第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

(継続企業の前提に関する重要事象等)

 当社グループは、2021年12月期から2023年12月期において継続して営業損失を計上いたしました。当中間連結会計期間においては、前連結会計年度から業績状況は着実に改善し、営業利益482百万円を計上したものの、前連結会計年度末まで継続して営業損失を計上していることを鑑み、引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しておりますが、当中間連結会計期間末において現金及び預金5,152百万円を保有しており、コミットメントライン契約による追加の資金調達余力もあることから、事業運営に必要な資金については確保していると判断しております。また、当社グループでは、当該事象又は状況の解消に向けて、以下の対応策を実施することにより収益性の向上に取り組んでまいります。

 

① 医薬品事業の安定した収益の獲得

  堅調な需要状況に対し、前連結会計年度より整備を進めてきたシフト生産体制や京都工場の医薬品ラインの立ち上げ等の施策を本格的な実行フェーズへ進展させ、市場への安定供給を行うとともに、出荷価格の見直しによる適正利益の確保によって安定した収益の獲得を目指してまいります。

② 感染管理事業の収益性改善

  感染管理事業においては、「クレベリン」の主成分である二酸化塩素の有効性や安全性に関するエビデンス強化によって信頼回復に取り組んでまいりますが、「クレベリン」の属する除菌市場は売上予測が難しい状況が続いていることから、広告宣伝費等のコストコントロールを強化することにより、収益性の改善を目指してまいります。

③ コスト削減

  オフィススペースの縮小等により引き続き固定費の圧縮を図るとともに、販売費及び一般管理費の効率化及びコストコントロールを強化することにより、収益性の改善に取り組んでまいります。

 

 以上のことから、現時点で当社グループにおいて、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行にともなう社会経済活動の正常化、雇用・所得環境の改善を背景に、国内景気は緩やかな持ち直しの動きが見受けられました。一方、継続的な物価の上昇による消費の減速懸念等、依然として景気の見通しは不透明な状況が続いております。

 このような中、当社グループは医薬品事業において、市場への安定供給という課題に対し、供給体制を強化するため、製造人員の増強やシフト生産体制の構築、京都工場の医薬品ラインの立ち上げ等に取り組んでまいりました。また、感染管理事業では二酸化塩素のエビデンス強化に係る研究開発を通じた消費者の皆様への信頼醸成や、売上規模に応じたコスト管理等収益性の改善施策に取り組んでまいりました。

 これらの結果、当中間連結会計期間の売上高につきましては、医薬品事業の増収により、対前年同期比14.9%増の2,860百万円となりました。売上総利益につきましては、医薬品事業の増収影響等により、対前年同期比59.8%増の1,678百万円となりました。

 販売費及び一般管理費につきましては、継続的なコスト削減施策の実行等により、対前年同期比17.3%減の1,196百万円となりました。

 これらの結果、当中間連結会計期間の営業利益は482百万円(前年同期は396百万円の営業損失)、経常利益は528百万円(前年同期は510百万円の経常損失)となりました。特別利益につきましては、医薬品事業の仕入取引に関連し、取引先より受領した受取補償金200百万円を計上しております。その結果、親会社株主に帰属する中間純利益につきましては764百万円(前年同期は514百万円の親会社株主に帰属する中間純損失)となりました。

 セグメント別の経営成績につきましては以下のとおりであります。

 

(医薬品事業)

 医薬品事業につきましては、国内市場における市場規模が対前年同期比で108.2%となり新型コロナウイルス感染症の影響から回復し、コロナ前の水準を上回ってきております。堅調な需要に対し、前連結会計年度より引き続き、製造人員の増強やシフト生産体制の構築、京都工場の医薬品ラインの立ち上げ等の増産施策の取り組みを進めてまいりました。これらの取り組みにより、供給課題は徐々に解消に向かいつつあります。また、原材料及び資材費や物流費等の価格高騰を背景に、国内において「正露丸」、「セイロガン糖衣A」の出荷価格の値上げを実施いたしました。

 この結果、国内向けの医薬品売上高につきましては、対前年同期比7.8%増の1,835百万円となりました。また、海外向けにつきましては、前連結会計年度において国内向けとの出荷調整によって十分な供給量を確保することができませんでしたが、香港市場へ一部の出荷を再開できたこと等から、対前年同期比98.5%増の819百万円となりました。

 これらの結果、医薬品事業につきましては、対前年同期比25.5%増の2,654百万円の売上高となりました。また、セグメント利益につきましては、主に増収影響により、対前年同期比110.9%増の1,086百万円となりました。

 

・外部顧客への売上高の内訳(医薬品事業)

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年6月30日)

当中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日)

国内

1,702

1,835

海外

412

819

合計

2,115

2,654

 

(感染管理事業)

 感染管理事業につきましては、売上規模に応じたマーケティング費用の投下等コストコントロールを強化し、収益性の改善に取り組んでまいりました。

 これらの結果、売上高は対前年同期比で167百万円減少の203百万円となりました。また、セグメント損失につきましては、各種費用の抑制等により対前年同期比で211百万円改善し195百万円となりました。

 

・外部顧客への売上高の内訳(感染管理事業)

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

(自 2023年1月1日

至 2023年6月30日)

当中間連結会計期間

(自 2024年1月1日

至 2024年6月30日)

国内:一般用

75

95

国内:業務用

251

92

海外

43

15

合計

370

203

 

(その他事業)

   その他事業につきましては、主に木酢液を配合した入浴液や園芸用木酢液等の製造販売を行い、売上高は2百万円、セグメント損失につきましては6百万円となりました。

 

②財政状態の分析

 当中間連結会計期間末における資産合計は13,383百万円(前連結会計年度末比163百万円増)となりました。また負債合計は5,308百万円(同1,171百万円減)、純資産合計は8,074百万円(同1,334百万円増)となりました。前連結会計年度末からの主な変動要因は、現金及び預金の減少等による流動資産313百万円の減少や投資有価証券の評価替による増加等による固定資産476百万円の増加、未払金の減少等による流動負債609百万円の減少、長期借入金の返済等による固定負債561百万円の減少、また、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等による純資産1,334百万円の増加等であります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)が前連結会計年度末より327百万円減少し、当中間連結会計期間末残高は、4,916百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果獲得した資金は256百万円(前年同期は126百万円の獲得)となりました。主に未払金の減少363百万円、棚卸資産の増加233百万円等の減少要因の一方で、税金等調整前中間純利益724百万円、売上債権の減少191百万円、減価償却費128百万円等の増加要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は135百万円(前年同期は707百万円の獲得)となりました。主に有形固定資産の取得による支出72百万円、資産除去債務の履行による支出68百万円等の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は562百万円(前年同期は827百万円の獲得)となりました。主に長期借入金の返済による支出603百万円等の減少要因によるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、79百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

 当中間連結会計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当中間連結会計期間において、当社グループの資金調達の基本方針について重要な変更はありません。

 

(8)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 (コミットメントライン契約における財務制限条項の追加)

 当社は、2022年8月10日締結のコミットメントライン契約について、2024年1月26日開催の取締役会の決議に基づき、2024年1月31日付で財務制限条項の追加等について取引金融機関と合意し、契約の一部を変更いたしました。

 変更後の契約において、下記の財務制限条項に抵触した場合には、本契約上の全ての債務について期限の利益を喪失及び貸付義務の消滅の可能性があります。

 

 財務制限条項

(1)取引金融機関に提出する各年度の決算期に係る業績計画(連結)に記載された、当該決算期を通じた経常損益の計画値及び当期純損益の計画値(いずれも12ヵ月分の合計金額)を、いずれも0円以上にそれぞれ維持すること。

 

(2)決算期の末日以外の各四半期の末日に関して、それぞれ次に掲げる金額をいずれも0円以上に維持すること。

・当該四半期末日(決算期末日以外)の属する決算期の初日から当該四半期末日(決算期末日以外)までの期間の経常損益の実績金額と、取引金融機関に提出する当該四半期末日(決算期末日以外)の翌日から当該決算期の末日までの期間の経常損益の計画値の合計金額。

・当該四半期末日(決算期末日以外)の属する決算期の初日から当該四半期末日(決算期末日以外)までの期間の当期純損益の実績金額と、取引金融機関に提出する当該四半期末日(決算期末日以外)の翌日から当該決算期の末日までの期間の当期純損益の計画値の合計金額。