当社は、本日開催の取締役会において、2024年10月1日を効力発生日として、有限会社UNOクォーツの石英火加工事業を会社分割(吸収分割)により承継することを決議し、同日、吸収分割契約を締結いたしました。これに伴い、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
(1) 当該吸収分割の相手会社についての事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号 |
有限会社UNOクォーツ |
本店の所在地 |
茨城県神栖市知手中央10-6-8 |
代表者の氏名 |
代表取締役 中尾 忠男 |
資本金の額(千円) |
3,000 |
純資産の額(千円) |
10,170 |
総資産の額(千円) |
85,963 |
事業の内容 |
石英火加工 |
② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
事業年度 |
2021年11月期 |
2022年11月期 |
2023年11月期 |
売上高(千円) |
39,755 |
57,417 |
56,171 |
営業利益(千円) |
△2,012 |
802 |
2,541 |
経常利益(千円) |
△2,329 |
229 |
364 |
当期純利益(千円) |
△2,298 |
157 |
292 |
③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(2023年11月30日現在)
大株主の名称 |
発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合(%) |
中尾 忠男 |
100.0 |
④ 提出会社との資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係 |
該当事項はありません。 |
人的関係 |
該当事項はありません。 |
取引関係 |
石英パーツ部品の修繕火加工 |
(2) 当該吸収分割の目的
当社は、主に液晶ガラス基板・カラーフィルタ基板・成膜ガラス基板の加工・販売を中心とした基板事業、不動産賃貸事業及び半導体製造装置関連部品の加工・販売を主たる業務としております。
当社は、営業と技術の両面から顧客ニーズを的確に捉え、顧客ニーズに資する製品を供給するとともに、新たな市場開拓を通して受注の安定・拡大に努めております。具体的には、価格競争力の向上を図り採算性を維持しながら売上の拡大に努め、研究開発を強化し、付加価値の高い新製品の開発を積極的に進めております。
中長期的な経営戦略として、基板事業では、FPD向けガラス基板加工のコストダウンと生産性向上による価格競争力の一層の強化を図るとともに、ガラスメーカーや最終ユーザーとの連携強化による受注の拡大、保有技術を応用展開できる非FPD事業等の新規事業分野の開拓に注力いたします。
有限会社UNOクォーツ(以下、「UNOクォーツ」という)は、半導体製造装置向けの石英パーツ部品の火加工事業を行っており、当社が、2022年に半導体製造装置向け部品製造に参入した後、半導体製造装置向けの石英パーツ部品の修繕火加工をUNOクォーツへ一部委託しました。そして、今般、当社の新規参入した半導体製造装置向けの石英パーツ部品の火加工の市場が拡大傾向にあることから、事業承継も検討していたUNOクォーツから火加工事業を吸収分割により承継し、当社の事業として開始することといたしました。
石英火加工事業は、石英を加工して製品を製造する事業であります。石英は非常に硬く、耐熱性に優れているため、さまざまな産業で使用される素材で、石英火加工事業では、石英を切削、研磨、加熱などの方法で加工し、高精度の部品や製品を製造することが主な活動となります。例えば、半導体製造業界や光学機器製造業界、医療機器製造業界などで利用される部品や素材の製造に活用されています。
UNOクォーツの強みは、既に火加工に必要な設備(電気炉、大型旋盤、大型研削機、ガス貯蔵施設等)を保有しており、長年にわたり蓄積されたUNOクォーツ代表取締役の中尾忠男氏の火加工技術とあいまって、高い品質の半導体製造装置向けの石英パーツ部品を供給できることです。ただ、これまでは、火加工技術を有する人材不足により需要増に対応できませんでした。
今般、当社は、かかる人材不足を補うべく、当社の人材2名を昨年より、他の半導体製造装置向けの石英パーツ部品の火加工事業者に出向させて技術習得を進めてまいりました。これらの人材を活用し、さらに需要増に対応できる体制を取っていきます。なお、UNOクォーツ代表取締役中尾忠男氏には、当社技術顧問として、技術指導、人材育成の業務を委託する予定です。
当社が現在供給している精密部品は、石英の火加工部分を外注し、火加工の完了した石英部品を当社において、精密洗浄、寸法検査し、高い精度の製品のみを大手半導体製造装置メーカーに供給し採用されています。
今般、UNOクォーツの火加工設備及び火加工技術を当社に取り入れることにより、当社の半導体製造装置メーカー等の既存顧客、当社の養成した火加工人材そして、火加工から精密洗浄、寸法検査まで当社内における一貫した自社生産体制の実現により、石英の火加工部分を内製化し、大手半導体製造装置メーカーの指定ベンダーとなることを目指しております。本会社分割による本件事業の取得により、早期に指定ベンダーになることで、継続的取引き、継続的受注を確固たるものにして、安定した売り上げと更なる増益を目指します。
(3) 当該分割に係る割当ての内容
①吸収分割の方法
UNOクォーツを分割会社とし、当社を承継会社とする吸収分割です。なお、当社は、会社法第796条第2項に基づく簡易吸収分割の手続により、株主総会の承認を必要としない簡易吸収分割を行う予定です。
②吸収分割に係る割当ての内容
本吸収分割に際して、当社は、8千万円を吸収分割契約日前日の当社普通株式の東京証券取引所の終値(341円)で除した数(234,605株)の当社普通株式(小数点未満切り上げ。以下、「交付株式」という。)を効力発生日に有限会社UNOクォーツに交付する。
ただし、上記の交付株式数は、以下に該当する場合は、追加で株式(以下「追加交付株式」という。)を新たに発行して交付する。ただし、分割会社が効力発生日より3か月以内に交付株式を全て承継会社が上場する金融商品取引所における売買その他承継会社がこれに準じる方法により第三者に売却したと認めた場合に限る。
また、UNOクォーツは、交付株式数及び追加交付株式を売却するにあたっては、証券会社と一任取引の契約(1契約)を締結して売却を行うこととする。
なお、追加交付株式につきましては、UNOクォーツは、その主たる事業である石英火加工事業に関する債務の弁済に約8千万円が必要であるため、交付株式の株式市場での売却代金が8千万円に不足する場合は、交付株式数の2分の1(117,302株)を限度として、当社が追加交付株式を交付することを、UNOクォーツ側の要請に基づいて、本会社分割の条件としたものです。
1)UNOクォーツが、効力発生日より3か月以内に売却したすべての交付株式数の売却代金総額が、8千万円に満たない場合には、
2)8千万円に不足する金額を、最終の市場売却価格で除した株数を追加交付株式数として、当社がUNOクォーツに追加で交付する。ただし、追加交付株式数は、最大で交付株式数の2分の1を限度とする。
③その他の吸収分割契約の内容
当社がUNOクォーツとの間で2024年9月10日に締結した吸収分割契約の内容は以下のとおりです。
吸収分割契約書
有限会社UNOクォーツ(以下「分割会社」という)と株式会社倉元製作所(以下「承継会社」という)とは、分割会社の営む石英火加工事業(以下「本件事業」という)に関する権利義務の一部を分割し、承継会社に承継させる(以下「本吸収分割」という)ため、以下のとおり吸収分割契約(以下「本契約」という)を締結する。
第1条(吸収分割をする会社の商号及び住所)
本吸収分割に係る吸収分割会社たる分割会社及び吸収分割承継会社たる承継会社の商号及び住所は、以下のとおりである。
(1) 吸収分割会社
商号:有限会社UNOクォーツ
住所:茨城県神栖市知手中央10丁目6番8号
(2) 吸収分割承継会社
商号:株式会社倉元製作所
住所:宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1
第2条(承継する権利義務)
承継会社は、本件会社分割に際し、別紙「承継権利義務明細表」記載の権利義務(以下「以下本件権利義務」という)を分割会社より承継する。
第3条(分割対価及び支払方法)
1.本吸収分割に際して、承継会社は、金8千万円を吸収分割契約日前日の東京証券終値で除した数の普通株式(小数点未満切り上げ。以下、「交付株式数」という。)を効力発生日に分割会社に交付する。
2.前項の交付株式数は、以下に該当する場合は、追加で株式(以下「追加交付株式」という。)を交付する。ただし、分割会社が効力発生日より3か月以内に交付株式を全て承継会社が上場する金融商品取引所における売買その他承継会社がこれに準じる方法により第三者に売却したと認めた場合に限る。
1)分割会社が、効力発生日より3か月以内に売却したすべての交付株式数の売却代金総額が、8千万円に満たない場合は、
2)8千万円に不足する金額を、最終の市場売却価格で除した株数を追加交付株式数として、承継会社が分割会社に追加で交付する。ただし、追加交付株式数は、最大で交付株式数の2分の1を限度とする。
3.分割会社は、本条の交付株式数及び追加交付株式を売却するにあたっては、インサイダー取引を防止する観点から、証券会社と一任取引の契約(1契約)を締結して売却を行うことする。
4.吸収分割に際して増加する承継会社の資本金及び資本準備金の額は、会社計算規則第39条の規定に従い承継会社が別途適宜定める金額とする。
第4条(分割効力発生日)
本吸収分割が効力を生ずる日(以下「効力発生日」という)は、2024年10月1日とする。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを変更することができる。
第5条(機関決定)
分割会社及び承継会社は、効力発生日の前日までに、本契約及び本吸収分割に必要な事項につき、会社法第783条もしくは734条に定める株主総会もしくは取締役会の決議による承認を受ける。但し、手続き進行上の必要性その他の事由による必要な場合には、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを変更することができる。
第6条(善管注意義務)
分割会社及び承継会社は、本契約締結の日から分割効力発生日に至るまで、善良なる管理者の注意をもって、その業務執行及び財産の管理運営を行い、その財産及び権利義務に重大な影響を及ぼすような行為をなす場合には、あらかじめ分割会社承継会社協議の上、これを行う。
第7条(分割条件の変更及び本契約の解除)
本契約締結後分割効力発生日に至るまでの間において、天災地変その他の事由により、分割会社又は承継会社の財産もしくは経営状態に重大な変動が生じたときは、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、本吸収分割の条件を変更し、又は本契約を解除することができる。
第8条(引継ぎ義務)
分割会社は、効力発生日後、承継会社が本件事業を円滑に遂行することができるよう、承継会社が要請する事項につき、合理的な協力をするものとする。
第9条(精算義務)
1.分割会社及び承継会社は、効力発生日後、相手方が負担すべき債務を履行等した場合及び債務の履行等を受けた場合、相手方との間で、直ちにこれを精算するものとする。
2.分割会社は、効力発生日後3か月以内に承継会社が承継した不動産に設定している根抵当権について、その抹消のための措置を講じなければならない。
第10条(本契約の効力)
本契約は、効力発生日の前日までに第5条に定める本契約及び本吸収分割に必要な事項に関する株主総会の承認が得られない場合、法令に定める関係官庁の承認等が得られない場合、又は、本吸収分割の実行に重大な影響をきたす条件若しくは制約等が付された場合には、その効力を失うものとする。
第11条(準拠法)
本契約は、日本法に準拠し、これに従って解釈されるものとする。
第12条(専属的合意管轄)
分割会社及び承継会社は、本契約に関する争いについて、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることにあらかじめ合意する。
第13条(協議事項)
本契約に定めのない事項のほか、本吸収分割に必要な事項は、本契約の趣旨に則り、分割会社及び承継会社は、協議・合意の上、これを定める。
本契約締結の証として本書を2通作成し、分割会社及び承継会社それぞれ記名・捺印の上、各自1通を保有する。
2024年9月10日
分割会社:茨城県神栖市知手中央10丁目6番8号
有限会社UNOクォーツ
代表取締役 中尾 忠男
承継会社:宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1
株式会社倉元製作所
代表取締役 渡邉 敏行
(4) 当該吸収分割に係る割当ての内容の算定根拠
①算定の基礎
当社は、UNOクォーツとの間で本吸収分割に伴う対価の交渉、協議をするに先立ち、茄子評価株式会社(以下、「茄子評価㈱」といいます。)に対し、第三者の立場から、交渉及び協議にあたっての参考となるべきUNOクォーツの分割対象事業について価値算定を依頼しました。
茄子評価㈱は、対象事業については、インカム・アプローチの一種である割引キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を採用して算定を行い、当社株式については、東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在することから市場株価法を採用して算定を行いました。
なお、市場株価法について、2024年9月9日を算定基準日として、算定基準日の終値株価を採用いたしました。
対象事業に対して割り当てる当社株式数の算定結果は、以下の通りです。
算定手法 |
対象事業に対する割当株式数 (単位:株) |
|
当社株式 |
対象事業 |
|
市場株価法 |
DCF法 |
228,739 〜 243,402 |
算定手法 |
100%株式価値 (単位:百万円) |
1 株当たり株式価値 (単位:円) |
|
当社株式 |
市場株価法 |
13,113 |
341 |
算定手法 |
事業価値 (単位:百万円) |
|
対象事業 |
DCF法 |
78 ~ 83 |
茄子評価㈱が対象事業の算定に用いたDCF法の具体的な計算方法は、①将来(2024年度6カ月間、2025年度12か月間)の対象事業の予測される営業利益に減価償却費、法人税及び運転資本増減額を加減し、将来のフリーキャッシュ・フローを算定し、当該フリーキャッシュ・フローを加重平均資本コストで割り引いて2025年度までの事業の合計現在価値を算定し、②継続価値として、2025年度の事業価値がその後も継続するとして、当該フリーキャッシュ・フローを加重平均資本コストで割り引いて算定し、①②の合計額として対象事業の事業価値を算定しております。
また、DCF法による算定に用いたUNOクォーツの事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、営業利益について2024年11月期16百万円に対して2025年11月期は24百万円と大幅な増益を見込んでおります。これは主に、当社との協業に基づく、受注拡大効果によるもので、DCF法の算定の基礎としたUNOクォーツの事業計画は、本吸収分割の実施を前提としております。
茄子評価㈱は、上記算定に際して、当社及びUNOクォーツから提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであること、算定に重大な影響を与える可能性がある事実で茄子評価㈱に対して未開示の事実はないことを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びUNOクォーツの資産及び負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)について、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。なお、かかる算定は、算定基準日現在の情報と経済情勢を反映したものであり、対象事業の財務予測については、UNOクォーツにより現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。
②算定の経緯
上記記載のとおり、当社は茄子評価㈱に分割対象事業についての価値算定を依頼し、算定結果の提出を受けました。
当社及びUNOクォーツは、上記の算定結果を元に、本吸収分割に係る割当て株数を234,605株とすることに合意いたしました。
③算定機関との関係
茄子評価㈱は、当社及びUNOクォーツとの間で重要な利害関係を有しておりません。
(5) 当該吸収分割の後の吸収分割承継会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号 |
株式会社倉元製作所 |
本店の所在地 |
宮城県栗原市若柳武鎗字花水前1-1 |
代表者の氏名 |
代表取締役社長 渡邉 敏行 |
資本金の額(千円) |
482,000 |
純資産の額(千円) |
現時点では確定しておりません。 |
総資産の額(千円) |
現時点では確定しておりません。 |
事業の内容 |
液晶ガラス基板・カラーフィルタ基板・成膜ガラス基板の加工・販売を中心とした基板事業、不動産賃貸事業及び半導体製造装置関連部品の加工・販売を中心とした半導体加工事業 |
以 上