名称 ディービー ピラミッド ホールディングス エルエルシー
(DB Pyramid Holdings, LLC)
所在地 アメリカ合衆国、フロリダ州、33487、ボカラトン、パーク・オブ・コマース・ドライブ750、スイート210
(750 Park of Commerce Drive, Suite 210, Boca Raton, Florida 33487, U.S.A)
(1)普通株式
(2)新株予約権
① 2015年11月25日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第7回ストック・オプション(株式会社JTOWER―B1号(第3回)新株予約権)(以下「第7回新株予約権」といいます。)(行使期間は2017年11月26日から2025年11月25日まで)
② 2017年5月26日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第9回ストック・オプション(株式会社JTOWER―C2号(第1回)新株予約権)(以下「第9回新株予約権」といいます。)(行使期間は2019年5月27日から2027年5月26日まで)
③ 2018年5月30日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第12回ストック・オプション(株式会社JTOWER―E2号(第1回)新株予約権)(以下「第12回新株予約権」といいます。)(行使期間は2020年5月31日から2028年5月30日まで)
④ 2019年6月26日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第14回ストック・オプション(株式会社JTOWER―E2号(第3回)新株予約権)(以下「第14回新株予約権」といいます。)(行使期間は2021年6月27日から2029年6月26日まで)
⑤ 2019年8月21日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された第15回ストック・オプション(株式会社JTOWER―E3号(第1回)新株予約権)(以下「第15回新株予約権」といい、第7回新株予約権、第9回新株予約権、第12回新株予約権、第14回新株予約権及び第15回新株予約権を総称して、以下「本新株予約権」といい、本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を総称して、以下「本新株予約権買付価格」といいます。)(行使期間は2021年8月22日から2029年8月21日まで)
(1)意見の内容
当社は、2024年8月14日開催の当社取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
なお、上記の当社取締役会決議は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本公開買付けを通じて当社株式及び本新株予約権を所有することを主たる目的として2024年7月22日に米国デラウェア州法に基づき設立された有限責任会社(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)で、本書提出日現在において、DigitalBridge Group, Inc.(関係会社及びその他の関連事業体を含め、以下「DigitalBridge」といいます。)が管理・運用するDB Pyramid Holdings, LPが、公開買付者の唯一の社員(メンバー)とのことです。なお、公開買付者、DB Pyramid Holdings, LP及びDigitalBridgeは、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)のグロース市場(以下「東京証券取引所グロース市場」といいます。)に上場している当社株式及び本新株予約権を所有していないとのことです。
DigitalBridgeは、全世界で約845億米ドルの運用資産を持つデジタルインフラ投資会社として、ニューヨーク証券取引所に株式を上場しており、世界有数のデジタルインフラ投資会社であると自負しているとのことです。通信タワー、データセンター、ファイバー(注1)、スモールセル(小型基地局)、エッジインフラ(注2)等、デジタルインフラ構築ビジネスにおいて25年以上の歴史を有しているとのことです。また、米国フロリダ州ボカラトンに本社を構えるとともに、ニューヨーク、ロンドン、ルクセンブルク及びシンガポールに主要オフィスを設けているとのことです。
DigitalBridgeは、多様な機関投資家の代わりに資本を投資し、運用しているとのことです。また、DigitalBridgeの投資運用プラットフォームは、機関投資家がデジタル・インフラストラクチャー・エコシステムの様々な投資領域にアクセスできるよう設計された、多数の長期私募投資ファンドで構成されているとのことです。
DigitalBridgeは、付加価値型の投資を行っており、この分野での豊富な経験を持つ事業パートナーとのネットワークや、その所有するタワービジネスからグローバルにおけるベストプラクティス、運営ノウハウ、世界各地の大手通信事業者との連携等を通じて、世界の通信ネットワークをサポートしてきた実績を有しており、モバイル・ネットワーク・オペレーター(以下「MNO」といいます。)(注3)にとって経験豊富なビルド・トゥ・スーツ(以下「BTS」といいます。)プログラム(注4)のパートナーとして、創業以来、6,500件の新規サイトをDigitalBridgeの投資先企業を通じて完成させてきたとのことです。
(注1) 「ファイバー」とは、光ファイバーケーブルを使用して、高速で大量のデータを伝送する通信インフラを指します。
(注2) 「エッジインフラ」とは、データ処理を中央のデータセンターからユーザーの近くに移動させ、遅延を減少させるためのネットワーク設備を指します。
(注3) 「MNO」とは、自社でモバイル用の回線を保有し、データ通信サービスを提供する事業者を指します。
(注4) 「BTSプログラム」とは、特定の通信事業者やクライアントのニーズや要件に合わせてカスタマイズされたインフラ施設を設計・建設することを指します。
DigitalBridgeとその通信タワー投資先企業は、大規模なBTSプログラムの提供を含め、数多くのMNOの付加価値パートナーとなっており、通信タワー領域における運営、資金調達、開発及びM&Aの豊富な経験を兼ね備えていると自負しているとのことです。
投資先企業であるVertical Bridgeは、米国の大手通信事業者であるVerizon Communications Inc.の米国における独占BTSプロバイダーとして選ばれ、通信タワーの新設を加速させるためのジョイントベンチャーをVerizon Communications Inc.と設立したとのことです。また、インドネシアでは、投資先企業であるEdgePoint Infrastructureが、インドネシアの通信プロバーダーであるIndosat Ooredoo Hutchisonとの通信タワーのセール・アンド・リースバック取引の一環としてBTSプロジェクトを受託しているとのことです。
また、DigitalBridgeは、Zayo Group Holdings(2020年3月時点において、取引額140億米ドル)、Landmark Infrastructure Partners LP(2021年12月時点において、取引額11億米ドル)、Switch, Inc.(2022年12月時点において、取引額110億米ドル)の買収案件の成功に代表されるように、デジタルインフラ企業の非公開化において豊富な知見を有していると自負しているとのことです。いずれの案件においても、既存の経営陣や従業員と提携し、取引の過程において対象会社の主要顧客から積極的な支援を受けていたとのことです。また、非公開化後は、戦略的な付加価値向上策と強固な資本支援を通じて事業の成長を加速させることに成功したものと自負しているとのことです。
2020年以来、DigitalBridgeは、アジア太平洋地域のデジタルインフラ資産に対して約32億米ドルの直接投資及び共同投資を行っているとのことです。
アジア太平洋地域において、DigitalBridgeは、Vantage Data Centers APAC(Vantage APAC)、AIMS Data Centre、EdgePoint Infrastructure及びXenith IGの4社の投資先企業を有しているとのことです。
・Vantage Data Centers APAC(Vantage APAC)は、大阪、クアラルンプール、香港及び台北で展開しているハイパースケールデータセンター運営会社で、新規開拓を通じてアジア太平洋地域の主要市場での成長に注力しているとのことです。
・AIMS Data Centreは、業界有数のASEAN地域におけるエッジ相互接続データセンタープラットフォームであり、マレーシア及びタイにおいて展開しているとのことです。
・EdgePoint Infrastructureは、東南アジアを代表する通信タワー事業者で、インドネシア、マレーシア及びフィリピンで展開しているとのことです。
・Xenith IGは、データセンター、ケーブル陸揚げ局及び企業のビルをつなぐ、高密度で耐障害性に優れたファイバーネットワークを所有、運用及び保守しており、アジア太平洋地域全域で展開しているとのことです。
今般、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式(以下に定義します。以下同じです。)を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を非公開化するための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
本取引は、①本公開買付け、並びに、②本公開買付けが成立した場合であって、公開買付者が本公開買付けにおいて、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)並びに本新株予約権の全てを取得できなかった場合に当社が行う株式併合(以下「本株式併合」といいます。)を通じて、当社の株主を公開買付者及び当社の代表取締役社長である田中敦史氏(以下「田中氏」といいます。)の資産管理会社である株式会社カルティブ(以下「カルティブ」といい、田中氏と併せて「田中氏等」といいます。)のみとすることからそれぞれ構成され、最終的に、当社の株主を公開買付者及びカルティブのみとすることを企図しているとのことです。なお、本取引は、当社の経営陣が主導して実施する当社の非公開化ではないこと、公開買付者が当社の経営陣の依頼又は出資に基づいて本公開買付けを実施するものではないこと、及び、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されていないことから、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しないとのことです。
公開買付者は、2024年8月14日付で、当社の第3位の株主(2024年3月31日時点。以下株主の順位の記載について同じです。)である田中氏(所有株式数:1,822,386株、所有割合(注5):7.08%、所有新株予約権数:1個(目的となる株式数:400株、所有割合:0.00%)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(田中氏)」といいます。)を、2024年8月14日付で、当社の第2位の株主である日本電信電話株式会社(所有株式数:4,206,400株、所有割合:16.35%。以下「日本電信電話」といいます。)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(日本電信電話)」といいます。)を、2024年8月14日付で当社の第10位の株主である株式会社NTTドコモ(所有株式数553,473株、所有割合:2.15%。以下「NTTドコモ」といいます。)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約(NTTドコモ)」といい、本応募契約(田中氏)及び本応募契約(日本電信電話)と併せて「本応募契約」と総称します。)を締結しており、田中氏、日本電信電話及びNTTドコモが所有する当社株式(本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)の全て(6,582,659株、所有割合:25.58%。以下「本応募合意株式」といいます。)について、本公開買付けに応募する旨を合意しているとのことです。
(注5) 「所有割合」とは、(ⅰ)当社が2024年8月14日付で公表した「2025年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社第1四半期決算短信」といいます。)に記載された2024年6月30日現在の発行済株式総数(25,702,018株)に、(ⅱ)2024年6月30日以降2024年7月25日までに行使された新株予約権の合計である150個(第12回新株予約権150個)の目的となる当社株式(600株)及び(ⅲ)2024年7月25日現在行使可能な本新株予約権の数の合計である7,476個の目的となる当社株式の数(30,300株)を加算した株式数(25,732,918株)から、(ⅳ)2024年6月30日現在の当社が所有する自己株式数(276株)を控除した株式数(25,732,642株。以下「本基準株式数」といいます。)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じとします。なお、株式給付信託(J-ESOP)制度の信託財産として拠出している株式数(14,700株)は、自己株式数に含まれておりません。以下同じとします。
一方、公開買付者は、2024年8月14日付で、カルティブ(所有株式数:4,677,500株、所有割合:18.18%)及び田中氏との間で、不応募契約書(以下「本不応募契約」といいます。)を締結し、カルティブがその所有する当社株式の全て(4,677,500株。所有割合:18.18%。以下「本不応募合意株式」といいます。)について本公開買付けに応募しないこと、並びに下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本公開買付けにより公開買付者が当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合、本公開買付けの成立後に行われる当社の株主を公開買付者及びカルティブのみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施するために必要な手続を行うことを含めた、本取引に係る諸条件に合意しているとのことです。
本応募契約及び本不応募契約の概要につきましては、下記「(7)公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「① 本応募契約(田中氏)」、「② 本応募契約(日本電信電話)」、「③ 本応募契約(NTTドコモ)」及び「④ 本不応募契約」をそれぞれご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、12,477,600株(所有割合:48.49%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を非公開化することを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(12,477,600株)以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(12,477,600株)は、本基準株式数に係る議決権数(257,326個)に3分の2を乗じた数(小数点以下を切り上げ。171,551個)から本不応募合意株式(4,677,500株))に係る議決権数(46,775個)を控除した議決権数(124,776個)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(12,477,600株)としているとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を非公開化することを目的としているところ、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の本株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者及びカルティブが当社の総株主の議決権数の3分の2以上を所有することとなるように設定したものとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けに係る決済に要する資金を、DB Pyramid Holdings, LPによる金銭出資により賄うことを予定しており、これらの資金をもって、本公開買付けの決済資金を含む本取引に要する資金に充当する予定とのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、当社に対して、本スクイーズアウト手続の実施を要請する予定とのことです。
本スクイーズアウト手続後の当社における議決権割合は、公開買付者において81.82%、カルティブにおいて18.18%とすることを予定しているとのことです。
また、現時点では具体的な方法は確定していないものの、本スクイーズアウト手続の完了後、公開買付者は、その所有する当社株式の全てを、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続において当社の株主(ただし、公開買付者、カルティブ及び当社を除きます。)に対価として交付された金銭の総額と同額で、DB Pyramid Holdings, LPが直接又は間接にその発行済株式の全てを保有する、今後日本法に基づき設立予定の株式会社に対して相対での譲渡その他の方法により承継させる予定とのことです。
なお、現在想定されている本取引の概要は大要以下のとおりとのことです。
Ⅰ.本公開買付けの実施前(現状)
本書提出日現在において、田中氏が当社株式1,822,386株(所有割合:7.08%)及び本新株予約権1個(本新株予約権の目的である当社株式400株(所有割合:0.00%))、カルティブが当社株式4,677,500株(所有割合:18.18%)、日本電信電話が当社株式4,206,400株(所有割合:16.35%)、NTTドコモが当社株式553,473株(所有割合:2.15%)、その他少数株主が当社株式14,442,583株(所有割合:56.13%)及び本新株予約権7,475個(本新株予約権の目的である当社株式29,900株(所有割合:0.12%))を所有。
(注6) 田中氏及び少数株主の所有割合については、本新株予約権の目的である当社株式数を加算して算出しております。以下のストラクチャー図においても同様です。
Ⅱ.本公開買付け成立時(2024年10月中旬(予定))
公開買付者は、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを対象とする本公開買付けを実施。
公開買付者は、本公開買付けに係る決済に要する資金を、DB Pyramid Holdings, LPが提供する金銭出資によって調達する資金により賄う。
Ⅲ.本スクイーズアウト手続(2024年12月中旬から下旬(予定))
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、当社に対して、本株式併合の手続の実行を要請し、当社の株主を公開買付者及びカルティブのみとするための手続を実施。
Ⅳ.日本法人に対する株式譲渡(2024年12月中旬から下旬(予定))
本スクイーズアウト手続完了後、公開買付者が保有する当社株式をDigitalBridgeが日本国内に新設する日本法人に対して、譲渡。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針
(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
当社は、2012年6月に東京都渋谷区において通信インフラシェアリング事業を目的とする会社として創業し、2016年10月に本社を東京都港区に移転しました。当社は、通信インフラシェアリング事業を主たる業務としており、従来は携帯キャリア(注1)各社単独で行われてきた屋内・屋外の携帯基地局(注2)関連インフラに係る装置、アンテナ、配線、タワー(注3)等の設備投資及び関連する工事を当社で一本化し、屋内・屋外の携帯基地局関連インフラを携帯キャリア各社等へシェアリングする事業を国内外で展開しております。
(注1) 「携帯キャリア」とは、関連当局から電波利用に関する許認可を取得し、事業エリア内で携帯電話の通信サービスを提供するために大規模なインフラ設備を保有・運用している事業者のことをいいます。
(注2) 「携帯基地局」とは、携帯電話等の移動体通信機器と無線通信を行い、直接電波を送受信するための装置や場所のことをいいます。
(注3) 「タワー」とは、携帯基地局における、アンテナ等を固定するための鉄塔、コンクリート柱、ポール等の構築物のことをいいます。
当社株式は、2019年12月に東京証券取引所のマザーズ市場へ上場し、2022年4月に東京証券取引所の市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所グロース市場へ移行いたしました。
本書提出日現在、当社のグループは、当社並びに連結子会社8社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)から構成されております。当社グループは、「日本から、世界最先端のインフラシェアリングを。」という企業ビジョンの下、主として、国内における商業施設、複合施設、オフィスビル、医療施設等の大型施設内の携帯基地局関連インフラのシェアリングを行う事業(以下「国内IBS事業」といいます。)、海外における大型施設内の携帯基地局関連インフラのシェアリングを行う事業(以下「海外IBS事業」といいます。)、国内における屋外の鉄塔等の携帯基地局関連インフラのシェアリングを行う事業(以下「タワー事業」といいます。)、及び、それらに関連する付加価値ソリューション事業(以下「ソリューション事業」といいます。)を展開しております。
(注4) 「IBS」とは、「In-Building-Solution」の略であり、商業施設、複合施設、オフィスビル、医療施設等の屋内におけるネットワーク設備をインフラシェアリングにより共用化することをいいます。
当社グループの各事業の内容は、以下のとおりです。
(ア)国内IBS事業
国内IBS事業においては、当社グループは、国内において携帯キャリア各社がそれぞれ単独で行ってきた大型施設内の携帯基地局関連インフラの設備投資を、当社グループが独自に開発した共用設備を用いて一本化するソリューションを提供しております。所有する大型施設内に携帯基地局関連インフラ設備を設置する意向のある不動産事業者に対しては、屋内携帯基地局関連インフラ設備の一本化による設備の簡素化、消費電力の削減、不動産事業者等の窓口の一本化等のメリットを提供しており、携帯キャリアに対しては、設備投資・運用費用の削減等のメリットを提供しております。
当社グループは、携帯キャリア各社と共用設備利用に係る基本契約を締結しており、共用設備の利用に対して携帯キャリア各社から受領する利用料が主な収入となっております。2024年3月末時点において、大型施設における累計導入済み物件数は、574物件となっております。なお、国内IBS事業における携帯キャリア各社からの利用料は、大型施設内の携帯基地局に当社グループの共用設備を導入する際に一定額の利用料(イニシャル収入)を受領し、かつ、利用期間中も定期的に利用料(ランニング収入)を受領するハイブリッドモデル、及び、ランニング収入のみのランニングモデルから構成されております。本書提出日現在、ハイブリッドモデルは導入物件のうち7割で採用されており、ランニングモデルは導入物件のうち3割で採用されておりますが、今後はランニングモデルの構成比が高まっていくことが見込まれると考えております。
当社は、4G(注5)ネットワークの屋内携帯基地局関連インフラ設備のシェアリングを行う4G IBSに加え、2021年以降、5G(注6)ネットワークの屋内携帯基地局関連インフラ設備のシェアリングを行う5G IBSにも取り組んでおります。また、4G IBSの新たな取組みとして、2023年3月期以降、携帯キャリアが個別に導入した中継装置等の設備の更改に際し、当社グループが独自に開発した共用設備を導入し、当社の提供する屋内インフラシェアリングの利用を開始する4G IBS(リプレース)の取組みも開始しており、2024年3月末時点での累計導入済み物件数は46物件となっております。加えて、5G IBSの取組みとしても、2020年以降、当社グループが独自に開発した5G帯域に対応した共用装置の開発・導入を行っており、2024年3月末時点での累計導入済み物件数は124物件となっております。
(注5) 「4G」とは、「4th Generation Mobile Communication System(第4世代移動通信システム)」の略であり、1G・2G・3Gに続く国際電気通信連合(ITU)が定める「IMT-Advanced」規格に準拠する無線通信システムのことをいいます。
(注6) 「5G」とは、「5th Generation Mobile Communication System(第5世代移動通信システム)」の略であり、1G・2G・3G・4Gに続く国際電気通信連合(ITU)が定める「IMT-Advanced」規格に準拠する無線通信システムのことをいいます。4Gと比較して高速で大容量の通信が可能であり、日本国内では2020年3月より一般向けの運用が開始されております。
(イ)海外IBS事業
海外IBS事業においては、当社グループは、ベトナムにおいても、大型施設内の携帯基地局関連インフラの設備投資を、共用設備を用いて一本化するソリューションを提供しております。ベトナムにおいては、2017年7月に同国最大手のIBS事業者であるSouthern Star Telecommunication Equipment Joint Stock Companyを連結子会社化し、事業運営を行っており、2024年3月末時点での累計導入済み物件数は243物件となっております。
(ウ)タワー事業
タワー事業においては、当社グループは、国内において、屋外の携帯基地局において使用するアンテナ、タワー等の設備について、当社が新たに建設し、又は、通信事業者から既存設備の取得(カーブアウト)を行い、携帯キャリアをはじめとする通信事業者等向けにシェアリングを行っております。当社グループは、各通信事業者等と共用設備利用に係る基本契約を締結しており、共用設備の利用に対して各通信事業者等から受領する利用料が主な収入となっております。
タワー事業における、鉄塔の新設及びカーブアウトの状況及び今後の見込みは、以下のとおりです。
A)新設
当社グループは、2020年11月以降、主にルーラルエリア(注7)において、新たにタワーを建設し、当該タワーのシェアリング事業を展開しており、2024年3月末時点において、109本の契約を開始しております。
(注7) 「ルーラルエリア」とは、通信事業者1社では携帯基地局の採算確保が困難な、人口の少ない離島や中山間地域等の条件不利地域のことをいいます。
B)カーブアウト
通信事業者等からの既存鉄塔の取得(カーブアウト)においては、当社グループは、2024年3月末時点において、西日本電信電話株式会社が保有する鉄塔最大71本、東日本電信電話株式会社が保有する鉄塔最大136本及びNTTドコモが保有する鉄塔最大7,554本のカーブアウトに係る基本契約を締結し、各社からの通信鉄塔の移管を進めております。当社グループは、2024年3月末時点において、上記基本契約に基づき、累計5,759本の移管を完了しており、2025年3月末までに累計7,297本の移管を完了する予定です。
当社グループは、タワーのテナンシーレシオ(注8)の向上に向けて、2023年度第3四半期から第4四半期にかけて、複数の携帯キャリアとの間で共用設備利用に係る基本契約を締結いたしました。当社グループは、当該基本契約に基づき、複数の携帯キャリアとの間で、2025年3月末までに共用設備のトライアル利用を開始する予定です。
(注8) 「テナンシーレシオ」とは、シェアリング対象となる物件につき共用設備利用に係る基本契約を締結している携帯キャリア等の1物件あたりの社数のことをいいます。
(エ)ソリューション事業
当社グループは、通信インフラシェアリング事業を展開する上で、顧客に対する更なる付加価値を提供するためのソリューション強化にも努めております。具体的には、当社グループは、携帯キャリアや不動産事業者等に対して、以下のサービスを展開しております。
A)クラウドWi-Fiソリューション
当社グループは、国内IBS事業において、屋内携帯インフラを設置する大型施設を所有する不動産事業者に更なる付加価値を提供するためのソリューションとして、Wi-Fi事業者が開発したクラウドWi-Fiソリューション(注9)を提供しております。
(注9) 「クラウドWi-Fiソリューション」とは、クラウド環境で単一又は複数のアクセスポイント(Wi-Fiの電波を送受信する機器のことをいいます。)を一括管理することを可能とするソリューションのことをいいます。
B)SITE LOCATORサービス
当社グループは、当社で開発したシステムである、屋上への基地局設置許可を得た不動産事業者情報を集約するデータベース「SITE LOCATOR」を活用して、屋上の遊休スペースの収益化ニーズを有する不動産事業者と、屋上への基地局設置ニーズを有する携帯キャリア等をマッチングするソリューションを展開しております。
C)ローカル5G
ローカル5G(注10)サービスは、キャリア5Gとローカル5Gの通信設備を共用化することにより、省スペース、省電力化に加え資材や工事工数の削減が可能となり、環境にも配慮したより効率的なネットワーク整備を提供することができます。当社グループは、国内IBS事業で培った経営資源を活かして施設の課題や利用用途に合わせた最適なサービスを提案することで、ローカル5G事業の立ち上げを推進しております。政府や地方自治体の主催する実証実験への参画、実験局免許の取得及びローカル5G共用装置の開発を経て、主要なローカル5G無線システムとの接続等の試験を実施し、2022年12月から地方自治体向けの商用サービスを開始しております。
(注10) 「ローカル5G」とは、地域や産業の個別ニーズに応じて、企業や自治体等の様々な主体が、自らの建物内や敷地内でスポット的に自らのニーズに合わせて構築できる5Gシステムのことをいいます。
当社グループを取り巻く経営環境においては、2020年以降、国内において、携帯キャリア各社による5Gサービスの開始に伴い、データトラフィック及びインフラコストの増加が顕著となっていると認識しております。また、日本の通信業界は、Beyond5G、6Gへの新たな通信技術の展開に加え、災害への対応、陸上のルーラルエリアのみならず、空、海、宇宙へと求められるカバーエリアが拡大していくことで、通信事業者の負担も増大し続けることが予想されると考えております。これにより、通信事業者において効率的なインフラ整備の必要性が高まり、設備投資・運用費用の削減等の手段としてのインフラシェアリングの需要も拡大していると考えております。また、2005年から開始した、総務省の「携帯電話等エリア整備事業」による補助金等の政府による地方の通信インフラ整備の支援策も、地方における通信環境の改善に向けた取組みを促進しており、2021年からインフラシェアリング事業者が支援対象となったことで、効率的な通信環境の改善策としてのインフラシェアリングの重要性を一層高めていると考えております。さらに、近年のサステナビリティへの関心の高まりにより、通信事業者においても環境負荷の低減や資源の有効活用が求められる中、インフラシェアリングは重複する設備の設置を避けることで、環境保護に寄与する手段として注目を集めるようになっていると考えております。また、人口減少社会が進む中、限られた人手でいかに安定的に通信インフラの維持・運用を行っていくかは大きな課題とされていると認識しております。こうした中、屋内外のネットワーク整備や通信インフラの維持運用は、インフラシェアリングにより効率化していく必要性が高まっており、それを担える十分な体制と技術力を持ったインフラシェアリング事業者の存在は、通信業界の発展のためにも必要不可欠なものとなっていると考えております。
総務省は、2018年12月に「移動通信分野におけるインフラシェアリングに係る電気通信事業法及び電波法の適用に関するガイドライン」を公表(2022年8月に改正版を公表。)し、5Gの基地局整備においてインフラシェアリングの活用がこれまで以上に重要になることに言及しております。その後も、総務省は、2020年6月に公表した「Beyond 5G推進戦略」において、次世代通信技術の普及に向けたインフラシェアリングの推進を明確に打ち出しております。また、総務省は、2020年10月に「モバイル市場の公正な競争環境に向けたアクション・プラン」を公表し、5G基地局の整備にあたっては、多数の基地局を効率的かつ低コストで設置することが必要になってくるところ、鉄塔等の設備を他人に使用させ、又は複数事業者間で共同使用する「インフラシェアリング」が重要になることに言及しています。さらに、政府は、2022年6月に「デジタル田園都市国家構想」を公表し、通信インフラの重要性を強調するとともに、効率的なエリア展開を推進するために、インフラシェアリングの取組みが重要であるとしています。これらの政策や方針により、インフラシェアリングの重要性と需要は今後ますます高まり、当社グループの事業展開においても大きな追い風となると考えております。
他方、海外においても、近年、新興国を中心に、新規大型施設の開発や将来的な5Gの展開需要を背景として、屋内インフラシェアリングの必要性が高まっていると考えております。具体的には、アジアやアフリカの新興市場において、急速な都市化と経済成長に伴い、大規模な商業施設、オフィスビル、公共施設の建設が進んでおり、これらの施設内での効率的な通信インフラの整備のために複数の通信事業者が共用できるインフラシェアリングの導入が重要となっていると考えております。加えて、ベトナムやマレーシアでは、政府主導で5Gの普及が進められており、通信事業者間の競争が激化する中で、コスト効率の高いインフラシェアリングの需要が増加していると認識しております。
こうした経営環境の下、当社グループが事業を行うインフラシェアリングの領域は、今後、国内においては5Gの普及に伴い、通信インフラの整備が急務となる中で需要の拡大が見込まれております。加えて、携帯キャリア各社間での携帯基地局関連インフラの相互利用の取組みについても公表されており、当社グループが所有する携帯基地局関連インフラの利用機会にも繋がる可能性があると考えております。このような市場環境の中で、当社がシェアを維持し、需要の拡大に応え続けるためには、国内IBS事業及び海外IBS事業において、大型施設内の携帯基地局関連インフラに関して当社の開発した共用設備の導入を加速するとともに、タワー事業においても、鉄塔の新設・通信事業者からのカーブアウトをさらに進めていく必要があると考えております。また、携帯キャリア各社間での携帯基地局関連インフラの相互利用の取組みによって拡大する需要に対応するための共同構築に特化した開発も検討していきたいと考えております。
しかしながら、当社グループの主力事業である国内IBS事業及びタワー事業の成長のためには、継続的な追加の資金需要に機動的に対応していくことが必要となります。具体的には、上記のとおり、国内IBS事業においては、商業施設、複合施設、オフィスビル、医療施設等の大型施設内の携帯基地局関連インフラの整備・拡充が求められ、これに対応するための設備投資が不可欠です。加えて、当社は、通信インフラの効率化と高品質なサービス提供を実現するために、無線機(Radio Unit)(注11)やフロントホール(Fronthaul)(注12)のシェアリング等のシェアリング領域の高度化の取組みを行っており、当該開発に関する継続的な投資も重要と考えております。また、タワー事業においても、鉄塔の新設及び通信事業者からのカーブアウトを継続的に実行することが必要であり、これに伴う資金需要も多額となることが見込まれます。
(注11) 「無線機(Radio Unit)」とは、携帯キャリアのネットワークにおいて、端末との間で電波を送受信し、アナログ=デジタル相互に信号を変換する機能を担う通信機器のことをいいます。
(注12) 「フロントホール(Fronthaul)」とは、移動体通信網(片方又は両方の端末が移動可能な電気通信システムのことをいいます。)において、無線機の親局と子局間を接続する光ファイバー回線のことをいいます。
一方、DigitalBridgeとしても、当社の日本における通信タワービジネスの創造と成長を注視しており、日本の電気通信事業におけるインフラシェアリングの拡大と当社の更なる成長の機会を確信し、2024年3月中旬頃から、当社との間で、DigitalBridgeとの間のパートナーシップによる当社の成長戦略の実行に関して初期的な議論を続けてきたとのことです。そして、2024年5月4日には、当社が非公開化し、DigitalBridgeからの支援を受けることにより、日本全域でNo.1のタワー会社へ成長可能であるとの判断のもと、田中氏及び当社取締役会に対し、DigitalBridgeから当社の非公開化に向けた公開買付けを伴う取引に関する法的拘束力を有しない初期的提案を提出したとのことです。
かかる経緯の中で、2024年5月下旬に、当社のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を介して本件プロセス(以下に定義します。以下同じです。)への参加打診を受けたことから、当社の非公開化を前提に、2024年5月下旬より、本件プロセスに沿って当社株式の取得の是非について初期的な検討を開始したとのことです。
その後、DigitalBridgeは、2024年5月31日から同年7月中旬にかけて当社に対するデュー・ディリジェンスを実施し、当社の事業及び財務の状況を総合的に分析し、検討を進めたとのことです。
かかる検討の結果、DigitalBridgeは、DigitalBridgeが管理・運用するファンドが本取引を通じて当社株式を取得することにより、以下のシナジー及びメリットを含む付加価値を提供することができると考えたとのことです。
当社グループにおけるシナジー及びメリットについては、具体的に以下を想定しているとのことです。
まず、DigitalBridgeが管理・運用するファンドが本取引を通じて当社株式を取得し、当社を非公開化することにより、当社グループの事業が株式市場の変動による短期的な評価に影響されることなく、かつ、投資家に向けたIR活動に対する負担が軽減されること等が期待され、当社グループにおいてはより戦略的な意思決定が可能となり、経営資源をより効率的に当該意思決定に集中させることが期待されるとのことです。
DigitalBridgeにおいては、本取引後の当社グループの成長に必要な資金を全面的にバックアップするエクイティ資本拠出の用意があるとのことです。
また、本取引により、当社グループは、DigitalBridgeが有するデットファイナンスの組成に関する知見及びノウハウに対するアクセスを有し、当社グループの事業に対する効果的な資金調達が可能となるとのことです。
さらに、当社は、上記「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、DigitalBridgeの当社グループの事業分野における豊富な経験を有する事業パートナーとのネットワークや、海外で所有するタワービジネスからグローバルにおけるベストプラクティス、運営ノウハウ、世界各地の大手通信事業者との連携等を通じて、当社グループの事業において世界水準のベストプラクティス及び潜在的な事業機会を獲得することが可能となるとのことです。
なお、公開買付者及び当社は、当社が2025年3月期の中間配当及び期末配当を実施しないことを前提に、本公開買付価格に関する提案及び交渉を行っているとのことです。以下同様とのことです。
上記の分析及び検討の結果を踏まえ、DigitalBridgeは、2024年7月8日、公開買付者による当社の非公開化に係る法的拘束力を有しない意向表明書(以下「本パートナー提案書」といいます。)を提出したとのことです。DigitalBridgeは、本パートナー提案書において、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を3,500円(直前営業日である同月5日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,638円に対するプレミアムは、113.68%)として提案したとのことです。
その後、当社より、2024年7月9日付で、DigitalBridgeの提示した本取引に係る公開買付価格は当社株式の本源的価値を十分に反映した価格であるとは考えられず、また、本特別委員会(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)が想定している価格水準を下回るものであり、当社少数株主の皆様の利益に十分に配慮する観点から、本公開買付価格を引き上げることを検討するよう要請を受けるとともに、本取引実行後の当社の株主構成、将来の株式保有方針、本取引実行の前提条件等についてより詳細に追記した法的拘束力のある提案書を再提出するよう要請を受けたとのことです。
かかる要請を受け、DigitalBridgeは、本パートナー提案書の提出以降、本パートナー提案書で提示した価格を見直すに値するような重大な情報は確認できていないことを理由として、同月16日、本公開買付価格を3,500円(直前営業日である同月12日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,685円に対するプレミアムは、107.72%)として、本取引の諸条件についての記載を含む法的拘束力を有する意向表明書(以下「本パートナー提案書(第2回)」といいます。)を提出したとのことです。なお、2024年7月8日付及び同月16日時点において、本新株予約権買付価格に係る提案価格は検討中であったので、各意向表明書においては言及していないとのことです。
その後、2024年7月18日に本特別委員会から、本パートナー提案書(第2回)における本公開買付価格は、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、当社少数株主の皆様の利益に十分に配慮する観点から、本公開買付価格の見直しと現経営陣の今後の関与に関する方針の明確化に係る要請を書面にて受領したとのことです。
かかる要請に対して、DigitalBridgeは1株当たり3,500円の公開買付価格が現時点で当社の本源的な価値を適正に評価をした価格であることを再度説明するとともに、同時に本取引実行後における経営体制に対する考え方を明確にしたとのことです。しかしながら、DigitalBridgeの最善の提案が必ずしも本特別委員会が想定する公正な価格水準と一致するものではない状況であることを踏まえ、本公開買付価格を3,550円に引き上げることを決定し、同年7月29日、本公開買付価格を3,550円(直前営業日である同月26日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,667円に対するプレミアムは、112.96%)とする旨の内容を含む法的拘束力のある提案書(以下「本パートナー提案書(第3回)」といいます。)を提出したとのことです。
その後、DigitalBridgeは、2024年7月30日に本特別委員会より、当社の少数株主の利益に十分に配慮する観点から、本公開買付価格について1株当たり3,600円台の水準に引き上げるよう口頭で要請を受け、同月31日にその旨の書面による要請を受領したとのことです。DigitalBridgeとしては、本パートナー提案書(第3回)にて提案した本公開買付価格3,550円の妥当性に対する見解に変更はなかったものの、本特別委員会からの公開買付価格の再度の引上げに関する要請を真摯に受け止め、同日、DigitalBridgeが本取引における優先交渉者としての地位を付与されることを条件として、本公開買付価格を3,600円に引き上げることを決定し、本公開買付価格3,600円(直前営業日である同月30日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,633円に対するプレミアムは、120.45%)とする提案書(以下「本パートナー提案書(第4回)」といいます。)を提出したとのことです。本パートナー提案書(第4回)においては、一般的に新株予約権はその譲渡によって価値を具現化することは本来想定されておらず、原則としては新株予約権を行使することにより普通株式に転換した上で価値を具現化することが想定されていることから、譲渡制限のある本新株予約権については、これを行使した上で普通株式を取得した後に当該普通株式を本公開買付けに応募いただくことを想定していることを理由として、本新株予約権買付価格を1円とすることを提案したとのことです。DigitalBridgeは、同年8月6日、当社から、当社株式に係る市場環境や本取引に係る状況に重大な変更が生じないことを前提に、本パートナー提案書(第4回)における本公開買付価格は当社の少数株主が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであることを理由として、本パートナー提案書(第4回)の提案内容を応諾する旨の回答を書面にて受領したとのことです。
また、DigitalBridgeは、田中氏に対して、2024年7月中旬、応募契約の締結を申し入れ、締結に向けた協議を開始し、2024年8月6日に本公開買付価格が3,600円となることを伝達し、2024年8月14日付で本応募契約(田中氏)を締結し、また、田中氏等に対して、2024年7月中旬、不応募契約の締結を申し入れ、締結に向けた協議を開始し、2024年8月6日に本公開買付価格が3,600円となることを伝達し、2024年8月14日付で本不応募契約を締結したとのことです。また、DigitalBridgeは、日本電信電話に対して、2024年7月中旬、応募契約の締結を申し入れ、締結に向けた協議を開始し、2024年8月6日に本公開買付価格が3,600円となることを伝達し、2024年8月14日付で本応募契約(日本電信電話)を締結したとのことです。さらに、DigitalBridgeは、NTTドコモに対して、2024年7月中旬、応募契約の締結を申し入れ、締結に向けた協議を開始し、2024年8月6日に本公開買付価格が3,600円となることを伝達し、2024年8月14日付で本応募契約(NTTドコモ)を締結したとのことです。
デュー・ディリジェンスにおける当社の分析及び当社経営陣とのミーティングによる対話を通じ、当社のビジネス及び経営陣に対するDigitalBridgeの敬意の念はさらに強固なものとなったとのことです。DigitalBridgeは、国内初かつ日本を代表するインフラシェアリング事業を立ち上げた経営陣の気概と先見性に感銘を受けており、本取引が成立し、当社が事業を新たなステージへと強化・成長していくことを切望しているとのことです。
(ⅱ)本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、本公開買付け成立後における当社の経営方針として、DigitalBridgeから当社に取締役を数名派遣することを検討しているとのことですが、現在の経営体制を原則として維持することを予定しており、現経営陣に引き続き当社の運営に主導的な役割を果たしてもらうことを想定しているとのことです。なお、公開買付者としては、当社の創業者である田中氏には、本取引後も当社の経営を主導いただく予定とのことです。そこで、公開買付者と同じ株主としての目線に立ちながら、当社の企業価値の向上に貢献いただくべく、カルティブが保有する持分については、継続保有いただくことで公開買付者と田中氏との間で合意に至ったとのことです。また、本取引後も、当社グループの従業員の雇用を維持することを予定しているとのことです。その他の経営体制、経営方針等については現時点で決定・想定しているものはなく、本公開買付けの成立後に、公開買付者、田中氏及び当社との間で協議・検討していく予定とのことです。なお、公開買付者は、当社の役職員に対して適切なインセンティブ・プランの導入を検討しているとのことですが、2024年8月14日現在において、インセンティブ・プランの具体的な内容は未定とのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、2024年3月中旬頃から、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の経営環境を踏まえ、中長期的な観点から当社の企業価値を最大化するための追加資金の調達施策についての検討を行ってまいりました。当社は、2024年4月上旬以降2024年5月上旬に至るまでの間、DigitalBridgeを含む複数のプライベート・エクイティ・ファンド(以下「本件パートナー候補」といいます。)から、当社の非公開化に関心がある旨の連絡を受け、各プライベート・エクイティ・ファンドとの間で、今後の当社の経営方針や企業価値向上施策等に関する初期的な議論を行ってまいりました。
このような状況の中、当社は、2024年4月中旬以降2024年5月上旬までの間に、本件パートナー候補のうち、DigitalBridgeを含む2社のプライベート・エクイティ・ファンドから、当社の非公開化を含む取引に関する初期的提案書の提出を受けたことを踏まえ、当社の中長期的な企業価値向上の観点から、当社を非公開化することが、当社がとるべき選択肢であるか否かを含めて、真摯に検討する必要があると判断しました。
そこで、当社は、同年5月上旬、日本電信電話、KDDI株式会社及びNTTドコモ(それらの子会社及び関連会社を含み、以下、総称して「大株主グループ」といいます。)、本件パートナー候補、公開買付者、当社代表取締役社長であり当社の株主である田中氏及びカルティブ並びに当社から独立した、当社のファイナンシャル・アドバイザーとして野村證券を、また当社のリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を、それぞれ選任しました。当社は、本取引に係るパートナー(以下「本件パートナー」といいます。)の選定プロセス(以下「本件プロセス」といいます。)を開始するにあたり、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しないものの、本件パートナー候補は、本取引に係る本公開買付けにおいて、大株主グループとの間において、それぞれが所有する当社株式について本公開買付けに応募する旨又は応募しない旨を含む契約を締結する可能性があり、大株主グループと当社の一般株主(東京証券取引所有価証券上場規程第441条の2及び同施行規則第436条の3における「少数株主」と同義です。以下同じです。)の利害が必ずしも一致しない可能性が窺われたことから、本取引及び本件プロセスに関する当社の意思決定の恣意性を排除し、企業価値の向上及び一般株主の利益を図る立場から、その是非や取引条件の妥当性、本件プロセスを含む手続の公正性等について検討及び判断を行うことを目的として、本件パートナー候補、公開買付者、大株主グループ、田中氏等及び当社並びに本取引の成否から独立した立場で本取引について検討及び交渉等を行うことができるための体制の構築を開始しました。
具体的には、当社は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年5月上旬より、当社の独立社外取締役及び外部有識者により構成される本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)の設置に向けて準備を進めました。その上で、当社は、同月17日、当社取締役会における決議により、太田直樹氏(当社独立社外取締役)、大場睦子氏(当社独立社外取締役)及び高橋明人氏(外部有識者、高橋・片山法律事務所、弁護士)の3名から構成される本特別委員会(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性が確保されているか、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)までを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、並びに(ⅴ)本取引が第三者による当社株式に対する公開買付けを伴う場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して当該公開買付けに応募することを推奨することの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問しました(ただし、上記(ⅴ)については、本件パートナー候補から提案書が提出された段階で、本取引が第三者による当社株式に対する公開買付けを伴う可能性が高まったことを受けて、2024年7月16日開催の当社取締役会において追加で諮問しました。)。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)本取引の実施に関する当社取締役会の意思決定は、公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとすること、及び、(ⅱ)本特別委員会が本取引の取引条件を妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は、本取引を行う旨の意思決定を行わないものとすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社のファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等の専門家(以下、総称して「アドバイザー等」といいます。)を指名又は承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅱ)本諮問事項の検討にあたって、本特別委員会が必要と認める場合には、自らのアドバイザー等を選任する権限(本特別委員会のアドバイザー等の専門的助言に係る合理的な費用は当社の負担とする。)、(ⅲ)当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、並びに、(ⅳ)本取引の取引条件に関する交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与する権限を付与することを決議しました。なお、本特別委員会は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、上記の権限に基づき、2024年6月上旬、本特別委員会独自の第三者算定機関の必要性を検討した上で、本取引の取引条件の妥当性をより慎重に判断する体制を構築する観点から、本件パートナー候補、公開買付者、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立した、本特別委員会独自の第三者算定機関として、CPAパートナーズ株式会社(以下「CPAパートナーズ」といいます。)を選任する旨を決定しました。また、当社は、同年5月22日、本特別委員会において、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに当社のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
その上で、当社は、野村證券から本件パートナー候補との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受けた上で、当社の中長期的な企業価値の更なる向上を実現し、少数株主の皆様の利益を最大化する選択肢について慎重に検討を行いました。その結果、当社は、2024年5月下旬、当社の今後の更なる成長の加速及び当社の少数株主の皆様の利益の最大化のためには、当社の事業に強い関心を有している本件パートナー候補を対象にした、当社株式の取得についての入札手続を実施することが望ましいとの判断に至りました。また、入札手続における本件パートナー候補の比較検討にあたっては、当社の中長期的な企業価値の向上を念頭に置き、公開買付価格のみならず、提案内容の実現の蓋然性、資金調達の前提条件、本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から総合的な判断を行うことが望ましいとの判断に至りました。
そこで、当社は、2024年5月下旬、本件パートナー候補のうち、当社の非公開化を含む取引に関する初期的提案書の提出を行ったDigitalBridgeを含む2社のプライベート・エクイティ・ファンドに対し、書面による本件プロセスへの参加に関する打診を行い、本件プロセスを開始しました。なお、当社は、2024年6月上旬、上記2社以外のプライベート・エクイティ・ファンド1社から、当社の非公開化を含む取引に関する初期的提案書の提出を受けましたが、当該初期的提案書において提示された公開買付価格は、上記2社による初期的提案書において提示された本公開買付価格よりも著しく低廉な価格であったこと等を踏まえ、上記プライベート・エクイティ・ファンド1社については、本特別委員会の承認を経た上で、本件プロセスに招致しないことといたしました。
本件パートナー候補は、本件プロセスの開始後、当社との間で、2024年5月下旬から2024年7月中旬までの約6週間にわたって、当社グループに対する事業、財務・税務及び法務等に関するデュー・ディリジェンスや当社グループの詳細を理解するための当社の経営陣との複数回の面談を実施しました。
そして、当社は、2024年7月8日、本件パートナー候補のうちDigitalBridgeを含む2社より、本取引に関する提案書を受領しました。
当社は、本取引に係る公開買付価格、提案内容の実現の蓋然性、資金調達の前提条件、本取引に際しての借入れの条件、本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から、上記2社から受領した各提案書の内容を慎重かつ総合的に比較検討しました。その結果、DigitalBridgeの提示した本パートナー提案書の内容が、提案内容の実現の蓋然性、資金調達の前提条件、本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から優れていたことから、DigitalBridgeを本件パートナーとして本取引を実施することが、当社の中長期的な企業価値の向上に資するものである可能性があり、また、本公開買付価格を含む本取引に係る本件パートナーとの取引条件が当社の株主の皆様の利益にとっても最善のものである可能性があると判断し、2024年7月9日、DigitalBridgeとの本取引の実施に向けて、DigitalBridgeとの更なる協議及び検討を開始しました。なお、提案書を受領した本件パートナー候補のうちもう1社から受領した提案書においても当社の非公開化の可能性が提示されておりましたが、当社が複数の成長目標を達成することが当該非公開化の前提となっており、当該成長目標の達成は確実ではないこと、また、2024年8月14日以降12ヶ月の間に非公開化の可能性について協議したい旨の不確実性の高い提案内容にとどまるものであったことから、提案内容の実現の蓋然性が低いと判断し、本特別委員会の承認を経た上で、DigitalBridgeとの協議及び検討を中心として、本取引の検討を進めることといたしました。
なお、当社がDigitalBridgeから受領した本パートナー提案書は、本公開買付価格を3,500円(直前営業日である2024年7月5日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値1,638円に対するプレミアム113.68%)とする旨の内容を含んでおりましたが、本新株予約権買付価格についての言及はありませんでした。また、当社は、2024年7月8日以降、本パートナー提案書の内容を精査し、本パートナー提案書は、法的拘束力がなく、また、本取引実行後の当社の株主構成、将来の株式保有方針、本取引実行の前提条件等について、DigitalBridgeを本件パートナーとして本取引を実施することが、当社の中長期的な企業価値の向上に資するものであり、また、本公開買付価格を含む本取引に係る本件パートナーとの取引条件が当社の株主の皆様の利益にとっても最善のものであるかどうかを判断するために十分な情報が含まれていないと考えました。そのため、当社は、2024年7月9日付で、DigitalBridgeに対し、野村證券及びCPAパートナーズによる当社の株式の株式価値試算の結果や当社の株式の市場価格の動向、当社ビジネスの将来見通し等を総合的に勘案の上、特別委員会の意見も踏まえて、DigitalBridgeの提示した本取引に係る公開買付価格は当社株式の本源的価値を十分に反映した価格であるとは考えられず、また、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、当社少数株主の皆様の利益に十分に配慮する観点から、本公開買付価格を引き上げることを検討するよう要請するとともに、本取引実行後の当社の株主構成、将来の株式保有方針、本取引実行の前提条件等についてより詳細に追記した法的拘束力のある提案書を再提出するよう要請いたしました。
当社は、かかる要請を受けたDigitalBridgeから、2024年7月16日、本パートナー提案書の提出以降、本パートナー提案書で提示した価格を見直すに値するような重大な情報は確認できていないことを理由として、本公開買付価格を引き続き3,500円とする旨の内容を含む法的拘束力のある本パートナー提案書(第2回)を受領しました。当社は、同日以降、本パートナー提案書(第2回)の内容を精査し、本特別委員会の意見を踏まえた上で、同月18日、DigitalBridgeに対して、本パートナー提案書(第2回)における本公開買付価格は、依然として当社株式の本源的価値を十分に反映した価格であるとは考えられず、また、本特別委員会が想定している価格水準を下回るものであり、当社少数株主の皆様の利益に十分に配慮する観点から、本公開買付価格を引き上げることを検討するよう要請いたしました。
他方、当社は、提案書を受領した本件パートナー候補のうちもう1社からの提案書の提出を受け、2024年7月9日以降、提案内容の詳細及び背景について同社に対する口頭での質疑応答等を行い、当該提案内容の実現の蓋然性等につき、改めて検討を行いました。しかし、当社は、提案書を受領した本件パートナー候補のうちもう1社からの提案書については、同社に対する口頭での質疑応答等の内容を踏まえても、本公開買付価格及び本取引の実行のいずれの点においても提案内容の実現の蓋然性は低いと判断し、2024年7月18日、本特別委員会の承認を経た上で、同社とのそれ以上の協議及び検討を進めないことといたしました。なお、同社からは同月24日付で、同社の提案内容の詳細について記載した提案書を受領しておりますが、同社に対する再度の口頭での質疑応答等の内容を踏まえても、依然として提案内容の実現の蓋然性は低いと判断し、同月30日、本特別委員会の承認を経た上で、改めて、同社とのそれ以上の協議及び検討を進めないことといたしました。
当社は、上述の要請を受けたDigitalBridgeから、2024年7月29日、本公開買付価格を3,550円とする旨の内容を含む法的拘束力のある本パートナー提案書(第3回)を受領しました。当社は、同日以降、本パートナー提案書(第3回)の内容を精査し、本特別委員会の意見を踏まえた上で、同月30日、DigitalBridgeに対して、当社少数株主の皆様の利益に十分に配慮する観点から、本パートナー提案書(第3回)における本公開買付価格を1株当たり3,600円台の水準に引き上げることを検討するよう口頭で要請し、同月31日にその旨の書面による要請をいたしました。
当社は、上述の要請を受けたDigitalBridgeから、2024年7月31日、本公開買付価格を3,600円とする旨及び本新株予約権買付価格を1円とする旨の内容を含む法的拘束力のある本パートナー提案書(第4回)を受領しました。当社は、同日以降、本パートナー提案書(第4回)の内容を精査し、本特別委員会の意見を踏まえた上で、同年8月6日、DigitalBridgeに対して、当社株式に係る市場環境や本取引に係る状況に重大な変更が生じないことを前提に、本パートナー提案書(第4回)における本公開買付価格は当社の少数株主が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであることを理由として、本パートナー提案書(第4回)の提案内容を応諾する旨の回答を書面にて行いました。
当社は、2024年8月13日、本特別委員会から、①本公開買付けを含む本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する)と考えられること、②本取引に係る手続の公正性が確保されていると考えられること、③本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考えられること、並びに、④上記①乃至③までを踏まえると、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられることからすると、現時点において、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること(併せて本新株予約権に関しては、本新株予約権者に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねること)は相当である(したがって、当社取締役会が、①本公開買付けに賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨(併せて本新株予約権者に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねることとする旨)を決定すること、及び、②本公開買付け後に株式併合の方法を用いた本スクイーズアウト手続を実施する旨を決定することは、いずれも当社の少数株主にとって不利益なものであるとは言えない)と考えられ、これに反する事情は現時点において特段見当たらない旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(本答申書の概要については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
(ⅲ)判断内容
以上の経緯の下、当社は、2024年8月14日開催の当社取締役会において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書(野村證券)(下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」において定義します。以下同じです。)及び本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(CPAパートナーズ)(下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」において定義します。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本取引が当社の企業価値向上に資するか、本件パートナー候補からの本件パートナーの選定及び本公開買付価格を含む本取引に係る本件パートナーとの取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び比較検討を行いました。その結果、当社は、以下の理由により、DigitalBridgeを本件パートナーとして本取引を実施することが当社の中長期的な企業価値の向上に資するものであり、また、本公開買付価格を含む本取引に係る本件パートナーとの取引条件が当社の少数株主の皆様の利益にとっても最善であるとの結論に至りました。
上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅰ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、当社グループを取り巻く経営環境においては、2020年以降、国内において、携帯キャリア各社による5Gサービスの開始に伴い、データトラフィック及びインフラコストの増加が顕著となっていると認識しております。また、日本の通信業界は、Beyond5G、6Gへの新たな通信技術の展開に加え、災害への対応、陸上のルーラルエリアのみならず、空、海、宇宙へと求められるカバーエリアが拡大していくことで、通信事業者の負担も増大し続けることが予想されると考えております。これにより、通信事業者において効率的なインフラ整備の必要性が高まり、設備投資・運用費用の削減等の手段としてのインフラシェアリングの需要も拡大していると考えております。また、2005年から開始した、総務省の「携帯電話等エリア整備事業」による補助金等の政府による地方の通信インフラ整備の支援策も、地方における通信環境の改善に向けた取組みを促進しており、2021年からインフラシェアリング事業者が支援対象となったことで、効率的な通信環境の改善策としてのインフラシェアリングの重要性を一層高めていると考えております。さらに、近年のサステナビリティへの関心の高まりにより、通信事業者においても環境負荷の低減や資源の有効活用が求められる中、インフラシェアリングは重複する設備の設置を避けることで、環境保護に寄与する手段として注目を集めるようになっていると考えております。また、人口減少社会が進む中、限られた人手でいかに安定的に通信インフラの維持・運用を行っていくかは大きな課題とされていると認識しております。こうした中、屋内外のネットワーク整備や通信インフラの維持運用は、インフラシェアリングにより効率化していく必要性が高まっており、それを担える十分な体制と技術力を持ったインフラシェアリング事業者の存在は、通信業界の発展のためにも必要不可欠なものとなっていると考えております。
こうした経営環境の下、当社グループが事業を行うインフラシェアリングの領域は、今後、国内においては5Gの普及に伴い、通信インフラの整備が急務となる中で需要の拡大が見込まれております。加えて、携帯キャリア各社間での携帯基地局関連インフラの相互利用の取組みについても公表されており、当社グループが所有する携帯基地局関連インフラの利用機会にも繋がる可能性があると考えております。このような市場環境の中で、当社がシェアを維持し、需要の拡大に応え続けるためには、国内IBS事業及び海外IBS事業において、大型施設内の携帯基地局関連インフラに関して当社の開発した共用設備の導入を加速するとともに、タワー事業においても、鉄塔の新設・通信事業者からのカーブアウトをさらに進めていく必要があると考えております。また、携帯キャリア各社間での携帯基地局関連インフラの相互利用の取組みによって拡大する需要に対応するための共同構築に特化した開発も検討していきたいと考えております。
しかしながら、当社グループの主力事業である国内IBS事業及びタワー事業の成長のためには、継続的な追加の資金需要に機動的に対応していくことが必要となります。具体的には、上記のとおり、国内IBS事業においては、商業施設、複合施設、オフィスビル、医療施設等の大型施設内の携帯基地局関連インフラの整備・拡充が求められ、これに対応するための設備投資が不可欠です。加えて、当社は、通信インフラの効率化と高品質なサービス提供を実現するために、無線機(Radio Unit)やフロントホール(Fronthaul)のシェアリング等のシェアリング領域の高度化の取組みを行っており、当該開発に関する継続的な投資も重要と考えております。また、タワー事業においても、鉄塔の新設及び通信事業者からのカーブアウトを継続的に実行することが必要であり、これに伴う資金需要も多額となることが見込まれます。
しかし、株式市場においては、株価の状況により資金調達に制約が生じる可能性があり、また短期的な収益性が重視される傾向が強く、将来の成長を見据えた先行投資が実施しづらい状況にあると考えております。他方、本取引を実行した場合、当社は、本パートナー提案書(第3回)において、DigitalBridgeより、当社が2024年5月9日付で開示した「JTOWERの中長期展望」に記載の当社として長期的に「目指す姿」に向けた、上記の国内IBS事業及びタワー事業における設備投資や開発投資等の本取引後の当社グループの成長に必要な資金を全面的にバックアップするエクイティ資本拠出の用意がある旨の法的拘束力のある提案を受けており、当社を非公開化することで、DigitalBridgeによる機動的な成長資金の調達を安定的に行い、将来の追加の資金需要により機動的に対応することや長期的な観点での先行投資が可能となり、ひいては、インフラシェアリング市場における成長機会を適切に捉え、事業成長スピードをより高めることができると考えております。また、DigitalBridgeが有するデットファイナンスの組成に関する知見及びノウハウに対するアクセスを利用し、当社グループの事業に対するより効果的な資金調達も可能になると考えております。
上記に加え、当社は、DigitalBridgeが有する、当社グループの事業分野における豊富な経験を有する事業パートナーとのネットワーク、DigitalBridgeがタワービジネスに関して有するグローバルにおけるベストプラクティス、運営ノウハウ、世界各地の大手通信事業者との連携等を通じて、当社グループの事業において世界水準のベストプラクティス及び潜在的な事業機会を獲得することも可能になり、当社の中長期的な企業価値向上の実現に繋がると考えております。なお、本取引実行後も、当社の代表取締役社長である田中氏の資産管理会社であるカルティブが当社の議決権の18.18%を有する株主として引き続き関与するとともに、当社の現在の経営体制が原則として維持され、現経営陣が引き続き当社の運営に主導的な役割を果たすことが予定されていることから、DigitalBridgeが有する上記のような知見及びリソースを最大限活用しつつ、田中氏及び当社の現経営陣の当社事業に対する知識・経験等も踏まえ、当社の従前からの経営方針との連続性を保って当社の中長期的な企業価値向上の実現に向けた施策を実施していくことができると考えております。また、当社の上場を維持したままでは、株価に対する影響への配慮や法令又は金融商品取引所規則に基づく情報開示の負担等から、当社の経営陣が中長期的な企業価値の向上に向けた上記のシナジー創出に向けた各施策や大胆なビジネス変革にフォーカスすることは難しいところ、本取引を通じて当社が非公開化することで、株価に対する影響への配慮や法令又は金融商品取引所規則に基づく情報開示の負担等を負うことなく、より戦略的な意思決定が可能となり、経営資源をより効率的に当該意思決定に集中させることができると考えております。
なお、本取引に伴う当社の非公開化によるデメリットとして、一般的には、上場会社というステータスを失うことにより、①資本市場を通じたエクイティファイナンス等による資金調達が困難となる、②上場会社としてのブランドを喪失することで従業員の採用・リテンションに悪影響が生じる、③取引先をはじめとするステークホルダーに対する信用力が低下する等の懸念があります。しかしながら、①については、上記のようなDigitalBridgeから当社に対する追加のエクイティ資本の提供を受ける体制を整備することで、機動的な成長資金の調達を安定的に行うことができること、②については、当社は日本におけるインフラシェアリングのパイオニアとしてのポジションを確立しており、上場会社としての地位を失うことによる従業員の採用・リテンションへの悪影響は限定的であること、③については、本取引成立後も当社の日本におけるインフラシェアリングのパイオニアとしてのポジション及び事業上の強みは不変であり、また、当社の事業はいわゆるB to Bビジネスであることから、非公開化によっても取引先をはじめとするステークホルダーに対する信用力が低下することはないと考えられることから、当社の非公開化によるデメリットは限定的と考えております。
また、以下の理由により、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
(ア)本公開買付価格は、当社において、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するための措置が十分に講じられた上で、本件パートナー候補、公開買付者、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立した本特別委員会の実質的な関与の下本件プロセスが実施され、DigitalBridgeとの間で真摯に交渉を重ねた上で合意された価格であること。
(イ)本公開買付価格は、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている野村證券による当社株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価平均法及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であること。
(ウ)本公開買付価格は、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されているCPAパートナーズによる当社株式に係る株式価値算定結果のうち、市場株価法及びDCF法による算定結果のレンジの範囲内であること。
(エ)本公開買付けの公表日の前営業日である2024年8月13日の東京証券取引所グロース市場における当社株式の終値の1,375円に対して161.82%、過去1ヶ月間(2024年7月16日から2024年8月13日まで)の終値単純平均値1,530円(小数点以下第一位を四捨五入しております。以下終値単純平均値の数値について同じです。)に対して135.29%、過去3ヶ月間(2024年5月14日から2024年8月13日まで)の終値単純平均値1,688円に対して113.27%、過去6ヶ月間(2024年2月14日から2024年8月13日まで)の終値単純平均値2,766円に対して30.15%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2024年8月13日までに公表され、かつ、成立した上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(MBO事例、公開買付者グループにおける対象者が連結子会社又は関連会社である事例、プレミアムがマイナスとなる事例等を除く。)におけるプレミアムの実例58件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が58.65%、直近1ヶ月間が59.74%、直近3ヶ月間が60.92%、直近6ヶ月間が62.18%。)と比較して、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準(30.15%)は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(62.18%)を下回るものの、公表日の前営業日の終値並びに直近1ヶ月間及び直近3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準(それぞれ161.82%、135.29%及び113.27%)は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(それぞれ58.65%、59.74%及び60.92%)を上回る水準にあるものと認められること。なお、本公開買付価格は、当社が2024年2月16日開催の当社取締役会で決議した海外募集による新株式発行(以下「本海外募集」といいます。)に係る発行価格(1株につき4,973円)を下回る価格であるものの、当社の足元の株価は、当社が本海外募集の実行後の2024年5月9日に開示した2024年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)に記載の2025年3月期の連結業績予想等を踏まえたものであり、上記各期間のうち、直近6ヶ月間以外の期間におけるプレミアムを参照することが適切であると考えております。
(オ)下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の利益が確保されていると認められること。
(カ)本件パートナー候補、公開買付者、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格を含む本取引の諸条件の妥当性は確保されていると判断されていること。
以上より、当社は、日本におけるインフラシェアリングのパイオニアとして、インフラシェアリング市場を確立することで日本の通信業界の発展に貢献すべく、DigitalBridgeを新たなパートナーとして、当社の経営基盤の強化を図ることが、当社の更なる中長期的な企業価値の向上に資すると考え、2024年8月14日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。また、本新株予約権については、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、本新株予約権者の皆様に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
当社取締役会決議の詳細については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式価値の算定を依頼し、2024年8月14日付で、当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(野村證券)」といいます。)を取得いたしました。
なお、野村證券は、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置(具体的な内容については、下記「(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。)を実施していることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
なお、本取引に係る野村證券の報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定される訳ではないと判断し、上記の報酬体系により野村證券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定しました。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
野村證券は、本公開買付けにおいて、複数の算定方法の中から当社株式価値の算定にあたり採用すべき算定方法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社が東京証券取引所グロース市場に上場していることから株式の市場株価の動向を勘案した市場株価平均法を、また、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定方法として用いて、当社株式価値の算定を行いました。当社は、野村證券から2024年8月14日付で本株式価値算定書(野村證券)を取得しております。
本株式価値算定書(野村證券)において、上記各算定方法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価平均法:1,373円から2,766円
DCF法 :2,590円から4,424円
市場株価平均法では、2024年8月13日を算定基準日として、東京証券取引所グロース市場における当社株式の算定基準日の終値1,375円、直近5営業日の終値単純平均値1,373円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,530円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,688円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,766円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,373円から2,766円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した事業計画(2025年3月期から2029年3月期までの5期分)の収益予測、投資計画、投資回収期間等に基づき、当社が2024年4月1日以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,590円から4,424円までと算定しております。
野村證券がDCF法による分析に用いた当社作成の事業計画においては、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味しておりません。なお、野村證券がDCF法による分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的にはタワー事業及び国内IBS事業においてサービス対象の施設数の増加、テナンシーレシオの向上を見込んでいることから、売上高は、2025年3月期及び2026年3月期においては対前年比30%超の増収、2027年3月期においては対前年比40%超の増収となることを見込んでおります。償却前営業利益(以下「EBITDA」といいます。)については、2026年3月期においては対前年比50%超の増益、2027年3月期においては対前年比70%超の増益、2028年3月期においては対前年比30%超の増益となることを見込んでおります。営業利益については、2025年3月期において変則的に固定資産税が増加することから、40%超の減益を見込むものの、その後2026年3月期においては対前年比360%超の増益、2027年3月期においては対前年比240%超の増益、2028年3月期においては対前年比50%超の増益となることを見込んでおります。なお、2027年3月期の売上高は約304億円、EBITDAマージンは60.5%を見込んでおり、当社が開示している中長期財務目標に沿った計画となっております。
(注) 野村證券は、当社株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び当社から提供を受けた一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。当社の事業計画については、当社の経営陣により算定時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は2024年8月13日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、当社取締役会が当社株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
(ⅲ)本新株予約権に係る算定の概要
本公開買付けの対象には本新株予約権も含まれますが、本新株予約権については、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、本新株予約権買付価格が1円とされていることから、当社は第三者算定機関から算定書及び本新株予約権買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
本特別委員会は、本件パートナー候補、公開買付者、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてCPAパートナーズを選任し、2024年8月13日付で当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(CPAパートナーズ)」といいます。)を取得しています。なお、CPAパートナーズは、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、本取引に係るCPAパートナーズの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬とされており、本取引の成否等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。なお、当社は、CPAパートナーズから、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
CPAパートナーズは、複数の算定手法の中から当社株式の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所グロース市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行っております。上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法:1,375円~2,766円
DCF法 :3,039円~4,117円
市場株価法では、2024年8月13日を算定基準日として、東京証券取引所グロース市場における当社株式の算定基準日の終値1,375円、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,530円、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,688円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値2,766円を基に、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,375円から2,766円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した事業計画(2025年3月期から2029年3月期までの5期分)に基づく収益予測、投資計画、投資期間等、合理的と考えられる前提を考慮した上で、当社が2024年4月1日以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を3,039円から4,117円までと算定しております。
CPAパートナーズがDCF法による分析に用いた当社作成の事業計画においては、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、加味しておりません。なお、CPAパートナーズがDCF法による分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的にはタワー事業及び国内IBS事業においてサービス対象の施設数の増加、テナンシーレシオの向上を見込んでいることから、売上高は、2025年3月期及び2026年3月期においては対前年比30%超の増収、2027年3月期においては対前年比40%超の増収となることを見込んでおります。EBITDAについては、2026年3月期においては対前年比50%超の増益、2027年3月期においては対前年比70%超の増益、2028年3月期においては対前年比30%超の増益となることを見込んでおります。営業利益については、2025年3月期において変則的に固定資産税が増加することから、40%超の減益を見込むものの、その後2026年3月期おいては対前年比360%超の増益、2027年3月期においては対前年比240%超の増益、2028年3月期においては対前年比50%超の増益となることを見込んでおります。なお、2027年3月期の売上高は約304億円、EBITDAマージンは60.5%を見込んでおり、当社が開示している中長期財務目標に沿った計画となっております。
(注) CPAパートナーズは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(薄外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。また、当該財務予測については、本特別委員会が当社との間で質疑応答を行うとともに、その内容や前提条件等の合理性を確認しております。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所グロース市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことですので、かかる手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所グロース市場において取引することはできません。
なお、上場廃止を目的とする理由、少数株主への影響及びそれに対する考え方につきましては、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおりです。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することができなかった場合は、本公開買付けの成立後、当社に対し、以下の方法により、当社を非公開化することを目的とした本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式併合
具体的には、公開買付者は、会社法第180条に基づき本株式併合及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに当社に要請する予定とのことです。また、公開買付者及びカルティブは、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。なお、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2024年11月下旬から12月上旬を目途に予定しているとのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案について承認された場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会において承認された本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することになるとのことです。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。
当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、カルティブ及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを当社に対して要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、2024年8月14日現在において未定ですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者及びカルティブが当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、カルティブ及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。
本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、カルティブ及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められているとのことです。
上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、カルティブ及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、本株式併合に反対する当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、カルティブ及び当社を除きます。)は、上記申立てを行うことができるようになる予定とのことです。なお、上記申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになるとのことです。
上記の手続については、関係法令についての改正、施行、当局の解釈等の状況等によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があるとのことです。ただし、その場合でも、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(ただし、公開買付者、カルティブ及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者及び当社間で協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
② 新株予約権の無償取得
本新株予約権については、本新株予約権に係る発行要項において、当社株式について、証券取引所その他の公開市場(以下「証券取引所等」といいます。)に上場又は登録された後、いずれの証券取引所等においても取引されなくなることとなる上場廃止又は登録取消承認等の議案が当社株主総会で承認されたときは、当社は、当社株主総会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権を無償で取得することができるとされております。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにおいて本新株予約権の全部を取得できず、かつ、本新株予約権が行使されずに残存した場合には、残存する本新株予約権の全部について上記の規定に基づき無償で取得することを当社に要請することを予定しているとのことです。なお、当社は、当該要請を受けた場合には、当該要請に応じる予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、当社の株主及び本新株予約権者の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)買付け等の価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
本書提出日現在、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引はいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しませんが、公開買付者及び当社は、公開買付者が本取引を通じて当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みますが、当社が所有する自己株式及び本不応募合意株式を除きます。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を非公開化することを目的としており、また、公開買付者は、田中氏等、日本電信電話及びNTTドコモとの間において、それらの所有する当社株式について、本応募契約及び本不応募契約を締結し、かつ、カルティブとの間で本条件規定書(下記「(7)公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」の「⑤ 本株主間契約にかかる本条件規定書」において定義します。)を締結していることから、田中氏等、日本電信電話及びNTTドコモと当社の一般株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを考慮して、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施しました。なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
なお、公開買付者は、本応募合意株式の合計数(6,582,659株、所有割合:25.58%)及び不応募合意株式の数(4,677,500株、所有割合:18.18%)に鑑みて、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定していないとのことですが、公開買付者及び当社において以下の①から⑧までの措置が講じられていることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことであり、当社としても同様に判断しております。
① 入札手続の実施
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、当社は2024年5月下旬より、本件パートナー候補のうち、DigitalBridgeを含む2社を対象とした本件プロセスを実施し、当該2社に2024年5月下旬から2024年7月上旬までデュー・ディリジェンスの機会を付与いたしました。その上で、2024年7月上旬から下旬にかけて当該2社より提案書を受領しました。
当社は、提案内容の実現の蓋然性、資金調達の前提条件、本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から総合的に優れていたことから、DigitalBridgeとの間で、本取引の実施に向けた最終交渉を行うこととしました。その後、当社及びDigitalBridgeは継続的に交渉を重ね、DigitalBridgeより最終的に本公開買付価格を3,600円とし、本新株予約権買付価格を1円とする提案を受けました。
以上のとおり、当社は、本件プロセスを実施し、複数の本件パートナー候補から当社の企業価値向上に向けた提案を受ける機会を確保しました。
② 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2024年5月17日、本件プロセスの実施のため、当社取締役会による決議により、本特別委員会を設置しました。本特別委員会は、当社の独立社外取締役である太田直樹氏(当社独立社外取締役)及び大場睦子氏(当社独立社外取締役)並びに高橋明人氏(外部有識者、高橋・片山法律事務所、弁護士)の3氏で構成されております。なお、本特別委員会の委員長としては、太田直樹氏が選定されており、本特別委員会の委員は、設置当初から変更されておりません。本特別委員会の各委員は、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社との間に一切の利害関係を有しておらず、また、本取引の成否に関しても一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認しております。なお、本特別委員会の各委員に対しては、その職務に係る報酬として、答申内容にかかわらず固定額の報酬を支払うものとされており、当該報酬には、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
そして、当社は、上記の当社取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問しました。
また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)本取引の実施に関する当社取締役会の意思決定は、公開買付けへの賛否を含め、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うものとすること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当ではないと判断した場合には、その実施を承認しないこととすることを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社が本件パートナー候補との間で行う交渉の過程に実質的に関与すること(必要に応じて、本件パートナー候補との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら本件パートナー候補と交渉を行うことを含む。)、(ⅱ)本諮問事項に関する検討及び判断を行うに際し、必要に応じ、自らの財務若しくは法務等に関するアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含む。)すること、並びに、(ⅲ)必要に応じ、当社の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本諮問事項の検討及び判断に必要な情報を受領することについて権限を付与することを決議しております。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役7名のうち、大株主グループのうちKDDI株式会社の完全子会社であるKDDIエンジニアリング株式会社の役職員の地位を2022年6月まで有していた内田義昭氏及び大株主グループのうち日本電信電話の役職員の地位を有する石田信吾氏を除く当社の取締役5名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行いました。また、上記の当社取締役会においては、当社の監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
また、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」に記載のとおり、当社は、2024年7月16日開催の当社取締役会において諮問事項の追加を行っておりますが、当該取締役会においては、当社の取締役9名のうち、公開買付者と本応募契約(田中氏)を締結する可能性のあった田中氏、大株主グループのうちKDDI株式会社の完全子会社であるKDDIエンジニアリング株式会社の役職員の地位を2022年6月まで有していた内田義昭氏、大株主グループのうち日本電信電話の役職員の地位を有する新國貴浩氏並びに本件パートナー候補の関係会社の役職員の地位を有するMatthias Vukovich氏及び佐藤あすか氏を除く当社の取締役4名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行いました。
さらに、上記の当社取締役会の審議及び決議に参加しなかった田中氏、内田義昭氏、新國貴浩氏、Matthias Vukovich氏及び佐藤あすか氏の5名が上記議案につき会社法に定める特別の利害関係を有していない可能性があり、その場合、当該議案について取締役会の定足数を満たしていないことになる可能性があるため、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、田中氏、内田義昭氏、新國貴浩氏、Matthias Vukovich氏及び佐藤あすか氏の5名のうち、本件パートナー候補又はその関係会社の役職員を兼務していない田中氏、内田義昭氏及び新國貴浩氏を加えた取締役7名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議しました(なお、当該議案の採決時においては、本条件規定書の締結は予定されていなかったため、田中氏を加えて審議及び決議を行いました。)。また、上記の当社取締役会においては、当社の監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2024年5月22日から同年8月13日までの間に合計11回、合計約18時間にわたって開催され、また、必要に応じて都度電子メール又は電話連絡を通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行う等して、本諮問事項について、慎重に協議及び検討を行いました。
具体的には、本特別委員会は、まず、2024年5月22日、当社がファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任した野村證券並びにリーガル・アドバイザーとして選任したアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、それぞれ十分な専門性を有し、また、①公開買付者、②DigitalBridgeを含む本件パートナー候補、③大株主グループ、④田中氏等、及び、⑤当社のいずれに対しても独立性を有しており、かつ、これらとの間で重要な利害関係を有していないこと等を踏まえ、野村證券及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所の選任を承認いたしました。また、本特別委員会は、2024年6月11日、本特別委員会独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、十分な専門性を有し、また、上記①乃至⑤のいずれに対しても独立性を有しており、かつ、これらとの間で重要な利害関係を有していないCPAパートナーズを選任し、CPAパートナーズから専門的助言を受けることを決定いたしました。また、本特別委員会は、本特別委員会として独自のリーガル・アドバイザーは選任せず、本特別委員会としても、必要に応じて、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から専門的助言を受けることを確認しております。
その上で、本特別委員会は、本諮問事項の検討にあたり、当社との間で面談を複数回にわたり開催し、本件パートナー候補からの提案内容に関する評価・検討状況等、本件パートナー候補との間の協議の内容等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行うとともに、当社に対して、当社の経営方針等、非公開化・上場廃止に関する評価・検討状況、及び、本取引に関する評価・検討状況等につき質問し、当社より、書面による回答を受領するとともに、これらの点に関する質疑応答を行っております。
また、本特別委員会は、本件プロセスに参加したDigitalBridgeを含む本件パートナー候補2社との間で面談を開催し、本取引の背景・意義・目的、本取引により当社に想定される悪影響、本取引の想定ストラクチャー・条件、本取引後の当社の経営体制・経営方針等に関する質疑応答を行っております。
さらに、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券から、本取引の内容及び進捗状況等、株式価値算定の内容等、並びに、本件パートナー候補との間の協議・交渉等の状況について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行っております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた助言の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2024年8月13日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で大要以下の内容の答申書を提出しております。
1 本取引の目的は合理的と認められるか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
《結論》
本公開買付けを含む本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する)と考える。
《理由》
・当社及び公開買付者から説明を受けた「(a)本取引の目的及び必要性・背景事情」、並びに「(b)本公開買付けを経て行われる本取引のメリット」について、当社の現在の事業内容及び経営状況を前提とした具体的なものであると考えられること
・まず上記「(a)本取引の目的及び必要性・背景事情」に関して、当社を取り巻く市場環境として、特に以下の点に着目している。すなわち、①2020年以降、国内において、携帯キャリア各社による5Gサービスの開始に伴い、データトラフィック及びインフラコストの増加が顕著となっているとの点、また、日本の通信業界は、Beyond5G、6Gへの新たな通信技術の展開に加え、災害への対応、陸上のルーラルエリアのみならず、空、海、宇宙へと求められるカバーエリアが拡大していくことで、通信事業者の負担も増大し続けることが予想されると考えているとの点、②これにより、通信事業者において効率的なインフラ整備の必要性が高まり、設備投資・運用費用の削減等の手段としてのインフラシェアリングの需要も拡大していると考えているとの点、③補助金等の政府による地方の通信インフラ整備の支援策も、地方における通信環境の改善に向けた取組みを促進しており、効率的な通信環境の改善策としてのインフラシェアリングの重要性を一層高めていると考えているとの点、④近年のサステナビリティへの関心の高まりにより、インフラシェアリングは環境保護に寄与する手段として注目を集めるようになっているとの点、⑤人口減少社会が進む中、屋内外のネットワーク整備や通信インフラの維持運用は、インフラシェアリングにより効率化していく必要性が高まっている点、並びに、⑥海外においても、近年、新興国を中心に、新規大型施設の開発や将来的な5Gの展開需要を背景として、屋内インフラシェアリングの必要性が高まっていると考えているとの点である。これらは、いずれも当社の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合すると考えられるとともに、当社に固有の状況も踏まえた具体的なものであると言えること
・上記のとおりの市場環境についての認識を前提に、当社がシェアを維持し、需要の拡大に応え続けるためには、国内IBS事業及び海外IBS事業において、大型施設内の携帯基地局関連インフラに関して当社の開発した共用設備の導入を加速するとともに、タワー事業においても、鉄塔の新設・通信事業者からのカーブアウトをさらに進めていく必要があり、また、携帯キャリア各社間での携帯基地局関連インフラの相互利用の取組みによって拡大する需要に対応するための共同構築に特化した開発も検討していきたいと考えているとの点は、当社が目指すべき将来の方向性として合理的なものであると考えられること
・その一方で、①当社グループの主力事業である国内IBS事業及びタワー事業の成長のためには、継続的な追加の資金需要に機動的に対応していくことが必要となるとの点、②具体的には、国内IBS事業においては、商業施設、複合施設、オフィスビル、医療施設等の大型施設内の携帯基地局関連インフラの整備・拡充が求められ、これに対応するための設備投資が不可欠との点、加えて、③当社は、通信インフラの効率化と高品質なサービス提供を実現するために、無線機やフロントホールのシェアリング等、シェアリング領域の高度化の取組みを行っているところ、当該開発に関する継続的な投資も重要と考えているとの点、また、④タワー事業においても、鉄塔の新設及び通信事業者からのカーブアウトを継続的に実行することが必要であり、これに伴う資金需要も多額となることが見込まれるとの各点は、当社において各種資金需要への対応が重要であると考えているものと言え、適切な課題認識であると考えられること
・このような当社の現在の事業内容及び経営状況を前提として、いわゆる入札手続を通じて、インフラシェアリング事業に適切な知見を持ち、かつ上記資金需要への対応も可能なパートナーを募り、当社の企業価値向上に向けた施策等の提案を受けることとした今般の当社の対応は、将来に向けた合理的な経営判断であると考えられること
・その上で、公開買付者は本公開買付けを通じて当社株式及び本新株予約権を所有することを主たる目的として米国デラウェア州法に基づき設立された有限責任会社(リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)であるところ、DigitalBridgeが管理・運用するDB Pyramid Holdings, LPが公開買付者の唯一の社員(メンバー)とのことであり、DigitalBridgeがデジタルインフラ投資について多くの経験を持ち、また通信タワー領域における運営、資金調達、開発、及びM&Aの豊富な経験を兼ね備えているとの点を踏まえると、今般当社が公開買付者を最終的なパートナーに選ぶことは、上記のとおりの市場環境認識、課題認識、また将来に向けた取組み目標などに合致した合理的なものと考えられること
・また上記「(b)本公開買付けを経て行われる本取引のメリット」に関して、現時点では、以下の各事項を見込んでいるとのこと。すなわち、①DigitalBridgeの傘下にある公開買付者が本取引を通じて当社株式を取得し、当社を非公開化することにより、当社グループの事業が株式市場の変動による短期的な評価に影響されず、また投資家に向けたIR活動に対する負担が軽減されること等が期待され、当社グループにおいてはより戦略的な意思決定が可能となり、経営資源をより効率的に当該意思決定に集中させることが期待されるとの点、②DigitalBridgeにおいて、本取引後の当社グループの成長に必要な資金を全面的にバックアップするためのエクイティ資本を拠出する用意があるとの点、③本取引により、当社グループは、DigitalBridgeが有するデットファイナンスの組成に関する知見及びノウハウへアクセスできるようになり、当社グループの事業に対する効果的な資金調達が可能となることが期待できるとの点、及び、④さらに当社は、当社グループの事業分野における豊富な経験を有するDigitalBridgeの事業パートナーとのネットワークや、これら事業パートナーが海外で所有するタワービジネスからグローバルにおけるベストプラクティス、運営ノウハウ、世界各地の大手通信事業者との連携等を通じて、当社グループの事業において世界水準のベストプラクティス及び潜在的な事業機会を獲得することが可能となるとの点が具体的に検討されているとのことで、その内容は本公開買付けに関する当社プレスリリース最新版ドラフト中に記載されているとおりであるところ、これらは当社における将来の競争力強化に向けていずれも現実的なものであると考えられること
・他方で、上記①から④の施策の実行により、当社において調達した資金を各種事業へ投資することで、中長期的に見れば当社の成長及び収益の拡大を見込むものの、一時的には相当額の費用支出が先行する可能性もあり得ること等を考慮すると、短期的には当社の財務状況や業績の悪化をもたらすリスクがあるものと考えられ、従って当社が上場を維持したままこれらの各施策及び投資等を実行した場合には、資本市場から十分な評価が得られず当社の株式価値が毀損する可能性があると言え、今般予定されている本取引の実施により当社を非公開化することは、一時的な投資負担の増加や短期的な業績悪化が株価に与え得る影響にとらわれることなく、これまで以上に迅速な意思決定を可能とすべく、より中長期的視点に立脚した成長戦略の推進を可能とするための対応、施策として合理的なものであると言えること
・当社における必要な資金調達に関して、株式市場においては、株価の状況により資金調達に制約が生じる可能性があり、また短期的な収益性が重視される傾向が強く、将来の成長を見据えた先行投資が実施しづらい状況にあると考えているとのこと。他方で、当社を非公開化することで、DigitalBridgeによる機動的な成長資金の調達を安定的に行うことが期待でき、将来の追加の資金需要により機動的に対応することや長期的な観点での先行投資が可能となり、ひいては、インフラシェアリング市場における成長機会を適切に捉え、事業成長スピードをより高めることができると考えているとの点は、当社事業に即した非常に具体的なものであると言えること
・以上のとおり、将来的な当社事業の継続と企業価値を向上させるためには、短期的には投資等が先行することにより収益が悪化すると見込まれたとしても、中長期的な視点に基づき、当社の競争力を高めるための投資等及び新たな事業機会の拡大を含む機動的な事業拡充施策の立案及び実行が重要な経営課題であると認識した上で、当該施策の実施に向けた対応が必要な状況であると考えているとのことであり、これら当社及び公開買付者から説明を受けた当社の今後の事業見通し及び成長見通し並びに本取引後に実施を検討している施策等については、当社の事業内容及び経営状況を前提とした上で、公開買付者の経営方針をも踏まえたものと言え、いずれも不合理なものとは認められないこと
・なお、本取引に伴う当社の非公開化によるデメリットとして、一般的には、上場会社というステータスを失うことにより、①資本市場を通じたエクイティファイナンス等による資金調達が困難となる、②上場会社としてのブランドを喪失することで従業員の採用・リテンションに悪影響が生じる、③取引先をはじめとするステークホルダーに対する信用力が低下する等の懸念があり得るものの、①については、前記DigitalBridgeから当社に対する追加のエクイティ資本の提供を受ける体制を整備することで、機動的な成長資金の調達を安定的に行うことができるとのこと、②については、当社は日本におけるインフラシェアリングのパイオニアとしてのポジションを確立しており、上場会社としての地位を失うことによる従業員の採用・リテンションへの悪影響は限定的であるとのこと、③については、本取引成立後も当社の日本におけるインフラシェアリングのパイオニアとしてのポジション及び事業上の強みは不変であり、また、当社の事業はいわゆるB to Bビジネスであることから、非公開化によっても取引先をはじめとするステークホルダーに対する信用力が低下することはないと考えられるとのことであり、これらを踏まえると当社の非公開化によるデメリットは限定的であるとの当社の整理・認識は合理的なものと考えられること
2 本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか
《結論》
本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考える。
《理由》
・当社において、本取引の条件、とりわけ本公開買付けにおける当社株式に係る本公開買付価格の公正性・妥当性を確保するために、その検討及び判断に際して、当社株式に係る株式価値算定のための独立の第三者算定機関(以下「本第三者算定機関」といいます。)として野村證券を選任し、本第三者算定機関から株式価値算定書を取得した上で、当該株式価値算定書を参考としていること
・本第三者算定機関作成の株式価値算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること
・上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、また当該算定の前提となっている当社の事業計画の内容に関する当社及び本第三者算定機関から当特別委員会に対する説明を踏まえ、当特別委員会においても、当社の事業計画の作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から事業計画の合理性を確認しており、結論として当該事業計画を合理的なものであると考えていること
・これらを踏まえ、本第三者算定機関作成の株式価値算定書について、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと考えられること
・また、当該株式価値算定書を基礎として当社においても本取引の必要性及びメリット、当社の今後の事業への影響といった事情等を全般的に考慮した上で、本公開買付価格の検討を行ってきたと言えること
・当社において、本第三者算定機関を経験豊富なファイナンシャル・アドバイザーとして起用し、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引全般の条件交渉を複数回にわたり実施したと言えること
・当社において本第三者算定機関から取得した株式価値算定書を前提に、当社と公開買付者との間で合意された本公開買付価格は、当該算定結果の範囲内であること。特にDCF法による算定との関係では、算定レンジの中央値を超える価格となっていること
・上記当社選任の本第三者算定機関に加えて、当特別委員会においても、本取引の条件、とりわけ本公開買付価格の公正性・妥当性を確認するべく、当社株式に係る株式価値算定のための独自の第三者算定機関としてCPAパートナーズを選任し、CPAパートナーズから株式価値算定書を取得した上で、当該株式価値算定書を参考としていること
・CPAパートナーズ作成の株式価値算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること
・上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、また当該算定の前提となっている当社の事業計画については、前記のとおり当社及び本第三者算定機関から当特別委員会に対する説明を踏まえ、当特別委員会においても、当社の事業計画の作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から事業計画の合理性を確認しており、結論として当該事業計画を合理的なものであると考えていること
・これらを踏まえ、CPAパートナーズ作成の株式価値算定書について、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと考えられること
・当社と公開買付者との間で合意された本公開買付価格は、CPAパートナーズによる算定結果の範囲内であること。特にDCF法による算定との関係では、算定レンジの中央値を超える価格となっていること
・本答申書提出日(上記両株式価値算定における市場株価法に係る算定基準日)の当社株式の取引終値(1,375円)並びに直近1ヶ月平均、直近3ヶ月平均及び直近6ヶ月平均の終値単純平均値(1,530円、1,688円及び2,766円)に対して約30.15%から約161.82%に相当するプレミアムが付されたものとなっている。本公開買付けに関する当社プレスリリース最新版ドラフト中に記載されている過去の類似事例におけるプレミアムの実例(その具体的な内容、数字は次項目記載のとおりである)を踏まえると、本公開買付価格に付されたプレミアムは特段異なる水準を提示しているものとは考えられず、十分に合理的水準であると推定されること(なお、過去の類似事例におけるプレミアムの実例については、当社プレスリリース最新版ドラフトに記載されたとおりの内容・数字であるところ、これらに関する当社のファイナンシャル・アドバイザーからの説明内容について、当特別委員会においても特段不合理な点は見当たらないものと考えている)
・上記「過去の類似事例におけるプレミアムの実例」の具体的な内容、数字は以下のとおりである。すなわち、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2024年8月13日までに公表され、かつ、成立した上場会社の非公開化を目的とした公開買付け事例(MBO事例、公開買付者グループにおける対象者が連結子会社又は関連会社である事例、プレミアムがマイナスとなる事例等を除く。)におけるプレミアムの実例58件(プレミアム水準の平均値は、公表日の前営業日が58.65%、直近1ヶ月間が59.74%、直近3ヶ月間が60.92%、直近6ヶ月間が62.18%。)と比較して、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準(30.15%)は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(62.18%)を下回るものの、公表日の前営業日の終値並びに直近1ヶ月間及び直近3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム水準(それぞれ161.82%、135.29%及び113.27%)は本取引に類似する過去事例におけるプレミアム水準(それぞれ58.65%、59.74%及び60.92%)を上回る水準にあること
・これらの当社における対応は、本公開買付けを含む本取引の条件とりわけ本公開買付価格の公正性・妥当性を確保し、またこれらに関する当社の判断及び意思決定について、その過程から恣意性を排除するための方法として合理性・相当性を有するものと考えられること
・さらに、当社からの説明によれば、本スクイーズアウト手続の条件に関しても、今後特段の事情がない限り、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定、決定する予定であること
・この点、本スクイーズアウト手続は、本公開買付けの後、本公開買付けに続く手続として行われることが予定されているもの(いわゆる二段階買収としての手続)であり、時間的に近接した両手続における取引条件が同一のものとなるようにすることは合理的と考えられること
・なお、本公開買付けにおいて、本新株予約権に係る買付価格は各新株予約権1個あたり1円とのことであるところ、これは一般的に新株予約権についてその譲渡によって価値が具現化されることは想定されておらず、原則としては新株予約権を行使して株式へ転換した上でその価値が具現化されることが想定されているとの整理のもと、譲渡制限のある本新株予約権についても、新株予約権者においてこれを行使して当社株式を取得した後に、当該当社株式を本公開買付けへ応募することを想定しているとのことであり、かかる整理及び取扱いは特段不合理なものではないと考えられること
・買付予定数の上限・下限や撤回等の条件、二段階買収に関する事項などをはじめとする本公開買付価格以外の本取引の諸条件についても、本公開買付けの成立を不安定にしたり強圧性を生じさせたりする等、少数株主にとって不利となるような条件は設定されておらず、妥当であると考えられること
3 本取引に係る手続の公正性が確保されているか
《結論》
本取引に係る手続の公正性が確保されていると考える。
《理由》
・当社は本取引への対応を検討するにあたり、当社における検討及び意思決定の過程に対する公開買付者の影響を排除するべく、当社及び公開買付者(加えて田中氏等、本件パートナー候補及び大株主グループ)のいずれからも独立した当特別委員会を設置していること
・当特別委員会の委員全3名の過半数である2名はいずれも当社の独立社外取締役であり、残る1名は外部の専門家である弁護士であること
・さらに当該独立社外取締役のうち1名が当特別委員会委員の互選により同委員会の委員長に選定されていること
・当社は、本取引への対応を検討するにあたり、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確保すべく、当社株式に係る株式価値の算定を、当社及び公開買付者(加えて田中氏等、本件パートナー候補及び大株主グループ)のいずれからも独立した第三者算定機関である野村證券へ依頼した上で、株式価値算定書を取得していること、また野村證券の上記独立性に関し当特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・また本取引に関する法的助言を得るべく、当社及び公開買付者(加えて田中氏等、本件パートナー候補及び大株主グループ)のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任していること、またアンダーソン・毛利・友常法律事務所の上記独立性に関し当特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・さらに当特別委員会においても、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確認すべく、当社株式に係る株式価値の算定を、当社及び公開買付者(加えて田中氏等、本件パートナー候補及び大株主グループ)のいずれからも独立した第三者算定機関であるCPAパートナーズへ依頼した上で、株式価値算定書を取得していること、またCPAパートナーズの上記独立性に関し当特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・今般の本スクイーズアウト手続を含む本取引において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当せず、また当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)取引にも該当しないと理解される。他方で、公開買付者及び当社は、公開買付者が本取引を通じて当社株式の全て(ただし、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含むが、当社が所有する自己株式及びカルティブが所有する当社株式を除く。)及び本新株予約権の全てを取得することにより、当社を非公開化することを目的としており、また、公開買付者は、田中氏等及び大株主グループのうちの一部の者との間において、それらの所有する当社株式に係る応募契約及び不応募契約を締結し、かつ、カルティブとの間で本条件規定書を締結するとのことから、田中氏等及び大株主グループのうちの一部の者と当社の一般株主の利害が必ずしも一致しない可能性があることを考慮して、公開買付者及び当社は、本公開買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置を実施する必要を認識していたとのこと。かかる状況を踏まえ、当社においては、前記の体制を構築した上で、本取引についてより慎重に条件の妥当性・公正性を担保する必要がある旨を認識して、当社から公開買付者に対して協議過程の早い段階から少数株主の利益に十分配慮した取引条件を要請してきたと言えること
・当社と公開買付者との間の協議及び交渉の方針に関して、当社及び当社のファイナンシャル・アドバイザーでもある野村證券から当特別委員会に対して交渉方針等の説明が行われた上で、当特別委員会において確認された当該交渉方針の下に公開買付者との交渉が進められたこと
・当社と公開買付者との間の協議及び交渉の具体的な状況についても、適時に当特別委員会への報告が行われてきており、かつ特に本公開買付価格に関する協議及び交渉の局面においては、当該報告の内容を踏まえ当特別委員会から当社及び当社のファイナンシャル・アドバイザーでもある野村證券に対して意見を述べるとともに、必要と考えられる提言及び要請等を行うなど、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の交渉過程に当特別委員会が実質的に関与可能な体制が確保されていること
・その上で、条件の妥当性及び公正性並びに現実性といった事情について、当社において全般的な検証を重ねた上で、公開買付者との複数回に及ぶ協議を経て本公開買付価格の妥当性についての検討を行い、今般取締役会決議が予定されている価格についての最終的な調整が進められたこと
・その後、最終的に当社及び公開買付者間で本公開買付価格を含む本取引の条件について合意するに至り、当社において、当該合意された価格をもって、取締役会で決議を予定している本公開買付価格となったこと
・さらに、いわゆる二段階買収等に関しても、早期かつ詳細な開示及び説明を行う予定とのことであり、当社株主の適切な判断機会の確保に努めていると言えること、その他公開買付者及び当社が作成し開示する予定の各開示書類において、当社株主(とりわけ少数株主)が本公開買付けを含む本取引の各条件の妥当性等を判断するために必要かつ相当と考えられる情報が開示される予定となっていること
・利害関係を有すると整理される当社取締役について、当社における本取引の検討に加わっておらず、また今後開催される本取引に関する取締役会に関し定足数充足等に配慮しつつその審議及び決議にも参加しない予定であることなど、意思決定過程における恣意性の排除に努めていると言えること
・本公開買付けにおいては、本公開買付けに関する当社プレスリリース最新版ドラフトに記載のとおりの内容の買付予定数の下限が設定される予定である。この点、当該下限の設定により、本公開買付けへの応募が少ない場合には、本公開買付けを通じた当社株式の買付け等が行われないことになり、この点は当社の少数株主(いわゆる一般株主)の意向を可能な限り尊重するものと言えること
・なお、本公開買付けにおいては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティの条件設定(以下「MoM」といいます。)は行われていないものの、MoMはかえって本公開買付けの成立を不安定なものとしてしまう可能性もあり得るところである。加えて、MoMが設定された結果、一定の場合には本公開買付けが成立しない状況もあり得、これは本公開買付けへの応募を希望する少数株主の利益には資さない可能性もあり得るところである。そのため、他のいわゆる公正性担保措置について相当程度の配慮が行われていると言えること等を踏まえると、形式的にMoMがないことを特に注視しなければならない状況にはないものと考えられること
・本公開買付けにおいて、その買付期間は39営業日と法令上の最短期間である20営業日よりも長期の期間が設定される予定であること。また、当社は公開買付者との間で、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するようないわゆる取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者と接触することを制限するような内容の合意を行っていないこと等から、いわゆるマーケット・チェックの観点において特段不合理な状況にはないものと考えられること
・なお、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェックに関しては、本取引においては情報管理の点に留意をしつつ、いわゆる入札の手続が実施されていること。その概要は本公開買付けに関する当社プレスリリース最新版ドラフト中に記載されているとおりであるところ、本件パートナー候補として複数の相手先から提案を募り、各提案内容を当社において実質的に検討した上で、提案内容の実現の蓋然性、資金調達の前提条件、本取引後の経営戦略及びその支援体制等の観点から総合的に優れていると考えられる相手先との間で、本取引の実施に向けた最終交渉を行うこととし、その後の交渉に臨んでいること。かかる対応は、当社において当社の企業価値向上に向け、より優れた条件について比較検討を行うことを可能とする合理的なものと考えられること
・本取引においては、当社の非公開化のために、いわゆる二段階買収の手続が予定されている(現状、株式併合の手続によることが予定されている)ところ、株式併合に関連する少数株主(一般株主)の権利保護を目的とした会社法上の規定として、所定の条件のもと、当社の株主は、当社に対し、自己の所有する普通株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社普通株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められていること。かかる申立てが行われた場合の価格の決定は、最終的には裁判所が判断することとなり、当社の少数株主(一般株主)においては、かかる手続を通じて経済的な利益の確保を図ることが可能とされていること
・以上のとおり、本公開買付け及び本スクイーズアウト手続の条件の公正性の担保に向けた客観的状況の確保等の諸点について、具体的な対応が行われているものと考えられ、公正な手続を通じた当社株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること
4 上記1から3までを踏まえ、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか
《結論》
上記1から3までを踏まえると、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考える。
《理由》
・上記1から3までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、当特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の少数株主にとって不利益なものであると考える事情は現時点において特段見当たらず、従って本取引は当社の少数株主にとって不利益なものではないと考える
5 本取引が第三者による当社株式に対する公開買付けを伴う場合、当該公開買付けに対して当社取締役会が賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して当該公開買付けに応募することを推奨することの是非
《結論》
上記1から4を踏まえれば、現時点において、当社取締役会が本公開買付けに対して賛同の意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること(併せて本新株予約権に関しては、本新株予約権者に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねること)は相当(すなわち「是」)である(従って、当社取締役会が、①本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨(併せて本新株予約権者に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねることとする旨)を決定すること、及び②本公開買付け後に株式併合の方法を用いた本スクイーズアウト手続を実施する旨を決定することは、当社の少数株主にとって不利益なものであるとは言えない)と考える。
《理由》
・これまでに述べたとおり、1.本公開買付けを含む本取引の目的は合理的と認められる(本取引が当社の企業価値向上に資する)と考えられること、2.本取引に係る取引条件(本取引の実施方法や対価の妥当性を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考えられること、3.本取引に係る手続の公正性が確保されていると考えられること、4.上記1.から3.までを踏まえると、本取引は当社の少数株主にとって不利益でないと考えられることからすると、現時点において、当社取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨すること(併せて本新株予約権に関しては、本新株予約権者に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねること)は相当(すなわち「是」)である(従って、当社取締役会が、①本公開買付けに賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨(併せて本新株予約権者に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の判断に委ねることとする旨)を決定すること、及び、②本公開買付け後に株式併合の方法を用いた本スクイーズアウト手続を実施する旨を決定することは、いずれも当社の少数株主にとって不利益なものであるとは言えない)と考えられ、これに反する事情は現時点において特段見当たらない
③ 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対して、当社株式価値の算定を依頼し、本株式価値算定書(野村證券)を取得いたしました。なお、野村證券は、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるCPAパートナーズに対して、当社株式価値の算定を依頼し、2024年8月13日付で本株式価値算定書(CPAパートナーズ)を取得いたしました。なお、CPAパートナーズは、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
⑤ 当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社から独立した法務アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けております。なお、本取引に係るアンダーソン・毛利・友常法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ、田中氏等及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
⑥ 当社における独立した検討体制の構築
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者、本件パートナー候補、大株主グループ及び田中氏等から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2024年4月中旬以降2024年5月上旬までの間に当社の非公開化取引に関する初期的な提案を受けた後、本取引に関する検討(当社株式の株式価値算定の基礎となる事業計画の作成を含みます。)、協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置し、そのメンバーは、公開買付者、本件パートナー候補又は大株主グループ各社の役職員を兼務していない当社の役職員のみから構成されるものとし、かかる取扱いを継続しております。なお、田中氏は、本パートナー提案書が提出されて以降、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉には一切参加しておりません。また、かかる取扱いを含めて、当社の検討体制(本取引の検討、交渉及び交渉に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た法的助言、野村證券から得た財務的見地からの助言、本株式価値算定書(野村證券)の内容、本特別委員会を通じて提出を受けた本株式価値算定書(CPAパートナーズ)、本特別委員会から入手した本答申書、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容並びにその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2024年8月14日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨、及び、本新株予約権者の皆様に対し、本公開買付けに応募するか否かについて本新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議しております。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役9名のうち、公開買付者と本応募契約(田中氏)を締結している田中氏、大株主グループのうちKDDI株式会社の完全子会社であるKDDIエンジニアリング株式会社の役職員の地位を2022年6月まで有していた内田義昭氏、大株主グループのうち日本電信電話株式会社の役職員の地位を有する新國貴浩氏並びに本件パートナー候補の関係会社の役職員の地位を有するMatthias Vukovich氏及び佐藤あすか氏を除く当社の取締役4名にて審議の上、その全員一致により上記の決議を行いました。
さらに、上記の当社取締役会の審議及び決議に参加しなかった田中氏、内田義昭氏、新國貴浩氏、Matthias Vukovich氏及び佐藤あすか氏の5名が上記議案につき会社法に定める特別の利害関係を有していない可能性があり、その場合、当該議案について取締役会の定足数を満たしていないことになる可能性があるため、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、田中氏、内田義昭氏、新國貴浩氏、Matthias Vukovich氏及び佐藤あすか氏の5名のうち、本件パートナー候補又はその関係会社の役職員を兼務しておらず、かつ、本条件規定書の当事者であるカルティブの代表者ではない、内田義昭氏及び新國貴浩氏を加えた取締役6名にて審議の上、改めて当該議案について採決を行い全員一致により決議しました。
また、上記の当社取締役会においては、当社の監査役3名全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
⑧ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
当社及び公開買付者は、当社が公開買付者以外の買収提案者(以下「対抗的買収提案者」といいます。)と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、公開買付期間を39営業日に設定しているとのことです。このように公開買付期間を比較的長期に設定することにより、当社の株主及び本新株予約権者の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について公開買付者以外の者にも買付け等を行う機会を確保することにより、本公開買付価格の適正性を担保することを企図しているとのことです。
(7)公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
① 本応募契約(田中氏)
上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けに際して、公開買付者は当社の第3位の株主であり、当社の代表取締役社長である田中氏との間で本応募契約(田中氏)を締結しているとのことです。本応募契約(田中氏)において田中氏は、その所有する当社株式(本新株予約権の行使により交付される当社株式を含みます。)の全て(1,822,786株、所有割合:7.08%)について、本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。
本応募契約(田中氏)において、田中氏は、以下の事由が全て充足されることを条件として本公開買付けに応募する義務を履行するものとしているとのことです。なお、田中氏はその任意の裁量により、いずれの前提条件も放棄することができるものされているとのことです。
・本公開買付けが適法かつ有効に開始され、かつ撤回されていないこと。
・公開買付者の表明及び保証(注1)が重要な点において真実かつ正確であること。
・本公開買付けの実施のために必要な法令等に基づく手続が完了していること。
・本応募契約(田中氏)に基づき本公開買付け開始日までに公開買付者が履行又は遵守すべき義務(注2)が履行され又は遵守されていること。
・司法・行政機関等に対して、本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の訴訟等又はその申立てが係属しておらず、かつ本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の法令等又は司法・行政機関等の判断等が存在しないこと。
・当社取締役会が本公開買付けについて賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をしており、かつかかる決議が撤回又は変更されていないこと。
(注1) 公開買付者は、(a)公開買付者の適法な設立及び有効な存続、(b)公開買付者による本応募契約(田中氏)の適法かつ有効な締結及び履行、(c)公開買付者に対する本応募契約(田中氏)の強制執行可能性、(d)公開買付者による本応募契約(田中氏)の締結及び履行のために必要な許認可等の取得・履践、(e)公開買付者による本応募契約(田中氏)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(f)公開買付者と反社会的勢力等との関係の不存在、(g)公開買付者に対する倒産手続の不存在について表明及び保証を行っているとのことです。
(注2) 公開買付者は、(a)本応募契約(田中氏)上の義務違反又は表明保証違反に起因又は関連して、田中氏が被った損害等を補償する義務、(b)秘密保持義務その他一般条項に基づく義務を負っているとのことです。
上記に加えて、田中氏及び公開買付者は、相互に以下の義務を負っているとのことです。
・本応募契約(田中氏)の締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、本応募を除き、自らの保有に係る当社株式の全部又は一部について、譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
・本公開買付けが成立した場合、田中氏は、当社において本公開買付けの決済の開始日の前日以前の日を権利行使の基準日として本公開買付けの決済の開始日以後に株主総会が開催されるときは、かかる株主総会において、公開買付者の指示に従ってその保有する当社株式の全てに係る議決権を行使する。
・上述した前提条件が充足される見込みがある場合に限り、田中氏は、本公開買付けの円滑な遂行に資する公開買付者の行為に、必要かつ合理的な範囲で協力する。
・田中氏は、公開買付期間満了日の15営業日前までに、その保有する当社株式の全てに設定された担保権の担保権者であるSMBC日興証券株式会社に対して、田中氏とSMBC日興証券株式会社との間で締結した2021年10月11日付有価証券担保ローン基本約定書に基づき、田中氏からの借入金全額について任意期限前返済の申入れを行い、当該任意期限前返済に対して担保権者の承諾を得るために必要なあらゆる措置(かかる承諾を得るために必要な全ての情報及び書類の迅速な提供並びに必要書類への署名を含むがこれに限られない)を採り、当該任意期限前返済に対するSMBC日興証券株式会社の承諾が得られた場合、公開買付期間満了日の10営業日前までにSMBC日興証券株式会社に対して借入金全額を返済し、担保権を解除する。
・公開買付者は、本公開買付けにおいて法令等に基づいて必要となる書面を作成する。
・公開買付者は、本応募契約(田中氏)に基づく取引の実施に必要となる許認可を取得するための合理的な努力をする。
・公開買付者は、本公開買付価格より低い公開買付価格で公開買付けを開始しない。
なお、本応募契約(田中氏)において、上記記載の内容のほか、特段の合意はなされていないとのことです。
② 本応募契約(日本電信電話)
上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けに際して、公開買付者は当社の第2位の株主である日本電信電話との間で本応募契約(日本電信電話)を締結しているとのことです。本応募契約(日本電信電話)において、日本電信電話は、その所有する当社株式の全て(4,206,400株、所有割合:16.35%)について、本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。
本応募契約(日本電信電話)において、日本電信電話は、以下の事由が全て充足されることを条件として本公開買付けに応募する義務を履行するものとしているとのことです。なお、日本電信電話はその任意の裁量により、いずれの前提条件も放棄することができるものされているとのことです。
・本公開買付けが適法かつ有効に開始され、撤回されていないこと。
・公開買付者の表明及び保証(注1)が重要な点において真実かつ正確であること。
・本公開買付けの実施のために必要な法令等に基づく手続が完了していること。
・本応募契約(日本電信電話)に基づき本公開買付け開始日までに公開買付者が履行又は遵守すべき義務(注2)が履行され又は遵守されていること。
・司法・行政機関等に対して、本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の訴訟等又はその申立てが係属しておらず、かつ本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の法令等又は司法・行政機関等の判断等が存在しないこと。
・日本電信電話が認識している、当社に係る業務等に関する重要事実で未公表のもの及び当社の株券等の公開買付け等の中止に関する事実で未公表のものが存在しないこと(ただし、法第166条第6項各号のいずれか又は第167条第5項各号のいずれかの適用がある場合を除く)。
・当社取締役会が本公開買付けについて賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をしており、かつかかる決議が撤回又は変更されていないこと。
(注1) 公開買付者は、(a)公開買付者の適法な設立及び有効な存続、(b)公開買付者による本応募契約(日本電信電話)の適法かつ有効な締結及び履行、(c)公開買付者に対する本応募契約(日本電信電話)の強制執行可能性、(d)公開買付者による本応募契約(日本電信電話)の締結及び履行のために必要な許認可等の取得・履践、(e)公開買付者による本応募契約(日本電信電話)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(f)公開買付者と反社会的勢力等との関係の不存在、(g)公開買付者に対する倒産手続の不存在(h)公開買付者が本応募契約(日本電信電話)の履行に十分な資金を保有していることについて表明及び保証を行っているとのことです。
(注2) 公開買付者は、(a)本応募契約(日本電信電話)上の義務違反又は表明保証違反に起因又は関連して、日本電信電話が被った損害等を補償する義務、(b)秘密保持義務その他一般条項に基づく義務を負っているとのことです。
ただし、本応募契約(日本電信電話)において、日本電信電話は、(ⅰ)第三者が当社株式に対する法第27条の2以下の規定に基づく公開買付け(以下「対抗的公開買付け」といいます。)を公表又は開始し、かつ、対抗的公開買付けが撤回されておらず、(ⅱ)当該対抗的公開買付けの買付価格が本公開買付けの買付価格(公開買付者が本公開買付期間の末日の前営業日又は対抗的公開買付けに係る公開買付期間の末日の前営業日のいずれか早い日までの間に本公開買付けに係る買付価格を変更した場合には、当該変更後の買付価格をいう。)よりも高い場合には、本公開買付けに応募する義務から免れ、又は日本電信電話が既に本公開買付けに応募していた場合には撤回することができるものとされているとのことです。
上記に加えて、日本電信電話及び公開買付者は、相互に以下の義務を負っているとのことです。
・日本電信電話は、本応募を行わず若しくは本応募を撤回することができる場合、又は、日本電信電話の義務の履行の前提条件の全部若しくは一部が不充足である場合を除き、本応募契約(日本電信電話)の締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、本応募を除き、自らの保有に係る当社株式の全部又は一部について、譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
・日本電信電話は、当社において本公開買付けの決済の開始日の前日以前の日を権利行使の基準日として本公開買付けの決済の開始日以後に株主総会が開催される場合、かかる株主総会において、公開買付者の指示に従って当社株式に係る議決権を行使する。
・公開買付者は、本公開買付けにおいて法令等に基づいて必要となる書面を作成する。
・公開買付者は、本応募契約(日本電信電話)に基づく取引の実施に必要となる許認可等を取得するための合理的な努力をする。
・日本電信電話は、①当社に係る業務等に関する重要事実を知った場合又は②当社の株券等の公開買付け等の中止に関する事実を知った場合(いずれの場合においても、公表(法第166条第4項又は同法第167条第4項に定めるものをいう。)されていない場合に限る。)、実務上合理的に可能な範囲において速やかに、公開買付者に対してその旨(ただし、当該事実の内容を除く。)を通知する。ただし、当該通知を行うことが、日本電信電話が第三者に対して負う守秘義務その他の義務の違反となる場合には、この限りでない。なお、日本電信電話は、公開買付者が、本応募が法第166条又は同法第167条に違反することを回避するために、当社と協議を行うこと又はその他必要な措置を採ることにつき、異議を述べず、又は自ら、自らの関係会社若しくは第三者を通じて、これを妨げない。
なお、本応募契約(日本電信電話)において、上記記載の内容のほか、特段の合意はなされていないとのことです。
③ 本応募契約(NTTドコモ)
上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けに際して、公開買付者は当社の第10位の株主であるNTTドコモとの間で本応募契約(NTTドコモ)を締結しているとのことです。本応募契約(NTTドコモ)においてNTTドコモは、その所有する当社株式の全て(553,473株、所有割合:2.15%)について、本公開買付けに応募する旨の合意をしているとのことです。本応募契約(NTTドコモ)において、NTTドコモは、以下の事由が全て充足されることを条件として本公開買付けに応募する義務を履行するものとしているとのことです。なお、NTTドコモはその任意の裁量により、いずれの前提条件も放棄することができるものされているとのことです。
・本公開買付けが適法かつ有効に開始され、撤回されていないこと。
・公開買付者の表明保証(注1)が重要な点において真実かつ正確であること。
・本公開買付けの実施のために必要な法令等に基づく手続が完了していること。
・本応募契約(NTTドコモ)に基づき公開買付者が履行又は遵守すべき義務(注2)が履行され又は遵守されていること。
・司法・行政機関等に対して、本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の訴訟等又はその申立てが係属しておらず、かつ本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の法令等又は司法・行政機関等の判断等が存在しないこと。
・NTTドコモが認識している、当社に係る業務等に関する重要事実で未公表のもの及び当社の株券等の公開買付け等の中止に関する事実で未公表のものが存在しないこと(ただし、法第166条第6項各号のいずれか又は第167条第5項各号のいずれかの適用がある場合を除く。)
・当社取締役会が本公開買付けについて賛同し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をしており、かつかかる決議が撤回又は変更されていないこと。
(注1) 公開買付者は、(a)公開買付者の適法な設立及び有効な存続、(b)公開買付者による本応募契約(NTTドコモ)の適法かつ有効な締結及び履行、(c)公開買付者に対する本応募契約(NTTドコモ)の強制執行可能性、(d)公開買付者による本応募契約(NTTドコモ)の締結及び履行のために必要な許認可等の取得・履践、(e)公開買付者による本応募契約(NTTドコモ)の締結及び履行についての法令等との抵触の不存在、(f)公開買付者と反社会的勢力等との関係の不存在、(g)公開買付者に対する倒産手続の不存在(h)公開買付者が同契約の履行に十分な資金を保有していることについて表明及び保証を行っているとのことです。
(注2) 公開買付者は、(a)本応募契約(NTTドコモ)上の義務違反又は表明保証違反に起因又は関連して、NTTドコモが被った損害等を補償する義務、(b)秘密保持義務その他一般条項に基づく義務を負っているとのことです。
ただし、本応募契約(NTTドコモ)において、NTTドコモは、(ⅰ)第三者が対抗的公開買付けを公表又は開始し、かつ、対抗的公開買付けが撤回されておらず、(ⅱ)当該対抗的公開買付けの買付価格が本公開買付けの買付価格(公開買付者が本公開買付期間の末日の前営業日又は対抗的公開買付けに係る公開買付期間の末日の前営業日のいずれか早い日までの間に本公開買付けに係る買付価格を変更した場合には、当該変更後の買付価格をいう。)よりも高い場合には、本公開買付けに応募する義務から免れ、又はNTTドコモが既に本公開買け付に応募していた場合には撤回することができるものとされているとのことです。
上記に加えて、NTTドコモ及び公開買付者は、相互に以下の義務を負っているとのことです。
・NTTドコモは、本応募を行わず若しくは本応募を撤回することができる場合、又は、NTTドコモの義務の履行の前提条件の全部若しくは一部が不充足である場合を除き、本応募契約(NTTドコモ)の締結日から本公開買付けの決済の開始日までの間、本応募を除き、自らの保有に係る当社株式の全部又は一部について、譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わない。
・NTTドコモは、当社において本公開買付けの決済の開始日の前日以前の日を権利行使の基準日として本公開買付けの決済の開始日以後に株主総会が開催される場合、かかる株主総会において、公開買付者の指示に従って当社株式に係る議決権を行使する。
・公開買付者は、本公開買付けにおいて法令等に基づいて必要となる書面を作成する。
・公開買付者は、本応募契約(NTTドコモ)に基づく取引の実施に必要となる許認可等を取得するための合理的な努力をする。
・NTTドコモは、①当社に係る業務等に関する重要事実を知った場合又は②当社の株券等の公開買付け等の中止に関する事実を知った場合(いずれの場合においても、公表(法第166条第4項又は同法第167条第4項に定めるものをいう。)されていない場合に限る。)、実務上合理的に可能な範囲において速やかに、公開買付者に対してその旨(ただし、当該事実の内容を除く。)を通知する。ただし、当該通知を行うことが、NTTドコモが第三者に対して負う守秘義務その他の義務の違反となる場合には、この限りでない。なお、NTTドコモは、公開買付者が、本応募が法第166条又は同法第167条に違反することを回避するために、当社と協議を行うこと又はその他必要な措置を採ることにつき、異議を述べず、又は自ら、自らの関係会社若しくは第三者を通じて、これを妨げない。
なお、本応募契約(NTTドコモ)において、上記記載の内容のほか、特段の合意はなされていないとのことです。
④ 本不応募契約
上記「3.当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けに際して、公開買付者は田中氏等との間で本不応募契約を締結しているとのことです。本不応募契約において、カルティブはその所有する当社株式の全て(4,677,500株。所有割合:18.18%)について本公開買付けに応募しない旨の合意を行っているとのことです。また、公開買付者は、田中氏等との間の本不応募契約において、以下の内容を合意しているとのことです。
カルティブは、以下の事由が全て充足されることを条件として本公開買付けに応募しない義務を履行するものとしているとのことです。なお、カルティブはその任意の裁量により、いずれの前提条件も放棄することができるものされているとのことです。
・本公開買付けが適法かつ有効に開始され、撤回されていないこと。
・本公開買付けの実施のために必要な法令等に基づく手続が完了していること。
・本不応募契約に基づき公開買付者が履行又は遵守すべき義務(注1)が履行され又は遵守されていること
・司法・行政機関等に対して、本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の訴訟等又はその申立てが係属しておらず、かつ本公開買付けを禁止又は制限することを求める旨の法令等又は司法・行政機関等の判断等が存在しないこと
・当社取締役会が本公開買付けについて賛同する旨の決議をしており、かつかかる決議が撤回又は変更されていないこと。
(注1) 公開買付者は、本不応募契約上、秘密保持義務その他一般条項に基づく義務を負っているとのことです。
上記に加えて、田中氏等は公開買付者に対して、以下の義務を負っているとのことです。
・カルティブは、本不応募契約締結日から本スクイーズアウト手続完了までの間、自らの保有に係る当社株式の全部又は一部について、譲渡、移転、承継、担保提供その他の処分を行わないこと。
・カルティブは、本不応募契約締結日から本スクイーズアウト手続完了までの間に開催される当社の株主総会において、①剰余金の配当その他の処分に関する議案、②株主提案にかかる議案、及び③可決されれば当社の財政状態、経営成績、キャッシュ・フロー、事業、資産、負債若しくは将来の収益計画又はその見通しに重大な影響を及ぼす又は及ぼすことが合理的に予想される議案が上程される場合、自らが所有する当社株式にかかる当該株主総会における議決権について、当該議案に反対の議決権を行使すること。
・カルティブは、本不応募契約締結日から本スクイーズアウト手続完了までの間、当社の株主総会の招集請求権又は株主提案権を行使しないこと。
・カルティブは、本臨時株主総会において本株式併合及びそれに関連する議案に賛成すること。
・本株式併合の効力が発生した場合、本株式併合の効力発生日以降に開催される当社の株主総会において、カルティブは、自らが所有する当社株式全てにかかる当該株主総会における議決権その他の一切の権利行使について、カルティブと公開買付者との間の合意に従って権利を行使すること。
・田中氏は、カルティブが本不応募契約の下で公開買付者に対して負う義務を履行するために必要な一切の措置を採ること(かかる措置には、本不応募対象株式に設定された担保権の実行を回避するあらゆる措置(被担保債務にかかる弁済義務及び財務制限条項等の適時の履行を含む。)を含む。)。
加えて、本不応募契約において、公開買付者は、(a)同契約上の義務違反に起因又は関連して、カルティブが被った損害等を補償する義務、(b)秘密保持義務その他一般条項に基づく義務を負っているとのことです。
なお、本不応募契約において、上記記載の内容のほか、特段の合意はなされていないとのことです。
⑤ 本株主間契約に係る本条件規定書
公開買付者はカルティブ及び当社との間で、本スクイーズアウト手続完了後に当社の運営に関する株主間契約(以下「本株主間契約」といいます。)を締結し、実行するための交渉を速やかに行う内容を含む条件規定書(以下「本条件規定書」といいます。)を締結しているとのことです。本条件規定書において、公開買付者はカルティブとの間で、①本取引実行後における当社の持株比率をそれぞれ81.82%及び18.18%とする旨の合意、②公開買付者及びカルティブの当社取締役の指名権、③当社の行為のうち、カルティブ又は当社代表取締役による事前承諾が必要とされる事項(会社解散、清算手続等の開始、M&A取引、重要な社内規程の変更、取締役の人数の変更等)、④当社による新株発行時の株主の先買権、⑤株式の譲渡制限及びその譲渡制限の例外に関する合意、⑥株式譲渡における相手方の優先交渉権、⑦共同売却請求権及び強制売却請求権等を、本株主間契約において規定する旨合意しているとのことです。また、本条件規定書においては、公開買付者及びカルティブによる秘密保持義務その他一般条項に基づく義務を規定しているとのことです。
(1)普通株式
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
|
田中 敦史 |
代表取締役社長 |
6,499,886 |
64,998 |
|
桐谷 裕介 |
取締役副社長 インフラシェアリング事業本部長 |
138,600 |
1,386 |
|
中村 亮介 |
取締役副社長 コーポレート本部長 |
31,400 |
314 |
|
大場 睦子 |
取締役 |
2,000 |
20 |
|
山田 彰宏 |
監査役 |
1,200 |
12 |
|
計 |
5名 |
6,673,086 |
66,730 |
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役大場睦子は、社外取締役であります。
(注3) 監査役山田彰宏は、社外監査役であります。
(2)新株予約権
|
氏名 |
役職名 |
所有個数(個) |
株式に換算した数 (株) |
株式に換算した議決権の個数(個) |
|
田中 敦史 |
代表取締役社長 |
1 |
400 |
4 |
|
太田 直樹 |
取締役 |
500 |
2,000 |
20 |
|
永山 淑子 |
監査役 |
300 |
1,200 |
12 |
|
計 |
3名 |
801 |
3,600 |
36 |
(注1) 役職名、所有個数、株式に換算した数及び株式に換算した議決権の個数は、本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役太田直樹は、社外取締役であります。
(注3) 監査役永山淑子は、社外監査役であります。
該当事項はありません。
以 上