1【公開買付者の氏名又は名称及び住所又は所在地】

名称   ヒューリック株式会社

所在地  東京都中央区日本橋大伝馬町7番3号

 

2【公開買付者が買付け等を行う株券等の種類】

普通株式

 

3【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】

(1)意見の内容

 当社は、2024年9月13日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関して、賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。

 なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」に記載の方法により決議されております。

 

(2)意見の根拠及び理由

 本「(2)意見の根拠及び理由」の記載のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。

 

① 本公開買付けの概要

 公開買付者は、2024年9月13日付の取締役会決議により、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全て(当社が所有する自己株式及びRays社所有当社株式(以下に定義します。)を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の取引(以下「本取引」といいます)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。なお、公開買付者は、本書提出日現在、当社株式を所有していないとのことです。

 

 本公開買付けに際して、公開買付者は、本取引の一環として、Oasis Management Company Ltd.(以下「Oasis」といいます。)の子会社であるRS Company Ltd.(以下「RS社」といいます。)(注1)との間で、(i)RS社が発行済株式の全てを所有する香港会社法に基づき設立された有限責任会社であり、当社の親会社であるRays Company(Hong Kong)Limited(以下「Rays社」といい、Oasis、RS社及びRays社並びにOasisが運用するファンドを総称して「Oasisグループ」といいます。)が、その所有する当社株式(18,364,300株、所有割合(注2):63.88%。以下「Rays社所有当社株式」といいます。)全てを本公開買付けに応募せず、かつ(ii)本公開買付けの決済開始日(以下「Rays社株式等譲渡日」といいます。)付で、RS社から公開買付者に対して、Rays社の発行済株式の全て(以下「Rays社株式」といいます。)並びにRS社がRays社に対して有する貸付債権(以下「本貸付債権」といいます。)及び配当金支払請求権(以下「本配当金支払請求権」といい、本貸付債権と合わせて「本債権」といいます。また、本債権とRays社株式を併せて「Rays社株式等」といいます。)を現金対価により譲渡すること(以下「Rays社株式等譲渡」といいます。)について合意し、2024年9月13日付で株式及び債権譲渡契約(以下「本株式等譲渡契約」といいます。)を締結したとのことです。公開買付者は、本入札プロセス(下記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に定義します。以下同じ。)において、当社から、Rays社がRays社所有当社株式全てを本公開買付けに応募せず、本公開買付けの成立後にRS社から公開買付者に対してRays社株式等を現金対価により譲渡する取引ストラクチャーの提案を受けたところ、当該ストラクチャーによっても、Rays社を通じて間接的に当社株式の取得が可能であることから本取引の目的を達成できると考えたとのことです。また、公開買付者は、2024年6月上旬からOasisグループとの間で、Rays社株式等の取得価額、取得方法等について協議を重ねた結果、(i)RS社に対して支払われるRays社株式の譲渡価額(以下「Rays社株式譲渡価額」といいます。)が、Rays社所有当社株式の数(18,364,300株)に、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)である5,913円を乗じた金額(108,588,105,900円)に、Rays社株式等譲渡日においてRays社が保有するRays社所有当社株式以外の資産の額を加算し、かつRays社株式等譲渡日においてRays社が負担する一切の債務の額(注3)を控除した額と合意される場合であって、かつ、(ii)RS社に対して支払われる本債権の譲渡価額(以下「本債権譲渡価額」といい、Rays社株式譲渡価額と併せて「Rays社株式等譲渡価額」といいます。)が、本債権の額((注3)のとおり、Rays社所有当社株式の数(18,364,300株)に本公開買付価格である5,913円を乗じた金額(108,588,105,900円))となる場合には、Rays社がRays社株式等譲渡日においてRays社所有当社株式、現預金及び源泉所得税の還付に係る未収金以外の資産を有しないこととなる予定であることも踏まえると、Rays社株式等譲渡価額は、Rays社がRays社所有当社株式を本公開買付けに応募した場合に、Rays社の株主であるRS社が受領することとなるのと同等の経済的価値をRS社に提供するものといえ、経済的な合理性が認められるだけでなく、法第27条の2第3項及び令第8条第3項に定める公開買付価格の均一性に反しないと判断したことから、上記のとおり、RS社との間で本株式等譲渡契約を締結したとのことです。本株式等譲渡契約の概要については、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。

(注1) 本書提出日現在において、Oasis及びRS社は、Rays社を通じて当社株式を間接的に保有しており、当社の親会社に該当します。

(注2) 「所有割合」とは、当社が2024年8月9日に公表した「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第1四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年6月30日現在の当社が所有する自己株式数(379,744株)から当社が2024年6月25日付で関東財務局長に提出した有価証券届出書に記載の2024年7月12日付で譲渡制限付株式報酬として処分した自己株式数(45,200株)を控除した自己株式数(334,544株)を、当社第1四半期決算短信に記載された2024年6月30日現在の当社の発行済株式総数(29,081,400株)から控除することにより得られる株式数(28,746,856株)、以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。

(注3) Oasisによれば、Rays社株式等譲渡日においてRays社が負担する債務は、RS社に対する本債権の支払債務のみとなる予定とのことです。なお、本債権のうち本貸付債権の額は、RS社がRays社による当社株式の取得時にその資金としてRays社に貸し付けた金額である31,219,310,000円であり、また、本配当金支払請求権の額は、Rays社所有当社株式の数(18,364,300株)に本公開買付価格である5,913円を乗じた金額(108,588,105,900円)から本貸付債権の額を控除した金額である77,368,795,900円となるよう、Rays社株式等譲渡日の前日までにRays社において必要な配当決議(以下「本配当決議」といいます。)を行う旨が本株式等譲渡契約において合意されているとのことです。本配当決議により、Rays社は本配当金支払請求権に相当する債務を負うこととなり、当該債務は上記の「Rays社株式等譲渡日においてRays社が負担する一切の債務」に含まれることとなるため、Rays社株式譲渡価額は、その算定にあたり本配当金支払請求権に相当する債務の額が控除されることとなり、その結果、Rays社株式等譲渡日においてRays社が保有するRays社所有当社株式以外の資産の額及び本債権以外のRays社の債務の額を基礎として算定することとなるとのことです。一方、本債権譲渡価額は、本公開買付価格をRays社所有当社株式の数(18,364,300株)に本公開買付価格である5,913円を乗じた金額(108,588,105,900円)と一致することとなり、RS社は、本公開買付価格に相当する経済的利益を、(Rays社株式譲渡価額ではなく)本債権譲渡価額として受領することとなるとのことです。

 

<本取引のストラクチャー図>

 本取引のストラクチャーは以下のとおりであるとのことです。

 

(ⅰ)本公開買付けの実施前(現状)

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(ⅱ)本公開買付け及びRays社株式等譲渡

 公開買付者は、当社株式の全て(当社が所有する自己株式及びRays社所有当社株式を除きます。)を対象とする本公開買付けを実施。また、本公開買付けの決済開始日にRS社からRays社株式等を取得するRays社株式等譲渡を実施(注4)。

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(注4) なお、公開買付者は、Rays社株式等譲渡の実施後に、公開買付者がRays社に対して取得する本債権を現物出資財産として、Rays社が新たに発行するRays社の株式の引受けを実施する予定ですが、本書提出日現在では、実施の時期を含めて詳細は未定とのことです。

 

(ⅲ)本スクイーズアウト手続(以下に定義します。)

 本公開買付けの成立及びRays社株式等譲渡の実施後に、本スクイーズアウト手続を実施することにより、当社を完全子会社化。

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(ⅳ)本取引実施後

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 公開買付者は、本公開買付けにおいて、買付予定数の下限を800,300株(所有割合:2.78%)に設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(800,300株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、上記のとおり、公開買付者は、当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を取得すること(Rays社株式の取得によって間接的にRays社所有当社株式を取得することを含みます。)により、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としていることから、買付予定数の上限は設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(800,300株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(800,300株)については、本基準株式数(28,746,856株)に係る議決権の数である287,468個に3分の2を乗じた数(191,646個、小数点以下切り上げ)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(19,164,600株)から、Rays社所有当社株式(18,364,300株)を控除した株式数(800,300株)としているとのことです。

 かかる買付予定数の下限は、公開買付者は、本公開買付けにおいて当社株式の全て(当社が所有する自己株式及びRays社所有当社株式を除きます。)を取得できなかった場合には、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社に対し、当社の株主を公開買付者及びRays社のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の実施を要請する予定であるところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、当該手続を確実に遂行すべく、本公開買付けの成立後に公開買付者及びRays社が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することで、当該要件を満たすことができるように設定したものであるとのことです。

 公開買付者は、本公開買付けの成立等を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに、株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)から借入れ(以下「本銀行融資」といいます。)を受けることを予定しており、本銀行融資により得る資金を(i)本公開買付けに必要な当社株式の購入資金、(ⅱ)Rays社株式等譲渡に必要なRays社株式等の購入資金及び(ⅲ)本スクイーズアウト手続に関連して当社の株主に対して交付される現金等に充当することを予定しているとのことです。本銀行融資に係る融資条件の詳細は、みずほ銀行と別途協議の上、本銀行融資に係る融資契約において定めることとされているとのことです。

 

② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針

 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針は、以下のとおりとのことです。

 

(ⅰ)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

 公開買付者は、1957年3月に、創業の地である東京・日本橋にちなみ、「日本橋興業株式会社」として設立されたとのことです。公開買付者は創業以来、不動産事業を中心に事業を営んできましたが、2007年1月に、創業50周年の節目を迎えるにあたり、商号を「ヒューリック株式会社」に改め、建替、投資・M&Aを中心に独自の成長戦略により、企業基盤を強化しつつ、新たな事業の推進を図っているとのことです。

 公開買付者株式については、2008年11月に東京証券取引所市場第一部に上場し、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所市場第一部から東京証券取引所プライム市場に移行し、現在に至っているとのことです。

 公開買付者のグループは、2024年9月13日時点で、公開買付者、子会社35社(連結子会社29社、非連結子会社6社)及び関連会社23社(持分法適用関連会社15社、持分法非適用関連会社8社)(以下「公開買付者グループ」といいます。)により構成されており、「不動産事業」、「保険事業」、「ホテル・旅館事業」及び「その他」の事業を営んでいるとのことです。

 「不動産事業」では、安定的で効率的な収益構造を確立している不動産賃貸業務、保有物件の建替及び都心部の好立地において開発を行う不動産開発業務、賃貸ポートフォリオ拡大のための不動産取得や不動産バリューアッドビジネス(注5)等の不動産の取得・販売を行う不動産投資業務、投資法人等のアセットマネジメント業務等を行っているとのことです。公開買付者グループにおいては、2023年12月期において連結営業収益の約9割が「不動産事業」となっているとのことです。また、「保険事業」では生損保の保険代理店業務、「ホテル・旅館事業」ではホテル及び旅館の運営業務、「その他」では建築工事請負業務、設計・工事監理業務等を行っており、各事業の詳細は以下のとおりとのことです。

(注5) 「不動産バリューアッドビジネス」とは、公開買付者の保有物件や、新たに購入・出資した不動産に対し、改装、リニューアルやリノベーション、増築、用途変更、遵法性・耐震性の回復等のバリューアッド(付加価値向上)を行い、資産価値の最大化を図る事業のことをいうとのことです。

 

(ア)不動産事業

(a)不動産賃貸業務

 公開買付者グループの中核事業は、東京23区の駅近を中心に保有・管理する約250件(販売用不動産を除きます。)の賃貸物件を活用した不動産賃貸事業であり、賃貸可能面積は約134万㎡となっているとのことです。この賃貸資産ポートフォリオを有効に活用し収益力の一層の強化を図るため、建替による賃料収入の増強を実現し、安定的な賃貸収入を得ることが公開買付者のビジネスモデルの中核となっているとのことです。また、賃貸ポートフォリオを拡充させるため、重点エリアと位置付ける銀座、新宿東口、渋谷、青山、浅草を中心とする駅近好立地物件の不動産取得、不動産関連SPCへの出資を通じた物件の取得及び売却並びに共同開発事業等にも取り組んでいるとのことです。不動産賃貸業務については、公開買付者、連結子会社及び持分法適用関連会社において行っているとのことです。

 また、企業の保有する不動産の有効活用を提案・実行するCRE(Corporate Real Estate)事業(注6)や、マーケットの拡大が予想される観光・環境ビジネスにおいても、不動産賃貸事業の強化及び組織の強化に取り組んでいるとのことです。

(注6) 「CRE(Corporate Real Estate)事業」とは、法人顧客が保有する不動産の有効活用のお手伝いを通じて、企業価値向上のサポートをする事業のことをいうとのことです。

 

(b)不動産開発・建替業務

 公開買付者は、物件立地特性に応じた不動産開発業務を行っているとのことです。特に従来から保有している賃貸物件の建替の着実な推進によるポートフォリオの質的改善を行っているほか、新規の物件取得・開発・売却を通じた付加価値創出の実現を目指し、開発業務を推進しているとのことです。

 PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業(注7)では、渋谷一丁目開発株式会社を設立し、東京都渋谷区において渋谷一丁目地区共同開発事業の事業推進を図っているとのことです。

(注7) 「PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業」とは、行政と連携して公共資産(国・地方自治体所有地)の効率的な活用・運用をお手伝いする事業のことをいうとのことです。

 

(c)アセットマネジメント業務

 公開買付者の連結子会社であるヒューリックリートマネジメント株式会社は、J-REIT事業への参入のため2014年2月に東京証券取引所不動産投資信託証券市場へ上場したヒューリックリート投資法人からアセットマネジメント業務を受託しているとのことです。

 また、公開買付者の連結子会社であるヒューリック不動産投資顧問株式会社は、2017年11月に運用を開始したヒューリックプライベートリート投資法人等からアセットマネジメント業務を受託しているとのことです。

 

(d)その他

 公開買付者は、不動産マーケットにおける多様なニーズに対応して、不動産バリューアッドビジネス等、不動産の取得・販売業務も行っているとのことです。

 その他、公開買付者の連結子会社であるヒューリックビルマネジメント株式会社等は、賃貸不動産に関連する業務としてビル管理業務、警備業務及びビル清掃業務を行っているとのことです。

 また、公開買付者の連結子会社であるヒューリックプロパティソリューション株式会社は、不動産バリューアッドビジネスに伴う建築工事の企画、設計、査定、管理及びコンサルティング業務を行っているとのことです。

 

(イ)保険事業

 公開買付者の連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社は、2024年8月31日時点で、損害保険会社21社・生命保険会社24社及び少額短期保険会社1社と代理店契約を締結し、火災保険・自動車保険等の損害保険代理店業務、定期保険・養老保険等の生命保険及び医療保険等の募集業務を行っているとのことです。また、保険代理店業務に関連する集金代行業務も行っているとのことです。

 保険事業は法人マーケットに重点を置いた営業を展開しておりますが、個人顧客にも「お客さま第一」のきめ細やかなサービスを提供しているとのことです。その結果、法人・個人のバランスのとれた営業基盤を築いていると考えているとのことです。

 

(ウ)ホテル・旅館事業

 公開買付者の連結子会社であるヒューリックホテルマネジメント株式会社は「THE GATE HOTEL」シリーズ及び「ビューホテル」シリーズ、ヒューリックふふ株式会社は「ふふ」シリーズを中心に、ホテル及び旅館の運営を行っているとのことです。

 

(エ)その他

 公開買付者の連結子会社であるヒューリックビルド株式会社は、公開買付者の保有ビル等の営繕工事、テナントの入退去時の内装工事を中心とした建築工事請負業務、設計・工事監理業務等を行っているとのことです。

 また、「こども教育事業」については、株式会社リソー教育及びコナミスポーツ株式会社との業務提携に基づき、子育て・教育機能の幅広いラインナップに加え、コンシェルジュや送迎機能、テナント間連携等によるこども向けワンストップサービスを提供するビル「こどもでぱーと」シリーズの開発・展開を行っている他、2024年5月には個別指導塾「TOMAS」等を展開する株式会社リソー教育を公開買付け等により連結子会社化しているとのことです。

 

 公開買付者グループは、2023年1月30日に、中長期経営計画(2020-2029)のフェーズⅡに位置する新中期経営計画(2023-2025)を策定・公表したとのことです。当該中期経営計画では、「格付水準の維持を目線としながら、環境変化に対応した高品質の賃貸ポートフォリオ構築とサステナブル経営の更なるレベルアップを図る」ことを基本方針と定め、(ⅰ)高品質の賃貸ポートフォリオ構築と柔軟な収益構造を維持・強化、(ⅱ)開発・建替、バリューアッド物件のパイプライン充実。出口を多様化して確実に収益化、(ⅲ)新規事業領域の取組み強化による収益源の多様化、(ⅳ)格付水準の維持を目線とした財務健全性の確保とリスク管理、(ⅴ)環境対応、人的資本育成対応等サステナブル経営の一層の深化、の5点を「対処すべき課題」として捉えているとのことです。

 特に、「(ⅲ)新規事業領域の取組み強化による収益源の多様化」については、公開買付者グループは、観光、環境、こども教育事業分野等の既存取組分野の事業拡大を実現する手段として、他企業との協業・提携、M&A等を積極的に活用していく方針とのことです。また、中長期戦略の一環として約500億円の成長戦略投資枠を設定し、社会課題・地域課題に対応した新規事業領域を幅広く探索していく方針であることに加えて、海外事業においても500億円の別の投資枠を設定し、今後成長が見込まれるマーケットにおいて、知見を有するパートナーとの共同事業等により、リスクの低減を図りつつ海外投資を実行していく方針とのことです。

 

 一方、当社は、1992年5月に主として収益不動産による資産運用及び資産形成コンサルティングを目的として、株式会社レーサムリサーチの商号で東京都新宿区に設立され、2008年1月に商号を現在の株式会社レーサムへ変更するとともに、本社を現在の本店所在地である東京都千代田区霞が関に移転しました。

 また、当社株式については、2001年4月に社団法人日本証券業協会の店頭売買有価証券として登録、2004年12月に株式会社ジャスダック証券取引所へ上場し、2010年4月に株式会社ジャスダック証券取引所と株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)の合併に伴い、大阪証券取引所JASDAQ市場に上場しました。その後、2010年10月に大阪証券取引所JASDAQ市場、同取引所ヘラクレス市場及び同取引所NEO市場の各市場の統合に伴い、大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場し、2013年7月の大阪証券取引所及び東京証券取引所の統合に伴い、東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)市場に上場し、2022年4月に東京証券取引所における市場区分の変更に伴い、東京証券取引所スタンダード市場へ移行しております。

 

 当社のグループは、当社及び連結子会社15社(以下「当社グループ」といいます。)から構成されており、「お客様にとっての価値創造が、我々の第一の使命である。」という企業理念の下で、資産価値創造事業、資産価値向上事業及び未来価値創造事業を行っております。これらの事業の主な内容と各事業における当社及び主要な関係会社の位置付け等は次のとおりです。

 

(ア)資産価値創造事業

 当事業では、お客様ひとり一人の目的に応じて個々の不動産資産の潜在価値を追求しております。自らオーナーとなり用途変更や大規模改修、新たなテナント誘致等を行い、お客様にとって意味のある不動産資産を創出し提供しております。取扱商品は、商業、オフィス、マンション、宿泊施設、教育施設、医療施設等と多岐にわたり、価格帯は数億円から百億円を超える規模に及びます。さらに、将来の社会的課題に応じ家賃負担能力を高められる事業を自ら創り出すオペレーション型の商品開発にも取り組み、コミュニティホステル、高度医療手術センター、地元定着型の飲食店等を立ち上げ、これらを組み込んだ商品を提供しております。創業以来、顧客層の拡大を課題に掲げ、特に個人富裕層においては高額給与所得者から会社経営者そして資産家に至るまで、また機関投資家層においては国内の事業法人、金融機関、並びに海外機関投資家まで、それぞれ多岐に亘る顧客との取引実績を有しております。

 

(イ)資産価値向上事業

 当事業では、お客様に提供した不動産について、その価値を維持向上させるための、賃貸管理、建物管理業務等を行っております。テナント入れ替わり等を機会に、将来に向けた物件価値の向上策を提案する等、お客様の希望を細かく伺い、長期的な資産価値向上を目指しております。当社の資産価値向上事業の特徴は、顧客満足の向上に主軸を置いたきめ細かいアフターケアが内製化されている点にあります。自社開発した賃貸管理システムを活用し、住居系から商業系まで多岐に亘る不動産について、各種業務の効率化が図られております。

 

(ウ)未来価値創造事業

 当事業では、連結子会社である株式会社WeBaseがコミュニティ型ホステル「WeBase」シリーズの運営等を、連結子会社である株式会社LIBERTE JAPONがフランス・パリのパティスリー・ブーランジェリーの日本での店舗の運営等を、連結子会社である株式会社レイパワーがガスエンジン発電機の製造及び販売等を、連結子会社である株式会社ベストメディカルが病院及び診療所の開業支援及び運営支援等を、それぞれ行っております。事業運営を通して蓄積した経験やナレッジは、将来的な資産価値創造事業、資産価値向上事業における構想力、提案力として活かされております。

 

 今後の経済環境の見通しについて、公開買付者は、景気回復の動きは継続するものの、国内外の政策金利の変化に伴う金融資本市場の変化や、物価上昇圧力、人手不足の深刻化等による先行き不透明な状況が続くものと予想しているとのことです。

 また、不動産事業環境について、公開買付者は、日本銀行の金融正常化に向けた動きはあるものの、急速な引き締めを直ちに懸念する状況にはないと想定しており、収益不動産の投資市場は引き続き概ね堅調に推移すると考えているとのことです。

 こうした環境のもと、公開買付者は、従前より不動産売買等を通じ当社との取引関係があり、当社の安定的な仕入・販売ルート、幅広いアセットクラス(住宅・商業施設等の資産区分)に対応可能なバリューアッドノウハウ、高難易度の案件を纏め上げる少数精鋭の組織体制、他社を圧倒する意思決定スピード、並びにこれらに裏打ちされた高い収益力、を非常に高く評価しているとのことです。

 公開買付者の中核事業は、東京23区を中心に、250件(販売用不動産除く)の賃貸物件・賃貸可能面積約134万㎡を活用した不動産賃貸事業であり、中長期経営計画(2020-2029)では、「ビジネスモデルの進化と賃貸ポートフォリオの再構築」と「開発事業及びバリューアッド事業の強靭化」を基本戦略に掲げ、より競争優位性のある賃貸ポートフォリオの再構築に向けた積極的な物件取得及び100物件超の開発・建替を計画しているとのことです。また、当該計画のフェーズⅡ(2023-2025)である現在は、「格付水準の維持を目線としながら、環境変化に対応した高品質のポートフォリオ構築とサステナブル経営の更なるレベルアップ」を図ることを基本方針とし、「開発・建替、バリューアッド物件のパイプライン充実、出口の多様化による収益力強化」と「新規事業領域の取組強化による収益源の多様化」に取り組んでいるとのことです。同計画を掲げる中、公開買付者は、当社の公開買付者グループへの参画は、今後の経済環境が先行き不透明な中、新たな不動産ビジネスモデルを取込み、連結ベースでの公開買付者グループの更なる成長と持続的な企業価値向上に大いに寄与し、上記の公開買付者グループの事業戦略とも合致するものと考え、2024年1月中旬以降、後に正式なファイナンシャル・アドバイザーとなり、予めファイナンシャル・アドバイザー就任を公開買付者から打診していたみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)も交え、当社の完全子会社化を含む当社株式の取得に係る取引の検討を進めてきたとのことです。

 そのような中、公開買付者は、Oasisグループに対し、Oasisグループが所有する当社株式の取得に関心を寄せている旨を表明することを目的として、2024年2月下旬に、みずほ証券を通じてOasisグループへの接触を図ったとのことです。公開買付者は、2024年3月上旬、UBS証券株式会社(以下「UBS証券」といいます。)から、みずほ証券を経由して当社発行済株式の全て又は一部の直接又は間接の譲渡に関する入札プロセス(以下「本入札プロセス」といいます。)への参加についての意向確認を受け、2024年4月上旬に本入札プロセスの正式な打診を受けたことから、公開買付者、当社及びOasisグループから独立した第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザーとしてみずほ証券を正式に選任し、本入札プロセスへの参加に関心を有している旨をUBS証券に対して伝えたとのことです。その後、公開買付者は、同年4月中旬に、UBS証券から、本入札プロセスの第1段階(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を開始する旨の連絡を受けるとともに、本第一次入札プロセスに関する「予備的提案プロセスに関するご案内」と題する書面を受領したため、公開買付者は、公開買付者、当社及びOasisグループから独立したリーガル・アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任したとのことです。その上で、公開買付者は、当社より提供を受けた当社の事業に係る資料を基に初期的な分析を実施した後、「予備的提案プロセスに関するご案内」に則り、同年5月17日に、本取引に関する法的拘束力を有しない意向表明書(以下「第一次意向表明書」といいます。)をUBS証券を通じて当社に対して提出したとのことです。そして、公開買付者は、同年5月下旬に、当社から、本入札プロセスの第2段階(以下「本第二次入札プロセス」といいます。)を開始する旨の連絡を受けるとともに、本第二次入札プロセスに関する「最終提案プロセスに関するご案内」と題する書面を受領したため、本第二次入札プロセスに参加することを決定し、2024年6月上旬から同年7月下旬まで、本取引の実現可能性の精査のために、Rays社及び当社グループについて法務及び財務・税務等のデュー・ディリジェンスを実施したとのことです。公開買付者は、当該分析を通じて、当社の安定的な仕入・販売ルート、幅広いアセットクラスに対応可能なバリューアッドノウハウ、高難易度の案件を纏め上げる少数精鋭の組織体制、他社を圧倒する意思決定スピードを再確認し、高い競争力と潜在的成長力を有するものと理解したとのことです。

 かかる検討の結果、公開買付者は、本取引により、以下のような具体的なシナジー・メリットが期待できるとの考えに至ったとのことです。

 

(ア)公開買付者グループが有する物件情報、及び当社グループのバリューアッドノウハウの相互活用による持続的な成長

 公開買付者グループは、年間数千件規模での物件情報の収集・ソーシングを行っているとのことです。一方で、当社グループは、長年の経験から蓄積された幅広いアセットクラスに対応可能なバリューアッドノウハウを有しております。公開買付者グループの物件情報及び当社グループのバリューアッドノウハウを掛け合わせることで、両社の持続的な成長が可能になると考えているとのことです。

 

(イ)公開買付者グループが有する多様な投資家・取引先、及び当社グループの顧客網の相互紹介によるエグジット先の拡充及びエグジット戦略の柔軟化

 公開買付者グループは、公開買付者による不動産売買に加え、グループのアセットマネジメント会社が運営する公募・私募REITを通じて、国内外の法人・ファンドとの広範な取引関係を有しているとのことです。一方で、当社グループは、国内外の富裕層・法人との独自の顧客ネットワークを有しております。これらを掛け合わせることで、両社のエグジット先の拡充及びエグジット戦略の柔軟化が可能になると考えているとのことです。

 

(ウ)公開買付者の安定的かつ低コストの資金調達力を活用した当社グループの資金調達コスト削減及び事業拡大

 公開買付者グループは、本書提出日時点でJCR長期発行体格付AA-(安定的)を有しており、安定的かつ低コストの資金調達力を有しているとのことです。公開買付者グループの資金調達力を活用することで、当社グループ資金調達コスト削減、及び安定的な資金調達による更なる事業拡大が可能になると考えているとのことです。

 

 なお、公開買付者は、本取引によるディスシナジー・デメリットについても検討いたしましたが、公開買付者と当社では事業領域が重ならないことから、特段のディスシナジー・デメリットは発生しないものと考えているとのことです。

 以上の経緯を経て、公開買付者は、2024年7月26日開催の取締役会において法的拘束力のある本取引に関する意向表明書(以下「第二次意向表明書(公開買付者)」といいます。)の提出を決議し、同日、当社に、本公開買付価格を5,913円(提案日の前営業日である2024年7月25日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値3,355円に対して76.24%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,446円(円未満を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して71.59%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値3,422円に対して72.79%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値3,504円に対して68.75%のプレミアムをそれぞれ加えた価格)とすること、本取引の実行に必要なデュー・ディリジェンスは全て完了しており、追加のデュー・ディリジェンスを必要としないことを含む、提出後90日間有効な第二次意向表明書(公開買付者)を、本第二次入札プロセスにおける当社からの要請に基づき、提出したとのことです。その後、公開買付者は、2024年7月29日に当社より、本公開買付価格の引上げ及び本取引後の経営方針に関する質問への回答を要請する連絡文書を受領したとのことです。当該連絡を受け、公開買付者は慎重に検討を行ったものの、公開買付者は、第二次意向表明書(公開買付者)において公開買付者として当社を最大限に評価して本公開買付価格を5,913円とする旨を提案していたことから、買付価格の引上げが困難である旨及び本取引の実行後は公開買付者及び当社との間で誠実に協議を行い経営方針を決定していく意向である旨を含んだ回答書を、2024年7月31日に当社へ提出したとのことです。その後、公開買付者は、2024年8月6日に当社より、買付価格の引上げを含む、法的拘束力を有する最善かつ最終の提案の要請を受けました。当該要請を受け、公開買付者は再度慎重に検討を行いましたが、既に最大限の買付価格を提案しており、買付価格の引き上げが困難であるとの判断にいたったとのことです。そのため、公開買付者は、2024年8月9日、当社に対し、改めて、本公開買付価格を5,913円とすること及び2024年7月26日に提出した第二次意向表明書(公開買付者)をもって最終提案とすることを内容とする本取引に関する最善かつ最終の意向表明書(以下「最終提案書(公開買付者)」といいます。)を提出したとのことです。その後、公開買付者は、2024年8月13日に、当社より、Oasisグループと慎重に協議し、本特別委員会(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程」に定義します。)からの意見も踏まえ、公開買付者を優先交渉先とする旨の通知を受領したとのことです。

 その後、公開買付者は、2024年9月13日、当社より、最終提案書(公開買付者)による提案を応諾する旨の連絡を受け、当社との間で本公開買付価格について合意に至ったことから、2024年9月13日付の取締役会決議により、本取引の一環として、本公開買付価格を5,913円として本公開買付けを実施することを決定するとともに、同日、RS社との間で本株式等譲渡契約を締結したとのことです。

 

(ⅱ)本公開買付け後の経営方針

 公開買付者は、本取引後の当社の経営体制については、本公開買付けの成立後、両社の企業価値を更に向上させる観点から公開買付者及び当社との間で協議を行い決定していく予定であり、Oasisグループから派遣されている金井健太郎取締役及び篠原雄治取締役につき本取引の実行後に退任いただくことを想定していることを除き、現時点で具体的に想定しているものや、当社との間で交渉は行っておらず、具体的に決定している事実及び両社で合意している事実はないとのことです。本取引後の当社の役員構成を含む経営体制の詳細については、本取引後、公開買付者グループとしてのシナジー効果を最大限実現できる体制作りを目指し当社と協議しながら決定していく予定とのことですが、公開買付者から取締役及び監査役を複数名派遣し、取締役会において、経営上の重要な意思決定を行う方針とのことです。

 

③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程

 当社は、2024年2月16日、親会社であるRays社(所有株式数:18,364,300株、所有割合:63.88%)から、当社の更なる成長を目的として、所有する当社株式の全てを売却したいこと、当社の全株主にとってできるだけ有利な条件での売却を実現するため、売却方法としては入札手続を通じて買付者を選定すること、また、当該プロセスに係るデュー・ディリジェンスへの対応を含む必要な社内体制を構築してほしい旨の連絡を受けました。当社は、これを受け、買付者候補者から当社株式の非公開化を含む提案を受領することが想定されること、本公開買付けは支配株主による従属会社の買収には該当しないものの、当社の親会社と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、2024年2月28日開催の当社取締役会において、本取引に関する当社の意思決定の恣意性を排除し、当社の企業価値の向上及び一般株主の利益を図る観点から、本件の検討を十分に行った上で取引実行の是非について判断すべく、外部専門家を起用した上で、当社主導で買付者を選定するための入札手続を実施すること、Oasisグループ及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてUBS証券を、Oasisグループ及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業(以下「西村あさひ」といいます。)をそれぞれ選任すること、及び当社の社外取締役・監査等委員である深井崇史氏及び中瀬進一氏により構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置することを決議しました。また、当社は、本特別委員会から、中瀬進一氏の紹介を受けた外部有識者である中務正裕氏(弁護士)を追加の特別委員候補者として推薦されたことを受け、2024年3月22日開催の当社取締役会において、中務正裕氏を本特別委員会の委員とすることを決議しました。なお、本特別委員会の各委員は、公開買付者、Oasisグループ及び当社のいずれからも独立しており、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

 また、当社は、2024年2月28日開催の取締役会において、本特別委員会に対して、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含みます。)、(ⅱ)本取引に係る手続の公正性、(ⅲ)本取引の取引条件の公正性・妥当性、(ⅳ)本取引に関する決定を行うことは当社の少数株主にとって不利益ではないか、及び(ⅴ)本取引の一環として第三者(買付者)が行う当社株式に対する公開買付け(本公開買付け)に対して賛同意見表明を行うこと及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問し、これらの点についての答申を当社取締役会に提出することを嘱託することを決議しました。

 併せて、当社は、同取締役会において、本取引に係る当社取締役会の意思決定は、上記嘱託に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われること、特に本特別委員会が本取引の取引条件を妥当でなく、本公開買付けに賛同すべきでないと判断したときには、当社取締役会は本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(a)適切な判断を確保するために、ファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を選任し、又は、当社のアドバイザー等を指名若しくは承認(事後承認を含みます。)する権限(なお、本特別委員会は、当社のアドバイザー等が高い専門性を有しており、独立性にも問題がない等、特別委員会として当社のアドバイザー等を信頼して専門的助言を求めることができると判断した場合には、当社のアドバイザー等に対して専門的助言を求めることができるものとするとされております。)、(b)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限、及び(c)必要に応じて、本取引の取引条件等の交渉を行う権限(なお、本特別委員会が、本取引の取引条件等の交渉を直接行わない場合であっても、必要に応じて、例えば、交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等の交渉過程に実質的に関与する状況を確保するよう努めるものとし、当社は当該状況が確保されるよう協力するものとされております。)(以下、総称して「本特別委員会権限」といいます。)を付与することを決議しました。

 これを受けて、本特別委員会は、2024年3月26日、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるUBS証券及びリーガル・アドバイザーである西村あさひにつき、独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しました。また、本特別委員会は、同日、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、その独立性及び専門性を検討の上、独自の第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)を選任する旨を決定しております。

 

 2024年4月上旬以降、当社は、Oasisグループ及び本特別委員会と協議の上、Oasisグループが当社株式を取得して以降、Oasisグループ及び当社に対して、Oasisグループが所有する当社株式を取得することについて関心を示していた候補先、及び、当社の成長を促進しうる補完的な強みを持ち、当社の事業に強い興味を持つと考えられる複数の事業会社及び投資ファンドに対して、本入札プロセスへの参加について打診を開始しました。その結果、10社(事業会社4社及び投資ファンド6社)が本入札プロセスへの参加に関心を示していることを確認したことから、これらの候補者との間で秘密保持契約を締結し、2024年4月中旬より本第一次入札プロセスを開始しました。なお、当社は、Oasisグループから、通常、実行可能性があると考えられる取引形態のうち、RS社にとって最適な方法を選択して課税後の譲渡対価を最大化させる観点から、Rays社がRays社所有当社株式全てを本公開買付けに応募するのではなく、本公開買付けの成立後にRS社から公開買付者に対してRays社株式等を譲渡する取引ストラクチャーを、本入札プロセスにおいて提案するよう要請を受けました。Oasisグループによれば、Rays社株式譲渡価額は、Rays社所有当社株式の価値を当該株式の数に本公開買付価格を乗じて得られる金額として算定したRays社の純資産額と同等の金額(すなわち、Rays社所有当社株式の数に本公開買付価格を乗じた金額に、Rays社が保有するRays社所有当社株式以外の資産の額を加算し、かつRays社が負担する一切の債務の額を控除した額)と定められ、また、公開買付者が、RS社からRays社の株式とともに譲り受ける本債権の譲渡価額も、当該債権の債権額と同等の金額と定められるとのことであり、Rays社株式等譲渡価額は、Rays社がRays社所有当社株式を本公開買付けに応募した場合に、Rays社の株主であるRS社が受領することとなるのと同等の経済的価値をRS社に提供するものといえ、当社は、当該ストラクチャーを採用することによって、RS社が不当に利益を得ることはなく、その他、当該ストラクチャーに不合理な点は見受けられず、当該ストラクチャーは少数株主に不利益を及ぼすものではないことが確認できたことから、Rays社株式譲渡価額及び本債権譲渡価額が上記のとおり定められることを前提に、本入札プロセスの参加者に対して、本入札プロセスの目的を考慮した上で当社の株主全般に対してより良い条件での売却機会を提供する取引ストラクチャーを想定する場合には当該ストラクチャーを提案することを許容しつつ、Rays社株式等を譲渡する取引ストラクチャーを提案いたしました。

 2024年5月17日、当社は、公開買付者を含む本第一次入札プロセスへ参加した候補先3社(事業会社2社及び投資ファンド1社)より第一次意向表明書を受領しました。そして、当社は、本取引の目的、本取引後の当社の経営方針や事業戦略の方向性、当社とのシナジー効果及び従業員の処遇、提示された取引ストラクチャー及び当社株式1株当たりの希望取得価格、当該時点における本取引に係る資金調達の確度、本取引実行のタイムライン等について慎重に検討し、Oasisグループ及び本特別委員会と協議の上、これらの要素を総合的に判断して、2024年5月下旬に、提案された当社株式1株当たりの希望取得価格が高かった、公開買付者を含む2社(事業会社2社)を本第二次入札プロセスへの参加を打診する候補者とし、当該価格が低かった1社(投資ファンド)については価格の再考を求める方針を決定しました。その後、価格の再考を求めた1社が辞退したことから、当社は、公開買付者を含む2社を本第二次入札プロセスに招聘することとしました。

 その後、Oasisグループ及び当社は、公開買付者を含む本第二次入札プロセスへ参加した当該候補先2社に対して、2024年5月下旬から約2ヶ月にわたり当社経営陣へのインタビューを含むデュー・ディリジェンスの機会を提供しました。当社は、本第二次入札プロセスにおいて、2024年7月26日、公開買付者から、本公開買付価格を5,913円とすること及び本取引の実行に必要なデュー・ディリジェンスは全て完了しており、追加のデュー・ディリジェンスを必要としないことを含む、提出後90日間有効な法的拘束力のある第二次意向表明書(公開買付者)を受領いたしました。当社は、第二次意向表明書(公開買付者)の内容について慎重に検討し、Oasisグループ及び本特別委員会と協議の上、2024年7月29日に、公開買付者に対し、当社株式の買収価格の引上げ及び本取引後の経営方針に関する質問への回答を要請しましたが、同月31日、公開買付者から、買付価格の引上げが困難である旨及び本取引の実行後は公開買付者及び当社との間で誠実に協議を行い経営方針を決定していく意向である旨を含んだ回答書を受領しました。また、当社は、2024年8月2日に、公開買付者以外の本第二次入札プロセスに参加した候補者から本取引に関する意向表明書(以下、第二次意向表明書(公開買付者)と併せて「第二次意向表明書」といいます。)を受領しました。これを受けて、当社は、公開買付者を含む各候補者から提出を受けた第二次意向表明書の内容について、Oasisグループと慎重に協議・検討し、特別委員会からの意見も踏まえ、2024年8月6日、第二次意向表明書を提出した候補先2社に対し、買収価格の引上げを含む、法的拘束力を有する最善かつ最終の提案を要請しました。

 その後、当社は、2024年8月9日に、公開買付者を含む第二次意向表明書を提出した候補先2社から本取引に関する最善かつ最終の意向表明書(最終提案書(公開買付者)を含み、以下「最終提案書」といいます。)を受領しました。このうち、公開買付者からは、提出後90日間有効な法的拘束力のある提案として、本公開買付価格を5,913円とすること及び2024年7月26日に提出した第二次意向表明書をもって最終提案とすることを内容とする最終提案書(公開買付者)を受領しております。

 当社は、受領した最終提案書について、Oasisグループと慎重に協議をし、本特別委員会からの意見も踏まえ、本第二次入札プロセスにおいて最終提案書の条件として候補者に対し提示されていた、提出後少なくとも90日間有効な法的拘束力のある提案であること及びデュー・ディリジェンスを完了していることを充足する提案の中では公開買付者から提案された本公開買付価格が最高額であったことを踏まえて、公開買付者と優先して交渉することが適切であると考え、公開買付者を優先交渉先とすることを、2024年8月13日、公開買付者に対して通知しました。

 

 本特別委員会は、上記の本入札プロセスに関する情報の共有並びに西村あさひ、UBS証券及びプルータス・コンサルティングの助言並びにUBS証券及びプルータス・コンサルティングから取得した株式価値算定書(各株式価値算定書の概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。)の内容を踏まえて、本諮問事項について検討し、2024年9月13日、当社取締役会が、本取引の一環として本公開買付けに関して、賛同の意見を表明すること及び当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる旨の答申を当社に提出しました。

 当社は、西村あさひ及びUBS証券から受けた助言、UBS証券から取得した株式価値算定書(株式価値算定書の概要については、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。)の内容並びに公開買付者及びOasisグループとの間で実施した本取引に関連する協議の内容その他の関連資料を踏まえて、本特別委員会から提出された2024年9月13日付答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら、本取引について、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の観点から慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、以下の点等から、本取引は、当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。すなわち、公開買付者は、本取引により、当社を非公開会社化し、公開買付者グループの中に参画させることにより、①公開買付者グループの有する案件情報及び当社グループのバリューアップノウハウの相互活用、②公開買付者グループが有する多様な投資家・取引先及び当社グループの顧客網の相互紹介によるエグジット先の拡充及びエグジット戦略の柔軟化、並びに③公開買付者の安定的かつ低コストの資金調達力を活用した当社グループの資金調達コストの削減及び安定的な資金調達が期待できると考えているところ、①及び②については、公開買付者からの案件情報の共有及び投資家・取引先の紹介により、当社の仕入を現在より更に安定させるとともに、当社がより幅広い案件を手掛け、それらを収益につなげることに資するものであり、また、③についても公開買付者の資金調達力を活用して資金調達コストを削減し、安定的な資金調達を行うことにより、当社がより幅広い案件を手掛けること、当社の事業を更に発展させることに寄与するものであり、これらは、当社グループを安定的に発展させ収益を向上させることにつながり、当社グループの企業価値を更に向上させるものと判断しました。

 また、公開買付者によれば、当社の強みの源泉である現在の事業モデル、現在の役職員による経営体制及び当社の各取引金融機関との取引関係について、現行体制を軸に、公開買付者から支援を行い、当社の企業価値向上に向けた最適な体制強化を図っていくとのことであり、本取引により、当社の企業価値向上に悪影響を与える可能性があり得る、事業運営の方針若しくは実務の望ましくない形での変更又は取引先との関係の希薄化が生じることも見込まれないと判断しました。

 また、当社は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり5,913円は、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

(A)下記「(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること。

(B)本公開買付価格(5,913円)が、下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているUBS証券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法、類似企業比較法及び配当割引モデル法(以下「DDM法」といいます。)による算定結果のレンジの各上限を上回るものであること。また、当該価格が、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されているプルータス・コンサルティングによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果のレンジの各上限を上回るものであり、また、DCF法による算定結果のレンジの中央値(4,710円)を上回り、かつ、同レンジの上限に近いものであること。さらに、本特別委員会が当該価格についてプルータス・コンサルティングから本フェアネス・オピニオン(下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に定義します。)を取得していること。

(C)本公開買付価格(5,913円)は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年9月12日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値3,060円に対して93.24%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間(2024年8月13日から2024年9月12日まで)の終値単純平均値(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)3,159円に対して87.18%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間(2024年6月13日から2024年9月12日まで)の終値単純平均値3,273円に対して80.66%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間(2024年3月13日から2024年9月12日まで)の終値単純平均値3,403円に対して73.76%のプレミアムを加えた価格であり、また、2001年4月に記録した、当社株式の上場来最高値である4,200円に40.79%のプレミアムを加えた価格であり、当社の全ての株主が、当該プレミアム以上の経済利益を享受できる十分な水準のプレミアムが付されていると考えられること。

(D)近時の同様の事案(2021年1月以降に公表され、2024年9月12日までに成立した事例のうち、日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例(取引金額100億円以上)110件におけるプレミアムの水準の中央値は、公表日前営業日の終値に対して45.03%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して46.06%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して45.88%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して47.02%)と比較して高い水準のプレミアムが付された価格であること。

(E)本第二次入札プロセスにおいて最終提案書の条件として候補者に対し提示されていた、提出後90日間有効な法的拘束力のある提案であること及びデュー・ディリジェンスを完了していることを充足する提案の中では公開買付者から提案された本公開買付価格が最高額であったこと。

(F)本取引は、公開買付者がRays社所有当社株式を除く当社株式に対して公開買付けを行う一方で、RS社からRays社の株式を譲り受けることで、Rays社所有当社株式を間接的に取得するスキームとなっているところ、Rays社の株式の譲渡価額は、Rays社所有当社株式の価値を当該株式の数に本公開買付価格を乗じて得られる金額として算定したRays社の純資産額と同等の金額(すなわち、Rays社所有当社株式の数に本公開買付価格を乗じた金額に、Rays社が保有するRays社所有当社株式以外の資産の額を加算し、かつRays社が負担する一切の債務の額を控除した額)と定められ、また、公開買付者が、RS社からRays社の株式とともに譲り受ける本債権の譲渡価額も、当該債権の債権額と同等の金額と定められており、Rays社株式等譲渡価額は、Rays社がRays社所有当社株式を本公開買付けに応募した場合に、Rays社の株主であるRS社が受領することとなるのと同等の経済的価値をRS社に提供するものといえ、当該スキームによって、RS社が不当に利益を得ることはなく、その他、当該スキームに不合理な点は見受けられず、当該スキームは少数株主に不利益を及ぼすものではないと認められること。

 

 以上より、当社は、2024年9月13日、公開買付者に対して、最終提案書(公開買付者)による提案を応諾する旨を連絡し、公開買付者と本公開買付価格について合意に至ったことから、本公開買付けが本取引の一環として行われることを前提として、2024年9月13日開催の当社取締役会において、本公開買付けに関して、賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。上記取締役会決議の詳細については、下記「(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認」をご参照ください。

 

(3)算定に関する事項

① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社、公開買付者及びOasisグループとの関係

 当社は、公開買付者、Oasisグループ及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、UBS証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年9月13日、株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(UBS証券)」といいます。)を取得しました。なお、UBS証券は、公開買付者、Oasisグループ及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、UBS証券の独立性に問題がないことを確認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認した上で、UBS証券を当社の第三者算定機関として承認しております。本取引に係るUBS証券の報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬ですが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬であることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりUBS証券を当社の第三者算定機関として選任しております。

 なお、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的には、下記「(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」記載の措置)を実施しており、当社の少数株主の利益に対する十分な配慮がなされていると考えていることから、UBS証券からは、本公開買付価格(5,913円)の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

(ⅱ)算定の概要

 UBS証券は、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似企業比較による当社の株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためDDM法を採用して、下記(注8)に記載の前提条件その他一定の条件の下に当社の株式価値分析を行っております。

 UBS証券によれば、上記各手法に基づき算定した当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。UBS証券による本株式価値算定書(UBS証券)作成及びその基礎となる評価分析に関する前提条件、留意事項については、下記(注8)をご参照ください。

 

市場株価平均法:3,060円から3,403円

類似企業比較法:2,822円から4,821円

DDM法:     3,806円から5,605円

 

 市場株価平均法では、算定基準日を2024年9月12日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値3,060円、直近1ヶ月間の終値単純平均値3,159円(2024年8月13日から2024年9月12日)、直近3ヶ月間の終値単純平均値3,273円(2024年6月13日から2024年9月12日)、直近6ヶ月間の終値単純平均値3,403円(2024年3月13日から2024年9月12日)を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,060円から3,403円までと算定しています。

 類似企業比較法では、当社と比較的類似性があると判断される事業を営む上場会社の市場株価及び収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,822円から4,821円までと算定(注9)しています。

 DDM法では、当社が作成した2025年3月期から2029年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社財務予測に基づき、当社が生み出すと見込まれる株主に帰属する利益を一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,806円から5,605円までと算定(注9)しています。なお、本事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていません。

 また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において見積もることが困難であるため、本事業計画には加味されていません。

 

(注8) 本株式価値算定書(UBS証券)は、当社取締役会がその立場において本公開買付価格を財務的見地から検討することのみを目的として提供されたものです。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引に関連して当社のいかなる種類の有価証券の保有者、債権者その他の利害関係者が受領する対価について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引の取引形態、ストラクチャー等を含め本取引の条件その他の側面について、何ら意見又は見解を表明するものではなく、また、当社にとり採用可能であるか若しくは実行する可能性のある他の戦略又は取引と比較した場合における本取引の相対的な利点又は本取引の推進若しくは実施に関する業務上の意思決定について、何ら意見又は見解を表明するものではありません。また、本取引又はそれに関連する事項について、当社の株主に対して本取引に応募すること又はしないこと、当社の株主の議決権行使又は行動について何ら意見を述べ又は推奨するものでもありません。また、本取引の当事者の役員、取締役又は従業員に対するいかなる報酬の金額、性質その他の側面に関する、本取引の公開買付価格との比較における公正性(財務的か否かを問いません。)について、何らの意見も見解も表明するものではありません。本株式価値算定書(UBS証券)は、本取引が公表又は開始された後を含むいずれかの時点において当社株式が取引されるべき価格に関して何ら意見を述べるものでもありません。

本株式価値算定書(UBS証券)の作成にあたりUBS証券は、本株式価値算定書(UBS証券)作成のためにUBS証券が吟味した公開の又は当社若しくは当社の他のアドバイザーから提供された前提事項又は情報等の正確性及び完全性を前提とし、またそれらに依拠しています。当該前提事項又は情報等について、UBS証券又はその役職員、代理人、代表者、アドバイザーその他のいずれも、別途その内容を検証していません。

UBS証券又はその役職員、代理人、代表者若しくはアドバイザーのいずれも、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報の正確性、完全性、信頼性及び充分性について、また、本株式価値算定書(UBS証券)の中で前提としている内容の妥当性について、明示されていると否とにかかわらず、何ら表明、保証又は約束するものではありません。

本株式価値算定書(UBS証券)は当社取締役会の利益のためにのみ提供され、当社の株主又はその他いかなる者も、本株式価値算定書(UBS証券)に依拠してはならず、また本株式価値算定書(UBS証券)によって利益、権利又は救済を得られるものではありません。

本株式価値算定書(UBS証券)を受領することにより、当社は、法令上許容される限り、かつそれが詐欺による場合及び委託契約書に定める場合を除き、本株式価値算定書(UBS証券)又は本株式価値算定書(UBS証券)に関連して書面若しくは口頭により提供される情報、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報の誤り又は本株式価値算定書(UBS証券)からの情報の脱漏から生じ得るあらゆる責任から、UBS証券並びにその役職員、代理人、代表者及びアドバイザーを明示的に免責することを確認し、承諾しています。

本株式価値算定書(UBS証券)には、当社からUBS証券に提供された将来予想に関する記述、見通し、見積もり、予測、目標、及び意見(以下「将来予測」と総称します。)が含まれる可能性があり、UBS証券は将来予測の妥当性及び達成可能性(またそれらの前提及び根拠)について、当社の経営陣の意見に依拠しています。UBS証券は、かかる将来予測が、現時点で入手可能な最善の当社の経営陣による評価及び判断を示すものであること、並びに、かかる将来予測が当社の経営陣が熟考した数値又は時期において実現することを前提としています。本株式価値算定書(UBS証券)中の全ての前提事項は当社と検討し、合意されています。かかる将来予測は、大きな前提と主観的判断を含んでおり、それらが正しいものとは限らず、また、いかなる将来予測も将来の業績の信頼性の高い指標であるとの保証はなく、また、それらが達成可能又は実現するとは限りません。本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる将来予測は、その達成又は妥当性について何ら表明保証はなされておらず、また依拠されるべきものでもありません。

本株式価値算定書(UBS証券)は、本株式価値算定書(UBS証券)の日付現在における経済、規制、市況その他の状況、及び同日までにUBS証券が入手した情報に基づいて作成されたものであり、その後の状況の変化により、本株式価値算定書(UBS証券)に含まれる情報に影響が生じる可能性があります。本株式価値算定書(UBS証券)の内容は本株式価値算定書(UBS証券)の日付現在のものであり(本株式価値算定書(UBS証券)中で別途過去時点を示す場合を除きます。)、本株式価値算定書(UBS証券)の提供に際し、当社に対し、①追加情報の提供、②本株式価値算定書(UBS証券)中の将来予測を含む情報の更新、改訂若しくは再確認、又は③内容の不正確が判明した場合の訂正につき、いかなる者も義務を負わず、また表明又は約束をするものではありません。

本株式価値算定書(UBS証券)に記載されたUBS証券による分析は、UBS証券が本株式価値算定書(UBS証券)に関連して当社取締役会に提示する主要な財務分析の概要であり、本株式価値算定書(UBS証券)に関連してUBS証券が行った分析及び参照した情報を全て網羅するものではありません。本株式価値算定書(UBS証券)の作成及びその基礎となる分析は、各財務分析手法の適切性及び関連性並びに各手法の特定の状況への適用に関する様々な判断を伴う複雑な分析過程であり、したがって、その一部の分析結果又は要約の記載は必ずしもその分析の内容全てを正確に表すものではありません。UBS証券による分析結果は全体として考慮される必要があり、その分析結果を全体として考慮することなく、その一部又は要約のみを参考にした場合、UBS証券の分析の基礎となる過程について必ずしも正確な理解を得られない可能性があります。UBS証券による分析に際して比較対象として検討されたいずれの会社も、当社の事業部門又は子会社と同一ではなく、UBS証券による分析の目的において、当社と類似すると考えられる事業に従事する公開会社であるという理由により選択されたものです。また、UBS証券による分析は、当社との比較対象として検討された会社の財務及び事業上の特性の相違、並びにこれらの会社に影響を及ぼす可能性のあるその他の要因に関する、複雑な検討及び判断を必然的に伴っています。

本株式価値算定書(UBS証券)の作成においてUBS証券は、①本株式価値算定書(UBS証券)中で参照される当社又はその他の会社の物的資産・負債について何ら独立した評価又は鑑定を行っておらず、かかる評価又は鑑定を提供されておらず、②本取引の商業的利点に関する検証を行っておらず、③本取引について法務、税務、会計又はその他の分析を行っておらず、適宜これらの分野に精通した専門家アドバイザーの判断のみに依拠しており、④本取引のために規制上の又は第三者の承認、同意及び免除を得るにあたり、当社、本株式価値算定書(UBS証券)中で言及される他の会社又は本取引に悪影響を与えるような遅延、制限、制約又は条件がないことを前提としています。

UBS証券は、本取引に関連して当社のファイナンシャル・アドバイザーを務め、かかるサービスに対し報酬を受領しますが、かかる報酬は、本取引が成立した場合にのみ発生します。また、当社は、UBS証券の関与に関してUBS証券が負担する費用及びUBS証券の業務から発生する一定の責任についてUBS証券に補償することを合意しています。

 

(注9) 当社株式の1株当たりの価値の計算で用いる株式数は、当社第1四半期決算短信に記載された2024年6月30日現在の当社の発行済株式総数(29,081,400株)から当社が所有する自己株式数(但し、2024年7月12日に譲渡制限付株式報酬として処分した自己株式45,200株を除きます。)(334,544株)を控除した株式数(28,746,856株)です。

 

② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社、公開買付者及びOasisグループとの関係

 本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、公開買付者、Oasisグループ及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータス・コンサルティングに対して、当社株式の株式価値の算定及び本公開買付価格は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2024年9月12日付で当社株式の株式価値に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及び本公開買付価格は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の意見書(以下「本フェアネス・オピニオン」といいます。)を取得しました。なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付者、Oasisグループ及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

(ⅱ)算定の概要

 プルータス・コンサルティングは、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較法による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を用いて当社株式の株式価値の算定を行い、本特別委員会は、2024年9月12日付でプルータス・コンサルティングより本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンを取得しました。

 上記各手法に基づいて算定された当社の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。

 

市場株価法  :3,060円から3,403円

類似会社比較法:2,090円から4,211円

DCF法   :3,502円から5,918円

 

 市場株価法では、基準日を本公開買付けの公表日の前営業日である2024年9月12日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値3,060円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値3,159円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値3,273円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値3,403円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,060円から3,403円と算定しております。

 類似会社比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,090円から4,211円と算定しております。

 DCF法では、本事業計画、直近までの業績動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した、当社が生み出すと見込まれる将来キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,502円から5,918円と算定しております。

 なお、プルータス・コンサルティングがDCF法に用いた本事業計画においては、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりません。

 また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、プルータス・コンサルティングがDCF法に用いた本事業計画には加味されておりません。

 プルータス・コンサルティングは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。但し、プルータス・コンサルティングは、算定の基礎とした当社の事業計画について、複数回のインタビューを行いその内容を分析及び検討しております。また、下記「(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認し、不合理でないことを確認しております。

 

(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要

 本特別委員会は、2024年9月12日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり5,913円は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の本フェアネス・オピニオンを取得しております。本フェアネス・オピニオンは、当社が作成した事業計画に基づく株式価値算定の結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり5,913円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本フェアネス・オピニオンは、プルータス・コンサルティングが、当社から、当社の事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社の株式価値算定の結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータス・コンサルティングが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータス・コンサルティングにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。

(注) プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンを作成するにあたって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としております。プルータス・コンサルティングはその正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではありません。したがって、プルータス・コンサルティングはこれらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負いません。

プルータス・コンサルティングは、本フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた本事業計画その他の資料は、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としております。プルータス・コンサルティングはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではありません。

プルータス・コンサルティングは、法律、会計又は税務の専門機関ではありません。したがって、プルータス・コンサルティングは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものでもありません。

プルータス・コンサルティングは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けておりません。したがって、プルータス・コンサルティングは当社及びその関係会社の支払能力についての評価も行っておりません。

本フェアネス・オピニオンは、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものです。したがって、本フェアネス・オピニオンは、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。

本フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではありません。したがって、プルータス・コンサルティングは本フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。

プルータス・コンサルティングは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有しておりません。したがって、本フェアネス・オピニオンは株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他のいかなる行動も推奨するものではありません。

本フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本フェアネス・オピニオンの提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータス・コンサルティングに供され又はプルータス・コンサルティングが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものです。今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータス・コンサルティングはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。

本フェアネス・オピニオンは、本フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。

 

③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに当社、公開買付者及びOasisグループとの関係

 公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及びOasisグループから独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、2024年4月上旬に、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年9月13日付で株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(みずほ証券)」といいます。)を取得したとのことです。なお、みずほ証券は、公開買付者、当社及びOasisグループからは独立した算定機関であり、公開買付者、当社及びOasisグループの関連当事者には該当せず、みずほ証券のグループ企業であるみずほ銀行は、公開買付者の株主たる地位を有しているほか、公開買付者に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等は生じており、公開買付者が本公開買付けを含む本取引に要する資金等に係る融資を行うことを予定しているものの、本取引に関して公開買付者、当社及びOasisグループとの利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。また、みずほ証券によれば、みずほ証券は法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の4の適用法令に従い、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の株主及び貸付人の地位とは独立した立場で当社株式の株式価値の算定を行っているとのことです。公開買付者は、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること、公開買付者とみずほ証券は一般取引先と同様の取引条件での取引を実施しているため第三者算定機関としての独立性が確保されていること、みずほ証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、みずほ証券を公開買付者、当社及びOasisグループ並びに本取引から独立した第三者算定機関として選定したとのことです。なお、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。公開買付者は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合にも公開買付者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないとの判断をしているとのことです。

 

(ⅱ)算定の概要

 みずほ証券は、当社グループの財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法、類似企業比較法及びDCF法を用いて、当社株式の株式価値の算定を行い、公開買付者は、2024年9月13日付でみずほ証券から本株式価値算定書(みずほ証券)を取得したとのことです。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、「(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えみずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 株式価値算定書(みずほ証券)において採用した手法及び当該手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。

 

市場株価基準法:3,060円から3,403円

類似企業比較法:2,162円から5,649円

DCF法:   4,757円から6,782円

 

 市場株価基準法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年9月12日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値3,060円、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値3,159円、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値3,273円及び同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値3,403円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を3,060円から3,403円と算定しているとのことです。

 類似企業比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて、当社株式の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を2,162円から5,649円と算定しているとのことです。

 DCF法では、当社から提供を受けた本事業計画を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が2024年6月上旬から同年7月下旬にかけて当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2025年3月期第1四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を4,757円から6,782円と算定しているとのことです。

 

(4)上場廃止となる見込み及びその事由

 当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

 また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、公開買付者は、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことですので、当該手続が実行された場合、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。

 

(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

 公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(当社が所有する自己株式及びRays社所有当社株式を除きます。)を取得することができなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の方法による本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。

 

① 株式売渡請求

 公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者及び公開買付者の特別支配株主完全子法人となる予定のRays社が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後法令上及び実務上可能な限り速やかに(注10)、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者、Rays社及び当社を除きます。)の全員(以下「売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求める予定とのことです。当社が当社の取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、売渡株主からその所有する当社株式の全部を取得するとのことです。この場合、公開買付者は、売渡株主がそれぞれ所有していた当社株式1株当たりの対価として、各売渡株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。

 なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において上記株式売渡請求を承認する予定です。

 株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他関係法令の定めに従って、売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められています。なお、上記申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

(注10) 香港法上、Rays社株式の法的な所有権(Legal Title)は、Rays社株式の譲渡代金に係る印紙税の納付手続が完了し、Rays社の株主名簿が更新された時点で公開買付者に移転することになるとのことです。当該印紙税の納付額は香港当局による審査を経て確定されるところ、RS社及び公開買付者は、その確定後速やかに印紙税の支払手続を完了させる予定とのことです。

 

② 株式併合

 公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者及び公開買付者の特別支配株主完全子法人となる予定のRays社が所有する当社の議決権の合計数が当社の総株主の議決権の数の90%未満となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「株式併合」といいます。)を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2024年12月中旬を目途に開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者及びRays社は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。

 本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、当社の株主に対して、会社法第235条及び第234条第2項乃至第5項その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切捨てられます。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、Rays社及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に要請する予定とのことです。また、株式併合の割合は、本書提出日現在において未定とのことですが、公開買付者及びRays社のみが当社株式の全て(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、Rays社及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。

 株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、株式併合に反対する当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、Rays社及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する当社の株主は、上記申立てを行うことができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。

 上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があるとのことです。但し、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主(公開買付者、Rays社及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。

 以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社に速やかに公表していただくよう要請する予定とのことです。

 なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記各手続における税務上の取扱いについては、株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきいとのことです。

 

(6)本公開買付けの価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

 本書提出日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当しません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しません。

 もっとも、公開買付者は本書提出日現在において、当社株式を所有しておりませんが、当社の親会社であるRS社との間で本株式等譲渡契約を締結しており、Oasisグループとそれら以外の当社の株主の皆様との利害が必ずしも一致しない可能性があること、本公開買付けは当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的として実施されること等を踏まえ、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、公開買付者及び当社において、以下の①から⑨までの措置を実施しました。

 なお、公開買付者は、Rays社所有当社株式が18,364,300株(所有割合:63.88%)であることに鑑み、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定しないとのことですが、公開買付者は、公開買付者及び当社において以下の措置を講じていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。

 また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 入札手続の実施

 上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程」に記載のとおり、当社は、2024年4月上旬より、複数の候補先に打診することによる二段階の入札プロセスを実施しております。また、本第二次入札プロセスにおいて最終提案書の条件として候補者に対し提示されていた、3ヶ月間の法的拘束力のある提案であること及びデュー・ディリジェンスを完了していることを充足する提案の中では公開買付者から提案された本公開買付価格が最高額であり、公開買付者が当社の株主の皆様にとって最も望ましい条件を提示した候補先でした。

 

② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、当社及びOasisグループから独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、2024年4月上旬に、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年9月13日付で本株式価値算定書(みずほ証券)を取得したとのことです。なお、みずほ証券は、公開買付者、当社及びOasisグループからは独立した算定機関であり、公開買付者、当社及びOasisグループの関連当事者には該当せず、本取引に関して公開買付者、当社及びOasisグループとの利益相反に係る重要な利害関係を有していないとのことです。なお、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考え、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。

 

③ 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、公開買付者、Oasisグループ及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、UBS証券に対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年9月13日、本株式価値算定書(UBS証券)を取得しました。なお、UBS証券は、公開買付者、Oasisグループ及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本特別委員会は、UBS証券の独立性に問題がないことを確認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認した上で、UBS証券を当社の第三者算定機関として承認しております。本取引に係るUBS証券の報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬ですが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりUBS証券を当社の第三者算定機関として選任しております。

 当社がUBS証券から取得した本株式価値算定書(UBS証券)の詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。

 

④ 当社における独立した特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設立等の経緯

 当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程」に記載のとおり、2024年2月28日開催の取締役会における決議により、当社の社外取締役・監査等委員である深井崇史氏及び中瀬進一氏により構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問いたしました。加えて、当社は、同取締役会において、本取引に係る当社取締役会の意思決定は、上記嘱託に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われること、特に本特別委員会が本取引の取引条件を妥当でなく、本公開買付けに賛同すべきでないと判断したときには、当社取締役会は本公開買付けに賛同しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、本特別委員会権限を付与することを決議しました。また、当社は、本特別委員会から、外部有識者である中務正裕氏(弁護士)を追加の特別委員候補者として推薦されたことを受け、2024年3月22日開催の当社取締役会において、中務正裕氏を本特別委員会の委員とすることを決議しました。

 その後、本特別委員会は、2024年3月26日、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるUBS証券及びリーガル・アドバイザーである西村あさひにつき、独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しました。また、本特別委員会は、同日、下記「⑤ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、その独立性及び専門性を検討の上、独自の第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨を決定しております。

 なお、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。

 

(ⅱ)検討の経緯

 本特別委員会は、2024年3月14日から2024年9月12日までの間に合計21回にわたって開催され、本諮問事項に関して、慎重に協議及び検討を行いました。

 具体的には、本特別委員会は、当社から、本取引の目的や意義、当社事業に対する影響等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を実施しております。さらに、本特別委員会は、本第二次入札プロセスにより優先交渉権を付与された公開買付者に対し、公開買付者グループにおける当社の位置づけ、当社に対する評価、本取引の目的・理由、本取引後の経営体制・経営方針等に関する質問事項書を作成して送付し、公開買付者から書面回答を受領した上で、当該書面回答に対する補足説明を受けるとともに、質疑応答を実施しております。

 また、本特別委員会は、当社、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるUBS証券及び当社にリーガル・アドバイザーである西村あさひから、本入札プロセスの過程及び状況並びに当社と公開買付者及びOasisグループとの間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、適宜必要な意見を述べることで、公開買付者との協議に実質的に関与しました。

 さらに、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである西村あさひから、その独立性及び専門性に鑑み、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けています。

 

(ⅲ)判断内容

 本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に検討・協議を重ねた結果、2024年9月13日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書を提出しております。

 

(ア)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)

 本特別委員会が公開買付者及び当社から受けた本取引の検討の経緯、目的、シナジー等に関する説明を踏まえると、本取引における目的は、当社を非公開会社化し、公開買付者グループの中に参画させることにより、①公開買付者グループの有する案件情報及び当社グループのバリューアップノウハウの相互活用、②公開買付者グループが有する多様な投資家・取引先及び当社グループの顧客網の相互紹介によるエグジット先の拡充及びエグジット戦略の柔軟化、並びに③公開買付者の安定的かつ低コストの資金調達力を活用した当社グループの資金調達コストの削減及び安定的な資金調達により、当社及び公開買付者の企業価値の向上を目指すことにあると考えられる。①及び②については、公開買付者からの案件情報の共有及び投資家・取引先の紹介により、当社の仕入を現在より更に安定させるとともに、当社がより幅広い案件を手掛け、それらを収益につなげることに資するものであり、また、③についても公開買付者の資金調達力を活用して資金調達コストを削減し、安定的な資金調達を行うことにより、当社がより幅広い案件を手掛けること、当社の事業を更に発展させることに寄与するものであり、これらは、当社グループを安定的に発展させ収益を向上させることにつながり、当社グループの企業価値を更に向上させるものと考えられ、本取引の目的は正当かつ合理的なものと考えられる。

 また、公開買付者が想定する企業価値向上施策は、いずれも実現可能性を疑わせる不合理な点はなく、当社の競争力と収益力を向上させ、当社の安定的な成長に資すると考えられることから、合理性があると考えられる。その他、公開買付者の説明する経営方針に不当又は不合理な点は見受けられない。

 なお、本取引が当社の企業価値向上に悪影響を与える可能性があり得る点として、①当社が公開買付者グループに入ることに伴い当社の現状の事業運営の方針や実務が当社にとって望ましくない形で変更されてしまう可能性、及び、②資金調達先が公開買付者と関係性が深い金融機関に限定され、それ以外の金融機関との関係性が希薄化し、ひいては当該金融機関から案件の紹介が受けられなくなる可能性を検討したが、公開買付者によれば、当社の強みの源泉である現在の事業モデル、現在の役職員による経営体制及び当社の各取引金融機関との取引関係について、現行体制を軸に、公開買付者から支援を行い、当社の企業価値向上に向けた最適な体制強化を図っていくとのことであり、このような公開買付者の説明等を前提にすると、当社が公開買付者の傘下に入ることで、直ちに上記①及び②のような懸念が現実化することは想定し難いと考えられる。

 したがって、本取引は、当社の企業価値の向上に資するものと認められ、その目的は正当かつ合理的と認められる。

 

(イ)本取引に係る手続の公正性

 以下のとおり、本取引においては、当社の少数株主の利益を図る観点から、公正性を担保するための各措置が行われており、その内容に不合理な点は見当たらない。また、本取引に至る交渉過程においても法令遵守の観点から、特段の問題は見当たらない。したがって、本取引に係る手続の公正性は確保されているものと考えられる。

・本取引の検討に際して、本入札プロセスの開始前の段階から独立性を有する特別委員会が設置されており、本特別委員会の設置時期・プロセス、委員の選定プロセス、外部アドバイザーによる専門的助言の取得、本入札プロセス及び候補者との協議・交渉過程への関与、本取引に関する情報取得体制、委員の報酬体系、当社取締役会における本特別委員会の判断の取扱い等からみても、これが有効に機能していることが認められる。

・当社は、本入札プロセスの開始前に、公開買付者、当社及びOasisグループから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひを選任し、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けていたことが認められる。

・当社は、本入札プロセスの開始前に、公開買付者、当社及びOasisグループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてUBS証券を選任し、本取引のストラクチャーや代替手段、代替取引の検討、価格交渉等についての助言を得たほか、同社に対して当社株式の株式価値の算定を依頼し、本株式価値算定書(UBS証券)を取得している。

・本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、プルータス・コンサルティングを選任し、プルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス)を取得している。

・本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり5,913円は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。

・公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに当たり、公開買付者、当社及びOasisグループから独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、本株式価値算定書(みずほ証券)を取得している。

・本入札プロセスは、①当社が、独立した専門家であるUBS証券をアドバイザーとして選任した上で、当社の事業に強い興味を持つと考えられる多数の候補先に打診し、Oasisグループを含む株主の利益の最大化及び当社の企業価値向上を目的として実施したものと認められること、②入札過程において、特定の候補者を恣意的に排除したことや、候補者同士を不合理に不公平に取り扱ったことは窺われないこと、及び③本特別委員会が、当社、UBS証券及び西村あさひから、公開買付者と当社及びOasisグループとの間の協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、特別委員会を都度開催し、プルータス・コンサルティングのアドバイスも受けながら、方針等を協議し当社に対し意見を述べる等して、最終的な本取引の取引条件の提案を受けるに至るまで、公開買付者と当社及びOasisグループとの間の協議・交渉の過程に実質的に関与していることから、適切な配慮がなされた上でマーケット・チェックが実施されたものと評価することができる。

・本取引においては、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)が法令に定められた最短期間である20営業日を超える30営業日に設定されており、当社の株主に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、これをもって本公開買付価格の適正性を担保することが企図されたものであるといえる。

・本株式等譲渡契約及び公開買付者及び当社の間で締結された覚書(以下「本覚書」といいます。)に定められた取引保護条項においては、各契約締結後に当社及びOasisグループにおいて、公開買付者にて実施される本取引よりも良い条件の対抗提案を能動的に勧誘することは禁止されているものの、本件においては既に本入札プロセスを通じた積極的なマーケット・チェックが行われていることに照らすと、能動的に更なるマーケット・チェックを行う必要性は乏しく、また、当該取引保護条項は、(当社及びOasisグループの勧誘に起因しない形で)対抗提案者からより良い条件の対抗提案があった場合にも一切の交渉ができないといった過度な制限とはなっておらず、さらに、RS社が本対抗公開買付け(下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本株式等譲渡契約」の「(ウ)公開買付者によるRays社株式等の譲受けを実行する義務の前提条件)」に定義します。以下同じ。)又は本対抗提案(下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本株式等譲渡契約」の「(エ)その他」に定義します。以下同じ。)を理由に本株式等譲渡契約を解除する場合に公開買付者に支払う違約金は、全体の買付価格の0.9%程度であり、実質的に当社の株主に対して公開買付者による本取引を承認することを強制する効果を持つものではないこと、公正な入札手続に参加して勝利した者にその程度の見返りを付与することは、入札手続における競争環境を保つ(各候補者が最善の提案を出すモチベーションを保つ)ために合理的に必要なことであり、それによって入札手続内で最大限の条件を引き出すことができることにより、少数株主の利益にもつながると考えられることからすると、合理的な範囲で定められたものであって、妥当なものと考えられる。

・本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティの買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあること、本公開買付けにおいては、適切な公正性担保措置が実施されており、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えられることからすると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、必要な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではない。

・本取引においては、株主の適切な判断に資する充実した情報を分かりやすく開示することが予定されていることが認められ、また、当該開示は、本取引の取引条件の形成過程の透明性を向上させることにも資するものと評価することができる。

・本取引においては、少数株主に対する強圧性を生じさせないような配慮がなされているといえ、手続の公正性の確保に資する対応が取られていると考えられる。

 

(ウ)本取引の取引条件の公正性及び妥当性

 以下のとおり、当社の企業価値は適正に評価されており、また、本公開買付価格、RS社が所有するRays社株式及び本債権の譲渡価額並びに本スクイーズアウト手続において本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対して交付される対価の額を含めて、本取引に係る取引条件は適正に設定されていると評価できるから、本取引における取引条件の公正性及び妥当性は確保されているものと考えられる。

・本取引の取引条件に関する協議・交渉の過程は、独立した当事者間の交渉と認められる公正なものであり、企業価値を高めつつ少数株主にとってできる限り有利な取引条件で本取引が行われることを目指した合理的な努力が行われる状況が確保されていたものと認められる。

・本公開買付価格である5,913円は、UBS証券が算定した市場株価平均法、類似企業比較法及びDDM法による算定結果のレンジの各上限をいずれも上回るものであり、UBS証券による当社の株式価値の算定結果との関係で高い水準の価格であるといえる。なお、本特別委員会は本株式価値算定書(UBS証券)の内容を検討するとともに、UBS証券から、本株式価値算定書(UBS証券)の内容について説明を受け、質疑応答を行った結果、UBS証券が当社株式の価値の算定に当たり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理な点は認められなかった。

・本公開買付価格である5,913円は、プルータス・コンサルティングが算定した市場株価法及び類似会社比較法による算定結果のレンジの各上限を上回るものであり、また、DCF法による算定結果のレンジの中央値(4,710円)を上回り、かつ、同レンジの上限に近いものであり、プルータス・コンサルティングによる当社の株式価値の算定結果との関係で高い水準の価格であるといえる。なお、本特別委員会は本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)の内容を検討するとともに、プルータス・コンサルティングから、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)の内容について説明を受け、質疑応答を行った結果、プルータス・コンサルティングが当社株式の価値の算定に当たり採用した手法及び算定の過程並びに株式価値の算定結果について、特段不合理な点は認められなかった。

・本特別委員会は、2024年9月12日付で、プルータス・コンサルティングから、本公開買付価格である1株当たり5,913円は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の本フェアネス・オピニオンを取得している。

・本公開買付価格(5,913円)は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年9月12日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値3,060円に対して93.24%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間(2024年8月13日から2024年9月12日まで)の終値単純平均値(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じ。)3,159円に対して87.18%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間(2024年6月13日から2024年9月12日まで)の終値単純平均値3,273円に対して80.66%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間(2024年3月13日から2024年9月12日まで)の終値単純平均値3,403円に対して73.76%のプレミアムを加えた価格となっている。かかるプレミアム率は、近時の同様の事案(2021年1月以降に公表され、2024年9月12日までに成立した事例のうち、日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例(取引金額100億円以上)110件におけるプレミアムの水準の平均値は、公表日前営業日の終値に対して45.03%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して46.06%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して45.88%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して47.02%)と比較して高い水準のプレミアムとなっている。加えて、本公開買付価格(5,913円)は、2001年4月に記録した、当社株式の上場来最高値である4,200円に40.79%のプレミアムを加えた価格であり、当社の全ての株主が、当該プレミアム以上の経済利益を享受できる十分な水準のプレミアムが付されているものと考えられる。

・本取引は、公開買付者が、Rays社所有当社株式を除く当社株式に対して公開買付けを行う一方で、RS社からRays社の株式を譲り受けることで、Rays社所有当社株式を間接的に取得するスキームとなっているところ、Rays社の株式の譲渡価額は、Rays社所有当社株式の価値を当該株式の数に本公開買付価格を乗じて得られる金額として算定したRays社の純資産額と同等の金額と定められ、また、公開買付者が、RS社からRays社の株式とともに譲り受ける本債権の譲渡価額も、当該債権の債権額と同等の金額と定められており、Rays社株式等譲渡価額は、Rays社がRays社所有当社株式を本公開買付けに応募した場合に、Rays社の株主であるRS社が受領することとなるのと同等の経済的価値をRS社に提供するものといえ、当該スキームによって、RS社が不当に利益を得ることはなく、その他、当該スキームに不合理な点は見受けられず、当該スキームは少数株主に不利益を及ぼすものではないと認められる。

・本スクイーズアウト手続においては、少数株主が本公開買付けに応募するか否かにあたって、仮に本公開買付けに応募しなかった場合に不利に取り扱われることが予想される状況には陥らないような配慮がなされていることから、本スクイーズアウト手続に係る取引条件は、公正かつ妥当であるといえる。

 

(エ)本取引に関する決定を行うことが当社の少数株主にとって不利益なものではないか

 上記(ア)乃至(ウ)のとおり、本取引は、当社の企業価値向上に資するものと認められ、その目的は正当かつ合理的と認められること、本取引に係る手続の公正性は確保されているものと考えられること、本公開買付価格を含む本取引における取引条件の公正性及び妥当性が確保されているものと考えられることからすると、当社取締役会が本取引に関する決定を行うこと(本公開買付けに対して当社取締役会が賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを含む。)は、当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。

 

(オ)当社取締役会が本取引の一環として本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して応募を推奨することの是非

 上記(ア)乃至(エ)を踏まえると、当社取締役会が本取引の一環として本公開買付けに対して賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは妥当であると考えられる。

 

⑤ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得

 上記「④ 当社における独立した特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、公開買付者、Oasisグループ及び当社のいずれからも独立した第三者算定機関として、プルータス・コンサルティングに対して、当社株式の株式価値の算定及び本公開買付価格は当社の少数株主にとって財務的見地から公正なものである旨の意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2024年9月12日、本株式価値算定書(プルータス)及び本フェアネス・オピニオンを取得しました。なお、プルータス・コンサルティングは、公開買付者、Oasisグループ及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。本特別委員会がプルータス・コンサルティングから取得した本株式価値算定書(プルータス)の詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ⅱ)算定の概要」をご参照ください。本特別委員会がプルータス・コンサルティングから取得した本フェアネス・オピニオンの詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」の「(ⅲ)本フェアネス・オピニオンの概要」をご参照ください。

 

⑥ 当社における独立した法律事務所からの助言

 当社は、本公開買付けに対する意見表明を含む、本取引に係る当社の意思決定の恣意性を排除し、公正性、透明性及び客観性のある意思決定過程を確保することを目的として、公開買付者、Oasisグループ及び当社から独立したリーガル・アドバイザーである西村あさひから、本公開買付けに係る当社の意思決定の方法及びその他の意思決定にあたっての留意点等について、必要な法的助言を受けております。

 なお、西村あさひは、公開買付者、Oasisグループ及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係る西村あさひの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。

 

⑦ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む。)全員の承認

 当社は、西村あさひ及びUBS証券から受けた助言、本株式価値算定書(UBS証券)の内容並びに公開買付者及びOasisグループとの間で実施した本取引に関連する協議の内容その他の関連資料を踏まえて、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限尊重しながら、本取引の意義及び諸条件について慎重に審議及び検討を行った結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程」に記載のとおり、2024年9月13日に、当社の取締役15名のうち、審議及び決議に参加した取締役(金井健太郎氏(以下「金井氏」といいます。)及び篠原雄治氏(以下「篠原氏」といいます。)を除く13名。監査等委員を含みます。)の全員一致で、当社の意見として、本公開買付けに関して、賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨を決議いたしました。

 なお、当社の取締役15名(監査等委員を含みます。)のうち、金井氏はOasis Management Japan Ltd.の日本における代表者であり、篠原氏は同社のシニア・アナリストを兼務しているため、Oasisグループと当社の少数株主の利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、当該取締役会における本取引の検討に関する審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場において、本取引の検討、本取引に係る公開買付者及びOasisグループとの協議及び交渉にも一切参加しておりません。

 

⑧ 当社における独立した検討体制の構築

 当社は、公開買付者及びOasisグループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、2024年2月16日にRays社から本取引に関する連絡を受けて以降、当社の取締役会決議により、本取引の検討及び本取引に関する協議及び交渉を行う社内検討体制を設置し、そのメンバーは、Oasisグループの役職員を兼務していない当社の取締役2名(小町剛氏及び飯塚達也氏)及び従業員4名のみから構成されるものとし、かかる取扱を継続しております。このような検討体制の構築については、そのメンバーの選任方法を以下のとおりとすることについて特別委員会に対し説明し、承認を得ております。

(1)本取引を推進する役職員は、独立性の観点から、Oasisグループとの兼務関係がなく、過去にOasisグループの役職員としての地位を有していたことのない者であること等を確認の上、代表取締役社長が選任し、特別委員会に報告するものとすること

(2)案件の進捗状況により、独立性の観点から、Oasisグループとの兼務関係がなく、過去にOasisグループの役職員としての地位を有していたことのない者であることを確認の上で、代表取締役社長の判断で必要に応じてメンバーを追加・変更するものとすること(但し、追加・変更した場合はその内容を随時、特別委員会に報告することを条件とすること)

 

⑨ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置

 公開買付者は、本公開買付けに係る公開買付期間について、法令に定められた最短期間である20営業日よりも長い30営業日としているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間と比較して比較的長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

 また、下記「(7)公開買付者と当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本株式等譲渡契約」の「(ウ)公開買付者によるRays社株式等の譲受けを実行する義務の前提条件」及び「(エ)その他」並びに「② 本覚書」に記載のとおり、本株式等譲渡契約及び本覚書においては、当社及びOasisグループが、公開買付者にて実施される本取引よりも良い条件の提案等を能動的に勧誘することは禁止されているものの、(当社及びOasisグループの勧誘に起因しない形で)対抗提案者からより良い条件の提案等があった場合に一切の協議・交渉を禁止する内容の合意は行われておりません。加えて、RS社が本対抗公開買付け又は本対抗提案を理由に本株式等譲渡契約を解除する場合に公開買付者に支払う違約金は、全体の買付価格の0.9%程度であり、実質的に当社の株主に対して公開買付者による本取引を承認することを強制する効果を持つものではないことからすると、対抗的な買付け等の機会は、合理的な範囲で確保されているものと考えております。

 さらに、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程」に記載のとおり、当社は本入札プロセスを実施しており、一定の競争状態において、他の複数の候補先との比較を通じて公開買付者を選定した経緯があります。したがって、公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は既に十分に設けられていたと考えております。

 

(7)公開買付者と当社の株主との間における本公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項

① 本株式等譲渡契約

(ア)本株式等譲渡契約の概要

 公開買付者は、2024年9月13日付で、RS社との間で、本株式等譲渡契約を締結し、RS社がRays社をしてRays社所有当社株式(所有株式:18,364,300株、所有割合:63.88%)の全てを本公開買付けに応募させないこと、及び、Rays社株式等譲渡日において、RS社が所有するRays社株式等をRays社株式等譲渡価額で公開買付者に対して譲渡し、公開買付者がこれらを譲り受けることを合意しているとのことです。

 

(イ)RS社によるRays社株式等譲渡を実行する義務の前提条件

 本株式等譲渡契約において、RS社によるRays社株式等譲渡を実行する義務の前提条件として、(ⅰ)本公開買付けが成立していること、(ⅱ)本株式等譲渡契約上の公開買付者の表明及び保証(注1)が重要な点で真実かつ正確であること、(ⅲ)公開買付者が本株式等譲渡契約上の義務(注2)を重要な点で履行又は遵守していること、(ⅳ)公開買付者が本公開買付けの実施又はRays社株式等譲渡の実行に必要な司法・行政機関の許認可(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第10条第2項に基づく届出を含みます。)(以下、かかる届出を「本届出」といいます。)を行い、法定の待機期間が満了していること、並びに、(ⅴ)公開買付者が、Rays社株式等譲渡価額の支払い及び本公開買付けにおける買付け等に要する資金の存在を証明する書類(以下「本資金証明書類」といいます。)をRS社に提示していることが規定されているとのことです。なお、RS社は、その任意の裁量により、これらの前提条件の全部又は一部を放棄して、Rays社株式等譲渡を実行する義務を履行することができるとされているとのことです。

(注1) 本株式等譲渡契約において、公開買付者は、RS社に対して、(ⅰ)公開買付者の適法な設立、存続及び権限、(ⅱ)公開買付者の本株式等譲渡契約の締結及び履行のための権利能力及び行為能力並びに必要な手続の履践、(ⅲ)本株式等譲渡契約の公開買付者に対する強制執行可能性、(ⅳ)公開買付者による本株式等譲渡契約の締結又は履行に必要となる許認可等の取得、(ⅴ)公開買付者による本株式等譲渡契約の締結又は履行に関する、法令等、公開買付者の内部規則、公開買付者が当事者である契約等及び司法・行政機関の判断等への抵触の不存在、(ⅵ)公開買付者が反社会的勢力でないこと、(ⅶ)公開買付者に係る法的倒産事由の不存在、並びに、(ⅷ)本資金証明書類の内容の重要な点における正確性及び適正性について、表明及び保証を行っているとのことです。

(注2) 本株式等譲渡契約において、公開買付者は、(ⅰ)Rays社株式等を譲り受ける義務のほか、(ⅱ)Rays社株式等譲渡のために必要な本届出を行う義務、(ⅲ)Rays社株式等譲渡後のRays社の取締役及び新たな登録住所をRS社に通知する義務、(ⅵ)Rays社の取締役に対してRays社株式等譲渡の実行前のRays社の取締役としての責任を追及しない義務、(ⅴ)秘密保持義務その他の本株式等譲渡契約上の一般条項に基づく義務を負っているとのことです。

 

(ウ)公開買付者によるRays社株式等の譲受けを実行する義務の前提条件

 本株式等譲渡契約において、公開買付者によるRS社からのRays社株式等の譲受けを実行する義務の前提条件として、(ⅰ)本公開買付けが成立していること、(ⅱ)本株式等譲渡契約上のRS社の表明及び保証(注3)が重要な点で真実かつ正確であること、(ⅲ)RS社が本株式等譲渡契約上の義務(注4)を重要な点で履行又は遵守していること、(ⅳ)公開買付者が本届出を行い、法定の待機期間が満了していること、(ⅴ)Rays社の取締役会が、Rays社株式等譲渡を承認する旨の決議を適法かつ有効にしており、当該決議が撤回されていないこと、(ⅵ)Rays社が本配当決議を実施していること、(ⅶ)下記の(注4)の(ⅳ)に定める各行為が完了していること、(ⅷ)本覚書(注5)が有効に締結され、存続していること、並びに、当社が本覚書に基づき履行又は遵守すべき義務が重要な点において履行又は遵守されていること(但し、当社が当該義務に違反した場合でも、当該違反が当社グループの財務状態、経営成績、キャッシュ・フロー、事業、資産、負債若しくは将来の収益計画又はそれらの見通しに重大な悪影響を及ぼすものでなければ(ⅷ)は充足したものとみなす旨規定されているとのことです。)、(ⅸ)RS社の本株式等譲渡契約に基づく補償義務の履行に必要な資金の提供に関してOasisが公開買付者に対して差し入れた確認書が有効に存続していること、並びに(ⅹ)Rays社の財務状態、経営成績、キャッシュ・フロー、事業、資産、負債若しくは将来の収益計画又はそれらの見通しに重大な悪影響を及ぼす可能性のある事由又は事象(但し、当社株式に係る株価の下落に伴うものを除きます。)が発生又は判明しておらず、そのおそれもないことが規定されているとのことです(注6)。なお、公開買付者は、その任意の裁量により、これらの前提条件の全部又は一部を放棄して、Rays社株式等の譲受けを実行する義務を履行することができるとされているとのことです。

(注3) 本株式等譲渡契約において、RS社は、公開買付者に対して、(ⅰ)RS社の適法な設立、存続及び権限、(ⅱ)RS社の本株式等譲渡契約の締結又は履行のための権利能力及び行為能力並びに必要な手続の履践、(ⅲ)本株式等譲渡契約のRS社に対する強制執行可能性、(ⅳ)RS社による本株式等譲渡契約の締結又は履行に必要となる許認可等の取得、(ⅴ)RS社による本株式等譲渡契約の締結又は履行に関する、法令等、RS社の内部規則、RS社が当事者である契約等及び司法・行政機関の判断等への抵触の不存在、(ⅵ)RS社が反社会的勢力でないこと、(ⅶ)RS社に係る法的倒産事由の不存在、(ⅷ)Rays社株式の発行状況等、(ⅸ)Rays社株式に係る権利の帰属及び負担等の不存在、(ⅹ)本債権に係る権利の帰属及び負担等の不存在、(xi)Rays社の適法な設立、存続及び権限、(xⅱ)RS社による本株式等譲渡契約の締結又は履行に関する、法令等、Rays社の内部規則、Rays社が当事者である契約等及び司法・行政機関の判断等への抵触の不存在、(xⅲ)Rays社によるRays社株式等譲渡に必要な手続の履践、(xⅳ)当社以外のRays社の子会社及び関連会社等の不存在、(xv)Rays社所有当社株式の権利の帰属及び負担等の不存在、(xⅵ)Rays社の財務諸表の内容の適正性及び簿外債務の不存在、(xⅶ)Rays社によるRays社所有当社株式の保有以外の事業の不存在、(xⅷ)Rays社における簿外資産の不存在、(xⅸ)Rays社が当事者となっている取引又は契約等の不存在、(xx)Rays社の負担に係る本取引に関するアドバイザー等に対するフィーその他の支払義務の不存在、(xxⅰ)Rays社における法令等又は司法・行政機関等の判断等への違反等の不存在、(xxⅱ)Rays社の事業に必要な許認可等の不存在、(xxⅲ)Rays社の税務申告及び支払いの適正性、(xxⅳ)Rays社における従業員の不存在、役職員への報酬等の支払債務の不存在並びに人事関連の社内規定及び役職員との契約等への違反の不存在、(xxv)Rays社を当事者とする訴訟等及びクレーム等の不存在、(xxⅵ)Rays社に係る法的倒産事由の不存在、(xxⅶ)Rays社が反社会的勢力でないこと、並びに、(xxⅷ)RS社又はRays社に関する情報開示の正確性について、表明及び保証を行っているとのことです。

(注4) 本株式等譲渡契約において、RS社は、(ⅰ)Rays社株式等を譲り渡す義務のほか、(ⅱ)Rays社をして、Rays社所有当社株式の保有を除く何らの事業も行わせない義務、(ⅲ)当社グループをして、通常の業務の範囲においてその業務の執行並びに財産の管理及び運営を行わせる努力義務、(ⅳ)Rays社をして、Oasisグループへの貸付金又は預け金の全額の返済を受けさせ、本貸付債権以外のRays社の借入金の全額を返済させ、Rays社所有当社株式の一部(5,706,037株)に設定されている質権を含むRays社所有当社株式に設定されている一切の担保権を除去又は抹消させる義務、(ⅴ)Rays社所有当社株式について、第三者への譲渡、又は担保権の設定その他の方法による処分を行わせない義務、(ⅵ)Rays社によるRays社所有当社株式に係る議決権その他の株主権の行使につき、公開買付者の承諾を受ける義務、(ⅶ)Rays社株式等譲渡の実行に必要な一切の手続を行う義務、(ⅷ)Rays社の全ての役職員をして、Rays社から辞任又は退職する旨のLetter of resignationを提出させ、金井健太郎氏及び篠原雄治氏をして、当社の取締役を辞任する旨の辞任届を提出させる義務、(ⅸ)Rays社をしてRays社及びOasis Management(Hong Kong)の間の賃貸借の合意解約書を締結させる義務、(ⅹ)当社グループをして、本取引の実行に際して他の当事者の承諾又は他の当事者に対する通知を要する旨の規定を含む一定の契約について当該承諾を取得させ又は通知を行わせる努力義務、(xi)公開買付者に対して、Rays社に係る情報へのアクセスを認める義務、(xⅱ)当社又は当社グループの役職員に対する勧誘禁止義務、(xⅲ)RS社につき解散若しくは清算又はその他法的倒産手続の開始の申立てを行わない義務、(xⅳ)Rays社をして本配当決議を行わせる義務、(xv)Oasisグループ若しくは当社において、第三者による当社の普通株式を対象とする公開買付け(以下「本対抗公開買付け」といいます。)その他本取引と実質的に抵触若しくは矛盾し又はそのおそれが合理的に見込まれる取引(以下「対抗取引」といいます。)に関する提案、勧誘又は申出を受けた場合における、公開買付者に対する通知義務及び公開買付者との誠実協議義務、(xⅵ)公開買付者以外の者に対して、対抗取引の申込み又は申込みの勧誘を行わず、かつ、Oasisグループをしてこれらの行為を行わせない義務、(xⅶ)秘密保持義務その他の本株式等譲渡契約上の一般条項に基づく義務を負っているとのことです。

(注5) 当社が本覚書に基づき履行又は遵守すべき義務の内容を含め本覚書の内容については下記「② 本覚書」をご参照ください。

(注6) 本株式等譲渡契約において、Rays社は、本公開買付けが成立したにもかかわらず、上記「(ウ)公開買付者によるRays社株式等の譲受けを実行する義務の前提条件」の(ⅱ)、(ⅲ)又は(ⅹ)に記載した事由のいずれかが充足されずRays社株式等譲渡日にRays社株式等譲渡が実行されなかった場合に、公開買付者が希望するときは、Rays社株式等譲渡価額の減額その他合理的な条件の変更を行った上でRays社株式等譲渡を実行することについて、公開買付者との間で優先的に協議するものとされているとのことです。

 

(エ)その他

 上記のほか、本株式等譲渡契約では、(ⅰ)公開買付者が本公開買付けを開始する前提条件、(ⅱ)(a)RS社が、本株式等譲渡契約の締結日から公開買付期間の末日の2営業日前の日までの間に、本対抗公開買付けが開始され、又はOasisグループ又は当社が本対抗公開買付けを開始する旨の法的拘束力のある真摯な提案(以下「本対抗提案」といいます。)を第三者から受領した場合であって、かつ(b)本対抗公開買付けにおける公開買付価格又は本対抗提案に係る買付価格が本公開買付価格(買付条件の変更により公開買付価格が引き上げられた場合には、当該変更後の公開買付価格)を上回る場合には、RS社は、Rays社株式等譲渡の実行前に限り、本株式等譲渡契約を解除することができること(但し、RS社は、本株式等譲渡契約を解除する前に、公開買付者と協議を行うものとし、RS社が公開買付者に対して協議の開始を要求した日の翌営業日から起算して12営業日を経過する日、公開買付者が協議を開始した日の翌営業日から起算して10営業日を経過する日又は公開買付期間の末日のいずれか早い方の日までに、本公開買付価格を、本対抗公開買付けの公開買付価格又は本対抗提案に係る買付価格と同額以上に引き上げる場合、又は、RS社が上記「(ウ)公開買付者によるRays社株式等の譲受けを実行する義務の前提条件」の((注4)の(xv)及び(xⅵ)に記載した義務に違反している場合には、当該解除を行うことはできない旨が規定されております。)、(ⅲ)RS社が、上記(ⅱ)に基づいて本株式等譲渡契約を解除した場合、RS社は、公開買付者に対して、違約罰として15億円を支払うこと、並びに、(ⅳ)RS社又は公開買付者が本株式等譲渡契約に基づく義務又は表明及び保証に違反した場合の補償義務等(注7)が規定されているとのことです。

(注7) RS社の表明及び保証の違反に基づく補償等の額は、原則としてRays社株式等譲渡価額の5%を超えないものとされているとのことです。

 

② 本覚書

 公開買付者は、2024年9月13日付で、当社との間で本覚書を締結しており、本覚書においては、(ⅰ)当社グループの業務執行及び財産の管理・運営に関する当社の善管注意義務及び公開買付者の事前承諾事項、(ⅱ)公開買付者以外の者から対抗取引に関する提案、勧誘又は申出を受けたことを認識した場合における公開買付者に対する当社の通知義務、並びに、(ⅲ)公開買付者以外の者に対して、対抗取引の申込み又は申込みの勧誘を行わない当社の義務等を規定しております。

 

4【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】

氏名

役名

職名

所有株式数(株)

議決権数(個)

小町 剛

代表取締役社長

101,000

1,010

飯塚 達也

代表取締役副社長

158,300

1,583

磯貝 清

専務取締役

81,500

815

染谷 太郎

専務取締役

不動産本部長

25,000

250

堀江 和久

常務取締役

投資本部長

23,000

230

井上 大輔

取締役

不動産本部

不動産部長

7,800

78

小澤 信幸

取締役

法務戦略本部長

兼 不動産法務部長

15,600

156

岡田 英明

取締役(常勤監査等委員)

63,500

635

深井 崇史

社外取締役(監査等委員)

20,000

200

中瀬 進一

社外取締役(監査等委員)

5,000

50

500,700

5,007

 (注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。

 (注2) 取締役深井崇史氏及び中瀬進一氏は、監査等委員である社外取締役であります。

 

5【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】

 該当事項はありません。

 

6【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】

 該当事項はありません。

 

7【公開買付者に対する質問】

 該当事項はありません。

 

8【公開買付期間の延長請求】

 該当事項はありません。