第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、2022年1月に実行した基幹システムのリプレイスに関連するトラブルの影響により、前連結会計年度において2021年12月期と比較して売上高が大きく減少し、営業損失81億39百万円、経常損失78億89百万円、親会社株主に帰属する当期純損失109億76百万円と多額の損失を計上し、当第2四半期連結累計期間においても営業損失31億57百万円、経常損失32億68百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失32億64百万円を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。当社グループは、当該状況を解消すべく、以下の業績改善施策を講じております。

 

<業績改善施策>

当社グループといたしましては、引き続き改善施策の実行に注力し、早期に黒字転換を実現するため、中期経営計画で掲げている「通信販売事業のデジタルシフト」、「収益構造の変革」及び「パートナー企業との共創」等の施策を集中的に実施し、ビジネスモデルの転換を進めております。

 

各施策の進捗状況

①「通信販売事業のデジタルシフト」

カタログ中心のプロモーションを見直し、SNS等によるデジタル・プロモーションへの経営資源のシフトを進めております。その取り組みの一環として、注力商品についてファネルに沿ったバナー作成、ランディングページ(広告のリンク先ページ)の作成、商品詳細情報の充実に取り組んでおり、当該商品のセッション数やコンバージョン率が改善する成果が出ております。

今後、WEB広告においても、単品訴求のみではなく、「ライフスタイル提案」に繋がるプロモーションを実施し、効率の改善、効果の最大化を図ってまいります。

 

②「収益構造の変革」

従来のカタログに最適化した事業運営から脱却し、商品を厳選し型数を絞りこむことで、お客様のニーズを満たすオリジナル商品・サービスの提案により一層磨きをかけ、商品開発、在庫管理等の事業運営を効率化し、売上総利益率を改善します。

販売促進費の投入については、新規会員獲得施策だけでなく、既存会員様との関係性を深める施策を重視し、継続率、購入頻度の最大化に繋げ、質の高い会員基盤を構築してまいります。

その一環として前年11月にグランドオープンした商品買取サービス「kimawari」はサービス利用後の商品購入率の向上に寄与しており、今後のベルメゾンの収益率改善に向けた重点施策の一つとして、体制強化や買取対象商品の拡大などの取り組みを加速させてまいります。

加えて、利益率の高い広告ソリューション事業においては、女性会員数が国内有数規模のECサイト「ベルメゾンネット」を活用した新たな広告メニューの開発により、グループ全体の収益率改善に繋げてまいります。

 

③「パートナー企業との共創」

東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」といいます。)との共創は着実に進捗しております。JR東日本のEコマースサイト「JRE MALL」においては、ベルメゾンJRE MALL店が主要ショップとなっており、千趣会グループのイイハナ・ドットコム、暮らすグルメも出店し売上を伸ばすとともに、エキナカ店舗「Disney Fantasy Shop by Belle Maison(ディズニーファンタジーショップ バイ ベルメゾン)」が鉄道の流動回復とインバウンド需要の増加を背景として好調に推移しております。また、4月からは株式会社ルミネのネット通販物流を当社の物流センターが担うなど事業シナジーが拡大しております。

前述の商品買取サービス「kimawari」は、情報流通支援サービスの株式会社オークネットとの共創によるものであり、お客様とベルメゾンブランドとの結びつきを強める施策として位置づけております。

その他のサービスについては、2022年のリプレイスにより機動的な開発が可能となったシステムをベースにパートナー企業様が提供するサービスをベルメゾンネット上で注文、決済できる仕組みを構築しており、その第1号として従来の「宅配クリーニング」サービスをリニューアルし5月より販売開始しております。今後、こうした仕組みを拡充し、従来の「モノ」の取扱いだけではない、お客様に喜んでいただけるサービスメニューの開発を進め、ベルメゾンのファンに継続的にご利用いただく構造を築いてまいります。

 

財務面については、当第2四半期連結会計期間末において、当社グループの自己資本比率は56.6%であり、良好な財政状態を維持しております。また、資金面については、当第2四半期連結会計期間末において、現金及び預金72億82百万円を保有するとともに、当座借越契約枠50億円の設定があり、そのうち、20億円については期日の定めがなく、30億円については重要な後発事象に記載の通り2024年4月26日の契約期限を2024年7月31日まで延長しております。いずれも当第2四半期連結会計年度末における借入実行残高はなく、資金繰りの懸念はございません。

なお、取引金融機関と総額100億円のコミットメントライン契約を締結しておりましたが、四半期連結貸借対照表関係に記載しているコミットメントライン契約にかかる財務制限条項に抵触する可能性が高くなったため、2023年8月9日付で内容の見直し等について取引金融機関と合意し、本契約の財務制限条項を撤廃するとともに、投資有価証券の担保を解除し、総額を80億円に変更しております。本契約の期間満了日は2024年3月29日で変更はなく、実行日から最長6ヶ月の借入が可能です。当該契約について、当第2四半期連結会計年度末における借入実行残高はございません。今後も継続的な支援が得られるよう対応してまいります。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

今後も経営環境の変化に柔軟に対応し、必要な施策を適時に実行することにより、早期の黒字化を実現し、中長期的には、お客様から長く愛され、ステークホルダーの皆様の期待に応えられる企業となれるよう努めてまいります。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動規制が緩和されたことにより経済活動が正常化し、企業収益や所得環境の改善を背景に緩やかな回復傾向を示しております。しかし、世界的な資源価格の高騰や為替の変動による物価高が顕著であり、地政学リスクの上昇も懸念され、先行きは不透明な状況が続いております。

小売業界におきましては、EC利用による商品購入は定着化しておりますが、消費者の外出機会の増加により店舗利用が拡大し、通信販売の利用は反動減となりました。

このような経営環境のもと、当第2四半期連結累計期間においては、中期経営計画で掲げている「通信販売事業のデジタルシフト」、「収益構造の変革」及び「パートナー企業との共創」等の施策を集中的に実施いたしました。その効果は着実にあらわれてきておりますが、当第2四半期連結累計期間においては、当社グループの中核事業である通信販売事業のベルメゾンにおいて計画達成に充分な注文獲得費効率が得られず、売上高が前年同期を下回りました。その結果、当第2四半期連結累計期間の当社グループの売上高は266億35百万円(前年同期比6.2%減)、営業損失は31億57百万円(前年同期は39億8百万円の営業損失)、経常損失は32億68百万円(前年同期は37億49百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は32億64百万円(前年同期は36億56百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

セグメント別の概況は、次のとおりであります。

(通信販売事業)

カタログ及びインターネットを中心とする通信販売事業は、当第2四半期連結累計期間において販売促進費をカタログからデジタルへシフトし各種施策を積極的に展開いたしました。デジタルシフトは成果の兆しも見えておりますが、既存会員の戻り率(当期における再購入)が想定を下回ったことで、当第2四半期連結累計期間の売上高は238億30百万円(前年同期比5.2%減)、営業損失は33億15百万円(前年同期は40億42百万円の営業損失)となりました。

 

(法人事業)

法人向けの商品・サービスを提供する法人事業は、企業の物流業務等の代行サービスの利用が想定より伸びず、当第2四半期連結累計期間の売上高は18億46百万円(前年同期比16.7%減)、営業利益は5百万円(前年同期比94.5%減)となりました。

 

(保険事業)

ベルメゾン会員を中心に最適な保険選びのサポートを行う保険事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は2億31百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は1億15百万円(前年同期比19.5%増)となりました。

 

(その他)

子育て支援事業を行うその他の事業の当第2四半期連結累計期間の売上高は7億26百万円(前年同期比10.6%減)、営業利益は36百万円(前年同期は70百万円の営業損失)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ51億7百万円減少し、338億15百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ49億77百万円減少し、196億10百万円となりました。これは、未収入金が21億10百万円、現金及び預金が20億5百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。また固定資産は、投資その他の資産が1億26百万円増加した一方で、有形固定資産が81百万円、無形固定資産が1億74百万円それぞれ減少したことにより前連結会計年度末に比べ1億30百万円減少し、142億4百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ19億93百万円減少し、111億8百万円となりました。これは、買掛金が9億94百万円、その他が8億25百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ2億41百万円減少し、35億60百万円となりました。これは、長期借入金が3億10百万円減少したことが主な要因であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ28億73百万円減少し、191億46百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失32億64百万円を計上したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は56.6%となりました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は72億82百万円となり、前連結会計年度末と比較して20億5百万円の減少となりました。

「営業活動によるキャッシュ・フロー」は16億91百万円の支出(前年同期は40億79百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、その他の流動資産の減少額18億37百万円であり、主なマイナス要因は、税金等調整前四半期純損失33億48百万円、仕入債務の減少額9億96百万円、その他の流動負債の減少額9億38百万円であります。

「投資活動によるキャッシュ・フロー」は4百万円の収入(前年同期は2億73百万円の支出)となりました。主なプラス要因は、貸付金の回収による収入72百万円であり、主なマイナス要因は、無形固定資産の取得による支出79百万円、有形固定資産の取得による支出74百万円であります。

「財務活動によるキャッシュ・フロー」は3億68百万円の支出(前年同期は4億82百万円の収入)となりました。主なマイナス要因は、長期借入金の返済による支出3億10百万円であります。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、20百万円であります。

なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。