第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1)経営方針

当社はグループ理念として、ミッション、バリュー、ビジョン、ウェイを定め、当社グループの経営における基本方針としております。

 

(1)ミッション

永続的発展的な企業を創り 全従業員のしあわせを追求するとともに 将来世代がしあわせを実感できる社会に貢献します

(2)バリュー

私たちメイホーグループは 将来不安を感じている中小企業や成長意欲の高い中小企業に対して 経営効率化・人材支援・業務連携をサポートすることで 各企業ならびに地域社会に永続的発展的なしあわせを提供します

(3)ビジョン

グループに集う主体的な仲間と共にイキイキと働き、やりがいを感じ、満足できる給与、休暇を得ることができる企業の全国ネットワークを築く

(4)ウェイ

① 変わる勇気が未来を変える

私たちは自分自身の人生を生き、より良い未来を築きます

② 人生二度なし

私たちは自分の一生について真剣に考えます

③ 良知を判断基準とする

私たちは心から納得できることを基本に行動します

④ 高い山に登る

私たちは現状維持を衰退と考え、上へ上へと登り続けます

⑤「ために」から「共に」常に現状を革新する

私たちは滅私奉公を否定し、しあわせを共創します

 

2)経営環境

(1)社会環境

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナに向けた社会経済活動の両立が進められる中、個人消費や設備投資、雇用情勢などを中心として、緩やかに回復の動きがみられました。しかしながら、世界的な資源価格の高騰による物価上昇や欧米各国の金融引き締め等による景気後退懸念により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 

(2)事業環境

① グループ全体の事業環境

当社グループは、グループに集う主体的な仲間と共にイキイキと働き、やりがいを感じ、満足できる給与、休暇を得ることができる企業の全国ネットワークを築くことをビジョンに掲げ、その実現に向けてM&Aを積極的に推進しております。

わが国では、経営者の高齢化が進む中で中小企業の事業承継が社会的な課題として認識されています。

中小企業庁が2023年4月に公表した「中小企業白書・小規模企業白書 2023年版」によると、㈱東京商工リサーチの「休廃業・解散企業」動向調査における2022年の休廃業・解散件数は、4万9,625件であり、2020年に次ぐ高水準でありました。また年代別に見た経営者年齢の分布をみると、2015年には経営者の年齢のピークは「65~69歳」でしたが、2022年を見ると経営者年齢の多い層が「60~64歳」、「65~69歳」、「70~74歳」に分散しており、これまでピークを形成していた団塊世代の経営者が、事業承継や廃業などにより経営者を引退していることが示唆されます。またM&A件数の推移をみると、その件数は近年増加傾向で推移しており、㈱レコフデータの調べによる2022年のM&A件数は過去最多の4,304件となりました。M&Aについては、事業承継だけでなく、企業規模の拡大や事業多角化など成長戦略の一環としても、中小企業の間で広がりを見せており、M&Aは近年活発化していることが推察されます。

以上より、当社グループが推進するM&Aの市場は、今後も拡大していくものと見込んでおります。

 

② セグメント別の事業環境

a.建設関連サービス事業

建設関連サービス事業は、発注者の約8割を行政(国、都道府県、自治体など)が占めております。当社グループでは、事業の発注を受け、土木、建築工事に関わる調査計画、設計、施工管理、維持点検等の「建設コンサルタント業務」の提供を行うとともに、発注者である行政の組織の中で、公共工事の発注に伴って発生する工事の監督、積算や検査などの業務を職員(公務員)に代わって行う「発注者支援サービス」も提供しております。

当事業の市場動向について概観しますと、2023年度の公共事業関係費の一般会計予算は、財務省が2023年4月に公表した「令和5年度国土交通・公共事業関係予算について」によると、公共事業関係費の一般会計予算は6兆600億円(前年度比0.0%増)であり、前年度と同水準を維持しております。なお当該予算編成にあたっては、「公共事業関係費を安定的に確保し、防災・減災、国土強靱化の取組を推進」、「生産性向上・成長力強化につながるインフラ整備」、「建設・建築DXの活用や脱炭素化(GX)の推進」、「人口減少に対応した広域的なコンパクト・プラス・ネットワークの推進」などが基本的な考え方として示されております。

建設投資の見通しについては、(一財)建設経済研究所が2023年4月に公表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し(2023年4月)」によると、2022年度は66兆6,900億円(前年度比0.1%増)、2023年度は68兆4,300億円(前年度比2.6%増)となり、名目値ベースでは微増、実質値ベースでは同水準になると予測されております。うち、政府投資については2022年度が23兆4,100億円(前年度比0.1%増)、2023年度が23兆9,400億円(前年度比2.3%増)となり、微増になると予測されております。

以上より、当事業の市場は、今後も同水準で底堅く推移していくものと見込んでおります。

 

b.人材関連サービス事業

人材関連サービス事業は、建設技術者派遣、製造業派遣を主要な事業としております。その他の関連する事業として、交通誘導や施設の警備等を行う警備事業、日本で受託した図面作成等業務をカンボジアにて行う海外アウトソーシング事業及びカンボジア人技能実習生送出事業を行っております。

当事業の市場動向について概観しますと、まず有効求人倍率については、厚生労働省が2023年4月に公表した「一般職業紹介状況(令和5年3月分及び令和4年度分)」によると、2022年度平均で1.31倍(2021年度平均 1.16倍、2020年度平均 1.10倍)と回復の動きがみられます。

労働者派遣事業の状況については、厚生労働省が2022年3月に公表した「令和2年(2020年)度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、派遣労働者数は約193万人(前年度比4.9%増)、派遣先件数は約75万件(前年度比7.6%増)、年間売上高は7兆6,477億円(前年度比10.0%増、2023年8月付訂正)となり、いずれも前年度に比べ増加しました。なお、令和3年(2021年)度の「労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」は、2023年8月に公表されており、派遣労働者数は約209万人(前年度比8.6%増)、派遣先件数は約75万件(前年度比0.1%減)、年間売上高は8兆2,363億円(前年度比7.7%増)となり、派遣先件数がわずかに減少した一方、派遣労働者数、年間売上高は増加しました。

警備業の状況については、警察庁が2022年7月に公表した「令和3年における警備業の概況」によると、2021年12月末現在の、警備業法第4条に基づく認定業者数は1万359業者(前年比246業者、2.4%増)、警備員数は58万9,938人(前年比1,574人増、0.3%増)、売上高は3兆4,537億円(前年比197億円減、0.6%減)となり、業者数及び警備員数が増加した一方、売上高は減少しました。なお、令和4年の「警備業の概況」は、2023年7月に公表されており、2022年12月末現在の、警備業法第4条に基づく認定業者数は1万524業者(前年比165業者、1.6%増)、警備員数は58万2,114人(前年比7,824人減、1.3%減)、売上高は3兆5,250億円(前年比713億円増、2.1%増)となり、警備員数が減少した一方、業者数及び売上高は増加しました。

外国人の雇用状況については、厚生労働省が2023年1月に公表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)」によると、外国人労働者数は182万2,725人(前年比5.5%増)、外国人を雇用する事業所数は29万8,790か所(前年比4.8%増)となり、平成19年に届出が義務化されて以降、最高を更新しました。在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」が47万9,949人(前年比21.7%増)、「特定活動」が7万3,363人(前年比11.3%増)、「身分に基づく在留資格」が59万5,207人(前年比2.6%増)となりましたが、「資格外活動」のうち「留学」は25万8,636人(前年比3.3%減)、「技能実習」は34万3,254人(前年比2.4%減)となり、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、入国制限が影響しているものと考えられます。

わが国では人口の減少と高齢化の進展により、労働力人口が大幅に減少することが懸念されていることから、女性・若者・高齢者・就職氷河期世代等の活躍促進に向けた政策なども検討されております。今後は、限りある労働力に対する需要の高まりとともに、当事業の市場は拡大していくものと見込んでおります。

 

c.建設事業

建設事業においては、道路工事などのインフラ関連工事や法面工事等の専門工事を全般的に行っております。

当事業の市場動向につきましては、a.建設関連サービス事業 の記載と同様であり、当事業の市場は、今後も同水準で底堅く推移していくものと見込んでおります。

 

d.介護事業

介護事業においては、通所介護(デイサービス)、認知症対応型通所介護(認知症専用デイサービス)、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)を行っております。

当事業の市場動向について概観しますと、介護保険事業の状況については、厚生労働省が2023年6月に公表した「介護保険事業状況報告の概要(令和5年3月暫定版)」によると、2023年3月末現在の、介護保険第1号被保険者数(65歳以上の方)は3,585万人(2021年3月 3,579万人、2022年3月 3,589万人)、要介護(要支援)認定者数は694.4万人(2021年3月 681.8万人、2022年3月 689.6万人)、居宅(介護予防)サービス受給者は413.1万人(2021年3月 395.2万人、2022年3月 406.5万人)、地域密着型(介護予防)サービス受給者数は89.6万人(2021年3月 87.1万人、2022年3月 89.4万人)となり、介護保険事業の利用者数は全体として増加傾向にあります。

介護サービスは、要介護者、家族等の生活を支えるうえで欠かせないものであり、人材の不足、燃料価格の高騰等、事業環境の先行きは不透明さを増しておりますが、中長期的に介護事業の社会的必要性は高まるものと考えられることから、当事業の市場は今後拡大していくものと見込んでおります。

 

3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは売上高の中長期的な成長を重視しております。また、安定的な利益確保を目指し、売上高営業利益率を客観的な管理指標としております。

 

4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

① M&Aの推進

経営者の高齢化が進む中で、中小企業の事業承継は社会的な課題として認識されています。当社グループでは、中小企業の事業承継の受け皿として、また、グループに加わった地域企業の企業価値の向上、雇用の創出を通じて、地域社会の発展に貢献するため、M&Aによるグループネットワークの拡大に取り組んでまいります。

 

② 地域の就職先・会社譲受先候補企業としてのグループ認知度の向上

当社グループに属する地域企業では、その立地による制約から人材の確保に課題があるものの、人材確保ができれば、事業拡大の余地があります。また、当社グループがより早く、より多くの地域企業をグループ化していくためには、オーナー経営者の方と相対取引をし、仲介手数料負担を軽減できるチャネルが必要になると考えております。そのため、地域の就職先・会社譲受先候補企業としてのグループ認知度の向上に取り組んでまいります。

 

③ グループフィロソフィの実践による経営者・従業員の意識改革

当社グループでは、グループ理念への共感を重視し、志を同じくする地域企業のグループを構築することを大切にしております。そのため、経営者勉強会によるグループフィロソフィの共有、月次業績検討会の実施等に取り組むとともに、これらの機会を通じて経営者・従業員の意識改革に取り組み、地域企業やその従業員が本来持っている稼ぐ力を発揮できる環境づくりに取り組んでまいります。

 

④ コーポレートガバナンスの強化

当社グループは、グループビジョンにおいて、グループに集う主体的な仲間と共にイキイキと働き、やりがいを感じ、満足できる給与、休暇を得ることができる企業の全国ネットワークを築くことを掲げております。グループビジョンを実現するためには、M&Aにより、地域企業のネットワークを作り、それぞれの企業価値の向上を図るという、これまでにないチャレンジに取り組む必要があると考えております。そのため、執行役員制度により、取締役会の監督機能を強化するとともに、事業リスクに挑む組織風土を醸成してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ

 ①ガバナンス

 当社グループでは、サステナビリティに関する課題について、今後リスクマネジメント委員会にて審議・検討を行うこととしております。リスクマネジメント委員会は、最高責任者を当社代表取締役社長とし、当社総務部を統括部署、当グループ各社を担当部署、当グループ各社社長を担当部署責任者として構成され、原則として年2回開催しています。

 またリスクマネジメント委員会にてサステナビリティ課題に関わる重要事項について審議された場合、最高責任者は取締役会に対し、当該事項について報告することとしています。取締役会において必要な報告、審議、指示、監督が行われることで、サステナビリティ課題に関わる重要事項が適切に実施される体制としています。

 

 ②リスク管理

 当社グループでは、サステナビリティを含むリスク全般に関するモニタリング体制として、代表取締役社長の直轄組織である内部監査室と取締役会の諮問機関であるリスクマネジメント委員会があります。内部監査室とリスクマネジメント委員会が連携し、リスクの対応方針や議題について、優先度を識別・評価し迅速な意思決定を図っております。

 特に気候関連リスクに対しては、自然災害を重要なリスクと位置づけ、グループ全体とグループ各社別のBCP(事業継続計画)を策定し、今後も継続してリスクマネジメント委員会にて課題の識別、評価および対応を行うこととしております。

 

(2)人的資本

 ①戦略
 当社グループでは、「全従業員のしあわせを追求」をミッションに掲げており、人材を最優先すべき資本のひとつとして位置付けております。特に海外での事業展開、女性割合が多い介護事業セグメント、高齢者の方が多く活躍している警備会社を有していることで、国籍・性別・年齢・社歴・学歴に関係なく多様な人材を確保し、一人ひとりが能動的主体性を最大に発揮する為の育成を行う戦略を策定しております。
 人材育成に関する方針として、多様な人材の確保・育成が永続的発展的な企業価値の創造の源泉であるとの認識のもと、グループフィロソフィの実践による全従業員の一体感の醸成、意識改革に継続的に取り組んでいます。具体的には当社人事部教育担当者が当グループ各社を年2回訪問し、勉強会を実施しております。また、原則毎週1回オンラインで拠点を結び、経営に関する管理職向け勉強会を開催することで、中長期的な次世代のリーダーの育成に努めております。
 社内環境整備に関する方針については、多様な人材が活躍できる環境作りを目指して取り組んでおります。具体的には個々人の目指すキャリアプランに柔軟に応えることが出来るようコース別の人事制度に改正しております。また、1on1ミーティング制度を開始し、上司と部下の定期的な対話型コミュニケーションの場を設けております。

 
 ②指標及び目標
 当社グループでは、配置・昇進等の各段階において性別、国籍、年齢等による区別なく実力や成果に応じた評価・処遇を行っているため、属性による数値目標を積極的に設定しておりません。今後はより多様な人材の確保・育成、多様な人材が活躍できる環境作りを実現する項目・数値目標を検討してまいります。

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)建設関連サービス事業

① 公共事業への依存

当社グループの建設関連サービス事業は、国及び地方公共団体からの受注割合が高いため、国及び地方公共団体の公共投資予算に大きく左右されます。このため、国及び地方公共団体の公共投資予算が当社グループの想定以上に削減された場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 価格競争

公共事業の予算が当社グループの想定以上に削減された場合には、同業他社との価格競争が激化することにつながりかねず、受注単価が下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 業績の季節的変動

当社グループの建設関連サービス事業は、国及び地方公共団体からの受注割合が高いため、受注案件の納期並びに売上高が3月末に集中する傾向にあることから、下記「当連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)の各四半期連結会計期間の業績」のとおり、当社グループの売上高及び収益も第3四半期連結会計期間に偏重する傾向がある一方、第3四半期以外の四半期業績については低調な着地となる可能性があります。

 

当連結会計年度(自 2022年7月1日 至 2023年6月30日)の各四半期連結会計期間の業績

(単位:千円)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高

742,448

1,025,628

1,274,214

713,935

3,756,225

セグメント利益又は損失(△)

12,203

201,281

405,061

△31,618

586,928

 

④ 工事の瑕疵

当社グループでは、実務訓練や社内教育により、徹底した成果品の品質確保及び品質向上に注力しておりますが、万一、成果品に瑕疵が発生し、入札の指名停止措置などの行政処分を受けるような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(2)人材関連サービス事業

① 景況による影響及び取引先の生産体制

当社グループの人材関連サービス事業は、主として人材派遣サービスの事業を行っており、建設業及び製造業への人材派遣の割合が高い状況であります。このため、当社グループが人材派遣する取引先の属する業界が業況不振となる場合や工場の海外移転など生産体制が変化し、人材派遣の受け入れを行わないような状況が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 労働者派遣法等の改正

人材派遣サービスは、労働者派遣法等の労働関連法令による規制を受けております。社会環境の変化に伴い、法令改正や規制強化などが行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 労働・社会保険の加入及び料率の影響

当社グループは、「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」に基づき、雇用する派遣労働者の就業状況等を踏まえ、労働・社会保険に加入させております。このため、労働・社会保険料率が上昇し、当社グループの保険料負担部分が増加した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(3)建設事業

① 公共事業への依存

当社グループの建設事業は、建設関連サービス事業と同様に、国及び地方公共団体からの受注割合が高いため、国及び地方公共団体の公共投資予算に大きく左右されます。このため、国及び地方公共団体の公共投資予算が当社グループの想定以上に削減された場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 取引先の信用リスク

事業会社との取引では、一取引における契約金額が多額になり、支払条件によっては、工事代金の回収に長期間を要する場合があります。当社グループは取引先の信用リスク回避の方策を講じておりますが、取引先の信用不安が顕在化し、資金回収が不能となった場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 労働災害及び事故

建設事業は、その事業の性質上、他の事業と比較して、業務中の事故発生率が高い傾向にあります。当社グループは、社内研修を通じた安全教育や危険予知活動により、従業員に対して安全管理を徹底しておりますが、万一、人命に係る重大な労働災害や事故が発生した場合には、信用力の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 工事の瑕疵

当社グループでは、実務訓練や社内教育により、徹底した成果品の品質確保及び品質向上に注力しておりますが、万一、成果品に瑕疵が発生し、入札の指名停止措置などの行政処分を受けるような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑤ 人件費の高騰

労働人口の減少等の労働市場の環境変化により、人件費の急激な上昇が生じる可能性があります。その一方で、契約額に人件費の上昇分を転嫁できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

(4)介護事業

① 安全管理及び健康管理

介護事業は、その事業の性質上、高齢者を対象にサービスを提供しております。このため、利用者の体調悪化や当社グループ施設内での転倒などにより重大な事故に発展する可能性があります。従業員に対して社内研修や実務訓練を通して、利用者の安全・健康管理には万全を期していますが、万一、重大な事故が発生した場合には、お客様から損害賠償請求を受けるだけでなく、当社グループの信用力の低下、業務停止などの行政処分を受けることにより、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 介護保険制度の改定

介護事業は、介護保険法等の各種関連法令によって規制を受けます。介護報酬制度は3年ごとに改定が行われるため、当社グループの収益源である介護報酬の改定内容が当社グループに対してネガティブな方向で行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 人材確保

介護事業は、介護保険法により有資格者によるサービスが義務付けられており、提供するサービスによっては、必要な有資格者数を確保する必要があります。当社グループでは必要人員数を確保するため、積極的に採用活動を行うとともに、働きやすい職場環境づくりを行うことにより、離職率の低減を行っておりますが、計画通りに有資格者の確保が行えなかったり、想定以上に離職率が高くなったりする場合には、施設の新設ができない、あるいは現在提供しているサービスの停止を余儀なくされるなどにより、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 新型コロナウイルス感染症の影響

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、お客様の利用控えや休業等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(5)全事業共通

① 買収に伴うリスク

当社グループは、将来の当社グループの業績や企業価値の向上に貢献すると判断した場合には、積極的に企業買収を実行することとしております。

しかしながら、企業の売却希望者の減少や買収希望者の増加により、当社グループが取り上げることができる案件数が減少し、計画通りに企業買収を実行できなくなる可能性があります。

また、買収を実行する際には、デューデリジェンスを実施いたしますが、買収後に偶発債務等が確認され、想定外に多額の費用が発生した場合や、企業文化の融和が進まないことなどにより、企図したメリットやシナジーが得られない場合には、投下資金の回収ができなくなる可能性があります。

以上のようなリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

② 新事業領域への進出リスク

現状、新事業領域へ進出する際には、ゼロからのスタートではなく、十分に実績のある企業のM&Aを主な手段として実施する予定であります。

全く知見のない新事業領域における企業をM&Aする場合は、知見のある領域におけるM&Aと比べ、属する業界動向、適用を受ける法令、当該企業の置かれた状況など、より慎重な検討を重ねて実施致しますが、想定していない事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

③ 法的規制

当社グループは、4つの事業を展開しており、事業活動を行う上で、会社法、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、建設業法、建築基準法、建設コンサルタント登録規程、補償コンサルタント登録規程、労働者派遣法、介護保険法等の様々な法規制の適用を受けております。当社グループでは、これらの法規制の遵守を徹底するために、社内規程・マニュアルを整備し、適切な運用を行っておりますが、万一、法規制に抵触するような事態が発生した場合には、業務停止などの行政処分や信用力の低下などにより、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

④ 自然災害

当社グループは、地域のサポーターとして、特定の地域への進出に留まらず、全国展開を図ってまいります。地震、火災、洪水、津波等の自然災害が発生した際は、当社グループ役職員の人命確保および拠点の維持・確保、業務継続体制の確保に努めておりますが、想定外の自然災害が発生し、事業継続に深刻な支障をきたす場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑤ 情報漏洩

当社グループは、各事業の運営に際し、顧客情報をはじめ業務上取り扱う重要情報を大量に保有しております。当社グループから重要情報が漏洩した場合には、顧客に対する損害賠償責任等による直接的な費用に加え、信用力の低下や社会的な責任問題等が生じ、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑥ 固定資産の減損

当社グループが保有する固定資産の価値が、経済情勢等の変化に伴う収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、その回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額し、その減少額を減損損失として計上する必要が出てくることとなるため、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑦ 資金調達に対する金利の変動

当社グループは、金融機関から多額の借入を行っております。現行の借入金利が変動により高くなり、金利負担が増加したり、今後の資金調達における金利負担も増加したりすることにより、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑧ ホールディングス化後の社歴が浅い故に、期間業績比較を行うために十分な期間の財務情報がないことについて

当社グループは1981年7月に設立した有限会社メイホーエンジニアリング(1990年11月に株式会社メイホーエンジニアリングに改組)を前身としております。

2017年2月に、数々のM&Aにより複数セグメント、複数会社体制となったグループの組織体制を見直し、株式会社メイホーエンジニアリングから株式移転により当社を新設し、ホールディングス体制に移行しており、ホールディングス体制への移行後の社歴は浅くなっております。当社は今後もIR活動などを通じて経営状態を積極的に開示してまいりますが、当社の過年度の経営成績は期間業績比較を行うための十分な材料とはならず、過年度の実績のみでは今後の業績を判断する情報としては不十分である可能性があります。

 

⑨ 大株主との関係について

当連結会計年度末現在、当社代表取締役であり筆頭株主である尾松豪紀の所有株式は発行済株式(自己株式を除く。)の総数の49.5%となっており、同氏の配偶者である尾松恵子の所有株式数を含めると52.4%となります。

今後も相当数の当社株式を保有し引き続き筆頭株主となる予定ですが、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。しかしながら大株主が当社の事業その他に関して有する利益は他の株主の利益と異なる可能性があり、その保有方針や議決権の行使方針によっては、取締役の選解任、企業結合取引等の当社の重要な決定に影響を与えるなど、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑩ 特定の人物への依存について

代表取締役である尾松豪紀は、当社グループにおける経営の最高責任者であり、経営方針の決定をはじめ、事業戦略の立案や実行など当社グループの発展において重要な役割を果たしております。

同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑪ 訴訟等について

当社グループでは、コンプライアンス委員会の開催や社外の専門家との連携のほか、社内規程・マニュアルの整備などにより、法令等遵守体制の強化を図っておりますが、法規制等の改正動向に適時適切に対応できない場合や契約条件の解釈の齟齬などを原因として、当社グループが第三者から訴訟等を受ける可能性があります。

また、当社グループでは、実務訓練や社内教育により徹底した成果品確保及びサービスの向上に注力しておりますが、万一、成果品やサービスに瑕疵が発生した場合、取引先から訴訟を受ける可能性があります。

以上のようなリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

 

⑫ 配当政策について

当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しており、将来の事業拡大と財務体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定的かつ継続的な配当を実施していくことを基本方針としておりますが、いまだ内部留保が充実しているとはいえず、2017年2月に純粋持株会社として設立されて以来、配当を行っておりません。将来的には、内部留保の充実状況及び取り巻く事業環境を勘案しながら株主への利益の還元を目指してまいります。しかしながら、現状においては配当実施の可能性およびその実施時期等については未定であります。

なお、当社の剰余金の配当につきましては、「会社法第459条第1項の規定に基づき、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる。」を定款に定めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は4,146,868千円となり、前連結会計年度末に比べ433,936千円増加いたしました。

 流動資産は2,424,332千円となり、前連結会計年度末に比べ28,867千円増加いたしました。これは主に契約資産が215,128千円、電子記録債権が11,880千円、流動資産のその他(仮払法人税等等)が11,298千円減少したものの、現金及び預金が234,041千円、未収入金が33,791千円増加したことによるものであります。

 固定資産は1,722,537千円となり、前連結会計年度末に比べ405,069千円増加いたしました。これは主に無形固定資産のその他(ソフトウエア等)が12,186千円減少したものの、のれんが270,115千円、建物及び構築物が69,798千円、土地が47,359千円、繰延税金資産が32,119千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は2,021,756千円となり、前連結会計年度末に比べ168,911千円増加いたしました。

 流動負債は1,444,800千円となり、前連結会計年度末に比べ345,815千円増加いたしました。これは主に契約負債が139,038千円、未払費用が67,289千円、未払消費税等が51,349千円、買掛金が43,024千円、賞与引当金が31,995千円増加したことによるものであります。

 固定負債は576,956千円となり、前連結会計年度末に比べ176,904千円減少いたしました。これは主に退職給付に係る負債が42,822千円増加したものの、長期借入金が218,787千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は2,125,113千円となり、前連結会計年度末に比べ265,024千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を269,858千円計上し同額の利益剰余金が増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は51.2%(前連結会計年度末50.1%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナに向けた社会経済活動の両立が進められる中、個人消費や設備投資、雇用情勢などを中心として、緩やかに回復の動きがみられました。しかしながら、世界的な資源価格の高騰による物価上昇や欧米各国の金融引き締め等による景気後退懸念により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く経営環境は、建設関連サービス事業及び建設事業では、補正予算による追加の予算措置が講じられたことなどから、公共投資が底堅く推移いたしました。人材関連サービス事業では、主要顧客が属する建設業界において、建設需要が堅調に推移したことなどから、派遣技術者への引き合いは堅調でありました。介護事業では、燃料費、食材費等の上昇により運営費の増加がみられましたが、各種助成金による支援などによりその影響は限定的でありました。また、ウィズコロナの進展により、感染拡大期の状況と比べて利用者数に回復の動きがみられました。

 このような状況のもと、当社グループは、グループ経営基盤の強化、グループネットワークの拡大に取り組んでまいりました。建設関連サービス事業においては、2022年7月1日付けで株式会社安芸建設コンサルタント(広島県広島市)の株式の取得(当社の孫会社化)を行い、同社は第1四半期連結会計期間より当社グループの業績に貢献しております。また、人材関連サービス事業においては、2023年1月1日付けで岩手県に拠点を有する人材派遣事業を譲り受けるとともに、建設事業においては、2023年1月4日付けで株式会社三川土建(新潟県東蒲原郡阿賀町)の株式の取得(当社の孫会社化)を行いました。これらの事業及び会社は、第3四半期連結会計期間より当社グループの業績に貢献しております。以上より、当社を含むグループネットワークの会社数は、前年同期比で2社増加し、18社となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高7,370,810千円(前年同期比20.6%増)、営業利益462,358千円(同34.9%増)、経常利益495,632千円(同24.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益269,858千円(同20.4%増)となりました。

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント別の売上高及び利益は、連結相殺消去前の数値を記載しております。

 

(建設関連サービス事業)

 建設関連サービス事業においては、災害業務や一部業務において契約額の増額変更があったこと、株式会社ノース技研(2021年10月グループ加入)、株式会社安芸建設コンサルタント(2022年7月グループ加入)の売上が寄与したことなどから、売上高は3,756,225千円(同23.6%増)、セグメント利益は586,928千円(同42.5%増)となりました。また、受注高については、国土交通省及び地方自治体からの発注により、3,861,665千円(同37.3%増)になり、受注残高は2,008,847千円(同18.9%増)となりました。

 

(人材関連サービス事業)

 人材関連サービス事業においては、人材派遣事業における稼働人数の増加並びに2023年1月に実施した事業譲受に伴う売上増が寄与し、売上高は1,323,363千円(同13.9%増)となりました。一方セグメント利益は、海外アウトソーシング事業における円安による原価率の上昇、営業管理体制の強化、拠点の移転拡張等による販管費の増加等により、101,624千円(同21.5%減)となりました。

 

(建設事業)

 建設事業においては、請負工事の一部に増額変更があったこと、株式会社有坂建設(2021年10月グループ加入)、株式会社三川土建(2023年1月グループ加入)の売上が寄与したことなどから、売上高は1,596,531千円(同24.3%増)となりました。一方セグメント利益は、前年同期の反動減によるもののほか、一部工事の工期延長や株式会社三川土建の株式取得によるのれん償却費の増加などから、158,981千円(同1.7%減)となりました。受注高については、国土交通省及び地方自治体などからの発注により、2,032,753千円(同72.3%増)になり、受注残高は1,073,129千円(同124.4%増)となりました。

 

(介護事業)

 介護事業においては、ウィズコロナの進展により、利用者が戻りつつあるとともに、アルト介護センターえみふる(2022年1月事業譲受)の売上が寄与したことなどから、売上高706,583千円(同9.5%増)、セグメント利益102,836千円(同12.3%増)となりました。

 

 なお、当社はグループ成長戦略であるM&Aの一環として、2023年7月3日付けにて株式会社フジ土木設計(北海道旭川市)の株式取得(当社の孫会社化)を行いました。この株式取得による業績への貢献は建設関連サービス事業セグメントの2024年6月期業績に通期で寄与することになります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して234,041千円増加し、1,126,133千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは1,138,422千円の増加(前連結会計年度は6,085千円の増加)となりました。資金増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益494,070千円、減価償却費113,566千円及びのれん償却額102,866千円の計上、売上債権及び契約資産の減少額898,487千円によるものであります。資金減少の主な内訳は、仕入債務の減少額366,962千円、法人税等の支払額265,003千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは532,275千円の減少(前連結会計年度は192,375千円の減少)となりました。資金減少の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出659,920千円によるものであります。資金増加の主な内訳は、短期貸付金の純減額121,857千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは372,857千円の減少(前連結会計年度は49,180千円の増加)となりました。資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済による支出626,927千円、短期借入金の純減額87,000千円によるものであります。資金増加の主な内訳は、長期借入れによる収入350,000千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループが営んでいる事業では、生産実績を定義することが困難なため、「生産実績」は記載しておりません。

 

a.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建設関連サービス事業

3,861,665

137.3

2,008,847

118.9

建設事業

2,032,753

172.3

1,073,129

224.4

合計

5,894,417

147.6

3,081,976

142.2

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2.人材関連サービス事業及び介護事業については、受注生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

建設関連サービス事業

3,756,225

123.6

人材関連サービス事業

1,323,363

113.9

建設事業

1,596,531

124.3

介護事業

706,583

109.5

セグメント間の内部売上高

△11,892

合計

7,370,810

120.6

(注)主要な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当連結会計年度

(自 2022年7月1日

至 2023年6月30日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

国土交通省

1,198,471

19.6

915,837

12.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・内容検討等

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は7,370,810千円となり、前連結会計年度に比べ1,258,215千円増加いたしました。これは主にセグメント間取引を除いた売上高が、建設関連サービス事業で718,042千円、人材関連サービス事業で166,838千円、建設事業で312,171千円、介護事業で61,164千円、前連結会計年度より増加したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は5,147,150千円となり、前連結会計年度に比べ863,089千円増加いたしました。これは主に売上高の増加に伴い外注費等が増加したこと、人員増に伴い人件費が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は前連結会計年度に比べ395,126千円増加し2,223,661千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,761,303千円となり、前連結会計年度に比べ275,577千円増加いたしました。これは主に株式会社安芸建設コンサルタント及び株式会社三川土建の2社の株式の取得(当社の孫会社化)に伴い取得関連費用が発生しのれん償却額が増加したこと、人員増に伴い人件費が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ119,549千円増加し462,358千円となりました。また売上高営業利益率は6.3%(前連結会計年度は5.6%)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度の営業外収益は44,985千円となり、前連結会計年度に比べ16,859千円減少いたしました。これは主に為替差益が20,850千円減少したことによるものであります。一方で営業外費用は11,712千円となり、前連結会計年度に比べ3,888千円増加いたしました。これは主に投資有価証券評価損が新たに4,750千円発生したことによるものであります。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ98,803千円増加し495,632千円となりました。

 

(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の特別利益は1,130千円となり、前連結会計年度に比べ15,739千円減少いたしました。これは主に前連結会計年度に計上した負ののれん発生益16,555千円が当連結会計年度には発生しなかったことによるものであります。一方特別損失は2,691千円となり、前連結会計年度に比べ2,635千円増加いたしました。これは主に固定資産除却損が2,283千円増加したことによるものであります。

 法人税等(法人税等調整額を含む)は224,213千円となり、前連結会計年度に比べ34,763千円増加いたしました。これは課税所得が前連結会計年度に比べ増加したこと等によるものであります。税金等調整前当期純利益に対する税金費用の比率は45.4%で、前連結会計年度の45.8%から0.4ポイント減少しております。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ45,666千円増加し269,858千円となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、適用を受ける法令の改正等には細心の注意を払い情報収集に力を入れる等、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因について低減し、適切な対応に努めてまいります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要は大きく分けて、運転資金需要と投資資金需要の二つがあります。

 運転資金需要の主なものは、従業員に対する給与等の人件費、建設事業及び建設関連サービス事業における外注費、材料費等の取引先への支払いによるものであり、投資資金需要の主なものは、既存事業の拡大や新規事業への進出を目的とした企業買収資金や設備投資資金であります。

 運転資金需要に対しては、事業で生み出す営業キャッシュ及び手許流動性資金で賄うことを基本方針としつつ、一時的に資金需要が偏った場合には、金融機関からの短期借入金で賄っており、投資資金需要については、金融機関からの長期借入金で賄っております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、売上高の中長期的な成長を重視しております。また、安定的な利益確保を目指し、売上高営業利益率を客観的な管理指標としております。当連結会計年度における営業利益率は6.27%(前年同期比0.66ポイント増)でした。引き続き当該指標が改善されるよう努めてまいります。なお、過年度の指標の推移は次のとおりであります。

項目

2019年6月

2020年6月

2021年6月

2022年6月

2023年6月

売上高(千円)

4,691,489

5,233,755

5,274,487

6,112,595

7,370,810

営業利益(千円)

232,652

286,174

383,819

342,809

462,358

営業利益率(%)

4.96

5.47

7.28

5.61

6.27

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)連結子会社の株式取得による企業統合

当社の連結子会社である株式会社メイホーエクステックは、2022年12月23日開催の取締役会において、株式会社三川土建の発行済株式の全部を取得し子会社化することを決議し、2022年12月26日付で株式譲渡契約を締結しました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 

当社の連結子会社である株式会社メイホーエンジニアリングは、2023年3月14日開催の取締役会において、株式会社フジ土木設計の発行済株式の全部を取得し子会社化することを決議し、2023年3月15日付で株式譲渡契約を締結しました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

 

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。