1【提出理由】

当社は、2024年8月22日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)6,352,000株を1株に併合する株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2024年9月17日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議しましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものです。

 

2【報告内容】

1.本株式併合の目的

当社が2024年6月18日に公表いたしました「ビー・エックス・ジェイ・シー・ツー・ホールディング株式会社による当社株券等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)においてお知らせいたしましたとおり、ビー・エックス・ジェイ・シー・ツー・ホールディング株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、公開買付け及びその後に予定されている一連の手続を経て当社株式を非公開化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2024年6月19日から2024年7月31日までを買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社株式及び本新株予約権(注1)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたしました。

そして、当社が2024年8月1日付で公表いたしました「ビー・エックス・ジェイ・シー・ツー・ホールディング株式会社による当社株券等に対する公開買付けの結果並びにその他の関係会社及び主要株主の異動に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、本公開買付けの結果、本公開買付けの決済の開始日である2024年8月7日をもって、公開買付者は当社株式18,237,648株(所有割合(注2):33.10%)を所有するに至りました。

(注1)「本新株予約権」とは、以下のア乃至クの新株予約権を総称していいます。

ア 2013年5月9日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2013年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2013年6月1日から2043年5月31日まで)

イ 2014年5月15日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2014年6月7日から2044年6月6日まで)

ウ 2015年5月19日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2015年6月10日から2045年6月9日まで)

エ 2016年5月20日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2016年6月14日から2046年6月13日まで)

オ 2017年5月19日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(行使期間は2017年6月13日から2047年6月12日まで)

カ 2018年5月18日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2018年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2018年6月12日から2048年6月11日まで)

キ 2019年5月20日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2019年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年6月12日から2049年6月11日まで)

ク 2020年5月20日開催の当社取締役会決議に基づき発行された新株予約権(以下「2020年度新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年6月12日から2050年6月11日まで)

(注2)「所有割合」は、当社が2024年7月31日に公表した「2025年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2024年6月30日現在の当社の発行済株式総数(57,600,000株)から、当社決算短信に記載された2024年6月30日現在の当社が所有する自己株式数(2,679,208株)を控除した株式数(54,920,792株)に、2024年6月30日現在残存する本新株予約権の数の合計である427個の目的となる当社株式の数(170,800株)を加算した株式数(55,091,592株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。

 

公開買付者は、本公開買付けを通じて株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式(但し、譲渡制限付株式報酬として当社の取締役(社外取締役を除きます。)及び執行役員に付与された当社の譲渡制限付株式(以下「本譲渡制限付株式」といいます。)並びに本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式(以下に定義します。)を除きます。)及び本新株予約権の全てを所有し、当社の事業活動を支配及び管理することを主な目的として、2024年5月13日に設立された株式会社であるとのことです。

本意見表明プレスリリースにてお知らせしましたとおり、当社は、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「②公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載の経営環境を踏まえ、かねてより中長期的な観点から当社の企業価値を最大化する施策についての検討を行ってまいりました。

そのような状況の下、当社は、2022年7月下旬、当社の親会社である帝人株式会社(以下「帝人」といいます。)(所有株式数:31,760,000株、所有割合:57.65%。以下「本不応募合意株式」といいます。)より、事業ポートフォリオ変革の必要性を理由に、帝人並びにその子会社及び関連会社(以下「帝人グループ」といいます。)における当社の位置づけについて、帝人が所有する当社株式のうち議決権ベースで約34%は帝人が継続保有し、残りの部分については第三者に売却することについて正式に検討を開始したとの通知を受けましたが、その後2022年10月上旬、帝人より、帝人の業績悪化を理由に、帝人が所有する当社株式の一部の売却の検討を一旦見送りたい旨の通知を受けました。なお、当該時点においては、帝人が所有する当社株式のうち議決権ベースで約34%は帝人が継続保有し、残りの持分については第三者に譲渡する方針は変わっていないとのことでした。その後、当社は、2023年9月中旬、帝人より、2022年以降も帝人と当社のシナジーを継続検討したものの、将来にわたってお互いの価値を高めるようなシナジーを見出すことができなかったため、事業ポートフォリオの変革の必要性が高いことを理由に、帝人が所有する当社株式の全部を、当社の市場株価に対し一定のプレミアムを付した価格で、売却価格の最大化を目指した上で、第三者に売却する意向がある旨の通知を受けました。これに対し、当社より、帝人に対し、帝人が想定する当社株式の売却を含む取引は、当社株式の非公開化を伴うものであるか確認を行ったところ、帝人より、当社株式に対する第三者による公開買付け及びその後の一連の取引により、当社株式の非公開化を伴う取引を行うことを想定しているとの説明を受けました。当該通知及び説明を受け、当社は、帝人の意向及び想定について慎重に検討いたしましたが、当社の初期的な見解としては、帝人による当社株式の売却意向は尊重する必要があるものの、当社株式が上場廃止となることが当社の企業価値に与える影響について十分な検討を行う必要があると考え、2023年9月下旬、帝人に対して、当該時点においては、当社株式の非公開化を伴う取引に関する協議を進めることには合意できない旨を伝達いたしました。

もっとも、当社は、上記のとおり帝人による当社株式の全部を売却するという意向は尊重すべきものであると考えていたことから、2023年10月初旬、帝人が所有する当社株式の売却方法の検討を含めた当社における様々な資本政策の検討を行うにあたり、ブラックストーン(Blackstone Inc.並びにその関係会社及びその他の関連事業体の総称をいいます。以下同じです。)、公開買付者、公開買付者の親会社であるビー・エックス・ジェイ・シー・ワン・ホールディング株式会社(以下「公開買付者親会社」といいます。)、当社及び帝人(これらを総称して、以下「公開買付関係者等」といいます。)から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてビヨンドアーチパートナーズ株式会社(以下「BAP」といいます。)を、公開買付関係者等から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所をそれぞれ選任した上で、帝人が所有する当社株式を自己株式取得の方法により取得することを含め、具体的な検討を開始いたしました。また、当該検討の実施に並行して、仮に帝人が所有する当社株式の全てを自己株式取得により取得する場合には多額の資金及び分配可能額が必要になることから、資本性資金の出資先の探索も開始いたしました。当社は、かかる検討及び出資先の探索を十分に実施するため、2023年10月初旬に、帝人が当社株式の100%買収の提案を募る入札プロセス(以下「本入札プロセス」といいます。)を開始する前に、帝人に対して、当社内で1ヶ月程度検討期間を設けたい旨の要請を行い、帝人より要請に応じる旨の回答を受領いたしました。

そして、当社は、少なくとも、帝人が想定する第三者による当社株式への公開買付け等についての具体的な提案を当社において受領していない段階においては、当社株式の上場を維持することを前提に当社の資本政策を検討することが適切であると考えるに至り、また、複数の出資候補先との面談を行った結果、2023年11月上旬に、出資候補先(以下「優先株式引受候補先」といいます。)から、帝人が所有する当社株式の全てを自己株式取得するために必要な水準まで当社の資金及び分配可能額を確保するために当社が優先株式引受候補先に対して優先株式を発行した上で、帝人が所有する当社株式の全てを自社株公開買付けの方法により自己株式取得するスキーム(以下「自社株TOBスキーム」といいます。)の初期的な提案を受領したことから、2023年11月上旬、帝人に対して、帝人が所有する当社株式の全部を売却する方法として、自社株TOBスキームによることを提案しました。しかしながら、2023年11月下旬、帝人より、自社株TOBスキームによる場合には、当社株式の公開買付価格が市場株価に対してディスカウントした金額となる可能性が高く、当社株式の売却価格の最大化に沿わないこと、また、そのことにより自社株公開買付けを開始した後により高い買付価格による対抗提案がなされる可能性もあるなど取引の実行可能性が不安定になるおそれがあること等から、帝人の株主への説明責任を果たすことが困難であるほか、当社の企業価値及び株主共同の利益の観点からも本入札プロセスを行うことが望ましいと考えている旨の回答を受けました。

しかしながら、当該時点においては、当社としては、自社株TOBスキームによる方が当社の中長期的な企業価値の向上につながる可能性があることから、自社株TOBスキームの検討を進めるべきであると考えていたこと、及び帝人が所有する当社株式の全てを売却するという点では帝人の意向にも沿っていると考えたことから、2024年1月から2月にかけて優先株式引受候補先によるビジネス、財務会計、税務及び法務の各分野に関するデュー・ディリジェンスを受けることといたしました。

一方で、当社は、帝人との間では、双方の株主の利益の最大化を図るべく、自社株TOBスキームや本公開買付けを含む選択肢について継続的に議論を重ね、2024年1月中旬、帝人より、本入札プロセスを開始することが決定された旨の通知を受領するともに、2023年8月31日に経済産業省より公表された「企業買収における行動指針」(以下「企業買収行動指針」といいます。)に定められるいわゆる「真摯な買収提案」に該当し得る当社の買収提案を帝人が複数受領している旨の説明を受けたことから、2024年2月上旬、帝人に対して、当社株式の上場を維持することが当社の中長期的な企業価値の成長につながる可能性があるとの当社の考えには当該時点においても変更はないものの、帝人による本入札プロセスへの対応については、当社取締役会において継続して慎重に検討を進める旨の回答をいたしました。そして、当社は、ブラックストーンを含む複数の本入札プロセスにおける候補者(以下「本候補者」といいます。)から当社株式の非公開化を含む提案を受領することが想定されることから、企業買収行動指針を踏まえ、当社における検討プロセスの公正さと透明性を確保しつつ、真摯な検討を行う観点より、(ⅰ)当社株式の非公開化提案だけでなく、(ⅱ)当社株式の上場を維持する前提での企業価値向上策(以下「本企業価値向上策」といいます。)及び(ⅲ)自社株TOBスキームについても検討すべきであると判断し、また、帝人から自己株式取得を行う場合には、当該自己株式取得は東京証券取引所の有価証券上場規程に規定される支配株主との取引等に該当するため、支配株主との間に利害関係を有しない者からの「少数株主にとって不利益なものではないことに関する意見」を入手する必要があることから、2024年2月28日開催の取締役会における決議により、藤田一彦氏(独立社外取締役)、津田和彦氏(独立社外取締役)及び森川紀代氏 (独立社外監査役)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本諮問事項(下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得」で定義します。)を諮問しました。なお、本特別委員会の各委員は、公開買付関係者等のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

その後、当社は、帝人より、野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を通じて、複数の候補者に対して関心の有無を確認した上で、2024年2月下旬、複数の事業会社及びブラックストーンを含む複数の投資会社の合計13社を対象とし、本取引に係る第一次入札プロセス(以下「本第一次入札プロセス」といいます。)を開始する旨の通知を受けました。その後、帝人は、2024年3月下旬に、複数の候補者から意向表明書を受領したことから、その内容について慎重に検討を行い、本第一次入札プロセスを通過する複数の候補者を選定したとのことであり、当社は、帝人より、当該複数の候補者の通知を受けるとともに、本取引に係る第二次入札プロセス(以下「本第二次入札プロセス」といいます。)を開始する旨の通知を受けました。その後、当社は、2024年3月下旬から2024年5月中旬にかけて、複数の候補者によるビジネス、財務会計、税務、法務及びITの各分野に関するデュー・ディリジェンスを受けました。

また、当社は、優先株式引受候補先との間では、2024年1月から2月にかけてデュー・ディリジェンスを受けた後、優先株式の発行に関する諸条件の交渉等を行い、2024年5月中旬、優先株式引受候補先より、法的拘束力のある最終提案(以下「自社株TOBスキーム最終提案」といいます。)を受領し、2024年5月下旬に帝人に対し、自社株TOBスキームに係る法的拘束力のある提案を行いました。

その後、2024年5月下旬に、帝人より、複数の候補者から最終提案書を受領した旨、及びブラックストーンが最終候補者に選定された旨の通知を受け、また、ブラックストーンの最終提案(以下「公開買付者最終提案」といいます。)及び他の候補者の最終提案の共有を受けました。なお、当社の自社株TOBスキームの提案については、公開買付者最終提案に含まれる当社株式の売却価格との間に大きな差があることや買付予定数に上限が設定されていることを踏まえ、帝人及び当社双方の株主共同の利益の最大化などの観点から選択されなかったとのことです。

当社は、公開買付者最終提案及び自社株TOBスキーム最終提案の比較検討を慎重に行い、株式価値総額、本取引実施後の当社の財務健全性、事業分割の可能性を含む本取引実施後の事業戦略の方向性、シナジー効果、従業員の処遇等の観点で総合的に検討を行いました。2024年5月28日、当社において自社株TOBスキームは帝人が当社による自社株公開買付けに応募しない限り成立しないスキームであるところ、帝人には上記の観点からその意思はなく実現可能性が低いこと、公開買付者最終提案に含まれる当社への提案内容は、本取引実施後の財務健全性、当社の事業分割の可能性の観点から当社と公開買付者の間で協議を要する課題は残るものの、公開買付者の経営支援を最大限活用することが当社の企業価値向上の実現を十分に達成し得る選択であるとの可能性は否定できないと判断し、当該時点において各候補者から提示された価格のうち最も高い公開買付価格の提示を含む提案を行う公開買付者を最終候補先として選択し、当社と公開買付者の間で残った課題について協議を継続していくことが望ましいという結論に至りました。その後、当社は、2024年5月30日に、帝人より、公開買付者が本第二次入札プロセスにおける競争状況等を総合的に勘案し、帝人が本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を6,060円とする提案を受領したこと、公開買付者を最終候補先とすることは変わらない旨の通知を受け、当社としても、当社とブラックストーンの間で引き続き協議すべき事項を検討・協議していくことが望ましいという結論は変わらず、ブラックストーンとの協議を継続することといたしました。

なお、公開買付者は、本公開買付けの成立後に行われる当社の株主を公開買付者及び帝人のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の効力発生後に当社が実施する予定の本不応募合意株式を対象とする自己株式取得(以下「本自己株式取得」といいます。)について、帝人において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮し、当社の少数株主の皆様への配分をより多くすることで、本公開買付価格の最大化と株主間の公平性を両立させることができるとの考えの下、(ⅰ)本自己株式取得が行われた場合の帝人の税引後手取り額が、(ⅱ)仮に帝人が本公開買付けに応じた場合に得られる税引後手取り額とほぼ同等となるよう算出した結果、本公開買付価格を1株当たり6,060円とし、本自己株式取得価格を1株当たり4,231円とすることを決定したとのことです。本公開買付価格について、公開買付者が提示した条件と比べて、当社の株主の皆様にとってより有利な条件を提示する候補者は存在しなかったとのことです。

その後、当社はブラックストーンとの間で協議を要する課題として、(ⅰ)本取引の実施後の当社の財務健全性、(ⅱ)当社の事業分割の可能性、(ⅲ)当社、公開買付者及び帝人の三社間での、帝人グループが利用するITシステムの開発・運用保守に関する移行サービス契約(以下「本移行サービス契約(リバースTSA)」といいます。)の締結、(ⅳ)当社が役職員に対して発行している本新株予約権の取扱い等を重要な課題として認識し、ブラックストーン及び帝人と協議を重ねてまいりました。

具体的には、(ⅰ)本取引の実施後の当社の財務健全性について、本自己株式取得において当社及び当社の連結子会社12社で構成される企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)が保有する現預金が取得費用に充てられる予定であること及び実質的には当社がLBOローンによる借入金を負担することによる、当社の財務負担が見込まれるところ、ブラックストーンからは、当社の事業運営における悪影響は特段ないこと及び必要に応じて追加出資等のサポートも検討することが可能である旨の説明を受けました。当該説明を受け、当社としても再度検討した上で、本取引実施後の当社の定期的な返済又は手元流動性に関して検討する必要があり、当社は、帝人に対して、本自己株式取得価格の引下げを打診したものの、応じられない旨の回答を受領しました。その後、当該回答をもとに当社において改めて検討を重ねる中で、当社の資金計画の確認を行うとともに、エクイティによる拠出と借入れによる拠出の比率自体は適正なものであり、かつ、更なる資金需要が生じた場合にはブラックストーンによる追加出資が期待できることもあり、本取引の実施による財務負担が、当社の事業に重大な悪影響を及ぼすものではないとの判断に至りました。

(ⅱ)当社の事業分割の可能性について、当社は公開買付者親会社との間で、2024年6月18日付で、本取引の実施後においても、当社の経営陣の同意を取得しない限り、当社のネットビジネス事業とITサービス事業の分割は原則として2年間実施しない旨を含む事業分割の禁止等に関する合意書を締結しております。

(ⅲ)本移行サービス契約(リバースTSA)については、本取引の実施による当社株式の非公開化、あるいは、仮に当社のネットビジネス事業とITサービス事業の分割がなされた場合、帝人グループ向け開発・運用保守サービスの提供体制の維持が困難になるリスクがあることから、当該リスクを考慮した本移行サービス契約(リバースTSA)とする必要があったところ、当社、ブラックストーン及び帝人の三社間にて協議を重ね、内容の合意に至りました。

(ⅳ)当社の役職員に発行している本新株予約権について、当社の本新株予約権は付与対象者が当社を退職することが権利行使条件となっており、退職金制度に類似した設計となっているところ、本取引の実施によって当社の役職員の退職を促してしまうリスクについては、当社とブラックストーンとの間で協議を重ね、ブラックストーンより、当社が発行している本新株予約権と経済的に同等以上の新株予約権を新たに発行することを検討している旨の回答を得られたため、当該リスクは軽減できるものと考えております。

なお、株式の非公開化によるデメリットとして、上記のブラックストーンとの間で協議を行った各事項のほか、一般論としては、取引先に対する信用が悪化することが想定されるものの、ブラックストーンとしては、当社は事業活動を通じて取引先からの信用を維持・獲得してきたことから、当社の取引先との関係における当社株式の非公開化による影響は限定的であると考えているとのことであり、当社としても同様に考えております。

また、以下の点を踏まえて、当社取締役会は、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当なものであり、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的な株式売却の機会を提供するものであると判断いたしました。

(a) 本公開買付価格は、本第二次入札プロセスにおいて各候補者から提示された価格のうち最も高い価格であり、また、公開買付者が、本第二次入札プロセスの競争状況等を総合的に勘案した結果、ブラックストーンが2024年5月17日付で、帝人に対して提出した意向表明書(以下「本第二次意向表明書」といいます。)において当初提示した価格から更なる引上げが行われた金額であること

(b) 本公開買付価格は、BAPによる株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(BAP)」といいます。)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法のレンジの上限を上回るものであり、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」又は「DCF方式」といいます。)による算定結果のレンジの中央値を超えるものであること

(c) 本公開買付価格は、PwCアドバイザリー合同会社(以下「PwC」といいます。)による株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(PwC)」といいます。)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価基準方式及びDCF方式のレンジの上限を上回るものであること

(d) Mergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,185円に対して177.35%、また、2024年3月8日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,257円に対して168.50%、2024年3月8日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,374円に対して155.27%、2024年3月8日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,497円に対して142.69%のプレミアムを加えたものであり、近時の同様の事案(経済産業省による「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、2024年6月14日までに成立した事例のうち、日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例91件におけるプレミアムの水準の平均値は、公表日前営業日の終値に対して49.94%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して52.67%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して54.99%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して56.57%)と比較して相当程度プレミアムが付された価格であること

(e) 下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められること

 

以上より、当社は、2024年6月18日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した取締役(当該取締役会を欠席した森山直彦氏を除く取締役合計7名のうち、竹原教博氏、黒田淳氏及び久保井基隆氏を除く4名)の全員一致で、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議しました。また、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権を本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権者の皆様に委ねることを決議しました。なお、上記取締役会決議に至る意思決定過程の詳細は、下記「3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑥当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(但し、本不応募合意株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することができなかったことから、本意見表明プレスリリースに記載のとおり、当社は、当社の株主を公開買付者及び帝人のみとするために、下記「2.本株式併合の割合」に記載のとおり、本株式併合を実施することとし、本臨時株主総会に付議することといたしました。

なお、本株式併合により、公開買付者及び帝人以外の株主の皆様の所有する株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。

 

2.本株式併合の割合

当社株式について、6,352,000株を1株に併合いたします

 

3.1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法

① 会社法第 235 条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由

上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及び帝人以外の株主の皆様が保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。

本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を株主の皆様に対して、その端数に応じて交付します。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者及び帝人のみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、及び当社株式が2024年10月16日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いことに鑑み、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却することを予定しております。

この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合は、本株式併合の効力発生日の前日である2024年10月17日の当社の最終の株主名簿において株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である6,060円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。

 

② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称

ビー・エックス・ジェイ・シー・ツー・ホールディング株式会社

 

③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払いのための資金を確保する方法及び当該方法の相当性

公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を、公開買付者親会社からの資金の提供(以下「本親会社出資」といいます。)を受けることにより賄うことを予定しているとのことであり、当社は、公開買付者が2024年6月19日に提出した本公開買付けに係る公開買付届出書(公開買付者が2024年6月25日、同年7月2日及び同年7月17日に提出した公開買付届出書の訂正届出書により訂正された事項を含みます。)及び同書の添付書類である本親会社出資に係る出資証明書を確認することにより公開買付者の資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また、今後発生する可能性も認識していないとのことです。

以上により、当社は、公開買付者による1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。

 

④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み

当社は、2024年10月下旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却し、公開買付者において当該当社株式を買い取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は当該裁判所の許可を得て、2024年11月上旬を目途に公開買付者において買い取りを行う方法により、当該当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行ったうえで、2024年12月中旬から1月上旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。

 

(2)当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項

本株式併合においては、株主の皆様が保有する当社株式の数に、本公開買付価格と同額である6,060円を乗じた金額に相当する金額を、株主の皆様に交付することを予定しております。

また、当社は、以下の点を踏まえて、本公開買付価格である6,060円は、当社の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断いたしました。

(a) 本公開買付価格は、本第二次入札プロセスにおいて各候補者から提示された価格のうち最も高い価格であり、また、公開買付者が、本第二次入札プロセスの競争状況等を総合的に勘案した結果、公開買付者が本第二次意向表明書において当初提示した価格から更なる引上げが行われた金額であること

(b) 本公開買付価格は、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、本株式価値算定書(BAP)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価平均法のレンジの上限を上回るものであり、DCF法による算定結果のレンジの中央値を超えるものであること

(c) 本公開買付価格は、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、PwCによる本株式価値算定書(PwC)における当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価基準方式及びDCF方式のレンジの上限を上回るものであること

(d) Mergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,185円に対して177.35%、また、2024年3月8日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,257円に対して168.50%、2024年3月8日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値2,374円に対して155.27%、2024年3月8日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値2,497円に対して142.69%のプレミアムを加えたものであり、近時の同様の事案(経済産業省による「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、2024年6月14日までに成立した事例のうち、日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例91件におけるプレミアムの水準の平均値は、公表日前営業日の終値に対して49.94%、公表日前1ヶ月間の終値単純平均値に対して52.67%、公表日前3ヶ月間の終値単純平均値に対して54.99%、公表日前6ヶ月間の終値単純平均値に対して56.57%)と比較して相当程度プレミアムが付された価格であること

(e) 下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が採られており、当社の少数株主の利益への配慮がなされていると認められること

 

また、当社は本公開買付けに賛同し、株主の皆様に対して応募することを推奨する旨の意見を表明した後、本書提出日に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。

以上のことから、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当と判断しております。

 

(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

本株式併合は、本公開買付け後のいわゆる二段階買収の二段階目の手続として行われるものであるところ、公開買付者が当社の親会社である帝人との間で(ⅰ)本不応募合意株式を本公開買付けに応募しないこと、及び、本株式併合の効力発生後に本自己株式取得に応じて本不応募合意株式を売却することに合意し、2024年6月18日付で取引基本契約を締結していること、(ⅱ)当社の株主を公開買付者と帝人のみとする当社株式の非公開化を公開買付者が企図していること、(ⅲ)当社において本不応募合意株式を取得する本自己株式取得を実施することを踏まえ、本公開買付けの公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、また利益相反の疑いを回避する観点から、以下の措置を実施いたしました。

なお、公開買付者は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社の親会社である帝人が当社株式31,760,000株(所有割合:57.65%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・ マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定していないとのことですが、以下の措置が講じられていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。

また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

①入札手続の実施

上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、帝人の説明によれば、帝人は、2024年2月下旬より、野村證券を通じて、複数の候補者に対して本入札プロセスへの参加を打診した上で、ブラックストーンを含む複数の候補者を対象とする本第一次入札プロセスを開始し、2024年3月下旬に、ブラックストーンを含む複数の候補者から意向表明書を受領したことから、その内容について慎重に検討を行い、本第二次入札プロセスへの参加を打診する複数の候補者を選定したとのことです。その後、帝人は、2024年3月下旬より、本第二次入札プロセスを開始し、複数の候補者による当社のデュー・ディリジェンスを経て、2024年5月下旬に、複数の候補者から最終提案書を受領し、複数の候補者と提案内容に関する協議を実施したとのことです。その後、提案内容及び協議の内容を総合的に検討した結果、ブラックストーンが最適な売却先であるとの結論に至ったとのことです。なお、公開買付価格について、ブラックストーンが提示した条件と比べて、当社の株主の皆様にとってより有利な条件を提示する候補者は存在しなかったとのことです。

 

②公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)当社株式

公開買付者は、本公開買付価格を決定するに際して、当社が開示している財務情報等の資料、当社に対して2024年4月1日から同年5月17日にかけて実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社の事業財務及び法務の状況等、本公開買付価格に関する当社及び帝人との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2024年6月18日、本公開買付価格を6,060円と決定したとのことです。

本公開買付価格である6,060円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2024年6月17日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値5,740円に対して5.57%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,903円に対して23.60%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値3,557円に対して70.37%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,993円に対して102.47%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。

本公開買付価格である6,060円は、帝人による当社株式の売却に関するMergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,185円に対して177.35%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,257円に対して168.50%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,374円に対して155.27%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,497円に対して142.69%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。

また、本公開買付価格である6,060円は、帝人による当社株式の売却に関するBloombergによる憶測報道(2024年5月9日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年5月9日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,981円に対して103.29%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値2,765円に対して119.17%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,610円に対して132.18%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,521円に対して140.38%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。

なお、公開買付者は、当社による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けの成立の見通し等、上記の諸要素を総合的に勘案しつつ、当社及び帝人との協議・交渉を経て本公開買付価格を決定したため、第三者算定機関からの株式価値算定書は取得していないとのことです。

 

(ⅱ)本新株予約権

本新株予約権は、いずれもストックオプションとして、当社の取締役及び執行役員に対して付与されたものであり、権利行使の条件のひとつとして、当社、当社の子会社及び当社の関連会社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から5年(2013年度新株予約権~2018年度新株予約権)、又は10年(2019年度新株予約権~2020年度新株予約権)を経過する日までの間に限り権利行使することができるとされているため、公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないことから、公開買付者は、2024年6月18日、本新株予約権買付価格を1円と決定したとのことです。

なお、公開買付者は、本新株予約権買付価格の決定に際し、第三者算定機関からの算定書等を取得していないとのことです。

 

③当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)第三者算定機関名称並びに当社及び公開買付者との関係

ア BAPからの株式価値算定書の取得

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る当社の意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付関係者等から独立した当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるBAPに対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、BAPより、2024年6月17日付で本株式価値算定書(BAP)を取得しております。なお、BAPは、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、BAPの報酬は、本取引の公表等を条件に支払われる成功報酬が一部含まれておりますが、意見表明の内容及び本取引の成否に対する成功報酬ではなく、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、当該報酬が含まれていることをもってBAPが本取引の成否に関して少数株主と異なる重要な利害関係を有するものとは認められず、独立性が否定されるわけではないと判断しております。また、本特別委員会は、BAPの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。

なお、当社は、当社及び公開買付者が本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的には、「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」記載の措置)を実施し、当社の少数株主の利益に対する十分な配慮がなされていると考えていることから、BAPから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

イ PwCからの株式価値算定書の取得

当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る当社の意思決定の過程における公正性の担保につき、より一層の慎重を期するために、公開買付関係者等から独立した第三者算定機関であるPwCに対して、当社の株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、PwCより、2024年6月17日付で本株式価値算定書(PwC)を取得しております。なお、PwCは、当社、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、当社、公開買付関係者等との間で重要な利害関係を有しておりません。また、PwCの報酬には、本取引の公表等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、PwCの独立性及び専門性に問題がないことから、当社の第三者算定機関として承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。

なお、当社は、当社及び公開買付者が本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的には、「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」記載の措置)を実施し、当社の少数株主の利益に対する十分な配慮がなされていると考えていることから、PwCから本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

 

(ⅱ)算定の概要

ア BAPによる算定の概要

BAPは、当社の株式価値の算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣より、当社の事業の現状及び将来の見通し等の情報について説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社の株式価値の算定を行いました。BAPは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価平均法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映させるためDCF法をそれぞれ算定方法として採用し、当社の株式価値を算定いたしました。

上記各手法に基づきBAPにより算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価平均法 2,185円 ~ 2,497円

DCF法      4,943円 ~ 6,200円

 

市場株価平均法においては、評価基準日をMergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株式の市場株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の評価基準日の終値2,185円、評価基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値2,257円、評価基準日までの3ヶ月間の終値単純平均値2,374円、評価基準日までの6ヶ月間の終値単純平均値2,497円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,185円から2,497円までと算定しております。なお、市場株価平均法の採用に際しては、複数の期間における終値単純平均値を参照することにより短期的な株価変動を平準化し、当社株式の株式価値を算定しております。

DCF法では、当社グループの事業を、ネットビジネス事業とITサービス事業に分類して事業価値算定を行うサム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しております。当社が作成した2025年3月期から2030年3月期までの事業計画(帝人は作成に関与しておりません。以下同じです。)に基づく財務予測及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の収益予想に基づき、2025年3月期以降に当社のネットビジネス事業及びITサービス事業がそれぞれ生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,943円から6,200円までと算定しております。割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、ネットビジネス事業は5.3%から6.3%、ITサービス事業は5.8%から6.8%を採用しております。継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用し、永久成長率法では永久成長率をネットビジネス事業は0.0%から0.5%、ITサービス事業は▲0.25%から0.25%としております。

BAPがDCF法の算定の前提とした当該事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではありませんが、各財務予測数値について各々の前事業年度と比較して大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、ITサービス事業において、2026年3月期及び2028年3月期に、ヘルスケア分野では既存の大病院顧客・データ基盤という強みを生かし大病院向けの更なるソリューション展開、データを活用した製薬業界への展開に伴い、また、サービスビジネス分野ではクラウド型ERPサービスの拡販加速に伴い、2026年3月期は営業利益37億円(対前年度比で約48%の増益)、2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは28億円(対前年度比で約68%の増加)、2028年3月期のフリー・キャッシュ・フローは42億円(対前年度比で約45%の増加)、と大幅な増益となることを見込んでおります。なお、ネットビジネス事業及びITサービス事業の事業間におけるシナジー効果は、それぞれの財務予測数値に含まれているものと判断しております。

 

 

ネットビジネス事業(億円)

 

2025年

3月期

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

売上高

622

716

807

900

1,016

1,105

営業利益

85

88

97

107

134

166

EBITDA

87

91

100

109

136

168

フリー・キャッシュ・

フロー

60

65

71

78

97

118

 

 

ITサービス事業(億円)

 

2025年

3月期

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

売上高

289

319

340

362

392

422

営業利益

25

37

46

55

63

73

EBITDA

39

52

61

70

79

89

フリー・キャッシュ・

フロー

17

28

29

42

47

46

 

 

なお、本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権買付価格に関しては、当社は、BAPから算定書及びその公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

(注)BAPは、当社の株式価値算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、かつ、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でBAPに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて当社の財務予測(事業計画及びその他の情報を含みます。)に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予想と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。BAPによる当社の株式価値算定は、2024年6月17日までの上記情報を反映しております。

 

イ PwCによる算定の概要

PwCは、当社の株式価値の算定にあたり必要となる情報を収集・検討するため、当社の経営陣より、当社の事業の現状及び将来の見通し等について説明を受け、それらの情報を踏まえて、当社の株式価値の算定を行いました。PwCは、本公開買付けにおける算定手法を検討した結果、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準方式を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映させるためDCF方式をそれぞれ算定方法として採用し、当社の株式価値を算定いたしました。

上記各手法に基づきPwCにより算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりです。

 

市場株価基準方式① 2,185円 ~ 2,526円

市場株価基準方式② 2,993円 ~ 5,740円

DCF方式       4,856円 ~ 5,708円

 

市場株価基準方式①においては、算定基準日をMergermarketによる憶測報道等により、当社株式の市場株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定基準日終値2,185円、並びに算定基準日までの1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値(1ヶ月間:2,257円、3ヶ月間:2,374円、6ヶ月間:2,497円(小数点以下四捨五入。本「イ PwCによる算定の概要」における終値単純平均値、出来高加重平均値の計算について同じです。))及び出来高加重平均値(1ヶ月間:2,256円、3ヶ月間:2,366円、6ヶ月間:2,526円)を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,185円から2,526円までと算定しております。また、市場株価基準方式②においては、算定基準日を本公開買付けの公表日の前営業日である2024年6月17日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の算定基準日終値5,740円、並びに算定基準日までの1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値(1ヶ月間:4,903円、3ヶ月間:3,557円、6ヶ月間:2,993円)及び出来高加重平均値(1ヶ月間:5,002円、3ヶ月間:4,296円、6ヶ月間:3,763円)を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,993円から5,740円までと算定しております。

DCF方式では、当社グループの事業を、ネットビジネス事業とITサービス事業に分類して事業価値算定を行うサム・オブ・ザ・パーツ分析を実施しております。当社が作成した2025年3月期から2030年3月期までの事業計画に基づく財務予測及び一般に公開された情報等の諸要素を考慮した当社の収益予想に基づき、当社が2025年3月期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の事業価値や株式価値を計算し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,856円から5,708円までと算定しております。割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、ネットビジネス事業では、6.7%から7.7%、ITサービス事業では6.9%から7.9%をそれぞれ採用しております。継続価値の算定にあたっては、永久成長率法を採用し、永久成長率法では永久成長率を1.5%としております。

 

PwCがDCF方式の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではありませんが、各財務予測数値について各々の前事業年度と比較して大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、ITサービス事業において、2026年3月期及び2028年3月期に、ヘルスケア分野では既存の大病院顧客・データ基盤という強みを生かし大病院向けの更なるソリューション展開、データを活用した製薬業界への展開に伴い、また、サービスビジネス分野ではクラウド型ERPサービスの拡販加速に伴い、2026年3月期は営業利益37億円(対前年度比で約48%の増益)、2026年3月期のフリー・キャッシュ・フローは28億円(対前年度比で約68%の増加)、2028年3月期のフリー・キャッシュ・フローは42億円(対前年度比で約45%の増加)、と大幅な増益となることを見込んでおります。なお、ネットビジネス事業及びITサービス事業の事業間におけるシナジー効果は、それぞれの財務予測数値に含まれているものと判断しております。

 

ネットビジネス事業(億円)

 

2025年

3月期

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

売上高

622

716

807

900

1,016

1,105

営業利益

85

88

97

107

134

166

EBITDA

87

91

100

109

136

168

フリー・キャッシュ・

フロー

55

63

70

77

98

121

 

 

ITサービス事業(億円)

 

2025年

3月期

2026年

3月期

2027年

3月期

2028年

3月期

2029年

3月期

2030年

3月期

売上高

289

319

340

362

392

422

営業利益

25

37

46

55

63

73

EBITDA

39

52

63

73

81

91

フリー・キャッシュ・

フロー

16

28

29

42

46

53

 

 

なお、本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権の買付価格に関しては、当社は、PwCから算定書及びその公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

(注)PwCは、当社の株式価値算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであること、かつ、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でPwCに対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。加えて当社の財務予測(事業計画及びその他の情報を含みます。)に関する情報については、当社の経営陣による算定時点で得られる最善の予想と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。PwCによる当社の株式価値算定は、2024年6月17日までの上記情報を反映しております。

 

④ 当社における独立した法律事務所からの助言

当社は、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するために、公開買付関係者等から独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けております。なお、TMI総合法律事務所は、公開買付関係者等の関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有しておらず、TMI総合法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会は、TMI総合法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことから、当社のリーガル・アドバイザーとして承認した上で、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認しております。

 

⑤ 当社における独立した特別委員会の設置及び答申書の取得

ア 設置等の経緯

当社は、2024年1月中旬に、帝人から、本入札プロセスを開始した旨の伝達を受けました。

その後、当社は、本候補者から当社株式の非公開化を含む提案を受領することが想定されることから、企業買収行動指針を踏まえ、検討プロセスの公正さと透明性を確保しつつ、真摯な検討を行う観点より、(ⅰ)当社株式の非公開化提案だけでなく、(ⅱ)本企業価値向上策及び(ⅲ)自社株TOBスキームについて検討すべきであると判断し、2024年2月28日開催の取締役会における決議により、藤田一彦氏(当社社外取締役)、津田和彦氏(当社社外取締役)及び森川紀代氏(当社社外監査役)の3名(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)から構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、(a)(ⅰ)非公開化提案、(ⅱ)本企業価値向上策及び(ⅲ)自社株TOBスキームについて、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から比較検討を行い、いずれが望ましいかについて取締役会に提言又は勧告を行うこと(以下「本諮問事項①」といいます。)、(b)(a)において、非公開化提案が最も望ましいという判断になった場合には、非公開化提案について、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかの観点から検討し、当社の取締役会において非公開化提案を承認するべきか否かについて、取締役会に提言又は勧告を行うこと(①非公開化提案の目的の合理性、②非公開化提案の取引条件の妥当性、③非公開化提案の手続の公正性、④上記①乃至③その他の事項を踏まえ、当社取締役会が非公開化提案の実施を決定することが少数株主に不利益か否かを含む。)(以下「本諮問事項②」といいます。)、(c)(a)において、自社株TOBスキームが最も望ましいという判断になった場合には、自社株TOBスキームについて、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかの観点から検討し、当社の取締役会において自社株TOBスキームを承認するべきか否かについて、取締役会に提言又は勧告を行うこと(種類株式発行の必要性、種類株式発行の相当性、帝人との応募契約の締結を含む、自己株式取得の決定が少数株主にとって不利益でないことを含む。)(本諮問事項①及び本諮問事項②と総称して、以下「本諮問事項」といいます。)について諮問しました。なお、本特別委員会の各委員は、公開買付関係者等のいずれの関連当事者にも該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。

当社取締役会は、本特別委員会の設置に当たり、本特別委員会を当社取締役会から独立した合議体として位置付け、①当社取締役会は、(ⅰ)非公開化提案、(ⅱ)本企業価値向上策及び(ⅲ)自社株TOBスキームについての決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重すること、②当社は、本候補者及び帝人等の関係者と当該(ⅰ)乃至(ⅲ)の取引条件について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けることを決議しております。

なお、本特別委員会の委員の報酬は、答申内容にかかわらず支給される固定金額の報酬のみとしており、本取引の成立等を条件とする成功報酬は採用しておりません。

 

イ 検討の経緯

本特別委員会は、2024年3月6日から2024年6月14日までの間に合計26回にわたって開催され、特別委員会の各開催日間においても電子メール等を通じて審議・意思決定等を行う等して、本諮問事項に関して、慎重に協議及び検討を行いました。

その上で、本特別委員会は、当社のリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から、その独立性及び専門性に鑑み、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けています。

また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザーであるBAPの独立性及び専門性に鑑み、当社の依頼により、当社のファイナンシャル・アドバイザーである同社から説明を受け、公開買付者との交渉方針等について審議・検討しました。

さらに、本特別委員会は、非公開化提案、本企業価値向上策及び自社株TOBスキームのそれぞれの意義及びメリット、当社事業への影響等を検討するために、当社、ブラックストーンを含む本入札プロセスに参加した候補者及び帝人に対してヒアリングを行い、質疑応答を行いました。

また、本特別委員会は、当社から、当社と公開買付者及び帝人との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、公開買付者との交渉過程に実質的に関与いたしました。

 

ウ 判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に検討・協議を重ねた結果、2024年6月17日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の答申書(以下「本答申書」といいます。)を提出しております。

 

Ⅰ 本特別委員会の意見

1.本諮問事項①

非公開化提案、本企業価値向上策及び自社株TOBスキームの比較検討を行った結果、本取引を実施することが、当社にとって最も望ましく、かつ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上に資する。

2.本諮問事項②

(1)本取引の目的は合理的である。

(2)本取引の取引条件は妥当である。

(3)本取引に係る手続は公正である。

(4)本諮問事項①に対する答申、上記(1)乃至(3)その他の事項を踏まえ、当社取締役会が本取引の実施を決定することは、当社の少数株主にとって不利益であるとはいえない。

 

Ⅱ 意見の理由

1.本取引の目的の合理性

(1)本取引の目的の概要

本特別委員会は、上記「1.本株式併合の目的」に記載の本取引の目的及び本取引により向上することが見込まれる当社の企業価値の具体的内容等について、当社、公開買付者及びブラックストーンに対してヒアリングを行った。

 

(2)事業分割による影響

当社は、当社がこれまでネットビジネス事業とITサービス事業を一体で経営することにより、「B to C」のノウハウやIT人財の活用、AIを活用したマーケティング、事業拡大のためのインフラの構築並びに優秀な人財の確保及び交流等の両事業間でのシナジーを活かして企業価値を向上させてきたことから、本取引の実施後に両事業が分割される場合、両事業間のシナジーが失われ、当社の企業価値が毀損することを懸念している。

この点に関して、公開買付者親会社及び当社は、両者の協議・交渉の結果、公開買付者親会社が、原則として、本取引の完了後2年間は、ネットビジネス事業又はITサービス事業が当社グループ(公開買付者を含む。)から分離することとなる会社再編行為(合併、会社分割、事業譲渡及び株式譲渡を含むが、これらに限られない。以下「分割行為」という。)を行わない義務を負う旨を含む事業分割の禁止等に関する合意書を締結する予定である。

また、当社が帝人に対して提供しているITサービスに関して当社、公開買付者及び帝人の三社間で締結予定の本移行サービス契約(リバースTSA)においても、三者の協議・交渉の結果、公開買付者は、原則として、本取引の完了後2年間は、分割行為を行わないことに合意しており、かつ、公開買付者は、公開買付届出書においても、分割行為を行わない旨を表明する予定である。

以上より、本取引の実施によって、直ちに当社の事業に影響を及ぼす事業分割がなされる具体的な懸念があるわけではない。

 

(3)当社株式の非公開化による影響

本取引は当社株式の非公開化を前提とするものであるところ、当社株式の非公開化がなされた場合、以下の点を含め、当社の企業価値に対する影響が生じないかという点についても検討を行った。

・ 当社は、サービスカンパニー、価値共創を中期ビジョンとして掲げており、リアルビジネスを営む事業者との共創及び新規ビジネスを生み出すための他事業者との共創を強く推し進めており、その基盤となる優秀な人財の確保が必須であるところ、当社株式を非公開化した場合、優秀な人財の確保、協業パートナー探索や事業推進に影響を及ぼす可能性はないか。

・ ITサービス・ソフトウェア企業である当社にとって有能な人財の採用・リテンションは経営の根幹であり、現在は上場企業かつ業績好調の企業であることにより人財の採用・リテンション戦略が奏功している状況である。今回の当社株式の非公開化によって、人財の採用・リテンションに影響を及ぼす可能性はないか。

・ 一般論として、事業運営の透明性が上場企業に比して損なわれることにより既存取引先との関係性に影響を及ぼす可能性はないか。

 

この点について、公開買付者は、本取引の実施後も、現在の当社従業員が継続して従事することを想定し、日常の事業運営の体制について特段変更は予定していない。公開買付者は、当社の人財確保(流出防止、新規採用)について、ブラックストーンの実績・ノウハウを活用し、十分に手当てすることが可能と考えており、当社グループの人財のリテンション及びモチベーション維持のための施策の実施を予定している。

また、優秀な人財の取り合いになっているITサービス業界において安定的にエンジニアリソースを確保するために、協業先となるシステムエンジニアリングサービスの開拓、ストックオプションを活用したプロジェクトマネージャー級の人財の採用強化、オフショアリングの活用などが期待される。

さらに、当社の取引先との関係においても、取引先に対し丁寧に説明することにより、当社株式の非公開化による取引先との関係性への影響を最小限にすることができるとのことであり、公開買付者からの丁寧な説明により、当該影響を最小限に抑えることも期待することができる。

加えて、ブラックストーンは、当社への投資期間終了後におけるExitの手法としては、当社の再上場を想定しているとのことであり、非公開化への懸念についても一定程度配慮されている。

以上より、本取引による当社株式の非公開化によって、当社の事業に重大な悪影響が生じるとはいえない。

 

(4)LBOローンによる財務負担

ブラックストーンは、本取引に必要な資金について、エクイティ出資及び借入れによって調達する予定であり、エクイティによる拠出で約1,550億円、借入れによる拠出で約800億円に加え、当社の保有現預金約400億円を利用する想定であった。

当該想定に従うと、定期的な返済又は手元流動性に関して検討する必要があり、当社は、帝人に対して、本自己株式取得価格の引下げを打診したものの、応じられない旨の回答を受領した。

また、当社の資金計画も踏まえて、当社とブラックストーンとの間で協議を行ったところ、①800億円の借入金については、ブラックストーンより、財務健全性が担保されている水準であること及び資本効率最適化の観点から、変更せずとも問題のない水準である旨の回答を受けた。一方で、②手元流動性に関して、必要な手許現金を確保することに加え、機動的な資金ニーズに応えるためにコミットメントラインを増枠できる見込みである旨の回答を受けた。

上記結果をもとに、当社において改めて検討を重ねる中で、当社の資金計画の確認を行うとともに、エクイティによる拠出と借入れによる拠出の比率自体は適正なものであり、かつ、更なる資金需要が生じた場合にはブラックストーンによる追加出資が期待できるとのことである旨の事情も踏まえて、本取引の実施による財務負担が、当社の事業に重大な悪影響が生じるとはいえないと考えるに至った。

 

(5)小括

以上の(1)乃至(4)を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであると認められ、本取引の目的は合理的であると判断するに至った。

 

2.本取引の取引条件の妥当性

(1)価格の妥当性

ア 本公開買付価格

以下の点から、本公開買付価格は妥当であると考えられる。

・ 本公開買付価格は、透明性や公正性に疑義がない本入札プロセスにおいて提示された最も高い価格である。

・ 当社が、公開買付関係者等から独立した第三者算定機関であるBAPから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価平均法によると2,185円から2,497円、DCF法によると4,943円から6,200円とされているところ、本公開買付価格は、市場株価平均法による算定結果の上限値を上回るとともに、DCF法による算定結果の中央値を超える金額である。

そして、本特別委員会は、株式価値評価に用いられた算定方法等について、BAPから、評価手法の選択、割引率の算定根拠等について説明を受けるとともに、質疑応答を行った上で検討した結果、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。

また、本特別委員会は、BAPのDCF法による算定の基礎となる当社の事業計画についても、その作成方法・作成過程(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容(事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含む。)について確認し、その合理性を承認した。

・ また、当社が、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に係る当社の意思決定の過程における公正性の担保につき、より一層の慎重を期するために、公開買付関係者等から独立した第三者算定機関であるPwCから取得した株式価値算定書によれば、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価基準方式①によると2,185円から2,526円、市場株価基準方式②によると2,993円から5,740円、DCF方式によると4,856円から5,708円とされているところ、公開買付者による本公開買付価格は、市場株価基準方式①及び市場株価基準方式②並びにDCF方式による算定結果の上限値を上回る金額である。

そして、本特別委員会は、PwCから株式価値評価に用いられた算定方法等について、一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。

また、本特別委員会は、PwCのDCF方式による算定の基礎となる当社の事業計画についても、その作成方法・作成過程(本取引と利害関係を有する者が事業計画の作成に関与していないことを含む。)及び内容(事業計画が過度に保守的な見積もりに基づくものとなっていないことを含む。)について確認し、その合理性を承認した。

・ 加えて、本公開買付価格(6,060円)は、帝人による当社株式の売却に関するMergermarketによる憶測報道(2024年3月8日の立会時間終了後)により、当社株価が影響を受けていないと考えられる2024年3月8日の当社株式の東京証券取引所プライム市場における終値2,185円に対して177.35%(小数点以下第三位を四捨五入)のプレミアムを加えた金額であって、本公開買付価格には近時の同様の事案(経済産業省による「公正なM&Aの在り方に関する指針‐企業価値の向上と株主利益の確保に向けて‐」の公表日である2019年6月28日以降に公表され、2024年6月14日までに成立した事例のうち、日本国内の上場企業の非公開化を目的とした他の公開買付けの事例91件におけるプレミアムの水準の平均値は、公表日前営業日の終値に対して49.9%、公表日前1ヶ月間の終値平均値に対して52.7%、公表日前3ヶ月間の終値平均値に対して55.0%、公表日前6ヶ月間の終値平均値に対して56.6%)と比較して相当程度のプレミアムが付されていると考えられる。

・ さらに、本公開買付価格(6,060円)は、当社の上場以降評価基準日までの当社株式の最高値である4,455円を上回る金額である。

イ 本新株予約権買付価格

本新株予約権は、いずれもストックオプションとして、当社の取締役及び執行役員に対して付与されたものであり、権利行使の条件として、当社、当社の子会社及び当社の関連会社の取締役及び執行役員のいずれの地位をも喪失した日の翌日から5年(2013年度新株予約権~2018年度新株予約権)、又は10年(2019年度新株予約権~2020年度新株予約権)を経過する日までの間に限り権利行使することができるとされているため、公開買付者が本新株予約権を取得したとしてもこれらを行使することができないと解されることから、本新株予約権買付価格をいずれも1円とすることには、合理性が認められる。

 

(2)本公開買付け後の手続において交付される対価

公開買付者は、本公開買付けにより公開買付者が当社株式(但し、本譲渡制限付株式及び本新株予約権の行使により交付される当社株式を含むが、当社が所有する自己株式及び帝人が所有する当社株式を除く。)及び本新株予約権の全てを取得することができなかった場合には、本スクイーズアウト手続を行うことを予定しており、本公開買付けに応募しなかった少数株主は、本スクイーズアウト手続において、最終的に金銭が交付されることになる。本スクイーズアウト手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定であり、かつ、その旨が、本公開買付けに関するプレスリリース等で明示される予定である。

なお、本スクイーズアウト手続の完了後、本自己株式取得を実施することを予定しているところ、本自己株式取得の取得価格について、帝人において、法人税法に定めるみなし配当の益金不算入規定が適用されることが見込まれることを考慮して、帝人が本公開買付けに応募した場合の税引後手取り額と本自己株式取得に応じた場合に得られる税引後手取り額がほぼ同等となる金額を設定する予定であり、かつ、その旨が、本公開買付けに関するプレスリリース等で明示される予定である。

以上のような条件設定によれば、帝人が実質的にも当社の少数株主と同等の利益を本取引によって得る予定である(すなわち、帝人のみが当社の少数株主と比べて相対的に大きい利益を本取引によって享受することはない)ことを意味するから、本取引の全体を通じて、当社の少数株主の利益確保を目指した合理的なスキームが構築されているものと認められる。

 

(3)小括

以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本特別委員会として、本公開買付価格を含む本取引の取引条件は妥当であると判断するに至った。

 

3.本取引の手続の公正性

(1)本入札プロセスの実施

本取引は、本入札プロセスにおいて帝人が本入札プロセスに参加した候補者(以下「本件候補者」という。)から非公開化提案を受領後、複数の本件候補者との間で提案内容に関する協議を行った上で、帝人が提案内容及び協議内容を総合的に検討した結果選定された公開買付者により実施されるものである。また、本入札プロセスにおいて、公開買付者が提示した条件と比較して当社の少数株主にとってより有利な条件を提示する候補者は存在しなかったことも踏まえると、本入札プロセスに関して透明性や公正性を疑わせるような事情を見いだすことはできない。

以上を踏まえると、マーケット・チェックが適切に機能していると評価できる。

 

(2)特別委員会の設置

当社は、帝人から、本入札プロセスを開始した旨の伝達を受けてから速やかに本特別委員会を設置した。また、本特別委員会に対してアドバイザー等の選任権限が付与された上で、当社において、本特別委員会の答申内容について最大限尊重する旨が決議されており、加えて、本特別委員会の独立性、専門性・属性などの構成、アドバイザー及び社内の検討体制についても特段の問題は認められない。

 

(3)当社による検討方法

当社が本取引等について検討するにあたっては、公開買付関係者等から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるBAP並びにリーガル・アドバイザーであるTMI総合法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社の企業価値の向上ひいては株主共同の利益の観点から、本取引等の取引条件の妥当性及び本取引等の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。

本特別委員会は、TMI総合法律事務所及びBAPの独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社のリーガル・アドバイザー並びにファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認している。また、本特別委員会としても、必要に応じてTMI総合法律事務所及びBAPから専門的助言を受けることができることを確認し、現に助言・意見等を得ている。

 

(4)当社における独立した検討体制の構築

当社は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付関係者等から独立した立場で、本取引等に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築している。

 

(5)本取引等の交渉等の過程及び意思決定過程における特別利害関係人の不関与

当社の立場で本取引等を検討・交渉する取締役には、本取引等に特別な利害関係を有する者は含まれておらず、その他、本取引等に係る協議、検討及び交渉の過程で、帝人、本件候補者及びその他の本取引等に特別な利害関係を有する者が当社側に不当な影響を与えたことを推認させる事実は認められない。

なお、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、当社の役員のうち、帝人の常務執行役員を兼任している取締役である森山直彦氏及び帝人の監査役を兼任している監査役である中石昭夫氏は、当社取締役会における本取引等の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引等の検討、本取引等に係る公開買付者及び帝人との協議・交渉にも一切参加していない。また、当社の役員のうち、代表取締役会長である竹原教博氏、代表取締役社長CEOである黒田淳氏及び取締役CSROである久保井基隆氏は、本譲渡制限付株式に関して、譲渡制限期間中に、株式の併合(当該株式の併合により本譲渡制限付株式の割当者の有する本譲渡制限付株式が1株に満たない端数のみとなることとなる場合に限ります。)が行われる場合には、当社は、当該株式の併合の効力発生日の前営業日において、同日において譲渡制限が解除されていない本譲渡制限付株式のうち、役務提供期間に応じた数の株式を無償で取得することとする旨を含む割当契約書の変更契約(以下「本変更契約」といいます。)を締結する予定であるため、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、本変更契約を締結する可能性が生じた以降、当社取締役会における本取引等の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引等の検討、本取引等に係る公開買付者及び帝人との協議・交渉にも一切参加していない。

 

(6)本取引に関するその他の公正性担保措置の実施等

ア マジョリティ・オブ・マイノリティ条件

いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件は本公開買付け成立の条件とはされない予定である。

もっとも、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けへの応募を希望する一般株主の利益に資さない可能性があること、及び本公開買付けにおいては、適切な公正性担保措置が実施されており、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えられることからすれば、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、必要な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではない。

イ 公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

公開買付者は、公開買付期間を、法令において定められた最短期間(20営業日)よりも長期である30営業日に設定する予定であることから、当社の株主及び本新株予約権者に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式及び本新株予約権について公開買付者以外の者(以下「対抗的買収提案者」という。)にも対抗的な買付け等を行う機会が確保されているものと考えている。

また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社と接触することを制限するような内容の合意は一切行っていない。このように、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮している。

 

(7)小括

以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引において適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に係る手続は公正であると判断するに至った。

 

4.比較検討

(1)非公開化提案

本入札プロセスにおいて、帝人は、公開買付者最終提案以外の非公開化提案を二案受領しているところ、以下の理由から、非公開化提案のうち公開買付者最終提案が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から最も望ましいといえる。

・ そもそも、本入札プロセスにおいて、帝人は公開買付者を最終候補者に選定したことから、公開買付者最終提案以外の非公開化提案は当社の親会社である帝人が賛同するものではなく、実現可能性がないこと。

・ 非公開化提案の中に、公開買付者最終提案において提示された当社株式の公開買付価格を超える金額を提示したものは存在しなかったこと。

・ 公開買付者最終提案以外の非公開化提案のうちの一案は、当社株式の非公開化後に当社のネットビジネス事業及びITサービス事業を分割することを前提とするものは、上記「1.本取引の目的の合理性」の「(2)事業分割による影響」記載の懸念が払拭されないものであったこと。

・ 公開買付者最終提案以外の非公開化提案のうちのもう一案は、当社株式の非公開化後一定期間は当社のネットビジネス事業及びITサービス事業を分割しないとするものであったものの、公開買付者最終提案の施策の方が、当社内での検討の結果、当社の企業価値の向上のために資するものと判断されたこと。

 

(2)自社株TOBスキーム

当社は、帝人に対して自社株TOBスキームの提案を行ったが、以下の理由から、公開買付者最終提案が、自社株TOBスキームと比較して当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から望ましいといえる。

・ 帝人は、本入札プロセスにおいて、その所有する当社株式の売却価格の最大化を重視していたところ、自社株TOBスキームにおける自己株式取得価格と、公開買付者最終提案における当社株式の売却価格には大きな差があり、帝人から当社に対して、自社株TOBスキームを採用する意向はない旨を伝えられており、実現可能性がないこと。

・ 自社株TOBスキームのメリットは、当社株式の上場が維持されることにより、当社株式の非公開化による影響を受けないことにあるところ、上記「1.本取引の目的の合理性」の「(3)当社株式の非公開化による影響」に記載のとおり、本取引の実施に伴い当社株式が非公開化されることによる影響は限定的であること。

・ 上記のとおり、公開買付者最終提案の方が、価格が高く、かつ、買付予定数の上限設定がないことから、一般株主に対するより高い価格での売却機会の確保が図られていること。

 

(3)本企業価値向上策

本特別委員会は、当社株式の上場維持を前提とした自社株TOBスキームによらない本企業価値向上策においても検討を行ったが、以下の理由から、公開買付者最終提案が、本企業価値向上策と比較して当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から望ましいといえる。

・ 帝人は当社株式の売却意向を有しており、実際に、本入札プロセスにおいて公開買付者を最終候補者として選定したことからすると、帝人が本企業価値向上策を採用する意向はなく、本企業価値向上策には実現可能性がないこと。

・ 本企業価値向上策のメリットは、当社株式の上場が維持されることにより、当社株式の非公開化による影響を受けないことにあるところ、上記「1.本取引の目的の合理性」の「(3)当社株式の非公開化による影響」に記載のとおり、本取引の実施に伴い当社株式が非公開化されることによる影響は限定的であること。

・ 上記のとおり、公開買付者最終提案が、株価算定機関の株価算定のレンジの範囲内にあり、かつ、買付予定数の上限設定もないことから、一般株主に対して妥当な価格での売却機会の確保が図られていること。

 

(4)小括

以上の(1)~(3)より、非公開化提案、本企業価値向上策及び自社株TOBスキームのうち公開買付者最終提案が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上させるかという観点から最も望ましいものであり、また、本取引が、本入札プロセスにおいて公開買付者が最終候補者に選定された後に、公開買付者、帝人及び当社間で協議及び交渉を行った結果、公開買付者により決定された条件に基づくものであることを踏まえると、本取引を実施することが、当社にとって最も望ましく、かつ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し又は向上に資するといえる。

 

5.当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募推奨をすること等並びに本取引の実施を決定することが少数株主に不利益か否か

 

本特別委員会において、上記1.乃至4.その他の事項を踏まえ慎重に検討した結果、当社取締役会が、公開買付者による本取引の実施の決定(本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び本新株予約権を本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権者の皆様に委ねることの決定を含む)をすることは当社の少数株主にとって不利益ではないと判断するに至った。

 

⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

当社は、本株式価値算定書(BAP)の内容、本株式価値算定書(PwC)の内容及びTMI総合法律事務所から受けた法的助言並びに公開買付者及び帝人との間で実施した本取引に関連する協議の内容その他の関連資料を踏まえて、本特別委員会から取得した本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引の意義及び諸条件について慎重に審議及び検討を行った結果、当社は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、2024年6月18日に、当社の取締役8名のうち、審議及び決議に参加した取締役(当該取締役会を欠席した森山直彦氏を除く取締役7名のうち、竹原教博氏、黒田淳氏及び久保井基隆氏を除く4名)の全員一致で、当社の意見として、本公開買付けに賛同するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨すること、及び本新株予約権を本公開買付けに応募するか否かは本新株予約権者の皆様に委ねることを決議いたしました。

また、本新株予約権は、譲渡による取得について当社取締役会の承認を要するものとされておりますが、当社は、2024年6月18日開催の取締役会において、本新株予約権者がその所有する本新株予約権を本公開買付けに応募することにより公開買付者に対して譲渡することについて、本公開買付けの成立することを条件として包括的に承認することを決議いたしました。

なお、当社の取締役8名のうち、森山直彦氏は、帝人の取締役及び専務執行役員を兼務していたため、同社と当社の少数株主の利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、当該取締役会における本取引の検討に関する審議及び決議には一切参加しておらず、当社の立場において、本取引の検討、本取引に係る公開買付者及び帝人との協議及び交渉にも一切参加しておりません。また、当社の取締役8名のうち、竹原教博氏、黒田淳氏及び久保井基隆氏は、本変更契約を締結する予定であるため、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、本変更契約を締結する可能性が生じた以降、当社取締役会における本取引等の検討に関する議題の審議には一切参加しておらず、当社の立場において本取引等の検討、本取引等に係る公開買付者及び帝人との協議・交渉にも一切参加しておりません。

また、当社監査役4名のうち、審議及び決議に参加した当社監査役3名はいずれも異議が無い旨の意見を述べております。当社の監査役であった中石昭夫氏は、帝人の監査役を兼務していたため、利益相反の疑いを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会における本取引の検討に関する審議には参加しておらず、意見を述べることを差し控えております。

 

⑦ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である30営業日としているとのことです。公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間と比較して比較的長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式及び本新株予約権について公開買付者以外の者にも買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているとのことです。

 

4.本株式併合の効力が生ずる日

2024年10月18日(予定)

 

以 上