当社は、2024年8月26日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2024年9月25日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
当社が2024年6月4日付で公表いたしました「ネイビー1株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)に記載のとおり、ネイビー1株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、2024年6月4日に、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式の全て(但し、ミリ・キャピタル・マネジメント・エルエルシー(MIRI Capital Management LLC。以下「MIRI」といいます。)及び当社が所有する株式を除きます。)を取得し、最終的に当社株式を非公開化するための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたしました。
そして、当社が2024年7月18日付で公表いたしました「ネイビー1株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに親会社、主要株主である筆頭株主及び主要株主の異動に関するお知らせ」に記載のとおり、公開買付者は2024年6月5日から2024年7月17日まで本公開買付けを行い、その結果、2024年7月24日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、当社株式2,562,498株(議決権所有割合(注1):58.74%)を保有するに至りました。
(注1)「議決権所有割合」とは、当社が2024年6月28日に提出した事業年度第8期(自 2023年4月1日至2024年3月31日)に係る有価証券報告書及び2024年7月1日に提出したこれに係る訂正報告書に記載された2024年3月31日現在の当社の発行済株式総数(4,685,745株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(323,154株)を控除した株式数(4,362,591株)に係る議決権数(43,625個)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。
本公開買付け並びに本株式併合を含む本取引の目的及び背景の詳細は、本意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおりですが、以下に改めてその概要を申し上げます。なお、以下の記載のうち公開買付者に関する記述は、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
(1)当社を取り巻く事業環境、当社の経営課題
当社グループでは、創業以来、国内をはじめ世界30か国において社会のインフラ事業に携わり、世の中の安全・快適な生活を実現するため取り組んでまいりました。当社グループは企業理念にあるように高潔な志を持って、誠実に取り組み続けることで信頼され選ばれるメーカーとしてさらに進化し続けるため、エンジニアリング事業の構造改革と収益力強化、立体駐車装置関連事業における市場シェアの拡大、メンテナンス事業における顧客サービスの拡充、予防保全等の諸施策を引き続き推進してまいりました。2023年9月には立体駐車装置の保守、予防保全事業における技術的な強みを持つ株式会社ジャパンシステムサービス、2024年3月には二段多段式立体駐車場装置の製造、保守メンテナンスに関するノウハウと技術を有し、再生エネルギー事業を増強できる株式会社アプラスを当社グループに加え、立体駐車場装置事業及び再生エネルギー関連事業の拡大に向けた体制を整えてまいりました。
一方で、当社グループを取り巻く環境は、政府主導の施策や堅調な企業収益を背景とする設備投資は底堅さを維持しておりましたが、物価及び人件費の上昇並びに労働者不足の問題等により、不安定要素が残っております。また、当社グループは、お客様との個別契約に基づき受注する案件が多く、請負金額が大きい工事等の重要な案件については、応札時や受注契約時をはじめ、プロジェクト開始後も本社と事業部門でリスク分析やリスク対応等の十分な検討を行っていますが、当初想定できなかった政治・経済情勢の変動等による資材費や労務費の高騰、設計変更や工期のずれ等によって、当初見積り以上にコストが膨らみ、当該案件の収益悪化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。そのため、当社としては、さらなる収益構造の強化と安定化を図ることが重要な課題であると認識しております。
当社は、上記の経営環境の下、2023年6月13日に開示した「当社グループの事業概要と将来性について」において、当社の事業環境に関する認識と今後の事業面での大きな方向性を示したとおり、株主の皆様との間で当社の中長期の経営方針について共通認識を醸成しながら、企業価値の向上に努めてまいりました。一方で、当社事業の特徴として、コンベヤ事業における複数年に跨る流動的な大型案件の存在などにより、近年の株式市場で求められるような中長期的な経営計画を開示することが困難であるといった課題を有しておりました。加えて、当社は長年に亘り、多種多様な考えを持つ株主による事業戦略や株主還元に関する要求への対応に経営資源や経営陣のリソースを割かざるを得ず、中長期的な企業価値向上のための、柔軟かつ機動的な意思決定を行うことのできる安定的な経営基盤の確保が困難な状況が継続しています。このような問題を解決するため、当社は、経営陣と一致する価値観を共有するパートナーによる、当社株式の非公開化を含めた資本政策について検討を行ってまいりました。
(2)検討体制の構築の経緯
当社は、2024年2月20日、公開買付者から、当社株式に対する公開買付けを通じてMIRIグループ(以下、MIRIの傘下の投資ファンド及び関連会社を総称して「MIRIグループ」といいます。)が単独にて当社株式を非公開化することついての法的拘束力のない第1回提案を受領いたしました。当社は、2023年8月から9月にかけて、当社、公開買付者、公開買付者親会社、MIRI Opportunities Fund、MIRI、MIRIグループ及びアセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(以下「公開買付関連当事者」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社アイ・アール ジャパン(以下「アイ・アール ジャパン」といいます。)を、法務アドバイザーとして日比谷パーク法律事務所を、それぞれ選任していましたが、当社においてかかる提案について慎重に検討を行うため、2024年2月下旬、本取引と同種の取引に関する公表内容等を踏まえ、専門性及び実績等を検討の上、これらのアドバイザーを引き続き起用することといたしました。
また、当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)又は支配株主による公開買付けには該当しないものの、日比谷パーク法律事務所の助言を踏まえ、2024年2月21日付で、当社の独立社外取締役である北川健太郎氏(監査等委員・弁護士)、橋本泰氏及び松木謙一郎氏(監査等委員・公認会計士)の3名から構成される、公開買付関連当事者から独立した特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置し、本取引に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
さらに、本特別委員会は、2024年4月26日、その独立性及び専門性・実績等を検討の上、公開買付関連当事者から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下「デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー」といいます。)を選任する旨を決定しております。
(3)検討・交渉の経緯
上記のような体制の下、当社は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示及び要請等に基づいた上で、アイ・アール ジャパン及び日比谷パーク法律事務所から助言を受けながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性等に関して公開買付者との間で複数回に亘る協議・交渉を行いました。具体的には、本特別委員会は、2024年4月23日に、公開買付者に対し、本取引の目的・背景、本取引の条件、資金調達の方法、本取引後の当社の経営方針・経営体制等に関して書面による質問をし、同年5月8日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受け、当該回答を踏まえて、本特別委員会は、同月10日に公開買付者に対し書面による追加質問をし、同月15日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受け、これらの回答を踏まえて、同月16日に、本特別委員会において公開買付者に対するインタビューを実施し、本取引を提案するに至った検討過程、本取引の実行後に想定している施策の内容、本取引によって見込まれるシナジー・ディスシナジー、その他の影響の内容及び程度を確認いたしました。その後、同月22日に、本特別委員会において当社経営陣に対するインタビューを実施し、当社としての本取引の目的や意義、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果を確認いたしました。その上で、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かについての議論及び検討を行いました。当該検討と並行して、当社は、2024年5月下旬以降、本公開買付価格(本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格を以下「本公開買付価格」といいます。)について公開買付者との協議・交渉を開始しました。
本公開買付価格については、当社は、2024年2月20日に、公開買付者から、2,200円(提案実施日の前営業日である同月19日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,512円に対して45.50%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,570円に対して40.13%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,720円に対して27.91%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,719円に対して27.98%のプレミアムを加えた金額となります。)を本公開買付価格とする旨の初回の価格提案書の提出を受けました。その後、当社は、同年5月8日に、公開買付者から、本日時点までに実施されたデュー・ディリジェンスにおける検出事項を基礎とした分析結果を踏まえ、ご提案の公開買付価格を修正したとして、本公開買付価格を2,100円(提案実施日の前営業日である同月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,890円に対して11.11%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,657円に対して26.74%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,658円に対して26.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,706円に対して23.09%のプレミアムを加えた金額となります。)を本公開買付価格とする旨の第2回目の価格提案書の提出を受けました。当社は、公開買付者の当該提案に対し、同月17日に、アイ・アール ジャパンからの助言を踏まえ、当社の本源的な価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨できる水準には達していないと考えていること、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーからの助言を受けた本特別委員会においても同様の評価であると聞いていること、及び当社株式の市場株価と対比したプレミアム率は、本件と類似する公開買付け事例と比較して低く、十分な水準に達していないものと考えていることを理由として、本公開買付価格の再検討を要請しました。その後、当社は、同月24日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,200円から1株当たり65円(以下「本配当額」といいます。)を控除した金額(2,135円は、提案実施日の前営業日である同月23日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,452円に対して47.04%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,779円に対して20.01%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,695円に対して25.96%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,701円に対して25.51%のプレミアムを加えた金額となります。)とする第3回目の提案書の提出を受けました。本特別委員会は、公開買付者の当該提案に対し、同月28日に、アイ・アール ジャパン及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーからの助言を踏まえ、当社の本源的な価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨できる水準には達していないと考えていること、及び当社株式の市場株価と対比したプレミアム率は、本件と類似する公開買付け事例と比較して低く、十分な水準に達していないものと考えていることを理由として、本公開買付価格を2,415円から1株当たり本配当額(65円)を控除した金額(2,350円)まで引き上げることを要請しました。その後、当社は、同月29日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,230円から1株当たり本配当額(65円)を控除した金額(2,165円)(2,165円は、提案実施日の前営業日である同月28日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,459円に対して48.39%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,739円に対して24.50%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,688円に対して28.26%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,690円に対して28.11%のプレミアムを加えた金額となります。)とする第4回目の提案書の提出を受けました。本特別委員会は、公開買付者の当該提案に対し、同月31日に、アイ・アール ジャパン及びデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーからの助言を踏まえ、当社の本源的な価値が十分に反映されておらず、当社の少数株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨できる水準には達していないと考えていること、及び当社株式の市場株価と対比したプレミアム率は、本件と類似する公開買付け事例と比較して低く、十分な水準に達していないものと考えていることを理由として、本公開買付価格を2,315円から1株当たり配当額(65円)を控除した金額(2,250円)まで引き上げることを要請しました。その後、当社は、2024年6月2日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,273円から1株当たり本配当額(65円)を控除した金額(2,208円)(2,208円は、提案実施日の前営業日である2024年5月31日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,466円に対して50.61%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,693円に対して30.42%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,679円に対して31.51%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,681円に対して31.35%のプレミアムを加えた金額となります。)とする最終提案書(以下「本最終提案」といいます。)の提出を受けました。本最終提案に対して、本特別委員会は、2024年6月3日、最終的な意思決定は本特別委員会の答申を踏まえた上で、当社の取締役会決議を経てなされるという前提のもと、本最終提案を応諾する予定である旨を回答しました。その後、当社は、同月4日に、公開買付者から、本公開買付価格を2,273円から1株当たり本配当額(65円)を控除した金額(2,208円)(2,208円は、提案実施日の前営業日である同月3日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値1,507円に対して46.52%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値1,664円に対して32.69%、過去3ヶ月間の終値の単純平均値1,677円に対して31.66%、過去6ヶ月間の終値の単純平均値1,678円に対して31.59%のプレミアムを加えた金額となります。)とする、法的拘束力のある本最終提案書の提出を受けました。当社は、本最終提案の妥当性を本特別委員会に確認するほか、アイ・アール ジャパンからの助言も踏まえて慎重に検討を行い、同日、本最終提案を応諾しました。
その上で、当社は、アイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言及び2024年6月3日付で取得した株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)」といいます。)の内容及び本特別委員会を通じて2024年6月3日付でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから提出を受けた株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)」といいます。)、並びに日比谷パーク法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた2024年6月3日付の答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら(本答申書の概要については、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本取引により当社の企業価値向上を図ることができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。
(4)判断内容
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであると判断するに至りました。
本取引の意義・目的及び本取引を通じて当社が実現可能と考える具体的なシナジーは、以下のとおりです。
(ア)上場維持のためのコスト削減・業務負担の軽減と、それによる経営資源の振替
当社は、当社株式の上場を維持するための体制に関して、近年の新市場区分における上場維持基準への対応やコーポレートガバナンス・コードの改訂等の点において、年々、体制の強化が求められております。これらに対応するための上場維持コスト(株主総会の開催・運営、監査、株主名簿管理人への事務委託に要する費用、有価証券報告書等の継続的な情報開示等)は年々増大しており、上場維持のための業務負担(投資家対応、適時開示及びコーポレートサイトでの情報発信の強化、決算説明会の充実といったIR活動)も増加しております。当社は、本取引を通じて、公開買付者の完全子会社となることで、上場維持のためのコストや業務負担が軽減されると考えており、この結果、当社が上場維持のために用いていた経営資源を、当社の事業部門へ振り替えることで、当社の事業の成長の加速に繋げることができるものと考えます。
(イ)経営の安定化及び機動的かつ柔軟な意思決定体制の確立
当社は、長年に亘り、多種多様な考えを持つ株主による事業戦略や株主還元に関する要求への対応に経営資源や経営陣のリソースを割かざるを得ず、中長期的な企業価値向上のための、柔軟かつ機動的な意思決定を行うことのできる安定的な経営基盤の確保が困難な状況が継続しています。当社は、こうした状況を踏まえ、本取引を通じて株主を一元化することで、株主と経営陣が一体となった柔軟かつ機動的な意思決定を可能とする、強固で安定した経営体制を構築し、本業である事業の成長に最大限注力できる状況を実現することができるものと考えます。
(ウ)M&A戦略の推進
当社は、M&Aの活用を重要な成長戦略の一つとして位置づけ、2023年度においても2件のM&Aを実施しました。今後も当社の一層の成長には積極的なM&Aの活用が不可欠であると考えるところ、MIRIグループはM&A全般の評価に関する専門的な知見を有しており、当社の属する業界及びM&Aに深い知見を有するアドバイザー、コンサルタント及び専門家への幅広いアクセスとネットワークも有しているとのことです。加えてMIRIグループは今後のM&A等、当社の企業価値向上に資する施策については、必要に応じて追加資金を確保する意向を有しているとのことです。当社は、M&Aを通じた成長戦略の推進にはMIRIグループの支援を最大限活用することが、有効な選択肢であると判断いたしました。
(エ)DX化の推進
当社は、政府主導の施策や堅調な企業収益を背景とする設備投資を行ってまいりましたが、今後さらなる収益構造の強化と安定化を図る上では、DX化の推進によるコンベヤ事業のエンジニアリング部門の効率化を課題の一つと位置付けております。MIRIグループはDX化に関して日本のソフトウェア及びデジタル企業への投資及びアドバイザリーを通じて専門知識、経験及びネットワークを有しているとのことです。当社は、DX化の推進のためには、MIRIグループの高度なノウハウを活用し、協働することが、有効な選択肢であると判断いたしました。
なお、一般に、株式の非公開化に伴うデメリットとしては、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、知名度や社会的信用の向上といった上場会社として享受してきたメリットを以後享受できなくなることが挙げられます。もっとも、資金調達の面では、本取引の実行後は、当社は公開買付者の完全子会社となり、公開買付者の金融機関等との関係や資金調達手段を活用することもできるため、必要な資金を確保することが可能であると見込まれることから、当社に係る上場廃止の影響は限定的と考えております。
また、上記「(3)検討・交渉の経緯」に記載の検討の経緯に加えて、当社は、MIRIグループが2023年6月以降、他のプライベート・エクイティ・ファンドと共同で当社を非公開化する取引について当社と協議を開始したものの2024年2月に検討を中止した経緯や、かねてより当社の資本政策について協議を行っていた別のプライベート・エクイティ・ファンドからも2024年4月初旬頃から当社の非公開化について初期的な関心を示されたものの、同じように具体的な検討には至らなかった経緯なども踏まえた結果、当社は、MIRIグループによる本取引を通じて当社株式を非公開化することが、当社の企業価値向上に資するものであると判断しております。
以上を踏まえ、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回り、MIRIグループによる本公開買付けを含む本取引を通じて当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものと判断いたしました。
また、当社は、本公開買付価格(2,208円)及び本公開買付けに係るその他の諸条件は以下の点から妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しております。
(a)本公開買付価格が、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「ii.算定の概要」に記載されているアイ・アール ジャパンによる当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果を上回っており、また、DCF法による算定結果のレンジの中央値を上回っていること。
(b)本公開買付価格が、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「ii.算定の概要」に記載されているデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる当社株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果を上回っており、また、DCF法において、その算定結果のレンジの中央値を上回っていること。
(c)本公開買付価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年6月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値1,507円に対して46.52%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,664円に対して32.69%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,677円に対して31.66%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,678円に対して31.59%のプレミアムが加算されたものであり、かかるプレミアムの水準は、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年4月30日までに成立した事例のうち、日本国内における上場会社に対する非公開化を目的とした公開買付けの事例92件(MBO取引、親会社による子会社の非公開を目的とした取引及び不動産関連取引の事例を除きます。)における公表日の前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(公表日の前営業日の終値に対して39.14%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.09%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.14%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.14%の数値)との比較において、1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準では、上記公開買付けの事例の中央値を下回る水準にあるものの、公表日前営業日の終値に対するプレミアムでは上回っており、相応の水準のプレミアムが付されていると考えられること。
(d)本公開買付価格が、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること。
(e)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
以上より、当社は、2024年6月4日開催の取締役会において当社の意見として、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
上記取締役会決議の詳細は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む)全員の承認」をご参照ください。
その後、上記のとおり本公開買付けは成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式(但し、MIRI及び当社が所有する株式を除きます。)の全てを取得することができなかったことから、当社に対して、当社の株主(当社を除きます。)を公開買付者及びMIRIのみとするため本株式併合の実施を要請いたしました。そのため、当社は、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社株式936,765株を1株に併合する本株式併合を実施いたします。本株式併合により、公開買付者及びMIRI以外の株主の皆様の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
当社株式について、936,765株を1株に併合いたします。
(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法
(a)会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由
上記「1. 株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及びMIRI以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第1項の規定により、その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関係法令の規定に従って売却し、その端数に応じて、その売却により得られた代金を株主の皆様に交付します。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社株式を非公開化することを目的とした本取引の一環として行われるものであること、及び当社株式が2024年10月16日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いと考えられることに鑑み、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却することを予定しております。この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、株主の皆様の所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,208円を乗じた金額に相当する金銭を各株主の皆様に交付できるような価格に設定する予定です。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合がございます。
(b)売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称
ネイビー1株式会社(公開買付者)
(c)売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払いのための資金を確保する方法及び当該方法の相当性
公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計額に相当する当社株式の取得に係る資金をオリックス銀行株式会社(以下「オリックス銀行」といいます。)からの借入れ(以下「本ローン」といいます。)により賄うことを予定しているところ、当社は、本取引の実行手続において、公開買付者が2024年6月5日に提出した公開買付届出書及びそれに添付されたオリックス銀行から公開買付者への同年6月4日付融資証明書を確認し、その後、公開買付者及びオリックス銀行の間で本ローンに係る金銭消費貸借契約が締結されたことを確認することによって、公開買付者における資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払いに支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識していないとのことです。
したがって、公開買付者による端数相当株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
(d)売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み
当社は、本株式併合の効力発生後、2024年11月上旬を目途に会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動しますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2024年12月上旬を目途に当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2024年12月下旬から2025年1月中旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主の皆様への交付が行われるものと判断しております。
(2)当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
本株式併合においては上記「(a)会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、株主の皆様が所有する当社株式の数に、本公開買付価格と同額である2,208円を乗じた金額となる予定です。
本公開買付価格(2,208円)につきましては、(a)本公開買付価格が、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「ii.算定の概要」に記載のとおり、アイ・アール ジャパンによる当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果を上回っており、また、DCF法による算定結果のレンジの中央値を上回っていること、(b)本公開買付価格が、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「ii.算定の概要」に記載されているデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーによる当社株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)における当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法による算定結果を上回っており、また、DCF法において、その算定結果のレンジの中央値を上回っていること、(c)本公開買付価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年6月3日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値1,507円に対して46.52%、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値1,664円に対して32.69%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,677円に対して31.66%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,678円に対して31.59%のプレミアムが加算されたものであり、かかるプレミアムの水準は、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2024年4月30日までに成立した事例のうち、日本国内における上場会社に対する非公開化を目的とした公開買付けの事例92件(MBO取引、親会社による子会社の非公開を目的とした取引及び不動産関連取引の事例を除きます。)における公表日の前営業日の終値、直近1ヶ月間の終値単純平均値、直近3ヶ月間の終値単純平均値及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値(公表日の前営業日の終値に対して39.14%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して41.09%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して42.14%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して45.14%の数値)との比較において、1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準では、上記公開買付けの事例の中央値を下回る水準にあるものの、公表日前営業日の終値に対するプレミアムでは上回っており、相応の水準のプレミアムが付されていると考えられること、(d)本公開買付価格が、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られた上で決定された価格であること、(e)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること等を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、当社は、2024年6月4日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をした後、本臨時株主総会の招集を決定した2024年8月26日の取締役会において、同日の当該取締役会決議に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上より、当社は、端数処理の方法及び端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合は、本公開買付けのいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、公開買付者及び当社は、本公開買付けが当社を公開買付者の完全子会社とするための取引の一環として行われるものであることを踏まえ、本公開買付価格の公正性を担保しつつ、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性を排除し、その公正性及び透明性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、本公開買付価格の公正性及び妥当性を担保するため、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関であるアイ・アール ジャパンに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年6月3日付で当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)を取得いたしました。なお、アイ・アール ジャパンは、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。なお、本取引に係るアイ・アール ジャパンの報酬は、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりアイ・アール ジャパンを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
アイ・アール ジャパンは、本公開買付けにおいて、複数の算定方法の中から当社の株式価値算定に当たり採用すべき算定方法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから株式の市場株価の動向を勘案した市場株価法を、また将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定方法として用いて、当社の株式価値の算定を行いました。
当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)において、上記各算定方法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法:1,507円~1,678円
DCF法:1,934円~2,368円
市場株価法では、2024年6月3日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の算定基準日の終値1,507円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,664円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,677円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値1,678円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,507円から1,678円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2025年3月期から2029年3月期までの5期分の事業計画における収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年4月以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて、当社企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,934円から2,368円と算定しております。なお、アイ・アール ジャパンがDCF法の算定の前提とした当社の事業計画について、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には、2027年3月期において、収益性の優れた土木工事分野でのフリーラインコンベヤ需要の拡大による売上高の増加に伴い営業利益が1,373百万円(対前年比 66.5%増)と大幅な増益となることを見込んでおります。また、フリー・キャッシュ・フローについても大幅な変動を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2026年3月期において前期における運転資本の減少に伴うフリー・キャッシュ・フローの増加の影響が解消しフリー・キャッシュ・フローが441百万円(対前年比 52.8%減)と大幅な減少を、2027年3月期においては収益性の改善等によりフリー・キャッシュ・フローが804百万円(対前年比 82.3%増)と大幅な増加をそれぞれ見込んでおります。本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味しておりません。
(注)アイ・アール ジャパンは、当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)の基礎となる当社株式の株式価値の算定を行うにあたり、公開情報及び当社から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。アイ・アール ジャパンは、当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の試算及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。アイ・アール ジャパンは、当社の事業計画については、当社の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。アイ・アール ジャパン及びその関係会社は、公開買付関連当事者が発行している株式又はこれらを取得できる権利について、自己勘定取引を行っておらず、かつ、公開買付関連当事者の株式等を現在保有しておりません。アイ・アール ジャパンの算定は2024年6月3日までにアイ・アール ジャパンが入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、アイ・アール ジャパンの算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
② 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、公開買付関連当事者から独立したリーガル・アドバイザーとして日比谷パーク法律事務所を選任し、その後、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続、並びに本取引に係る当社の取締役会の意思決定の方法及び過程その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、日比谷パーク法律事務所は、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。また、日比谷パーク法律事務所の報酬は、時間単位報酬のみとしており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用しておりません。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
当社は、2024年2月21日開催の取締役会において、本取引は支配株主による従属会社の買収取引やマネジメント・バイアウト(MBO)取引には該当いたしませんが、本公開買付けが当社株式を非公開化することを目的とする本取引の一環として行われること等を踏まえ、本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、当社取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、同日付で、公開買付関連当事者から独立した、当社の独立社外取締役である北川健太郎氏(監査等委員・弁護士)、橋本泰氏及び松木謙一郎氏(監査等委員・公認会計士)の3名から構成される本特別委員会を設置する旨決議しました。なお、2024年6月28日付で公表いたしました「特別委員会の委員の一部交代のお知らせ」に記載のとおり、2024年6月26日、北川健太郎氏から本特別委員会の委員を辞任する旨の意思表示がなされたことから、同月28日開催の取締役会において、同氏の後任として、同日付で、独立社外取締役である片山卓朗氏(監査等委員・弁護士)を本特別委員会の委員に選任しております。
そして、当社は、同取締役会において、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的は合理的か(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引における取引条件(本取引の実施方法及び買付等の価格を含む。)の公正性が確保されているか、(ⅲ)本取引において公正な手続を通じた当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているか、(ⅳ)上記(ⅰ)乃至(ⅲ)その他の事項を前提に本取引に関する意見表明を含め当社取締役会が本取引を行う旨の意思決定をすることが適切か、また、当社の少数株主にとって不利益なものでないか(以下、総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問する旨を決議しております。なお、当社は、当該決議に際し、(a)本特別委員会を、当社取締役会から独立した合議体であると同時に、当社の少数株主の利益を図る立場に立って本諮問事項について検討・判断する組織として位置付け、当社取締役会は本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には、本取引を行う旨の意思決定を行わないこと、(b)当社が公開買付者と本取引の取引条件等について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けるものとすること、(c)本特別委員会が必要と認めるときは、当社の費用負担の下、独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができること、並びに(d)本特別委員会は、当社の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する当社の役員若しくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザーに対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含みます。)を行うことができること等を、併せて決議しております。また、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされており、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用しておりません。
本特別委員会は、2024年4月5日から同年6月3日まで合計13回に亘って開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、本特別委員会は、公開買付者及び当社より提出された各検討資料その他必要な情報・資料等の収集及び検討、並びに本特別委員会の第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー、当社の第三者算定機関であるアイ・アール ジャパン、当社のリーガル・アドバイザーである日比谷パーク法律事務所及び公開買付者との面談によるヒアリング調査等を行い、本取引の内容、背景、意義・目的、当社の企業価値に与える影響、第三者算定機関の独立性、公開買付価格算定手法の合理性、分析の前提事実の適正性、公開買付者及び当社の状況、公開買付者及び当社が意思決定をするに至る経緯・検討経緯の妥当性、開示の適正性その他本取引に関連する事項について、説明を受けるとともに質疑応答を行いました。また、本特別委員会は、当社の取締役から事業計画について説明を受け、質疑応答を行った上で、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー及びアイ・アール ジャパンから当社株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)及び当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)について説明を受け、当該価値算定の前提等に関するヒアリング調査を行った。加えて、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーである日比谷パーク法律事務所から当社が得た、当社における本公開買付けを含む本取引に関する意思決定過程、意思決定方法その他本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言の内容についても説明を受け、検討をしました。本特別委員会は、以上のような経緯の下、上記本諮問事項について慎重に検討・協議した結果、2024年6月3日に、当社の取締役会に対し、委員全員の一致で、大要、(ⅰ)本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であるといえる、(ⅱ)本取引における取引条件の公正性は確保されているといえる、(ⅲ)本取引においては公正な手続を通じて当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされているといえる、(ⅳ)当社取締役会が本取引を行う旨の意思決定をすることは適切であり、当社の少数株主にとって不利益なものとはいえない旨を内容とする本答申書を提出いたしました。
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、公開買付関連当事者から独立した第三者算定機関であるデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーを選任し、当社株式の株式価値の算定を依頼し、2024年6月3日付で当社株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)を取得いたしました。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。また、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、公開買付関連当事者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。なお、本取引に係るデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。本特別委員会は、2024年4月26日開催の特別委員会において、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの専門性・独立性に問題がないことを確認した上で、本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を用いて、当社株式の1株当たりの株式価値の算定を行いました。
上記の各方式において算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は、以下のとおりです。
市場株価法 :1,507円~1,678円
DCF法 :1,980円~2,396円
市場株価法では、算定基準日を2024年6月3日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値1,507円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,664円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,677円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,678円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,507円~1,678円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した2025年3月期から2029年3月期までの事業計画及び一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2025年3月期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,980円~2,396円と算定しております。なお、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーがDCF法による算定の前提とした当該事業計画には、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、建設投資に係る土木工事分野の受注増加による売上高の増加に伴い、2027年3月期の営業利益は1,373百万円(対前年比66.5%増)となることを見込んでおります。また、上記要因による売上高の増加に伴う大幅な増益により、2027年3月期のフリー・キャッシュ・フローは763百万円(対前年比 80.4%増)を見込んでおります。さらに、2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは、売上高が成長することに伴う運転資本の増加により423百万円(対前年比 61.8%減)を見込んでおり、2028年3月期のフリー・キャッシュ・フローは、売上高が成長することに伴う大幅な増益により、1,025百万円(対前年比 34.4%増)を見込んでおります。本取引の実行により実現することができるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味しておりません。
(注)デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、当社株式の株式価値の算定に重大な影響を及ぼす可能性のある事実でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて、当社の事業計画に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーの算定は、2024年6月3日までの上記情報を反映したものであります。
⑤ 当社における利害関係を有しない取締役(監査等委員を含む)全員の承認
当社は、アイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言及び当社株式価値算定書(アイ・アール ジャパン)の内容、本特別委員会を通じて2024年6月3日付でデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーから提出を受けた当社株式価値算定書(デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー)、並びに日比谷パーク法律事務所から受けた本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点についての法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から提出を受けた本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値向上を図ることができるか、本取引に関する諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議及び検討を行いました。その結果、当社は、上記「1.株式併合の目的」に記載のとおり、2024年6月4日開催の取締役会において、当社の取締役11名(うち8名が独立社外取締役)の全員一致により、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格(2,208円)を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。
⑥ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)について、法令に定められた最低期間が20営業日であるところ、本公開買付けにおいては30営業日としております。このように、公開買付期間を法定の最短期間に照らして長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けへの応募について適切な判断機会を確保するとともに、公開買付者以外にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、もって本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。また、当社は、公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止し、又は当社が本公開買付けへの賛同を撤回することを禁止するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会を確保し、本公開買付けの公正性を担保することを企図しております。
⑦ マジョリティ・オブ・マイノリティ条件(majority of minority)を達成する買付予定数の下限の設定
本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の非公開化を目的としているため、買付予定数の下限を1,761,800株(所有割合:40.38%)に設定しており、応募株券等の総数が買付予定数の下限(1,761,800株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。また、アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッドは、公開買付者との間で応募契約を締結しているものの、本公開買付価格で本公開買付けに応募することで当社への投資を回収し、それ以降、公開買付者又は当社に関与することを予定していないことを踏まえると、「公開買付者と重要な利害関係を共通しない当社の株主」であると取り扱うことが妥当であると考えられるとのことです。この場合、買付予定数の下限(1,761,800株)は、マジョリティ・オブ・マイノリティの水準(当社の発行済株式総数(4,685,745株)から、当社が所有する自己株式数である323,154株及びMIRIが所有する株式の数である1,146,600株を控除した株式数に係る議決権の数(32,159個)の過半数に相当する数(16,080個)に相当する当社株式数(1,608,000株))を上回ることになります。このように、公開買付者は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととし、当社の少数株主の皆様の意思を重視した買付予定数の下限の設定を行っているとのことです。
2024年10月18日(予定)