金利の上昇により資金調達コストが増大した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
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当連結会計年度末 (2024年6月30日) |
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有利子負債残高(百万円) |
10,877 |
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総資産残高(百万円) |
47,339 |
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有利子負債依存率(%) |
23.0 |
(注)1.有利子負債残高は、借入金及びリース債務の合計であります。
2.有利子負債依存率は、有利子負債残高を総資産残高で除した数値を記載しております。なお、下表に記載の借入契約につきましては、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合には当該借入金の返済もしくは新たな担保権の設定を求められ、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
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金融機関名 |
契約締結日 |
当連結会計年度末 借入残高 |
借入種別 |
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株式会社 三菱UFJ銀行 |
2015年7月13日 |
561百万円 |
金銭消費貸借契約 |
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株式会社 りそな銀行 |
2015年10月28日 |
381百万円 |
金銭消費貸借契約 |
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2020年9月28日 |
1,159百万円 |
金銭消費貸借契約 |
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株式会社 みずほ銀行 |
2021年12月10日 |
850百万円 |
金銭消費貸借契約 |
⑨ リース取引の分類の変更の可能性について
当社グループには、土地及び建物を賃借して運営しているホームがあります。その賃貸借契約には、契約期間中に中途解約を行った場合、規定損害金を支払わなければならないと定められておりますが、当社が指定した後継賃借人が契約の継続的履行を承諾した場合には、規定損害金の支払義務が免除されることが併せて定められております。当社グループは、各ホームの業績、市場環境等を総合的に勘案した結果、各ホームにおいて後継賃借人を指定することが容易であると判断した場合、当該賃貸借契約は規定損害金を支払うことなく解約可能であり、オペレーティング・リース取引と判断しております。
しかし、リース会計基準の変更、各ホームの業績および市場環境の悪化等が発生した場合には、リース取引の分類をファイナンス・リース取引に変更しなければならない可能性があります。これに伴いオペレーティング・リース取引と判断した賃貸借契約をオンバランス処理することとなった場合、リース資産及びリース債務が連結財務諸表に計上されるため、当社グループの自己資本比率が現状より低下する可能性があります。
なお、2024年6月30日現在において該当の土地及び建物に係る未経過リース料の総額は201,324百万円であります。
⑩ 固定資産の減損リスクについて
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用しております。今後資産の利用状況及び資産から得られるキャッシュ・フローの状況等が悪化し、減損処理が必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 投資有価証券の減損リスクについて
当社グループでは、主に資本提携を目的に取引先などの投資有価証券を保有しております。投資有価証券
の評価は発行会社の財政状態や経営成績などに依存しており、当社グループでは投資先の経営状態を把握できる
様に情報収集を行い、事前にリスクの軽減に努めております。今後実質価額が低下した場合、投資有価証券評
価損の計上により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 自然災害について
当社グループは、2024年6月末現在、首都圏及び近畿圏において事業を展開しておりますが、これらの地域において予測不能な地震、風水害等の自然災害が発生し、ホームに影響が生じ業務を停止せざるを得ない状況や、建物や設備が損傷しその修復に多大な費用が必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 高齢者向けの事業であることについて
当社グループの事業は高齢者を対象としているため、ご入居者様がホームで生活をしていく上で移動中の転倒事故等の危険性があると考えております。また、ホーム内では食事や入浴等の介護サービスの提供を行っていることから、ご入居者様の集団感染あるいは食中毒が発生する可能性もあります。
当社グループは過去の運営実績をもとにした事故防止対策や、うがい・手洗い・アルコール消毒剤等での手指消毒の徹底による感染症の集団発生の予防をはじめとした安全管理や健康管理、あるいはご入居者様への食事の外注先である給食業者への衛生管理の徹底に万全を期するよう取り組んでおりますが、万が一ホーム内での事故や感染症の流行、食中毒等が発生した場合には、当社グループの信用が低下するとともに訴訟等で損害賠償請求を受ける恐れがあり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、ご入居者様が事故や病気等の理由により入院治療が必要となるなど、何らかの理由により一時的に退去者数が増加した場合にも稼働率が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 情報管理について
当社グループの事業を運営するにあたり、ご入居者様あるいはそのご家族様の重要な個人情報を取り扱っております。システム上の情報管理については漏洩防止のため、ファイアーウォールによる外部ネットワークからのアクセス遮断、ウィルス対策ソフトによるマルウェアなどからの保護を実施するほか、原則ノートパソコンなどの電子機器の持ち出しを禁止しております。また、ノートパソコンには、起動時のパスワード管理を実施しており、第三者が容易に起動させることができない設定となっております。以上の対策を厳重に講じておりますが、万が一システム等からの情報が流出し、当社グループの信用が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 風評等の影響について
当社グループの事業は、ご入居者様やそのご家族様のみならず地域住民や介護にかかわる方々からの信頼のもとに成り立つものと認識しており、従業員には経営理念を浸透させ、安定的かつ質の高いサービスを提供するよう指導、教育を行っております。しかしながら従業員の不祥事等何らかの理由で、社内、社外を問わず当社グループに対して不利益な情報や風評が流れた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 不動産事業について
当社グループは、主にヘルスケア物件を対象とした不動産開発事業及びその他不動産事業への領域拡大を行っておりますが、不動産取引は、市場環境の変化や契約条件の交渉状況によって、当社グループが保有する資産の評価損や売却損が生じる可能性があります。また、不動産開発の遅延及び中止の可能性並びに想定以上に建築費用等の費用が発生する可能性に加え、今後不動産に関連する法規(宅地建物取引業法、建築基準法等)の改廃や新設が行われる可能性もあります。これらの可能性が顕在化された場合には、当初想定した通りの収益が確保できず、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑰ 感染症について
国内において、新型コロナウイルスのような感染症が流行し、営業活動の自粛等により新規入居が低調に推移した場合、新規開設ホームにおいて当初想定した通りの収益が確保できず、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、ホーム内におきましては、感染症予防・対策の徹底により、ご入居者様の安全確保、健康維持に努めておりますが、万が一ホーム内で感染症の集団感染が発生した場合には、当社グループの信用が低下するとともに、入院されるご入居者様が一時的に増加して稼働率が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2023年7月1日~2024年6月30日)におけるわが国経済は、社会・経済活動が正常化し、雇用・所得環境が改善されるなか、緩やかな回復の動きを見せる一方で、物価の上昇、中東地域における紛争など不安定な国際情勢、国内金利の上昇への警戒感などから、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
介護業界におきましては、今後も高齢者人口は増加していき、これにともない高齢者単独世帯も増加し、介護サービスに対する需要拡大が見込まれます。一方で、異業種からの新規参入により競争が激しさを増しています。加えて、介護職における雇用情勢につきましては、2024年6月の有効求人倍率は3.71倍(全国平均・常用(パート含む))と全職種平均の1.06倍を大きく上回り、介護職員の確保が引き続き課題となっているなど、当業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。
そのような状況のなか、当社グループは、「高齢者生活サービスを中心として、お客様お一人おひとりの価値観を大切にし、お客様にあった魅力的な生活を提案する」という企業理念を掲げ、開設エリアのお客様のニーズに応じた価格設定及びお客様にとって魅力的な介護サービスの提供を通じて競争優位性の確保に向けた取り組みを進めてまいりました。
また、より良い人材の確保及び定着に向け、処遇改善を行うとともに、従業員それぞれがライフスタイルに応じて働けるよう働き方の選択肢を増やし、新たに週休3日制度の導入に向けた実証実験も開始いたしました。また、ホーム運営における人員配置の適正化やIT機器の導入等による業務効率化も進めております。今後とも当社グループは、お客様へより質の高いサービスが提供できるよう、従業員が働きやすい職場環境づくりに邁進してまいります。
当連結会計年度の業績につきましては、介護事業におきまして、新型コロナウイルス感染症がインフルエンザ等の感染症と同じ扱いとなり、前連結会計年度までのような影響はなくなりました。当社グループのホームの入居状況につきましては、当社の既存ホームは高い入居率を維持し、当社の新設ホームと連結子会社である株式会社ライクのホームの入居が特に好調に推移しました。コストに関しては、引き続き光熱費や物価の高騰による影響は継続しているものの、想定を超えるものではなく、また、前連結会計年度までのコロナ関連経費(消耗品、検査費用、スタッフの危険手当等)は大幅に減少しました(前連結会計年度まではコロナ関連経費に対する補助金(営業外収益)を受給し経常利益段階でカバーしておりました)。
また、将来の人材不足を見据えて当連結会計年度より本格的に始動したホーム運営の人員効率化に関しましては、見守り機器、インカムなどのIT機器や、ChatGPT、配膳ロボットなどAIを活用した業務の効率化・省力化に加え、業務遂行能力の高い人材「アソシエイトリーダー」を中心とする人員配置の最適化を進めたことにより、当連結会計年度におきまして、労働生産性が向上し利益率の上昇につながりました。
以上の要因により、介護事業は順調に推移し、期初の計画を上回る結果となりました。
なお、当連結会計年度におけるホームの運営状況につきましては、運営ホーム数の合計は91ホーム、居室数は6,159室(連結子会社である株式会社ライクの5ホーム、460室を含む)であります。当社ホームの入居状況につきましては、ホーム開設又は取得から2年を経過した既存ホームにおける平均入居率95.2%(前年同期95.3%)と高い入居率を維持しており、開設又は取得2年未満のホームの入居につきましても着実に進んでおります。課題としていた高価格帯ホームにつきましては、最高価格帯ブランドの「チャームプレミアグラン」シリーズにおいて単月の入居率が95%を超えるに至ったホームもあり、徐々に高稼働ホームが増えてきております。
また、2021年11月に連結子会社化した株式会社ライクの既存4ホームの平均入居率は97.6%(買収当初の2022年6月期第2四半期累計期間の平均入居率は74.5%)となり、ほぼ満室の状態に達しました。
さらに、当社グループは、有料老人ホームの新規開設とともにM&Aによる既設ホームの取得も積極的に進めており、さらなる拡大を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は47,829百万円(前年同期比26.2%増)、営業利益は5,386百万円(前年同期比28.3%増)、経常利益は5,817百万円(前年同期比25.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,276百万円(前年同期比33.4%増)となりました
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.介護事業
介護事業の当連結会計年度の売上高は33,390百万円(前年同期比14.0%増)、セグメント利益は4,407百万円(前年同期比44.8%増)となりました。
なお、ホームの新規開設の状況につきましては、介護ニーズの伸長が見込まれる首都圏の都市部において、高級住宅地を中心に、アッパーミドル~富裕層をターゲットとした高価格帯ブランド「チャームプレミアグラン」、「チャームプレミア」シリーズを開設するとともに、「チャーム」シリーズ、「チャームスイート」シリーズの開設も行い、バランスの取れた積極的な新規開設を進めております。また、有料老人ホームのM&A情報が当社に多く寄せられるようになってきており、情報を精査しつつ、M&Aによるホーム数の拡大も図ってまいります。当連結会計年度におきましては、近畿圏1ホーム(大阪府羽曳野市)の事業譲渡契約を締結し、当連結会計年度より当社グループに加わり、次期におきましても、首都圏及び近畿圏において計13ホームの取得を予定(内定)しております。
当連結会計年度における新規開設及び取得の状況は以下のとおりです。
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案件 |
所在 |
居室数 |
開設年月日 |
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チャーム明石西二見 |
兵庫県明石市 |
69室 |
2023年11月 |
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チャーム府中番場 |
東京都府中市 |
69室 |
2023年12月 |
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チャームスイート仁川弐番館 |
兵庫県西宮市 |
81室 |
2024年2月 |
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チャームプレミア京都烏丸六角 |
京都府京都市 |
77室 |
2024年3月 |
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チャーム水元公園 |
東京都葛飾区 |
60室 |
2024年5月 |
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チャーム府中日新町 |
東京都府中市 |
80室 |
2024年6月 |
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ライク羽曳野 |
大阪府羽曳野市 |
50室 |
2024年6月 |
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合計7ホーム(首都圏3ホーム、近畿圏4ホーム) |
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486室 |
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b.不動産事業
不動産事業におきましては、当連結会計年度は当初の予定どおり2件の開発案件(「仲池上案件」及び「宝塚小浜案件」)の売却とその他の不動産の売却を完了し、売上・利益ともに期初の計画を上回る結果となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は13,062百万円(前年同期比75.2%増)、セグメント利益は1,874百万円(前年同期比8.0%減)となりました。
c.その他事業
その他の事業として、連結子会社である株式会社グッドパートナーズが行っている人材派遣、人材紹介、訪問看護等の事業があります。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり、人材派遣や訪問看護の事業が想定以上に好調に推移いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,857百万円(前年同期比24.2%増)、セグメント利益は94百万円(前年同期比248.8%増)となりました。
財政状態の状況は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末と比べ4,034百万円増加し、47,339百万円となりました。このうち、流動資産合計は前連結会計年度末と比べ2,967百万円増加し、24,415百万円となり、この主な内訳は、現金及び預金が12,640百万円、売掛金が3,284百万円、金銭の信託が5,275百万円となっております。固定資産合計は前連結会計年度末と比べ1,067百万円増加し22,924百万円となり、この主な内訳は、有形固定資産が12,264百万円、差入保証金が5,639百万円となっております。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末と比べ463百万円増加し、28,632百万円となりました。このうち、流動負債合計は前連結会計年度末と比べ1,980百万円増加し、22,040百万円となり、この主な内訳は、短期借入金が4,667百万円、未払金が2,209百万円、契約負債が11,644百万円となっております。固定負債合計は前連結会計年度末と比べ1,516百万円減少し、6,592百万円となり、この主な内訳は長期借入金が5,122百万円となっております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末と比べ3,570百万円増加し、18,706百万円となりました。この主な内訳は、資本金が2,759百万円、資本剰余金が2,762百万円、利益剰余金が13,205百万円となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,826百万円増加し、12,640百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は10,534百万円(前年同期は496百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益6,376百万円、契約負債の増加額1,931百万円、減価償却費706百万円及び棚卸資産の減少額3,431百万円により資金を得た一方で、法人税等の支払額2,081百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、支出した資金は1,668百万円(前年同期は2,242百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3,724百万円及び金銭の信託の取得による支出543百万円があった一方で、有形固定資産の売却による収入により898百万円及び無形固定資産の売却による収入により2,292百万円の資金を得たことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、支出した資金は3,039百万円(前年同期は1,618百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,330百万円により資金を得た一方で、短期借入金の純減額706百万円及び長期借入金の返済による支出2,855百万円、配当金の支払額717百万円があったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
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|
当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
前年同期比(%) |
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介護事業(百万円) |
33,390 |
114.0 |
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不動産事業(百万円) |
13,062 |
175.2 |
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その他事業(百万円) |
1,376 |
119.3 |
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合計(百万円) |
47,829 |
126.2 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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サムライ特定目的会社 |
- |
- |
5,932 |
12.4 |
(注)前連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたって、当連結会計年度における資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用の報告数値並びに開示に影響を与える見積りを行っております。当該見積りに際しては、過去の実績や状況に応じて、合理的と思われる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は47,829百万円となりました。これは主に、開設2年目を経過した当社既存ホームにおいて95.2%(前期95.3%)と高い入居率を維持していることに加え、不動産事業における2件の開発案件の売却によるものであります。開設2年未満のホームの入居につきましても順調に進んでおります。
(売上総利益)
売上原価につきましては、39,518百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に開設した8ホーム及び当連結会計年度に開設した7ホームの運営経費(労務費、地代家賃、給食費等)が増加したほか、不動産事業における2件の開発案件の売却に伴う不動産販売原価が発生したことによるものであります。
この結果、売上総利益は8,311百万円となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費につきましては、2,924百万円となりました。これは主に、企業規模の拡大に伴う人件費や租税公課、支払手数料の増加に加え、のれん償却費が発生したことによるものであります。
この結果、営業利益は5,386百万円となりました。
(経常利益)
営業外収益につきましては、補助金収入420百万円等を、営業外費用につきましては、支払利息55百万円等を計上しております。
この結果、経常利益は5,817百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は6,376百万円となる一方で、法人税等は2,100百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は4,276百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は130円97銭となりました。
3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの中核事業である介護事業は、介護付有料老人ホームの運営がその大部分を占めております。介護付有料老人ホームは、介護保険法に基づき各都道府県より指定を受け、介護報酬の給付を受けておりますため、介護報酬の基準単価等の給付水準が変更されるような介護報酬の改正がなされた場合には、当社グループの事業の状況に関わらず、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、今後の介護サービス需要の拡大に伴い懸念される労働力不足の問題は、当社グループにおきましても重要な経営課題と認識しております。当社グループとしましては、人材の確保・育成に向けて、長期的な労働力確保を視野に入れた新卒採用の強化や従業員の処遇改善の充実、キャリアパス制度の適切な運営、実践に即した教育研修の実施を進めており、また、将来の労働力不足を見据え、IT機器やAIの導入、人員配置の最適化等により、サービスの質を向上させつつ、業務の効率化・省力化を図ってまいりますが、このような施策の効果が十分に得られず、人員の確保に多額のコストが掛かる場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは運営資金及び設備資金につき、主として自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しており、運転資金については短期借入金で、設備資金については長期借入金で調達することを基本としております。
なお、当連結会計年度末時点における長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は6,027百万円、短期借入金の残高は4,667百万円、現金及び預金は12,640百万円となっております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループは「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針 ②目標とする経営指標」に記載のとおり、有料老人ホームの安定した運営の観点から入居率を、また、安定した経営と堅実な成長の持続という観点から売上高成長率及び売上高経常利益率を重要な経営指標と位置付け、これらの向上を重視して経営に取り組んでおります。
当連結会計年度における、開設2年目を経過した当社既存ホームにおける入居率は95.2%と前期比で0.1ポイント低下はしておりますが、引き続き業界トップレベルの高い数字を維持しております。
当社グループは、引き続き当該指標の向上に取り組み、業界No.1を目指してまいります。
東急不動産株式会社及び株式会社東急イーライフデザインと当社は、資本業務提携契約を2024年6月26日に締結致しました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)(資本業務提携契約の締結)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。