第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による事業への影響については、引き続き今後の状況を注視してまいります。

 

重要事象等

 当社は、前事業年度まで8期連続となる営業損失及び9期連続となるマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社は、当該事象又は状況を解消し事業基盤及び財務基盤の安定化を実現するために、以下の対応策を講じております。

①事業基盤の安定化

 徹底的なコスト削減や、事業の選択と集中により、事業基盤の安定化を図ってまいります。具体的には、既存タイトルについては、各タイトルの収益状況に応じた人員配置を行うなど運営体制の見直しを継続的に行うことによりコスト削減を図るほか、その中においても収益が見込めない既存タイトルについては、それらの事業譲渡・配信終了も視野に対応する方針であります。また、他社IPタイトルとのコラボレーションを実施するなど、他社IPの協力を得ることによりユーザーのログイン回数や滞留時間の増加を図り、売上収益の拡大を進めてまいります。今後の新規タイトルにつきましては、新規開発に注力できる体制を構築・維持することで、高品質なタイトルの開発を推進いたします。人員体制及び協力企業の制作力・技術力を踏まえ、過去事例を参考に慎重に工数を見積もることで、開発スケジュールの遅延等による開発費の増加が生じないよう努めてまいります。また、IPの価値と経済条件を踏まえ収益性が高く見込まれるタイトルに対して優先的に開発・運営人員を配置することにより、当社の収益改善を図ってまいります。

②財務基盤の安定化

 財務面につきましては、財務基盤の安定化のため、複数社の取引金融機関や協業先と良好な関係性を築いており、引き続き協力を頂くための協議を進めております。売上高やコスト等の会社状況を注視し、必要に応じてすみやかな各種対応策の実行をしてまいります。

 しかしながら、既存タイトルの売上動向、新規タイトルの売上見込及び運営タイトルの各種コスト削減については将来の予測を含んでおり、引き続き業績の回復状況を慎重に見極める必要があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 なお、四半期財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半期財務諸表に反映しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

 当第2四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により、社会経済活動に正常化の動きがある一方、世界的な原材料高騰による物価上昇の影響で、景気の先行きは極めて不透明な状況が続いております。

 当社においては、従業員の安全性を考慮し、恒久的なテレワーク(在宅勤務)制度を導入しており、通勤時間が不要になるなど、従業員満足度の向上が図られたとともに、場所を問わずチーム体制が有効に機能したこともあり、ゲームアプリの運用・開発面での生産性向上につながっております。

 このような事業環境の中、当社では、リリース1周年を迎えた大人気作品『進撃の巨人』のスマートフォンゲーム「進撃の巨人 Brave Order」は累計555万ダウンロードを突破しており、引き続き当社の業績に貢献しております。2023年秋にはアニメ『進撃の巨人 The Final Season完結編(後編)』の放送を予定しておりますので、引き続きゲーム内のさらなる活性化を図るため、出演人気声優を起用した公式放送を行い、番組とゲームで連動した企画の実施や機能改善など、引き続き魅力的なイベント施策を行い、収益寄与につなげてまいります。

 リリース3年目を迎えたアニメ『五等分の花嫁』初のスマートフォンゲーム「五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。」は、累計800万ダウンロードを突破し、当社の業績に貢献しております。イベント施策や書き下ろしイラストの充実など、引き続き魅力的な施策を行い収益寄与につなげてまいります。

 リリース13年目を迎えた「ぼくのレストラン2」や「ガルショ☆」は、コラボレーション施策等が好調に推移し、引き続き当社の売上収益に大きく貢献しております。よりきめ細やかな対応を図り、ユーザーの皆様の満足度向上に努めてまいります。

 また、足元の状況としては、アニメ『ゆるキャン△』初となるオンラインゲーム「ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!」を2023年6月15日にリリースいたしました。事前登録者数は全世界で124万人を超え、累計1,000万ダウンロードを突破しているものの、プレイ環境やゲームバランスに課題があり、当四半期においては期待どおりの売上をあげることはできませんでした。現在は機能改善やパフォーマンス改善を進めており、秋のキャンプシーズンに向けて、様々なご意見やフィードバックを反映させるとともに、魅力的なキャンペーン施策を行い、今後の収益寄与が期待されます。

 さらに、累計ダウンロード数900万突破のスマートフォン向けドラマチック共闘オンラインRPG「De:Lithe~忘却の真王と盟約の天使~」をベースとした、モバイルゲームクオリティのブロックチェーンゲーム「De:Lithe Last Memories(ディライズ ラストメモリーズ)」を開発中であることを発表いたしました。クリプトファンにもモバイルゲームプレイヤーにも満足頂けるものを提供してまいりたいと考えております。

 なお、当社は株式会社HashPaletteより不当利益返還請求として176百万円の訴訟が提起させておりますが、今後、先方の主張及び請求内容を精査し適切に対処してまいります。今後の進捗に伴い、開示すべき事項が判明した場合には、すみやかにお知らせいたします。

 当事業年度においては、既存タイトルの効果的運営を推進するとともに、新規IPタイトル開発及びブロックチェーンゲーム開発に人材を投入しております。引き続き、有力案件を確保し、年1~2本ペースでの新規タイトルリリースを行うことで利益を積み上げ、企業価値向上を図ってまいります。

 この結果、当第2四半期累計期間の業績は、売上高は1,738百万円(前年同四半期比20.4%の減少)、営業損失は790百万円(前年同四半期は129百万円の営業損失)、経常損失は817百万円(前年同四半期は139百万円の経常損失)、四半期純損失は831百万円(前年同四半期は141百万円の四半期純損失)となっております。

 

②財政状態

(資産)

 当第2四半期会計期間末の流動資産につきましては、前事業年度末に比べて561百万円減少し、1,454百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少(前事業年度末比761百万円の減少)があった一方で、売掛金の増加(前事業年度末比127百万円の増加)によるものであります。固定資産につきましては、前事業年度末に比べて61百万円増加し、296百万円となりました。これは主に、関係会社株式の増加(前事業年度末比61百万円の増加)、長期前渡金の増加(前事業年度末比11百万円の増加)があった一方で、関係会社長期貸付金の減少(前事業年度末比10百万の減少)によるものであります。

 この結果、総資産は、前事業年度末に比べ500百万円減少し、1,750百万円となりました。

(負債)

 当第2四半期会計期間末の流動負債につきましては、前事業年度末に比べて331百万円増加し、1,451百万円となりました。これは主に、短期借入金の増加(前事業年度末比200百万円の増加)、未払金の増加(前事業年度末比135百万円の増加)によるものであります。固定負債につきましては2百万円となりました。

 この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ330百万円増加し、1,453百万円となりました。

(純資産)

 当第2四半期会計期間末の純資産につきましては、前事業年度末に比べて831百万円減少し、296百万円となりました。これは主に、四半期純損失を831百万円計上したことによるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、489百万円となりました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期累計期間において営業活動により使用した資金は、897百万円となりました。これは主に、税引前四半期純損失829百万円の計上、売上債権の増加額127百万円があった一方で、未払金の増加額135百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期累計期間において投資活動により使用した資金は、63百万円となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出61百万円、有形固定資産の取得による支出4百万円があった一方で、敷金の回収による収入1百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期累計期間において財務活動により獲得した資金は、120百万円となりました。これは主に、短期借入れによる収入750百万円があった一方で、短期借入金の返済による支出550百万円、その他の財務活動によるキャッシュ・フロー79百万円があったことによるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当第2四半期累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。