第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社並びに持分法適用子会社)が判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という。)の行動制限解除の下、経済活動の持ち直しの動きがみられたものの、世界的な情勢不安、円安の進行等に伴う原材料価格上昇、物価高騰の影響など、依然として景気の先行き不透明な状態が続いております。

当第1四半期連結累計期間の経営成績は、タクシー・バス事業で移動需要の順調な回復となったものの、不動産分譲事業において竣工引渡し物件の反動減を主要因として、売上高は19,129百万円(前年同四半期比13.9%減)、営業利益は218百万円(同42.0%減)、経常利益は564百万円(同1.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は296百万円(同2.6%減)となりました。

なお、当社グループの不動産分譲事業では、顧客のニーズに合わせて第4四半期連結会計期間に竣工する物件の割合が高いため、第4四半期連結会計期間の売上高は他の四半期連結会計期間の売上高と比べ、高くなる傾向にあります。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

①タクシー事業

タクシー業界においては、感染症拡大抑止に伴う外出自粛や訪日外国人等の利用減少が、全国的に乗務員の離職を招いたことにより、急回復したタクシー需要への供給量不足が継続しております。

当社グループにおいては、引き続き「ママサポートタクシー」(78地域、累計登録者数470千人、利用回数はのべ1,134千回、うち陣痛時利用38千回)、「子どもサポートタクシー」、「No.1タクシーネットワーク」(提携及び商流サービス利用を含め698社)など、サービス展開を全国の営業所にて推進しております。路線バス廃止や交通不便地区での移動困難者の外出を支援する「おでかけ乗合タクシー」(69市町村280路線)、「救援事業・便利屋タクシー」、「お墓参りサポートタクシー」、低濃度オゾン発生装置の全車搭載など、他社との差別化を図っております。また、脱炭素社会への取り組み「全国タクシーEV化プロジェクト」第一弾のEVタクシー101台以降も順次導入することで、タクシー車両のEV化及び配車システムでの運用効率化に係る開発・実証により、全国で持続可能な環境配慮型タクシー事業の実現を図ります。

乗務員募集・採用では国土交通省「働きやすい職場認証制度」のPR、事業所内保育所や近隣保育施設との業務提携、若年者の採用優遇制度「夢チャレ」、事業所見学会の実施、インターネット、ホームページ、テレビCM等の活用により女性乗務員や若年層の採用を進めることで、若返り及び定着を図っております。(括弧内の数値はいずれも2023年6月30日現在)

売上高は利用者の需要回復と運賃改定の進展により12,054百万円(前年同四半期比7.1%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだものの、セグメント損失は126百万円(前年同四半期はセグメント損失251百万円)となりました。

タクシー認可台数は前連結会計年度末比9台増の8,164台ですが、このうちタクシー特措法に基づく特定地域内で稼働ができない状態(休車)の6台及びコロナ対策の特例休車535台が含まれており、稼働可能な台数は7,623台となっております。なお、認可台数に含まれていない預かり減車179台は、将来UD車等で復活が可能となっております。

②バス事業

バス業界においては、感染症拡大に伴う外出自粛、国内観光客及び訪日外国人の消失等の影響による団体旅行の利用減少が継続しておりましたが、回復傾向となっております。

当社グループの沖縄県内の路線バス部門では、交通系ICカード「OKICA」の運用、スクールバスの受託、3市町村7路線でのコミュニティバスの運行、沖縄県の各種実証実験や需要に応じた新規路線の運行、沖縄県産品の販路拡大、地域活性化を目的とした那覇空港連絡バスでの貨客混載、「沖縄スマートシフトプロジェクト」ではMaaSアプリ「my route」内でバス1日乗車券やデジタルチケットを販売、「那覇バスターミナル」ではデジタル多言語案内板等による利用者の利便性向上に努めておりますが、感染症が完全終息していないこともあり、通勤・通学者の利用減少が継続しております。なお、脱炭素社会への取り組みとして沖縄県内初の小型EV路線バス2台、大型EV路線バス1台をそれぞれ那覇市内線で運行開始しております。

一方で、沖縄県内の貸切バス部門においては、バスガイド・乗務員で構成する音楽ユニット「うたばす」による営業活動に取り組んでおり、アフターコロナ対策として、動画配信サイトで沖縄でのバス旅行の魅力を配信し、学校ともオンライン交流を行っており、当社グループ5社が認証を取得した国土交通省「働きやすい職場認証制度」のPR、「ミニフェスタ」でのバスの運転体験会を開催するなど乗務員等の採用にも注力しております。

バス事業全体では、沖縄県を中心に団体旅行やインバウンド需要の回復、大型イベントの再開など輸送人員が増加したこともあり、売上高は1,609百万円(前年同四半期比25.5%増)となり、国土交通省のコロナ対策の特例休車のほか、広範囲にわたる経費削減に取り組んだ結果、セグメント損失は69百万円(前年同四半期はセグメント損失268百万円)となりました。また、バス認可台数は、前連結会計年度末から5台増の689台ですが、コロナ対策の特例休車3台が含まれており、稼働可能な台数は686台となっております。

③不動産分譲事業

 不動産分譲事業では、感染症の行動制限の緩和下でも、来場を躊躇されるお客様向けに一部の物件で、実際のモデルルームを360°見ることができる3Dモデルルームの設置、オンラインシステムを利用した商談等も準備し、お客様のニーズに合った営業活動を行っております。

 このような状況の下、マンション販売におきましては、北九州において「小倉片野」(39戸)、大阪において「長田」(99戸)の合計2棟138戸を新規販売するとともに、完成在庫の販売に注力しましたが、新規竣工引渡し物件がないことから売上高は2,488百万円(前年同四半期比60.0%減)となりました。

 戸建住宅におきましても、「暮らしを潤す高品質な土地付住宅」をテーマにした第一ホーム㈱の「ユニエクセラン」シリーズを、福岡において「野芥」(1区画)、「三苫Ⅲ」(3区画)を新規販売するとともに、完成在庫の販売に取り組みましたが、売上高は302百万円(前年同四半期比57.1%減)となりました。

以上により、不動産分譲事業全体の売上高は、その他29百万円を加えた2,820百万円(前年同四半期比60.6%減)、セグメント損失は141百万円(前年同四半期はセグメント利益425百万円)となりました。

④不動産賃貸事業

不動産賃貸業界においては、感染症の影響により、企業のリモートワーク普及に伴うオフィスの縮小が続いており、加えて原材料価格・人件費等の高騰に伴う飲食店の減少が懸念されています。

当社グループでは、九州沖縄・中国・近畿・北陸・関東・東北・北海道の15道府県で、飲食ビルを中心に商業施設・オフィスビル・マンション・倉庫・駐車場等2,050戸の賃貸及び管理を行っております。飲食ビルテナントへの取組みとして、九州地区で当社グループタクシーとテナント内で利用が出来る「共通クーポン券」の販売を前年に引き続き実施し、飲食ビルの利用客増加、既存テナントの囲い込み及び新規入居の推進を図っており、今後も継続して営業支援に取り組むとともに、タクシー事業の拠点となる主要地域においてシナジー効果と営業エリアの拡大、パーキング事業との連携強化を進めることで、収益力の高い賃貸物件の購入を積極的に行い、賃料収入の向上に努めてまいります。

売上高につきましては、飲食ビル等の入居率の回復、新規賃貸物件の増加等により1,257百万円(前年同四半期比4.2%増)、セグメント利益は635百万円(同3.7%増)となりました。

⑤不動産再生事業

当社グループにおける不動産再生事業は、主に不動産担保融資に特化した金融事業より集まる不動産情報に、付加価値を高めマーケットにマッチした再生物件として販売しており、不動産市況や経済動向を見極めながら、積極的に展開しております。

売上高につきましては、福岡市南区の戸建物件の売却等による156百万円(前年同四半期比18.0%減)、セグメント利益は6百万円(同54.7%減)となりました。

⑥金融事業

当社グループにおける金融事業は不動産担保融資に特化しており、先行きの不透明感はあるものの、目先の堅調な不動産市場動向に支えられ、良質資産の積み上げに努めております。長引くコロナ禍における営業活動の制限も落ち着く中で、営業活動が正常化し、不動産担保ローンの融資残高は11,371百万円(前連結会計年度末比1,416百万円増)となりました。

売上高につきましては、期中平均融資残高が微増となった結果、232百万円(前年同四半期比8.0%増)、セグメント利益は158百万円(同35.9%増)となりました。

⑦その他事業

その他事業は、自動車の点検・整備、LPGの販売、パーキング事業、マンション管理、船舶事業、介護事業のほか多岐にわたる事業を展開しております。

不採算事業を縮小する一方、既存事業の充実に注力した結果、売上高は998百万円(前年同四半期比10.8%増)となりました。セグメント損失は49百万円改善した結果205百万円(前年同四半期はセグメント損失255百万円)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

(4)研究開発活動

該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結はありません。