第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症へ引き下げられたことにより、社会経済活動の正常化が進み緩やかな回復の動きがみられたものの、不安定な世界情勢の影響による資源価格の高止まりや、物価の上昇及び金融資本市場の変動等により、依然として不安定な状況で推移しました。
 物流業界におきましては、生産関連貨物について、生産制約や原材料・燃料の価格高騰に伴う需要下押し圧力が緩和されたことや堅調な企業収益等の影響により、設備投資は緩やかに持ち直しました。また、建設関連貨物については、公共投資が底堅く推移した一方で、住宅投資は減少傾向で推移したため、弱い荷動きとなりました。

国際貨物輸送につきましては、輸出は、世界経済の減速を背景に、全体的に弱い荷動きとなりました。輸入は、個人消費が持ち直している一方で、低調な荷動きとなりました。

このような経営環境の下、当社グループは、将来にわたって持続的な成長を遂げるため、『市場と顧客に選ばれる企業』を将来のありたい姿として掲げるとともに、その達成のための長期的な課題として (1) 環境変化への適応、 (2) 最新技術の取込み、 (3) 事業領域の拡大を示し、事業を展開する市場だけではなく株式市場や労働市場においても、より多くの方々に魅力的であると認識され、選ばれる企業を目指しております。

また、『将来のありたい姿』に向けた第2ステップとして、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画『ステップアップ AZUMA2023』に基づき、ESG経営からSDGs達成に貢献するため、将来を見据えた拡大事業を中心に経営資源を集中することで収益力と資本効率の向上を目指すことを基本方針とし、その戦略として (1) 企業基盤の強化、 (2) グループ営業体制の推進 (3) 事業ポートフォリオ別戦略の実行を掲げ、企業価値向上に向けた施策に取り組んでおります。

企業基盤の強化については、社会貢献活動の一環として、独立行政法人日本学生支援機構が発行するソーシャルボンドへの投資を実施いたしました。

グループ営業体制の推進については、新規案件の獲得に取組みました。

事業ポートフォリオ別戦略の実行については、拡大事業を中心とした投資計画の検討を進めました。

これらの結果、当第1四半期連結累計期間の営業収益は、99億8千3百万円と前年同四半期に比べ6億5千5百万円(6.2%)の減収となり、営業利益は3千7百万円と前年同四半期に比べ1億7千万円(82.1%)の減益、経常利益は1億5千7百万円と前年同四半期に比べ1億7千4百万円(52.5%)の減益となりました。

また、親会社株主に帰属する四半期純利益は8千7百万円と前年同四半期に比べ1億2千5百万円(59.0%)の減益となりました。

 

 

セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

① 物流事業

物流事業におきましては、国際貨物について、海外経済の回復ペースの鈍化により取扱量が減少しました。また、運航調整に伴う荷役対応を行ったことによる作業費用の増加や、トランステナー入替工事による他社施設使用に伴う費用も発生したことにより、全体的に費用は増加しました。

ロシア・中央アジア関連貨物については、ウクライナ情勢等の影響により、ロシア向けの生産関連貨物や消費財関連貨物の取扱量は引き続き減少しました。中央アジア向けの自動車関連貨物等については、経由地の中国における鉄道の貨物滞留等により取扱量は減少しました。

液体輸送関連貨物については、輸入の取扱いは堅調に推移したものの、輸出市況の低迷により総じて取扱量は減少しました。

国内貨物については、建設資材価格が上昇している影響等により、建材関連貨物が弱い荷動きとなり、陸上輸送の取扱量が減少したものの、カーフェリー輸送が堅調に推移したことにより、総じて取扱量は増加しました。

これらの結果、物流事業の営業収益は、74億4千9百万円と前年同四半期に比べ5億3千3百万円(6.7%)の減収となり、セグメント利益は、3億3百万円と前年同四半期に比べ1億8千6百万円(38.0%)の減益となりました。

 

② 海運事業

海運事業におきましては、内航船について、セメント船は、公共投資や設備投資の需要が緩やかに増加している一方で、資材価格や労務費用の高騰を懸念する動きや新設住宅着工数の減少を背景に取扱量が減少しました。内航貨物船は、一般貨物船において、石炭や石膏等の輸送量は増加しましたが建設発生土の輸送量が減少したため、取扱量は総じて微減となりましたが、効率的な配船による稼働率向上や費用削減により利益は増加しました。粉体船においては、2023年3月末に1隻が契約終了となり減船した影響を受け、取扱量は減少しました。外航船は、一般貨物船において受注航海数が減少したことにより収益は減少しました。

これらの結果、海運事業の営業収益は、22億7千2百万円と前年同四半期に比べ1億4千1百万円(5.9%)の減収となりましたが、セグメント利益は、9千4百万円と前年同四半期に比べ1千1百万円(14.0%)の増益となりました。

 

③ 不動産事業

不動産事業におきましては、保有資産の適正な維持管理を行いました。

これらの結果、不動産事業の営業収益は、1億6千5百万円と前年同四半期とほぼ同額となり、セグメント利益は、1億4千1百万円と前年同四半期に比べ1百万円(0.9%)の減益となりました。

 

④ その他事業

その他事業におきましては、植物工場のある東海地方において、前作より発生していた病害虫被害を抑制できたことにより、安定した生産活動を行えたことや、施設内1棟の一時的な稼働休止が生産性の向上に繋がり、収穫量は増加しました。一方で、収穫量増加に伴い関連費用及び燃料費が増加しました。

これらの結果、その他事業の営業収益は、9千5百万円と前年同四半期に比べ1千9百万円(26.3%)の増収となり、セグメント利益は、2千7百万円と前年同四半期と比べ1千7百万円(174.0%)の増益となりました。

 

上記セグメント利益は、セグメント間取引消去前の金額で記載しており、四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

 

資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億2千2百万円増加384億6千7百万円(2.5%増)となりました。主な要因は、現金及び預金が2億4百万円受取手形及び営業未収入金が1億6千1百万円減少したものの、横浜港流通センター新倉庫建設工事等による建設仮勘定の増加等により有形固定資産のその他が9億9千9百万円保有株式の時価上昇等の影響により投資有価証券が3億7千8百万円増加したこと等によります。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ8億3千万円増加220億5千8百万円(3.9%増)となりました。主な要因は、未払法人税等が8千5百万円、営業未払金が7千6百万円減少したものの、長期借入金が4億5千3百万円、賞与引当金が2億1百万円増加したこと等によります。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9千1百万円増加164億9百万円(0.6%増)となりました。主な要因は、非支配株主持分が1千万円減少したものの、その他有価証券評価差額金が8千5百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上8千7百万円及び配当金の支払い1億1千3百万円、持分法の適用範囲の変動3千8百万円により利益剰余金が1千2百万円、退職給付に係る調整累計額が2百万円、為替換算調整勘定が1百万円増加したことによります。

この結果、自己資本比率は42.4%と前連結会計年度末に比べて0.8ポイントの減少となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。