当行グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行が判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
(1)経営理念
あおぞらミッション(存在意義)
・新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する
あおぞらビジョン(目指す姿)
・時代の変化に機動的に対応し、常に信頼され親しまれるスペシャリティー高い金融グループであり続ける
あおぞらアクション(行動指針)
・ユニークで専門性の高い金融サービスを提供する
・迅速に行動し、粘り強く丁寧に対応する
・チームワークを重視し、みんなで楽しく仕事をする
・仲間の多様な生き方、考え方、働き方を尊重し、仲間の成長を支援する
・過去を理解し未来志向で今日の課題に取り組む
・創意工夫で新規領域にチャレンジする
・社会のサステナブルな発展に積極的に貢献する
(2)経営環境
欧米では金融引き締めが継続される中、インフレは鈍化の兆しを見せているものの、経済も減速の傾向にあります。米地銀の経営破綻に端を発した金融不安も収まったとは言い切れない状況にあります。また、長期化するロシアのウクライナ侵攻や米中対立による地政学的緊張、経済のデカップリングなどの懸念もあり、先行き不透明な経済環境となっております。日本においては欧米比で遅れたコロナ禍からの経済回復が見込める反面、インフレのさらなる進行や長期化懸念、日銀の金融政策転換も予想され、経済の先行き不透明感が払拭できない状況にあります。
こうした中、中期的なリスクとして、インフレ再燃による更なる金利引き上げとマクロ経済の後退、一連の米銀破綻のような金融不安の再燃や金融規制強化によって銀行経営の自由度が制限されるリスクがあげられます。また、地政学リスクの高まりに対応するサプライチェーン再編を伴う経済ブロック化、インフレの長期化やドル金利の上昇をうけた新興国の経済環境の悪化、それに起因するグローバル経済の低迷があります。銀行業界においては、新型コロナ禍を経た経済の回復過程における産業構造の不可逆的な変化への対応とともに、脱炭素への取り組みの一環として脱炭素社会の実現に向けた企業の取組を支援するサステナブル・ファイナンス推進が求められるなど、行動様式の変化が求められると考えています。
(3)経営計画
当行グループは、2023年度から2025年度までの3年間を計画期間とする、中期経営計画「AOZORA2025」(以下、「AOZORA2025」)を策定し、5月17日に公表いたしました。以下は、公表資料「2022年度決算および新中期経営計画(2023~2025年度)」からの抜粋です。
1.あおぞら型投資銀行ビジネス
あおぞら銀行グループが強みを発揮する「3つの場面(育てる、変わる、再生する)」において、デットからエクイティに至る投融資を通じてお客さまへの長期的な関与(エンゲージメント活動)を行うとともに、お客さまと連携して「あおぞらエコシステム」*を構築し、ともに成長する
1-① あおぞらエコシステム
1-② あおぞらエコシステムを実践するビジネスグループ
1-② ビジネスグループ別中期目標
1-② 法人営業グループ
1-② ストラクチャードファイナンスグループ
1-② インターナショナルビジネスグループ
1-② マーケットグループ
2.あおぞら型プラットフォームビジネス
あおぞら銀行グループおよび外部パートナーとの連携による高度な金融/非金融サービス・ノウハウを個人のお客さまと地域金融機関のお客さまの特性・ニーズに合わせて適切に提供
2-① カスタマーリレーショングループ
3.人的資本への投資
チャレンジする人材への十分な報酬とスキルアップの機会の提供、および外部専門人材を登用する原資として3年後の人件費を約20億円増加させ、あおぞら銀行グループの働き方における「育てる」「変わる」「再生する」を実現する
4.デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
多様な情報資産(データ)やデジタル技術を用いて、業務(商品・サービス)や企業文化を変革することであおぞら銀行グループの競争優位性を確保し、企業価値の向上を実現する
5.あおぞらサステナビリティの推進
中期財務目標
資本政策
「健全性の維持」を念頭に置きつつ、「安定的な株主還元」、「戦略的な資本活用」ともバランスがとれた資本政策を維持する
当行グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当行グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
当行グループは、サステナビリティの推進を経営戦略と一体として捉え、ビジネス及び事業者としての活動に「社会的価値」の観点を組み込み、社会・お客さま・株主・従業員をはじめとする全てのステークホルダーへの貢献と、持続可能な社会の実現、当行グループの企業価値の向上を目指しております。
1.ガバナンス及びリスク管理
(1)サステナビリティ推進の基本的な考え方について
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<サステナビリティ推進の基本的な考え方> 様々なステークホルダーとの対話を通じて、現在及び未来の課題に創造力を働かせ、経済的価値と社会的価値を両立するためのチャレンジを続ける |
新中期経営計画「AOZORA2025」の策定とあわせ、経営理念を踏まえたサステナビリティ推進の目指すべき姿を「サステナビリティ推進の基本的な考え方」として明確化いたしました。
お客さま・株主・従業員をはじめとする様々なステークホルダーとの対話を通じて、環境・社会を含むすべてのステークホルダーへの影響を考え、将来社会への想像力を働かせ、経済的価値と社会的価値の創出を目指してまいります。
(2)サステナビリティ経営の推進体制について
当行グループでは、取締役会の監督のもと、サステナビリティ委員会を中心とした推進体制を構築し、経営と一体化したサステナビリティの取組を推進しております。
2022年1月に新設した「サステナビリティ委員会」(マネジメントコミッティー傘下)では、マテリアリティの特定・見直しや、気候変動への対応など、グループ全社にわたる重要なサステナビリティ課題を審議・決定し、審議内容を必要に応じて取締役会に付議・報告しております。
2022年1月に新設した「グループサステナビリティ連絡会」では、グループ会社・関連会社の参加のもと、実務的な検討事項の協議及びサステナビリティ全般の情報共有等を行い、グループ・ガバナンスの向上を図っております。
また、業務執行においては、グループ全体の取組を企画・総括するサステナビリティ推進部が中心となり、マテリアリティ毎に取り組むべき施策を中期経営計画期間における各部門の業務運営計画へ組み込み、PDCAサイクルを回すことで、サステナビリティ課題への対応を進めております。
2023年4月には、サステナブルファイナンス及び脱炭素コンサルティングの専門チームであるサステナブルビジネス室をサステナビリティ推進部へ新たに統合いたしました。これにより、①気候変動対応を中心としたビジネスの強化、②ビジネス展開及び事業者としての取組の一体的な運営による相互補完、③サステナビリティ人材育成の強化を図ってまいります。
<2022年度の「サステナビリティ委員会」及び「グループサステナビリティ連絡会」の開催状況>
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サステナビリティ委員会 |
グループサステナビリティ連絡会 |
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メンバー |
CEO(議長)、サステナビリティ推進担当役員(副議長)、全業務執行役員、常勤監査役ほか |
サステナビリティ推進担当役員(議長)、グループ会社社長、関連施策の関係部ほか |
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開催回数 |
9回 |
5回 |
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主な議題 |
・新しいマテリアリティの選定 ・統合報告書2022における開示 ・「環境・社会に配慮した投融資方針」の改定 ・「金融向け炭素会計パートナーシップ(PCAF)」への加盟 ・事業者としてのカーボンニュートラル施策の進捗報告 ・新中期経営計画におけるサステナビリティの推進施策 ・将来的な本店のあり方についての議論 ・サステナビリティ推進のための社内浸透策 |
(左記事項のグループ各社への情報共有に加え) ・グループ各社における「環境・社会に配慮した投融資方針」の策定に関する検討・対応 ・サステナビリティ推進関連方針の制改定 |
(3)サステナビリティ方針体系について
環境の保護、人権の尊重、不当な労働の排除、腐敗の防止など、環境・社会課題に対して企業が求められる役割は高度化・多様化しております。また、自らの事業活動に留まらず、サプライチェーン全体も考慮した環境・社会に対する責任を果たしていくこと、特に金融機関においては、投融資ポートフォリオ全体を通じて、環境・社会課題の解決に寄与することが求められております。
当行グループでは、経営理念を実践する行動規範としてグループ全社の役職員が遵守する「倫理・行動基準」を定めております。「環境方針」「人権方針」では、倫理・行動基準のもと、サプライチェーンも含めた環境保護及び人権尊重への取組方針を定め、従業員を含む全てのステークホルダーに向けて公開をしております。
環境方針・人権方針のもと、業務面における具体的指針として、投融資(ビジネス面)においては、「環境・社会に配慮した投融資方針」を、システム、ファシリティを含む物品・サービスの購入や業務委託などの外部調達(事業活動面)においては、「外部調達方針」を制定しております。
2023年6月には、社会貢献活動面における指針として新たに「社会貢献活動方針」を制定し、グループにおける寄付・ボランティア等の社会貢献活動の意義・位置付けを体系的に整理いたしました。
2.戦略
(1)サステナビリティ重点項目(マテリアリティ)について
当行グループでは、マテリアリティを「社会の潮流、ステークホルダーからの期待・要請及び当行グループの企業経営に対する重要性を踏まえ、経営理念の実現のために注力すべき課題」と位置付けております。
刻々と変化する社会潮流のもと、社会的課題の解決のために企業が求められる期待・役割が高度化・多様化するなか、当行グループは限られた経営資源を注力すべき課題領域(マテリアリティ)へ集中的に投入し、創出する社会的・経済的価値の最大化を図っていくことで、経営理念「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」の実現を目指しております。
(2)マテリアリティ及び選定した背景
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項目 |
選定した背景 |
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気候変動への 対応 ※ |
企業におけるグリーントランスフォーメーション(GX)やトランジションの促進、再生可能エネルギーの普及、革新的な新技術・新分野の創出など、脱炭素社会の実現に向けた動きをファイナンス等から支援することは、当行グループが果たすべき重要な役割であり新たなビジネス拡大の機会であると同時に、対応の遅れは企業経営に大きな影響を及ぼすリスクになるため。 |
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産業構造転換の促進 |
あおぞら型投資銀行ビジネスの推進を通じて、産業構造の変革期において、ユニークで付加価値のある金融サービスの提供と経営に対する積極的な関与により、新たな挑戦に取り組むお客さまの構造転換を支援していくことは、当行グループが果たすべき重要な役割でありビジネス拡大の機会であるため。 |
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企業の金融サービスへのアクセス拡大 (スタートアップ/事業再生) |
全ての個人・企業が、経済活動のチャンスを捉えるために必要な金融サービスを利用できる機会を確保すること、特にスタートアップ企業の成長支援及び地域における事業再生・再チャレンジ支援の2つの領域に注力し、企業の成長と地域社会の活性化へ貢献することは、当行グループが果たすべき重要な役割でありビジネス拡大の機会であるため。 |
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DXの推進 |
加速度的に進むデジタル技術の高度化は、既存事業領域の喪失や生活スタイルの転換など、全ての企業・個人に不可逆かつ広範な影響を及ぼしており、社内においてデジタルトランスフォーメーション(DX)を進め、業務の生産性向上、商品・サービスの品質向上を図るとともに、お客さまのDXを支援するサービスに注力することは、企業競争力を高め、かつ新たなビジネス拡大の機会であるため。 |
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事業・財産の形成、次世代への承継 |
国内の少子高齢化が進む中、個人として豊かな人生を過ごし、資産を次世代へ繋ぐこと、国内産業競争力の源泉である中小企業の後継者難・人材難を解決し、次世代へ事業を継承することは、当行グループが果たすべき重要な役割でありビジネス拡大の機会であるため。 |
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ガバナンス・コンプライアンス |
不適切な企業統治やコンプライアンスの軽視、信用不安の惹起、システム障害への対応の遅れ等は、金融機関の事業活動に関わる全てのステークホルダーと、企業経営の持続可能性に重大な影響を及ぼすリスクであり、外部環境の変化に対応した適切なリスクガバナンス態勢の強化、コンプライアンスリスク管理の高度化等を通じた、経営の規律の維持と健全性の確保が極めて重要であるため。 |
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人権の尊重 |
人権侵害への関与・放置は、法令違反や行政処分の対象となるリスクに加え、社会的な批判やレピュテーションのリスクに晒される可能性があり、企業として人権侵害を行わないことは当然ながら、当行グループが関与するあらゆる事業及びサプライチェーンから人権侵害・差別・腐敗等を排除し、改善が必要な場合は対話を通じた適切な働きかけを行うことが極めて重要であるため。 |
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人的資本の持続可能性向上 ※ |
人事制度や職場環境整備の遅れ等により、人材の不足・流出に直面すること、次世代へのスキル・ノウハウの承継が円滑に進まないことは、当行グループの企業経営の持続可能性に重大な影響を及ぼすリスクである一方、専門性が高くユニークな金融サービスの提供など当行グループの価値創造を支える人的資本への様々な投資を継続することは、企業競争力を高めるために重要であるため。 |
※「戦略」及び「指標と目標」について、後述の(参考)に記載しております
3.指標と目標
(1)あおぞらサステナビリティ目標について
当行グループは、経済的価値と社会的価値の創出に向け、全てのビジネス部門及びサポート部門に共通する経営目標として、「あおぞらサステナビリティ目標」を2021年9月に設定、公表しております。
この度、新中期経営計画「AOZORA2025」の策定にあわせた見直しを実施し、投融資ポートフォリオを含めたカーボンニュートラルへのコミット、あおぞら型投資銀行ビジネス関連目標の達成水準の引き上げ等を実施いたしました。
<主な改定点>
●投融資ポートフォリオを含めたカーボンニュートラルへのコミット
・Scope3(投融資ポートフォリオ排出量)の2050年度ネットゼロ目標を新たに設定
・Scope1,Scope2(事業者としての排出量)のネットゼロ達成時期を2030年度に前倒し
●あおぞら型投資銀行ビジネス関連目標について、達成水準を引き上げ(達成時期の前倒しを含む)
●「中核人材の多様性」(ダイバーシティ&インクルージョン)に係る目標を新たに設定
本目標の達成に向け、グループ全体を挙げた取組を推進してまいります。
なお、本目標の進捗・達成状況は、業務執行役員の評価・報酬を決定するにあたり重要な定性的評価として考慮しております。
(2)あおぞらサステナビリティ目標の進捗状況
「あおぞらサステナビリティ目標」の進捗状況につきましては、
(参考)
1.「気候変動への対応」に関する「戦略」及び「指標と目標」
(1)戦略
① 中長期の戦略
CO2排出量ネットゼロへの取組強化:
事業者としての排出量(Scope1,Scope2)の2030年度ネットゼロ、投融資ポートフォリオにおける排出量(Scope3)の2050年度ネットゼロ達成によりカーボンニュートラルを実現
取引先エンゲージメントの強化:
環境ファイナンスを含むサステナブルファイナンスの実行/組成及び専門家との協業による脱炭素コンサルティングを通じて取引先エンゲージメントを強化し脱炭素社会への移行を支援
リスク管理態勢の高度化:
気候変動シナリオ分析の高度化、環境・社会に配慮した投融資方針の継続的な見直し・高度化、投融資ポートフォリオにおけるCO2排出量の計測手法・体制の強化などを通じて、リスク管理態勢の高度化を実現
② 気候変動に関する機会の認識と対応
中長期的な機会:
・気候変動への適応力を向上させるための、デジタルイノベーションなどを活用した社会インフラ整備やCCS/CCUSなどCO2排出の抑制・回収・活用に関する新技術開発に対するファイナンス機会の増加
・“脱炭素社会実現への貢献“という新たな価値観を共有する個人のお客さまとの多様な取引機会の増加
短期的な機会(取組):
・新中期経営計画「AOZORA2025」において、「気候変動への対応」を含むマテリアリティごとに各ビジネス部門・サポート部門の注力する取組を特定
・環境ファイナンス部を中心として、再生可能エネルギー関連プロジェクトファイナンス、脱炭素イノベーションファイナンス等、国内外における環境ファイナンスの取組拡大
・あおぞらESG支援フレームワークを通じた、あおぞらESGローン(2023年6月にポジティブ・インパクト・ファイナンスを追加)の取組増加、脱炭素ビジネス関連の協業パートナー拡大によるお客さまの脱炭素化に向けた課題解決コンサルティング力の強化
・ESGを考慮した投資信託である「十年十色」、「満天観測」の継続的販売
・再生可能エネルギー関連プロジェクトファイナンス及びグリーンビルディング向けファイナンスを資金使途対象として「グリーンボンド・フレームワーク」に適合したグリーンボンドの発行
(2)指標と目標
気候変動への対応に関する「指標と目標」につきましては、
2.「人的資本・多様性」に関する「戦略」及び「指標と目標」
(1)戦略
経営環境が急速に変化し企業が直面する課題が年々複雑さを増すなか、同質性が高い集団と化すこと自体がリスクであり、経営戦略を遂行し持続的な成長につなげていくためには、人的資本への投資に加え、経営にも多様な視点を持ち込み既成概念にとらわれない多様な視点でビジネスを推進していくことが必要です。当行グループにおいても価値観の多様化の進展を背景に、全従業員へのアンコンシャスバイアス研修などを通じてこれまで以上に多様性を認め合いグループとしての一体感を醸成するとともに、従業員一人ひとりの価値観、ライフスタイルやキャリアプランを尊重し柔軟な働き方を支援することで、多種多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境を整備し、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(多様性・公平性・包摂性)の向上と従業員の中長期的なエンゲージメント向上を目指しております。
<多様性確保に向けた人材育成・環境整備方針>
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方針 |
取組内容 |
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能力のみならず 多様性を重視した 採用と人材登用 |
・新卒、キャリア採用を両輪とする採用活動の継続 |
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・女性向け採用セミナー開催などを通じた女性基幹職の採用強化 |
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・意思決定層における多様性に配慮した人材登用の推進 |
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女性従業員の キャリア形成支援 |
・キャリア構築支援プログラムや人事異動などを通じた未経験業務へのチャレンジ促進 |
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・女性向けキャリア研修やキャリアコンサルタント活用などによる多様なキャリア形成支援 |
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すべての従業員が活躍できる環境の整備 |
・従業員の貢献に報いる報酬やキャリアップ機会の提供など人的資本への投資に注力 |
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・「働きやすい」職場環境の維持と「働きがい」の向上に向けた取組の継続 |
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・男性育児休業取得率の向上 |
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・障がいのある従業員が安心して働ける環境づくり |
① 中核人材の登用等における多様性の確保について
当行では2021年度より人材育成・環境整備に関する方針を掲げるとともに女性・外国人・キャリア採用者の管理職比率に目標を設定し、中核人材の登用等における多様性確保に向けた取組強化を進めております。すでにキャリア採用者の管理職比率は5割に達しており、経営の意思決定層における多様性の確保につなげております。
② 女性従業員の活躍推進に向けた取組
当行では女性活躍推進に向け、女性管理職比率に加え、独自に女性管理職候補となる調査役(係長級)比率に目標を定め中核人材プールの拡充に努めております。役員を含めあらゆる意思決定層に継続的に女性人材を輩出し、現状13%の女性管理職比率を5年後に20%、長期的には25%以上に引き上げていくことを目指してまいります。
なお、男女別の賃金の差異については66.6%と改善の余地がある状況となっております。2020年度のキャリアコース統合の結果、同じキャリアコース、等級・号俸内では男女の評価に差はなく同一賃金を実現していますが、女性の管理職がまだ少ないことや投資銀行ビジネスやインターナショナルビジネスなど注力分野で活躍する女性従業員が相対的に少ないこと、勤続年数の長い女性従業員の中にはバックオフィス業務などサポート部門に在籍するケースが多いことなどが男女の賃金格差が生じる一因となっております。キャリアコース統合の効果が出るには時間を要しますが、キャリアコースに関わらず管理職となる女性の増加に伴い男女間の年間給与格差は縮小していく見込みです。
今後も女性従業員が活躍できる機会と環境を地道に整備していくことで従業員が働きやすさと働きがいを感じる企業となり、労働人口の減少が見込まれるなかにおいても優秀な人材の確保と定着につなげていきたいと考えております。
③ 男性育休取得促進に向けた取組
当行では女性の育児休業取得率は100%で推移しております。男性の取得率は、2022年10月の改正育児・介護休業法施行に伴い、法令をベースに独自の育児休業制度を定め、制度の周知や取得事例の公表など従業員への働きかけを通じて男性の育休利用促進を図ったことから、2021年度の58%から91%と大幅に上昇いたしました。男性の育児休業の利用促進に向け、新中期計営計画「AOZORA2025」では男性育休取得率100%を目標として掲げております。
④ 従業員のファイナンシャルウェルネスの実現に向けて
従業員が人財として組織の中で十分に能力を発揮するためには、従業員一人ひとりのウェルビーイング、すなわち心身の健康にとどまらず社会的にも安定し満たされた状態にあることがきわめて重要だと考えており、従業員のファイナンシャルウェルネスの実現に向けた制度を整備しております。
「選ばれる職場」を目指し魅力的な報酬体系を用意している他、企業年金制度の整備、若年層向けの奨学金返済支援手当や家賃補助などの手厚い経済的支援を実施しております。不測の事態への備えとして、心身不調時に利用できる有給の休職制度も整備するなど価値の源泉である従業員自身及び家族の経済的安定性に最大限配慮しております。
(2)指標と目標
人的資本・多様性に関する「指標と目標」につきましては、
当行及び当行グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクは以下のとおりです。まず、トップリスク(今後1年間で経営上重大な影響があるリスク)について記載し、その後に主要な個別リスクについて記載しております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当行及び当行グループが判断したものです。当行グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、それぞれのリスクの発生の回避及び発生した場合への対応に努めております。リスク管理については、マネジメントコミッティー及びALM委員会、統合リスクコミッティー、クレジットコミッティー、投資委員会、CAPEX委員会、顧客保護委員会等により遂行され、定期的に取締役会に報告されております。
<トップリスク>
2023年度の業務運営において、経営上重大な影響があるリスクをトップリスクとして認識しております。当行グループは、トップリスクを踏まえてリスクアペタイトや業務運営計画策定の議論を行い、リスク管理の高度化に取り組んでおります。
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トップリスク項目 |
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リスクの内容 |
対応策 |
参照箇所 |
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1.クレジット・クオリティの悪化 |
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・インフレ鎮静化に向けて行われてきた米国をはじめとする各国中央銀行の利上げの影響による景気後退 ・ロシア・ウクライナ情勢の悪化、米中対立、その他地域の地政学的緊張の高まりによる世界の分断化の加速 ・ファイナンス環境の悪化に起因するリスク資産の価値の低下 ・日銀の金融政策転換に起因する日本の金利の急激な上昇や円安の進行 ・気候変動や人権尊重に関して対応が遅れた投融資先の、企業価値低下 |
各国中央銀行利上げの影響による景気後退リスクや地政学的緊張など先行きの不確実性が高まっておりますが、貸出運営方針・投資運営方針・各種ガイドラインを遵守し、与信先のビジネスリスクを慎重に分析し良質な案件を選択的に取り上げ、分散の効いた良質なポートフォリオを構築してまいります。また既存の案件については適時に分析を行い、予兆の把握に努め、プロアクティブな与信管理を行ってまいります。 |
2.信用リスク (1) 不良債権残高及び与信関連費用の増加 (2)特定先及び特定業種への集中に係るリスク (3)貸倒引当金が不十分となるリスク (4)海外向けエクスポージャーに関するリスク (5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク 9.環境・社会課題に係るリスク (1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク (2)気候変動に係るリスク |
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2. 市場の混乱による保有有価証券の価値下落 |
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・地政学的緊張に起因する金融市場の混乱 ・インフレが鎮静化せず、各国中央銀行が利上げを継続することによる有価証券価値下落 ・日本銀行の金融政策転換を起因とする日本の金利の急激な上昇や円安の進行
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見通しが不透明な環境下、金利・株・クレジットの相関を考慮しつつ、流動性の高いポートフォリオを構築し、機動的なリスクコントロールを実施してまいります。また、リスク量・損失に関する各種協議ポイントを設定しており、早い段階で適切な対応が図れる態勢を整備しております。 |
2.信用リスク (6)エクイティ投資の推進に伴うリスク 3.市場リスク (1)トレーディング及び投資業務における市場リスク (2)金利変動によるリスク 4.流動性リスク (2)市場流動性リスク |
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3. 金融市場の混乱・ボラティリティの高まりによる資金調達の不安定化 |
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・ロシア・ウクライナ情勢の悪化や米中対立による地政学的緊張 ・インフレ長期化に対する各国中央銀行の利上げ継続、景気後退局面での利下げの両面に起因する、金融市場の混乱やボラティリティの高まりから生じる市場流動性低下等による外貨資金繰りの悪化や調達コストの上昇 ・日本銀行の金融政策変更等に起因する、金融市場の混乱・ボラティリティの高まりから生じる市場流動性低下や銀行預金の金利環境の変動等による、円貨資金繰りの悪化や調達コストの上昇
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円貨・外貨資金繰りについては、流動性の高い有価証券等を十分に保有し、各種決済に係る必要資金が適切に確保できるよう、万全を期しております。また、資金調達に支障が生じた場合を想定したシミュレーションを定期的に行い、資産規模を維持するのに十分な手元資金が確保されていることを確認し、資金確保のための対応策の手順を確認する訓練等を行っております。 |
4.流動性リスク (1)資金流動性リスク |
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4.大規模災害、サイバー攻撃、システム障害等の危機発生 |
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・自然災害、サイバー攻撃、重大なシステム障害、テロ、武力攻撃、パンデミック等の影響により、当行グループの業務の一部もしくは全体に深刻な影響。 ・お客さまへのサービス提供の停止、情報漏洩、不正送金の発生、及びそれらによる当行グループの企業価値の毀損
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自然災害、サイバー攻撃、重大なシステム障害、テロ、武力攻撃、パンデミック等により、当行グループの業務に深刻な影響が生じることが無いよう、業務継続計画(BCP)の整備、各種訓練の継続的な実施、バックアップサイトの整備等を進めることでオペレーショナル・レジリエンスの確保を図っております。特に、サイバー攻撃に関しては、技術的対策の進化、検知能力強化、ビジネス部門とIT部門が連携した復旧訓練等を実施しております。
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5.オペレーショナル・リスク (2)システム障害リスク (5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク (11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性
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5.当行自体の構造転換、ビジネスモデルの転換の遅れ |
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・世界的な産業構造の転換やデジタル化の進展、金融商品のコモディティ化、金融分野への他業種からの進出による競争激化、銀行業務範囲規制緩和への対応の遅れによる、当行グループの収益力の低下 ・サステナビリティ推進に関して消極的とみなされ、ESG評価が低下することに伴う外貨調達コストの上昇、サステナブルファイナンス機会の逸失、当行グループの企業価値の毀損 |
詳細は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営計画」に記載しております、新中期経営計画「AOZORA2025」(10頁~18頁)をご参照ください。
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1.事業戦略におけるリスク (1)事業戦略の推進に伴うリスク 8.日本の金融サービス業界に関連するリスク (2)日本の金融サービス市場の競争激化 9.環境・社会課題に係るリスク (1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク (2)気候変動に係るリスク |
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6.金融犯罪への対応不備、内部不正や情報漏洩の発生 |
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・マネー・ローンダリング、テロ資金供与、拡散金融等の金融犯罪対策の不備、その他外為法上の経済制裁措置への対応や反社会的勢力排除態勢の不備、及びインサイダー取引規制違反、顧客情報の漏洩等により、刑罰や行政処分を受けるリスク、及び当行グループの企業価値の毀損
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マネー・ローンダリング等防止の管理体制整備と経済制裁対象者対応の継続的な実効性確保、マネー・ローンダリングガイドライン改定並びに外国為替検査ガイドライン改定などを踏まえ、更なる高度化を推進してまいります。 年次のコンプライアンス・プログラムにおいて、法令・行内ルールの周知、モニタリング、研修などの計画設定と進捗状況を確認しております。また、全役職員からの誓約書徴求に加えてトップメッセージなどでの発信を継続することにより、倫理・行動基準の一層の浸透・定着を推進しております。 インサイダー取引未然防止・情報管理に関する注意喚起及び研修・eラーニングなどを実施し、役職員への周知を継続してまいります。 |
5.オペレーショナル・リスク (8)法令遵守に関するリスク (9)金融犯罪に関するリスク (10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク (11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性 |
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7.人材リソースのサステナビリティ |
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・ビジネス環境の変化に対応できる人材や「あおぞら型投資銀行ビジネス」など注力分野に必要なスキルセットを持つ人材が不足又は流出した場合、当行グループの業務運営やビジネス戦略の実現を通じた持続的成長に支障をきたす |
当行の人材戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営計画」に記載しております、新中期経営計画「AOZORA2025」(16頁)及び「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております、(参考)2.「人的資本・多様性」に関する「戦略」及び「指標と目標」(25頁)をご参照ください。 |
5.オペレーショナル・リスク (6)人材に関するリスク |
<主要な個別リスク>
1.事業戦略におけるリスク
(1)事業戦略の推進に伴うリスク
当行グループは、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、中期経営計画「AOZORA2025」に基づき、業務を遂行してまいります。しかしながら、このような事業戦略の推進に際しては、以下のようなリスクがあります。
・今後注力していく事業分野において、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。
・戦略の遂行に伴う経営資源の配分の見直し等が成功するとは限りません。
・業務の推進においては、実務を遂行する人材を確保する必要がありますが、必要な人材を十分に確保できるとは限りません。
・国内外の経済状況が悪化した場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。
・国内外の地震や台風等の自然災害やテロ・犯罪等の発生により、各業務において十分な事業活動が行えるとは限りません。
・ロシアのウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの顕在化などを背景に、金融市場が不安定化することにより、事業環境が大きく悪化し、想定通りに業績を伸ばすことができるとは限りません。
(2)事業法人のお客さまとの取引の推進におけるリスク
当行グループは、歴史的な産業構造の転換期における取組として、「あおぞら型投資銀行ビジネス」を推進してまいります。事業法人のお客さまの事業再編や事業再生ニーズ、SDGsへの取組に対し、お客さまの事業を深く理解したうえで、通常の貸出取引のみならず、資本性資金やサステナブルファイナンスなど、お客さまのニーズに沿ったデットからエクイティに至る適切なファイナンスの提供等、信用供与の円滑化に努めております。また、それぞれのお客さまのニーズに応じて、オーダーメイド型で付加価値の高い金融ソリューションの提供を通じ、引き続き顧客基盤の拡充に注力してまいります。しかしながら、当行グループがこうした事業金融の推進を行うにあたっては以下のようなリスクがあります。
・地政学リスクの顕在化の影響が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。
・インフレの昂進や、それに伴う金融政策の変更が、一部のお取引先の事業活動や信用状態に悪影響を与え、当行グループの収益力の低下及び与信費用の増加につながり当行グループの財務状況にも影響を与える可能性があります。
・当行グループの基準に見合う顧客層との取引が期待通りに拡充できるとは限らず、当行グループが目指す資産の質、収益が確保できない可能性があります。
・当行グループは、法人顧客基盤が国内大手銀行グループよりも小さく、また営業拠点数、営業人員数も少ないことから新規の顧客獲得等に限界がある可能性があります。
・我が国においては、超低金利環境が継続しており、オーバーバンキングによる厳しい競争の結果、当行グループの事業法人貸出においてリスクに応じた適正なプライシングを行うことが困難な状況になっております。当行グループは、継続的な付加価値の提供を通じたお客さまとの信頼関係構築により付帯取引を獲得し、総合的な収益性の確保に努めておりますが、個別の貸出においては、信用リスクや格付に応じた利鞘より低い水準で貸出を行うことがあります。
・国内外における経済環境の悪化が生じた場合、あるいは、金融市場の著しい変動等が生じた場合には、当行グループを取り巻く環境や将来の業績に悪影響を与える可能性があります。また、そのような局面においては、管理回収等の強化に伴う人的リソースの配分等により、注力分野の活動に制約が生じる可能性があります。
(3)個人顧客向けプラットフォームビジネスの拡充に伴うリスク
当行グループは、様々な金融商品の提案等を通して、お客さまの中長期な資産形成をお手伝いさせていただいております。加えて、スマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心にスマートフォンやインターネット等を利用した非対面取引機能を拡充し、現役世代のお客さまへのアプローチを強化しております。
資金調達の面では、2023年3月末の個人のお客さまからの調達がコア調達(預金・譲渡性預金及び社債)に占める割合は66%程度となっており、引き続き資金調達の面でも当行グループの中核を担っております。
当行グループは、お客さま本位の業務運営の実践に基づく資産運用コンサルティングを提供してまいります。また、財産承継、事業承継等の多様なニーズに対して、当行グループ一体となった付加価値の高いサービスを提供するとともに、「BANK」アプリを通じた金融サービスの提供により、すべてのお客さまが時間や場所にとらわれずにお取引ができ、希望する店舗でコンサルティングが受けられる営業体制を実現してまいります。加えて、個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する中小企業の多様なニーズに対し、事業承継、M&A、不動産関連サービス等、当行グループ全体で課題解決のサービス提供を行ってまいります。しかしながら、以下のとおり、当行グループが個人顧客向けプラットフォームビジネス拡充の計画を成功裡に達成できない可能性があります。
・当行グループは、当行グループ内の配置転換や外部採用等を通じて、また人材開発プログラムの導入や顧客視点の評価制度の導入等を通じて、コンサルティング力の強化に努めていく方針ですが、当該業務に精通した営業員の確保が想定を下回ったり、人材開発プログラムの導入や新しい評価制度の導入が必ずしもコンサルティング力の強化に結びつかない可能性があります。
・個人のお客さま、及び個人のお客さまが所有する企業向けのサービスラインナップを拡充しても、他金融機関のサービスとの差別化が難しく、また、他金融機関より相対的に支店数が少ないため、十分な課題解決のサービスを提供できず、収益の拡大に結びつかない可能性があります。
・当行グループは、競合他金融機関と比較して支店数が少なく、またインターネットバンキング展開においても後発であり、顧客基盤も相対的に小さいことから、新規顧客の獲得やあおぞらブランドの確立が容易ではない可能性があります。
・個人顧客向けプラットフォームビジネスの拡充には、顧客ニーズに応じたサービスラインナップの充実が不可欠であり、顧客へのマーケティングやサービスラインナップの選定等に多大な時間を要する可能性があります。
・当行グループが提供する商品・サービスの種類・条件について、他金融機関との差別化が難しくなるほか、他の種類の投資商品との競争が厳しくなることなどにより、必ずしも預かり資産の量の拡大、収益の拡大に結びつかない可能性があります。
上記のような事情から個人顧客向けプラットフォームビジネスを拡充できない場合、収益源及び資金調達源の多様化が十分に実現できず、当行グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)海外業務に関連するリスク
当行グループは、北米向けを中心とする海外貸出を選択的に実行することによって、収益力の向上並びに貸出ポートフォリオの分散を図る方針としております。加えて、2020年1月に資本・業務提携を締結したベトナムの中堅商業銀行Orient Commercial Joint Stock Bank(以下、「OCB Bank」)を通じて東南アジアの成長を取り込むとともに、OCB Bankの長期的な戦略パートナーとして、よりユニークで専門性の高い金融サービスを日本とベトナム双方のお客さまに提供していきます。当行グループが海外業務を展開するにあたり、リスク管理体制として、北米、アジア、欧州の各現地拠点と東京が連携したグローバルでシームレスなモニタリング態勢を強化しておりますが、当行グループにおける海外業務の遂行については、以下のリスクや課題があります。
・ロシアによるウクライナ侵略の長期化、米国や欧州による対中デカップリングの進展と拡大、総統選挙等の台湾政治の展開と米中台関係をはじめとする地政学リスクの顕在化に伴う、社会的、政治的、経済的な環境の変化や各国の税制、金融政策及び規制環境の相違に起因する金融の安定性全般に渡るリスク。
・金利及び為替変動に関連する取引にかかるリスク。
・商品ノウハウと各々の市場に対する知識等を有する人材を確保できないリスク。
・投融資先の政治経済状況の変化、法制度等の変更によって、投融資の回収が困難となるリスク。
・現地における政治経済状況、法制、規制あるいは税制等に関する情報の入手が遅れる等、質・量の両面で国内貸出と同水準の情報収集を維持することに支障が生じるリスク。
・外貨調達に困難が生じた際の外貨資金繰りに関するリスク。
(5)地域金融機関が重要な顧客基盤であること
当行グループは、これまで多くの地域金融機関に対して、資金運用やリスク管理のニーズに応じた金融商品の提供、地域金融機関の取引先である中小企業への共同支援や地域企業再生支援、地域金融機関の個人のお客さまに対する預り資産ビジネスの支援等、多様な商品・サービスを提供してきております。当行グループは、かかる取引関係において、同業他社との競争上優位性を確保していると考えており、差別化の源泉である「ワンストップでの対応力」、「地方拠点における機動力・情報収集力」を活かすと同時に、地域銀行へのエンゲージメントを強化させ、経営層との定期的な情報交換を通じ関係を一層強化し、引き続き地域金融機関の「戦略パートナー」として、地域金融機関のネットワークを当行グループ共通のプラットフォームとして、当行グループが強みを有するソリューションを提供し、相互に機能補完する独自のビジネスモデルの展開を目指していく方針です。しかしながら、かかるビジネスモデルが有効に機能する保証はなく、また、金融環境の変化その他の要因により、今後この分野における競争力を失った場合には、地域金融機関との取引の規模及び収益の成長が鈍化し、更には縮小する可能性があります。
(6)先進的な商品とサービスの投入
当行グループの戦略は、すべての商品分野において他金融機関と競合することではなく、他金融機関にはない差別化された先進的な商品・サービスを開発し、投入することにより、事業法人のお客さま向けの業務や地域金融機関との協働によるビジネスを拡大し、収益を獲得していくこととしております。また、デリバティブ取引やリスク管理といった分野での先進的なノウハウを活用した商品・サービスにも力を入れており、地域金融機関の運用ニーズに対応したデリバティブ内蔵型の各種預金商品のほか、個人のお客さま向けにはノーロード投資信託・ESGを考慮した投資信託等の金融商品を提供しております。当行グループは、従来から、お客さまのニーズに合わせた独自の商品性を持った商品・サービスの投入により、一定の成果を上げているものと考えております。
しかしながら、将来投入される商品・サービスが同じように顧客から認知され、顧客の支持を得ることができる保証はありません。また、競合他金融機関が、当行グループと同様の顧客層をターゲットに、当行グループと同様の商品・サービスの提供を開始すること、また、その他競合する投資商品の出現等を要因とする競争の激化により、当行グループの商品の先進性・独自性が失われ、収益性が低下するおそれがありますが、その際に、当行グループが競争力の低下した商品・サービスに替わる新たな商品・サービスを継続的に供給し続けられるという保証はありません。
また、かかる先進的な商品・サービスの導入は、当行グループにとって、当行グループが経験したことのない又は経験の少ないリスクや課題をもたらす可能性があります。加えて、かかる先進的な商品・サービスへの過度な集中や依存は、当該商品・サービスの状況により、当行グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)業務・資本提携等アライアンス推進に伴うリスク
当行グループは、長期的な視野における企業価値向上のため、国内外において成長性の高い市場を見極め、戦略的な提携や合併・買収等様々な方策の検討を行っていく方針です。銀行の業務範囲規制緩和等、事業領域拡大の機会を積極的に探り、当行グループの成長につながるビジネス機会を単独又は事業パートナーと協力して開発し、戦略投資を実施してまいります。しかしながら、こうした提携や合併・買収等が収益の拡大・企業価値の増大に寄与するという保証はありません。
合併や買収等の場合、統合作業の過程において一時費用が発生しますが、企図した統合成果が上がらず、結果として、検討又は統合等に要した費用、投資資金を回収できない可能性があります。また、提携についても、国内外における経済環境の変化等により、企図した効果があがらない可能性があります。更に、当行グループは提携業務の推進、買収事業の統合・展開において中核となるべき人材の確保等の問題に直面する可能性があります。加えて、そうした場合における通常の営業における人員確保や営業アクティビティの低下等の問題に直面する可能性もあります。
(8)子会社・関連会社の業務に関するリスク
当行グループは子会社において銀行業務、金融商品取引業務、投資運用業務、投資助言業務、M&Aアドバイザリー業務、ベンチャーキャピタル業務等の金融サービスに係る事業や債権管理回収業務を行っており、これら子会社の業務の中には、伝統的な銀行業とはリスクの種類や程度の異なる業務も含まれております。例えば、GMOあおぞらネット銀行が営むインターネット銀行事業は、当行グループが従来営んできた銀行業に係るものとは異なる種類や程度のリスクを含んでおり、またOCB Bankの業績はベトナムや東南アジアの経済動向に大きく影響を受けます。当行グループは、こうした業務に伴って発生する種々のリスクについても適切に管理する体制を整備するよう努めておりますが、当行グループの想定を超えるリスクが顕在化すること等により、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、既存の子会社、あるいは今後新規に投資を行う会社について、各社の事業が想定通り伸長しなかった場合には、投資を回収できない可能性があり、また、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
なお、GMOあおぞらネット銀行は、2022年10月25日に新中期経営計画を発表し、当行は同10月28日付で増資の引受けを行いました。当該計画の着実な実行と早期の黒字転換に向け、引き続き当行グループ全体で当社の成長に向けたサポートを行ってまいりますが、当該計画が予定通りに進捗しなかった場合には、当社の固定資産につき減損損失を認識する可能性があります。
2.信用リスク
(1)不良債権残高及び与信関連費用の増加
当行グループは、個別の与信先について信用状態を継続的にモニタリングするとともに、信用状態の悪化が懸念される場合には貸出金の劣化に対する予防策を講じるよう努めておりますが、以下のような要因により、当行グループの不良債権残高や与信関連費用が増加する可能性があります。
・当行グループの予想以上に内外経済が悪化した場合。
・債務者が属する特定の産業の状況が悪化した場合。
・債務者の個別事情により、債務者の業績が当行グループの予想を下回った場合、あるいは、不測の事態により債務者の業績が悪化した場合。
・当行グループの予想以上に、債務者の経営再建計画が成功裡に実行されず信用リスクが高まる場合や、あるいは、金融機関による支援の打ち切り等により再建中止が余儀なくされる場合。
・当行グループの予想を上回る内外の不動産市況の悪化等により裏付資産の価値が下落し、債務者の信用力が低下した場合。
・脱炭素や人権配慮に関して対応が遅れた債務者の信用力が低下した場合。
・感染症のパンデミック等の影響により、債務者の業績が悪化した場合。
(2)特定先及び特定業種への集中リスク
当行グループの大口債務者上位10先に対する貸出金は、2023年3月末時点の単体ベースの貸出金残高の約12%を占めており、大口債務者による債務不履行があった場合、又は大口債務者の一部若しくは複数との関係に重大な変化が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
当行グループの国内及び海外の不動産業に対する貸出(不動産ノンリコースローンを除く)は、2023年3月末現在、単体ベースで貸出全体の約8%を占めており、その他の業種に対する貸出で、不動産担保により保全されているものもあります。そのため、当行グループの貸出は、不動産市況の悪化や不動産業界全体が低迷した場合には、不動産業界の債務者の信用力の悪化や、不動産で担保されている保全額の減少から、追加的な引当金が必要となったり、追加的なコストが発生する場合があります。
当行グループの国内及び海外の不動産ノンリコースローンは、2023年3月末現在、貸出全体の約21%を占めております。不動産ノンリコースローンは、債務者の信用力ではなく、特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資として債務の履行が担保されるもので、当行グループは、不動産賃料、空室率及び地価等のキャッシュ・フローに影響を及ぼす主なリスク要因等をモニタリングすることにより、リスク管理を行っております。しかしながら、不動産市況の悪化、具体的には米国金利の上昇や米国オフィスにおける空室率の上昇、売買市場の冷え込み等により、対象不動産からのキャッシュ・フローが当行グループの予想を超えて悪影響を受ける場合には、当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(3)貸倒引当金が不十分となるリスク
当行グループは、過去の債務不履行発生状況、与信先の財務状況及び保有する担保の価値並びに景気動向に対する前提及び見通し等に基づいて貸倒引当金を計上しております。特に、今後の管理に注意を要する大口の与信先等については、経済環境の悪化により貸倒費用が増加する可能性も勘案し、債務者区分遷移シナリオや元本・利息の回収について一定の前提を置いてキャッシュ・フロー見積法等により算定した貸倒引当金を追加的に計上する等、十分な水準の貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当行グループの想定を超えて経済環境が悪化する等、当行グループの前提及び見通しを変更する必要が生じた場合、当行グループの与信先の財務状況が当行グループの想定を超えて悪化した場合、当行グループが保有する担保の価値が下落した場合、あるいは、その他の要因により予想を超えて当行グループに悪影響が及んだ場合、当行グループは貸倒引当金を増加させる必要が生じる可能性があります。
(4)海外向けエクスポージャーに関するリスク
当行グループの貸出金全体に占める海外向け貸出(最終リスク国が日本以外、連結ベース)の割合は、2023年3月末においては約35%になっております。なお、海外向け貸出の地域別状況については、北米向け貸出が約85%を占めており、残りはアジア向け及び欧州向けとなっております。なお、ロシア及びウクライナ向けの貸出はありません。当行グループは国・地域別のガイドラインを設定するとともに、機動的な債権売却の実施等により、エクスポージャーをコントロールしております。
海外において、財政状態の悪化や政治・経済の混乱、金融市場における金利上昇等により、国・地域が債務不履行に陥る、あるいは、債権者に対して債務の再編や期限の延長等の支援を要請することを余儀なくされる場合、当行グループが保有するソブリンを含む海外向けエクスポージャーに悪影響が及び、結果として与信関連費用が増加する可能性や当行グループの業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(5)ローン債権等に対する投資に関連するリスク
当行グループは、債権売買取引及び証券化ビジネスにおいて、事業法人向けローン、住宅ローン、売掛債権、リース債権、不良債権及び仕組商品を含む様々な資産の取得・回収・売却等を行っております。こうした業務は本質的に環境に左右されやすい性質を有しており、市場規模や環境等の変化により当行グループ保有資産の価値や信用力が低下した場合、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(6)エクイティ投資の推進に伴うリスク
当行グループは、PEファンド投資、不動産ファンド投資、環境インフラ投資、事業法人・金融法人への株式投資(エンゲージメント投資)等を含む様々な形態のエクイティ投資を行っております。これら投資については年度毎に投資計画を策定し、全体及びアセット種別毎の投資残高をコントロールするとともに、個別案件毎の定期的なモニタリングを実施しております。また投資環境に応じて投資計画を随時見直すことによりリスクを抑制することを目指しております。
しかしながら、こうした業務は、投資先の経営成績その他の財務状況の他、国内外の政治状況、経済状況、株式市況、不動産市況等環境の変化に左右されやすい性質を有しており、また、当行グループの採るリスクの抑制策が功を奏するとは限りません。このため、これら市況・環境の変化や投資先の財務状況の悪化により、当行グループの業績及び財政状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
3.市場リスク
(1)トレーディング及び投資業務における市場リスク
当行グループは、国内及び海外の債券、ファンド、デリバティブ取引を含む多様な金融商品への投資・運用及びトレーディングを行っております。こうした業務からの収益は、金利・為替レート・債券価格・株価の変動、ボラティリティの変動、各種資産間の相関状況の変化等により影響を受けます。一例をあげれば、金利の上昇は、一般的に当行グループの債券ポートフォリオの価値に対して悪影響をもたらすこととなります。更に、当行グループが保有している国債その他債券について信用格付が格下げされた場合や債務不履行となった場合、また、これらの流動性が著しく低下してポジション調整が困難な場合には、当行グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
当行グループは、こうした業務において、自らの体力に見合った健全なリスクテイクを逸脱せぬよう、例えば、損失を限定するためのロスカット・ルールを設定する等、管理体制の整備に努めております。しかしながら、市場がストレス環境にあるような状況では、ポジションを思うように縮小することが出来ず、損失を想定した範囲に限定することが出来なくなる場合があります。また、金融政策の変化その他の要因により、市場が当行グループの予想を超えて変動した場合、当行グループは予測を超えた損失を被る可能性があります。
(2)金利変動によるリスク
貸出金、有価証券等の有利子資産による資金運用収益と、預金、社債等の有利子負債にかかる資金調達費用との差額である資金利益は、当行グループの収益の大きな割合を占めます。有利子資産と有利子負債では満期や金利設定条件等が異なるため、金利の変動により、当行グループの収益性が悪影響を受ける可能性があります。また、金利が上昇した場合には、貸出金への需要が低下する可能性があるほか、借入に係る金利負担の増加により債務者の業績や財政状態が悪化し、不良債権が増加することで当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続するとしつつ、必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じるとしております。他方、米国においては、FRB(米連邦準備理事会)がインフレ抑制を目的として連続的な利上げを実施しました。これに伴う米国金利上昇等の影響で、当行グループが保有する外国債券の評価損益は2023年3月末時点で624億円の評価損となっております。
なお、保有する有価証券については、売却による評価損の処理を実施するとともに、デリバティブやベアファンドを活用した金利リスク削減オペレーションを実施する等の対策を講じております。
今後、各国中央銀行の政策変更やその他の外的要因により、仮に重大な又は予期しない金利変動が生じた場合には、当行グループの業績及び財政状態に更なる悪影響が及ぶ可能性があります。
4.流動性リスク
(1)資金流動性リスク
当行グループの調達資金はスマートフォンアプリを軸としたマネーサービス「BANK」を中心とする流動性預金、順次満期を迎える定期預金や社債であり、当行グループは、継続的に預金を受け入れ、社債を発行し、既存債務の借換を行い、また継続的に一定割合を短期資金で調達する必要があります。当行グループは、十分な手元資金の確保、資金調達手段の分散・多様化や、外貨調達の可用性強化のための為替先渡取引の取引枠設定に加え、外貨調達先の拡大を図る等、資金調達の長期化並びに安定性の確保・向上に継続して努めておりますが、流動性リスクを完全に回避することはできません。SNS等を通じた情報伝達スピードが加速する中、当行グループの風評が悪化した場合等、インターネットバンキングで手軽に預金の解約や送金が可能であることにより、想定を上回る規模・スピードでの急速な預金流出が発生する可能性があります。その場合、当行グループが許容できる条件で十分な資金を調達できるという保証はなく、再調達が首尾よくいかない場合には、当行グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、当行グループの業績又は財政状態の悪化、自己資本比率の低下、信用の低下、格付機関による格下げ等のほか、外貨資金調達における制約、景気動向の悪化や金融システム全般の不安定化等により、当行グループが、営業上許容できる水準の利率で預金を獲得できない場合や当行グループの流動性が制限された場合、当行グループは必要な資金を確保するため、より高い資金コストを負担し、あるいは、資産を圧縮する等の対策をとる必要が生じ、業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当行グループを含む国内基準行に対しては、2017年4月末より流動性カバレッジ比率等の銀行法第24条に基づくモニタリングが開始されております。将来的にこうした枠組みの内容に何らかの変更があった場合、当行グループの調達構造に影響が及ぶ可能性があります。
(2)市場流動性リスク
当行グループは、市場で取引される様々な資産やデリバティブを保有しておりますが、市場の混乱や取引の厚みの不足等により、市場での取引を行うことができない、又は、著しく不利な価格での取引を余儀無くされることにより、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
5.オペレーショナル・リスク
(1)リスク管理体制
当行グループの業務の遂行には、オペレーショナル・リスクが伴っております。オペレーショナル・リスクは、不適切な内部処理、役職員の過失や不正行為、システムの障害及びその他の外部で発生する事象等、様々な形で顕在化する可能性があります。また当行グループの業務においては法律・規制に関するリスクも存在します。当行グループは、オペレーショナル・リスクについても必要なデータやリスクの顕在化事象を把握し、アセスメントを実施してリスクを特定、評価し、リスクをモニタリング、削減、コントロールする適切なリスク管理体制の整備に努めております。しかしながら、結果的にこの体制が有効に機能せず、リスク管理が十分に効果的なものとはならない可能性があります。業務分野の拡大、新規分野の取組や環境変化等に応じた適切なリスク管理体制を構築できず、当行グループが予想外の損失を被る可能性があります。
(2)システム障害リスク
当行グループは、お客さまにサービスを提供し、業務を遂行するために様々な情報システムを運営しております。これらの情報システムの安定的な稼動を確保するため、複数年度のIT投資計画に沿って、新規・更新投資や機器等の保守を実施しております。各情報システムの重要性等に応じたバックアップの取得や機器・回線の二重化等の対策を講じるとともに、システム変更・移行時は十分な事前検証を行い障害発生の予防を図っております。不測の事態に備え、コンティンジェンシープランの整備やシステム復旧などシステム障害時の対策を定め訓練を実施しております。また、当行グループは、勘定系システムであるBeSTAcloud(株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営する基幹勘定系システムアウトソーシングサービス)など重要なシステムの運営を外部に委託していることから、運用管理状況を月次・年次で点検するとともに障害発生時には対処内容を検証するなど委託先管理に努めております。
しかしながら、これらの対策や検証作業が十分であるという保証はなく、また、情報システムの新規開発や改修・保守作業における人為的な過失、事故等によりシステム障害が発生し、場合によっては情報システムが適切に稼動しないリスク、内部統制の維持や会計帳簿及び財務諸表の作成に関して問題が発生するリスクがあります。
また、当行グループは、地震等の自然災害や大規模な停電その他の事故等により、当行グループが使用する情報システムを収容するデータセンターが正常に稼動できなくなる場合に備えて、データセンターの二重化にも取り組んでおります。BeSTAcloudは、現用システムを愛知県名古屋市に設置されたデータセンターに、災害対策用のコンピュータ機器を福岡県福岡市に設置されたデータセンターにそれぞれ収容し、遠隔地の2センター体制としており、ビジネス部門、IT部門、委託先が参加した災対切替訓練を行っております。インターネットバンキング、デビットカード、ホームページなど、お客さま向けサービスに重要なシステムも遠隔地にバックアップセンターを設けております。上記以外の情報システムについては、メインセンターを東京都府中市に、バックアップセンターを東京都千代田区に設置し、重要な情報システムに係る機器等の二重化を実施しております。しかしながら、遠隔地のセンターに直接的な被害がなくても、バックアップセンターとの通信経路が確保できずバックアップ機能が十分に確保できないリスクがあります。また、首都圏で地震が発生した場合、メインセンターとバックアップセンターの両サイトが被災するリスクがあります。更に、当行グループのバックアッププランは、サービスの中断時に生じるおそれのある偶発事象に対処できるものではない可能性があります。
当行グループは、お客さま向け情報提供のためのホームページ、インターネットバンキング、スマホアプリ、口座開設等のサービスをインターネット環境で提供しております。また、当行グループの業務遂行に必要な外部情報の取得やメール送受信のため当行グループシステムをインターネット環境に接続しており、こうしたところでは、十分なサイバーセキュリティの体制を構築することが必要になります。当行グループでは、ランサムウェア対策を含めた、インターネットに接続するシステムに必要な安全対策として、行内のシステム環境のほか、在宅勤務などのリモートアクセス環境についても、不正侵入防止の入口対策、情報漏えい防止の出口対策等、外部からの攻撃に対し多層的な技術的対策を実施しております。また、日々のサイバー脅威動向の情報収集と共有、ログのモニタリング、破壊を想定したサーバー復旧訓練の実施、脅威ベースを意識したペネトレーションテストの実施、専門的な知見を持つ要員の確保・育成など、サイバーレジリエンス体制の維持・整備に努めております。しかしながらサイバー攻撃の高度化により当行グループが講じている対策が有効に機能せず、システムダウンやサービス停止等により、業務継続に支障が生ずるリスクや内部情報が漏えいするリスクがあります。
当行グループの情報システムの動作不良は、自然災害やその他の理由にかかわらず、お客さまとの関係を毀損し、訴訟や行政処分を招来し、また、その他の理由により当行グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(3)外部業者により提供を受けている重要なサービス
当行グループは、業務にとって重要である多くのサービスについて外部業者を利用しております。外部業者の利用に際しては、経営・財務状況の安定性や情報管理態勢等のほか、人権の尊重や環境への配慮も含めた外部業者の適格性検証、サービス代替策の検討、利用中の継続的な外部業者管理等の方策を講じておりますが、地震等の自然災害、感染症の流行、システム障害やその他の事情により、それらの外部業者のサービスが停止した場合、又はそれらのサービスに問題が生じた場合に、当行グループが同様の条件で同種のサービスをタイムリーに提供できる外部業者を見出すことができるとは限りません。その場合、当行グループの営業が中断し、当行グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。また、業界又はその他の状況の変化により、外部業者がサービスの料金を引き上げることも考えられ、その場合には、当行グループの業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)個人情報等の流出等のリスク
近年、企業や金融機関が保有する個人情報等の流出という事態が、数多く発生しております。当行グループでは、個人情報等の流出等防止のための様々な方策を講じておりますが、保有する個人情報等について、役職員等若しくは委託先の人為的なミスあるいは内部若しくは外部からの不正アクセスにより流出した情報が不正に使用されることを完全に防止することはできません。こうした事態が発生した場合、当行グループはその責任を負い、法令上、民事上の責任等を問われ、あるいは、監督機関の処分を受ける可能性があります。更に、そうした事故が発生することにより、当行グループの業務及びブランド力に対する評価や当行グループに対する顧客や市場の信認に悪影響が及ぶ可能性があります。
(5)災害等に対する危機管理及び業務継続に関するリスク
地震、台風等の大規模自然災害や、重大なシステム障害、サイバー攻撃、テロ、武力攻撃等による被害、感染症の流行によるパンデミック等の影響により、当行グループの業務の一部もしくは全体に深刻な影響が及び、これらが停止するおそれがあります。
当行グループは、かかる事象が発生した場合においても業務継続を可能とすべく、業務継続計画(BCP)、災害復旧計画(DRP)等の策定・整備、バックアップオフィスの構築等を行うとともに、継続的に各種訓練等を実施し、危機管理体制の実効性向上、オペレーショナル・レジリエンス確保を図るよう努めております。
しかしながら、かかる努力によってもあらゆる事態に対応できるとは限らず、当行グループの業務運営、業績及び財政状態への悪影響を回避しきれない可能性があります。
(6)人材に関するリスク
当行グループは新たな金融の付加価値を創造し社会の発展に貢献するため、「あおぞら型投資銀行ビジネス」に注力し顧客や地域社会が抱える課題を解決していくとともに、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を通じて当行グループ自身のビジネスや企業文化を変革していくことを目指しております。こうした経営戦略・ビジネス戦略の実現のためには戦略に沿った人員計画を策定し、注力分野に重点的に人的リソースを配分するなど常に人材配置の最適化を図る必要があります。ビジネス環境の変化に対応できる人材や注力分野に必要なスキルセットを持つ人材が不足又は流出した場合、当行グループの業務運営やビジネス戦略の実現を通じた持続的成長に支障をきたすリスクがあります。
当行グループでは、人材が企業価値創造の最大の原動力であるとの認識のもと人的資本の強化に取り組んでおります。キャリアコースや世代間の壁をなくし、専門人材の登用も可能にする人事制度を基盤として多種多様な研修プログラムやキャリア支援制度などを用意し、チャレンジ意欲にあふれ組織に貢献できる「人財」の育成に努めております。また新型コロナウイルス感染症予防の徹底やテレワークの浸透などにより、業務継続に必要な従業員の健康を守るとともに社会基盤として必要不可欠な業務の安定稼働につなげた他、安心して長く働ける働きやすい環境の整備に努めることで高い従業員満足度を維持しております。また新たにエンゲージメント測定ツールを導入し、従業員一人ひとりが最大限能力を発揮できるよう働きがい向上に取り組むとともに組織力強化に努めております。これからも人的資本への投資に注力することで人材に関するリスクを削減してまいりますが、かかる努力によっても業務遂行上必要な人材の不足・流出を防止できるとは限らず、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)係争中の訴訟
当行グループは、当行グループ全体の訴訟について一元的に管理を行い、グループの法務リスクの極小化に努めており、現在のところ経営に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟案件はありません。しかし、当行グループは銀行業務を中心に各種金融サービスを提供しており、このような業務遂行の過程で、損害賠償請求訴訟等を提起されたり、損害に対する補償をしたりする可能性があります。このような訴訟等の動向によっては、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)法令遵守に関するリスク
当行グループは、法令等の遵守を徹底し、業務の適法性とともに適切性を確保するために、経営理念に基づき全役職員が遵守すべき「倫理・行動基準」を定め、毎年全役職員に遵守することの誓約を求めること等により、金融機関への社会的要請に適合したコンプライアンスを実現することを最優先とする企業文化の構築に取り組んでおります。しかしながら、必ずしもこのような取組のすべてが有効に機能するとは限りません。お客さま情報の管理不備その他の事情に起因して、各種法令違反が発生するおそれや、お客さまとの多面的な取引の展開が優越的地位の濫用とみなされるおそれもあります。このように今後仮に法令違反等が発生した場合には、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)金融犯罪に関するリスク
当行グループは、口座開設時においてお客さまの取引時確認を厳格に行うことに加え、その後も継続的にお客さまの状況確認や取引のモニタリングを行うことにより、口座不正利用の防止に努めるとともに、お客さまに振り込め詐欺の注意喚起をする等により、お客さまの取引の安全と口座の保護に取り組んでおります。また、新規の取引に先立ち、反社会的勢力等との関係等に関する情報の有無を確認することに加え、その後も継続的に確認を行う等、反社会的勢力等とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っております。
こうした金融犯罪を防止する取組は従前から行っておりますが、近年の本邦における金融犯罪の増加等を踏まえ、モニタリング態勢の高度化を継続的に実施するとともに、グループ会社における金融犯罪防止態勢強化・整備のサポートを行うなど、当行グループ全体として実効性を確保する取組を進めております。
しかし、厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力等との関係を持つ者が口座を開設する等の可能性があり、また、これらの者等が自らの口座を詐欺等に使用したり、マネー・ローンダリングや租税回避行為又は他の不正行為を行う可能性もあります。また、大規模な金融犯罪に巻き込まれた場合には、その対策にかかるコストやお客さまへの補償のほか風評等により、当行グループの業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)外為法上の経済制裁措置等に関するリスク
当行グループは、お客さまとの取引に際しては、資産凍結・経済制裁措置の対象者に該当するか否かの確認や、資金使途規制・貿易規制、特定国との取引規制の確認等、外国為替及び外国貿易法その他の適用法令上必要な対応をとることで、拡散金融を含む各種規制に抵触しないよう体制を整備しております。しかしながら、手続きの不備等の結果、法令違反が発生するおそれがあります。法令違反等が発生した場合には、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、当行グループの評判が毀損される可能性や業務運営や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)従業員又は外部者による不正や過失等によって損失が発生する可能性
当行グループは、上記のリスク以外にも、従業員又は外部者による不正、懈怠及び過失によって損失を被る可能性があります。当行グループでは、従業員に対して社内規定等の適正な運用の徹底を図っておりますが、従業員が、予め許容された範囲を超え、また、許容できないリスクのある取引を実行したり、規定等に反する行為を隠蔽したり、秘密情報を不適切に使用・漏えいしたり、お客さまに対する詐欺的誘引行為又はその他お客さまの信頼を損なう行為を行う可能性があります。また、盗難若しくは偽造されたキャッシュカードの不正利用及びインターネットバンキング不正送金や、デビットカードの不正利用等による被害に対し、当行グループがお客さまに対する賠償責任を負担する可能性等も存在します。従業員又は外部者による不正や過失等を防ぐため、コンプライアンス体制を強化しておりますが、このような行為の結果、当行グループが行政処分その他の制裁を受け、又は当行グループの評判が毀損される可能性もあります。
(12)風説・風評の発生による悪影響
当行グループや金融業界等に対して、その信頼を毀損するような風説・風評が発生し拡散した場合に、当行グループの株価や業績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、インターネットやSNS上の情報は短時間で不特定多数に拡散されるため、想定外の影響を及ぼす可能性もあります。
6.自己資本にかかるリスク
(1)自己資本比率規制
当行グループは現在、国内基準に基づき、4.0%以上の自己資本比率を維持することが求められております。当行グループは、2023年3月末時点において連結自己資本比率9.43%(バーゼルⅢ国内基準ベース)と十分な水準を維持しておりますが、将来、規制上求められる水準の自己資本比率を維持できなくなった場合、行政措置が課され、当行グループの業務遂行に悪影響を及ぼす可能性があります。将来、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性のある要因には以下の事項が含まれます。
・バーゼル銀行監督委員会は2017年12月に「バーゼルⅢ:金融危機後の改革最終化」(バーゼルⅢ最終化)を公表いたしました。同文書には、信用リスク・アセットの計測方法の見直し、オペレーショナル・リスクの計測方法の見直し、資本フロアの導入等が含まれており、当行は2024年3月末より適用となります。自己資本比率規制が更に強化された場合には、当行グループの自己資本比率に影響を及ぼす可能性があります。当行グループは、今後も健全性を維持しつつ資本の効率的な活用に努めるとともに、グローバルな自己資本比率規制強化の方向性等を踏まえ、自己資本の充実を図ってまいりますが、将来における当行グループの利益水準、リスク・アセット水準の変動その他の要因によっては、当行グループの自己資本比率が当行グループの想定を下回る可能性があります。
・上記のとおり、現状当行グループは十分な水準の自己資本比率を維持しておりますが、今後企業価値向上に資する戦略的な資本提携や買収・合併の実施により、自己資本比率が現行水準より低下する可能性があります。
7.当行グループの財務に関するリスク
(1)信用格付の低下が当行グループの業績に悪影響をもたらす可能性
格付機関により当行グループの格付が引下げられた場合、インターバンク市場での短期資金調達あるいは資本調達等においてより不利な条件で取引を行わざるを得なくなる若しくは取引そのものが行えなくなる可能性があります。また、デリバティブ取引等の一定の取引行為が制限され若しくは行えなくなる可能性があるほか、現在締結しているその他の契約を解消される可能性もあります。このような事象のいずれもが、当行グループの財務や業務の執行に悪影響を与え、業績や財政状態に不利な影響を与える可能性があります。
(2)退職給付制度及び年金資産に関連するリスク
当行グループの年金資産の時価が下落した場合や、年金資産の長期期待運用収益率が低下する等退職給付債務に関する予測計算の前提条件に変更が生じた場合には、退職給付費用が増加する可能性があります。また、当行グループの退職給付制度の変更により、退職給付債務が追加的に発生する可能性があるほか、金利環境の変化や会計基準の変更その他の要素によって、退職給付債務が増加したり、年度毎の退職給付費用が増加する可能性があります。
(3)繰延税金資産に関するリスク
当行グループでは、繰延税金資産は、現行の会計基準に従い、将来の課税所得を合理的に見積もった上で計上しております。将来、実効税率引下げ等の税制改正や課税所得の見積額の変更等によって繰延税金資産の取崩しが必要となった場合に、当行グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
8.日本の金融サービス業界に関連するリスク
(1)日本及び世界の経済状況が悪化することで当行グループが受ける悪影響
当行グループの業績は、日本国内だけでなく世界的な金融経済環境の状況に大きく影響され、また、そうした日本国内及び世界的な金融経済環境は、金融・財政政策や地政学的要因等様々な要素によって影響を受けます。
・米中の関係悪化、各国の経済成長の鈍化、アジア・中近東等の地政学上の緊張拡大等を端緒に世界経済が一層減速する可能性もあります。また、ロシアによるウクライナ侵略の長期化に伴うエネルギーや穀物をはじめとした資源価格の高騰により、広い範囲でコストが上昇しております。また、米中デカップリングの拡大によるサプライチェーンの分断や国際貿易の鈍化により、企業の輸入コストが上昇する可能性があります。長期化が懸念される世界的なインフレが、企業業績や米国をはじめとする各国の経済に与える影響にも留意する必要があります。
・日本経済は、世界経済と同様に広い範囲でコストが上昇しており、インフレが長期化した場合には、経済状況が悪化する可能性があります。今後、米国をはじめとする各国の金融政策の動向、景気対策の効果や経済の行方など、マクロの金融経済動向がミクロ経済へ波及し、影響を及ぼす点について留意する必要があります。また、日本銀行の金融政策の動向、日本政府の景気対策の効果等によっても、国内経済に変調がもたらされる可能性があります。
このような環境下、日本及び世界の金融市場や経済の状況がさらに悪化し、又はその回復が遅れた場合、金融資本市場における信用収縮の動き、債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動、景気の停滞や悪化に伴う地価や株価の下落、企業倒産や個人の破産の増加等により、貸出資産の劣化や業務の停滞が生じ、当行グループの資金調達や業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。
(2)日本の金融サービス市場の競争激化
人口減少や高齢化及び低金利環境の長期化等により、我が国の金融サービス市場の競争環境は厳しさを増しております。また、Fintechを始めとする先進テクノロジーの出現による新規事業創出の加速や規制緩和を要因として、通信業者や小売業者をはじめ、他業界からも銀行業・決済事業への参入が見られます。当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。当行グループの主要な競争相手には以下のものが含まれると考えております。
・国内大手銀行グループ:三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ及び三井住友フィナンシャルグループは、資産、顧客基盤、支店数、及び従業員数等の様々な面において、当行グループに比べ相当に大きな規模を有しております。また、これらの銀行グループは、子会社又は関係会社として証券会社をはじめとした様々な機能を有しており、当行グループ同様その収益源を多様化する戦略を採っております。
・主要な投資銀行:国内外の投資銀行との間でも当行グループは、コーポレートアドバイザリー業務、スペシャルティファイナンス及びデリバティブ商品販売業務等様々な事業分野において、競争関係に立っております。
・その他の金融機関:三井住友トラストグループ、りそな銀行グループ、SBI新生銀行、インターネットバンク及び地方銀行等が含まれます。
・ゆうちょ銀行、政府系金融機関:当行グループは、ゆうちょ銀行のほか、日本政策投資銀行等の政府系金融機関とも競争関係にあります。
・その他の金融サービス提供者:当行又は当行の子会社、関連会社は、証券会社、資産運用会社、M&Aアドバイザリー会社、債権回収会社、消費者金融業者及びその他の金融サービス業者とも競争関係にあります。
・当行グループは、数多くの金融サービス企業と競争関係にあり、当行グループに比べ優位に立つと考えられる企業も存在しております。また、デジタライゼーションの進展等を背景に従来には見られなかった異業種から参入も活発化し、一層の競争激化が見込まれます。
国内金融サービス市場をめぐる競争は一層激化することが予想される中で、当行グループが現在又は将来の競合他社と効果的に伍していけるという保証はありません。これまで当行グループは、シンジケートローン、LBOファイナンス、貸出及びコミットメントラインの供与、投資信託の販売等で手数料等の収入を増加させてきましたが、競争の激化に伴う手数料の低下が収益の下押し要因となるおそれがあります。また、当行グループは貸出金利及び預金金利の面でも競合他行と競争関係に立たされており、競争の激化が貸出金利の低下及び預金金利の上昇を促し当行グループの収益性を圧迫する可能性もあります。
(3)金融機関として広範な規制に服していること
当行グループは、金融機関として、広範な法令上の制限及び政府機関による監督を受ける立場にあります。更に、当行並びに当行の子会社及び関連会社は、金融当局による自己資本比率規制、銀行法、その他の銀行としての業務規制を受けております。また、銀行業以外の業務範囲については一部見直しが為されているものの引き続き制限を受けております。こうした制約から、ビジネスチャンスに対し適時に対応することが困難となる可能性があります。
仮に当行グループが、関連法規及び規制の違反を犯したような場合には、行政処分の対象とされ、また当行グループの評価が悪影響を受ける可能性があります。
(4)各種の規制及び法制度等の変更
当行グループは現行法による規制に従って業務を遂行しておりますが、当行グループが国内外において業務を行うにあたって適用されている法律、規則、政策、実務慣行、会計制度及び税制等が変更、又は新たに導入された場合には、当行グループの業務運営に影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
9.環境・社会課題に係るリスク
(1)環境・社会課題に配慮しない投融資等に係るリスク
当行グループは、経営理念において「新たな金融の付加価値を創造し、社会の発展に貢献する」ことをミッションに掲げ、適切なリスク管理態勢のもとで金融仲介機能を発揮し、社会のサステナブルな発展に積極的に貢献することに努めております。
昨今、金融業界においても気候変動対応をはじめとする持続可能な社会の実現に向けた取組が加速していることに加え、各方面のステークホルダーから、事業者としての活動にととまらずサプライチェーン全体を通じて、環境・社会に関する様々な課題に配慮することが期待されております。
投融資ビジネスにおいては、「環境・社会に配慮した投融資方針」を策定の上、近時の地政学リスクからの影響も考慮しながら、環境・社会に対し負の影響を助長する可能性が高いセクターへのファイナンスに際してはその適切性について検討を行うとともに、お客さまの環境・社会課題への取組を支援するサステナブルファイナンスの実行/組成額に目標を設定し、積極的な取組を行っております。また、大規模な開発を伴うプロジェクトファイナンスは自然環境や地域社会に大きな影響を与える可能性があり、これらの負の影響を回避・緩和するための適切な配慮を確認した上でファイナンスを実行するため、「赤道原則」を採択しております。
しかしながら、これらの当行グループの投融資等に係る取組が、他の金融機関の取組に大きく劣後した場合や投資家やお客さまなどのステークホルダーの期待から大きく乖離した場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下等により、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)気候変動に係るリスク
気候変動の原因とされる温室効果ガスの削減や2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組が加速しており、金融業界では、様々な環境・社会課題の中でも気候変動リスクへの対応の重要性が高まっております。当行グループは、気候変動が環境・社会、企業活動、個人の生活にとっての脅威であり、当行の業績・財政状況へ影響を及ぼしうる重要な課題の一つであると認識しております。
気候変動リスクとしては、移行リスクと物理的リスクがあります。
(移行リスク)脱炭素経済への移行に伴う政策・法規制・技術・市場の変化が生じることに起因する、次のようなリスクを当行グループは認識しております。
・脱炭素社会への移行に伴う炭素税等の政策等が与信先の事業や財務状況に影響し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク
・脱炭素技術の進歩や消費者の嗜好変化による既存の製品・サービスの代替の進展により投融資先の業績が悪化し、与信ポートフォリオが影響を受けるリスク
・新たな技術開発を志向する企業との取引を十分取り込むことが出来ず、当行グループの業績に悪影響が及ぶとともに当行グループの評価が低下するリスク
(物理的リスク)温暖化の進行により、資産に対する直接的な損傷や、サプライチェーンの寸断による間接的な影響等が生じる、次のようなリスクを当行グループは認識しております。
・風水害の頻度・規模の増大等、気候変動に伴う自然災害や異常気象によってもたらされる物理的な被害から与信ポートフォリオが影響を受けるリスク
・社会インフラあるいは当行グループの事業施設や従業員が被害を受け、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク
・温暖化の進行で熱中症や疫病のパンデミック等の発生頻度が高まり、当行グループ又は当行グループの取引先の事業に重大な悪影響が及ぶリスク
これらの事象が生じた場合には、当行グループの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、こうした気候変動に関するリスクの把握・評価、情報開示の重要性を認識し、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下、「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同し、移行リスクと物理的リスクが当行に与える影響について分析し、当行の与信関連費用への影響額を開示しております。
2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、当行グループ自社の脱炭素化の取組を加速するとともに、お客さまの気候変動対応や脱炭素社会への移行を積極的に支援するため、外部業者と協業した脱炭素コンサルティングサービスの展開や国内外における環境ファイナンスを推進しております。加えて、投融資先に関するTCFDに沿った脱炭素化の働きかけやリスクの把握・評価、情報開示の拡充にも取り組んでおりますが、これらの気候変動に関するリスクへの対策や情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、ビジネス機会の逸失、ポートフォリオの質の低下、調達力の低下、レピュテーションの低下などにより、当行グループの業務運営や業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
10.その他
(1)財務報告に係る内部統制に関するリスク
当行グループは、金融商品取引法に基づき、財務報告に係る内部統制の有効性を評価した「内部統制報告書」の提出、及びその評価内容について監査法人の監査を受けることが求められております。
当行グループは、財務報告に係る内部統制の整備・運用を行っており、有効性を評価する過程で発見された事項は速やかに改善するよう努めております。
しかしながら、改善が不十分な場合や経営者が内部統制を有効と評価しても監査法人が開示すべき重要な不備があると評価するような場合があり、当行グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)重要な経営陣への依存
当行グループでは、経営陣の業務遂行能力が、今後の当行グループの事業の成否に関する重要な要因となる場合があるものと考えております。重要な経営陣の退社等により、当行グループの事業遂行が悪影響を受け、また事業戦略の実施能力が低下する可能性があります。
文中における財務数値の記載金額は、単位未満を切捨てにて表示しております。
(1)金融経済環境
当連結会計年度の世界経済は、ウィズコロナ路線の下で経済活動が正常化へ向かう一方、ウクライナ情勢による地政学リスクへの警戒感からエネルギー価格等の上昇を背景としたインフレ圧力が強まりました。これに対し欧米主要国の中央銀行が急速な金融引き締めを行った結果、景気減速懸念が強まりました。また、期末には米国地方銀行破綻を機に金融システム不安が高まり利上げ観測が後退するなど、年度を通じ金融経済環境は大きく変動しました。国内経済においても新型コロナウイルス感染症の影響は和らぎ、全体として緩やかながら回復基調が継続しましたが、資源高・円安による輸入コストの上昇等を要因に、消費者物価指数が第二次オイルショック以来40年ぶりの上昇率を記録するなど、物価上昇圧力が強まりました。
金融市場については、国内の長期金利(10年国債利回り)は期初から概ね0.2%台で推移しておりましたが、12月の日銀金融政策決定会合において長期金利の変動許容幅を±0.5%まで拡大させることが決定されると0.5%台まで上昇しました。その後、海外における金融システム不安から低下に転じ、期末には0.3%台となりました。日経平均株価は、8月に29,000円台を突破して高値を付けた後、海外株式市場に歩調を合わせ25,000円台まで下落する動きとなりましたが、期末には28,000円台を回復しています。ドル円相場は、期初の120円台前半から10月には152円に迫る水準まで円安が進行しましたが、日米金利差拡大に歯止めがかかると徐々に円高に転じ、期末には130円台前半となりました。
米国では、FRB(米連邦準備理事会)がインフレ抑制を目的として連続的な利上げを実施し、長期金利(10年米国債利回り)は、期初の2.3%台から9月下旬には4%を超える水準まで上昇しました。11月以降は利上げペースの減速観測が強まり、3月には金融システム不安を契機に将来の利上げ予想が後退したことから、期末には3.3%台となりました。米国株式市場は、インフレ昂進・金利上昇の中、軟調に推移し、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価は期初の34,000ドルから9月末には29,000ドルを割り込む水準となりました。その後、長期金利の低下を背景に回復基調に転じ、期末には33,000ドル台まで上昇しました。
(2)経営成績の状況の概要、及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営成績等の状況の概要、及び経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況の分析・検討内容は次のとおりであります。
① 経営成績の分析
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
|||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
||||
|
連結粗利益 |
1,030 |
214 |
218 |
119 |
42 |
595 |
△434 |
|
|
|
資金利益 |
516 |
142 |
129 |
131 |
106 |
510 |
△5 |
|
|
役務取引等利益 |
140 |
28 |
28 |
37 |
38 |
133 |
△6 |
|
|
特定取引利益 |
166 |
16 |
2 |
11 |
11 |
41 |
△124 |
|
|
その他業務利益 |
207 |
27 |
57 |
△61 |
△113 |
△90 |
△297 |
|
経費 |
△577 |
△144 |
△146 |
△145 |
△156 |
△593 |
△15 |
|
|
持分法による投資損益 |
26 |
3 |
4 |
4 |
10 |
23 |
△2 |
|
|
連結実質業務純益 |
478 |
73 |
76 |
△21 |
△103 |
25 |
△452 |
|
|
与信関連費用 |
△37 |
32 |
△11 |
1 |
△39 |
△17 |
20 |
|
|
|
貸出金償却 |
△13 |
△0 |
△0 |
△0 |
△1 |
△1 |
11 |
|
|
個別貸倒引当金純繰入額 |
△43 |
△6 |
4 |
△0 |
△57 |
△59 |
△15 |
|
|
一般貸倒引当金純繰入額 |
16 |
29 |
△16 |
3 |
31 |
48 |
31 |
|
|
特定海外債権引当勘定純繰入額 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
その他の債権売却損等 |
△0 |
△0 |
△0 |
△2 |
△12 |
△15 |
△14 |
|
|
償却債権取立益 |
1 |
10 |
1 |
0 |
0 |
11 |
10 |
|
|
オフバランス取引信用リスク引当金純繰入額 |
2 |
0 |
△0 |
0 |
△0 |
△0 |
△2 |
|
株式等関係損益 |
20 |
△0 |
46 |
1 |
37 |
84 |
64 |
|
|
その他 |
1 |
7 |
△20 |
△1 |
△5 |
△20 |
△21 |
|
|
経常利益 |
462 |
113 |
90 |
△19 |
△110 |
73 |
△389 |
|
|
特別損益 |
△3 |
△0 |
△0 |
- |
△0 |
△0 |
3 |
|
|
税金等調整前当期純利益 |
459 |
113 |
90 |
△19 |
△110 |
73 |
△386 |
|
|
法人税、住民税及び事業税 |
△131 |
△11 |
△24 |
21 |
10 |
△4 |
126 |
|
|
法人税等調整額 |
1 |
△21 |
△2 |
△4 |
25 |
△2 |
△4 |
|
|
当期純利益 |
330 |
79 |
64 |
△2 |
△75 |
66 |
△263 |
|
|
非支配株主に帰属する当期純損失 |
19 |
4 |
5 |
5 |
5 |
20 |
0 |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
350 |
83 |
70 |
3 |
△69 |
87 |
△262 |
|
参考:ビジネス別粗利益(管理会計ベース)
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
顧客関連ビジネス (マーケット・リテール業務除く) |
689 |
192 |
182 |
172 |
145 |
693 |
3 |
|
リテール業務 |
80 |
10 |
8 |
5 |
4 |
28 |
△51 |
|
マーケット関連業務 |
259 |
12 |
27 |
△59 |
△107 |
△126 |
△386 |
(注)1.連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(信託報酬+役務取引等収益-役務取引等費用)
+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
2.連結実質業務純益=連結粗利益-経費+持分法による投資損益
3.科目にかかわらず収益・利益はプラス表示、費用・損失はマイナス表示しております。
当期の連結粗利益は、595億円(前期比434億円減)と、マーケット業務における損失処理を主因に前期比大幅な減益となりました。
あおぞら型投資銀行ビジネスを中心とした顧客関連ビジネス(マーケット・リテール業務を除く)の粗利益は堅調に推移し、693億円(前期比3億円増)となりました。
マーケット関連業務は、期を通じて有価証券ポートフォリオのリスク削減を継続し、評価損の一部の損失処理を実施したことにより126億円の損失(前期比386億円減)、リテール業務は、仕組債販売方針の見直しに伴い、28億円の利益(前期比51億円減)となりました。
連結粗利益のうち資金利益は、運用残高の増加及び利鞘の上昇により貸出金にかかる利益が増加(前期比約100億円増)となる一方、米国金利上昇に伴う利鞘縮小により有価証券にかかる利益が減少(前期比約80億円減)したことにより、前期比ほぼ横ばいの510億円となりました。非資金利益は、有価証券ポートフォリオのリスク削減オペレーションに伴う損失、及び、組合出資にかかる評価見直しに伴う引当金の計上により、前期比429億円減少の84億円となりました。
経費はベアの実施・人事制度の見直しなど人的資本への投資により人件費が増加し、593億円(前期比15億円増)となりました。
持分法による投資損益は23億円の利益を計上し、連結実質業務純益は25億円(前期比452億円減)となりました。
与信関連費用は、第4四半期に海外不動産ノンリコースローンのうちオフィス案件を中心に保守的な評価に基づき引当金を計上しましたが、期を通じては17億円の費用(前期は37億円の費用)と期初想定内の水準にとどまっております。株式等関係損益は、主にあおぞら型投資銀行ビジネス(エクイティ投資)に係るエグジットにより84億円の利益(前期比64億円増)を計上しました。
この結果、経常利益は73億円(前期比389億円減)、税金等調整前当期純利益は73億円(同386億円減)となり、法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計)の6億円(費用)を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は、87億円(前期比262億円減)となりました。
1株当たり当期純利益は74円67銭(前期は299円81銭)となっております。
○主要業績評価指標(Key Performance Indicators:KPI)
当行の前中期経営計画「AOZORA2022」で定めた主要業績評価指標(KPI)の状況は以下のとおりです。
|
主要業績評価指標 (KPI) |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|
2020年度~2022年度 (中期目標) |
|
経費率(OHR) |
56.1% |
99.6% |
|
50%台前半 |
|
業務純益*ROA |
0.8% |
0.04% |
|
1%程度 |
|
ROE |
7.2% |
1.9% |
|
8%以上 |
*持分法による投資損益を含んだ連結実質業務純益
(イ)連結粗利益
○資金利益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
資金利益 |
516 |
142 |
129 |
131 |
106 |
510 |
△5 |
|
資金運用収益 |
661 |
212 |
261 |
321 |
339 |
1,135 |
474 |
|
貸出金利息 |
447 |
144 |
198 |
252 |
274 |
870 |
422 |
|
有価証券利息配当金 |
202 |
64 |
57 |
61 |
49 |
233 |
31 |
|
その他受入利息 |
10 |
3 |
5 |
8 |
9 |
26 |
15 |
|
スワップ受入利息 |
- |
- |
- |
- |
5 |
5 |
5 |
|
資金調達費用 |
△145 |
△70 |
△131 |
△190 |
△232 |
△624 |
△479 |
|
預金・譲渡性預金利息 |
△61 |
△21 |
△27 |
△31 |
△32 |
△112 |
△50 |
|
社債利息 |
△19 |
△4 |
△4 |
△1 |
△4 |
△15 |
4 |
|
借用金利息 |
△11 |
△2 |
△3 |
△3 |
△3 |
△12 |
△0 |
|
その他支払利息 |
△7 |
△8 |
△21 |
△31 |
△31 |
△92 |
△85 |
|
スワップ支払利息 |
△45 |
△32 |
△74 |
△122 |
△161 |
△391 |
△346 |
・資金利益は、510億円と前期比ほぼ横ばい
- 貸出金にかかる資金利益は、運用残高の増加及び利鞘の上昇により前期比約100億円増加
- 有価証券にかかる資金利益は、米国金利上昇に伴う利鞘縮小により前期比約80億円減少
○資金利鞘
|
|
2022年 3月期 (%) |
2023年3月期 (%) |
比較 (%) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
資金運用利回り |
1.27 |
1.48 |
1.78 |
2.15 |
2.36 |
1.94 |
0.67 |
|
貸出金利回り |
1.42 |
1.68 |
2.10 |
2.52 |
2.83 |
2.30 |
0.88 |
|
有価証券利回り |
1.50 |
1.81 |
1.63 |
1.59 |
1.47 |
1.63 |
0.13 |
|
資金調達利回り |
0.26 |
0.46 |
0.83 |
1.18 |
1.46 |
0.99 |
0.73 |
|
資金粗利鞘 |
1.01 |
1.02 |
0.95 |
0.97 |
0.90 |
0.95 |
△0.06 |
|
貸出金利鞘 |
1.16 |
1.22 |
1.27 |
1.34 |
1.37 |
1.31 |
0.15 |
|
有価証券利鞘 |
1.24 |
1.35 |
0.80 |
0.41 |
0.01 |
0.64 |
△0.60 |
・資金粗利鞘(資金運用利回り-資金調達利回り)は、前期比6bps縮小
- 海外貸出を中心に、貸出金利鞘は前期比15bps拡大、四半期ベースでも拡大基調を継続
○資金運用・調達勘定の平均残高等及び受取・支払利息の分析
|
|
|
平均残高・利息・利回り等 |
|
受取・支払利息の分析 |
||
|
|
|
2022年3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
|
2022年3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
|
資金運用勘定 |
平均残高 |
51,777 |
58,248 |
残高による増減 |
82 |
82 |
|
|
利息 |
661 |
1,135 |
利率による増減 |
△99 |
391 |
|
|
利回り(%) |
1.27 |
1.94 |
純増減 |
△16 |
474 |
|
うち貸出金 |
平均残高 |
31,364 |
37,715 |
残高による増減 |
35 |
90 |
|
|
利息 |
447 |
870 |
利率による増減 |
△43 |
331 |
|
|
利回り(%) |
1.42 |
2.30 |
純増減 |
△8 |
422 |
|
うち有価証券 |
平均残高 |
13,443 |
14,328 |
残高による増減 |
34 |
13 |
|
|
利息 |
202 |
233 |
利率による増減 |
△43 |
17 |
|
|
利回り(%) |
1.50 |
1.63 |
純増減 |
△9 |
31 |
|
資金調達勘定 |
平均残高 |
54,135 |
62,896 |
残高による増減 |
23 |
23 |
|
|
利息 |
145 |
624 |
利率による増減 |
△55 |
456 |
|
|
利回り(%) |
0.26 |
0.99 |
純増減 |
△31 |
479 |
|
うち預金 |
平均残高 |
43,659 |
52,411 |
残高による増減 |
11 |
12 |
|
|
利息 |
61 |
112 |
利率による増減 |
△6 |
38 |
|
|
利回り(%) |
0.14 |
0.21 |
純増減 |
5 |
50 |
|
うち譲渡性 |
平均残高 |
342 |
285 |
残高による増減 |
△0 |
△0 |
|
預金 |
利息 |
0 |
0 |
利率による増減 |
△0 |
0 |
|
|
利回り(%) |
0.01 |
0.01 |
純増減 |
△0 |
△0 |
|
うち社債 |
平均残高 |
1,805 |
1,462 |
残高による増減 |
△2 |
△3 |
|
|
利息 |
19 |
15 |
利率による増減 |
△0 |
△0 |
|
|
利回り(%) |
1.08 |
1.03 |
純増減 |
△2 |
△4 |
(注)資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を控除しております。
○役務取引等利益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
役務取引等利益 |
140 |
28 |
28 |
37 |
38 |
133 |
△6 |
|
役務取引等収益(含む信託報酬) |
177 |
38 |
39 |
48 |
50 |
177 |
△0 |
|
貸出業務・預金業務 |
78 |
14 |
14 |
19 |
13 |
61 |
△16 |
|
証券業務・代理業務 |
39 |
10 |
12 |
11 |
12 |
46 |
6 |
|
うち、投資信託関連利益 |
20 |
5 |
6 |
6 |
6 |
25 |
5 |
|
その他の受入手数料 |
59 |
13 |
12 |
18 |
24 |
69 |
10 |
|
役務取引等費用 |
△37 |
△10 |
△10 |
△10 |
△11 |
△43 |
△6 |
・役務取引等利益は133億円(前期比6億円減少)
- 貸出関連手数料は61億円。複数の大型案件クロージングの2023年度第1四半期への期ずれ(約20億円)もあ
り、前期比16億円減少
- あおぞら投信が提供する地域金融機関の個人のお客さま向け商品の販売が好調に推移し、投資信託の預かり資
産残高および投資信託関連利益(+5億円)が増加
○特定取引利益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
特定取引利益 |
166 |
16 |
2 |
11 |
11 |
41 |
△124 |
|
特定金融派生商品利益 |
56 |
4 |
2 |
27 |
4 |
38 |
△17 |
|
その他 |
110 |
11 |
△0 |
△15 |
6 |
3 |
△107 |
・特定取引利益は、仕組債販売利益やトレーディング利益の減少により41億円(前期比124億円減少)
[ご参考]リテール関連利益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
投信・仕組債等の販売に係る利益 |
80 |
10 |
9 |
5 |
4 |
29 |
△51 |
(注)投信の販売に係る利益は役務取引等利益に、仕組債の販売に係る利益は特定取引利益に、それぞれ計上され
ます。
・リテール関連の投資性商品販売利益は、前期比51億円減少
○国債等債券損益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
国債等債券損益 |
45 |
△23 |
△0 |
△39 |
△48 |
△111 |
△156 |
|
日本国債 |
1 |
△4 |
0 |
- |
△2 |
△6 |
△8 |
|
地方債 |
- |
△3 |
△0 |
△7 |
△23 |
△34 |
△34 |
|
外国国債及びモーゲージ債 |
△19 |
- |
- |
△28 |
△21 |
△50 |
△30 |
|
その他 |
62 |
△15 |
0 |
△3 |
△1 |
△20 |
△83 |
・国債等債券損益は111億円の損失(前期は45億円の利益)
- 当連結会計年度の有価証券ポートフォリオのリスク削減オペレーションに伴う損失(派生商品損失0億円を含
む)は、112億円。第4四半期は、外債や地方債を中心に処理を進め、75億円の損失(派生商品損失26億円を
含む)。
○国債等債券損益を除くその他業務利益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
その他業務利益 |
162 |
51 |
57 |
△22 |
△64 |
21 |
△141 |
|
うち金融派生商品損益 |
10 |
△1 |
45 |
△3 |
△20 |
19 |
8 |
|
うち組合出資損益 |
91 |
31 |
9 |
11 |
△5 |
46 |
△45 |
|
不動産関連 |
22 |
4 |
4 |
2 |
14 |
25 |
3 |
|
不良債権関連 |
33 |
4 |
5 |
13 |
12 |
36 |
2 |
|
バイアウト・ベンチャー関連 |
26 |
18 |
△4 |
△6 |
△9 |
△1 |
△28 |
|
その他 |
8 |
4 |
2 |
1 |
△22 |
△14 |
△22 |
・国債等債券損益を除くその他業務利益は21億円(前期は162億円の利益)
- 組合出資損益は、不動産関連は第4四半期における大型エグジット案件、不良債権関連は下期における順調な
回収益により、ともに前期比増益。一方、第4四半期における評価見直しに基づき、一部案件について26億円
の引当金を計上。
(ロ)経費
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
経費 |
△577 |
△144 |
△146 |
△146 |
△156 |
△593 |
△15 |
|
人件費 |
△273 |
△68 |
△72 |
△72 |
△76 |
△288 |
△14 |
|
物件費 |
△269 |
△66 |
△67 |
△67 |
△74 |
△278 |
△8 |
|
税金 |
△34 |
△9 |
△6 |
△6 |
△5 |
△27 |
7 |
・経費は前期比15億円増加し593億円
- 人件費・IT関連等の必要な投資を行いつつ経費コントロールに努め、経費全体では期初予算(600億円)内の
実績
- ベアの実施、人事制度の見直し等人的資本への投資を進めており、人件費は前期比14億円増加
(ハ)持分法による投資損益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
持分法による投資損益 |
26 |
3 |
4 |
4 |
10 |
23 |
△2 |
・持分法による投資損益は23億円の利益
- ベトナムOrient Commercial Joint Stock Bank(OCB)の2022年1-12月期実績は、ベトナム国内金利上昇の影響による債券売却損の計上等もあり、前期比減益
(ニ)与信関連費用
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
与信関連費用計 |
△37 |
32 |
△11 |
1 |
△39 |
△17 |
20 |
|
貸出金償却 |
△13 |
△0 |
△0 |
△0 |
△1 |
△1 |
11 |
|
貸倒引当金純繰入額 |
△27 |
22 |
△11 |
3 |
△25 |
△11 |
15 |
|
個別貸倒引当金純繰入額 |
△43 |
△6 |
4 |
△0 |
△57 |
△59 |
△15 |
|
一般貸倒引当金純繰入額 |
16 |
29 |
△16 |
3 |
31 |
48 |
31 |
|
その他の債権売却損等 |
△0 |
△0 |
△0 |
△2 |
△12 |
△15 |
△14 |
|
償却債権取立益 |
1 |
10 |
1 |
0 |
0 |
11 |
10 |
|
オフバランス取引信用リスク引当金純繰入額 |
2 |
0 |
△0 |
0 |
△0 |
△0 |
△2 |
・与信関連費用は17億円の費用(前期は37億円の費用)となり、期初想定内の水準
- 第4四半期は39億円の費用。二極化が進む海外不動産ノンリコースローンのうち、オフィス案件を中心に保守的な評価に基づき引当金を計上(51億円の繰り入れ)
- 海外コーポレート案件のリバランスを進めており、第4四半期に債権売却損12億円を計上。
・当期末の貸出金残高に対する貸倒引当金の比率は1.13%と、十分な水準を維持
- 海外貸出に対する貸倒引当金の比率は約2%。海外不動産ノンリコースローンのうち、米国オフィス案件に対
する貸倒引当金の比率は約4.7%。
(ホ)株式等関係損益
|
|
2022年 3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
||||
|
4-6月 |
7-9月 |
10-12月 |
1-3月 |
|
|||
|
株式等関係損益 |
20 |
△0 |
46 |
1 |
37 |
84 |
64 |
・株式等関係損益は84億円の利益
- 第4四半期は37億円の利益、あおぞら型投資銀行ビジネス(エクイティ投資)に係るエグジットによるもの
(ヘ)法人税等
|
|
2022年3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
|
法人税等計 |
△129 |
△6 |
122 |
|
法人税、住民税及び事業税 |
△131 |
△4 |
126 |
|
法人税等調整額 |
1 |
△2 |
△4 |
・法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計)は、6億円の費用
(ト)セグメント利益(損失)
|
|
2022年3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
|
法人営業グループ |
58 |
30 |
△28 |
|
ストラクチャードファイナンスグループ |
202 |
189 |
△13 |
|
インターナショナルビジネスグループ |
106 |
157 |
50 |
|
マーケットグループ |
211 |
△175 |
△386 |
|
カスタマーリレーショングループ |
5 |
△24 |
△30 |
当行グループは、「法人営業グループ」「ストラクチャードファイナンスグループ」「インターナショナルビジネスグループ」「マーケットグループ」「カスタマーリレーショングループ」を報告セグメントとしております。
各報告セグメントは、以下のビジネスグループにより構成されています。
法人営業グループ
: 事業法人営業グループ、M&Aアドバイザリーグループ
ストラクチャードファイナンスグループ
: 事業ファイナンスグループ、環境ビジネスグループ、スペシャルシチュエーションズグループ、
不動産ファイナンスグループ
インターナショナルビジネスグループ
: インターナショナルファイナンスグループ、アジアインベストメントグループ
マーケットグループ
: ファイナンシャルマーケッツグループ
カスタマーリレーショングループ
: 金融法人・地域法人営業グループ、個人営業グループ
報告セグメント毎のセグメント利益又は損失は、連結粗利益、持分法による投資損益及び株式等関係損益を合計した金額を「ビジネス収益」とし、ビジネス収益-経費で算定しております。
② 財政状態の分析
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
資産の部 |
67,286 |
71,840 |
4,554 |
|
現金預け金 |
11,419 |
12,750 |
1,330 |
|
特定取引資産 |
1,330 |
1,512 |
182 |
|
有価証券 |
14,781 |
12,787 |
△1,994 |
|
貸出金 |
33,171 |
38,813 |
5,642 |
|
その他 |
6,583 |
5,976 |
△607 |
|
負債の部 |
62,413 |
67,529 |
5,115 |
|
預金・譲渡性預金 |
48,715 |
54,973 |
6,257 |
|
社債 |
1,689 |
1,477 |
△211 |
|
債券貸借取引受入担保金 |
3,569 |
2,159 |
△1,409 |
|
特定取引負債 |
1,292 |
1,218 |
△73 |
|
借用金 |
4,323 |
5,256 |
932 |
|
その他 |
2,823 |
2,443 |
△379 |
|
純資産の部 |
4,872 |
4,311 |
△561 |
|
資本金 |
1,000 |
1,000 |
- |
|
資本剰余金 |
874 |
874 |
0 |
|
利益剰余金 |
3,017 |
2,918 |
△98 |
|
自己株式 |
△31 |
△30 |
0 |
|
その他の包括利益累計額合計 |
70 |
△381 |
△451 |
|
その他 |
△58 |
△70 |
△11 |
|
負債及び純資産の部 |
67,286 |
71,840 |
4,554 |
当期末の連結総資産は、7兆1,840億円(前期末比4,554億円増)となりました。貸出金は、3兆8,813億円(前期末比5,642億円増)となりました。このうち国内向け貸出は、環境ファイナンス案件、高格付案件を中心に前期末比3,826億円増加しました。海外向け貸出は1,815億円増加、北米コーポレートローンでは市場環境に応じて選択的な案件取り上げおよび機動的なリバランスを実施し、ポートフォリオの質の維持を図る方針を継続、海外不動産ノンリコースローンについては、保守的な審査を踏まえた慎重な取り上げ方針を継続しております。
有価証券は、ポートフォリオのリスク削減オペレーションの結果、外国国債・国債・地方債の残高が減少し1兆2,787億円(前期末比1,994億円減)となっております。
負債合計は、6兆7,529億円(前期末比5,115億円増)となりました。コア調達(預金・譲渡性預金及び社債の合計)は5兆6,451億円(前期末比6,046億円増)、うち個人預金残高は3兆7,396億円(前期末比4,916億円増)となりました。なお、個人預金残高全体のうち約8割が預金保険の対象となっております。
純資産は、有価証券ポートフォリオの含み損拡大に伴いその他有価証券評価差額金が前期比494億円減少したことにより、4,311億円(前期末比561億円減)となりました。1株当たり純資産額は3,751円95銭(前期末は4,222円79銭)となっております。
(イ)貸出金
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
貸出金 |
33,171 |
38,813 |
5,642 |
|
国内向け貸出 |
21,275 |
25,101 |
3,826 |
|
海外向け貸出 米ドルベース(百万ドル) |
11,896 9,716 |
13,711 10,268 |
1,815 551 |
・貸出金残高は前期末比5,642億円増加し3兆8,813億円
・国内向け貸出は、前期末比3,826億円増加。環境ファイナンス案件、高格付案件(政府向け、国内REIT、リー
ス)を中心に増加
・海外向け貸出は1兆3,711億円(前期末比1,815億円増加、米ドルベースでは551百万ドル増加)
- 北米向けコーポレートローンについては、市場環境に応じて選択的な案件取り上げおよび機動的なリバランス
を実施し、ポートフォリオの質の維持を図る方針を継続
- 海外不動産ノンリコースローンについては、保守的な審査を踏まえた慎重な取り上げ方針を継続
○銀行法及び再生法に基づく債権の状況
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 |
28 |
30 |
2 |
|
危険債権 |
162 |
306 |
144 |
|
要管理債権 |
23 |
55 |
31 |
|
三月以上延滞債権 |
- |
- |
- |
|
貸出条件緩和債権 |
23 |
55 |
31 |
|
小計 |
214 |
391 |
177 |
|
正常債権 |
33,460 |
38,968 |
5,508 |
|
合計 |
33,674 |
39,360 |
5,686 |
|
開示債権比率(%) |
0.63 |
0.99 |
0.36 |
・連結ベースの金融再生法開示債権比率は0.99%(前期末比0.36ポイント上昇)
- 開示債権残高は前期末比177億円増加。主に海外不動産ノンリコースローンに対する保守的な評価に基づく債
務者区分の変更によるもの。
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
○貸倒引当金の状況
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
貸倒引当金 |
486 |
440 |
△46 |
|
一般貸倒引当金 |
384 |
336 |
△47 |
|
個別貸倒引当金 |
101 |
103 |
1 |
|
特定海外債権引当勘定 |
- |
- |
- |
○業種別貸出残高及び再生法開示債権残高
|
|
2022年3月末 |
2023年3月末 |
||
|
|
貸出残高合計 (億円) |
再生法開示債権 (億円) |
貸出残高合計 (億円) |
再生法開示債権 (億円) |
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
25,457 |
197 |
30,000 |
368 |
|
製造業 |
2,368 |
78 |
2,587 |
56 |
|
農業、林業、漁業 |
41 |
41 |
31 |
31 |
|
鉱業、採石業、砂利採取業 |
- |
- |
- |
- |
|
建設業 |
103 |
0 |
127 |
0 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
870 |
- |
1,415 |
- |
|
情報通信業 |
1,026 |
0 |
1,053 |
0 |
|
運輸業、郵便業 |
403 |
0 |
497 |
0 |
|
卸売業、小売業 |
779 |
19 |
869 |
1 |
|
金融業、保険業 |
3,520 |
0 |
3,424 |
0 |
|
不動産業 |
7,150 |
21 |
7,604 |
0 |
|
物品賃貸業 |
1,005 |
- |
1,487 |
- |
|
その他サービス業 |
1,538 |
13 |
1,552 |
13 |
|
地方公共団体 |
169 |
- |
85 |
- |
|
その他 |
6,479 |
23 |
9,262 |
265 |
|
海外及び特別国際金融取引勘定分 |
7,713 |
16 |
8,813 |
23 |
|
政府等 |
- |
- |
- |
- |
|
金融機関 |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
7,713 |
16 |
8,813 |
23 |
|
合計 |
33,171 |
214 |
38,813 |
391 |
(注)再生法開示債権には、その他資産中の未収利息及び仮払金並びに支払承諾見返等を含んでおります。
(ロ)有価証券
|
|
連結貸借対照表計上額 |
評価損益 |
||||
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
国債 |
763 |
183 |
△579 |
△7 |
△13 |
△5 |
|
地方債 |
1,642 |
389 |
△1,252 |
△12 |
△1 |
11 |
|
社債・短期社債 |
1,729 |
1,279 |
△449 |
4 |
△9 |
△13 |
|
株式 |
315 |
301 |
△13 |
204 |
128 |
△75 |
|
外国債券 |
5,360 |
4,587 |
△772 |
△284 |
△624 |
△340 |
|
外国国債 |
2,641 |
1,958 |
△683 |
△133 |
△270 |
△137 |
|
モーゲージ債 |
1,719 |
1,523 |
△195 |
△156 |
△325 |
△168 |
|
その他 |
999 |
1,106 |
106 |
5 |
△28 |
△34 |
|
その他 |
4,970 |
6,044 |
1,074 |
154 |
△140 |
△295 |
|
ETF |
1,530 |
1,233 |
△297 |
△114 |
△237 |
△122 |
|
組合出資 |
1,378 |
1,695 |
317 |
24 |
18 |
△5 |
|
REIT |
760 |
465 |
△295 |
77 |
65 |
△12 |
|
投資信託 |
930 |
2,250 |
1,319 |
104 |
△14 |
△119 |
|
その他 |
369 |
400 |
30 |
62 |
27 |
△35 |
|
有価証券計 |
14,781 |
12,787 |
△1,994 |
58 |
△659 |
△718 |
・有価証券残高は1兆2,787億円(前期末比1,994億円減少)
- 有価証券ポートフォリオにかかる評価損の一括処理を実施した結果、外国国債に加え、円金利リスク削減のた
め国債・地方債も減少。
- 投資信託の増加は、今後のリスクコントロールを目的としたベアファンドの導入によるもの
・評価損益は659億円の評価損(前期末比718億円評価損増加)
(ハ)調達(預金・譲渡性預金及び社債残高)
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
コア調達計 |
50,405 |
56,451 |
6,046 |
|
預金・譲渡性預金 |
48,715 |
54,973 |
6,257 |
|
社債 |
1,689 |
1,477 |
△211 |
顧客層別調達内訳
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
個人 |
32,479 |
37,396 |
4,916 |
|
事業法人 |
7,862 |
9,093 |
1,230 |
|
金融法人 |
10,062 |
9,961 |
△101 |
(注)事業法人には公共法人を含みます。
・コア調達(預金・譲渡性預金及び社債の合計)は5兆6,451億円(前期末比6,046億円増加)
- うち個人預金残高は前期末比4,916億円増加。個人預金の1口座当たりの平均残高は約480万円、個人預金残高
全体のうち約8割が預金保険対象(単体ベース)
(ニ)自己資本比率(国内基準)
○連結自己資本比率(国内基準)
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
1.連結自己資本比率(%)(2/3) |
10.37 |
9.43 |
△0.94 |
|
2.連結における自己資本の額 |
5,003 |
4,900 |
△102 |
|
3.リスク・アセットの額 |
48,210 |
51,958 |
3,748 |
|
4.連結総所要自己資本額 |
1,928 |
2,078 |
149 |
・当期末の連結自己資本比率算定上の連結自己資本は4,900億円、連結ベースのリスクアセットは5兆1,948億円
・連結自己資本比率(バーゼルⅢベース、国内基準)は9.43%となり、十分な水準を維持
○単体自己資本比率(国内基準)
|
|
2022年3月末 (億円) |
2023年3月末 (億円) |
比較 (億円) |
|
1.単体自己資本比率(%)(2/3) |
10.33 |
8.99 |
△1.34 |
|
2.単体における自己資本の額 |
4,974 |
4,669 |
△305 |
|
3.リスク・アセットの額 |
48,157 |
51,924 |
3,766 |
|
4.単体総所要自己資本額 |
1,926 |
2,076 |
150 |
自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。また、マーケット・リスク規制を導入しており、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては、粗利益配分手法を採用しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
|
|
2022年3月期 (億円) |
2023年3月期 (億円) |
比較 (億円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
2,539 |
△613 |
△3,152 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△238 |
2,139 |
2,377 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△160 |
△180 |
△20 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
2,140 |
1,344 |
△795 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
8,477 |
10,617 |
2,140 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
10,617 |
11,962 |
1,344 |
当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、連結粗利益の減少等により613億円の支出(前期は2,539億円の収入)となり、投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入が取得による支出を上回ったこと等により2,139億円の収入(同238億円の支出)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により180億円の支出(同160億円の支出)となりました。以上の結果、現金及び現金同等物の当期末の残高は、前期末比1,344億円増加し、1兆1,962億円となりました。
当行の主要な資金調達手段は、預金、譲渡性預金及び社債です。これらについて継続的に既存債務の借り換えを行うとともに、一定割合について短期資金での調達を行っております。当行は、資金調達方法を分散・多様化させることにより、資金調達の安定性の確保・向上に努めております。
重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(イ)貸倒引当金の計上
(ⅰ)当連結会計年度に係る連結財務諸表に計上した額
|
|
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
|
貸倒引当金 |
48,677百万円 |
44,052百万円 |
(ⅱ)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報
A 算出方法
貸倒引当金の算出方法は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」中の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」 4.「(6)貸倒引当金の計上基準」に記載しております。
なお、当行は新型コロナウイルス感染症の影響について、「新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済・企業活動への影響が長期化し、一部の債務者については業績への影響が2022年度中まで継続する可能性がある」と仮定し、影響の長期化が見込まれる一部の債務者については、将来的な信用状態の悪化の可能性を考慮した貸倒引当金を算定しておりました。
2023年3月期時点においては、その仮定の通り新型コロナウイルス感染症の経済・企業活動への影響は縮小傾向にあり、当連結会計年度末までに入手可能な最新の情報に基づき債務者区分へ反映し、貸倒引当金を算定しております。
B 主要な仮定
(a)債務者区分の判定における債務者の将来の業績見通し
個別債務者の債務者区分の判定については、外部環境の影響を勘案し各債務者の収益獲得能力、キャッシュ・フロー創出力を個別に検討し評価しております。特に、事業買収を行ったことにより、のれんが計上されている債務者については、買収対象となった事業が生み出すキャッシュ・フローの実現可能性を個別に検討し評価しております。
(b)不動産ノンリコースローン(特定の不動産及び当該不動産から生じるキャッシュ・フローのみを返済原資とする貸出金)における対象不動産の将来キャッシュ・フローの見積り
対象不動産の将来キャッシュ・フローの見積りは、不動産ノンリコースローンの債務者区分判定における重要な要素であり、不動産賃料、空室率、割引率等を個別に検討し評価しております。
C 翌連結会計年度に係る連結財務諸表に及ぼす影響
個別債務者の業績変化、不動産ノンリコースローンにおける対象不動産の将来キャッシュ・フローの見積りに用いた計数の変化等により、当初の見積りに用いた仮定が変化した場合は、翌連結会計年度に係る連結財務諸表における貸倒引当金に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(ロ)固定資産の減損判定
(ⅰ)当連結会計年度に係る連結財務諸表に計上した額
当行は、減損会計の適用において、連結子会社であるGMOあおぞらネット銀行株式会社(以下、「(ロ)固定資産の減損判定」において「GMOあおぞら」という)を1つの資産グループとして識別しており、GMOあおぞらの固定資産の減損判定を会計上重要な見積りと判断しております。
なお、当連結会計年度において、GMOあおぞらの固定資産8,821百万円(有形固定資産438百万円、無形固定資産8,383百万円)を計上しておりますが、当該固定資産については減損損失を認識しておりません。
(ⅱ)識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する理解に資する情報
A 算出方法
GMOあおぞらは、営業活動から生じる損益が継続してマイナス、かつ、事業開始時に策定された利益計画が未達となっているため、固定資産について減損の兆候があると判断しておりますが、割引前将来キャッシュ・フローの総額が対象不動産の帳簿価額を上回ったことから減損損失は認識しておりません。
B 主要な仮定
GMOあおぞらの固定資産において、減損判定するための割引前将来キャッシュ・フローはGMOあおぞらの直近の事業計画を基礎として見積っており、法人口座数、為替取引件数、デビットカード取引利用額、ローン契約数を主要な仮定としております。
C 翌連結会計年度に係る連結財務諸表に及ぼす影響
金融経済環境の変化等により、GMOあおぞらの事業計画における主要な仮定に変更が生じ、割引前キャッシュ・フローの総額が対象資産の帳簿価額を下回った場合は、翌連結会計年度に係る連結財務諸表において、固定資産の帳簿価額から回収可能価額を控除した額を減損損失として認識する可能性があります。
(参考)
① 国内・海外別収支
当連結会計年度の「国内」の資金運用収支は426億円、信託報酬は3億円、役務取引等収支は144億円、特定取引収支は41億円、その他業務収支は△95億円となりました。
「海外」においては、資金運用収支は99億円、役務取引等収支は△12億円、その他業務収支は0億円となりました。
この結果、相殺消去後の合計は、資金運用収支は510億円、信託報酬は3億円、役務取引等収支は129億円、特定取引収支は41億円、その他業務収支は△90億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
資金運用収支 |
前連結会計年度 |
45,674 |
6,314 |
376 |
51,612 |
|
当連結会計年度 |
42,629 |
9,973 |
1,522 |
51,080 |
|
|
うち資金運用収益 |
前連結会計年度 |
59,918 |
15,726 |
9,502 |
66,141 |
|
当連結会計年度 |
105,254 |
41,649 |
33,333 |
113,570 |
|
|
うち資金調達費用 |
前連結会計年度 |
14,243 |
9,412 |
9,126 |
14,529 |
|
当連結会計年度 |
62,625 |
31,676 |
31,811 |
62,490 |
|
|
信託報酬 |
前連結会計年度 |
444 |
- |
- |
444 |
|
当連結会計年度 |
379 |
- |
1 |
377 |
|
|
役務取引等収支 |
前連結会計年度 |
14,678 |
△930 |
168 |
13,580 |
|
当連結会計年度 |
14,446 |
△1,290 |
199 |
12,955 |
|
|
うち役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
26,635 |
4,255 |
13,591 |
17,300 |
|
当連結会計年度 |
20,688 |
5,453 |
8,803 |
17,338 |
|
|
うち役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
11,957 |
5,185 |
13,422 |
3,720 |
|
当連結会計年度 |
6,242 |
6,743 |
8,603 |
4,383 |
|
|
特定取引収支 |
前連結会計年度 |
16,642 |
- |
- |
16,642 |
|
当連結会計年度 |
4,196 |
- |
- |
4,196 |
|
|
うち特定取引収益 |
前連結会計年度 |
16,642 |
- |
- |
16,642 |
|
当連結会計年度 |
15,346 |
- |
514 |
14,832 |
|
|
うち特定取引費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
11,150 |
- |
514 |
10,636 |
|
|
その他業務収支 |
前連結会計年度 |
20,497 |
53 |
△181 |
20,731 |
|
当連結会計年度 |
△9,509 |
23 |
△448 |
△9,036 |
|
|
うちその他業務収益 |
前連結会計年度 |
32,277 |
81 |
4,292 |
28,066 |
|
当連結会計年度 |
31,678 |
158 |
8,038 |
23,798 |
|
|
うちその他業務費用 |
前連結会計年度 |
11,780 |
27 |
4,473 |
7,334 |
|
当連結会計年度 |
41,187 |
134 |
8,486 |
32,835 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する(連結)子会社(以下「国内(連結)子会社」という。)であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外に本店を有する(連結)子会社(以下「海外(連結)子会社」という。)であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
② 国内・海外別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の「国内」の資金運用勘定平均残高は5兆8,984億円、利息は1,052億円、利回りは1.78%となり、資金調達勘定平均残高は6兆3,142億円、利息は626億円、利回りは0.99%となりました。
「海外」においては、資金運用勘定平均残高は8,953億円、利息は416億円、利回りは4.65%となり、資金調達勘定平均残高は8,843億円、利息は316億円、利回りは3.58%となりました。
この結果、相殺消去後の合計は、資金運用勘定平均残高は5兆8,248億円、利息は1,135億円、利回りは1.94%となり、資金調達勘定平均残高は6兆2,896億円、利息は624億円、利回りは0.99%となりました。
(イ)国 内
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
5,254,810 |
59,918 |
1.14 |
|
当連結会計年度 |
5,898,407 |
105,254 |
1.78 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
28,596 |
22 |
0.07 |
|
当連結会計年度 |
30,973 |
693 |
2.24 |
|
|
うちコールローン |
前連結会計年度 |
448,869 |
△54 |
△0.01 |
|
当連結会計年度 |
286,996 |
348 |
0.12 |
|
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
4 |
△0 |
△0.09 |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,426,878 |
20,292 |
1.42 |
|
当連結会計年度 |
1,511,661 |
23,415 |
1.54 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
3,164,288 |
38,551 |
1.21 |
|
当連結会計年度 |
3,791,834 |
78,745 |
2.07 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
5,430,976 |
14,232 |
0.26 |
|
当連結会計年度 |
6,314,236 |
62,618 |
0.99 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
4,383,402 |
6,179 |
0.14 |
|
当連結会計年度 |
5,265,320 |
11,407 |
0.21 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
34,272 |
3 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
28,563 |
3 |
0.01 |
|
|
うちコールマネー |
前連結会計年度 |
15,925 |
24 |
0.15 |
|
当連結会計年度 |
19,996 |
184 |
0.92 |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
62,819 |
82 |
0.13 |
|
当連結会計年度 |
61,179 |
1,654 |
2.70 |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
364,118 |
356 |
0.09 |
|
当連結会計年度 |
287,040 |
7,058 |
2.45 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
370,250 |
885 |
0.23 |
|
当連結会計年度 |
485,360 |
1,273 |
0.26 |
|
|
うち社債 |
前連結会計年度 |
180,593 |
1,957 |
1.08 |
|
当連結会計年度 |
146,251 |
1,517 |
1.03 |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の国内(連結)子会社については、四半期毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を控除しております。
(ロ)海 外
|
種類 |
期別 |
平均残高 |
利息 |
利回り |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
(%) |
||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
708,666 |
15,726 |
2.21 |
|
当連結会計年度 |
895,384 |
41,649 |
4.65 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
36,322 |
△11 |
△0.03 |
|
当連結会計年度 |
36,200 |
201 |
0.55 |
|
|
うちコールローン |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,436 |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
△5,091 |
- |
- |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
670,907 |
15,735 |
2.34 |
|
当連結会計年度 |
864,274 |
41,448 |
4.79 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
699,058 |
9,412 |
1.34 |
|
当連結会計年度 |
884,360 |
31,676 |
3.58 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うちコールマネー |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
699,058 |
9,412 |
1.34 |
|
当連結会計年度 |
884,360 |
31,676 |
3.58 |
|
|
うち社債 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、海外(連結)子会社については、四半期毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を控除しております。
(ハ)合 計
|
種類 |
期別 |
平均残高(百万円) |
利息(百万円) |
利回り (%) |
||||
|
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
小計 |
相殺消去額 (△) |
合計 |
|||
|
資金運用勘定 |
前連結会計年度 |
5,963,476 |
785,763 |
5,177,712 |
75,644 |
9,502 |
66,141 |
1.27 |
|
当連結会計年度 |
6,793,791 |
968,958 |
5,824,833 |
146,904 |
33,333 |
113,570 |
1.94 |
|
|
うち預け金 |
前連結会計年度 |
64,918 |
3,140 |
61,777 |
11 |
0 |
11 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
67,174 |
10,642 |
56,531 |
894 |
129 |
765 |
1.35 |
|
|
うちコールローン |
前連結会計年度 |
448,869 |
- |
448,869 |
△54 |
- |
△54 |
△0.01 |
|
当連結会計年度 |
286,996 |
- |
286,996 |
348 |
- |
348 |
0.12 |
|
|
うち買現先勘定 |
前連結会計年度 |
4 |
- |
4 |
△0 |
- |
△0 |
△0.09 |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち債券貸借取引 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち有価証券 |
前連結会計年度 |
1,428,314 |
83,923 |
1,344,391 |
20,292 |
8 |
20,283 |
1.50 |
|
当連結会計年度 |
1,506,569 |
73,723 |
1,432,846 |
23,415 |
17 |
23,397 |
1.63 |
|
|
うち貸出金 |
前連結会計年度 |
3,835,196 |
698,700 |
3,136,496 |
54,286 |
9,494 |
44,792 |
1.42 |
|
当連結会計年度 |
4,656,109 |
884,592 |
3,771,517 |
120,193 |
33,187 |
87,006 |
2.30 |
|
|
資金調達勘定 |
前連結会計年度 |
6,130,035 |
716,464 |
5,413,570 |
23,644 |
9,126 |
14,518 |
0.26 |
|
当連結会計年度 |
7,198,596 |
908,898 |
6,289,698 |
94,294 |
31,811 |
62,483 |
0.99 |
|
|
うち預金 |
前連結会計年度 |
4,383,402 |
17,405 |
4,365,996 |
6,179 |
0 |
6,179 |
0.14 |
|
当連結会計年度 |
5,265,320 |
24,178 |
5,241,142 |
11,407 |
129 |
11,278 |
0.21 |
|
|
うち譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
34,272 |
- |
34,272 |
3 |
- |
3 |
0.01 |
|
当連結会計年度 |
28,563 |
- |
28,563 |
3 |
- |
3 |
0.01 |
|
|
うちコールマネー |
前連結会計年度 |
15,925 |
- |
15,925 |
24 |
- |
24 |
0.15 |
|
当連結会計年度 |
19,996 |
- |
19,996 |
184 |
- |
184 |
0.92 |
|
|
うち売現先勘定 |
前連結会計年度 |
62,819 |
- |
62,819 |
82 |
- |
82 |
0.13 |
|
当連結会計年度 |
61,179 |
- |
61,179 |
1,654 |
- |
1,654 |
2.70 |
|
|
うち債券貸借取引受入担保金 |
前連結会計年度 |
364,118 |
- |
364,118 |
356 |
- |
356 |
0.09 |
|
当連結会計年度 |
287,040 |
- |
287,040 |
7,058 |
- |
7,058 |
2.45 |
|
|
うち借用金 |
前連結会計年度 |
1,069,309 |
699,058 |
370,250 |
10,297 |
9,125 |
1,171 |
0.31 |
|
当連結会計年度 |
1,369,720 |
884,720 |
485,000 |
32,950 |
31,682 |
1,268 |
0.26 |
|
|
うち社債 |
前連結会計年度 |
180,593 |
- |
180,593 |
1,957 |
- |
1,957 |
1.08 |
|
当連結会計年度 |
146,251 |
- |
146,251 |
1,517 |
- |
1,517 |
1.03 |
|
(注)1.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。また、利息についてはその他の連結調整による増減額を含んでおります。
2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を控除しております。
③ 国内・海外別役務取引の状況
当連結会計年度は、役務取引等収益は173億円、役務取引等費用は43億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
役務取引等収益 |
前連結会計年度 |
26,635 |
4,255 |
13,591 |
17,300 |
|
当連結会計年度 |
20,688 |
5,453 |
8,803 |
17,338 |
|
|
うち預金・貸出業務 |
前連結会計年度 |
7,662 |
206 |
24 |
7,844 |
|
当連結会計年度 |
5,784 |
473 |
113 |
6,145 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
1,638 |
- |
0 |
1,638 |
|
当連結会計年度 |
2,088 |
- |
0 |
2,088 |
|
|
うち証券関連業務 |
前連結会計年度 |
8,730 |
- |
5,632 |
3,098 |
|
当連結会計年度 |
4,644 |
- |
1,060 |
3,584 |
|
|
うち代理業務 |
前連結会計年度 |
4,467 |
4,048 |
7,617 |
898 |
|
当連結会計年度 |
3,518 |
4,964 |
7,432 |
1,050 |
|
|
うち保証業務 |
前連結会計年度 |
123 |
- |
11 |
111 |
|
当連結会計年度 |
137 |
- |
17 |
119 |
|
|
役務取引等費用 |
前連結会計年度 |
11,957 |
5,185 |
13,422 |
3,720 |
|
当連結会計年度 |
6,242 |
6,743 |
8,603 |
4,383 |
|
|
うち為替業務 |
前連結会計年度 |
713 |
- |
- |
713 |
|
当連結会計年度 |
783 |
- |
- |
783 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
④ 国内・海外別特定取引の状況
(イ)特定取引収益・費用の内訳
当連結会計年度は、特定取引収益は148億円、特定取引費用は106億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
特定取引収益 |
前連結会計年度 |
16,642 |
- |
- |
16,642 |
|
当連結会計年度 |
15,346 |
- |
514 |
14,832 |
|
|
うち商品有価証券収益 |
前連結会計年度 |
8,786 |
- |
- |
8,786 |
|
当連結会計年度 |
514 |
- |
514 |
- |
|
|
うち特定取引有価証券収益 |
前連結会計年度 |
2,251 |
- |
- |
2,251 |
|
当連結会計年度 |
10,943 |
- |
- |
10,943 |
|
|
うち特定金融派生商品収益 |
前連結会計年度 |
5,604 |
- |
- |
5,604 |
|
当連結会計年度 |
3,888 |
- |
- |
3,888 |
|
|
うちその他の特定取引収益 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
特定取引費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
11,150 |
- |
514 |
10,636 |
|
|
うち商品有価証券費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
11,150 |
- |
514 |
10,636 |
|
|
うち特定取引有価証券費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定金融派生商品費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うちその他の特定取引費用 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(ロ)特定取引資産・負債の内訳(末残)
当連結会計年度は、特定取引資産は1,512億円、特定取引負債は1,218億円となりました。
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
特定取引資産 |
前連結会計年度 |
133,021 |
- |
- |
133,021 |
|
当連結会計年度 |
151,285 |
- |
- |
151,285 |
|
|
うち商品有価証券 |
前連結会計年度 |
12 |
- |
- |
12 |
|
当連結会計年度 |
55 |
- |
- |
55 |
|
|
うち商品有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
14,392 |
- |
- |
14,392 |
|
当連結会計年度 |
7,811 |
- |
- |
7,811 |
|
|
うち特定取引有価証券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
10,570 |
- |
- |
10,570 |
|
当連結会計年度 |
4,493 |
- |
- |
4,493 |
|
|
うち特定金融派生商品 |
前連結会計年度 |
108,045 |
- |
- |
108,045 |
|
当連結会計年度 |
138,924 |
- |
- |
138,924 |
|
|
うちその他の特定取引資産 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
特定取引負債 |
前連結会計年度 |
129,227 |
- |
- |
129,227 |
|
当連結会計年度 |
121,877 |
- |
- |
121,877 |
|
|
うち売付商品債券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち商品有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引売付債券 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
|
うち特定取引有価証券派生商品 |
前連結会計年度 |
14,936 |
- |
- |
14,936 |
|
当連結会計年度 |
14,001 |
- |
- |
14,001 |
|
|
うち特定金融派生商品 |
前連結会計年度 |
114,290 |
- |
- |
114,290 |
|
当連結会計年度 |
107,876 |
- |
- |
107,876 |
|
|
うちその他の特定取引負債 |
前連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
|
当連結会計年度 |
- |
- |
- |
- |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。
⑤ 国内・海外別預金残高の状況
○預金の種類別残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
預金合計 |
前連結会計年度 |
4,857,586 |
- |
19,529 |
4,838,056 |
|
当連結会計年度 |
5,494,858 |
- |
31,506 |
5,463,352 |
|
|
うち流動性預金 |
前連結会計年度 |
2,295,123 |
- |
6,848 |
2,288,275 |
|
当連結会計年度 |
3,111,448 |
- |
5,109 |
3,106,338 |
|
|
うち定期性預金 |
前連結会計年度 |
2,423,163 |
- |
- |
2,423,163 |
|
当連結会計年度 |
2,243,512 |
- |
- |
2,243,512 |
|
|
うちその他 |
前連結会計年度 |
139,299 |
- |
12,681 |
126,618 |
|
当連結会計年度 |
139,897 |
- |
26,396 |
113,501 |
|
|
譲渡性預金 |
前連結会計年度 |
33,500 |
- |
- |
33,500 |
|
当連結会計年度 |
34,000 |
- |
- |
34,000 |
|
|
総合計 |
前連結会計年度 |
4,891,086 |
- |
19,529 |
4,871,556 |
|
当連結会計年度 |
5,528,858 |
- |
31,506 |
5,497,352 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。
4.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
5.定期性預金=定期預金
⑥ 国内・海外別貸出金残高の状況
(イ)業種別貸出状況(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国内(除く特別国際金融取引勘定分) |
2,545,736 |
100.00 |
3,000,048 |
100.00 |
|
製造業 |
236,800 |
9.30 |
258,789 |
8.63 |
|
農業、林業、漁業 |
4,129 |
0.16 |
3,119 |
0.10 |
|
鉱業、採石業、砂利採取業 |
- |
- |
- |
- |
|
建設業 |
10,311 |
0.41 |
12,769 |
0.43 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
87,017 |
3.42 |
141,507 |
4.72 |
|
情報通信業 |
102,695 |
4.03 |
105,336 |
3.51 |
|
運輸業、郵便業 |
40,379 |
1.59 |
49,774 |
1.66 |
|
卸売業、小売業 |
77,982 |
3.06 |
86,957 |
2.90 |
|
金融業、保険業 |
352,055 |
13.83 |
342,472 |
11.42 |
|
不動産業 |
715,081 |
28.09 |
760,426 |
25.35 |
|
物品賃貸業 |
100,517 |
3.95 |
148,798 |
4.96 |
|
その他サービス業 |
153,857 |
6.04 |
155,215 |
5.17 |
|
地方公共団体 |
16,980 |
0.67 |
8,588 |
0.29 |
|
その他 |
647,928 |
25.45 |
926,292 |
30.86 |
|
海外及び特別国際金融取引勘定分 |
771,389 |
100.00 |
881,324 |
100.00 |
|
政府等 |
- |
- |
- |
- |
|
金融機関 |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
771,389 |
100.00 |
881,324 |
100.00 |
|
合計 |
3,317,125 |
―― |
3,881,373 |
―― |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
(ロ)外国政府等向け債権残高(国別)
該当ありません。
⑦ 国内・海外別有価証券の状況
○有価証券残高(末残)
|
種類 |
期別 |
国内 |
海外 |
相殺消去額(△) |
合計 |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
国債 |
前連結会計年度 |
76,367 |
- |
- |
76,367 |
|
当連結会計年度 |
18,381 |
- |
- |
18,381 |
|
|
地方債 |
前連結会計年度 |
164,282 |
- |
- |
164,282 |
|
当連結会計年度 |
38,985 |
- |
- |
38,985 |
|
|
短期社債 |
前連結会計年度 |
34,998 |
- |
- |
34,998 |
|
当連結会計年度 |
10,999 |
- |
- |
10,999 |
|
|
社債 |
前連結会計年度 |
137,915 |
- |
- |
137,915 |
|
当連結会計年度 |
116,961 |
- |
- |
116,961 |
|
|
株式 |
前連結会計年度 |
65,740 |
- |
34,205 |
31,534 |
|
当連結会計年度 |
61,267 |
- |
31,113 |
30,154 |
|
|
その他の証券 |
前連結会計年度 |
1,079,413 |
- |
46,333 |
1,033,080 |
|
当連結会計年度 |
1,104,064 |
- |
40,796 |
1,063,267 |
|
|
合計 |
前連結会計年度 |
1,558,717 |
- |
80,539 |
1,478,178 |
|
当連結会計年度 |
1,350,660 |
- |
71,910 |
1,278,749 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、投資と資本の消去及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
4.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
⑧ 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1社です。
(イ)信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)
|
資 産 |
||||
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
貸出金 |
38,790 |
4.41 |
35,642 |
4.09 |
|
有価証券 |
184,418 |
20.97 |
173,256 |
19.88 |
|
信託受益権 |
5,359 |
0.61 |
5,083 |
0.58 |
|
受託有価証券 |
216,451 |
24.61 |
220,168 |
25.27 |
|
金銭債権 |
238,606 |
27.13 |
231,970 |
26.62 |
|
有形固定資産 |
111,044 |
12.62 |
109,934 |
12.62 |
|
その他債権 |
5,362 |
0.61 |
2,384 |
0.27 |
|
現金預け金 |
79,502 |
9.04 |
92,974 |
10.67 |
|
合計 |
879,535 |
100.00 |
871,414 |
100.00 |
|
負 債 |
||||
|
科目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
金銭信託 |
198,475 |
22.57 |
199,429 |
22.88 |
|
金銭信託以外の金銭の信託 |
123,055 |
13.99 |
115,653 |
13.27 |
|
有価証券の信託 |
216,632 |
24.63 |
220,348 |
25.29 |
|
金銭債権の信託 |
49,116 |
5.58 |
59,306 |
6.81 |
|
包括信託 |
292,255 |
33.23 |
276,676 |
31.75 |
|
合計 |
879,535 |
100.00 |
871,414 |
100.00 |
(注)1. 「信託受益権残高」は、信託勘定全体の信託受益権残高から、当行を委託者兼受託者とする信託から取得した信託受益権額を二重信託として控除しております。また、負債のうち対応する信託種別の元本残高から同額を控除しております。
2. 元本補填契約のある信託については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
(ロ)貸出金残高の状況(業種別貸出状況)(末残・構成比)
|
業種別 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
製造業 |
11 |
0.03 |
10 |
0.03 |
|
農業、林業、漁業 |
- |
- |
- |
- |
|
鉱業、採石業、砂利採取業 |
19 |
0.05 |
- |
- |
|
建設業 |
27 |
0.07 |
27 |
0.08 |
|
電気・ガス・熱供給・水道業 |
- |
- |
- |
- |
|
情報通信業 |
26 |
0.07 |
25 |
0.07 |
|
運輸業、郵便業 |
5 |
0.01 |
5 |
0.01 |
|
卸売業、小売業 |
61 |
0.16 |
48 |
0.14 |
|
金融業、保険業 |
- |
- |
- |
- |
|
不動産業 |
34,938 |
90.07 |
31,830 |
89.30 |
|
物品賃貸業 |
- |
- |
- |
- |
|
その他サービス業 |
3,444 |
8.88 |
3,492 |
9.80 |
|
地方公共団体 |
- |
- |
- |
- |
|
その他 |
255 |
0.66 |
203 |
0.57 |
|
合計 |
38,790 |
100.00 |
35,642 |
100.00 |
(ハ)有価証券残高の状況(末残・構成比)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国債 |
6,785 |
3.68 |
5,764 |
3.33 |
|
地方債 |
9,075 |
4.92 |
9,075 |
5.24 |
|
短期社債 |
- |
- |
- |
- |
|
社債 |
24,843 |
13.47 |
19,802 |
11.43 |
|
株式 |
- |
- |
- |
- |
|
その他の証券 |
143,714 |
77.93 |
138,614 |
80.00 |
|
合計 |
184,418 |
100.00 |
173,256 |
100.00 |
該当事項はありません。
該当事項はありません。