第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、以下の経営理念と企業哲学を経営の基本方針として事業に取り組んでおります。

(経営理念)

「地域密着を旨とし、貸主・借主に徹底サービスを提供する。情報と組織の強みを活かしたサービスに従事し、顧客と共に栄える。」

(企業哲学)

「テナント誘致・ビル管理・更新及び契約管理の三事業部が情報を共有・連携し、事業用不動産収益の最大化を追求する。」

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、売上高経常利益率10%を目標としています。また、配当性向30%以上を維持します。

 

(3) 経営環境

 わが国経済は、企業業績は堅調であり、投資意欲の高まりから設備投資が増加しました。物価上昇、賃上げの実現から、個人消費の高まりが待たれる中、宿泊・飲食などのサービス需要は旺盛であり、訪日外国人数もコロナ前を上回り、景気の拡大が継続しております。一方、米国経済の失速懸念、日銀の利上げを経て、行き過ぎた円安の修正・平均株価の大幅安等、一進一退の状況や、地政学リスクを含め、今後の国内外の金利動向等については、引き続き注視が必要な状況です。

 このような環境下におきまして、仲介関連事業は前年比減少しましたが、サブリース事業は前年比件数微増、粗利益27.5%増とすることができました。

 当連結会計年度においては、人材採用及び販売促進費の拡大等、積極的な営業姿勢を続けてまいりました。景気や企業の出店意欲等に左右されない磐石なストック収入の基盤を創ることが、次期のさらなる業績向上につながると考えております。

 

(4) 対処すべき課題

 当社グループは、当社独自の専門的な不動産サービスによって、問題解決力のある管理会社を目指し顧客の囲い込みを進めます。また、中核事業でリノベーションサブリース事業を着実に伸ばし、リノベーションサブリース件数を2025年6月期に280件を目標とします。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社における、サステナビリティ関連のリスク及び機会を把握・管理するためのガバナンス体制は、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ① 企業統治の体制の概要および企業統治の体制を採用する理由」に記載のコーポレートガバナンスの体制と同様であり、関係部署やそれぞれの会議体が責任をもってその取り組みを推進しています。

 

(2)戦略

 当社は、サステナビリティを巡る課題への対応は重要な経営課題であると認識しており、社是である「貸主・借主に徹底サービスを提供」をベースに、貸主様、借主様がウィンウィンになる不動産管理を目指しています。不動産管理事業では、貸主の建物収益を最大化し、借主には好立地かつ企画化された店舗出店の実現をサポートすることで、出店型の駅前発展に貢献してきました。国連の掲げる世界共通目標であるSDGs達成につながる当社の取組の一部として、可能な限りの既存建物の維持管理や改修及びリフォーム工事の促進に取り組んでおります。深刻な危機に直面している地球環境保護対策として、世界の森林間伐等を減らし、二酸化炭素の吸収量を増やし二酸化炭素削減への貢献をすすめております。また、既存ビルを有効活用し、空き室が減ることで空家問題を防いでおります。

 また、当社においては、人材確保に関する取組を経営上重要であると考えており、従業員は事業の成長を支える重要な存在であるとの認識のもと、多様な人材が最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。

 人材の育成及び社内環境整備に関して、以下の施策を行ってまいります。

 1.人材の育成に関する方針

   人材の多様性の確保及びスキル向上のため、下記の施策等の充実を図ってまいります。

  ①採用活動強化

  ②新卒高校生の採用活動の継続

  ③女性管理職割合増加推進

  ④資格手当・取得支援制度の改革

  ⑤社内研修制度の充実

 2.社内環境整備方針

   エンゲージメント向上や働き方改革推進のため、以下の施策等の充実を図ってまいります。

  ①給与・手当制度の改革

  ②従業員持株会加入促進

  ③有給・育休制度整備

  ④福利厚生の充実

  ⑤健康診断の充実

  ⑥社内基幹システム強化

 

(3)リスク管理

 当社では、企業環境を取りまくリスクに対応するため取締役会及び経営会議にて情報を共有し、リスクの早期発見と未然の防止に努めております。具体的には、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 ① 企業統治の体制の概要および企業統治の体制を採用する理由」に記載のとおりであります。

 

(4)指標及び目標

 当社では、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針における指標及び目標については、上記「(2)戦略」において記載した施策等の実施を通じ、サステナビリティを推進するうえで適切な指標及び目標を見定めてまいります。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①経済状況について

 当社グループが事業を営む不動産業界においては、経済環境悪化により、当社の取り巻く環境が厳しくなった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②法的規制について

 連結子会社株式会社エリアクエスト店舗&オフィスは収益不動産の賃貸仲介業務を行っており、宅地建物取引業法及び関係法令の規制を受けております。当社グループが営む事業においては、国土交通大臣・都道府県知事から免許を受ける必要があります。

 当社グループは、法令順守を徹底した社員教育を行いコンプライアンス体制の整備に努めておりますが、同法及び関係法令に定められた事項に違反した場合、免許取消を含む行政処分がなされる可能性があり、免許取消等の処分がなされた場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

③顧客情報について

 当社グループは営業活動に伴って入手した顧客情報を、当社独自に開発したシステムに蓄積しており、顧客情報の管理に注意を図っておりますが、外部からの不正な手段によるサーバ内侵入等により、顧客情報の外部漏洩がなされた場合、当社グループの信用力が低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しているとおりであります。

 当社グループは、固定資産の減損損失、税効果会計、貸倒引当金、投資その他の資産の評価等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績は堅調であり、投資意欲の高まりから設備投資が増加しました。物価上昇、賃上げの実現から、個人消費の高まりが待たれる中、宿泊・飲食などのサービス需要は旺盛であり、訪日外国人数もコロナ前を上回り、景気の拡大が継続しております。一方、米国経済の失速懸念、日銀の利上げを経て、行き過ぎた円安の修正・平均株価の大幅安等、一進一退の状況や、地政学リスクを含め、今後の国内外の金利動向等については、引き続き注視が必要な状況です。

 このような環境下におきまして、仲介関連事業は前年比減少しましたが、サブリース事業は前年比件数微増、粗利益27.5%増とすることができました。

 当連結会計年度においては、人材採用及び販売促進費の拡大等、積極的な営業姿勢を続けてまいりました。景気や企業の出店意欲等に左右されない磐石なストック収入の基盤を創ることが、次期のさらなる業績向上につながると考えております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,329,426千円(前連結会計年度比0.4%の増加)、営業利益113,054千円(前連結会計年度比51.4%の減少)、経常利益220,894千円(前連結会計年度比5.9%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は134,918千円(前連結会計年度比17.6%の増加)となりました。

 

  (3)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は889,922千円となり前連結会計年度末に比べ242,829千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が244,415千円増加したことによるものであります。

 固定資産は3,450,142千円となり、前連結会計年度末に比べ293,499千円増加いたしました。これは、主に投資有価証券が233,614千円増加したこと等によるものであります。

 この結果、総資産は4,346,397千円となり、前連結会計年度末に比べ535,011千円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は974,390千円となり、前連結会計年度末に比べ321,617千円増加いたしました。これは、主に未払金が197,122千円増加したこと及び一年内返済長期借入金が61,402千円増加したこと等によるものであります。

 固定負債は1,748,645千円となり、前連結会計年度末に比べ211,418千円増加いたしました。これは、主に長期借入金が126,089千円増加したこと及び長期預り保証金が56,989千円増加したものの、社債が41,300千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、負債合計は2,723,035千円となり、前連結会計年度末に比べ533,036千円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,623,361千円となり、前連結会計年度末に比べ1,975千円増加いたしまし

た。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上134,918千円、その他有価証券評価差額金が161,834千円増加したものの剰余金の配当により37,260千円減少、自己株式の取得により257,518千円減少したこと等によるものであります。

 

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

    ①キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ244,415千円増加し、当連結会計年度末残高は642,076千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

・営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、62,622千円(前年同期比144,699千円の収入減少)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が230,269千円によるものであります。

・投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果得られた資金は、375,183千円(前年同期比319,113千円の収入増加)となりました。これは、主に投資有価証券の売却による収入362,890千円によるものであります。

・財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、193,390千円(前年同期比54,126千円の支出減少)となりました。これは、主に自己株式の取得による支出257,518千円によるものであります。

    ②財務政策

当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。売上債権の圧縮及び有価証券の売却等、資金の効率を高め、財務基盤の健全化を進めていく方針であります。

 当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力があることにより、当社グループの成長を維持するために将来必要となる資金を調達することが可能と考えております。

 

(6)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を不動産ソリューション事業の事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門

第25期

(自 2023年7月1日

至 2024年6月30日)

前年同期比(%)

テナント誘致事業(千円)

89,356

84.3

更新及び契約管理事業(千円)

59,669

95.5

ビル管理事業(千円)

2,180,399

101.4

合計(千円)

2,329,426

100.4

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

   外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありませ

   ん。

 

(7)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、売上高経常利益率10%と、配当性向30%以上を目標としています。

 当期においては、売上高経常利益率(連結)9.5%、配当性向(連結)38.6%と、配当性向は達成したものの、売上高経常利益率は未達となりました。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。