第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第17期

第18期

第19期

第20期

第21期

決算年月

2020年5月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

2024年5月

売上高

(千円)

1,830,313

2,170,319

2,283,193

2,487,178

2,595,333

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

162,540

193,726

34,349

46,949

28,705

当期純利益又は当期純損失(△)

(千円)

103,609

131,025

20,105

22,091

31,766

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

116,400

392,929

393,583

435,600

435,600

発行済株式総数

(株)

 

 

 

 

 

普通株式

3,220,000

3,991,500

4,006,100

4,124,400

4,124,400

純資産額

(千円)

268,829

952,914

1,008,388

1,118,806

1,035,766

総資産額

(千円)

854,353

1,448,042

1,499,646

1,704,790

1,799,825

1株当たり純資産額

(円)

83.49

238.74

251.71

271.27

256.73

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)

(円)

32.18

34.64

5.03

5.46

7.76

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

34.19

4.99

5.08

自己資本比率

(%)

31.5

65.8

67.2

65.4

57.6

自己資本利益率

(%)

47.7

21.4

2.1

2.1

株価収益率

(倍)

66.46

200.60

126.37

配当性向

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

137,824

179,170

85,112

130,013

50,278

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

60,619

127,137

276,706

392,449

144,513

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

22,068

360,892

51,308

188,327

98,726

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

273,627

686,552

376,041

301,933

306,424

従業員数

(人)

118

133

144

151

157

(外、平均臨時雇用者数)

(23)

(30)

(42)

(49)

(26)

株主総利回り

(%)

43.8

30.0

20.7

(比較指標:東証グロース250指数)

(%)

(-)

(-)

(58.4)

(65.0)

(53.7)

最高株価

(円)

9,000

2,445

1,467

775

最低株価

(円)

1,944

565

664

456

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。

3.第17期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であったため、期中平均株価が把握できないため記載しておりません。また、第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失のため記載しておりません。

4.第17期の株価収益率については、当社株式は非上場であったため、記載しておりません。また、第21期の株価収益率については、1株当たり当期純損失が計上されているため記載しておりません。

5.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

6.従業員数は就業人員(休職者を除く)であり、臨時従業員数(パートタイマー、アルバイト、派遣社員)は、( )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

7.第17期及び第18期の株主総利回り及び比較指標については、2020年8月25日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、記載しておりません。

8.第17期の最高株価、最低株価については、当社株式は非上場であったため記載しておりません。なお、当社株式は2020年8月25日付で東京証券取引所マザーズ市場に上場いたしましたが、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、同日以降の上場金融商品取引所名は、東京証券取引所グロース市場になります。

9.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第19期の期首から適用しており、第19期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。

 

2【沿革】

 当社はインフラの設計構築、ソフトウエアの開発、運用保守まで全てのフェーズでお客様に責任を持ってサービスの提供ができる、インターネット関連のソフトウエア受託会社を目的として、2003年6月に東京都練馬区大泉学園町において創業いたしました。これまでの経緯は次のとおりです。

2003年6月

2004年1月

2006年7月

2007年1月

2007年7月

2010年1月

2012年10月

2013年3月

2014年12月

2015年1月

2015年8月

2015年10月

2015年12月

2016年5月

2017年10月

2020年8月

2020年9月

2021年3月

2022年1月

2022年3月

2022年4月

2023年1月

2023年1月

2023年2月

2023年3月

2023年4月

2023年8月

東京都練馬区大泉学園町において有限会社インターファクトリー設立(資本金3,000千円)

ECサイト構築パッケージ「EC VALUE MARKET」提供開始

株式会社インターファクトリーに組織変更

「EC VALUE MARKET」の名称を「えびすマート」に変更

資本金を10,000千円に増資

「えびすマート」をクラウド型にバージョンアップ(※1)

プライバシーマーク取得(※2)

資本金を90,000千円に増資

「えびすマート」を「ebisumart」へ名称変更

本社を東京都千代田区富士見に移転

ISO/IEC27001(ISMS)の認証を取得(※3)

資本金を105,600千円に増資

資本金を116,400千円に増資

本社を現在地に移転

クレジットカード取引に係るデータセキュリティの国際規格PCI-DSSに準拠(※4)

東京証券取引所マザーズに株式を上場、資本金を322,185千円に増資

資本金を386,173千円に増資

資本金を392,929千円に増資

スモールスタート向けクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart zero」提供開始

資本金を393,583千円に増資

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所グロース市場へ市場変更

ECコンサルサービス「ebisu growth」提供開始

資本金を414,964千円に増資

資本金を427,259千円に増資

資本金を434,588千円に増資

資本金を435,600千円に増資

ハイエンドモデルのコマースデータプラットフォーム「ebisu commerce」提供開始

 

[用語解説]

  ※1.クラウド型

ソフトウエアを利用者(顧客)側に導入するのではなく、提供者(サーバー)側で稼働しているソフトウエアを、インターネット等のネットワーク経由で利用者にサービスとして提供し、シングルシステム・マルチテナント方式になっているものを指します。

  ※2.プライバシーマーク

プライバシーマークとは、個人情報の保護措置について一定の要件を満たした事業者などの団体に対し、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が使用を許諾する登録商標であります。

  ※3.ISO/IEC27001(ISMS)

国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が共同で策定する情報セキュリティ規格で、情報資産の保護、利害関係者からの信頼を獲得するための“セキュリティ体制の確保”を目的としたフレームワークとなります。

  ※4.PCI-DSS

カード会員情報の保護を目的として、国際ペイメントブランド5社(アメリカンエキスプレス、Discover、JCB、マスターカード、VISA)が共同で策定したカード情報セキュリティの国際統一基準です。

 

3【事業の内容】

当社は「関わる従業員、お客様、取引先様の幸せを実現する」ことを企業理念に掲げ、事業運営を行っております。その実現のために「コマースを進化させる」をスローガンに、クラウドコマースプラットフォームの提供に加え、複数の事業を展開し、サービスの提供を行っております。

当社は、クラウドコマースプラットフォーム事業という単一の事業で成長してまいりましたが、ECモールおよび全ての自社ECサイトを運営する事業者を対象とした、EC事業の成長を戦略立案から実務まで一気通貫で支援するサービス「ebisu growth」を開始し、また、「データの統合及び活用を目的とした事業」を新たに展開予定であり、「コマース」に関わるデータやサービスを扱うことで、EC事業者のみならず幅広いニーズにアプローチし、収益手段の多様化を図ってまいります。

(1)クラウドコマースプラットフォーム事業の事業内容について

クラウドコマースプラットフォーム事業として、クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」に係る①システム受託開発サービス、②システム運用保守サービス、③その他のサービスの3つのサービスを提供しております。

 

①システム受託開発サービス(フロー)

通常、ベンダーの環境に依存するクラウド型サービスでは個別の要望に応じるカスタマイズの自由度は大幅に低くなりますが、「ebisumart」はクラウド型サービスでありながらカスタマイズが可能であるという特徴を有しております。当社はシステム導入に際し顧客の要望に応じてカスタマイズを実施することが一般的であるほか、システム導入後につきましても新たな機能追加等の依頼に応じて追加カスタマイズを行います。

カスタマイズ業務におきましてはプロジェクト・マネジメント制を採用し、要件定義から設計、開発、テスト、納品まで同一のメンバーが担当することにより品質強化はもちろん、障害発生時の対応も迅速且つ効率的に行える体制とし、顧客に安心・安全を提供できるよう取り組んでおります。

これらの業務に対し、カスタマイズ料という形で報酬を受領するフロー型ビジネスとなっております。

 

②システム運用保守サービス(ストック)

「ebisumart」上に顧客の店舗がオープンした後は、顧客のサポートを専門に行うECコンシェルジュによるきめ細かな保守サービス、セミナーの開催や、カスタマーサクセスチームによるコンサルティング等の各種サポートサービスを通じて個々の顧客に対し最適なサービスの提供に努めております。また、クラウド型の利点を生かし、毎週機能の追加、更新、修正等を行い、顧客に対し常に最新・最適なサービスの提供に努めております。これらの業務に対し、月額利用料という形で報酬を受領するストック型ビジネスとなっております。

 報酬の内訳は、「基本料金」、「変動料金」、「その他」で構成されており、それぞれの内容は以下のとおりとなっております。

区分

内容

基本料金

月額固定料金で、基本的な保守サービスの対価であります。

変動料金

各顧客のシステム利用状況に応じて課金する料金であります。

その他

オプションサービスの利用料等であります。

 

③その他のサービス

既存顧客に対し、提携先企業の各種サービス(ディスプレイ広告サービス、商品のレコメンド機能、各種分析機能等)の紹介、運用代行サービス、ECに関するビジネス支援サービス等のカスタマーサクセスを目的とした各種サービスを提供しております。

 

1)クラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」の特徴について

「ebisumart」は、「拡張性・最新性・安心性」の3つの特性により、中規模から大規模のEC事業者のニーズに最適なソリューションを提供しております。

■拡張性

「ebisumart」はASPサービス(注1)の「システムが古くならない」メリットとパッケージソフトの「他システムとの連携等のカスタマイズができる」メリットの両方を備えており、クラウドサービスでありながら顧客の様々な要望に柔軟に対応することが可能です。

■最新性

パッケージソフトは時の経過とともに陳腐化していきますが、「ebisumart」は機能の追加やアップデートを毎週行っており、全ての顧客は常に最新・最適なサービスを利用することが可能です。

■安心性

システムの利用状況に応じてサービス提供の基盤であるインフラ環境を柔軟に変更することが可能となっており、最適かつ無駄のない状態に保つことができるため、一時的な高負荷にも対応することが可能です。また、通常のセキュリティ対策に加え、通信の監視・ブロックを行うオプションも利用可能となっており、安心してシステムを利用していただくことが可能です。

 

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販売体制としましては顧客ニーズを的確に把握できるダイレクトセールスを主体としておりますが、API(注2)を公開することによりプラットフォームのオープン化を進め、パートナー開拓を通じた事業拡大のための基盤構築を進めるとともに、パートナープログラム「ebisumart ecosystem」を展開し、パートナー企業に「ebisumart」上で動作するEC支援サービスアプリケーションの開発環境を提供しております。これによりパートナー企業にはEC支援サービスアプリを製作する機会を提供し、顧客企業には幅広いEC支援サービスを受ける機会を提供します。各パートナーの機能及び役割は以下のとおりとなっております。

① OEMパートナー

「ebisumart」をOEM商品として第三者に販売します。

② ソリューションパートナー

「ebisumart」の販売代理業務に加え、エンドユーザーに対し「ebisumart」のカスタマイズ業務を行います。

③ セールスパートナー

「ebisumart」の取次店業務及び販売代理店業務を行います。

④ アプリケーションパートナー

「ebisumart」カスタマイズ用アプリケーションの開発及び販売を行います。

⑤ アウトソースパートナー

当社の委託を受け、「ebisumart」のカスタマイズ業務を行います。

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

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(注1)アプリケーションサービスプロバイダのことで、インターネットを介したサービス提供で、すぐに導入でき、コストが安くシステムが古くならないメリットはありますが、カスタマイズができない点がデメリットであります。

(注2)アプリケーションプログラミングインターフェースのことで、あるコンピュータプログラムの機能や管理するデータ等を外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式等を定めたものであります。

 

2)ハイスペックのクラウドコマースプラットフォーム「ebisu commerce」について

 EC市場拡大と弊社既存顧客の成長を見越し、EC流通総額が更に大きい大規模顧客層をターゲットにした、ハイスペックの新たなクラウドコマースプラットフォーム「ebisu commerce」のサービス提供を2023年8月より開始いたしました。事業規模の拡大により、データ処理の高速化や外部システムとの連携強化へのニーズに対応するシステムとなり、これにより大規模事業者まで幅広い顧客層をカバーすることが可能となっております。さまざまなチャネルのデータを収集・蓄積し、在庫管理や受注~出荷処理などのEC運営業務を自動化するクラウド型の統合業務管理システムとなり、従来対応できなかった顧客層にもアプローチしてまいります。

 

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(2)ECビジネス成長支援事業の事業内容について

 ECモールおよび全ての自社ECサイトを運営する事業者様を対象とした、EC事業の成長を戦略立案から実務まで一気通貫で支援するサービス「ebisu growth」を提供しております。「ebisu growth」の主な特徴は下記4つとなります。

 

①成果が出るPDCAサイクルモデル

 ECモールを利用する事業者様向け~の本格支援を行うにあたり、事前調査として初期分析を実施し、実施事項の齟齬を防止するため、EC戦略およびモニタリング指標(KPI)を設定した支援内容に合意いただいた上で、本格支援へ移行します。本格支援フェーズにおいても、定期的にモニタリング指標を振り返り、戦略の検証および修正を行うため、状況に応じた戦略施策の最適化を実現いたします。

 

②ECバリューチェーンに一気通貫した施策

 ECバリューチェーンの商品拡大から顧客管理までを一気通貫でコンサルティングするため、各工程の個別最適化ではなく、EC運用の全体最適化を実現することができ、売上拡大に加えコスト最適化を推進します。

 

③蓄積された売上拡大ノウハウ

 250社以上の支援実績を保有する株式会社マクロジと業務提携契約を締結しており、同社が持つノウハウに基づき、200以上のECモール施策と100以上のEC事例をデータベース化しています。ECバリューチェーンごとに型化され、確固たる売上拡大ロジックに基づいた戦略をご提案いたします。

 

 

④プロフェッショナルによる手厚いサポート体制

 支援体制にはECコンサルタントの他、WebマーケターやWebデザイナー、オペレーターが在籍し、お客様の業種業態や実施施策に応じた最適な人員をアサインすることで、より効果的な検証を行ってまいります。またチャットツールを使用したコミュニケーションを行うため、社内チーム同等の円滑なやり取りが可能となっております。

 

 具体的なサービス内容としては、EC事業を継続的に発展させることを目的とした「EC戦略PM支援サービス」と、各ECモールに特化した支援を行う「ECモール特化型運営支援サービス」という2つのサービスを軸に提供を行っております。

 

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(3)データの統合及び活用を目的とした事業

 EC事業者の基幹システムと各販売チャネル、タッチポイントを繋ぎ、リアルとECデータの統合及び活用を可

能とする「データ利活用プラットフォーム」を用いた新サービスの提供を開始いたします。事業規模の大小に関わ

らず事業のⅮXを推進する際に必要となるデータの統合及び活用というニーズに応えるサービスとして、既存・新

規のクライアントを問わず積極的にアプローチしてまいります。

 

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4【関係会社の状況】

該当事項はありません。

 

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

 

2024年5月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

157

(26)

34.5

5.4

6,215,838

 

セグメントの名称

従業員数(名)

クラウドコマースプラットフォーム事業

98

(26)

ECビジネス成長支援事業

9

(0)

データの統合及び活用を目的とした事業

6

(0)

全社

44

(0)

合計

157

(26)

 

 (注)1.従業員数は就業人員(休職者を除く)であり、臨時従業員数(パートタイマー、アルバイト、派遣社員)は、( )内に年間の平均人員数を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社は、管理部門及び営業部門の従業員です。

4.事業規模の拡大に伴い、従業員数は前期末と比較して6人増加しております。

 

(2)労働組合の状況

当社において労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3)管理職に占める女性労働者の割合及び男性労働者の育児休業取得率

 

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)2.

11.1

100.0

 

 (注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.男性労働者の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

3.当社は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づく男性労働者の育児休業取得率について、公表義務の対象ではないものの任意で記載を行っております。