【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
ポート株式会社(以下「当社」という。)は日本に所在する株式会社です。登記上の本社の住所は、当社ウェブサイト(https://www.theport.jp/)で開示しております。当社の当第1四半期の要約四半期連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」という。)から構成されています。
当社グループは、「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、テクノロジー×リアルのアプローチにより社会課題を解決していくことを目指し、人材採用、販促における成約支援事業を展開しております。
2.作成の基礎
(1) 要約四半期連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しております。
本要約四半期連結財務諸表は、2023年8月14日に取締役会によって承認されております。
(2) 測定の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、注記「3.重要性がある会計方針」にて別途記載している場合を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円(百万円単位、単位未満切捨て)で表示しております。
3.重要性がある会計方針
当社グループが本要約四半期連結財務諸表において適用する会計方針は、2023年3月31日に終了する連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様であります。
なお、当第1四半期連結累計期間の法人所得税費用は、見積年次実効税率を用いて算定しております。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社グループは、要約四半期連結財務諸表の作成において、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら、その性質上、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しております。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、2023年3月31日に終了する連結会計年度に係る連結財務諸表と同様であります。
5.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
なお、当社グループは、成約支援事業の単一セグメントであります。サービスごとの外部顧客に対する売上収益は、注記「7.売上収益」に記載しております。
6.売却目的で保有する処分グループ
当社は、2023年6月30日開催の取締役会において、当社の子会社であるポートエンジニアリング株式会社(以下「ポートエンジニアリング」といいます。)の全株式を、株式会社ココナラ(以下「ココナラ社」といいます。)に譲渡することを決議しました。
これに伴い、翌四半期連結会計期間にポートエンジニアリングの支配を喪失する可能性が高まったため、当四半期連結会計期間末においてポートエンジニアリングの資産及び負債を売却目的保有に分類される処分グループに分類しております。売却目的保有に分類される処分グループが帰属する報告セグメントは、成約支援事業です。
なお、当社は、ポートエンジニアリングの全株式をココナラ社に譲渡する契約を2023年6月30日に締結し、2023年7月3日に譲渡を完了しております。
売却目的保有に分類される処分グループの内訳は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
7.売上収益
当社グループは、単一セグメントの成約支援事業を展開しております。顧客との契約から認識した収益の分解は、以下のとおりであります。
人材支援サービスでは、主に、就職活動を中心に全ての人のキャリア選択に役立つ、国内最大級の就活ノウハウ情報サイト「キャリアパーク!」の運営等を行っております。
(i)アライアンスサービス
アライアンスサービスにおいては、契約に基づき、主として、「キャリアパーク!」等のメディアにおいて顧客の広告を掲載し、ユーザーを顧客へ送客することによって顧客が定める成果条件を達成する義務を負っております。当該履行義務は、ユーザーが顧客への資料請求やユーザー登録、申込み等の一定の行為に至り、その成果が顧客に承認された時点で充足すると判断し、当該時点で収益を認識しております。収益を認識後、概ね1ヵ月以内に支払いを受けております。
(ⅱ)人材紹介サービス
人材紹介サービスにおいては、契約に基づき個々の採用の成立に関するサービスの提供を行う義務を負っております。当該履行義務は、個々の紹介者の内定承諾時点で充足すると判断し、同時点で収益を認識しております。収益を認識後、概ね1ヵ月以内に支払いを受けております。なお、紹介者が契約に定める一定の期間内に内定辞退する場合には、対価の一部を顧客に返金することが定められていることから、当該返金相当額を返金負債として認識し、契約に定められた対価から返金負債を控除した金額に基づき、収益を計上しております。返金に係る負債の見積りは、過去の返金実績等に基づいた期待値法により行い、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
エネルギー領域では、主に新電力に関するマッチングDXメディアである「エネチョイス」「引越手続き.com」の運営等を行っております。
当領域における送客サービスにおいては、契約に基づき、主として、電力等の切替のニーズがあり、顧客の定める成果条件を満たすユーザーを送客する義務を負っております。当該履行義務は、ユーザーを顧客へ取り次いだ時点(顧客データベースへの登録等)で充足すると判断し、同時点で収益を認識しております。収益を認識後、概ね3ヵ月以内に支払いを受けております。
なお、事後的な取次の否認等の対価の変動を含む取引契約については、契約に定められた対価から変動対価を控除した金額に基づき、収益を認識しております。事後的な否認等の変動対価の見積りは、過去の事後的な否認等に基づいた期待値法により行い、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
ファイナンス領域では、主に、カードローンに関するプロの解説とみんなの口コミが集まるカードローン情報サイト「マネット」の運営等を行っております。
当領域における送客サービスにおいては、契約に基づき、主として、マネット等のメディアにおいて顧客の広告を掲載し、ユーザーを顧客へ送客することによって顧客が定める成果条件を達成する義務を負っております。当該履行義務は、ユーザーが顧客への申込み等の一定の行為に至り、その成果が顧客に承認された時点で充足すると判断し、当該時点で収益を認識しております。収益を認識後、概ね1ヵ月以内に支払いを受けております。
リフォーム領域では、主に、住宅の外壁塗装に関する情報を提供する「外壁塗装の窓口」の運営を行っております。
当領域における送客サービスにおいては、契約に基づき、主として、ユーザーを顧客へ送客することによって、個々の外壁塗装に係る施工契約の成立に関するサービスの提供を負う義務を負っております。当該履行義務は、個々の外壁塗装の施工契約の成立時点で充足すると判断し、同時点で収益を認識しております。収益を認識後、概ね1ヵ月以内に支払いを受けております。なお、事後的な値引き等の対価の変動を含む取引契約については、契約に定められた対価から変動対価を控除した金額に基づき、収益を計上しております。事後的な値引き等の変動対価の見積りは、過去の事後的な値引実績等に基づいた期待値法により行い、収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
③ 新規・その他
新規・その他では、主に、フリーランスマッチングサービスの運営等及び新規事業開発を行っております。
当領域におけるフリーランスマッチングサービスにおいては、契約に基づき、契約期間にわたって顧客へ労働力を提供する義務を負っております。当該履行義務は労働力の提供に応じて充足すると判断し、契約期間におけるフリーランスの稼動実績に応じて収益を認識しております。収益を認識後、概ね1ヵ月以内に支払いを受けております。
顧客との契約から生じた債権、契約負債の残高は、以下のとおりであります。
要約四半期連結財政状態計算書において、顧客との契約から生じた債権のうち、売掛金は営業債権及びその他の債権に含まれております。前連結会計年度末および当第1四半期連結累計期間に認識された収益について、期首時点で契約負債に含まれていた金額はそれぞれ28百万円および40百万円であります。契約負債は、主に採用支援サービスにおいて顧客から受け取った前受対価に関連するものであります。
当社グループにおいては、個別の予想契約期間が1年を超える重要な取引がないため、実務上の便法を使用し、残存履行義務に関する情報の記載を省略しております。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
当社グループにおいては、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産はありません。
8.1株当たり利益
基本的1株当たり四半期利益及び希薄化後1株当たり四半期利益の算定基礎は以下のとおりであります。
9.金融商品
当社グループの主な金融資産及び金融負債の公正価値の測定方法は、次のとおりであります。
これらは短期間で決済されるものであるため、公正価値は帳簿価額と近似していることから、帳簿価額を公正価値とみなしております。
敷金は、償還予定時期を見積り、安全性の高い長期の債券の利回りで割り引いた現在価値により測定しております。
上場株式は、期末日の取引所の価格によって測定しております。
非上場株式は、将来キャッシュ・フロー、将来収益性及び純資産等に基づいた適切な評価モデルにより測定しております。
上記以外のその他の金融資産は、主に短期間で決済されるものであり、公正価値は帳簿価額に近似していることから、当該帳簿価額を公正価値としております。
借入金は、元利金の合計額を新規に同様に借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。なお、短期間で決済される借入金については、公正価値は帳簿価額と近似していることから、帳簿価額を公正価値とみなしております。
社債は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の社債発行又は借入契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により測定しております。
企業結合による条件付対価については、被取得企業の業績達成に応じて支払いもしくは払い戻しが発生する取引であり、対象期間における被取得企業の業績や割引率等を基に測定しております。
上記以外のその他の金融負債は、主に短期間で決済されるものであり、公正価値は帳簿価額に近似していることから、当該帳簿価額を公正価値としております。
要約四半期連結財政状態計算書上、公正価値で測定されていない金融商品の帳簿価額と公正価値は次のとおりであります。なお、借入金を除く帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、敷金以外のその他の金融資産、営業債務及びその他の債務、割賦未払金以外のその他の金融負債)は含めておりません。経常的に公正価値で測定する金融商品についても、公正価値と帳簿価額が一致することから含めておりません。
(注) 上記の金融商品の公正価値ヒエラルキーは、全てレベル2であります。
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性及び重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーを以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて測定した公正価値
レベル3:観察可能でないインプットを用いて測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期末ごとに判断しております。
なお、前連結会計年度及び当第1四半期連結会計期間において、レベル間における振替はありません。また、非経常的に公正価値で測定している金融資産及び金融負債はありません。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)
公正価値ヒエラルキーレベル3に分類した経常的な公正価値測定について、期首残高から四半期末残高への調整表は、以下のとおりであります。これらの金融商品については適切な権限者に承認された公正価値測定の評価方針及び手続に従い、担当部署が対象金融商品の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
前第1四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)
(注) 1.要約四半期連結損益計算書における「金融収益」に含まれております。
2.要約四半期連結包括利益計算書における「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に表示しております。
当第1四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)
(注) 1.要約四半期連結損益計算書における「金融収益」に含まれております。
2.要約四半期連結包括利益計算書における「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産」に表示しております。
レベル3に分類した経常的な公正価値測定について、観察可能でないインプットのうち重要なものは、次のとおりであります。
重要な観察可能でないインプットは被取得企業の業績達成可能性であり、業績達成可能性が高くなれば負債の公正価値は増加し、低くなれば公正価値は減少します。
レベル3に分類した金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれておりません。
10.後発事象
(子会社の取得、第三者割当による自己株式の処分、資金の借入)
当社は、2023年5月12日開催の取締役会において、電力・ガス事業者向けの成約支援サービス、業務支援サービスを運営する株式会社Five Line(以下「Five Line社」といいます。)の発行済株式の一部を取得(以下「本株式取得」といいます。)し子会社化すること(以下「本子会社化」といいます。)、また、Five Line社の株式取得の対価の一部とするために第三者割当による自己株式の処分(以下「本自己株式処分」といいます。)を行うこと、並びに資金の借入れを行うことについて決議しました。
なお、Five Line社の株式取得及び資金の借入れは2023年7月3日、第三者割当による自己株式の処分は2023年7月4日に完了しております。
I.株式取得
1.本株式取得の理由
当社は「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、社会課題に対して、テクノロジー×リアルで解決していくことを目指し、人材採用、販促における成約支援事業を展開しております。販促支援サービスではエネルギー領域、カードローン領域、リフォーム領域に展開し、企業における販促活動支援サービスを提供しております。
当社は2022年3月期第4四半期より、INE社の子会社化を通じてエネルギー領域への参入を決定しました。同社は、WEBマーケティングによるエンドユーザー集客と、インサイドセールスによる電力・ガス成約支援サービスを運営しております。2023年3月期においては、エネルギー市場における外部環境が厳しいなかで、当社事業は善戦し、電力成約件数で年間16.7万件の規模となり、当社グループ業績拡大に大きく寄与しております。
エネルギー市場の外部環境については、依然として不透明な状況もございますが、各地域電力事業者が一般家庭料金の規制料金の値上げを2023年6月以降の予定とし、関係省庁と調整を進めていることや、資源価格高騰、為替円安状況についても前年度と比較すると一定程度の落ち着きもあり、電力事業者の新規顧客獲得スタンスの改善も見込まれてくる状況となっております。
Five Line社は大阪に本社を置き、エネルギー領域において電力・ガス事業者向けの成約支援、業務支援を行っております。Webマーケティングを通じたユーザー集客に強みを持つINE社に対し、リアル販路に強みを有しており、全国1,000以上の不動産会社等を中心とした販売パートナー戦略によってユーザー集客を行い、インサイドセールスによる電力・ガスの成約支援で成長している企業であり、電力成約件数年間約11.2万件の規模となります。
本子会社化による効果として、電力・ガス事業者への当社グループとしての成約支援総数が大幅に増加し、エネルギー領域におけるプレゼンスが高まることや、価格交渉力においても優位性が生まれることで、さらなるWebマーケティング、パートナー戦略が推進され、ユーザー集客数の増加を見込んでおります。また、Five Line社は電力のみの成約でなく、ガス等の付帯率が高いことや、各サービスにおけるストック収益も大きく積み上げており、当社グループのストック収益強化においても大きな貢献が期待できます。
当社は、5月12日開示の中期経営計画の通り、販促支援サービスエネルギー領域を当社の主力事業として成長拡大を更に加速させ、当社グループで早期に年間50万件の電力・ガス等の総成約件数、売上収益100億円突破を目指すべく本子会社化を決定いたしました。
上記の達成に向けて、先述のシナジー効果の発揮やオーガニック成長に加えて、ロールアップM&A戦略を主力の成長戦略とし、今後も積極的な展開を図って参ります。
2.異動する子会社の概要
株式会社Five Line
3.本株式取得の相手先の概要
眞鍋 日佐志(株式会社Five Line 代表取締役)
4.本株式取得の方法
当社は、Five Line社の発行済株式の60%にあたる3,000株のうち、本自己株式処分により200百万円相当分を取得、差分を現金により取得し、これらによりFive Line社を子会社化いたしました。
5.日程
Ⅱ.第三者割当による自己株式処分
1.処分の概要
2.処分の目的及び理由
本自己株式処分は、Five Line社の株式取得の一環として実施するものであり、Five Line社のノウハウやスキルは当社にとって最適であり大きな潜在価値を認め、代表者の眞鍋 日佐志氏も引き続き経営に携わるという前提で、当社株式を現物出資で交付するという提案を交渉過程で行い合意いたしました。
当社は、本件買収に際して、当社保有の自己株式(平均取得価額798円)を有効活用し、財務上の影響を一定程度軽減することや、買収後の当社グループの企業価値の向上を目指すうえで、本件買収会社の経営に引き続き眞鍋 日佐志氏が携わるうえでのインセンティブ効果を含め総合的に検討した結果、本件買収会社の株主である眞鍋 日佐志氏に対して、当社普通株式を交付することとしました。
3.処分予定先の選定理由等
(1)処分予定先
眞鍋 日佐志(株式会社Five Line 代表取締役)
(2)処分予定先を選定した理由
前記「2.処分の目的及び理由」をご参照ください。
4.処分要項
Ⅲ.資金の借入
1.資金の借入の理由
Five Line社の株式取得のため、資金を調達するものであります。
2.借入の概要
(株式会社INEの完全子会社化、第三者割当による自己株式の処分、資金の借入)
当社は、2023年6月16日開催の取締役会において、電力・ガス事業者向けの成約支援サービスを運営する株式会社INE(以下「INE社」といいます。)の発行済株式の一部を取得(以下「本株式取得」といいます。)し完全子会社化すること(以下「本完全子会社化」といいます。)、また、INE社の株式取得の対価の一部とするために第三者割当による自己株式の処分(以下「本自己株式処分」といいます。)を行うこと、並びに資金の借入れを行うことについて決議しました。
なお、INE社の株式取得及び資金の借入れは2023年7月3日、第三者割当による自己株式の処分は2023年7月4日に完了しております。
I.株式取得
1.本株式取得の理由
当社は「社会的負債を、次世代の可能性に。」をパーパスに掲げ、社会課題に対して、テクノロジー×リアルで解決していくことを目指し、人材採用、販促における成約支援事業を展開しております。
販促支援サービスでは2022年3月期第4四半期より、INE社の発行済株式数の50.91%を取得することによる子会社化を通じてエネルギー領域への参入を決定しました。同社は、WEBマーケティングによるエンドユーザー集客と、インサイドセールスによる電力・ガス成約支援サービスを運営し、2023年3月期においては、エネルギー市場における外部環境が厳しいなかで、当社事業は善戦し、電力成約件数で年間16.7万件の規模となり、当社グループ業績拡大に大きく寄与しております。また、2023年5月12日開示の通り、新たに電力成約件数年間11.2万規模で全国1,000以上の不動産会社等を中心とした販売パートナー戦略によってユーザー集客を行い、インサイドセールスによる電力・ガスの成約支援で成長している企業であるFive Line社の子会社化を決定し、2024年3月期第2四半期より連結対象となります。Five Line社の子会社化により、INE社とあわせて電力成約件数年間30万件規模となり、国内最大規模※1の電力成約支援事業者となります。
※1「国内最大規模」:当社調べによるものになります。
エネルギー市場の外部環境については、2023年3月期は非常に厳しい状況で、電力事業者の新規顧客獲得余力は低下し、成約単価も低下傾向、当社取引先事業者の中でも一時的に新規顧客獲得を停止される事業者も出ておりました。
しかしながら、2023年6月からの各地域電力事業者の電気料金値上げにより、その他の電力事業者についても地域電力事業者の料金を基準に値上げをしていく動きとなっております。
電気料金値上げを踏まえ、料金改定後の条件交渉について当社取引先の地域電力事業者や新電力事業者の多くの企業と協議を進めている状況となります。その中でも最も現在当社が成約件数を上げている大手新電力事業者の成約単価が、2023年7月より前年同期比20%以上改善する見込みとなっております。そのほか事業者についても原則ネガティブになることは見込んでおらず、各社の成約単価は維持以上になることが見込まれます。
2022年3月期第4四半期におけるINE社子会社化の際には、エネルギー領域が当社にとって新たな領域であったことから、過半数株式取得による子会社化からスタートし、双方のシナジーを探っておりましたが、当社としてエネルギー領域を主力事業にするという意思決定の中で、当社による完全子会社化が最も有効な判断であるという合意に至りました。
また、外部環境についても2024年3月期第2四半期以降ポジティブな改善が見込まれていることや、新たにFive Line社も子会社化したことのシナジー効果も含めて成長拡大を更に加速し、販促支援サービスエネルギー領域で年間50万件の電力・ガス等の総成約件数、売上収益100億円突破を早期に実現させるためにも、INE社の株式を追加取得し、100%の完全子会社とすることを決定いたしました。
なお、2023年3月期においては厳しい外部環境の中で善戦しているものの、その前の水準と比較すると業績水準が大きく落ち込んでいる点も鑑みて双方協議の結果、初回取得価額と異なる価額で合意しております。
追加取得については、一部自己株式を活用することで資本コストの増加を抑制するスキームとし、現金部分は金融機関からの借入及び手元資金にて実行いたしました。
2.異動する子会社の概要
株式会社INE
3.本株式取得の相手先の概要
伊藤 圭二(株式会社INE 代表取締役)
岡本 崇章(株式会社INE 取締役)
田崎 匡浩(株式会社INE 取締役)
4.本株式取得の方法
当社は、INE社の発行済株式の50.91%に当たる168株を保有しておりますが、残り49.09%に当たる162株のうち、本自己株式処分により250百万円相当分を取得、差分を現金により取得し、これらによりINE社を完全子会社化いたしました。なお、取得価額については、2023年3月期業績も善戦しているものの、それ以前の業績水準と比較して減少している点を鑑み、2022年1月時の取得価額に対して、双方協議の上、一部ディスカウントをした取得価額で合意しております。
5.日程
Ⅱ.第三者割当による自己株式処分
1.処分の概要
2.処分の目的及び理由
本自己株式処分は、INE社の株式取得の一環として実施するものであり、INE社のノウハウやスキルは当社にとって最適であり大きな潜在価値を認め、当社株式を現物出資で交付するという提案を交渉過程で行い合意いたしました。
当社は、本件完全子会社化に際して、当社保有の自己株式(平均取得価額798円)を有効活用し、財務上の影響を一定程度軽減することや、完全子会社化後の当社グループの企業価値の向上を目指すうえでのインセンティブ効果を含め総合的に検討した結果、本件買収会社の株主である伊藤 圭二氏、岡本 崇章氏、田崎 匡浩氏に対して、当社普通株式を交付することとしました。
3.処分予定先の選定理由等
(1)処分予定先
伊藤 圭二(株式会社INE 代表取締役)
岡本 崇章(株式会社INE 取締役)
田崎 匡浩(株式会社INE 取締役)
(2)処分予定先を選定した理由
前記「2.処分の目的及び理由」をご参照ください。
4.処分要項
Ⅲ.資金の借入
1.資金の借入の理由
INE社の株式取得のため、資金を調達するものであります。
2.借入の概要
(子会社の売却)
当社は、2023年6月30日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるポートエンジニアリング株式会社(以下「ポートエンジニアリング」といいます。)の全株式を、株式会社ココナラ(以下「ココナラ社」といいます。)に譲渡すること(以下「本株式譲渡」といいます。)を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しております。
なお、ポートエンジニアリングの株式譲渡は、2023年7月3日に完了しております。
(1) 株式売却の目的
当社グループは、成約支援事業として新卒層、若年層の未就業、未経験に特化した人材支援サービスを展開し、著しい成長を実現しておりますが、2018年1月より新規事業として、企業に開発人材リソースを提供するITフリーランス人材支援事業を開始しており、ITエンジニア市場についても拡大可能性は大きいため、将来的な当社の主力事業に育成させるべく、今期より会社分割による子会社化を通じて拡大を図る決定をしておりました。
しかしながら、2023年5月12日公表の新たな中期経営計画に記載の通り、人材支援サービス(新卒層、若年層)、販促支援サービス(エネルギー領域)を主力事業として各100億円規模の事業に早期に成長させていくことを意思決定したことから、当該領域に対して、人的リソースを含めて最大限の経営資源を投下するため、本株式譲渡を決定いたしました。
(2)売却する相手先の名称
株式会社ココナラ
(3)売却の時期
2023年7月3日
(4)当該子会社の概要
(5)売却する株式の数、売却後の持分比率、売却価額及び売却損益
(有償新株予約権の発行決議)
当社は、2023年7月26日開催の取締役会において、会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づき、当社取締役及び従業員に対し、下記のとおり新株予約権を発行することを決議いたしました。
なお、本件は新株予約権を引き受ける者に対して公正価格にて有償で発行するものであり、特に有利な条件ではないことから、株主総会の承認を得ることなく実施いたします。
また、本新株予約権は付与対象者に対する報酬としてではなく、各者の個別の投資判断に基づき引き受けが行われるものであります。
中長期的な当社の業績拡大及び企業価値の増大を目指すにあたり、2023年5月12日に公表しました「中期経営計画策定に関するお知らせ」の2024年3月期を初年度とする3ヵ年(2024年3月期~2026年3月期)の中期経営計画達成に対するコミットメントをより一層高めることを目的として、当社取締役及び従業員に対して、有償にて新株予約権を発行するものであります。
なお、本新株予約権がすべて行使された場合に増加する当社普通株式の総数は230,200株であり、最大で1.8%の希薄化が生じます。しかしながら、本新株予約権は、2026年3月期(以下、「業績観察年度」という。)において当社のEBITDAが35億円、37.5億円、40億円を達成した場合に段階的に行使可能となる行使条件が付されております。
なお、中期経営計画にて目標としているEBITDA40億円を達成した場合に100%行使可能となり、EBITDA35億円では20%、EBITDA37.5億円では50%行使に限定し、EBITDA40億円達成へのコミットメントを高める設計にしております。その目標が達成されることは、当社の企業価値・株主価値の向上に資するものと認識しております。このため、本新株予約権の発行は、当社の既存株主の皆様の利益に貢献できるものと認識しており、株式の希薄化への影響は合理的なものであると考えております。
2,302個
なお、本新株予約権を行使することにより交付を受けることができる株式の総数は、当社普通株式230,200株とし、下記3.(1)により本新株予約権にかかる付与株式数が調整された場合は、調整後付与株式数に本新株予約権の数を乗じた数とする。
本新株予約権1個あたりの発行価額は、1,800円とする。なお、当該金額は、第三者評価機関である株式会社プルータス・コンサルティングが、当社の株価情報等を考慮して、一般的なオプション価格算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションによって算出した結果と同額で決定したものである。
本新株予約権1個あたりの目的である株式の数(以下、「付与株式数」という。)は、当社普通株式100株とする。
なお、付与株式数は、本新株予約権の割当日後、当社が株式分割(当社普通株式の無償割当てを含む。以下同じ。)または株式併合を行う場合、次の算式により調整されるものとする。ただし、かかる調整は、本新株予約権のうち、当該時点で行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ行われ、調整の結果生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。
調整後付与株式数=調整前付与株式数×分割(または併合)の比率
また、本新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割、株式交換または株式交付を行う場合その他これらの場合に準じ付与株式数の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に付与株式数の調整を行うことができるものとする。
本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、1株あたりの払込金額(以下、「行使価額」という。)に、付与株式数を乗じた金額とする。
行使価額は、本新株予約権の発行条件を決定する取締役会決議日の前日の東京証券取引所の当社普通株式の普通取引の終値である、金2,084円とする。
なお、本新株予約権の割当日後、当社が株式分割または株式併合を行う場合、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げる。
また、本新株予約権の割当日後、当社が当社普通株式につき時価を下回る価額で新株の発行または自己株式の処分を行う場合(新株予約権の行使に基づく新株の発行及び自己株式の処分または合併、会社分割、株式交換及び株式交付による新株の発行及び自己株式の交付の場合を除く。)、次の算式により行使価額を調整し、調整による1円未満の端数は切り上げる。
なお、上記算式において「既発行株式数」とは、当社普通株式にかかる発行済株式総数から当社普通株式にかかる自己株式数を控除した数とし、また、当社普通株式にかかる自己株式の処分を行う場合には、「新規発行株式数」を「処分する自己株式数」に読み替えるものとする。
さらに、上記のほか、本新株予約権の割当日後、当社が合併、会社分割、株式交換もしくは株式交付を行う場合、その他これらの場合に準じて行使価額の調整を必要とする場合には、当社は、合理的な範囲で適切に行使価額の調整を行うことができるものとする。
本新株予約権を行使することができる期間(以下、「行使期間」という。)は、2026年5月15日から2028年5月14日までとする。
① 本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金の額は、会社計算規則第17条第1項に従い算出される資本金等増加限度額の2分の1の金額とする。計算の結果1円未満の端数が生じたときは、その端数を切り上げるものとする。
② 本新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本準備金の額は、上記①記載の資本金等増加限度額から、上記①に定める増加する資本金の額を減じた額とする。
譲渡による本新株予約権の取得については、当社取締役会の決議による承認を要するものとする。
① 新株予約権の割り当てを受けた者(以下「新株予約権者」という。)は、2026年3月期における当社の決算短信に記載されているEBITDAが、下記に掲げる各金額を超過した場合、各新株予約権者に割り当てられた新株予約権のうち当該各号に掲げる割合(以下、「行使可能割合」という。)を限度として行使することができる。
(a) EBITDAが35億円以上となった場合 行使可能割合20%
(b) EBITDAが37.5億円以上となった場合 行使可能割合50%
(c) EBITDAが40億円以上となった場合 行使可能割合100%
なお、EBITDAは、2024年3月期より適用予定の算式(EBITDA=営業利益+減価償却費+固定資産除却損及び評価損益+株式報酬費用)により判定するものとする。
また、当該EBITDA の判定に際しては、適用される会計基準の変更や当社の業績に多大な影響を及ぼす企業買収等の事象が発生し、損益計算書(連結損益計算書を作成している場合、連結損益計算書)の数値を直接参照することが適切ではないと当社取締役会が判断した場合には、当社は合理的な範囲内で別途参照すべき指標を取締役会が定めることができるものとする。
また、国際財務報告基準の適用等により参照すべき項目の概念に重要な変更があった場合には、別途参照すべき指標を取締役会が定めるものとする。
行使可能割合の計算において、各新株予約権者の行使可能な本新株予約権の数に1個未満の端数が生じる場合は、これを切り捨てた数とする。
② 新株予約権者は、割当日から2025年7月1日までの期間において、継続して当社または当社関係会社の取締役、監査役または従業員(アルバイト、パートタイマー及び契約社員を含む。以下同じ。)であることを要する。ただし、任期満了による退任、定年退職、その他正当な理由があると取締役会が認めた場合は、この限りではない。
2025年7月2日から行使期間終期までの期間においては、新株予約権者は、新株予約権の権利行使時においても、当社または当社関係会社の取締役、監査役または従業員であることを要しないものとする。ただし、新株予約権者が解任及び懲戒解雇等により退職するなど、本新株予約権を保有することが適切でないと取締役会が判断した場合には、本新株予約権を行使できないものとする。
③ 新株予約権者の相続人による本新株予約権の行使は認めない。
④ 本新株予約権の行使によって、当社の発行済株式総数が当該時点における発行可能株式総数を超過することとなるときは、当該本新株予約権の行使を行うことはできない。
⑤ 各本新株予約権1個未満の行使を行うことはできない。
2023年8月18日
(1)当社が消滅会社となる合併契約、当社が分割会社となる会社分割についての分割契約もしくは分割計画、または当社が完全子会社となる株式交換契約、株式交付計画もしくは株式移転計画について株主総会の承認(株主総会の承認を要しない場合には取締役会決議)がなされた場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、本新株予約権の全部を無償で取得することができる。
(2)新株予約権者が権利行使をする前に、上記3.(6)に定める規定により本新株予約権の行使ができなくなった場合は、当社は、当社取締役会が別途定める日の到来をもって、行使ができなくなった当該新株予約権を無償で取得することができる。
当社が、合併(当社が合併により消滅する場合に限る。)、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転(以上を総称して以下、「組織再編行為」という。)を行う場合において、組織再編行為の効力発生日に新株予約権者に対し、それぞれの場合につき、会社法第236条第1項第8号イからホまでに掲げる株式会社(以下、「再編対象会社」という。)の新株予約権を以下の条件に基づきそれぞれ交付することとする。ただし、以下の条件に沿って再編対象会社の新株予約権を交付する旨を、吸収合併契約、新設合併契約、吸収分割契約、新設分割計画、株式交換契約または株式移転計画において定めた場合に限るものとする。
新株予約権者が保有する新株予約権の数と同一の数をそれぞれ交付する。
再編対象会社の普通株式とする。
組織再編行為の条件を勘案のうえ、上記3.(1)に準じて決定する。
交付される各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は、組織再編行為の条件等を勘案のうえ、上記3.(2)で定められる行使価額を調整して得られる再編後行使価額に、上記6.(3)に従って決定される当該新株予約権の目的である再編対象会社の株式の数を乗じた額とする。
上記3.(3)に定める行使期間の初日と組織再編行為の効力発生日のうち、いずれか遅い日から上記3.(3)に定める行使期間の末日までとする。
上記3.(4)に準じて決定する。
譲渡による取得の制限については、再編対象会社の取締役会の決議による承認を要するものとする。
上記3.(6)に準じて決定する。
上記5に準じて決定する。
当社は、本新株予約権にかかる新株予約権証券を発行しないものとする。
2023年8月18日
2023年8月7日
当社取締役 2名 581個
当社従業員 65名 1,721個